JP6372635B1 - インキ組成物及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

ガスバリア性を有する樹脂、着色剤、及びインキ化するための溶媒を含有するインキ組成物及び該インキ組成物を使用した印刷物。前記ガスバリア性を有する樹脂はポリエステル樹脂又はポリエステルウレタン樹脂が好ましく、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分との重縮合体であるエステル骨格を有する非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)であることが好ましい。

Description

本発明は、ガスバリア性を有するインキ組成物、および印刷物に関する。
食品向けや産業資材向けに使用される包装材料は、包装に適した柔軟性をはじめとする多数の要求特性を満たすために、軟包装材料と称される各種プラスチックフィルム、金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、金属箔等を多層ラミネートして複合フィルム化した材料が使用されてきた。その要求特性は、耐内容物性、ボイルやレトルト耐性等に対する高い性能、過酷な環境下に耐えうる耐久性、内容物を保護するためのガスや水蒸気バリア性、内容物への素材成分の低移行性、低臭味性、等があげられる。
この中で、内容物を保護するためのガスや水蒸気バリア性を満たす方法として最も一般的な方法は、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコール等のガスバリア性を有するフィルムを用いることであるが、これらの重合体からなる包装材料は、高湿度条件下において、その親水性に起因して酸素バリア性が大きく低下する問題や、湿度や熱水に対する耐性が劣る問題があった。
これら湿度条件等でも一定のバリア性を発揮させるために、前記プラスチックフィルム、金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、金属箔等を多層ラミネートする際に使用する接着剤にガスバリア機能を持たせる方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
一方、包装材料には、その表側や裏側、あるいは前述の多層ラミネートして複合フィルム化した材料であればラミネート内側に、被包装物の内容表示、包装材料の保護、あるいは装飾等の目的で印刷インキが施される。ガスバリア性を目的とする包装材料の場合、その殆どは前述の通りガスバリア性を有するフィルムや接着剤を用い、別途インキ層を設ける方法であり(例えば特許文献2参照)、印刷インキそのもののガスバリア性に着目したものはこれまで知られていなかった。
特開2012−57033号公報 特許第5975189号
本発明が解決しようとする課題は、ガスバリア性に優れるインキ組成物を提供することにある。
本発明者らは、印刷インキのバインダーとして、ポリエステル樹脂又はポリエステルウレタン樹等のガスバリア性を有する樹脂を使用することで、前記課題を解決した。
即ち本発明は、ガスバリア性を有する樹脂(1)、着色剤(2)、及びインキ化するための溶媒(3)を含有するインキ組成物を提供する。
また本発明は、基材と、基材上に印刷後硬化された印刷層とを備える印刷物であって、前記印刷層がガスバリア性を有する樹脂(1)、着色剤(2)、及びインキ化するための溶媒(3)を含有するインキ組成物である印刷物を提供する。
本発明のインキ組成物はガスバリア性を有するため、ガスバリア性を有するフィルムや接着剤を使用せずとも、包装材料にガスバリア性を付与できるという効果を有する。
(ガスバリア性樹脂(1))
本発明で使用するガスバリア性樹脂は、ガスバリアを有する樹脂であれば特に限定なく使用することができる。具体的にはポリエステル樹脂又はポリエステルウレタン樹脂であることが好ましく、オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分との重縮合体であるエステル骨格(1)を有する非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)が好ましい。
(非晶性ポリエステル樹脂(1−1))
本発明で使用する非晶性ポリエステル樹脂(1−1)は、オルト配向芳香族多価カルボン酸成分を含む多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を重縮合して得られる。
(オルト配向芳香族多価カルボン酸成分)
オルト配向芳香族多価カルボン酸成分は具体的には、オルトフタル酸及びその酸無水物である。オルトフタル酸及びその無水物は、骨格が非対称構造である。従って、得られるポリエステルの分子鎖の回転抑制が生じると推定され、これによりガスバリア性に優れると推定している。また、この非対称構造に起因して非結晶性を示し、十分な基材密着性が付与され、接着力とガスバリア性に優れると推定される。さらにグラビアインキとして用いる場合には必須である溶媒溶解性も高いことで取扱い性にも優れる特徴を持つ。
(芳香族多価カルボン酸)
前記オルト配向芳香族多価カルボン酸は、他の芳香族多価カルボン酸と併用しても良く好ましい。芳香族多価カルボン酸として具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物或いはエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらは単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。中でもテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
また、前記芳香族多価カルボン酸と併用できるその他の多価カルボン酸として具体的には、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸や、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸が挙げられる。これらは単独で或いは二種以上の混合物で使用することができる。また、これらの酸無水物も使用することができる。中でも、コハク酸、マレイン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、を併用することが好ましい。
(多価アルコール成分)
本発明で使用する多価アルコールは、具体的には、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、芳香族多価フェノールとして、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ナフタレンジオール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラメチルビフェノールや、これらのエチレンオキサイド伸長物、水添化脂環族を例示することができる。
中でも酸素原子間の炭素原子数が少ないほど、分子鎖が過剰に柔軟になりにくいと推定されることから、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールが好ましく、エチレングリコールがより好ましい。
前記オルト配向芳香族多価カルボン酸成分を含む多価カルボン酸成分と多価アルコール成分との重縮合反応は、公知の方法で行うことができる。
(非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2))
本発明で使用する非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)は、前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)のうち末端に水酸基を有するポリエステルポリオール樹脂とイソシアネート化合物との反応物である。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネートなどが挙げられる。
また、前記非晶性ポリエステルウレタン樹脂に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン化合物も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジーnーブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
前記ポリエステルポリオール樹脂と前記イソシアネート化合物、アミン化合物との反応は、公知の方法で行うことができる。
前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)の、前記オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の多価カルボン酸全成分に対する含有率は、50〜100質量%であることが好ましい。この範囲であれば、好ましいガスバリア性を発揮できる。中でも70〜100質量%がなお好ましい。
前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)の数平均分子量は450〜5000が好ましい。又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)の数平均分子量は3000〜50000が好ましく、5000〜30000がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)の数平均分子量が450未満の場合には、得られるインキの組成物の耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向があり、50000を超える場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなり、印刷被膜の光沢が低くなる傾向がある。
前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)は本発明のインキ組成物においてバインダーとして使用するが、本発明の効果を損なわない範囲において、公知のバインダー樹脂を併用してもよい。例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用樹脂の含有量は、インキ成分の不揮発分の総重量に対して1〜25重量%が好ましく、更に好ましくは2〜15重量%である。更にガスバリア性を向上または悪化させないバインダー樹脂として、有機溶剤系のインキ組成物では塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂が好ましく、水系のインキ組成物ではチレンビニルアルコール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
特に、本発明のインキ組成物を、プラスチックフィルム等のいわゆる軟包装材料用の印刷インキに適用する場合は、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の併用が好ましい。
(塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4))
前記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)としては、水酸基価が50〜200mgKOH/gであり、かつ前記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80〜95重量%であるが好ましい。
本発明に用いられる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)は、二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよびビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。即ち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。
軟包装用材料用の印刷インキとして使用する場合、接着性、耐ブロッキング性、印刷適性等の性能が要求されることから、例えば、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100重量部に対し、原料である塩化ビニルは80〜95重量部が好ましい。またビニルアルコールから得られる水酸基価は50〜200mgKOH/gが好ましい。
本発明のインキ組成物で使用する前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)のインキにおける含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキ成分の不揮発分の総重量に対して4重量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から60重量%以下が好ましく、更には10〜55重量%の範囲が好ましい。
また、本発明のインキ組成物で使用する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)のインキにおける含有量は、インキ成分の不揮発分の総重量に対して0.1〜30重量%が好ましく、より好ましく1〜15重量%の範囲が好ましい。
また、本発明のインキ組成物で使用する前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)と前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)との比率は、前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2):前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)=100:2〜100:30の範囲となんるように配合するのが好ましく、100:5〜100:20の範囲がなお好ましく、100:6〜100:15の範囲が最も好ましい。
(着色剤(2))
本発明で使用する着色剤(2)は、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている着色を目的とした有機、無機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC. I. Pigment No Yellow83を用いることが好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。また、ガラスフレークまたは塊状フレークを母材とした上に金属、もしくは金属酸化物をコートした光輝性顔料(メタシャイン;日本板硝子株式会社)を使用できる。白インキには酸化チタン、墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
着色剤(2)はインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ成分の不揮発分の総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
着色剤(2)、特に顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα−オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体などが挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(ZENECA)、アジスパーシリーズ(味の素)、ホモゲノールシリーズ(花王)などを挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー)、EFKAシリーズ(EFKA)なども適宜使用できる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキ成分の不揮発分の総重量に対して0.05重量%以上、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。
(インキ化するための溶媒(3))
本発明で使用するインキ化するための溶媒(3)は、前記バインダー樹脂を溶解できる溶媒であるならば使用可能であるが、一般的には有機溶剤が乾燥性の問題から好ましく、更に昨今の作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤を用いないことが望ましい。例えばノントルエン系グラビアインキ用の溶剤として通常用いられる、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n−プロパノール、イノプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。
(ポリイソシアネート(5))
本発明で使用するポリイソシアネート(5)は硬化剤として機能し、本発明のインキ組成物で使用する前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)が有する水酸基と反応し、3次元架橋構造を与える。ポリイソシアネート(5)は中でも芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)が好ましい。
(芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1))
芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)としては、特に限定されず公知のものを使用することができる。例えばキシリレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メチルフェニルエタンジイソシアネートから選ばれる少なくとも一種のジイソシアネートや、該ジイソシアネートと一価のアルコールとの反応生成物や2個の水酸基を有するアルコールとの反応生成物、カルボジイミド変性物等があげられる。
また3価以上のポリイソシアネート化合物としては、前記ジイソシアネートの過剰量を、多官能のアルコール体、例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、などの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとの反応生成物であるアダクト体が挙げられる。また、上記ジイソシアネートの多量体であるヌレート体等も好ましく使用することができる。
中でも、メタキシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、メタキシリレンジイソシアネートが最も好ましい。また、これらのイソシアネート化合物の前記反応生成物や変性物、多量体を用いても良い。
(芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物)
本発明では、硬化剤として前記の芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)と、芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物を併用するとなお好ましい。従来の芳香族環を有するポリイソシアネートでは硬化塗膜が硬くなり、良好な接着強度を得ることが困難であったが、芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物、特にアロファネート体の様なジイソシアネートを併用することでバリア性を維持しつつ、塗膜に柔軟性が付与され、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム等の金属系基材に対する密着性が向上し、且つ、バリア性も向上する。
本発明で用いられる芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート、水添メチルフェニルエタンジイソシアネート、水添ナフタレン−1,5−ジソシアナートから選ばれる少なくとも一種のジイソシアネートや、該ジイソシアネートと一価のアルコールとの反応生成物や2個の水酸基を有するアルコールとの反応生成物、カルボジイミド変性物等があげられる。
また3価以上のポリイソシアネート化合物としては、前記ジイソシアネートの過剰量を、多官能のアルコール体、例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、などの低分子活性水素化合物およびそのアルキレンオキシド付加物、各種ポリエステル樹脂類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などとの反応生成物であるアダクト体が挙げられる。また、上記ジイソシアネートの多量体であるヌレート体等も好ましく使用することができる。
中でも、環状骨格を有し且つ芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物(5−2)が好ましい。環状骨格とは、脂環式骨格あるいはヌレート骨格等が挙げられる。
前記脂環式骨格を有するポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水添メタキシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート、水添メチルフェニルエタンジイソシアネート、水添ナフタレン−1,5−ジソシアナートが好ましい。またこれらのイソシアネート化合物の前記反応生成物や変性物、多量体を用いても良い。
(芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)と、環状骨格を有し芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物(5−2)の混合比)
芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)と、環状骨格を有し芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物(5−2)の混合比は、使用する各々の化合物の分子量あるいは価数に依存するため一概には言えない。従って、芳香族環を分子内に有する2価以上のポリイソシアネート化合物(5−1)と、芳香族環を分子内に有しないポリイソシアネート化合物(5−2)の混合比はイソシアネート含有率換算で、1:5〜10:1の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、1:3〜5:1である。
(非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)とポリイソシアネート(5)との配合比)
前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)と前記ポリイソシアネート(5)とは、前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)と前記ポリイソシアネート(5)との割合が、前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)が有する水酸基と前記ポリイソシアネート(5)が有するイソシアネート基とが1/0.01〜1/10(当量比)となるように配合することが好ましく、より好ましくは1/0.1〜1/5である。ポリイソシアネート(5)を配合する事でインキの基材への密着性、ボイルやレトルト処理時の耐熱性が向上する。該範囲を超えて前記ポリイソシアネート(B)が過剰な場合、余剰な前記ポリイソシアネート(5)が残留することで接着後に接着層からブリードアウトするおそれがある。
(その他の成分)
本発明のインキ組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、芳香剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、カップリング剤等が例示できる。
(板状無機化合物)
本発明のインキ組成物には、より高いガスバリア機能を付与する目的で板状無機化合物を含有させても良い。板状無機化合物を併用した場合には形状が板状であることによりラミネート強度とバリア性が向上する特徴がある。本発明で使用される板状無機化合物としては、例えば含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらの鉱物は天然粘土鉱物であっても合成粘土鉱物であってもよい。
層間の電荷はバリア性には直接大きく影響しないが、溶媒が有機溶剤の場合、樹脂に対する分散性が、イオン性無機化合物では大幅に劣り、添加量を増量すると印刷適性が課題となる(チキソ性となる)。これに対し、無電荷の場合は添加量を多くしても、印刷適性が確保できる。粒径に関しては1μm程度より大きい方がバリア性を発現しやすく、nmレベルでは良好なバリア性が得られない。粒径が大きすぎる場合はグラビア印刷等の場合、グラビア版へ板状無機化合物が入らない為、印刷適性が得られない。粒径は0.1〜100μmが好ましい。更に好ましくは1〜40μmである。本発明での平均粒径とは、ある板状無機化合物の粒度分布を光散乱式測定装置で測定した場合の出現頻度が最も高い粒径を意味する。
本発明で使用される板状無機化合物のアスペクト比はガス成分分子の迷路効果によるバリア能の向上のためには高い方が好ましい。具体的には3以上が好ましく、更に好ましくは10以上、最も好ましくは40以上である。また板状無機化合物の含有率は任意であるが50質量%以下であることが好ましい。50質量%を超えると印刷適性や外観が不十分になる可能性がある。
本発明のインキ組成物は樹脂にバリア性を有する事が特徴である事より、着色剤を使用しない色濃度調整用のほぼ透明なメジウム、エキステンダーとしても使用できる。ブロッキング防止を目的として、無機顔料を使用することが好ましく、着色しない観点から、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ(雲母)が好ましい。また、バリア性を向上させる観点より前記、マイカ等の板状無機化合物がより好ましい。
無地が多い印刷部物では上記、メジウム、エキステンダーを基材全面に印刷することで包装材料にバリア性を付与する事ができる。
(製造方法)
本発明のインキ組成物は、樹脂、着色剤などを溶媒中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料等を非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明のインキの色相としては、使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として黄、紅、藍、墨、白の5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。ボイルレトルト用インキには顔料のマイグレーション性、耐熱性を考慮して適宜選定される。各色相のベースインキは、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
(印刷物)
本発明の印刷物は、基材と、基材上に本発明のインキ組成物を印刷後、硬化した印刷層とを備える印刷物である。
基材は、軟包装材料と称される各種プラスチックフィルムが利用でき、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう)、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状もしくはシート状のものがある。また上記プラスチックフィルムに金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルムも使用できる。
また印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の印刷方式で印刷できるが、特にグラビア印刷方式で印刷することが好ましい。グラビア印刷に用いられるシリンダーは、彫刻タイプ、腐食タイプ等公知のものが用いられる。
上記の印刷方式を用いて塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥あるいは硬化させて定着することで、印刷物を得ることができる。基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどコート処理が施されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
本発明のインキ組成物は、表刷り用インキ、裏刷り用インキ、あるいはラミネート用インキとして好ましく使用することができる。表刷り用インキとして使用する場合は、別途オーバープリントワニス層を設けることもできる。一方裏刷り用インキとして使用する場合は、別途アンカーコートワニス層を設けることもできる。また、ガスバリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコール等のプラスチックフィルムを積層させたフィルムや、金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルム、金属箔等を使用したフィルム、フィルムの接着剤にガスバリア機能を有する接着剤でフィルムを積層させたフィルム等の、ガスバリア性を有するフィルムに印刷することは、ガスバリア性の相乗効果を期待することができ好ましい。
本発明のインキ組成物は、グラビア印刷或いはフレキソ印刷に於いて、良好な酸素バリア性を有するので、包装用インキ組成物として食品包材、サニタリー、コスメ、電子材料用、建築材料用、工業材料用等、酸素バリア性を所望される用途であれば好適に使用できる。
次に、本発明を、実施例及び比較例により具体的に説明する。例中断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
(製造例1)ポリエステルポリオール樹脂(PE1)の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、エチレングリコール84.2部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量900の水酸基価126.2mgKOH/g、酸価0.36mgKOH/gのポリエステルポリオール(PE1)を得た。更に酢酸エチルで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂(PE1)溶液を得た。
(製造例2)ポリエステルポリオール樹脂 (PE2)の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、グリセロールを92.09部、無水フタル酸888.72部、エチレングリコール372部、及びチタニウムテトライソプロポキシド0.13部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、設計官能基数 N=3、水酸基価=135.2、水酸基価から計算される理論数平均分子量1245.10のポリエステル樹脂(PE2)を得た。更に酢酸エチルで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂(PE2)溶液を得た。
(製造例3)ポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU31)の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸98.1部、エチレングリコール78.5部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.01部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量600のポリエステルポリオール(PE3)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(PE3)とした。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(PE1)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート12.0部を加え、80℃に加熱して遊離のイソシアナト基(以下NCO基と略す)が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量1500、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU31)溶液を得た。
(製造例4)ポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU32)の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、エチレングリコール84.2部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量600のポリエステルポリオール(PE3)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(PE3)とした。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(PE3)100部に対し、イソホロンジイソシアネート22.2部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU32)溶液を得た。
(製造例5)ポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU41)の製造方法
攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器等を備えたポリエステル反応容器に、無水フタル酸148.1部、ネオペンチルグリコール153.4部及びチタニウムテトライソプロポキシド0.03部を仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように徐々に加熱して内温を205℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下になったところでエステル化反応を終了し、数平均分子量600のポリエステルポリオール(PE4)を得た。メチルエチルケトンで希釈して、不揮発分70%のポリエステルポリオール樹脂溶液(PE4)とした。
ポリエステルポリオール樹脂溶液(PE4)100部に対し、メタキシリレンジイソシアネート18.9部を加え、80℃に加熱して遊離のNCO基が実質的に無くなるまでウレタン化反応を行い、更にメチルエチルケトンで希釈して、数平均分子量5000、不揮発分70%のポリエステルウレタンポリオール樹脂(PEU41)溶液を得た。
(製造例6) ポリウレタンポリウレア樹脂(PEU51)
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコールアジペートジオール90部(水酸基価:21.2mgKOH/g)とポリエチレングリコール10部(水酸基価:111mgKOH/g)およびイソホロンジイソシアネート13.79部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有率2.60重量%のウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル61.3部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン6.06部、ジ−n−ブチルアミン0.45部、酢酸エチル121.2部およびイソプロピルアルコール98.3部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間攪拌反応させて、ポリウレタンポリウレア樹脂(PEU51)を得た。更に酢酸エチルで希釈して、数平均分子量は20000、樹脂固形分濃度30重量%のポリウレタンポリウレア樹脂(PEU51)溶液を得た。
(実施例、比較例)
(インキの調製法)
表1〜3に記載の配合比率で混合した混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製)を用いて混練し、実施例1〜10及び比較例1〜4に記載のインキを調製した。
Figure 0006372635

Figure 0006372635


Figure 0006372635

尚、表中の原料は以下の通りである。
・Fastogen Blue 5380:DIC(株)製のC.I.Pig. No.15:3
・R−780:石原産業(株)製の酸化チタン顔料 平均粒子径0.24μm、吸油量33
・ソルバインA:日信化学工業(株)製の樹脂構成「塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5(重量比)」である塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 数平均分子量30,000、ガラス転移点76℃、K値=48
・HM6025:HENGHAO社製のマイカ(KAL(ALSi10)(OH))、非膨潤性、板状、平均粒径10μm、アスペクト比100以上
・タケネートD110N:三井化学社製のXDI系ポリイソシアネート(芳香族環を有する)、不揮発分/75%
(印刷物作成)
表1〜3に記載のインキ組成物を、インキ作成に使用した同一比率の混合有機溶剤で希釈し、離合社製ザーンカップNo3で16秒になるように希釈した。それを、版深度35μmを有するグラビア版を取り付けたグラビア印刷機(DICエンジニアリング株式会社製)を用いて、片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルム(PET、東洋紡績株式会社製 E−5100 厚さ12μm)および二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP、フタムラ化学社製 FOR 厚さ20μm)のコロナ処理面にベタ印刷を行った。硬化剤を使用した印刷物は40℃、1日のエージングを行った。
(評価方法)
(1)酸素透過率
印刷およびエージングが終了した印刷物について、23℃の雰囲気下における酸素バリア性を測定した。
23℃/0%RHの酸素バリア性(OTR)測定:MOCON社製 OX−TRAN 2/21 等圧法 (JIS K 7126に準拠)
これらの結果を表1〜3に示す。
この結果、本発明の印刷インキを使用した印刷物は、高いガスバリア性を有することが明らかである。

Claims (7)

  1. ガスバリア性を有する樹脂(1)、着色剤(2)、及びインキ化するための溶剤(3)を含有するインキ組成物であって、
    水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)を含有し、
    前記ガスバリア性を有する樹脂(1)がオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分との重縮合体であるエステル骨格を有する非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)を含有することを特徴とするインキ組成物。
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)の、前記オルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の多価カルボン酸全成分に対する含有率が50〜100%である、請求項に記載のインキ組成物。
  3. 前記インキ化するための溶媒(3)が有機溶剤である請求項1または2に記載のインキ組成物。
  4. 前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)と前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)との比率が、前記非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2):前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)=100:2〜100:30である請求項1〜3のいずれかに記載のインキ組成物。
  5. ポリイソシアネート(5)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のインキ組成物。
  6. 板状無機化合物を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のインキ組成物。
  7. 基材と、基材上に印刷後硬化された印刷層とを備える印刷物であって、前記印刷層がオルト配向芳香族ジカルボン酸又はその無水物の少なくとも1種を含む多価カルボン酸成分と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びシクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多価アルコール成分との重縮合体であるエステル骨格を有する非晶性ポリエステル樹脂(1−1)又は非晶性ポリエステルウレタン樹脂(1−2)を含有するガスバリア性を有する樹脂(1)、着色剤(2)インキ化するための溶媒(3)、及び水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(4)を含有するインキ組成物であることを特徴とする印刷物。
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