JP5826102B2 - 熱間等方圧加圧装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、被処理物を収容する高圧容器の内側に、当該被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性の内ケーシングと、当該内ケーシングを外側から取り囲むように配設されたガス不透過性の外ケーシングと、前記内ケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えたHIP装置が開示されている。このHIP装置では、内ケーシングの内部がホットゾーンとされており、これら内外ケーシングにより断熱的に保持されたホットゾーン内に貯留された圧媒ガスを用いて被処理物に対して等方圧加圧処理を行うことが可能となっている。
すなわち、第1冷却手段は第1循環流に沿って圧媒ガスを循環させることにより冷却を行うものであり、この第1循環流は内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すものである。
特に、特許文献1の容器では、低温の圧媒ガスを直接炉内に導くことがないので、容器内周面を過度に冷却することがない。また、イジェクターを用いた強制循環であれば、高い冷却速度を実現することができる。さらに、ホットゾーン内にファンを設ける場合に比べれば、耐熱性などの材料に対する制約がないイジェクターを用いているので、炉構造が複雑にならず、HIP装置の価格も高騰する虞はない。
即ち、本発明の熱間等方圧加圧装置(HIP装置)は、被処理物を収容する高圧容器の内側に、この被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性のケーシングと、このケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えており、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを用いて前記被処理物に対して等方圧加圧処理を行う熱間等方圧加圧装置であって、前記ケーシングの外側を上方から下方に向かって導かれて冷却された圧媒ガスを、前記ホットゾーン内に導いてこのホットゾーンを冷却する冷却手段が設けられており、前記冷却手段には、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを、前記高圧容器の下部から前記ホットゾーンの上部まで前記ホットゾーン内の圧媒ガスと交わることなく導いて前記ホットゾーン内に導入するガス導入手段が備えられていることを特徴とする。
好ましくは、前記ケーシングは、前記被処理物を取り囲むように配設された内ケーシングと、この内ケーシングを外側から取り囲むように配設された外ケーシングとを、互いに内外に距離をあけて備えており、前記冷却手段は、前記内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、この案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記整流筒の外側に導き、この外側に導かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン内に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにしているとよい。
しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記整流筒の外側の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記ホットゾーン内に導き、このホットゾーン内に導かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン外側に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにしているとよい。
好ましくは、前記導管は、前記整流筒の中央部を上下方向に貫通するように設けられているとよい。
好ましくは、前記加熱手段は、前記ホットゾーンの中心から一定の径方向距離であって且つ周方向に複数に分かれて配備されており、前記径方向で複数に分かれた加熱手段の間には、前記ホットゾーンの中心からの径方向距離が前記加熱手段と同じとなる位置に前記導管が配備されているとよい。
また、本発明に係る熱間等方圧加圧装置の最も好ましい形態は、被処理物を収容する高圧容器の内側に、この被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性のケーシングと、このケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えており、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを用いて前記被処理物に対して等方圧加圧処理を行う熱間等方圧加圧装置であって、前記ケーシングの外側を上方から下方に向かって導かれて冷却された圧媒ガスを、前記ホットゾーン内に導いてこのホットゾーンを冷却する冷却手段が設けられており、前記冷却手段には、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを、前記高圧容器の下部から前記ホットゾーンの上部まで前記ホットゾーン内の圧媒ガスと交わることなく導いて前記ホットゾーン内に導入するガス導入手段が備えられていて、前記ガス導入手段は、前記ホットゾーンの下方からホットゾーンの上部に伸びると共にホットゾーンの上部で開放された導管と、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを前記導管によってホットゾーンの上部に案内する強制循環手段と、を有しており、前記ケーシングは、前記被処理物を取り囲むように配設された内ケーシングと、この内ケーシングを外側から取り囲むように配設された外ケーシングとを、互いに内外に距離をあけて備えており、前記冷却手段は、前記内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、この案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記整流筒の外側に導き、この外側に導かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン内に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る熱間等方圧加圧装置の最も好ましい形態は、被処理物を収容する高圧容器の内側に、この被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性のケーシングと、このケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えており、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを用いて前記被処理物に対して等方圧加圧処理を行う熱間等方圧加圧装置であって、前記ケーシングの外側を上方から下方に向かって導かれて冷却された圧媒ガスを、前記ホットゾーン内に導いてこのホットゾーンを冷却する冷却手段が設けられており、前記冷却手段には、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを、前記高圧容器の下部から前記ホットゾーンの上部まで前記ホットゾーン内の圧媒ガスと交わることなく導いて前記ホットゾーン内に導入するガス導入手段が備えられていて、前記ガス導入手段は、前記ホットゾーンの下方からホットゾーンの上部に伸びると共にホットゾーンの上部で開放された導管と、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを前記導管によってホットゾーンの上部に案内する強制循環手段と、を有しており、前記ケーシングは、前記被処理物を取り囲むように配設された内ケーシングと、この内ケーシングを外側から取り囲むように配設された外ケーシングとを、互いに内外に距離をあけて備えており、前記冷却手段は、前記内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、この案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記整流筒の外側の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記ホットゾーン内に導き、このホットゾーン内に導
かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン外側に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにしたことを特徴とする。
以下、本発明に係る熱間等方圧加圧装置の第1実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、第1実施形態の熱間等方圧加圧装置1(以下、HIP装置1と呼ぶ)を示している。このHIP装置1は、被処理物Wを収容する高圧容器2を有しており、この高圧容器2の内側には被処理物Wを取り囲むように配設されたガス不透過性の内ケーシング3と
、この内ケーシング3を外側から取り囲むように配設されたガス不透過性の外ケーシング4と、が備えられている。内ケーシング3と外ケーシング4との間には断熱層5が設けられており、この断熱層5により内ケーシング3の内部は外部から断熱的に隔離されている。この第1実施形態の場合、この内ケーシング3と外ケーシング4とにより、ガス不透過性のケーシングが構成されている。
図1に示すように、高圧容器2は、上下方向に沿った軸心回りに円筒状に形成された容器本体9と、この容器本体9の上側(図1の紙面における上側)の開口を塞ぐ蓋体10と、容器本体9の下側(図1の紙面における下側)の開口を塞ぐ底体11とを備えている。これらの蓋体10及び底体11と容器本体9の開口との間にはシールが設けられ、高圧容器2の内部には外部から気密的に隔離された空洞が形成される。高圧容器2には図示を省略する供給配管や排出配管が連結されており、これらの供給配管及び排出配管を通じて高温高圧の圧媒ガス(HIP処理が可能なように10〜300MPa程度に昇圧されたアルゴンガスや窒素ガス)を容器に供給したり容器から排出したりできるようになっている。
この第1弁手段17は、外ケーシング4の上開口部15を塞ぐことができる程度の大きさに形成された栓部材18と、この栓部材18を上下方向に移動させる移動手段19とを備えている。第1弁手段17では、高圧容器2の外側に設けられた移動手段19を用いて栓部材18を上下いずれかの方向に移動させることで、上開口部15を開閉して圧媒ガスの流通と遮断とを任意に切り換えることができるようになっている。
いる。この隙間には、カーボンファイバを編み込んだ黒鉛質材料やセラミックファイバなどの多孔質材料で形成されたガス流通性の断熱層5が配備されている。この断熱層5を透過して圧媒ガスを上下方向に沿って流通可能な内側流路22が形成されている。
加熱手段7は、上下方向に並んで配置された3つのヒータエレメントで構成されている。加熱手段7は内ケーシング3の内周面から径内側に距離をあけて配備されており、この加熱手段7から径内側にさらに距離をあけて整流筒8が配備されている。そして、加熱手段7(ヒータ)の内側と外側とには、それぞれ圧媒ガスを上下に流通させるガス流通路が形成されている。
第1冷却手段は、第1循環流41に沿って圧媒ガスを循環しつつ冷却するものである。この第1循環流41は、上記した外ケーシング4と内ケーシング3との間に形成された内側流路22を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを、外ケーシング4の上開口部15から外側流路12に案内し、案内された圧媒ガスを外側流路12に沿って上方から下方に案内しつつ高圧容器2に接触させることで冷却し、冷却された圧媒ガスを外ケーシング4の第2流通孔24から内側流路22に戻すように圧媒ガスを循環するものである。
ところが、このように第1冷却手段で冷却された(第1循環流41を流れる)低温の圧媒ガスの一部をホットゾーン内に導いて、第2冷却手段で用いられる(第2循環流42を流れる)高温の圧媒ガスに合流させる場合、このように温度差がある圧媒ガスの間には大きな密度の差があって一般に混合されにくいので、そのままでは両者は十分に混合されることがない。つまり、このように互いに混合されにくい第1冷却手段の圧媒ガスと第2冷却手段の圧媒ガスとを混合するためには、イジェクターやファンなどのような強制的な循環手段を用いざるを得ない。その結果、イジェクターの出側と入側との間に大きな圧力差を生じてしまったり、装置価格を高騰させる虞があっても大がかりなファン29や電動機を用いざるを得ないという問題が従来の装置には存在していた。
具体的には、このガス導入手段27は、ホットゾーンの下方からホットゾーンの上部に伸びると共にホットゾーンの上部で開放された導管28と、ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを導管28に沿ってホットゾーンの上部に案内する強制循環手段25とを有している。
強制循環手段25は、外ケーシング底体14の下開口部16に設けられて、外側流路12の圧媒ガスをホットゾーン内に強制的に引き込んで循環させるものである。本実施形態の強制循環手段25は、高圧容器2の底体11に設けられたモータ30と、このモータ30から下開口部16を通って上下方向に伸びる軸部31と、軸部31の上端に取り付けられたファン29とを備えている。このファン29は外ケーシング底体14の内部に形成されたファン格納部32に格納されており、このファン格納部32と外側流路12との間を連通するようにして下開口部16が形成されている。そして、ファン29はこの下開口部16を貫通して上下方向に伸びる軸(軸部31)回りに回転することで、圧媒ガスに下方から上方に向かう流れを強制的に発生できるようになっている。
うに導管28の先端を径内側に向いたノズル状に形成すれば、この導管28の先端から噴出された圧媒ガスがホットゾーン内を上方に移動してきた圧媒ガスとの間に向流接触を起こして混合されるため、互いに混合されにくい第1冷却手段の圧媒ガスと第2冷却手段の圧媒ガスとを(温度差の大きな圧媒ガス同士を)確実に混合することが可能となる。
次に、本発明のHIP装置1を用いてホットゾーン内を冷却する方法、言い換えれば本発明のHIP装置1の冷却方法を説明する。
まず、第1冷却手段を用いて冷却する際は、第1弁手段17を用いて上開口部15を開放状態(開口状態)にしておく。そうすると、図中の矢印のように内側流路22(外ケーシング4と内ケーシング3との間)の圧媒ガスが下方から上方に向かって移動し、やがて内側流路22の上端で上開口部15から外側流路12に移動する。このようにして外側流路12に移動した圧媒ガスは、高圧容器2の内周面との接触により冷却され、外側流路12に沿って上方から下方に向かって移動し、やがて外側流路12の下側の第2流通孔24から内側流路22に戻る。このようにして圧媒ガスが第1循環流41の外側流路12と内側流路22とを順に巡回し、第1冷却手段によるホットゾーン内の冷却が行われる。
すなわち、強制循環手段25のファン29を回転させると、外ケーシング底体14の下開口部16から外側流路12の圧媒ガスがファン格納部32に取り込む。このようにしてファン格納部32に取り込まれた圧媒ガスは、導管28を通じてホットゾーンの上部に送られ、導管28の先端からホットゾーンの内側に向かって噴出される。このようにして導管28の先端からホットゾーンの内側に噴出された圧媒ガスがホットゾーン内を上方に移動してきた圧媒ガスとの間に向流接触し、ホットゾーンの上部の圧媒ガスが効率的に冷却される。
このようにすれば、ホットゾーンの上部において、導管28の先端からホットゾーンの内側に噴出された低温の圧媒ガスと、ホットゾーン内を上方に移動してきた高温の圧媒ガスとが向流接触して確実に混合される。特に、互いに密度の差が大きい高温の圧媒ガスと低温の圧媒ガスとは一般に混合されにくいが、上述した向流接触を行えば圧媒ガスを効率的に混合して冷却することができる。それゆえ、上述したHIP装置1では、装置内に大がかりな強制循環手段(例えばイジェクターなど)を用いなくてもHIP処理後に処理室(ホットゾーン)内を効率良く且つ短時間で冷却することが可能となる。
ーンの上部から内側ガス流通路21を通ってある程度加熱されてからはじめて被処理物Wに接触するので、低温の圧媒ガスが整流筒8の内部や被処理物Wに直接接触して急冷されることが無く、HIP装置1に対する安全性も高くなる。
一方、第2冷却手段での圧媒ガスの流れが、上述した向きとは全く反対方向になる場合もある。つまり、第2冷却手段を用いて、整流筒8の外側の圧媒ガスをこの整流筒8の上部からホットゾーン内に導き、このホットゾーン内に導かれた圧媒ガスを整流筒8の下側からホットゾーン外側に戻すように圧媒ガスを循環することもできる。このような圧媒ガスの流れは、例えば被処理物Wの量が比較的少ない場合などのように整流筒8の内側の温度の方が外側より低い場合などに起こりうる。
このような場合には、図4に示すように、第2冷却手段によって引き起こされる第2循環流42の向きが図1の場合とは全く逆になり、第1循環流41と第2循環流42とが整流筒8の上部で並流混合(同じ向きに流れて混合)することになる。上述した方向に熱媒ガスが流れて並流混合しても、先に述べたものと遜色ない作用効果が得られることが、発明者らの実績として分かっている。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態のHIP装置1を説明する。
具体的には、第2流通孔24の設置位置を代えて、この第2流通孔24に新たに第2弁手段33(絞り弁手段)を設ければよい。すなわち、図2に示すHIP装置1では、第2流通孔24は、外ケーシング底体14とファン格納部32との双方に開口しており、ファン格納部32に取り込まれた圧媒ガスの一部を内側流路22に流し込むことができるようになっている。そして、この第2流通孔24の中途には、第2流通孔24を閉鎖したり開放したりすることでファン格納部32から内側流路22に流れ込む圧媒ガスの流量を調整可能な第2弁手段33が設けられている。
なお、このように第1循環流41を流れる圧媒ガスの流量と第2循環流42を流れる圧媒ガスの流量との流量比を制御する場合には、第1循環流41の経路上にこの第1循環流41を流れる圧媒ガスの流量を調整するファンまたはポンプを設けることもできる。また、第2弁手段33を第2循環流42に設けたり、第1循環流41と第2循環流42との双方に設けたりすることもできる。
「第3実施形態」
次に、第3実施形態のHIP装置1を説明する。
また、導管28からホットゾーンの中で最も温度が高い中心軸に近いところで低温ガスを放出できるので、冷却効率も高くなる。
「第4実施形態」
次に、第4実施形態のHIP装置1を説明する。
図5及び図6に示すように、第4実施形態のHIP装置は、他の実施形態のものと同様に、第1循環流41を流れる圧媒ガスの一部を整流筒8(ホットゾーン)の上部へ導く導管28を備えている。第4実施形態のHIP装置1に設けられる導管28が他の実施形態のものと異なっている点は、導管28と加熱手段7とが共に複数設けられており、ホットゾーンの中心からの距離が加熱手段7と同じとなる位置に導管28が配備されている、言い換えれば平面視で導管28と加熱手段7とホットゾーンの回りに環状(同心状)に並んで配備されている点である。これら導管28は、加熱手段7(ヒータエレメント)乃至は加熱手段7を支持する内ケーシング3(断熱層5)などの支持構造体に取り付けるようにするとよい。
置してもホットゾーンのスペースが狭くなることがなくなり、導管28を設けても被処理物Wを収納するスペースが犠牲にされることもなくなるのである。
次に、外部導管35の経路上に設けられるポンプ37、イジェクタ38について詳しく説明する。
媒ガスをこのイジェクタ38の内部に引き入れる複数の吸引口(図示略)が設けられており、このイジェクタ38の吸引口はいずれも外側ガス流通路20に開口するように設けられている。そして、イジェクタ38は、吸引口から引き込まれた外側ガス流通路20の圧媒ガスと外部導管35を流れてきた圧媒ガスとを混合できる構成とされている。
また、イジェクタ38には、このイジェクタ38が設けられた位置を境にして導管28と外部導管35とを上下に分離する着脱継手が設けられている。また、上述した導管28は、内ケーシング3またはこの内ケーシング3に支持された加熱手段7のいずれか一方に固定されており、これらは一体不可分な状態とされている。このように導管28を内ケーシング3または加熱手段7に固定すれば、以下に示すように被処理物Wの取り替え作業が容易に行うことができる。
図9は、第4実施形態の変形例であり、第1弁手段17を、高圧容器2内の下部(外ケーシング4よりも下側の外側ガス流通路20)に設けたものである。なお、この変形例では、図示は省略するが、栓部材18を上下に移動させる移動手段19も、底部材の下方に設けられており、高圧容器2の外側から栓部材18を上下に移動させることができるようになっている。このように第1弁手段17を高圧容器2の下側に設ければ、第1循環流41を流れる圧媒ガスは高圧容器2の上部で特に高温となるので、高温の圧媒ガスに複雑な構造を備える第1弁手段17が曝されて熱によりこれらの部材が故障する可能性を下げることが可能となる。
2 高圧容器
3 内ケーシング
4 外ケーシング
5 断熱層
6 製品台
7 加熱手段
8 整流筒
9 容器本体
10 蓋体
11 底体
12 外側流路
13 外ケーシング本体
14 外ケーシング底体
15 上開口部
16 下開口部
17 第1弁手段
18 栓部材
19 移動手段
20 外側ガス流通路
21 内側ガス流通路
22 内側流路
23 第1流通孔
24 第2流通孔
25 強制循環手段
26 ガス導入孔
27 ガス導入手段
28 導管
29 ファン
30 モータ
31 軸部
32 ファン格納部
33 第2弁手段
34 連通孔
35 外部導管
36 ガス取出口
37 ポンプ
38 イジェクタ
39 外部強制循環手段
41 第1循環流
42 第2循環流
W 被処理物
Claims (8)
- 被処理物を収容する高圧容器の内側に、この被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性のケーシングと、このケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えており、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを用いて前記被処理物に対して等方圧加圧処理を行う熱間等方圧加圧装置であって、
前記ケーシングの外側を上方から下方に向かって導かれて冷却された圧媒ガスを、前記ホットゾーン内に導いてこのホットゾーンを冷却する冷却手段が設けられており、
前記冷却手段には、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを、前記高圧容器の下部から前記ホットゾーンの上部まで前記ホットゾーン内の圧媒ガスと交わることなく導いて前記ホットゾーン内に導入するガス導入手段が備えられていて、
前記ガス導入手段は、前記ホットゾーンの下方からホットゾーンの上部に伸びると共にホットゾーンの上部で開放された導管と、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを前記導管によってホットゾーンの上部に案内する強制循環手段と、を有しており、
前記ケーシングは、前記被処理物を取り囲むように配設された内ケーシングと、この内ケーシングを外側から取り囲むように配設された外ケーシングとを、互いに内外に距離をあけて備えており、
前記冷却手段は、
前記内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、この案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、
前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記整流筒の外側に導き、この外側に導かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン内に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、
前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにしたことを特徴とする熱間等方圧加圧装置。 - 被処理物を収容する高圧容器の内側に、この被処理物を取り囲むように配設されたガス不透過性のケーシングと、このケーシングの内側に設けられて前記被処理物の周囲にホットゾーンを形成する加熱手段と、を備えており、前記ホットゾーン内の圧媒ガスを用いて前記被処理物に対して等方圧加圧処理を行う熱間等方圧加圧装置であって、
前記ケーシングの外側を上方から下方に向かって導かれて冷却された圧媒ガスを、前記ホットゾーン内に導いてこのホットゾーンを冷却する冷却手段が設けられており、
前記冷却手段には、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを、前記高圧容器の下部から前記ホットゾーンの上部まで前記ホットゾーン内の圧媒ガスと交わることなく導いて前記ホットゾーン内に導入するガス導入手段が備えられていて、
前記ガス導入手段は、前記ホットゾーンの下方からホットゾーンの上部に伸びると共にホットゾーンの上部で開放された導管と、前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスを前記導管によってホットゾーンの上部に案内する強制循環手段と、を有しており、
前記ケーシングは、前記被処理物を取り囲むように配設された内ケーシングと、この内ケーシングを外側から取り囲むように配設された外ケーシングとを、互いに内外に距離をあけて備えており、
前記冷却手段は、
前記内ケーシングと外ケーシングとの間を下方から上方に向かって導かれた圧媒ガスを外ケーシングの上部から外ケーシングの外側に案内し、この案内された圧媒ガスを高圧容器の内周面に沿って上方から下方に案内しつつ冷却し、この冷却された圧媒ガスを外ケーシングの下部から内ケーシングと外ケーシングとの間に戻すように圧媒ガスを循環する第1冷却手段と、
前記内ケーシングの内側には当該内ケーシングの内側の空間を内外に仕切る整流筒が配備されていて、前記整流筒の外側の圧媒ガスを前記整流筒の上部から前記ホットゾーン内に導き、このホットゾーン内に導かれた圧媒ガスを前記整流筒の下側から前記ホットゾーン外側に戻すように圧媒ガスを循環する第2冷却手段とを有し、
前記ガス導入手段が、前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスを前記ホットゾーンの上部に導いて前記第2冷却手段により循環する圧媒ガスに合流するようにした
ことを特徴とする熱間等方圧加圧装置。 - 前記導管は、前記整流筒の内周面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間等方圧加圧装置。
- 前記導管は、前記整流筒の中央部を上下方向に貫通するように設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間等方圧加圧装置。
- 前記加熱手段は、前記ホットゾーンの中心から一定の径方向距離であって且つ周方向に複数に分かれて配備されており、
前記径方向で複数に分かれた加熱手段の間には、前記ホットゾーンの中心からの径方向距離が前記加熱手段と同じとなる位置に前記導管が配備されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間等方圧加圧装置。 - 前記第1冷却手段によって冷却された圧媒ガスの一部を前記高圧容器外に導き、高圧容器外で冷却し、高圧容器内に設けられた前記導管に再び導くように配設され、且つ導管の下端部に接続された外部導管を有していて、
前記外部導管には、高圧容器外に設けられ且つ外部導管内の圧媒ガスを強制的に循環させる外部強制循環手段(39)が設けられており、
前記外部強制循環手段(39)は、前記導管に設けられて前記ケーシングの外側で冷却された圧媒ガスをホットゾーンの上部に案内する強制循環手段(25)とは別に備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間等方圧加圧装置。 - 前記外部導管と導管との接続部分には、第1冷却手段によって循環させられる圧媒ガスの一部を吸引すると共に吸引した圧媒ガスを前記高圧容器外で冷却された圧媒ガスに混合させるイジェクタが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の熱間等方圧加圧装置。
- 前記導管は、前記内ケーシングまたはこの内ケーシングに設けられた加熱手段に固定されており、
前記導管は、前記内ケーシングまたは加熱手段に支持されたまま、前記整流筒に対して上下方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱間等方圧加圧装置。
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