JP7135506B2 - インキ、および印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバリア機能を持つインキ、および該インキを印刷して得られる印刷物に関する。
食品等の包装に用いられる包装材料には、内容物の保護、耐レトルト性、耐熱性、透明
性、加工性といった機能が要求される。内容物の品質保持のためには、特にガスバリア機能が重要となる。
ガスバリア機能を付与するためには、アルミニウム等の金属蒸着層をガスバリア層として設けたフィルムや、シリカやアルミナ等の金属酸化物の蒸着層をガスバリア層として設けたフィルムが広く使用されている。しかしこれらのフィルムでは蒸着を施すことで、一般に高価格化が避けられない。また、意匠、表示のためには別途の印刷層を設けることが必要であり、インキによる印刷工程が必須である。インキによる印刷工程によりガスバリア機能を付与できると、バリアフィルムを使用しなくても、ガスバリア機能を付与できるようになる。
以上の課題を解消する手段として特許文献1にはインキ層に酸素及び、水蒸気バリア機能を持つ塩化ビニリデン系共重合体樹脂(PVDC)と、板状フィラー(実施例では、板状硫酸バリウム)を併用することで、酸素/水蒸気バリア機能を付与したインキ組成物が例示されている。
特許文献1においては、バリア向上機能がある樹脂及び板状フィラーを併用することで、ガスバリアの付与を行っている。インキとしての必須物性である、密着性やラミネート強度を満たす必要があるが、樹脂、フィラーとも本来インキには含まれない材料を用いることより、本来の必要物性が損なわれやすくなる恐れや、配合設計が困難になる恐れがある。
特開2018-24798公報
本発明の課題は、包装フィルムや包装シート等の基材上に意匠等を目的としてインキを印刷する際にガスバリアも同時に付与することで、少ない工程で意匠とガスバリアを両立でき、さらには密着性やラミネート強度に優れるインキを提供することにある。更に該インキを用いたバリア機能を持つ印刷物を提供することにある。更に該印刷物を用いた包装材料を提供することにある。
本発明は、着色剤と、樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有するインキを用いることで、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、ガスバリアが優れたインキの提供が可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
実施形態に係るインキは、着色剤と、樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有する。
<リチウム部分固定型スメクタイト>
スメクタイトとは、層構造を有するフィロケイ酸塩鉱物(層状粘土鉱物)の一種である。スメクタイトの具体的な構造としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、ソーコナイト等の構造が知られている。これらのうち、粘土材料の構造としてはモンモリロナイト及びスティーブンサイトからなる群より選択される少なくとも一種の構造が好ましい。これらの構造は、八面体シートの金属元素の一部に、低原子価金属元素との同型置換、欠陥等を有する。そのため、八面体シートが負に帯電している。その結果、これらの構造は八面体シートに空きサイトを有しており、これらの構造を有するスメクタイトでは、後述するようにリチウムイオンが移動後に安定して存在できる。
保有する陽イオンがリチウムイオンであるスメクタイトをリチウム型スメクタイトという(但し、本明細書において、後述するリチウム部分固定型スメクタイトは除く。)。スメクタイトの有する陽イオンをリチウムイオンに交換する方法としては、例えば天然のナトリウム型スメクタイトの分散液(分散スラリー)に、水酸化リチウム、塩化リチウム等のリチウム塩を添加し、陽イオン交換させる方法が挙げられる。分散液中に添加するリチウムの量を調節することで、得られるリチウム型スメクタイトの浸出陽イオン量に占めるリチウムイオンの量を適宜に調節することができる。また、リチウム型スメクタイトは、陽イオン交換樹脂をリチウムイオンにイオン交換した樹脂を用いたカラム法、又はバッチ法によっても得ることができる。
実施形態において、リチウム部分固定型スメクタイトとは、リチウム型スメクタイトにおけるリチウムイオンの一部が八面体シートの空きサイトに固定化されたスメクタイトのことをいう。リチウム部分固定型スメクタイトは、例えばリチウム型スメクタイトの加熱処理により、層間のリチウムイオンが八面体シートの空きサイトに固定化されることで得られる。リチウムイオンが固定化されることで、スメクタイトが耐水化される。
リチウムを部分固定する加熱処理の温度条件は、リチウムイオンを固定化できれば特に制限はない。後述するように、陽イオン交換容量(CEC:Cation Exchange Capacity)が小さい場合、リチウム部分固定型スメクタイトを配合したインキの水蒸気バリア性及び酸素バリア性がより向上する。そこで、リチウムイオンを効率的に固定化し、陽イオン交換容量を大きく低下させる観点から、150℃以上で加熱することが好ましい。上記加熱処理の温度は、より好ましくは150~600℃であり、更に好ましくは180~600℃であり、特に好ましくは200~500℃であり、最も好ましくは250~500℃である。上記温度で加熱することにより、陽イオン交換容量をより効率的に低下させることができると同時に、スメクタイト中の水酸基の脱水反応等を抑えることができる。上記加熱処理は開放系の電気炉で実施することが好ましい。この場合、加熱時の相対湿度は5%以下となり、圧力は常圧となる。上記加熱処理の時間は、リチウムを部分的に固定できれば特に制限はないが、生産の効率性の観点から、0.5~48時間とすることが好ましく、1~24時間とすることがより好ましい。
リチウム部分固定型スメクタイトであるか否かは、X線光電子分光(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析によって判断できる。具体的には、XPS分析によって測定されるXPSスペクトルにおける、Liイオン由来の結合エネルギーのピーク位置を確認する。例えば、スメクタイトがモンモリロナイトである場合、リチウム型スメクタイトを加熱処理等によりリチウム部分固定型スメクタイトとすることで、XPSスぺクトルにおけるLiイオン由来の結合エネルギーのピーク位置が57.0evから55.4evへシフトする。したがって、スメクタイトがモンモリロナイトである場合、55.4evの結合エネルギーピークを有するか否かによって部分固定型であるか否かを判断できる。
リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性(例えば高湿度下での酸素バリア性)により一層優れる観点から、好ましくは70meq/100g以下であり、より好ましくは60meq/100g以下である。リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性(例えば高湿度下での酸素バリア性)により一層優れる観点から、1meq/100g以上であり、より好ましくは5meq/100g以上であり、更に好ましくは10meq/100g以上である。これらの観点から、リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、1~70meq/100gであり、より好ましくは5~70meq/100gであり、更に好ましくは10~60meq/100gである。例えば、スメクタイトがモンモリロナイトの場合、通常、イオン交換容量は80~150meq/100g程度であるが、部分固定化処理を行うことで5~70meq/100gとすることができる。リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、60meq/100g未満であってよく、50meq/100g以下であってもよい。例えば、リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量は、1meq/100g以上60meq/100g未満であってよく、5meq/100g以上60meq/100g未満であってよく、10meq/100g以上60meq/100g未満であってよい。
スメクタイトの陽イオン交換容量は、Schollenberger法(粘土ハンドブック第三版、日本粘土学会編、2009年5月、p.453-454)に準じた方法で測定することができる。より具体的には、日本ベントナイト工業会標準試験方法JBAS-106-77に記載の方法で測定することができる。
スメクタイトの浸出陽イオン量は、スメクタイトの層間陽イオンをスメクタイト0.5gに対して100mLの1M酢酸アンモニウム水溶液を用いて4時間以上かけて浸出させ、得られた溶液中の各種陽イオンの濃度を、ICP発光分析、原子吸光分析等により測定し、算出することができる。
リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、インキ中の不揮発分全量に対し、好ましくは1質量%以上である。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が不揮発分全量に対し1質量%以上である場合、水蒸気バリア性及び酸素バリア性(例えば高湿度下での酸素バリア性)がより一層優れたものとなる。同様の観点から、リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、インキ中の不揮発分全量に対し、5質量%以上、7質量%以上、9質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上であってよい。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量は、好ましくは、インキ中の不揮発分全量に対し、30質量%以下である。リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が30質量%以下である場合、インキの印刷基材への密着性がより一層優れたものとなり、かつ、多層フィルム化した場合のフィルム同士のラミネート強度も向上する。なお、不揮発分とは、インキ全質量から、希釈溶剤質量、並びに、樹脂、着色材、及び各種添加剤に含まれる揮発成分質量を除く質量とする。
(着色剤)
本発明のインキは着色剤を含む。着色剤とは一般にインキに含まれる樹脂や溶剤に溶解する染料と、溶解しない顔料とが挙げられる。本発明のインキは、顔料と染料のどちらか一方のみを含んでいてもよいし、両方を含んでいてもよい。
染料としては、公知慣用のものを使用することができ、例えば、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニトロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジン染料、オキサジン染料、スクワリリウム色素等が挙げられる。これら染料は、単独又は混合して用いることができる。
顔料としては無機顔料と有機顔料とが例示される。無機顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化鉄、酸化クロム、アルミニウム、マイカ、カーボンブラック、赤土、黄土、緑土、紺青、亜鉛華、コバルト青、エメラルド緑、ビリジャンが例示できる。
また、有機顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン顔料、ペリノン系顔料、トリフエニルメタン系顔料、チオインジゴ顔料、ジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料等が挙げられる。これら顔料は、単独又は混合して用いることができる。
また、その他の特殊顔料として蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料、示温顔料、窯業用顔料が例示できる。
本発明では、インキの耐久性の観点より、着色剤が無機顔料であることが好ましく、特に好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化鉄、酸化クロム、アルミニウム、マイカ、カーボンブラックである。
(樹脂)
実施形態において樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に限定されない。具体的には、ロジン系樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、スチレン・アクリル樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、アルキッド樹脂、環化ゴム、塩素化ポリオレフィン樹脂等が例示できる。樹脂としては、インキに含まれる着色材を均質に分散させ、且つフィルム、板、成形材料などの被印刷材料に接着させることができるものであると好ましい。特に好ましい樹脂は軟包装用のインキに広く使用されている、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ尿素樹脂、アクリル樹脂である。
(溶剤)
本発明のインキは塗工適性付与の粘度調整等を目的として溶剤を含んでもよい。溶剤としては、水の他、炭化水素系溶剤としてはミネラルスピリット、石油ナフサ、トルエン、キシレン、テトラリン、テレピン油が例示できる。また、エステル系としては酢酸n-ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸エチル、酢酸プロピルが明示できる。また、ケトン系としては、MIBK、MEK シクロヘキサノン、アルコール系としてはイソプロピルアルコール、ブタノール、エタノール、メタノールが多価アルコール誘導体としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、 セロソルブアセテート、 ブチルセロソルブアセテート、 ブチルカルビトールが、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジメチルエーテル等の化合物を例示できる。また、これらは2種類以上を組み合わせて用いても良い。
(助剤)
インキには、更にインキとしての性能を高めるための各種助剤を含有してもよい。助剤としては、修飾剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤、ブロッキング防止材、粘着付与材等が例示できる。例えば修飾剤としては、カップリング剤が例示され カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミカップリング剤等や、シラン化合物、シラザン化合物、酸無水物等が挙げられる。インキがこれらの修飾剤を含有する場合、のインキ用樹脂との濡れ性が向上し、インキへの分散性が向上する。修飾剤は、1種を単独で用いてよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
修飾剤の配合量としては、リチウム部分固定型スメクタイト全量に対し、0.1~50質量%であることが好ましい。修飾剤の配合量は、0.1質量%以上であればリチウム部分固定型スメクタイトのインキへの分散性がより良好なものとなる。また、修飾剤の配合量は、50質量%以下であればインキに対する修飾剤の機械物性への影響をより抑えることができる。修飾剤の配合量は、好ましくは0.3~30質量%であり、より好ましくは0.5~15質量%である。
(添加剤)
本発明のインキには、上記助剤に加えて本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、各種フィラー、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等)、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、結晶核剤、酸素捕捉剤(酸素捕捉機能を有する化合物)、粘着付与剤等が例示できる。特に、ガスバリア機能を高める目的で他の無機層状化合物をリチウム部分固定型スメクタイトと併用しても良い。無機層状化合物としては、例えば、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイル等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。
また、包装の内容物の鮮度保持を目的で酸素捕捉機能を添加する場合には、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が添加されていても良い。
また、本発明は前記のインキを印刷した印刷物もふくまれる。印刷する対象の基材としては、各種紙のほか、各種プラスチックフィルム類が例示できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは延伸処理を施してあってもよい。また、これらのフィルムに透明蒸着、アルミ蒸着などの蒸着処理済みフィルムを用いていても良い。また、これらのフィルム類は更にラミネート処理などを行なって多層化しても良い。
本印刷物の用途には特に制限は無いが、得られる印刷物がガスバリア性に優れることから、包装材料として特に好適に使用できる。本発明の包装材料を用いることで、内容物の保存期間を延長できる効果がある。
(インキの印刷方法)
本発明のインキの印刷方法としては特に限定されない。凸版式としては、凸版、フレキソ、ドライオフセット、凹版としてはグラビア、グラビアオフセット、パッド、平版としてはオフセット、孔版としてはスクリーン、これらに加えてインクジェットを例示することができるが、これらには限定されない。
(インキの固着方法)
インキの固着方法としては、蒸発乾燥型、酸化重合型、2液反応型、紫外線硬化型、電子線硬化型、浸透乾燥型などを例示することができるが、これらには限定されない。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(フィラー)
インキに含有するフィラーとしてはリチウム部分固定型スメクタイト又はリチウム部分固定でないスメクタイト、及び有機変性スメクタイトを用いた。リチウム部分固定型スメクタイトは、クニミネ工業株式会社製のモンモリロナイトスラリー(商品名:RCEC-W、陽イオン交換容量39.0meq/100g)を用いた。この分散スラリー中のリチウム部分固定型スメクタイトの含有量(w/w%)は20w/w%であった。また、リチウム部分固定でないスメクタイトとしてクニミネ工業株式会社製のナトリウム型モンモリロナイト(商品名:クニピアF、陽イオン交換容量108meq/100g)を用いた。更に、有機変性スメクタイトとして、層間の金属カチオンを四級アンモニウム塩でイオン交換された株式会社ホージュン性の有機変性スメクタイト(商品名エスベンN-400、陽イオン交換容量100meq/100g)を用いた。
(ポリウレタン樹脂の合成、樹脂溶液の作製)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、エチレングリコールとネオペンチルグリコールの混合物(モル比=1/1)とアジピン酸とを反応させて得た数平均分子量1,800のポリエステルジオール605.9部およびイソホロンジイソシアネート94部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、遊離イソシアネート価1.02重量%のプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル300部を加えてウレタンプレポリマーを得た。
続いて、イソホロンジアミン18.1部、酢酸エチル873部およびIPA503部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で8時間攪拌反応させて、樹脂固形分濃度30.5質量%、重量平均分子量58,000、アミン価5.3(mgKOH/g)のポリウレタン樹脂溶液(A)を得た。
(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液Vの調整)
ポリウレタン樹脂と併用して用いる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸n-プロピルで15%溶液とし、これを塩酢ビ樹脂溶液(B)とした。
(実施例1)
ポリウレタン樹脂溶液(A)(固形分30%)を25部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(B)(固形分15%)10部、酸化チタン顔料(石原産業(株)製R-780)35部、酢酸エチル15部、イソプロピルアルコール15部からなる混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェノン社製)を用いて混練し、更にRECE-Wを12.5部添加し、均一分散させることで白色のインキを作製した。尚、本インキ中の部分固定リチウムスメクタイトの含有量は、不揮発分全量に対して5.3質量%であった。
(実施例2)
RECE-Wの添加量を25部にしたこと以外は、実施例1と同様な方法により白色のインキを作製した。尚、本インキ中の部分固定リチウムスメクタイトの含有量は、不揮発分全量に対して10.2質量%であった。
(実施例3)
RECE-Wの添加量を50部にしたこと以外は、実施例1と同様な方法により白色のインキを作製した。尚、本インキ中の部分固定リチウムスメクタイトの含有量は、不揮発分全量に対して18.5質量%であった。
(比較例1)
前記リチウム部分固定型スメクタイトスラリーRCEC-Wの代わりにナトリウム型モンモリロナイト粉末クニピアFを5g用いたこと以外は実施例1と同様にして白色のインキを作製した。尚、本インキ中のナトリウム型モンモリロナイトの含有量は、不揮発分全量に対して10.2質量%であった。
(比較例2)
前記リチウム部分固定型スメクタイトスラリーRCEC-Wの代わりに四級アンモニウム塩でイオン交換された有機変性スメクタイトとして、エスベンN-400を5g用いたこと以外は実施例1と同様にして白色のインキを作製した。尚、本インキ中のナトリウム型モンモリロナイトの含有量は、不揮発分全量に対して10.2質量%であった。
(参考例)
実施例1でのリチウム部分固定型スメクタイトスラリーRCEC-Wを加えない以外は、実施例1と同様な方法として白色のインキを作成した。
(印刷物の作製)
実施例1~3、比較例1、2及び参考例で得られた白色のインキの粘度を、酢酸エチル及びイソプロピルアルコール(IPA)で希釈しザーンカップ#3(離合社製)で12~約16秒になるように調整した。本白インキをバーコーター#4を用い、片面にコロナ処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、PETフィルム、東洋紡績株式会社製 E-5100 厚さ12μm)に印刷し、白インキの印刷物を得た。
(多層フィルムの作製)
上記印刷物に、エーテル系のドライラミネート接着剤であるディックドライLX-401A/SP-60(DIC株式会社)をバーコーターを用いて、塗膜量が2.5g/m2となるように塗布、乾燥後、無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPP:東洋紡(株)製 P1128 20μm)を積層し、40℃で3日間エージング施し、白インキが印刷されたラミネート物を得た。
(酸素透過率)
酸素透過率の測定は、JIS-K7126(等圧法)に準じ、モコン社製酸素透過率測定装置OX-TRAN1/50を用いて、温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で実施した。なお、RHとは相対湿度を表す。尚、12μmのPETフィルムでの酸素透過率は、約135cc/m・日・atmである。
(セロハンテープ密着性)
前記の印刷物の作製で得られた、PETフィルムへの白インキの印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製12mm幅)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を次の5段階で目視判定した。
5:印刷皮膜が全く剥がれなかった。
4:印刷皮膜の70%以上~90%未満がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50%以上~70%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の30%以上~50%未満がフィルムに残った。
1:印刷皮膜が30%未満しか残らなかった。
(ラミネート強度)
エージングが終了した多層フィルムを、塗工方向と平行に15mm幅に切断し、PETフィルムとCPPフィルムとの間を、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用いて、雰囲気温度25℃、剥離速度を300mm/分に設定し、90度剥離方法で剥離した際の引っ張り強度を接着強度とした。接着強度の単位はN/15mmとした。
以下に実施例の結果を表1に、比較例及び参考例の結果を表2に示した。
Figure 0007135506000001
Figure 0007135506000002

本発明のインキは、ガスバリア機能能特に酸素バリア性に優れた。また実用上、充分なセロハンテープ密着性とラミネート強度を示した。そのため、ガスバリア機能を持つ包装材料等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 着色剤と、樹脂と、リチウム部分固定型スメクタイトとを含有するインキであり、前記リチウム部分固定型スメクタイトの含有量が、前記インキの不揮発分全量に対し、1~30質量%であるインキ
  2. 着色剤が無機顔料である、請求項1に記載のインキ。
  3. 無機顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、カーボンブラックから選ばれる少なくともひとつである、請求項2に記載のインキ。
  4. 前記リチウム部分固定型スメクタイトの陽イオン交換容量が1~70meq/100gである、請求項1~3のいずれか一項に記載のインキ。
  5. 前記樹脂が、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ尿素樹脂、アクリル樹脂の何れかである請求項1~4のいずれか一項に記載のインキ。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のインキを印刷して得られる印刷物。
  7. 包装材料である、請求項6に記載の印刷物。
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