JP7131932B2 - アルミニウム合金部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はアルミニウム合金部材の製造方法に関する。
Siを含有するアルミニウム合金からなる鋳物を、加圧環境下において固液共存温度域まで、加熱保持した後、焼入れするアルミニウム合金部材の製造方法がある。特許文献1には、開示されている。
特開2017-155288号公報
本発明者等は、以下のような課題を発見した。
図20は、本発明が解決しようとする課題に係るアルミニウム合金部材の製造方法の温度チャートである。横軸は時間tを示し、縦軸は、温度Tを示し、さらに工程と時間tとの対応を示す。
図20に示すように、上記したアルミニウム合金部材の製造方法の一例では、加熱保持した後、焼入れを行うまでに、鋳物を炉内において液相出現温度Tを下回る所定の温度T-ΔTまで冷却する炉冷処理を行っている。この炉冷処理における鋳物の冷却速度が遅いため、アルミニウム合金部材の金属組織において、Siを含む析出物が粗大化したり、球状から塊状、例えば、略回転楕円体、又は略楕円体等に変化したり、初晶Alの粒粗大化が進んだりすることが有った。このような場合、特にSiを含む析出物がへき開割れしやすくなり、アルミニウム合金部材の延性が低下するおそれがあった。
本発明は、アルミニウム合金部材の延性の低下を抑制するものとする。
本発明に係るアルミニウム合金部材の製造方法は、
質量%で、Cu:2.0~5.5%、Si:4.0~7.0%を含有し、Mg:0.5%以下、Zn:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Mn:0.5%以下に限定し、残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金鋳造材を用いたアルミニウム合金部材の製造方法であって、
前記アルミニウム合金鋳造材を固液共存温度域の範囲内において加熱保持する加熱保持工程と、
前記加熱保持工程の後、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷する焼入れ工程と、を含み、
前記加熱保持工程から前記焼入れ工程に移行するまでの焼入れ準備工程において、
固液共存温度域から液相出現温度を下回る所定の温度まで前記アルミニウム合金鋳造材を冷却速度3℃/min以上で急冷する。
このような構成によれば、鋳造時に晶出した共晶Siが分断され球状化し、その後の合体や成長を抑制することができる。そのため、共晶Siが粗大化したり、塊状、例えば、略回転楕円体、又は略楕円体等に析出したりして、へき開割れしやすくなることを抑える。よって、アルミニウム合金部材の延性の低下を抑制することができる。
また、前記加熱保持工程及び前記焼入れ準備工程では、前記アルミニウム合金鋳造材を加圧炉の内側に配置することによって、加圧環境下に置くことを特徴としてもよい。
このような構成によれば、加熱保持工程では、アルミニウム合金鋳造材に圧縮応力をかけつつ、加熱することができる。焼入れ準備工程でも、アルミニウム合金鋳造材に圧縮応力をかけつつ、冷却することができる。よって、その内部に含まれ得る巣や空孔を着実に潰すことができる。そのため、アルミニウム合金部材の延性の低下を抑制することができる。
また、前記加圧炉の内側には、ノズルが設けられ、
前記焼入れ準備工程では、前記ノズルから前記アルミニウム合金鋳造材へ冷却用ガス媒体、或いはミストを噴射することによって、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷することを特徴としてもよい。
このような構成によれば、冷却用ガス媒体によりアルミニウム合金鋳造材の熱を奪う、或いはミストがアルミニウム合金鋳造材に接触し気化して、熱を奪う。そのため、アルミニウム合金鋳造材を加圧環境下に置きつつ、冷却することができる。
また、前記加圧炉の内側には、前記アルミニウム合金鋳造材と接触する接触部が設けられ、
前記接触部は、前記アルミニウム合金鋳造材の形状に倣う形状を備え、
前記接触部の内部には、流路が設けられ、
前記焼入れ準備工程では、冷却媒体を前記流路に流すことによって、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷することを特徴としてもよい。
このような構成によれば、冷却媒体が接触部を介してアルミニウム合金鋳造材から熱を奪うため、アルミニウム合金鋳造材を加圧環境下に置きつつ、急冷することができる。
本発明は、アルミニウム合金部材の延性の低下を抑制することができる。
実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法のフローチャートである。 実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の温度チャートである。 実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の昇温工程及び加熱保持工程を示す模式図である。 実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程の一例を示す模式図である。 実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程の一変形例を示す模式図である。 実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程の他の一変形例を示す模式図である。 焼入れ準備工程での経過時間に対するアルミニウム合金鋳造材の温度を示すグラフである。 焼入れ準備工程での経過時間に対するアルミニウム合金鋳造材の温度を示すグラフである。 加熱保持時間に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。 実施例の金属組織写真である。 炉内圧力に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。 実施例の金属組織写真である。 加熱保持温度に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。 実施例における金属組織におけるCu含有量分布を示す分布図である。 冷却速度に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。 参考例の金属組織写真である。 参考例の金属組織写真である。 参考例における金属組織におけるCu含有量分布を示す分布図である。 参考例の金属組織写真である。 本発明が解決しようとする課題に係るアルミニウム合金部材の製造方法の温度チャートである。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。図3~図6では、右手系3次元xyz直交系座標を規定した。なお、当然のことながら、図3及びその他の図面に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸プラス向きが鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
(実施の形態1)
図1及び図2を参照しつつ実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法について説明する。図1は、実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法のフローチャートである。図2は、実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の温度チャートである。横軸は時間tを示し、縦軸は、温度Tを示し、さらに、時間tと圧力制御との対応と、図1に示す工程ST1~ST4と時間tとの対応とを示す。
まず、図1及び図2に示すように、アルミニウム合金鋳造材の温度が固液共存温度域T~Tの範囲内になるまで、アルミニウム合金鋳造材を加熱し、昇温させる(昇温工程ST1)。固液共存温度域T~Tは、言い換えると、液相出現温度T以上、液相線温度T以下の範囲の温度域である。また、この昇温工程ST1では、アルミニウム合金鋳造材が配置されている空間の圧力を高めることによって、アルミニウム合金鋳造材を加圧する。
続いて、アルミニウム合金鋳造材の温度T12を固液共存温度域T~Tの範囲内の所定の温度に維持するよう、アルミニウム合金鋳造材を加熱保持時間t~tの間、加熱保持する(加熱保持工程ST2)。また、この加熱保持工程ST2では、先の昇温工程ST1から引き続き、アルミニウム合金鋳造材を加圧する。
続いて、アルミニウム合金鋳造材を、固液共存温度域T~Tの範囲内の所定の温度から液相出現温度Tよりも所定の差分温度ΔT低い温度T-ΔTになるまで、冷却速度Rcで急冷する(焼入れ準備工程ST3)。最後に、アルミニウム合金鋳造材の配置されている空間を除圧し、常圧(大気圧)に到達させた後、アルミニウム合金鋳造材を常温Tまでさらに急冷する(焼入れ工程ST4)。
なお、上記した実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法における焼入れ工程ST4では、焼入れ工程ST4の開始時点からアルミニウム合金鋳造材の配置されている空間を除圧し始めたが、その除圧の開始時点は、アルミニウム合金鋳造材が液相出現温度T以下になるまで急冷した焼入れ準備工程ST3の中途から焼入れ工程ST4の完了後までの範囲内であってもよい。
(実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の一具体例)
次に、図3~図6を参照して上記したアルミニウム合金部材の製造方法の一具体例について説明する。図3は、実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の昇温工程及び加熱保持工程を示す模式図である。図4は、実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程を示す模式図である。図5は実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程の一変形例を示す模式図である。なお、図3及び図5では、見易さのため、支持台4の記載を省略した。図6は、実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法の焼入れ準備工程の他の一変形例を示す模式図である。
(昇温工程ST1の一具体例)
まず、図3を参照して昇温工程ST1の一具体例について説明する。図3に示すように、加圧炉1を用いて、アルミニウム合金鋳造材W1を加熱して昇温させる。加圧炉1は、アルミニウム合金鋳造材W1を収容可能な内側空間1cを備える本体1aと、本体1aを開閉する扉1bとを備える。
アルミニウム合金鋳造材W1は、アルミニウム合金を溶融し、鋳型に充填し固めることによって、形成される。アルミニウム合金鋳造材W1は、所定の形状を有し、例えば、車両に用いられる部品である。このような部品として、例えば、シリンダーヘッド等のエンジン部品に加え、足回り部材、ホイール部材等、多種多様な部品が挙げられる。このアルミニウム合金は、質量%で、Cu:2.0~5.5%、Si:4.0~7.0%を含有し、Mg:0.5%以下、Zn:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Mn:0.5%以下に限定し、残部がAlと不可避的不純物とからなる。アルミニウム合金の化学組成の詳細は、後述する。
具体的には、昇温工程ST1では、まず、アルミニウム合金鋳造材W1を加圧炉1の内側空間1c内の支持台4(図4参照)に配置したまま加圧炉1を密閉した後、昇温する。この昇温とともに、加圧を開始してもよい。内側空間1cが所定の炉内圧力Pcになるまで加圧し、所定の炉内圧力Pcに到達した後、炉内圧力Pcを維持するとよい。炉内圧力Pcを維持すると、アルミニウム合金鋳造材W1は、所定の加圧環境下に置かれながら、加熱されて昇温する。所定の炉内圧力Pc[MPa]は、アルミニウム合金鋳造材W1にバーニング(溶融)や鋳物表面において融液が噴出する発汗現象が発生しないような大きさであればよく、例えば、0.6MPa以上であるとよい。
(加熱保持工程ST2の一具体例)
引き続き、図3を参照して加熱保持工程ST2の一具体例について説明する。図3に示すように、加圧炉1を用いて、アルミニウム合金鋳造材W1の温度T12を固液共存温度域T~Tの範囲内に維持するよう、アルミニウム合金鋳造材W1を加熱保持時間t~tの間、加熱保持する(加熱保持工程ST2)。
具体的には、加熱保持工程ST2では、この加熱保持とともに、加圧炉1の内側空間1cの炉内圧力Pcが所定の圧力値の範囲内に維持されるように、引き続き加圧する。アルミニウム合金鋳造材W1の温度T12を固液共存温度域T~Tの範囲内に維持されているため、液相を介して鋳巣に圧力が作用し、鋳巣内の水素がAl相へ固溶し、鋳巣が縮小する。圧力が高くなると、アルミニウム合金鋳造材W1が軟化し、炉内圧力Pcによって圧縮応力を受けて、アルミニウム合金鋳造材W1の内部欠陥が圧潰する。この内部欠陥は、例えば、空孔や巣である。アルミニウム合金鋳造材W1の温度T12は、固液共存温度域T~Tの範囲内にあり、かつ、一定の加熱保持温度TSLであるとよい。炉内圧力Pcが、0.6MPa以上であり、又は、加熱保持温度TSLは、液相線温度T以下であると、アルミニウム合金鋳造材W1においてバーニング(溶融)や鋳物表面において融液が噴出する発汗現象が発生し難くなり、好ましい。加熱保持温度TSLは、液相出現温度T以上であると、共晶Siが分断し、共晶Siの球状化が進むので、好ましい。
(焼入れ準備工程ST3の一具体例)
次に、図4を参照して焼入れ準備工程ST3の一具体例について説明する。図4に示すように、アルミニウム合金鋳造材W1を、固液共存温度域T~Tの範囲内の所定の温度から液相出現温度Tよりも所定の差分温度ΔT低い温度T-ΔTになるまで、冷却速度Rcで急冷する(焼入れ準備工程ST3)。
冷却速度Rcは、3℃/min以上である。差分温度ΔT[℃]は、0(零)℃より大きければよく、例えば、5℃、10℃、15℃、20℃又は25℃以下であればよい。アルミニウム合金鋳造材W1を、固液共存温度域T~Tの範囲内から液相出現温度Tよりも所定の差分温度ΔT低い温度T-ΔTになるまで、冷却速度Rc3℃/min以上で冷却する。なお、アルミニウム合金鋳造材W1の温度が固液共存温度域T~Tの範囲内を維持すると、アルミニウム合金鋳造材W1の金属組織において、共晶Siは、粗大化したり、塊状化したりする傾向にある。一方、アルミニウム合金鋳造材W1の温度が液相出現温度Tを下回る温度を維持すると、共晶Siは、粗大化や塊状化し難く、微細かつ球状を維持する傾向にある。そのため、上記した冷却速度を維持することによって、共晶Siが粗大化したり、塊状化したりする前に、アルミニウム合金鋳造材W1の温度が液相出現温度Tを下回る温度に低下する。これによって、共晶Siが微細かつ球状であることを維持することができる。
具体的には、焼入れ準備工程ST3では、図4に示すように、アルミニウム合金鋳造材W1を引き続き、加圧炉1の内側空間1cの支持台4に配置したまま、ミストM1をミストノズル2からアルミニウム合金鋳造材W1へ吹き付ける。ミストM1が気化し、アルミニウム合金鋳造材W1の表面から熱を奪う。
また、焼入れ準備工程ST3では、加熱保持工程ST2から引き続いて、加圧炉1の内側空間1cの炉内圧力Pcが所定の圧力値の範囲内に維持されるように、引き続き加圧するとよい。炉内圧力Pcが、所定の値、例えば0.6MPa以上の値を維持すると、アルミニウム合金鋳造材W1においてバーニング(溶融)や発汗現象によるアルミニウム合金鋳造材W1表面での欠陥発生が殆ど発生しなくなり、好ましい。
ミストノズル2は、この流体を貯蔵したタンク(図示略)等と、流路(図示略)を介して接続しており、適宜、この流体をバルブ(図示略)等を介して供給される。ミストノズル2と、このタンク、このバルブ、この流路とは、ミスト噴射装置(図示略)を用いて構成してもよい。
(焼入れ準備工程ST3の一変形例)
次に、図5を参照して焼入れ準備工程ST3の一変形例について説明する。図5に示す焼入れ準備工程ST3の一変形例が有る。図5に示すように、アルミニウム合金鋳造材W1を支持台4(図4参照)に支持して、冷却用ガス媒体、例えば、空気を流体ノズル3からアルミニウム合金鋳造材W1に吹き付けてもよい。
具体的には、この焼入れ準備工程ST3の一変形例では、アルミニウム合金鋳造材W1が、シリンダーヘッドである場合、空気をこのシリンダーヘッドのチャンバーの中心近傍に吹き付けるとよい。流体ノズル3は、冷却用ガス媒体として、空気、水、窒素(N)、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の流体を、アルミニウム合金鋳造材W1に吹き付けることができる。支持台4(図4参照)は、ミストノズル2から噴射されたミストW1が支持台4を通過して、アルミニウム合金鋳造材W1に当たるような構造を備えてもよい。また、必要に応じて、ミストノズル2によるミストW1の噴射を停止し、流体ノズル3による流体の噴射のみを行なってもよい。
(焼入れ準備工程ST3の他の一変形例)
次に、図6を参照して焼入れ準備工程ST3の他の一変形例について説明する。図6に示す焼入れ準備工程ST3の他の一変形例が有る。図6に示すように、アルミニウム合金鋳造材W1を支持台4(図示略)に支持させて、冷却媒体CM1を支持台4の流路4cに流して、アルミニウム合金鋳造材W1を冷却してもよい。
具体的には、この焼入れ準備工程ST3の他の一変形例では、支持台4は、接触部4aと、接触部4aを支持するベース4bと、冷却媒体CM1が通過可能な流路4cとを備える。接触部4aは、アルミニウム合金鋳造材W1に倣う形状を有するとよく、アルミニウム合金鋳造材W1と面接触可能であると好ましい。支持台4は、加圧炉1の他の構成よりも熱伝導率の高い材料からなるとよい。このような材料として、例えば、Cu(銅)、又はCu合金が挙げられる。
冷却媒体CM1として、例えば、水や油などを利用できる。冷却媒体CM1を流路4cに供給し、及び排出することができるように、タンク(図示略)や排出装置(図示略)等を流路4cに接続するとよい。
図6に示すアルミニウム合金鋳造材W1の一例が凹曲面部W1aを有する場合、接触部4aは、凹曲面部W1aの倣い凸曲面部を有する。支持台4の流路4cは、支持台4の内部において、アルミニウム合金鋳造材W1を横切るように延びるとよい。
アルミニウム合金鋳造材W1と支持台4の接触部4aを面接触させると、接触部4aがアルミニウム合金鋳造材W1から熱を奪い、アルミニウム合金鋳造材W1を冷却する。また、アルミニウム合金鋳造材W1と接触部4aとを面接触させたまま、冷却媒体CM1を流路4cに供給すると、冷却媒体CM1がアルミニウム合金鋳造材W1から接触部4aを介して熱を奪い、アルミニウム合金鋳造材W1を冷却する。
なお、焼入れ準備工程ST3として、図4に示す焼入れ準備工程ST3の一具体例と、図5に示す焼入れ準備工程ST3の一変形例と、図6に示す焼入れ準備工程ST3の他の一変形例とを利用できることを述べた。焼入れ準備工程ST3として、必要に応じて、これらのうち、いずれか1つを用いてもよいし、2つ、又は全てを組み合わせて利用してもよい。
(焼入れ工程ST4の一具体例)
次に、焼入れ工程ST4の一具体例について説明する。アルミニウム合金鋳造材W1を、常温Tまでさらに急冷する(焼入れ工程ST4)。
具体的には、焼入れ工程ST4では、加圧炉1の内側空間1cの除圧を開始して、内側空間1cが常圧(大気圧)になったことを確認した後、扉1bを開放し、アルミニウム合金鋳造材W1を加圧炉1の外側へ取出して、アルミニウム合金鋳造材W1を水槽等に沈めて急冷する。
また、焼入れ工程ST4では、焼入れ準備工程ST3から引き続き、アルミニウム合金鋳造材W1を加圧炉1の内側空間1cの支持台4に配置したまま、焼入れ準備工程ST3において利用した冷却方法を用いて冷却させてもよい。
なお、上記した焼入れ工程ST4の一具体例では、焼入れ工程ST4の開始時点から加圧炉1の内側空間1cを除圧し始めたが、焼入れ準備工程ST3の中途の時点から、加圧炉1の内側空間1cを除圧し始めてもよい。このように除圧すると、アルミニウム合金鋳造材W1を早期にアルミニウム合金鋳造材W1を水槽等に沈めて急冷できるため、焼入れ工程ST4を短縮化して好ましい。なお、このように除圧すると、バーニングや発汗現象による欠陥が発生しやすくなるとが想起されるものの、アルミニウム合金部材は、所望するアルミニウム合金部材として必要な性質や形状等を維持し得ると考えられる。この理由の一つとして、液相出現温度Tにおいて出現した液相は、非平衡状態で凝固したものを多く含むため、加熱保持工程ST2を実施することによってその多くはAl相に固溶するからである。すなわち、加圧炉1の内側空間1cを除圧し始める時点は、アルミニウム合金部材が、所望するアルミニウム合金部材として必要な性質や形状等を維持する焼入れ準備工程ST3の中途の時点であってもよく、特に、アルミニウム合金鋳造材W1が液相出現温度Tの近傍であるとよい。
以上より、焼入れ準備工程ST3でのアルミニウム合金鋳造材W1の冷却速度が3℃/minであるため、共晶Siがアルミニウム合金鋳造材W1の金属組織において合体・粗大化することを抑制する。そのため、共晶Siが微細かつ球状であることを維持する。そのため、アルミニウム合金部材の延性が低下することを抑制することができる。
(化学組成)
次に、アルミニウム合金鋳造材W1の化学組成における各成分の含有量について説明する。アルミニウム合金鋳造材W1の化学組成におけるSiの含有量が好適な範囲にあると、所定の鋳造性を確保することができる。そのため、割れや引け巣等の鋳造欠陥がアルミニウム合金鋳造材W1に発生し難い。一方、Siの含有量が多過ぎると、脆弱なSi粒子がアルミニウム合金鋳造材W1に多量に晶出し、破断伸びや強度などの機械的性質が低下しやすくなる。そこで、Siの含有量は、4.0%~7.0%の範囲内にあるとよい。その上限値は、6.5%、6.0%、及び5.5%のいずれかであると好ましい。その下限値は、4.5%、5.0%、及び5.5%のいずれかであると好ましい。
また、Cuの含有量が好適な範囲にあると、熱処理によって、CuA1が、アルミニウム合金鋳造材W1の金属組織に析出したり、MgがAlに共存する場合、MgCu系化合物が析出したりする。これらによって、Alの機械的強度、例えば、引張強さ、0.2%耐力等が向上し得る。一方、Cuの含有量が多過ぎると、アルミニウム合金鋳造材W1の延性や靱性が低下することがある。そこで、Cuの含有量は、2.0~5.5%の範囲内にあるとよい。その上限値は、5.0%、4.5%、及び4.0%のいずれかであると好ましい。その下限値は、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%及び4.5%のいずれかであると好ましい。
また、Mgの含有量が好適な範囲にあると、Mg原子が、Al基地に固溶し、Al基地を強化され得る。また、Mgは、熱処理によって、MgSiとして析出し、アルミニウム合金部材の引張強さ、0.2%耐力等の機械的強度が向上し得る。Mgの含有量が多過ぎると、アルミニウム合金鋳造材W1の延性や靱性が低下するおそれがある。そのため、Mgの含有量は、0.5%以下であるとよい。また、Mgの含有量は、0.2~0.4%の範囲内であってもよい。
また、Zn、及びFeの含有量が多過ぎると、アルミニウム合金鋳造材W1の延性や靱性が低下するおそれがある。そのため、Znの含有量が、1.0%以下であると好ましく、Feの含有量が、1.0%以下であると好ましい。
また、Mnの含有量が好適な範囲にあると、Feによるアルミニウム合金鋳造材W1への悪影響を減少してよい。また、Mnの含有量が多過ぎると、アルミニウム合金鋳造材W1の延性や靱性が低下するおそれがある。そこで、Mnの含有量が、0.5%以下であるとよい。また、Mnの含有量は、0.2~0.4%の範囲内であってもよい。
なお、上記した成分の他に、例えば、Sr、Na、Sb、Ti、B等を含有してもよい。これらの成分元素の含有によって、アルミニウム合金鋳造材W1における共晶Si又は初晶α-Al結晶を微細化させる等して、アルミニウム合金鋳造材W1の機械的強度を向上し得る。また、適宜、アルミニウム合金鋳造材W1は、これら以外の成分元素を含有することによって、金属組織の改質を図ってもよい。
上記したアルミニウム合金鋳造材W1の化学組成に該当するアルミニウム合金は、例えば、JIS規格に定められるAC2系合金である。このAC2系合金は、例えば、AC2A、AC2B、AC2H等である。
(冷却速度の検証実験1)
次に、冷却速度の検証実験について説明する。アルミニウム合金鋳造材として、AC2Bに相当する合金からなる直方体状試験片を用いた。直方体状試験片のサイズは、幅30mm、奥行き95mm、高さ35mmである。
実施例1では、上記した実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法における、焼入れ準備工程ST3の一具体例(図4参照)と同じ構成の焼入れ準備工程で、この直方体状試験片を急冷した。具体的には、この焼入れ準備工程では、流体ノズル3(図4及び図5参照)と同じ構成のノズルのみを用いて、この直方体状試験片を急冷した。このノズルは、直方体状試験片の周りに包囲するように延びて、直方体状試験片へ噴射する複数の吹き付け口を有し、これら複数の吹き付け口から窒素(N)を吹き付ける。窒素の流量は、65L/minであった。
比較例1では、ノズルを除いて実施例1と同じ構成の焼入れ準備工程で、この直方体状試験片を急冷した。比較例1で用いたノズルは、この直方体状試験片へ噴射する1つの吹き付け口を有し、1つの吹き付け口から窒素を吹き付ける。比較例1の窒素の流量は、それぞれ、3L/minであった。
図7は、焼入れ準備工程での経過時間に対するアルミニウム合金鋳造材の温度を示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金鋳造材の温度[℃]を示し、横軸は、焼入れ準備工程での経過時間[min]を示す。図7に示すように、実施例1では、冷却速度が、目標冷却速度3℃/minを大きく上回った一方、比較例1では、目標冷却速度3℃/minを大きく下回った。
(冷却速度の検証実験2)
次に、別の冷却速度の検証実験について説明する。アルミニウム合金鋳造材として、AC2Bに相当する合金からなるシリンダーヘッドを用いた。このシリンダーヘッドは、1気筒を有し、本検証実験用に用いられた。
実施例2では、上記した実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法における、焼入れ準備工程ST3の他の一変形例(図6参照)と同じ構成の焼入れ準備工程で、このシリンダーヘッドを急冷した。具体的には、この焼入れ準備工程では、支持台4(図4及び図6参照)と同じ構成の支持台を用いて、このシリンダーヘッドを急冷した。この支持台は、Cu合金からなり、この支持台の接触部は、シリンダーヘッドのチャンバーに倣う形状を有する。このシリンダーヘッドをこの支持台に支持させると、このシリンダーヘッドとこの支持台とは面接触する。この支持台の流路に流す冷却媒体として、水を用いた。
比較例2では、支持台を除いて、実施例2と同じ構成の焼入れ準備工程で、このシリンダーヘッドを急冷した。比較例2で用いた支持台は、鋳鉄、具体的には、JIS規格に定められるFC250に相当する材料からなることを除いて、実施例2で用いた支持台と同じ構成を有する。
図8は、焼入れ準備工程での経過時間に対するアルミニウム合金鋳造材の温度を示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金鋳造材の温度[℃]を示し、横軸は、焼入れ準備工程での経過時間[min]を示す。図8に示すように、実施例2では、冷却速度が、目標冷却速度3℃/minよりも高かった。一方、比較例2では、冷却速度が、目標冷却速度3℃/minよりも低かった。
(各製造条件の検証実験)
次に、アルミニウム合金部材の製造方法を用いて、上記した実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法において、好ましい製造条件を求めるために行った実験について説明する。この用いたアルミニウム合金部材の製造方法は、炉内圧力Pc、加熱保持工程ST2における加熱保持時間t~t、アルミニウム合金鋳造材W1の温度T12、及び焼入れ準備工程ST3における冷却速度Rcを除いて、上記した実施の形態1に係るアルミニウム合金部材の製造方法と同じ製造方法である。
具体的には、アルミニウム合金鋳造材として、AC2B合金を用いた。大気中において、AC2B合金からなる溶湯を、舟型状のキャビティを有する金型(JIS7号)に注いだ後、自然冷却させて凝固させることによって、このアルミニウム合金鋳造材を形成した。加熱保持工程ST2に相当する加熱保持工程では、加熱保持時間t~t(図1及び図2参照)[min]を0~15min、アルミニウム合金鋳造材W1の温度T12は、所定の加熱保持温度TSL[℃]とし、加熱保持温度TSLは、510~560℃とした。焼入れ準備工程ST3に相当する焼入れ準備工程では、冷却速度Rc[℃/min]を0~15℃/minと設定した。昇温工程ST1に相当する昇温工程から焼入れ工程までにおける除圧開始時点までの炉内圧力Pc[MPa]を0.1~0.1.0MPaとした。
製造した各アルミニウム合金部材試験片について、0.2%耐力、破断伸びを計測した。計測結果を図9、11、13、及び15にそれぞれ示した。
具体的には、まず、加熱保持時間t~tに対する0.2%耐力、及び破断伸びを、図9に示した。図9は、加熱保持時間に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金部材試験片の0.2%耐力及び破断伸びを示し、横軸は、加熱保持工程での加熱保持時間t~tを示す。
また、炉内圧力に対する0.2%耐力、及び破断伸びを、図11に示した。図11は、炉内圧力に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金部材試験片の0.2%耐力及び破断伸びを示し、横軸は、昇温工程から焼入れ工程における除圧開始時点までの炉内圧力Pcを示す。
また、アルミニウム合金鋳造材W1の加熱保持温度に対する0.2%耐力、及び破断伸びを、図13に示した。図13は、加熱保持温度に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金部材試験片の0.2%耐力及び破断伸びを示し、横軸は、加熱保持工程での加熱保持温度TSLを示す。
また、冷却速度に対する0.2%耐力、及び破断伸びを、図15に示した。図15は、冷却速度に対する0.2%耐力及び破断伸びを示すグラフである。縦軸は、アルミニウム合金部材試験片の0.2%耐力及び破断伸びを示し、横軸は、焼入れ準備工程での冷却速度Rcを示す。
また、製造した各アルミニウム合金部材試験片の金属組織について、光学顕微鏡やSEM(Scanning Electron Microscope)を用いて観察した。また、EPMA(電子プローブマイクロアナライザ)分析も行った。この観察により撮影した画像を図10、12、14、16~19に示した。図10、12は、実施例の金属組織写真である。図14は、実施例における金属組織におけるCu含有量分布を示す分布図である。図16、17、及び19は、参考例の金属組織写真である。図18は、参考例における金属組織におけるCu含有量分布を示す分布図である。なお、ここでは、0.2%耐力270MPa以上、及び破断伸び2%以上を、良好な値と判断した。
また、図10、16に示す加熱保持時間t~t以外の製造条件は、加熱保持温度TSL550[℃]、冷却速度Rc5[℃/min]と、炉内圧力Pc0.9[MPa]と設定した。図12、17に示す炉内圧力Pc[MPa]以外の製造条件は、加熱保持時間t~t10[min]、加熱保持温度TSL550[℃]、冷却速度Rc5[℃/min]と、と設定した。図14、18に示す加熱保持時間t~t以外の製造条件は、加熱保持温度TSL540~555[℃]、冷却速度Rc3[℃/min]と、炉内圧力Pc0.6[MPa]と設定した。図19に示す冷却速度Rc以外の製造条件は、加熱保持時間t~t5[min]、加熱保持温度TSL540~555[℃]、と、炉内圧力Pc0.6[MPa]と設定した。
図9に示すように、加熱保持時間t~tが5min未満では、0.2%耐力があまり変化しない一方、破断伸びが向上した。加熱保持時間t~tが5minを超えると、0.2%耐力も破断伸びもあまり変化することなく、良好な値を維持した。加熱保持時間t~tが3min以上、さらに5min以上であると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとるため、好ましい。
図10に示すように、加熱保持時間t~tが5minである場合のアルミニウム合金部材試験片の金属組織では、共晶Siの多くが分散しており、そのほとんどが球状である。一方、図16に示すように、加熱保持時間t~tが0minである場合のアルミニウム合金部材試験片の金属組織では、共晶Siが偏在しており、その殆どが針状である。加熱保持時間t~tが5min以上であると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとった理由の一つとして、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において、共晶Siの多くはアスペクト比が小さくなっており、そのほとんどが球状であることが考えられる。
続いて、図11に示すように、炉内圧力Pcが0~0.7MPaでは、炉内圧力Pcが増加するにつれ、0.2%耐力、及び破断伸びが向上した。炉内圧力Pcが0.7~1.0MPaではと、0.2%耐力も破断伸びもあまり変化することなく、良好な値を維持した。炉内圧力Pcが0.6~0.9MPaであると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとるため、好ましい。
図12に示すように、炉内圧力Pcが0.7MPaである場合、アルミニウム合金部材試験片の金属組織では、巣や空孔が殆ど無かった。一方、図17に示すように炉内圧力Pcが0.5MPaである場合、アルミニウム合金部材試験片の金属組織では、巣や空孔が残存している。炉内圧力Pcが0.6~0.9MPaであると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとった理由の一つとして、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において巣や空孔が圧潰されて、殆ど残存しなくなったことが考えられる。
続いて、図13に示すように、加熱保持温度TSLが530℃以上で0.2%耐力と破断伸びが高く、550±5、即ち、545~555℃である場合、0.2%耐力、及び破断伸びがピークであった。すなわち、加熱保持温度TSLが530℃以上560℃以下、さらには、545~555℃であると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値であるため、好ましい。
図14に示すように、加熱保持温度TSLが550℃である場合、Cu原子が、アルミニウム合部材試験片の金属組織において均一に分散している。図18に示すように、加熱保持温度TSLが520℃である場合、Cu原子が、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において偏在している。加熱保持温度TSLが530℃以上560℃以下、さらには、545~555℃である場合、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとった理由の一つとして、Cu原子が、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において均一に分散していることが考えられる。
続いて、図15に示すように、冷却速度Rcが0~5℃/minでは、冷却速度Rcが高まるにつれ、0.2%耐力、及び破断伸びが向上した。冷却速度Rcが5℃/min以上では、0.2%耐力、及び破断伸びが一定となった。すなわち、冷却速度Rcが3℃/min以上、さらには、5℃/min以上であると、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値であるため、好ましい。
図10に示すように、冷却速度Rcが5℃/minである場合、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において、共晶Siが微細かつ球状化している。図19に示すように、冷却速度Rcが0.8℃/minである場合のアルミニウム合金部材試験片の金属組織において、共晶Siは、図10に示す共晶Siと比較して、粗大、かつ、塊状である。塊状とは、具体的には、略回転楕円体、又は略楕円体である。冷却速度Rcが5℃/min以上である場合、0.2%耐力、及び破断伸びが良好な値をとった理由の一つとして、アルミニウム合金部材試験片の金属組織において、共晶Siが微細かつ球状化していることが考えられる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 加圧炉
1a 本体 1b 扉
1c 内側空間
2 ミストノズル 3 流体ノズル
4 支持台
4a 接触部 4b ベース
4c 流路
CM1 冷却媒体
Pc 炉内圧力 Rc 冷却速度
ST1 昇温工程 ST2 加熱保持工程
ST3 焼入れ準備工程 ST4 焼入れ工程
12 温度
-t 加熱保持時間
液相出現温度 T 液相線温度
常温
SL 加熱保持温度 T-T 固液共存温度域
W1 アルミニウム合金鋳造材 W1a 凹曲面部
ΔT 差分温度

Claims (2)

  1. 質量%で、Cu:2.0~5.5%、Si:4.0~7.0%を含有し、Mg:0.5%以下、Zn:1.0%以下、Fe:1.0%以下、Mn:0.5%以下に限定し、残部がAlと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金鋳造材を用いたアルミニウム合金部材の製造方法であって、
    前記アルミニウム合金鋳造材を固液共存温度域の範囲内において加熱保持温度530℃以上、かつ、加熱保持時間3min以上で加熱保持する加熱保持工程と、
    前記加熱保持工程の後、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷する焼入れ工程と、を含み、
    前記加熱保持工程から前記焼入れ工程に移行するまでの焼入れ準備工程において、
    固液共存温度域から液相出現温度を下回る所定の温度まで前記アルミニウム合金鋳造材を冷却速度3℃/min以上で急冷し、
    前記加熱保持工程及び前記焼入れ準備工程では、前記アルミニウム合金鋳造材を加圧炉の内側に配置することによって、前記加圧炉の内側空間の炉内圧力が0.6MPa以上である加圧環境下に置き、
    前記加圧炉の内側には、ノズルが設けられ、
    前記焼入れ準備工程では、前記ノズルから前記アルミニウム合金鋳造材へ冷却用ガス媒体、或いはミストを噴射することによって、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷する、
    アルミニウム合金部材の製造方法。
  2. 前記加圧炉の内側には、前記アルミニウム合金鋳造材と接触する接触部が設けられ、
    前記接触部は、前記アルミニウム合金鋳造材の形状に倣う形状を備え、
    前記接触部の内部には、流路が設けられ、
    前記焼入れ準備工程では、冷却媒体を前記流路に流すことによって、前記アルミニウム合金鋳造材を急冷する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金部材の製造方法。
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