JP7134984B2 - 粘着付与樹脂および粘着剤組成物 - Google Patents

粘着付与樹脂および粘着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、粘着付与樹脂および粘着剤組成物に関し、詳しくは、粘着性樹脂に配合して粘着性を向上させるための粘着付与樹脂、および、その粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物に関する。
従来、粘着性を向上させるために、粘着剤に粘着付与剤などの添加剤を配合することが知られている。
そのような粘着付与剤として、具体的には、例えば、重量平均分子量2000~3500、水酸基価35~100mgKOH/gであり、重量平均分子量が260以下の成分の含有量が1.5重量%以下である重合ロジンエステル樹脂を乳化して得られる粘着付与樹脂エマルジョンが、提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2010-106259号公報
しかるに、上記特許文献1に記載される粘着付与樹脂エマルジョンを、粘着剤に配合した場合にも、粘着剤の粘着性が十分ではないという不具合がある。
本発明は、粘着性の向上を図ることができる粘着付与樹脂、および、その粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物である。
本発明[1]は、ロジン系樹脂と、融点が35℃以上250℃以下であり、かつ、炭素数7以上15以下の架橋環化合物とを含む、粘着付与樹脂を含んでいる。
本発明[2]は、前記架橋環化合物が、カンフェン、ボルネオールおよびノルボルネンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]に記載の粘着付与樹脂を含んでいる。
本発明[3]は、前記ロジン系樹脂の軟化点が95~160℃である、上記[1]または[2]に記載の粘着付与樹脂を含んでいる。
本発明[4]は、前記ロジン系樹脂が、アクリル酸変性ロジンエステルである、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の粘着付与樹脂を含んでいる。
本発明[5]は、前記ロジン系樹脂および前記架橋環化合物の総量100質量部に対して、前記架橋環化合物の含有割合が、0.01質量部以上20質量部以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の粘着付与樹脂を含んでいる。
本発明[6]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の粘着付与樹脂を含有する、粘着剤組成物を含んでいる。
本発明の粘着付与樹脂は、上記の特定成分を含有するため、優れた粘着性を粘着剤組成物に付与することができる。
本発明の粘着剤組成物は、本発明の粘着付与樹脂が含まれているため、粘着性に優れる。
本発明の粘着付与樹脂は、ロジン系樹脂と、架橋環化合物とを含有する樹脂組成物である。
ロジン系樹脂としては、特に制限されず、例えば、無変性ロジン(未変性ロジン)、ロジン変性体(誘導体)などが挙げられる。
無変性ロジンとしては、例えば、トール油ロジン(トールロジン)、ガムロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。これら無変性ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。無変性ロジンとして、好ましくは、トールロジン、ガムロジンが挙げられ、より好ましくは、ガムロジンが挙げられる。なお、ガムロジンには、産地に応じた名前で称される場合がある。ガムロジンとして、好ましくは、中国ガムロジン、ブラジルガムロジンが挙げられる。
ロジン変性体は、上記した無変性ロジンの変性体であって、例えば、酸変性ロジン、環構造付加ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジンなどが挙げられる。
これらロジン変性体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ロジン変性体として、好ましくは、酸変性ロジン、環構造付加ロジン、不均化ロジン、水素添加ロジンが挙げられ、より好ましくは、酸変性ロジン、環構造付加ロジンが挙げられ、さらに好ましくは、酸変性ロジンが挙げられる。
酸変性ロジンとしては、例えば、上記した無変性ロジンの、α,β-不飽和カルボン酸類による変性体が挙げられる。
具体的には、酸変性ロジンは、例えば、上記した無変性ロジンにα,β-不飽和カルボン酸類を公知の方法により反応させることによって、得ることができる。
α,β-不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β-不飽和カルボン酸、および、その酸無水物などが挙げられ、具体的には、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
これらα,β-不飽和カルボン酸類は、単独使用または2種類以上併用することができる。
α,β-不飽和カルボン酸類として、好ましくは、アクリル酸が挙げられる。
換言すれば、酸変性ロジンとして、より好ましくは、アクリル酸変性ロジンが挙げられる。
無変性ロジンとα,β-不飽和カルボン酸類との配合割合は、無変性ロジン1モルに対して、α,β-不飽和カルボン酸類が、例えば、1モル以下である。また、無変性ロジンとα,β-不飽和カルボン酸類との反応では、反応温度が、例えば、150~300℃であり、反応時間が、例えば、1~24時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
また、酸変性ロジンにおいて、酸変性率(無変性ロジン100質量部に対するα,β-不飽和カルボン酸類の質量)は、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、9質量部以下、より好ましくは、8質量部以下である。
とりわけ、粘着力の向上の観点から、酸変性率(無変性ロジン100質量部に対するα,β-不飽和カルボン酸類の質量)は、さらに好ましくは、4質量部以上、とりわけ好ましくは、6質量部以上である。
また、ボールタック性能の向上の観点からは、酸変性率(無変性ロジン100質量部に対するα,β-不飽和カルボン酸類の質量)は、さらに好ましくは、6質量部以下、とりわけ好ましくは、4質量部以下である。
環構造付加ロジンとしては、例えば、上記した無変性ロジンの、炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルによる変性体が挙げられる。
具体的には、環構造付加ロジンは、例えば、上記した無変性ロジンに、炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルを、公知の方法で反応(ディールス・アルダー反応)させることによって、得ることができる。
炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アダマンチルメチル(メタ)アクリレート、2-メチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレートなどの脂環族基を有する(メタ)アクリル酸エステル、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、エトキシ化オルト-フェニルフェノール(メタ)アクリレートなどの芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
これら炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとして、好ましくは、脂環族基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、より好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
無変性ロジンと炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとの配合割合は、無変性ロジン100質量部に対して、炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが、例えば、0.1~50質量部である。また、無変性ロジンと炭素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとの反応では、反応温度が、例えば、150~250℃であり、反応時間が、例えば、0.5~8時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
また、ロジン系樹脂としては、例えば、上記の無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のエステル化物(ロジンエステル)、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のアミド化合物、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のアミン塩、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のフェノール変性体なども挙げられる。
好ましくは、上記の無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のエステル化物(ロジンエステル)が挙げられる。
ロジンエステルは、上記の無変性ロジンおよび/またはロジン変性体と、多価アルコールとを、公知のエステル化法で反応させることによって、得ることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタンなどの3価アルコール、例えば、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール、例えば、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-イソブチルジエタノールアミン、N-ノルマルブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。これら多価アルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。多価アルコールとして、好ましくは、3価アルコール、4価アルコール、より好ましくは、グリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
無変性ロジンおよび/またはロジン変性体と、多価アルコールとの配合割合は、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のカルボキシル基に対する、多価アルコールの水酸基のモル比(OH/COOH)が、例えば、0.2~1.4である。
また、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体と、多価アルコールとの反応では、反応温度が、例えば、150~300℃であり、反応時間が、例えば、2~30時間である。また、この反応では、必要に応じて公知の触媒を適宜の割合で配合することもできる。
これらロジン系樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらロジン系樹脂としては、粘着性の向上を図る観点から、好ましくは、所定の軟化点のロジン系樹脂が選択される。
ロジン系樹脂の軟化点は、例えば、80℃以上、好ましくは、95℃以上、より好ましくは、100℃以上、さらに好ましくは、105℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。
とりわけ、粘着力の向上の観点から、ロジン系樹脂の軟化点は、さらに好ましくは、110℃以上、とりわけ好ましくは、130℃以上であり、好ましくは、180℃以下である。
すなわち、ロジン樹脂の軟化点が上記範囲であれば、粘着力が向上される。そのため、例えば、ポリエチレンなどに対する粘着力などに優れた粘着付与樹脂を、得ることができる。
また、ボールタック性能の向上の観点から、ロジン系樹脂の軟化点は、例えば、80℃以上、好ましくは、95℃以上、より好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下、より好ましくは、160℃以下、さらに好ましくは、140℃以下、とりわけ好ましくは、130℃未満である。
すなわち、ロジン樹脂の軟化点が上記範囲であれば、ボールタック性能などに優れた粘着付与樹脂を、得ることができる。
なお、ロジン系樹脂の軟化点は、JIS K5902 5.3(1969年)に準拠して測定される。
このような軟化点を有するロジン系樹脂として、粘着性の向上を図る観点から、好ましくは、無変性ロジンおよび/またはロジン変性体のエステル化物が挙げられ、より好ましくは、ロジン変性体のエステル化物が挙げられ、さらに好ましくは、酸変性ロジンのエステル化物が挙げられ、とりわけ好ましくは、アクリル酸変性ロジンのエステル化物(アクリル酸変性ロジンエステル)が挙げられる。
また、ロジン系樹脂の酸価は、例えば、3mgKOH/g以上、好ましくは、5mgKOH/g以上、より好ましくは、7mgKOH/g以上、さらに好ましくは、9mgKOH/g以上、とりわけ好ましくは、10mgKOH/g以上であり、例えば、500mgKOH/g以下、好ましくは、400mgKOH/g以下、より好ましくは、300mgKOH/g以下、さらに好ましくは、200mgKOH/g以下、とりわけ好ましくは、150mgKOH/g以下である。
なお、酸価は、JIS K 5902(2006年)に準拠して測定される。
架橋環化合物は、橋架け構造を有する多環式化合物である。本発明においては、架橋環化合物として、所定の融点を有し、かつ、所定の炭素数である架橋環化合物が使用される。
具体的には、架橋環化合物の融点は、粘着性の観点から、35℃以上、好ましくは、40℃以上、より好ましくは、45℃以上であり、250℃以下、好ましくは、230℃以下、より好ましくは、210℃以下である。
なお、融点は、JIS K0064(1992年)に準拠して測定される。
また、架橋環化合物の炭素数は、粘着性の観点から、7以上、好ましくは、8以上、より好ましくは、9以上であり、15以下、好ましくは、13以下、より好ましくは、11以下である。
このような架橋環化合物として、より具体的には、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物などが挙げられる。
なお、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物とは、化合物の構造の一部にビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を含んでいればよく、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンがさらに別の環と縮合環を形成しているような化合物を含み、また、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの炭素-炭素結合が二重結合となっている化合物も含む。
また、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物についても同様である。
すなわち、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物とは、化合物の構造の一部にビシクロ[2.2.2]オクタン構造を含んでいればよく、ビシクロ[2.2.2]オクタンがさらに別の環と縮合環を形成しているような化合物を含み、また、ビシクロ[2.2.2]オクタンの炭素-炭素結合が二重結合となっている化合物も含む。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物としては、例えば、カンフェン(融点45~46℃、炭素数10)、ボルネオール(別名:竜脳)(融点208℃、炭素数10)、D-カンフル(別名:カンファー、樟脳)(融点175~177、炭素数10)、ノルボルネン(別名:2-ノルボルネン)(融点44~46℃、炭素数7)、(±)-カンファーキノン(融点197-203℃、炭素数10)などの2環式のビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物、例えば、endo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(融点75℃、炭素数10)、exo-テトラヒドロジシクロペンタジエン(融点55℃、炭素数10)などの3環式のビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物などが挙げられる。
ビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物としては、例えば、パチョロール(融点56℃、炭素数15)などの3環式のビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物などが挙げられる。
これら架橋環化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
架橋環化合物として、粘着性の観点から、好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造を有する化合物が挙げられ、より好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物が挙げられ、さらに好ましくは、2環式のビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造を有する化合物が挙げられ、さらに好ましくは、カンフェン、ボルネオール、ノルボルネン、D-カンフルが挙げられ、とりわけ好ましくは、カンフェン、ボルネオール、ノルボルネンが挙げられる。
換言すれば、架橋環化合物として、好ましくは、カンフェン、ボルネオールおよびノルボルネンからなる群から選択される少なくとも1種を含み、より好ましくは、カンフェン、ボルネオールおよびノルボルネンからなる群から選択される少なくとも1種からなる。
そして、粘着付与樹脂は、ロジン系樹脂と架橋環化合物とを、混合することによって調製される。
粘着付与樹脂において、架橋環化合物の含有割合は、優れた粘着性(粘着力および/または保持力)を得る観点から、ロジン系樹脂と架橋環化合物との総量100質量部に対して、例えば、0.01質量以上、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、0.5質量部以上、さらに好ましくは、1質量部以上、とりわけ好ましくは、3質量部以上であり、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下、より好ましくは、10質量部以下、さらに好ましくは、8質量部以下、とりわけ好ましくは、5.5質量部以下である。
架橋環化合物の含有割合が上記範囲であれば、粘着性の向上を図ることができる。
混合方法としては、特に制限されず、例えば、湿式混合、乾式混合などの公知の混合方法を採用することができる。
これにより、ロジン系樹脂と架橋環化合物との混合物(樹脂組成物)として、粘着付与樹脂が得られる。
そして、このようにして得られる粘着付与樹脂は、上記の特定成分を含有するため、優れた粘着性を粘着剤組成物に付与することができる。
また、粘着付与樹脂は、必要により、粘着付与樹脂エマルションとして調製される。
粘着付与樹脂エマルションは、例えば、乳化剤を用いて、粘着付与樹脂を水分散させることにより得られる。
乳化剤としては、特に制限されず、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤などが挙げられ、これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
乳化剤として、好ましくは、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が挙げられる。
アニオン系乳化剤としては、例えば、有機スルホン酸、硫酸エステルのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、より具体的には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどのアルキル(またはアルケニル)硫酸エステル塩類、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル硫酸エステル塩類、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、例えば、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸2ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類、例えば、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩およびその誘導体類などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)エーテル類、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、乳化剤としては、合成高分子系乳化剤も挙げられる。合成高分子系乳化剤は、例えば、まず、重合性モノマー(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアマイド、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸など、さらには、それらと共重合可能なその他のモノマーなど)を公知の方法で重合させ、次いで、得られたる重合体にアルカリ類(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなど)を添加して塩形成させ、その後、得られた塩を水に分散させることにより、水分散性重合体として得られる。
これら乳化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
乳化剤の配合割合は、特に制限されないが、粘着付与樹脂100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、2質量部以上であり、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
そして、乳化剤を用いて粘着付与樹脂エマルションを得る方法としては、例えば、溶剤型乳化法、無溶剤型乳化法などの公知の乳化法が採用される。
溶剤乳化法では、まず、上記の粘着付与樹脂を有機溶剤に溶解させ、粘着付与樹脂溶液を得る。有機溶剤としては、粘着付与樹脂を溶解可能な溶剤であれば、特に制限されないが、例えば、メチレンクロライドなどの塩素系炭化水素溶剤、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素溶剤、例えば、メチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。なお、有機溶剤と粘着付与樹脂との配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、この方法では、得られた粘着付与樹脂溶液と、上記乳化剤および水が混合および溶解された乳化水とを混合し、粗粒子の水性エマルションを調製した後、公知の乳化分散機(例えば、各種ミキサー、コロイドミル、高圧乳化機、高圧吐出型乳化機、高剪断型乳化分散機など)を用いて微細乳化させ、その後、常圧または減圧下で加熱し、有機溶剤を除去する。これにより、粘着付与樹脂エマルションが得られる。
また、無溶剤乳化法では、まず、常圧または加圧下で加熱して溶融させた粘着付与樹脂を、上記の乳化水とを混合し、粗粒子の水性エマルションを調製した後、上記の乳化分散機を用いて微細乳化させる。これにより、粘着付与樹脂エマルションが得られる。
また、溶剤型乳化法および無溶剤型乳化法では、まず、油中水型エマルションを調製した後、水中油型エマルションに相反転させる転相乳化法を採用することもできる。
粘着付与樹脂エマルションの平均粒子径は、粘度を適度に保つ観点から、例えば、0.10μm以上、好ましくは、0.20μm以上であり、また、貯蔵安定性および機械安定性の向上を図る観点から、例えば、0.50μm以下、好ましくは、0.40μm以下である。
そして、このようにして得られる粘着付与樹脂エマルションは、上記の特定成分を含有する粘着付与樹脂を含有するため、優れた粘着性を、粘着剤組成物に付与することができる。なお、粘着付与樹脂エマルションを用いる場合、粘着剤組成物として、水系粘着剤組成物が得られる。
そのため、粘着付与樹脂(粘着付与樹脂エマルション中の粘着付与樹脂を含む。(以下同様))は、粘着剤組成物の製造に好適に用いられる。
粘着剤組成物は、例えば、粘着付与樹脂と、ベース樹脂とを含有している。
ベース樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂としては、公知の(メタ)アクリル樹脂を用いることができる。具体的には、(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする原料モノマーの重合体として得られる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等などが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、貯蔵安定性などの向上を図るため、原料モノマーに、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な(メタ)アクリル酸を含有させることができる。また、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なその他のモノマー、例えば、酢酸ビニル、スチレンなどを含有させることができる。なお、原料モノマーの重合方法は、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
また、粘着付与樹脂として、粘着付与樹脂エマルションが用いられる場合、好ましくは、(メタ)アクリル樹脂として、(メタ)アクリル樹脂エマルションが用いられる。
(メタ)アクリル樹脂エマルションは、例えば、界面活性剤および水の存在下において(メタ)アクリル樹脂を合成することにより、得ることができる。界面活性剤としては、上記した乳化剤が挙げられ、単独または2種類以上併用することができる。好ましくは、アニオン系乳化剤、ノニオン系乳化剤が挙げられる。また、好ましくは、粘着付与樹脂エマルションの調製時に使用される乳化剤と同種の乳化剤が挙げられる。
粘着剤組成物において、粘着付与樹脂(粘着付与樹脂エマルション中の粘着付与樹脂を含む。)と(メタ)アクリル樹脂((メタ)アクリル樹脂エマルション中の(メタ)アクリル樹脂を含む。)との質量割合は、粘着付与樹脂と(メタ)アクリル樹脂との総量100質量部に対して、粘着付与樹脂が、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上、より好ましくは、15質量部以上であり、例えば、35質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、25質量部以下である。
粘着付与樹脂と(メタ)アクリル樹脂との質量割合が上記範囲であれば、粘着力に優れる粘着剤組成物を得ることができる。
また、粘着剤組成物は、必要により、架橋剤を含有することができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、過酸化物などの公知の架橋剤が挙げられる。
これら架橋剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
架橋剤として、好ましくは、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
架橋剤の配合割合は、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、例えば、0.05質量部以上、好ましくは、0.1質量部以上であり、例えば、15質量部以下、好ましくは、10質量部以下である。
さらに、粘着剤組成物は、必要により、公知の添加剤を含有することができる。
添加剤としては、例えば、充填剤、増粘剤、発泡剤、着色剤(染料、顔料など)、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、難燃剤、保護コロイド、造膜助剤などが挙げられる。
これら添加剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
添加剤の添加量および添加のタイミングは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、このような粘着剤組成物は、上記の粘着付与樹脂が含まれているため、粘着性に優れる。
そのため、粘着剤組成物は、例えば、粘着シート、粘着フィルム、粘着紙などとして、各種産業分野において、好適に用いることができる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、以下において、合成例で用いられる測定方法を詳述する。
<軟化点(℃)測定>
JIS K5902 5.3(1969年)に準拠し、以下の方法(R&B(ring&ball)法)で軟化点を求めた。
すなわち、ビーカーにサンプル約20g入れ、できる限り低温で速やかに溶融した。
次いで、平らな場所に硫酸紙を置き、その上に予熱したリングを置いて、溶融したサンプルを気泡が入らないように流し込んだ。
次いで、サンプルを室温まで放冷した後、少し加熱した小刀またはハンダゴテで、リングの上端を含む平面より盛り上がった部分を削り取り、平らにした。
次いで、ビーカーに水(軟化点90℃以上の場合は、グリセリン)を、その液面がリングの上端より50mm上になるように取り、ボールをリングの中央に位置するように置いた。
次いで、軟化点測定装置を、スライダックに接続した電熱器の上に置き、加熱した。水の場合は40℃(グリセリン浴の場合は70℃)以上に達した後は、ストップウォッチで確認しながら、毎分5±0.5℃で昇温させた。
そして、サンプルが軟化し、載置したボールが支持器の仮板に接触した時の温度を、軟化点として求めた。
なお、温度計のメモリに関しては、0.5℃単位で読み取り、その温度で表示した。
また、自動軟化点測定装置を使用する場合は、0.1℃単位で表示されるので、それを読み取り、小数点第一位を四捨五入して、1℃単位で表示した。
なお、軟化点は、例えば、昇温および軟化点測定を自動化した自動軟化点測定装置(エレックス科学社製)などにより測定できる。ただし、サンプルの調製、液面高さの調整などは、上記に従う。
<酸価(mgKOH/g)測定>
JIS K 5902(2006年)に準拠し、サンプルを化学天秤で0.5~0.7g、100mlマイヤーに量り取り、中性溶剤(トルエン/メタノール=2:1)に完全に溶解させるまでよく振った後、1%フェノールフタレインを約5滴加え、N/5KOHにて滴定することにより、酸価を求めた。
なお、滴定の終点は、測定液が、微紅色となり30秒以内に消えなかった点とした。
<ロジンエステル>
合成例1(ロジン系樹脂A:アクリル酸変性ロジンのエステル化物(軟化点115℃))
1Lフラスコに中国ガムロジン(無変性ロジン)780gを仕込み、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、180℃に到達したときに、溶融した中国ガムロジンを撹拌しながら、アクリル酸19.5g(無変性ロジン100gに対して2.5g)を仕込み、さらに反応させ、濁りが無くなった時点で反応終了とした。
これにより、アクリル酸変性ロジン800gを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、アクリル酸変性ロジン100gを200℃に加熱し、ペンタエリスリトール12gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、アクリル酸変性ロジンのエステル化物(ペンタエリスリトールエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Aとした。ロジン系樹脂Aの軟化点は115℃、酸価は18mgKOH/gであった。
合成例2(ロジン系樹脂B:重合ロジンのエステル化物(軟化点125℃))
1L四つ口フラスコに中国ガムロジン(無変性ロジン)500gを仕込み、ミネラルスピリット380gを加えて、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、完全に融解し、撹拌可能となったときから、130℃まで冷却し、塩化亜鉛触媒を5g加えて、同温にて4時間反応させた。
次いで、0.5%重曹水にて、3回以上中和水洗し、粗重合ロジンを得た。
さらに、得られた粗重合ロジンを蒸留し、分解物および含有溶剤を除去することにより、重合ロジンを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、重合ロジン100gを200℃に加熱し、ペンタエリスリトール10gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、重合ロジンのエステル化物(ペンタエリスリトールエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Bとした。ロジン系樹脂Bの軟化点は125℃、酸価は14mgKOH/gであった。
合成例3(ロジン系樹脂C:アクリル酸変性ロジンのエステル化物(軟化点130℃

1Lフラスコにブラジルガムロジンとトールロジンとの混合品(ガムロジン:トールロジン=6:4(質量比率)、無変性ロジン)780gを仕込み、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、180℃に到達したときに、溶融した中国ガムロジンを撹拌しながら、アクリル酸50.7g(無変性ロジン100gに対して6.5g)を仕込み、さらに反応させ、濁りが無くなった時点で反応終了とした。
これにより、アクリル酸変性ロジン830gを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、アクリル酸変性ロジン100gを200℃に加熱し、ペンタエリスリトール15gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、アクリル酸変性ロジンのエステル化物(ペンタエリスリトールエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Cとした。ロジン系樹脂Cの軟化点は130℃、酸価は18mgKOH/gであった。
合成例4(ロジン系樹脂D:アクリル酸変性ロジンのエステル化物(軟化点150℃))
1Lフラスコにブラジルガムロジンとトールロジンとの混合品(ガムロジン:トールロジン=6:4(質量比率)、無変性ロジン)780gを仕込み、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、180℃に到達したときに、溶融した中国ガムロジンを撹拌しながら、アクリル酸62.4g(無変性ロジン100gに対して8.0g)を仕込み、さらに反応させ、濁りが無くなった時点で反応終了とした。
これにより、アクリル酸変性ロジン840gを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、アクリル酸変性ロジン100gを200℃に加熱し、ペンタエリスリトール16gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、アクリル酸変性ロジンのエステル化物(ペンタエリスリトールエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Dとした。ロジン系樹脂Dの軟化点は150℃、酸価は18mgKOH/gであった。
合成例5(ロジン系樹脂E:マレイン酸変性ロジンのエステル化物(軟化点105℃))
1Lフラスコに中国ガムロジン(無変性ロジン)780gを仕込み、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、180℃に到達したときに、溶融した中国ガムロジンを撹拌しながら、マレイン酸11.6g(無変性ロジン100gに対して1.5g)を仕込み、さらに反応させ、濁りが無くなった時点で反応終了とした。
これにより、マレイン酸変性ロジン792gを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、マレイン酸変性ロジン100gを200℃に加熱し、グリセリン5gとペンタエリスリトール11gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、マレイン酸変性ロジンのエステル化物(グリセリンとペンタエリスリトールのエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Eとした。ロジン系樹脂Eの軟化点は105℃、酸価は11mgKOH/gであった。
合成例6(ロジン系樹脂F:フマル酸変性ロジンのエステル化物(軟化点105℃))
1Lフラスコに中国ガムロジン(無変性ロジン)780gを仕込み、窒素5ml/minを流しながら、加熱溶解させた。
次いで、180℃に到達したときに、溶融した中国ガムロジンを撹拌しながら、フマル酸35.0g(無変性ロジン100gに対して4.5g)を仕込み、さらに反応させ、濁りが無くなった時点で反応終了とした。
これにより、フマル酸変性ロジン815gを得た。
その後、窒素5ml/minを流しながら、フマル酸変性ロジン100gを200℃に加熱し、グリセリン12gを添加し、8~10時間かけて液温を270℃まで上げた。
続けて、270℃で16~20時間エステル化反応させ、フマル酸変性ロジンのエステル化物(グリセリンエステル)を得た。
これを、ロジン系樹脂Fとした。ロジン系樹脂Fの軟化点は105℃、酸価は17mgKOH/gであった。
<粘着付与樹脂>
実施例1
表1に記載の配合処方に従って、ロジン系樹脂Aと架橋環化合物とを混合し、粘着付与樹脂を得た。
また、得られた粘着付与樹脂と、ベース樹脂(商品名ハリアクロン350B、アクリル樹脂系粘着剤、ハリマ化成製)とを混合し、粘着剤組成物を得た。
実施例2~13および比較例1~3
表1~表3に記載の処方に変更した以外は、実施例1と同じ方法で、粘着付与樹脂および粘着剤組成物を得た。
なお、比較例1では、架橋環化合物を使用せずに、ロジン系樹脂を粘着付与樹脂としてとして扱った。
<評価>
(1)粘着性
粘着剤組成物を、基材としてのポリエチレンフィルム(PEフィルム、25μm、JMT株式会社製、商品名ルミラーT60)に、乾燥後の膜厚が25μmとなるよう塗工した。
その後、大気中100℃にて5分間乾燥した後、表面を剥離処理された75μmPETフィルム(パナック株式会社製、商品名SPPET7501BU)でカバーし、40℃で3日間養生して、評価シートを得た。
その後、評価シートをPEフィルムから剥離するときの粘着力と、剥離した評価シートのボールタックおよび保持力とを、JIS Z 0237(2009年)に準拠して評価した。
なお、粘着力は23℃で測定し、ボールタックは23℃で測定し、保持力は40℃で測定した。
Figure 0007134984000001
Figure 0007134984000002
Figure 0007134984000003
表中の略号の詳細を下記する。
ロジン系樹脂A:合成例1で得られたアクリル酸変性ロジンのエステル化物(アクリル酸変性率2.5%/ロジン)軟化点115℃、酸価18mgKOH/g
ロジン系樹脂B:合成例2で得られた重合ロジンのエステル化物、軟化点125℃、酸価14mgKOH/g
ロジン系樹脂C:合成例3で得られたアクリル酸変性ロジンのエステル化物(アクリル酸変性率6.5%/ロジン)軟化点130℃、酸価18mgKOH/g
ロジン系樹脂D:合成例4で得られたアクリル酸変性ロジンのエステル化物(アクリル酸変性率8.0%/ロジン)軟化点150℃、酸価18mgKOH/g
ロジン系樹脂E:合成例5で得られたマレイン酸変性ロジンのエステル化物(マレイン酸変性率1.5%/ロジン)軟化点105℃、酸価11mgKOH/g
ロジン系樹脂F:合成例6で得られたフマル酸変性ロジンのエステル化物(フマル酸変性率4.5%/ロジン)軟化点105℃、酸価17mgKOH/g
T100:テルペンフェノール樹脂、商品名YSポリスターT100、ヤスハラケミカル製
TO105:芳香族変性テルペン樹脂、商品名YSレジンTO105、ヤスハラケミカル製
カンフェン:架橋環化合物、C1016、融点45~46℃、日本テルペン化学製
ボルネオール:架橋環化合物、C1018O、融点208℃、日本テルペン化学製
D-カンフル:架橋環化合物、C1016O、融点175~177℃、日本精化製
ノルボルネン:架橋環化合物、C10、融点45~48℃、東京化成工業製
(メタ)アクリル樹脂:ベースアクリル粘着剤、商品名ハリアクロン350B、ハリマ化成製
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。当該技術分野の当事者によって明らかな本発明の変形例は、後記請求の範囲に含まれる。
本発明の粘着付与樹脂および粘着剤組成物は、各種産業分野の粘着シート、粘着フィルム、粘着紙などにおいて、好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ロジン系樹脂と、
    融点が35℃以上250℃以下であり、かつ、炭素数7以上15以下の架橋環化合物と
    を含み、
    前記ロジン系樹脂および前記架橋環化合物の総量100質量部に対して、
    前記架橋環化合物の含有割合が、0.01質量部以上20質量部以下である
    ことを特徴とする、粘着付与樹脂。
  2. 前記架橋環化合物が、カンフェン、ボルネオールおよびノルボルネンからなる群から選択される少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の粘着付与樹脂。
  3. 前記ロジン系樹脂の軟化点が95~160℃である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の粘着付与樹脂。
  4. 前記ロジン系樹脂が、
    アクリル酸変性ロジンエステルである
    ことを特徴とする、請求項1に記載の粘着付与樹脂。
  5. 請求項1に記載の粘着付与樹脂
    を含有することを特徴とする、粘着剤組成物。
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