JP7136374B1 - マイクロled構造体を有するウェーハ、マイクロled構造体を有するウェーハの製造方法およびマイクロled構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents

マイクロled構造体を有するウェーハ、マイクロled構造体を有するウェーハの製造方法およびマイクロled構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハを提供すること。【解決手段】出発基板と、該出発基板上に形成され、開口部を含むマスクパターンを有するマスクと、前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部に対応した部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体とを有し、前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハ。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロLED構造体を有するウェーハ、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法およびマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法に関する。
出発基板上にエピタキシャル成長した積層体(以下、エピタキシャル層構造体と呼ぶ)のうち、発光素子として機能するのに必要な部分(以下、機能層とも呼ぶ)を、出発基板から分離し、別の基板へ移載する技術は、出発基板の物性に起因する制約を緩和し、デバイスシステムの設計自由度を上げるために重要な技術である。
マイクロLEDデバイスにおいては、出発基板のままでは駆動回路に移載するのが難しく、機能層を適切な基板に移載する移載技術が必須である。マイクロLEDデバイスに適した駆動回路への移載を可能とするドナー基板を作製するためには、機能層を永久基板に接合して接合基板を得、この接合基板から出発基板を除去するか、仮支持基板にて機能層を保持した状態で出発基板を除去し、その後機能層を永久基板に接合するなど、移載を実現する技術が必要である。
また、ウェーハ全体に対し機能層をエピタキシャル成長し、得られたエピタキシャル層を所望のマイクロLEDのサイズになるようエッチング加工により素子分離した場合、加工界面に輝度低下の原因となるエッチングダメージが発生する。素子サイズの小さいマイクロLEDでは、このエッチングダメージを原因とする輝度低下が顕著になる問題がある。
特許文献1では、半導体エピタキシャル基板と仮支持基板とを誘電体層を介して熱圧着接合する技術と、ウェットエッチングで仮支持基板とエピタキシャル機能層を分離する技術とが開示されている。また、特許文献2では、出発基板の単結晶層上に犠牲層および半導体結晶層をこの順で形成し、半導体結晶層に分離溝を形成して犠牲層露出後、転写基板への接合を行い、分離溝を介して犠牲層エッチングを実施して出発基板を分離する技術が開示されている。
これらの技術を用いて発光素子部を小サイズ化したマイクロLEDの製造は実現可能だが、輝度低下に対する改善策は示されていない。
特開2021-27301号公報 国際公開第WO2014-020906号明細書
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハ、輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法、および輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、出発基板と、
該出発基板上に形成され、開口部を含むマスクパターンを有するマスクと、
前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部に対応した部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
を有し、
前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハを提供する。
本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハでは、ウェーハ上に構成されているマイクロLED構造体は、あらかじめマスクにより分離された状態で選択成長されたエピタキシャル層構造体の第1の構造体および第2の構造体により構成されているため素子分離加工の必要がなく、さらに第1の構造体および第2の構造体がそれぞれ異なる極性の電極を有していることにより、一方からN型電極とのコンタクトをとることができ、他方からP型電極のコンタクトをとることができるため、電極形成のためのエピタキシャル層構造体に対するドライエッチングなどの加工も不要である。よって、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハは、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を提供することができる。このような本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハからマイクロLED構造体をマイクロLEDデバイスに適した基板に移載することで、優れた輝度を示すマイクロLED構造体を備えたマイクロLEDデバイスを製造することができる。
前記複数のエピタキシャル層構造体は、{111}面方向は全空乏層となる薄膜であることが好ましい。
このような複数のエピタキシャル層構造体を含むことにより、電極間の絶縁性を担保することができる。
前記第1の構造体が、AlGaInP系発光層を有する発光素子部であって、底部の最短部の幅をLws、前記出発基板表面に垂直な方向の前記第1の構造体の総厚さをLhとした場合、Lh≦0.707×Lwsであることが好ましい。
このような構成を有する第1の構造体では、発光素子部として機能するのに必要な全てのエピタキシャル層を、出発基板表面に垂直な[001]方向に設計厚さどおりに成長したものとすることができる。
前記第1の構造体の底部の前記最短部の幅Lwsが10μm以上100μm以下であってもよい。
本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハであれば、第1の構造体の底部の最短部の幅Lwsが10μm以上100μm以下であるようなマイクロLED構造体であっても、輝度低下の発生を十分に抑制することができる。
前記エピタキシャル層構造体は活性層を含み、前記第2の構造体は非発光素子部であって、少なくとも一部に角錐状のブリッジ部を含み、前記ブリッジ部の最短部の幅をW[μm]とし、前記出発基板表面に垂直な方向における前記活性層までの前記エピタキシャル層構造体の厚さの和をT[μm]とした場合、1.5μm<W<T/0.707であることが好ましい。
活性層より下層を第一導電型、上層を第二導電型としたとき、W<T/0.707を満たすことにより、第2の構造体のブリッジ部は、第二導電型の層に達する前に平坦部がない錐状になったものとすることができる。また、W>1.5μmであれば、第一導電型の電極とコンタクトをとるのに必要な第一導電型のクラッド層厚さが確保できる。
また、本発明では、出発基板と、
前記出発基板の一部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
を有し、
前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハを提供する。
本発明の別の態様のマイクロLED構造体を有するウェーハは、マスクを有していなくても良い。この態様のマイクロLED構造体を有するウェーハでは、ウェーハ上に構成されているマイクロLED構造体は、それぞれ選択成長されたエピタキシャル層構造体の第1の構造体および第2の構造体により構成されているため素子分離加工の必要がなく、さらに第1の構造体および第2の構造体がそれぞれ異なる極性の電極を有していることにより、一方からN型電極とのコンタクトをとることができ、他方からP型電極のコンタクトをとることができるため、電極形成のためのエピタキシャル層構造体に対するドライエッチングなどの加工も不要である。よって、この態様のマイクロLED構造体を有するウェーハは、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を提供することができる。このような態様のマイクロLED構造体を有するウェーハからマイクロLED構造体をマイクロLEDデバイスに適した基板に移載することで、優れた輝度を示すマイクロLED構造体を備えたマイクロLEDデバイスを製造することができる。
また、本発明では、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法であって、
出発基板を準備し、
該出発基板上に、開口部を含むマスクパターンを有するマスクを形成し、
前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部を通して露出した部分に、発光素子部である第1の構造体と該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含む複数のエピタキシャル層構造体を、該複数のエピタキシャル層構造体の各々が{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状になるように選択成長させ、
前記第1の構造体および前記第2の構造体にそれぞれ異なる極性の電極を形成して、前記第1の構造体および前記第2の構造体によって構成される、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を有するウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法を提供する。
このような製造方法で製造したマイクロLED構造体を有するウェーハは、あらかじめマスクにより分離された状態で選択成長されたエピタキシャル層構造体の第1の構造体および第2の構造体により構成されているマイクロLED構造体を有する。このようなマイクロLED構造体は、素子分離加工の必要がなく、さらに第1の構造体および第2の構造体がそれぞれ異なる極性の電極を有していることにより、一方からN型電極とのコンタクトをとることができ、他方からP型電極のコンタクトをとることができるため、電極形成のための加工も不要である。よって、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法によれば、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハを製造することができる。
また、本発明では、マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法であって、
本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法により、前記マイクロLED構造体を有する前記ウェーハを製造し、
前記ウェーハの前記マイクロLED構造体が形成された面を、接合材を介して支持基板の一方の主面に接合して接合基板を得て、
前記接合基板から前記出発基板を除去することで、前記マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法を提供する。
本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法であれば、本発明の本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法によってマイクロLED構造体を有するウェーハを製造してこれを使用するので、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハを製造することができる。
以上のように、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハであれば、素子分離加工および電極形成加工などの加工によるダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を有することができる。そして、このような本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハからマイクロLED構造体をマイクロLEDデバイスに適した基板に移載することで、優れた輝度を示すマイクロLED構造体を備えたマイクロLEDデバイスを製造することができる。
また、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法によれば、素子分離加工および電極形成加工などの加工によるダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハを製造することができる。
そして、本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法であれば、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハを製造することができる。
本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの一例を示す概略平面図である。 図1に示すマイクロLED構造体を有するウェーハのII方向から見た投影図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの他の一例を示す概略平面図である。 図3に示すマイクロLED構造体を有するウェーハのIV方向から見た投影図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの他の一例を示す概略平面図である。 図5に示すマイクロLED構造体を有するウェーハのVI方向から見た投影図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの他の例を示す概略平面図である。 図7に示すマイクロLED構造体を有するウェーハのVIII方向から見た投影図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの他の一例を示す概略平面図である。 図9に示すマイクロLED構造体を有するウェーハのX方向から見た投影図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの他の一例を示す概略平面図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略平面図である。 図12に示す構造体のXIII-XIII’部での概略断面図である。 本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略平面図である。 図14に示す構造体のXV-XV’部での概略断面図である。 図14に示す構造体のXVI-XVI’部での概略断面図である。 図14に示す構造体のXVII方向から見た投影図である。 図15に示す構造体のXVIII部の拡大図である。 図16に示す構造体のXIX部の拡大図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略図である。 本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例で製造する接合型半導体ウェーハの概略図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 比較例の接合型半導体ウェーハの製造方法の一例の一つの工程を示す概略断面図である。 実施例および比較例のそれぞれで製造したマイクロLED構造体のダイス設計サイズと発光効率との関係を示したグラフである。
上述のように、輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハ、輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法、および輝度低下の発生が抑制されたマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の開発が求められていた。
本発明者は、出発基板上に施したマスクパターンの開口部にマイクロLED構造体となるエピタキシャル層構造体をエピタキシャル成長させる際に、原材料のV/III比を1以上50以下にすることで、出発基板表面に平行な(001)面の成長につれて成長速度の遅い{111}面が出現するため、前記エピタキシャル層構造体を角錐または角錐台形状にできることに着目した。また、このような形状において、斜面の層の厚さは、基板表面に垂直な方向(以下[001]方向)の厚さに比べて非常に薄くなるため、開口部のサイズと原材料のV/III比とを調整することで不要な層を全空乏させることが可能であることに着目した。本発明者はかかる工程を鋭意研究して、それぞれ選択成長された一対の角錐または角錐台形状のエピタキシャル層構造体を、素子分離や電極形成のための加工なしでマイクロLED構造体として使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、出発基板と、
該出発基板上に形成され、開口部を含むマスクパターンを有するマスクと、
前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部に対応した部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
を有し、
前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハである。
また、本発明は、出発基板と、
前記出発基板の一部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
を有し、
前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハである。
また、本発明は、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法であって、
出発基板を準備し、
該出発基板上に、開口部を含むマスクパターンを有するマスクを形成し、
前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部を通して露出した部分に、発光素子部である第1の構造体と該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含む複数のエピタキシャル層構造体を、該複数のエピタキシャル層構造体の各々が{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状になるように選択成長させ、
前記第1の構造体および前記第2の構造体にそれぞれ異なる極性の電極を形成して、前記第1の構造体および前記第2の構造体によって構成される、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を有するウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法である。
また、本発明は、マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法であって
本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法により、前記マイクロLED構造体を有する前記ウェーハを製造し、
前記ウェーハの前記マイクロLED構造体が形成された面を、接合材を介して支持基板の一方の主面に接合して接合基板を得て、
前記接合基板から前記出発基板を除去することで、前記マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[マイクロLED構造体を有するウェーハ]
(第一の実施形態)
図1および図2に、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの第一の実施形態を概略的に示す。図1は平面図であり、図2は図1のII方向から見た投影図(側面図)である。
図1および図2に示すマイクロLED構造体を有するウェーハ1は、出発基板2と、この出発基板2上に形成され、開口部(図1および図2には図示していない)を含むマスクパターンを有するマスク3と、出発基板2のマスクパターンの開口部に対応した部分(図1および図2には図示していない)上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体4とを有する。
複数のエピタキシャル層構造体4の各々は、{111}面4Aに囲まれた角錐状または角錐台状の形状である。
複数のエピタキシャル層構造体4は、発光素子部である第1の構造体41と、この第1の構造体41に接続された第2の構造体42とを含む。
第1の構造体41は、電極5を有している。第2の構造体42は、電極6を有している。電極5および6は、互いに異なる極性である。第1の構造体41および第2の構造体42は、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体7を構成している。
このようなマイクロLED構造体7を有するウェーハ1では、ウェーハ1上に構成されているマイクロLED構造体7は、あらかじめマスク3により分離された状態で選択成長されたエピタキシャル層構造体4の第1の構造体41および第2の構造体42により構成されているため素子分離加工の必要がなく、さらに第1の構造体41および第2の構造体42がそれぞれ異なる極性の電極5および6を有していることにより、一方からN型電極とのコンタクトをとることができ、他方からP型電極のコンタクトをとることができるため、電極形成のためのエピタキシャル層構造体に対するドライエッチングなどの加工も不要である。よって、図1および図2に示すマイクロLED構造体7を有するウェーハ1は、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体7を提供することができる。そして、このようなマイクロLED構造体7を有するウェーハ1からマイクロLED構造体7をマイクロLEDデバイスに適した基板に移載することで、優れた輝度を示すマイクロLED構造体7を備えたマイクロLEDデバイスを製造することができる。
以下に、図1および図2に示す第一の実施形態のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1をより詳細に説明する。
出発基板2としては、特に限定されないが、例えば第一導電型のGaAs基板を用いることができる。出発基板2は、表面にバッファ層(図示しない)、例えば第一導電型のGaAsバッファ層を有していても良い。図1および図2に示す第一の実施形態では、GaAsバッファ層は典型的に0.5μmである。
マスク3は、例えば、SiOまたはシリコン窒化物などの無極性誘電体膜を形成し、開口部を有する無極性誘電体膜のマスクパターンを形成したものである。マスクパターンの開口部のうち、第1の構造体41を形成する領域は、例えば矩形の平面形状を有する。また、マスクパターンの開口部のうち、第2の構造体42を形成する領域は、例えば、全ての角が直角(90°)の領域である。マスクパターンの開口部、第1の構造体41を形成する領域および第2の構造体42を形成する領域については、後段の、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法の説明において、図示しながら説明する。
図1および図2に示す第一の実施形態では、マスク3は、出発基板2の中心を含む部分上に形成された部分と、出発基板2の外周部上に形成された部分とを含む。
第1の構造体41は、犠牲層41A、第一クラッド層41B、活性層41C、第二クラッド層41D、中間層(図示しない)および窓層41Eをこの順で含む角錐台状の形状(ピラミダル形状ともいう)を有する発光素子部である。第1の構造体41はエピタキシャル層構造体4の一部であるため、これらの層はエピタキシャル層である。
犠牲層41Aは、例えば、AlAs犠牲層、GaInP犠牲層および/またはGaAs犠牲層を含むことができる。犠牲層41Aは、複数の層で構成されていてもよい。図1および図2に示す第一の実施形態では、犠牲層41Aは、厚さが0.5μmの第一導電型のAlAs犠牲層である。
第一クラッド層41Bは、例えば第一導電型のAlGaInP(例えば(AlGa1-yIn1-xP(0.4≦x≦0.6、0<y≦1))第一クラッド層である。図1および図2に示す第一の実施形態では、第一クラッド層41Bは、上記一般式におけるxおよびyがそれぞれ0.5および0.85であり、厚さが1.0μmの層である。
活性層41Cは、例えばノンドープのAlGaInP(例えば(AlGa1-yIn1-xP(0.4≦x≦0.6、0≦y≦0.6))系発光層である。図1および図2に示す第一の実施形態では、活性層41Cは、上記一般式におけるxおよびyがそれぞれ0.5および0.1であり、厚さが0.25μmの層である。
第二クラッド層41Dは、例えば第二導電型のAlGaInP(例えば(AlGa1-yIn1-xP(0.4≦x≦0.6、0<y≦1))第二クラッド層である。図1および図2に示す第一の実施形態では、第二クラッド層41Dは、上記一般式におけるxおよびyがそれぞれ0.5および0.85であり、厚さが0.75μmの層である。
図示しない中間層は、例えば第二導電型のGaInP中間層であり、図1および図2に示す第一の実施形態では、厚さが0.1μmの層である。
窓層41Eは、例えば第二導電型のGaP窓層である。図1および図2に示す第一の実施形態では、窓層41Eは、厚さが1.9μmの層である。
図1に示すように、第1の構造体41の底部の最短部の幅は、Lwsである。発光素子部である第1の構造体41の底部の最短部の幅Lwsが10μm以上100μm以下、すなわち典型的なマイクロLEDの大きさであっても、本発明のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1は、素子分離加工および電極形成加工などの加工が不要であるため、加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体7を提供することができる。
また、図2に示すように、出発基板2表面に垂直な方向([001]方向)の第1の構造体41の総厚さはLhである。第1の構造体41の総厚さLhと底部の最短部の幅Lwsとが、Lh≦0.707×Lwsを満たすことが好ましい。このような構成を有する第1の構造体41では、設計厚さに達する前に頂部に平坦部がない錘状となることを防いで、発光素子部として機能するのに必要な全てのエピタキシャル層を、[001]方向に設計厚さどおりに成長したものとすることができる。
第2の構造体42は、図1および2に示すように第1の構造体41に接続されている。より具体的には、第2の構造体42は、少なくとも一部に角錐状のブリッジ部43を含み、これが第1の構造体41に接している。
ブリッジ部43は、第1の構造体41の犠牲層41Aと一体となっている犠牲層43Aと、その上の積層体部43Fとを有する。
後段で説明する図18に示すように、積層体部43Fは、第1の構造体41のエピタキシャル層のそれぞれの材料を含んでいるが、第一クラッド層の層上部で頂点となるように角錐状となっている。そのため、活性層より上層は、{111}面4Aしか成長しておらず薄膜となっている。すなわち、ブリッジ部43は、第二導電型の層が全空乏しているため、事実上第一導電型として振る舞う。
図1および図2に示す第2の構造体42は、第1の構造体41と同様の、犠牲層42A、第一クラッド層42B、活性層42C、第二クラッド層42D、中間層(図示しない)および窓層42Eをこの順で更に含み、これらの層は積層体部42Fを構成している。犠牲層42Aは、犠牲層41Aおよび43Aと一体になっている。
図1および図2に示す第2の構造体42は、非発光素子部である。また、図1に示すように、ブリッジ部43の最短部の幅がW[μm]である。そして、出発基板2表面に垂直な方向([001]方向)における活性層41Cおよび42Cまでのエピタキシャル層構造体4の厚さの和がT[μm]である。図1および図2に示す第一の実施形態では、1.5μm<W<T/0.707である。活性層より下層を第一導電型、上層を第二導電型としたとき、W<T/0.707を満たすことにより、第2の構造体42のブリッジ部43は、第二導電型の層に達する前に平坦部がない錐状になったものとすることができる。また、W>1.5μmであれば、第一導電型の電極とコンタクトをとるのに必要な第一導電型のクラッド層厚さが確保できる。
複数のエピタキシャル層構造体4(図1および図2に示す第一の実施形態では第1の構造体41、並びに積層体部42Fおよびブリッジ部43を含む第2の構造体42)は、{111}面4A方向は全空乏層となる薄膜であることが好ましい。
第1の構造体41の窓層41E部分に、第二導電型半導体に対しオーミックを形成する材料の電極5が形成されている。
他方、第2の構造体42の積層体部42F上には、第一導電型半導体に対しオーミックを形成する材料の電極6が形成されている。
図1および図2に示す第一の実施形態では、第2の構造体42に形成された電極6は、積層体部42Fの構造体頭頂部である窓層42Eからブリッジ部43までにかかる形であり、第一導電型のブリッジ部43とオーミックコンタクトを取っている。この時、電極6の一部は、非発光素子部である第2の構造体42の第二クラッド層42Dおよび窓層42Eにも直接または空乏層を介して接しているが、電極6の他の一部は第一導電型のブリッジ部43に接しているため、短絡した状態となりP/N接合を介して通電することはないため、電気的には問題にならない。
このように、複数のエピタキシャル層構造体4の一部であるブリッジ部43の{111}面4A方向が全空乏層となる薄膜であることにより、電極5および6間の絶縁性を担保することができる。
また、ブリッジ部43の最外周は全空乏した極薄層に覆われているため、電極間の絶縁性が担保されているが、ブリッジ部43の形成工程における成長温度の低温化などにより表面における実効V/III比が高くなると、斜面の層厚さが厚くなりリークする場合がある。このような場合、図3および図4に示す変形例(図3:平面図;図4:図3のIV方向から見た投影図(側面図))のように、ブリッジ部43の積層体部43Fの一部をドライエッチング等の方法で除去して積層体部43Gとし、リークを防止してもよい。
また、以上に説明した第一の実施形態においては、発光素子部である第1の構造体41と非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fの高さが揃った場合を示したが、非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fが発光素子部である第1の構造体41よりも低くても良い。また、図5および図6に示す変形例のように、非発光素子部である第2の構造体42がブリッジ部43のみでも良い(図5:平面図;図6:図5のVI方向から見た投影図(側面図))。このような設計変更は、マスク3のマスクパターンのサイズ・デザインを変更するだけで行うことができる。一方、非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fを、発光素子部である第1の構造体41より高くすることも可能ではあるが、通常発光素子部のGaP窓層41Eが設計厚さまで積まれた所で成長を停止するので、非発光素子部が発光素子部よりも高くなることはなく、また高くしても機能的なメリットはない。このような理由により、非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fの高さは発光素子部の第1の構造体41の高さ以下となるのが好適である。
(第二の実施形態)
図7および図8に、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの第二の実施形態を概略的に示す。図7は平面図であり、図8は図7のVIII方向から見た投影図(側面図)である。
図7および図8に示す第二の実施形態は、発光素子部である第1の構造体41の形状を変更した以外、第一の実施形態と同様である。非発光素子部である第2の構造体42の大きさはそのままで、発光素子部である第1の構造体41の大きさを横長とすることで長方形型の素子を実現することができる。
(第三の実施形態)
図9および図10に、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの第二の実施形態を概略的に示す。図9は平面図であり、図10は図9のX方向から見た投影図(側面図)である。
図9および図10に示す第三の実施形態は、発光素子部である第1の構造体41の形状を変更し、それに伴い非発光素子部である第2の構造体42のブリッジ部43の形状を変更した以外は、第一実施形態と同様である。非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fの大きさはそのままで、その外周の二辺に沿ってブリッジ部43および発光素子部である第1の構造体41を配置することで、図9および図10に示すような形状の素子を実現することができる。
(第四の実施形態)
本発明の別の態様のマイクロLED構造体を有するウェーハは、マスクを含んでいなくても良い。
図11に、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの第四の実施形態を概略的に示す。図11は平面図である。
図11に示す第四の実施形態は、マスクを有していない以外は、第一実施形態と同様である。
より詳細には、図11に示すマイクロLED構造体を有するウェーハ1は、出発基板2と、出発基板1の一部分21、22及び23上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体4とを有している。複数のエピタキシャル層構造体4の各々は、{111}面4Aに囲まれた角錐状または角錐台状の形状である。複数のエピタキシャル層構造体4は、発光素子部である第1の構造体41と、第1の構造体41に接続された第2の構造体42とを含む。第1の構造体41は電極5を有し、第2の構造体42は、電極5と異なる極性の電極6を有している。第1の構造体41および第2の構造体42は、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体7を構成している。
その他の事項については、第一実施形態の説明を参照されたい。
このようなマイクロLED構造体7を有するウェーハ1は、マスクを有していないが、ウェーハ1上に構成されているマイクロLED構造体7は、それぞれ選択成長されたエピタキシャル層構造体4の第1の構造体41および第2の構造体42により構成されているため素子分離加工の必要がなく、さらに第1の構造体41および第2の構造体42がそれぞれ異なる極性の電極5および6を有していることにより、一方からN型電極とのコンタクトをとることができ、他方からP型電極のコンタクトをとることができるため、電極形成のためのエピタキシャル層構造体に対するドライエッチングなどの加工も不要である。よって、図11に示すマイクロLED構造体7を有するウェーハ1は、素子分離加工および電極形成加工などの加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体7を提供することができる。そして、このようなマイクロLED構造体7を有するウェーハ1からマイクロLED構造体7をマイクロLEDデバイスに適した基板に移載することで、優れた輝度を示すマイクロLED構造体7を備えたマイクロLEDデバイスを製造することができる。
[マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法]
以下、図12~図19を参照しながら、本発明のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法の一例として、図1および図2に示すマイクロLED構造体を有するウェーハを製造する方法を説明する。
まず、図12(平面図)および図13(図12のXIII-XIII’部の断面図)に示す出発基板2、例えば第一導電型のGaAs出発基板を準備する。次に、図12および図13に示すように、出発基板2上に、開口部31を含むマスクパターンを有するマスク3を形成する。マスク3は、例えばSiOまたはシリコン窒化物などの無極性誘電体膜であり得る。図12および図13に示す例では、マスク3は、出発基板2のマイクロLED構造体を形成する領域の中心を含む部分上に形成された部分と、その外周部上に形成された部分とを含むように形成している。これにより、開口部31を通して露出した部分20を有するパターン基板2を作製する。
本実施形態では、図1および図2に示すように、非発光素子部である第2の構造体42にも、発光素子部である第1の構造体41と同サイズの積層体部42Fを積層し、第1の構造体41と積層体部42Fとをブリッジ部43で接続する例を示す。また、開口部31を通して露出した部分20のうち、第1の構造体41の形成領域21は矩形の平面形状とし、第2の構造体42の形成領域22は全ての角が直角(90°)の領域とし、開口部31の各辺は[100]方向に略平行または略垂直に配置する。辺の方位が数度ずれた場合、斜面部において段差が生じる場合があるが、マイクロLEDレベルのサイズの場合、問題となる大きさにはならない。
開口部31を通して露出した部分20のうち、発光素子部である第1の構造体41の形成領域21は、最短部の幅をLws、[001]方向(出発基板2の表面に垂直な方向)において成長させるエピタキシャル層の総厚さをLh(図2)とした場合、Lh≦0.707×Lwsで配置する。Lh≦0.707×Lwsとすることで、後述する全てのエピタキシャル層を[001]方向に設計厚さどおりに成長できる。こうすることで、設計厚さに達する前に頂部に平坦部がない錘状となることを防いで、{111}面に阻害されずに、発光素子部として機能するのに必要な全てのエピタキシャル層を、[001]方向に設計厚さどおりに成長させることができるからである。
一方、開口部31を通して露出した部分20のうちブリッジ部43の形成領域23の幅をW[μm]とし、[001]方向において成長させる活性層41Cおよび42Cまでのエピタキシャル層構造体4の厚さの和をT[μm]とした場合、1.5μm<W<T/0.707で配置する。活性層より下層を第一導電型、上層を第二導電型としたとき、W<T/0.707を満たすことにより、第2の構造体42のブリッジ部43は、第二導電型の層に達する前に平坦部がない錐状になったものとすることができる。また、W>1.5μmであれば、第一導電型の電極とコンタクトをとるのに必要な第一導電型のクラッド層厚さが確保できる。
次に、以上のようにして作製したパターン基板2の開口部31を通して露出した部分20に、図14~図19に示すように、発光素子部である第1の構造体41とこの第1の構造体41に接続された第2の構造体42とを含む複数のエピタキシャル層構造体4を選択成長させる。
図14は平面図である。図15は、図14に示す構造体のXV-XV’部での概略断面図である。図16は、図14に示す構造体のXVI-XVI’部での概略断面図である。図17は、図14に示す構造体のXVII方向から見た投影図である。図18は、図15に示す構造体のXVIII部の拡大図である。図19は、図16に示す構造体のXIX部の拡大図である。
パターン基板2の露出した部分20のうち第1の構造体41の形成領域21上には、第一導電型のGaAsバッファ層(図示しない)積層後、AlAs犠牲層41A、第一導電型のAlGaInP第一クラッド層41B、ノンドープのAlGaInP活性層41C、第二導電型のAlGaInP第二クラッド層41D、第二導電型のGaInP中間層(図示しない)、第二導電型のGaP窓層41Eを順次エピタキシャル成長させる。各層の組成および厚さは、前述のとおりである。これにより、図14、図15、図17および図18に示す第1の構造体41が得られる。
このとき、第2の構造体42の形成領域22のうち、ブリッジ部43の形成領域23以外の部分上にも同時に、各エピタキシャル層(犠牲層42A、第一クラッド層42B、活性層42C、第二クラッド層42D、中間層(図示しない)および窓層42E)が順次エピタキシャル成長される。これにより、図14、図15および図17に示す積層体部42Fが得られる。
また、第2の構造体42の形成領域22のうちブリッジ部43の形成領域23上にも同時に犠牲層43Aおよび積層体部43Fが順次エピタキシャル成長される。これにより、図14、図16、図17および図19に示すブリッジ部43が得られる。
エピタキシャル層成長の際、V/III比を50以下とすることで、(001)面の成長につれて成長速度の遅い{111}面4Aも出現するため、角錐または角錐台形状のエピタキシャル層構造体4を形成することができる。また、V/III比を1以上とすることで、ストイキオメトリーの不均衡により結晶性が低下するのを防ぐことができる。V/III比は10以上とすることがより好ましい。
具体的には、図14、図15および図17に示すように、第1の構造体41および積層体部42Fは、角錐台形状のエピタキシャル層構造体として得られる。図15に示すように、出発基板2表面に垂直な方向の第1の構造体41の総厚さがLhである。また、図17に示すように、出発基板2表面に垂直な方向における活性層41Cおよび42Cまでのエピタキシャル層構造体4の第1の構造体41および積層体部42Fのそれぞれの厚さの和がTである。そして、図14、図16および図17に示すように、ブリッジ部43は、角錐形状のエピタキシャル層構造体として得られる。
図18に、発光素子部である第1の構造体41の{111}面(斜面)4A部近傍の拡大図を示す。本実施形態では非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fも同サイズであるから同様である。第1の構造体41の形成領域21、および第2の構造体42の形成領域22のうち積層体部42Fを形成する領域を露出するための開口部31の幅は、あらかじめ、窓層41Eおよび42Eまでのすべてのエピタキシャル層が[001]方向には設計厚さ通りに積層できるよう設定されているので、そのように成長する。一方斜面である{111}面4Aにも、図18に示すように、[001]方向と同種および同順序の積層構造を有するが、V/III比が50以下では、{111}面の成長速度は、(001)面の成長速度に比べて1/50以下であり、例えばV/III比を30に設定すれば、斜面方向は極薄層となり全空乏する。図18では、活性層から窓層まで、それなりの厚さを有する様に図示しているが、便宜的な表現上の記載である。
図19にブリッジ部43の頂上を含む斜面の拡大図を示す。図18の場合と同様に、積層体部43Fの斜面である{111}面4Aには、第1の構造体41に含まれるエピタキシャル層(犠牲層41A、第一クラッド層41B、活性層41C、第二クラッド層41D、中間層(図示しない)および窓層41E)の全ての材料をそれぞれ含む層(犠牲層43A、第一クラッド層43B、活性層43C、第二クラッド層43D、中間層(図示しない)および窓層43E)が含まれているが、第一クラッド層43B上部で積層体部43Fの頂点が角錐状に到達するよう、あらかじめ開口部幅Wを設計したことにより、活性層43Cより上層は{111}面しか成長しないため薄膜になっている点が異なる。すなわち、第二導電型の層の{111}面は全空乏層となる薄膜であるため、ブリッジ部43は事実上、第一導電型の構造体として振る舞う。
次に、発光素子部である第1の構造体41のGaP窓層41E部分に、第二導電型半導体に対しオーミックを形成する材料の電極を形成し、非発光素子部である第2の構造体42上には、第一導電型半導体に対しオーミックを形成する材料を選択して電極を形成する。このようにして形成した電極が、図1および2に示す電極5および6である。電極5および6の詳細については、先の説明を参照されたい。
このように第1の構造体41および第2の構造体42にそれぞれ異なる極性の電極を形成して、図1および図2に示す、第1の構造体41および第2の構造体42によって構成される、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体7を有するウェーハ1を製造する。すなわち、以上に説明した製造方法によれば、本発明のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1を製造することができる。
なお、先に説明したように、本発明のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1は、様々な変形が可能であり、設計変更は、例えば、マスク3のマスクパターンのサイズおよびデザインを変更するだけで行うことができる。
また、図11に示すようなマスクを有さないウェーハ1は、例えば、以上に説明した方法でマイクロLED構造体7を有するウェーハ1を製造したのち、フォトリソグラフィーによりマスク3以外の部分にレジストマスクまたはハードマスクを形成し、適切な手段を用いてマスク3を除去することによって得ることができる。
[マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法]
以下、図20~図27を参照しながら、本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法の一例を説明する。
まず、図12~図19を参照しながら先に説明した方法で、図1および図2に示すマイクロLED構造体7を有するウェーハ1を製造する。
次に、ウェーハ1のマイクロLED構造体7が形成された面に、図20に示すように、接合材11として、例えば0.6μm程度のベンゾシクロブテン(BCB)を塗布する。BCBの厚さはこの条件に限定されず、厚くても薄くても同様の効果が得られる。また、接合材11は、BCBに限られず、他の接合材を用いてもよい。
BCB塗布後、接合材11の層に、図21に示すように平坦化処理基板12を押し付け、平坦化処理を行う。本実施形態においては、加熱処理を行わないケースを例示したが、BCBが硬化しない温度(150℃)の範囲まで加熱をして圧迫処理を行っても良い。
平坦化処理後、図22に示すように平坦化処理基板12を除去し、例えば250℃1時間保持などによってBCB硬化処理を行う。
BCB硬化処理後、フッ素系プラズマによるICPドライエッチング処理を行う。本実施形態においては、BCB厚0.6μm条件で実施し、その後の平坦化処理を行っているため、平坦板におけるエッチング条件0.1μm相当の条件にてドライエッチングを実施することで、ピラミダル形状部の第1の構造体41および積層体部42Fの頂部を覆っていたBCBがエッチングされ、図23に示すように、電極5および6が露出する。
電極部露出後、フォトリソグラフィーにてレジストマスクまたはハードマスクを形成し、フッ素系プラズマにて素子分離予定域のBCB(接合材)11を除去し、図24に示す素子分離加工基板13を形成する。この際、マスク3の出発基板2の外周部に形成していた部分も除去する。
次に、支持基板15、例えば石英基板の一方の主面上に粘着層14、例えばシリコーン粘着層を形成し、シリコーン粘着層14を素子分離加工基板13の電極5および6が露出した面に粘着接合し、図25に示す接合基板16を得る。
粘着接合後、接合基板16の少なくとも犠牲層41A、42Aおよび43AをHF中に浸し、図26に示すように犠牲層エッチングを行って出発基板2を分離する。
分離した出発基板2を除去することにより、図27に示す、マイクロLED構造体7を有する接合型半導体ウェーハ100を製造する。
以上に説明した本発明の接合型半導体ウェーハ100の製造方法では、マイクロLED構造体7に対しては、素子分離のための加工や電極形成加工などの加工は不要である。よって、本発明のマイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法によれば、加工を原因としたダメージによる輝度低下が抑制されたマイクロLED構造体7を提供することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、まず、以下の手順でマイクロLED構造体を有するウェーハを製造した。
図12および図13を参照しながら先に説明したように、N型GaAs出発基板2上に、開口部31を含むマスクパターンを有するSiOのマスク3を形成し、パターン基板2を得た。
開口部31のうち、第1の構造体41の形成領域21に対応する部分は矩形の平面形状とし、第2の構造体42の形成領域22に対応する部分は全ての角が直角(90°)の領域とし、開口部31の各辺は[100]方向に略平行または略垂直に配置した。
発光素子部である第1の構造体41用の開口部幅Lwsを10μmとし、ブリッジ部43用の開口部幅Wを2.5μmとし、非発光素子部の積層体部42F用の開口幅を10μmとした。
このようなパターン基板2の開口部31を通して露出した部分20のうち、第1の構造体41の形成領域21上に、図14、図15、図17および図18に示すように、0.5μmの厚さのn型のGaAsバッファ層(非図示)を積層後、0.5μmの厚さの第一導電型のAlAs犠牲層41A、1.0μmの厚さの第一導電型の(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.85)第一クラッド層41B、0.25μmの厚さのノンドープの(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.1)活性層41C、0.75μmの厚さの第二導電型の(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.85)第二クラッド層41D、0.1μmの厚さの第二導電型のGaInP中間層(非図示)、および1.9μmの厚さの第二導電型のGaP窓層41Eを順次エピタキシャル成長した。成長時の原料V/III比は30とした。
このとき、第2の構造体42の形成領域22のうち、ブリッジ部43の形成領域23以外の部分上にも同時に各エピタキシャル層(犠牲層42A、第一クラッド層42B、活性層42C、第二クラッド層42D、中間層(図示しない)および窓層42E)が順次エピタキシャル成長された。これにより、図14、図15、図17および図18に示す積層体部42Fが得られた。
また、第2の構造体42の形成領域22のうちブリッジ部43の形成領域23上にも、同時に、犠牲層43Aおよび積層体部43Fが順次エピタキシャル成長された。これにより、図14、図16、図17および図19に示すブリッジ部43が得られた。
次に、図1および図2に示すように、N型電極である電極6を、非発光素子部である第2の構造体42の積層体部42Fの頭頂部からブリッジ部43にかかる形で形成した。N型電極6はAuを主材料としてGeを含む金属を使用した。一方、図1および図2に示すように、P型電極5を、第1の構造体41のP型GaP窓層41Eのみにかかる形で形成した。P型電極はAuを主材料としてBeを含む金属を使用した。
以上のようにして、図1および図2に示す、マイクロLED構造体7を有するウェーハ1を得た。このウェーハ1を用いて、以下の手順で、マイクロLED構造体を有する接合型半導体基板を製造した。
まず、図20に示すように、接合材11としてのBCBを、ウェーハ1の平坦表面において膜厚が0.6μmとなる条件で塗布した。BCBの塗布後、室温にて、図21に示すように平坦化処理基板12を10N/cmの圧力で押し付け、平坦化処理を行った。その後、250℃で1時間保持し、BCB硬化処理を行って、図22の状態とした。
BCB硬化処理後、平坦板におけるエッチング条件0.1μm相当の条件にてフッ素系プラズマによるICPドライエッチング処理を行った。ドライエッチングを実施することで、ピラミダル形状部の第1の構造体41および積層体部42Fの頂部のBCBがエッチングされ、図23に示すように電極5および6が露出した。
電極部露出後、フォトリソグラフィーにてレジストマスクまたはハードマスクを形成し、フッ素系プラズマにて素子分離予定域のBCBを除去し、図24に示す素子分離加工基板13を形成した。
次に、支持基板15である石英基板の一方の主面上にシリコーン粘着層14を形成し、シリコーン粘着層14を素子分離加工基板13の電極5および6が露出した面に粘着接合し、図25に示す接合基板16を得た。
粘着接合後、HF中に浸し、犠牲層エッチングを行って、図26に示すように出発基板2を分離した。
分離した出発基板2を除去することにより、図27に示す、マイクロLED構造体7を有する接合型半導体ウェーハ100を製造した。
(比較例)
比較例では、図28~図35を参照しながら説明する以下の手順で、接合型半導体ウェーハを製造した。
まず、図28に示すように、マスクパターン無しのN型GaAs基板2上に、0.5μmの厚さのN型GaAsバッファ層(図示しない)積層後、0.3μmの厚さのN型GaIn1-xP(x:0.5)第一犠牲層および0.3μmの厚さのN型GaAs第二犠牲層をエピタキシャル成長して犠牲層44Aとし、この犠牲層44A上に、1.0μmの厚さのN型(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.85)第一クラッド層44B、0.25μmの厚さのノンドープの(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.1)活性層44C、1.0μmの厚さのP型(AlGa1-yIn1-xP(x:0.5;y:0.85)第二クラッド層44D、0.1μmの厚さのP型GaInP中間層(図示しない)、および4.0μmの厚さのP型GaP窓層44Eを順次エピタキシャル成長させ、図28に示す発光素子構造44を有するエピタキシャルウェーハ(EPW)8を準備した。
次に、エピタキシャルウェーハ8上に、図29に示すように、熱硬化型の接合材11としてベンゾシクロブテン(BCB)を設計膜厚を0.6μmとしてスピンコートし、次いで支持基板15としてのサファイア基板と対向させて重ね合わせ、熱圧着することで、図30に示すエピタキシャルウェーハ(EPW)接合基板10を作製した。
次に、GaAs出発基板2をウェットエッチングで除去して図31に示すように第一犠牲層を露出させ、続いてエッチャントを切り替えて第一犠牲層および第二犠牲層からなる犠牲層44Aをそれぞれ除去して第一クラッド層44Bを露出させ、図32に示すエピタキシャル(EP)接合基板16’を作製した。
次に、フォトリソ法にて、EP接合基板16’上(図中下側)にマスクを形成し、第一クラッド層44BからGaP窓層44Eまでのそれぞれ一部をエッチングし、島状素子を形成する素子分離工程と、第二クラッド層44Dの一部が露出するエッチング工程を実施した。これらの工程により、図33に示す複数の島状素子45を得た。
次に、島状素子45の表面にSiOのパッシベーション(PSV)膜9を形成した。PSV膜9はTEOS+O系のP-CVD装置で形成し、膜厚は0.4μmとした。PSV膜9を、図34に示すように、第一クラッド層44Bおよび第二クラッド層44Dのそれぞれ一部が露出するように加工した。
次に、PSV膜9の開口部を通して露出した第一クラッド層44Bおよび第二クラッド層44Dのそれぞれ一部に、図35に示すように電極5および6をそれぞれ形成し、熱処理を施してオーミック接触を実現した。電極5および6に関しては、実施例と同様である。
以上の手順により、図35に示す、複数のマイクロLED構造体7を有する接合型半導体ウェーハ200が得られた。
(評価)
以上に説明した実施例1において、発光素子部である第1の構造体41の一辺のサイズを10~250μmまで変化させて、複数の接合型半導体ウェーハ100を製造した。この際、第1の構造体41の一辺のサイズの変更は、第1の構造体41用の正方形の開口部の一辺の幅Lwsを10~250μmまで変化させることによって行い、積層方向の各層の厚さとブリッジ部43用の開口部幅W(=2.5μm)は固定とした。
同様に、以上に説明した比較例において、島状素子45の一辺のサイズを10~250μmまで変化させて、複数の接合型半導体ウェーハ200を製造した。
図36に、実施例1および比較例について、電流密度8[A/cm]における発光素子部である第1の構造体41または島状素子45の一辺のサイズ(ダイス設計サイズ)と、外部量子効率(発光効率)との関係を示す。実施例1の場合、ダイス設計サイズとは、マスク3のマスクパターンの発光素子部用の開口部(正方形)の一辺の長さに相当する。また、面積を変化させた場合、電流密度は常に8A/cmになるように、電流を変更した。発光効率は、光出力[W]/入力電力[W]により計算した。
図36から明らかなように、比較例においては、発光素子である島状素子45のサイズが縮小するにつれて発光効率が大幅に低下している。これは、素子分離加工およびその後の素子加工により、発光素子部にダメージが加わったからであると考えられる。
一方、実施例1においては、第1の構造体41のサイズが典型的なマイクロLEDレベルのサイズである100μm以下であっても、大きな発光効率の低下は起こっていない。
本発明のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1においては、エピタキシャル成長後の素子加工を原理的に必要としないため、加工断面が存在せず、エピタキシャル層構造体4の外周面がエピタキシャル面のみで構成されるのが特徴である。従って、加工に起因するダメージが発光素子部である第1の構造体41に存在しない。
また、本発明のマイクロLED構造体7を有するウェーハ1では加工ダメージが無い故にダメージ除去工程も不要である。また、エピタキシャル成長の過程で、例えば図18に示すように窓層41Eの薄膜の部分が表面を被覆し、パッシベーション層に類似した作用をも有するため、パッシベーション膜を成膜しなくても、パッシベーション層を形成した場合と類似した表面準位低減効果を発揮するため、表面準位によって吸収される光子が減少し、結果として発光効率の低下が従来技術より抑制されている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…マイクロLED構造体を有するウェーハ(ウェーハ)、 2…出発基板(パターン基板)、 3…マスク、 4…エピタキシャル層構造体、 4A…{111}面、 5および6…電極、 7…マイクロLED構造体、 8…エピタキシャルウェーハ、 9…パッシベーション膜(PSV膜)、 10…エピタキシャルウェーハ接合基板(EPW接合基板)、 11…接合材、 12…平坦化処理基板、 13…素子分離加工基板、 14…粘着層、 15…支持基板、 16…接合基板、 16’…エピタキシャル接合基板(EP接合基板)、 20…露出した部分、 21…出発基板の一部分(第1の構造体の形成領域)、 22…出発基板の一部分(第2の構造体の形成領域)、 23…出発基板の一部分(ブリッジ部の形成領域)、 31…開口部、 41…第1の構造体、 41A、42A、43Aおよび44A…犠牲層、 41B、42Bおよび44B…第一クラッド層、 41C、42Cおよび44C…活性層、 41D、42Dおよび44D…第二クラッド層、 41E、42Eおよび44E…窓層、 42…第2の構造体、 42F、43Fおよび43G…積層体部、 43…ブリッジ部、 44…発光素子構造、 45…島状素子、 100および200…接合型半導体ウェーハ。

Claims (7)

  1. 出発基板と、
    該出発基板上に形成され、開口部を含むマスクパターンを有するマスクと、
    前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部に対応した部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
    を有し、
    前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
    前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
    前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであり、前記複数のエピタキシャル層構造体は、{111}面方向は全空乏層となる薄膜であることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハ。
  2. 前記第1の構造体が、AlGaInP系発光層を有する発光素子部であって、底部の最短部の幅をLws、前記出発基板表面に垂直な方向の前記第1の構造体の総厚さをLhとした場合、Lh≦0.707×Lwsであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロLED構造体を有するウェーハ。
  3. 前記第1の構造体の底部の前記最短部の幅Lwsが10μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項2に記載のマイクロLED構造体を有するウェーハ。
  4. 前記エピタキシャル層構造体は活性層を含み、前記第2の構造体は非発光素子部であって、少なくとも一部に角錐状のブリッジ部を含み、前記ブリッジ部の最短部の幅をW[μm]とし、前記出発基板表面に垂直な方向における前記活性層までの前記エピタキシャル層構造体の厚さの和をT[μm]とした場合、1.5μm<W<T/0.707であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のマイクロLED構造体を有するウェーハ。
  5. 出発基板と、
    前記出発基板の一部分上に選択成長された複数のエピタキシャル層構造体と
    を有し、
    前記複数のエピタキシャル層構造体の各々は、{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状であり、
    前記複数のエピタキシャル層構造体は、発光素子部である第1の構造体と、該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含み、
    前記第1の構造体および前記第2の構造体が、それぞれ異なる極性の電極を有し、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を構成しているものであり、前記複数のエピタキシャル層構造体は、{111}面方向は全空乏層となる薄膜であることを特徴とするマイクロLED構造体を有するウェーハ。
  6. マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法であって、
    出発基板を準備し、
    該出発基板上に、開口部を含むマスクパターンを有するマスクを形成し、
    前記出発基板の前記マスクパターンの前記開口部を通して露出した部分に、発光素子部である第1の構造体と該第1の構造体に接続された第2の構造体とを含む複数のエピタキシャル層構造体を、該複数のエピタキシャル層構造体の各々が{111}面に囲まれた角錐状または角錐台状の形状になるように且つ{111}面方向は全空乏層となる薄膜として選択成長させ、
    前記第1の構造体および前記第2の構造体にそれぞれ異なる極性の電極を形成して、前記第1の構造体および前記第2の構造体によって構成される、1つのマイクロLEDとして動作可能なマイクロLED構造体を有するウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法。
  7. マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法であって、
    請求項6に記載のマイクロLED構造体を有するウェーハの製造方法により、前記マイクロLED構造体を有する前記ウェーハを製造し、
    前記ウェーハの前記マイクロLED構造体が形成された面を、接合材を介して支持基板の一方の主面に接合して接合基板を得て、
    前記接合基板から前記出発基板を除去することで、前記マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハを製造することを特徴とする、マイクロLED構造体を有する接合型半導体ウェーハの製造方法。
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