JP7131135B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、具体的には、タイヤのサイドウォール部に刻印した二次元コードを備える空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤ(以降、単にタイヤという)のサイドウォール部に、情報を記録した二次元コードを設けることが提案されている。二次元コードは、一次元コードに較べて多くの情報を含ませることができるので、種々の情報を二次元コードに含ませて、タイヤを管理することができる。特に、タイヤ側面部(サイドウォール部)に、所定のドット孔のパターンで刻印することにより、タイヤ側面部に濃淡要素のパターンで構成された二次元コードを設けることが提案されている(特許文献1)。
タイヤ側面部に、所定のドット孔のパターンを刻印することで形成した二次元コードは、タイヤ側面部が摩耗しない限りは消滅しないので、タイヤの管理を有効に行うことができる。
国際公開2005/000714号
二次元コードは、タイヤ周上の所定の位置に設けられるため、車両を停止させるたびに、タイヤ周上の異なる位置に配置されうる。このため、タイヤ側面部を見たときに、二次元コードをすぐに見つけられない場合がある。タイヤを見る視点は、通常、タイヤよりも上方にあるため、二次元コードのタイヤ周上の位置によっては死角に入り、二次元コードが見えない、あるいは、二次元コードであることがわかり難い場合がある。
そこで、本発明は、サイドウォール部に刻印した二次元コードの視認性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、タイヤ幅方向の両側にサイドウォール部を備える空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、
前記サイドウォール部それぞれの表面に、
表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められている、ことを特徴とする。
前記情報は、文字、記号、及び、文字と記号の組み合わせのいずれか1つにより構成されていることが好ましい。
本発明の別の一態様は、サイドウォール部を備える空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、
前記サイドウォール部の表面に、
表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められており、
前記情報は、前記二次元コードが設けられた位置を、タイヤ周方向と異なる方向に指し示す記号を含むことを特徴とする
本発明の別の一態様は、サイドウォール部を備える空気入りタイヤである。当該空気入りタイヤは、
前記サイドウォール部の表面に、
表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められており、
前記情報表示部は複数設けられ、
前記情報表示部は、互いに異なるタイヤ周方向位置、あるいは、互いに異なるタイヤ径方向位置に設けられた情報表示部A及び情報表示部Bを有していることを特徴とする
前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ周上の対向する位置に設けられていることが好ましい。
前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ径方向の同じ位置に設けられていることが好ましい。
前記情報表示部は、さらに、情報表示部Cを有し、
前記情報表示部A、前記情報表示部B、及び前記情報表示部Cのそれぞれを、前記空気入りタイヤの回転中心からタイヤ径方向に見たときの方位角は、互いに110~130°離れていることが好ましい。
前記情報表示部は、さらに、情報表示部C及び情報表示部Dを有し、
前記空気入りタイヤのタイヤ径方向に沿った断面高さをHとしたとき、
前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、前記空気入りタイヤのタイヤ径方向の内側の端部から前記断面高さHの55%の高さの範囲内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられ、
前記情報表示部C及び前記情報表示部Dは、前記断面高さHの範囲のうち前記端部から前記断面高さHの45%の範囲を除いた高さ範囲内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられていることが好ましい。
タイヤ幅方向の外側から前記サイドウォール部を見たとき、前記情報表示部A及び前記情報表示部Bを結ぶ直線と、前記情報表示部C及び前記情報表示部Dを結ぶ直線とのなす角は70~90°であることが好ましい。
前記情報表示部は、さらに、前記情報表示部Aと同じタイヤ周方向の位置に設けられた情報表示部Cを有していることが好ましい。
前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ周方向の同じ位置に設けられていることが好ましい。
上記態様の空気入りタイヤによれば、サイドウォール部に刻印した二次元コードの視認性に優れる。
本実施形態の空気入りタイヤの構成の一例を示す図である。 (a),(b)は、二次元コードの例を説明する平面図と断面図である。 は、一実施形態によるサイドウォール部の例を説明する側面図である。 (a),(b),(c)は、一実施形態による情報表示部の例を示す図である。 (a),(b),(c)は、一実施形態による情報表示部の例を示す図である。 (a),(b),(c)は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図である。 (a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図と空気入りタイヤの斜視図である。 は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図である。 (a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図と空気入りタイヤの斜視図である。 (a),(b),(c)は、一実施形態による情報表示部の例を示す図である。 は、一実施形態による情報表示部が指し示す方向を説明する図である。 (a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図と空気入りタイヤの斜視図である。 は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図である。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて詳細に説明する。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
本明細書で後述する断面高さHは、タイヤを規定リムに組んで、規定内圧を加えた無負荷状態において測定される寸法をいう。ここで、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、又はETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、又はETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。
以下に説明する実施形態では、サイドウォール部に二次元コードが刻印されている。本実施形態で言う刻印とは、レーザ光をサイドウォール部の表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔を複数形成する態様の他、サイドゴム部材に別の手段で凹凸を刻印して二次元コードを形成することも含む。
本実施形態で言う二次元コードは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコードに対し、二方向に情報を持つマトリックス表示方式のコードである。二次元コードとして、例えば、QRコード(登録商標)、データマトリクス(登録商標)、Maxicode、PDF-417(登録商標)、16Kコード(登録商標)、49コード(登録商標)、Aztecコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、ベリコード(登録商標)、及び、CPコード(登録商標)を含む。
(空気入りタイヤ)
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
タイヤ10は、トレッドパターンを有するトレッド部10Tと、タイヤ幅方向両側の一対のビード部10Bと、トレッド部10Tの両側に設けられ、一対のビード部10Bとトレッド部10Tに接続される一対のサイドウォール部10Sと、を備える。トレッド部10Tは路面と接触する部分である。サイドウォール部10Sは、トレッド部10Tをタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた部分である。ビード部10Bは、サイドウォール部10Sに接続され、サイドウォール部10Sに対してタイヤ径方向内側に位置する部分である。
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ12と、ベルト14と、ビードコア16と、を有する。これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。タイヤ10は、さらに、ビードフィラーゴム部材22を有する。
カーカスプライ12は、一対の円環状のビードコア16に巻きまわして、一対のビードコア16間に設けられトロイダル状を成し、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ12は、ビードコア16の周りに巻きまわされてタイヤ径方向外側に延びている。カーカスプライ12のタイヤ径方向外側のタイヤ赤道線CL上には2枚のベルト材14a,14bで構成される積層ベルト14が設けられている。ベルト14は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20~30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材で構成され、下層のベルト材14aが上層のベルト材14bに比べてタイヤ幅方向の幅が長い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ12の膨張を抑制する。
ベルト14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられ、トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイドウォール部10Sを形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム部材18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14を覆う、有機繊維をゴムで被覆した2層のベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。ベルトカバー30の層数も1枚に限定されず、2枚あるいは3枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に、二次元コード40(図1では太線で表示される)、及び、後述する情報表示部50(図3参照)が設けられている。
(二次元コード)
図2(a),(b)は、一実施形態の二次元コード40の例を説明する図である。
二次元コード40は、図1に示すように、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に刻印されている。一実施形態によれば、二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光
をサイドウォール部10Sの表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図2(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1~1.0mmであり、深さは、例えば0.3~1.0mm、さらには0.5~0.8mmである。
二次元コード40は、図2(a)に示すように、二次元コード40の濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図2(a)中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図2(a)に示す二次元コード40は、QRコード(登録商標)であり、2種類の濃淡要素でドットパターンが形成されたドットパターン領域42を含む。ドットパターン領域42の周りには、濃淡要素のうち淡い要素と同じ淡い要素が取り囲む空白領域44が設けられている。空白領域44は、QRコード(登録商標)においてクワイエットゾーンとされる領域であり、QRコード(登録商標)を読み取る際に必要な領域である。空白領域44がドットパターン領域42の周りを取り囲む厚さは、例えば、ドットパターン領域42内の単位セル領域の寸法サイズの4~5倍であることが好ましい。例えば、空白領域44の厚さwは、ドットパターン領域42の矩形形状における2方向の寸法のうち最大寸法の4%~25%であることが好ましい。
図2(a)に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域42aと、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域42bとを含む。
(情報表示部)
図3は、一実施形態によるサイドウォール部10Sの例を説明する側面図である。以降の図面では、二次元コード40を四角形で示す。
本実施形態のサイドウォール部10Sの表面には、図3に示すように、1又は複数の情報表示部50と、が設けられている。情報表示部50は、二次元コード40が設けられた位置を示す情報(以下、二次元コード40の位置を示す情報という)を、表面の凹凸又は色彩によって表示したサイドウォール部10Sの部分である。
一実施形態によれば、二次元コード40の位置を示す情報は、文字、記号、及び、文字と記号の組み合わせのいずれか1つにより構成されていることが好ましい。
文字から構成された情報も、サイドウォール部10Sのいずれかの位置(例えば情報表示部50の近く)に二次元コード40があると感じさせることができる点で、二次元コード40の位置を示すことができる情報である。このため、情報表示部50は、文字から構成された情報を表示する場合は、二次元コード40に接近した位置(例えば、二次元コード40から、当該二次元コード40のサイズより短い間隔をあけた位置)に配置されていることが好ましい。文字から構成された情報の例として、「Code」、「Tire ID」等が挙げられる。文字から構成された情報は、「ここを参照して下さい」、「ここに二次元コードがあります」といった内容を表す文又は文の一部であってもよい。
記号から構成された情報として、例えば、図4(a),(b),(c)に示したものが挙げられる。図4(a)~(c)は、それぞれ、一実施形態による情報表示部50の例を示す図である。図4(a)~(c)では、記号として、二次元コード40の位置を指し示す矢印が用いられている。このうち、図4(b)に示す例では、二次元コード40の両側に情報表示部50A,50Bが設けられている。以降の説明では、複数の情報表示部50の配置例を説明する際に、情報表示部同士を区別するために、複数の情報表示部50のそれぞれに、適宜、「50A」、「50B」、「50C」、「50D」の符号を付して説明する場合がある。記号は、矢印に制限されず、例えば、二次元コード40の位置を指し示す形状の多角形等の図形であってもよい。そのような多角形として、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、凹多角形(例えば、1つの頂角が180度より大きい凹四角形、凹六角形)が挙げられる。図形の数は、1であってもよく、複数であってもよい。図形の数が複数の場合、情報表示部50を目立たせるよう、二次元コード40を指し示す方向に並べて図形は配置されることが好ましい。
文字及び記号の組み合わせから構成された情報として、例えば、図3に示したもの、あるいは、図5(a),(b),(c)に示したものが挙げられる。図5(a)~(c)は、それぞれ、一実施形態による情報表示部50の例を示す図である。図5(c)に示す例において、情報は、二次元コード40を挟むように配置された矢印と文字「XX」とで構成されている。なお、図3以降の図面では、二次元コード40の位置を示す情報を構成する文字を「XX」で表す。文字と記号の間隔は、大きすぎないことが好ましい。この点で、文字及び記号の配置位置の中心の方位角は、図5(a),(b)に示す例においては、互いに1~5°だけ離れていることが好ましい。
別の一実施形態によれば、二次元コード40の位置を示す情報は、文字、記号、及び、文字と記号の組み合わせ以外のものを含んでいてもよく、例えば、図柄を含んでいることも好ましい。図柄として、例えば、二次元コード40の位置を指し示した指又は手を図案化したものが挙げられる。
このような二次元コード40の位置を示す情報を、情報表示部50は、サイドウォール部10Sの表面の凹凸又は色彩によって表示する。
表面の凹凸は、例えば、タイヤ金型の内壁面に設けた凹凸に未加硫ゴムを接触させ加硫することで作ることができる。また、例えば、レーザ光等を用いてサイドウォール部10Sの表面を加工することで作ることができる。
表面の色彩は、周りの表面に対して識別可能な色(例えば白)を、サイドウォール部10Sの表面に付与することにより作られる。そのような色は、具体的に、JIS Z8721に規定した表示方法で特定される色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つが、周りの表面の色と異なっている。周りの表面に対して識別可能な色は、例えば、サイドウォール部10Sの表面に、塗料を塗布し、あるいは、樹脂あるいはゴムからなるフィルム状の部材を貼り付けることによって付与することができる。また、例えば、サイドウォール部10Sの表面に、周りの表面と異なる色のゴム層が表れるように、当該ゴム層を配置した生タイヤを成型し、成型後、バフ研磨等によって、その表面のゴムを除去することで付与することができる。
図6(a),(b),(c)は、それぞれ、一実施形態によるサイドウォール部10Sの例を示す側面図である。
本実施形態において、二次元コード40の位置を示す情報は、情報表示部50が設けられた位置に応じて定められている。
図6(a),(b)に示す例では、情報表示部50を構成する矢印は、情報表示部50と二次元コード40を結んだ直線の方向に沿って、二次元コード40の位置を指し示している。
図6(c)に示す例では、情報表示部50を構成する矢印は、タイヤ周方向に沿った方向を指し示している。情報表示部50が、サイドウォール部10Sの領域のうちタイヤ径方向の外側の領域に設けられている場合、そのタイヤ径方向の内側の領域には、タイヤ10のブランド名、ロゴ、タイヤサイズ等の他の情報が表示される場合があるため、図6(a),(b)に示す例のように、情報表示部50と二次元コード40とを結ぶ直線の方向に沿って二次元コード40を指し示すと、当該他の情報を指しているかのように感じさせるおそれがある。このため、情報表示部50が、サイドウォール部10Sの領域のうちタイヤ径方向の外側の領域に設けられている場合、情報表示部50を構成する矢印は、図6(c)に示すように、二次元コード40の位置を、情報表示部50と二次元コード40とを結ぶ直線の方向以外の方向(例えばタイヤ周方向)に指し示すことが好ましい。
一方で、情報表示部50が二次元コード40に接近した位置に配置されている場合は、情報表示部50と二次元コード40との間に、他の情報が配置されることがないため、情報表示部50と二次元コード40とを結ぶ直線の方向に指し示していてもよく、図3に示す例のように、タイヤ周方向に沿って指し示していてもよい。
このように、二次元コード40の位置を示す情報は、情報表示部50が設けられた位置に応じて定められている。これにより、情報表示部50が、二次元コード40から離れた位置に設けられた場合であっても、情報表示部50が表示する情報を手がかりに、二次元コード40を速やかに見つけることができる。
二次元コードは、読み取りを行う際に、サイドウォール部10Sの表面において見つけやすいことが好ましい。しかし、二次元コードは、タイヤ周上の所定の位置に設けられるため、車両を停止させるたびに、タイヤ周上の異なる位置に配置されうる。このため、サイドウォール部を見たときに、二次元コードをすぐに見つけられない場合がある。特に、タイヤを見る視点は、通常、タイヤよりも上方にあるため、二次元コードのタイヤ周上の位置によっては死角に入り、二次元コードが見えない、あるいは、二次元コードであることがわかり難い場合がある。このような場合、体を屈め、タイヤ10を見る視点を低くしてサイドウォール部10Sを見る、あるいは、視線の先をサイドウォール部10Sの表面においてタイヤ周方向に移動させるなどして、二次元コードを探す必要があり、二次元コードの読み取りを行うまでに時間を要する。
タイヤ側面部における死角の大きさは、タイヤを見る視線のサイドウォール部の表面に対する角度や、タイヤを見る者の視点の高さによって変化する。また、曇天時や日陰のような環境では、晴天時の日向のような環境と比べ、二次元コードを視認し難くなる。
以上の情報表示部50がサイドウォール部10Sの表面に設けられていることで、本実施形態によれば、情報表示部50が設けられていない場合と比べ、二次元コード40を見つけやすい。すなわち、二次元コード40の視認性に優れる。
図7(a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部10Sの例を示す側面図とタイヤ10の斜視図である。
一実施形態によれば、複数の情報表示部50が、図7(a)に示す例のように、互いに異なるタイヤ周方向位置、あるいは、互いに異なるタイヤ径方向位置に設けられた情報表示部50A及び情報表示部50Bを有していることが好ましい。
複数の情報表示部に関して、タイヤ周方向の位置が異なるとは、比較の対象となる複数の情報表示部の配置位置(タイヤ周方向に沿った配置範囲)同士がタイヤ周方向に互いに重なっていないことをいう。タイヤ周方向の位置が異なる場合の例として、タイヤ10の回転中心から見た情報表示部50の配置位置の中心同士が互いに3~10°を超えて離れている場合が挙げられる。
また、複数の情報表示部に関して、タイヤ径方向の位置が異なるとは、比較の対象となる複数の情報表示部50の配置位置(タイヤ径方向に沿った配置範囲)同士がタイヤ径方向に互いに重なっていないことをいう。タイヤ径方向の位置が異なる場合の例として、情報表示部50の配置位置(タイヤ径方向に沿った配置範囲)の中心同士が、情報表示部のタイヤ径方向の長さ(例えば6~40mm)よりも離れている場合が挙げられる。
図7(a)に示す例において、情報表示部50Aは、二次元コード40に接近した位置に配置されるとともに、情報表示部50Bは、二次元コード40から離れた位置に配置されている。
後で参照する図9(b)、図12(b)において斜線で示したサイドウォール部10Sの領域内の領域S,Tは、タイヤ10を斜め上方から見た場合に視認される領域を表す。図7(b)に示す例において、領域S,Tに該当する領域以外のサイドウォール部10Sの領域は、タイヤ10を斜め上方から見た場合の死角に位置するため、これらの領域に位置する情報表示部50は見つけ難い。ここで、図7に示す例のように、情報表示部50A,50Bが配置されていると、図7(a)に示すようにタイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、図7(b)に示すように、一方の情報表示部50Aが死角に位置しても、他方の情報表示部50が領域T内に位置しているため、二次元コード40を見つけやすい。このため、二次元コード40を容易に見つけることができ、二次元コード40の視認性に優れる。斜め上方から見る態様として、タイヤ10の側面と向き合うように立ち、タイヤ10の赤道面に対して15~40度傾斜した方向にタイヤ10を見下ろすことが挙げられる。
なお、領域Sは、タイヤ最大幅が位置するタイヤ径方向の領域(以下、タイヤ最大幅領域という)、及び、タイヤ最大幅領域のトレッド部10T側のタイヤ径方向の領域、からなるサイドウォール部10Sの領域(以下、外側領域という)のうち、タイヤ10の回転中心から見た方位角が、例えば180~200°の範囲にある領域である。タイヤ最大幅領域は、例えば、タイヤ10のタイヤ径方向の内側の端部からのタイヤ10の断面高さH(図1参照)の50%の位置に対して±5%以内の高さ範囲にある。なお、図9(a)のサイドウォール部10Sの側面図に示される破線の円は、タイヤ最大幅領域内に位置する。
領域Tは、タイヤ最大幅領域、及び、タイヤ最大幅領域のビード部10B側のタイヤ径方向の領域、からなるサイドウォール部10Sの領域(以下、内側領域という)のうち、タイヤ10の回転中心から見た方位角が、例えば140~160°の範囲にある領域である。
この実施形態では、さらに、情報表示部50A,50Bは、図7(a)に示されるように、タイヤ周方向に互いに90°以上離れていることが好ましく、120°以上離れていることがより好ましい。これにより、静止した状態のタイヤ10を斜め上方から見た場合に、情報表示部50A,50Bのいずれか一方が、視認可能な領域S又は領域Tに位置する可能性が高くなり、二次元コード40を見つけやすくなる。
なお、情報表示部50のそれぞれが表示する情報に文字が含まれている場合、これらの文字は同じ情報を表示するものであることが好ましい。複数の情報表示部50の文字が共通の情報を表示することで、二次元コード40の位置がわかりやすく、二次元コード40をさらに見つけやすくなる。なお、複数の情報表示部50は、互いに異なる情報を表示するものであってもよく、同じ情報を表示するものであってもよい。
図8は、一実施形態によるサイドウォール部10Sの例を示す側面図である。以降の図面では、情報表示部50を、円又は楕円で表す。なお、図7(b)等の、タイヤ10の斜視図において領域S内に楕円の一部で表す曲線は、トレッド部10Tとサイドウォール部10Sとの接続部分に位置する仮想線を表す。
一実施形態によれば、情報表示部50A,50Bは、図8に示す例のように、タイヤ周上の対向する位置に設けられていることが好ましい。タイヤ周上の対向する位置とは、複数の情報表示部50のタイヤ周方向の中心位置の方位角が、互いに170~190°離れた位置にあることを意味する。図8に示す例では、情報表示部50A,50Bは、互いに180°離れて位置している。図8に示す例のように、情報表示部50A,50Bが配置されていると、図8に示すようにタイヤ1が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、情報表示部50A,50Bの一方が視認可能な領域S又は領域Tに位置する可能性が高くなる。このため、二次元コード40の視認性が高くなる。
この実施形態において、情報表示部50A,50Bは、さらに、タイヤ径方向の同じ位置に配置されていることが好ましい。これにより、情報表示部50A,50Bの少なくとも一方が視認可能な領域に位置する可能性が高くなる。なお、複数の情報表示部50は、3つ、4つ、5つ、6つ等の情報表示部を含んでいてもよい。図8に示す例では、サイドウォール部10Sには、情報表示部50A,50Bのほか、情報表示部50Cが設けられている。
図9(a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図及びタイヤ10の斜視図である。
一実施形態によれば、情報表示部50A,50Bは、図9(a)に示すように、タイヤ径方向の同じ位置に設けられていることが好ましい。図9に示す例では、さらに、タイヤ径方向の同じ位置に設けられた情報表示部50C,50Dが設けられている。タイヤ径方向の同じ位置に設けられているとは、比較の対象となる複数の情報表示部50の配置位置がタイヤ径方向に重なっていることをいう。例えば、情報表示部50A,50Bの配置位置の中心同士のタイヤ径方向に沿ったずれ量が、情報表示部50のタイヤ径方向の長さ(例えば6~40mm)以内であることをいう。
図9(a)に示す例のように、情報表示部50A,50Bがタイヤ径方向の同じ位置に設けられている場合、図9(b)に示すようにタイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、図9(a)に示すように、情報表示部50B,50Cが死角に入っても、情報表示部50A,50Dは領域S内に位置しているため、二次元コード40を見つけやすい。
図10(a),(b),(c)は、それぞれ、一実施形態による情報表示部50の例を示す図である。図11は、一実施形態による情報表示部50が指し示す方向を説明する図である。図10及び図11において、円弧状の破線は、タイヤ周方向を示している。
一実施形態によれば、情報表示部50は、二次元コード40が設けられた位置を、タイヤ周方向と異なる方向に指し示す記号を含むことが好ましい。情報表示部50が表示する情報が、例えば、タイヤ周方向に指し示す矢印で構成されている場合、タイヤ10の回転方向を表す表示(ローテーションマーク)であると誤認させるおそれがある。しかし、情報表示部50が、二次元コード40が設けられた位置を、タイヤ周方向と異なる方向に指し示す記号を含んでいることで、そのような誤認を防ぐことができる。ここでいう、タイヤ周方向と異なる方向とは、記号が指し示す方向の両端を結ぶ直線が、タイヤ周方向と異なることを意味する。図10(a)に示す例において、情報表示部50Aを構成する矢印は、タイヤ周方向に対して傾斜した方向を指し示している。また、情報表示部50Bを構成する矢印は、タイヤ径方向内側を指し示している。図10(b)に示す例において、情報表示部50Aを構成する矢印は、タイヤ周方向に対して傾斜した方向を指し示している。図10(c)に示す例において、情報表示部50Aを構成する矢印は、その指し示す方向の両端を結ぶ直線は、タイヤ周方向に対して傾斜している。また、情報表示部50Bを構成する矢印はタイヤ径方向外側を指し示している。
ここで、タイヤ周方向に傾斜するとは、図11に示すように、情報表示部(図11において図示を省略)が指し示す方向の両端P50a,P50bを結ぶ直線Lindと、情報表示部によって指し示される二次元コード40を通る円弧との交点P1における当該円弧の接線Ltanに対する直線Lindの傾斜角θが5度以上であることを意味する。
図12(a),(b)は、一実施形態によるサイドウォール部10Sの例を示す側面図とタイヤ10の斜視図である。
一実施形態によれば、複数の情報表示部50は、さらに、情報表示部50Cを有し、情報表示部50A、情報表示部50B、及び情報表示部50Cのそれぞれを、空気入りタイヤの回転中心からタイヤ径方向に見たときの方位角は、互いに110~130°離れていることが好ましい。この実施形態において、情報表示部50A~50Cは、タイヤ径方向の同じ位置に設けられる。この方位角の間隔は、情報表示部50A~50Cの配置位置の中心位置同士の間隔を意味する。タイヤ10のタイヤ径方向の内側の端部から断面高さHの55%の高さの範囲のサイドウォール部10Sの領域(内側領域)は、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、領域Tが視認可能であるが、タイヤ10の回転中心から見た領域Tの方位角の範囲は180°より小さいため、上記高さ範囲に2つの情報表示部50A,50Bだけが設けられていると、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、いずれも死角に入る可能性がある。タイヤ10のタイヤ径方向の内側の端部とは、ビードコア16のタイヤ径方向の最も内側の端を意味する。この実施形態では、3個の情報表示部50A~50Cが、内側領域においてタイヤ周方向に略等間隔で配置されていることで、図12(b)に示すようにタイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、図12(b)に示すように、情報表示部50A,50Bが死角に入っても、情報表示部50Cが領域T内に位置しているため、二次元コード40を見つけやすい。タイヤ10のサイズならびにプロファイル(リムプロテクトバーの有無や形状)によっては、領域Tの方位角の範囲は120°程度になる場合があるため、このような情報表示部50の配置態様が有効である。図12(b)に示す例において、情報表示部50A~50Cの方位角は、互いに120°離れている。
図13は、一実施形態によるサイドウォール部の例を示す側面図及び斜視図である。
一実施形態によれば、複数の情報表示部は、さらに、情報表示部C及び情報表示部Dを有し、情報表示部A及び情報表示部Bは、空気入りタイヤのタイヤ径方向の内側の端部から断面高さHの55%の高さの範囲(内側領域の範囲)内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられ、
情報表示部C及び情報表示部Dは、断面高さHの範囲のうち上記端部から断面高さHの45%の範囲を除いた高さ範囲(外側領域の範囲)内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられていることが好ましい。すなわち、2つの情報表示部からなる組が、上記2つの高さ範囲のそれぞれに設けられ、各組をなす情報表示部が、タイヤ周上の対向する位置に設けられていることが好ましい。このような配置態様によっても、タイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、一部の情報表示部50が死角に入っても、他の情報表示部が領域S又は領域Tに位置する可能性が高いため、二次元コード40を見つけやすい。なお、内側領域及び外側領域は、タイヤ最大幅領域においてタイヤ径方向に重なっている。
この実施形態において、さらに、タイヤ幅方向の外側から(図13の紙面奥行方向に)見たとき、情報表示部50A及び情報表示部50Bを結ぶ直線Pと、情報表示部50C及び情報表示部50Dを結ぶ直線Qとのなす角αは70~90°であることが好ましい。この実施形態において、直線P、Qは、タイヤ10の回転中心において交差していることが好ましい。この配置態様によれば、タイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見た場合に、一部の情報表示部50が死角に入っても、他の情報表示部が領域S又は領域Tに位置する可能性を高めることができる。この配置態様は、上述した実施形態のように、3つの情報表示部50A~50Cをタイヤ周方向に略等間隔で配置する場合と異なって、上記端部からの断面高さHの55%以下の高さ範囲に情報表示部50を2つだけ配置する場合に有効である。
上述した実施形態のように、情報表示部50A,50Bがタイヤ径方向の同じ位置に設けられている場合に、図9(a)に示すように、複数の情報表示部は、さらに、情報表示部50Aと同じタイヤ周方向の位置に設けられた情報表示部50Cを有していることが好ましい。この場合、複数の情報表示部は、さらに、情報表示部50Bと同じタイヤ周方向の位置に設けられた情報表示部50Dを有していることが好ましい。図9(a)に示す例のように、複数の二次元コードが配置されている場合、図9(a)に示すようにタイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見ると、図9(b)に示すように、情報表示部50C,50Bが死角に入っても、情報表示部50A,50Dは領域S,T内に位置しているため、二次元コード40を見つけやすい。
一実施形態によれば、情報表示部50A及び情報表示部50Bは、タイヤ周方向の同じ位置に設けられていることが好ましい。複数の情報表示部が配置されている場合、タイヤ10が静止した状態で、タイヤ10を斜め上方から見ると、一方の情報表示部が死角に入っても、他方の情報表示部が領域S又は領域T内に位置する可能性が高くなるため、二次元コード40を見つけやすい。
一実施形態によれば、二次元コード40、及び、情報表示部50は、タイヤ1のタイヤ幅方向の両側のサイドウォール部10Sのそれぞれに設けられていることが好ましい。タイヤ10が車両に装着されても、一方の側のサイドウォール部10Sに刻印された二次元コード40を確実に読み取ることができる。その際、二次元コード40を速やかに見つけることができる。
(従来例、実施例)
タイヤ10の効果を確認するために、二次元コード40、具体的にはQRコード(登録商標)をタイヤ幅方向の一方のサイドウォール部10Sに刻印したタイヤを作製した。また、サイドウォール部10Sには、二次元コード40を指し示す情報表示部50を合わせて設けた。作製したタイヤを、二次元コード40及び情報表示部50を設けたサイドウォール部が車両外側を向くよう、試験車である乗用車に装着して、二次元コード40の視認性の評価を行った。作製したタイヤのタイヤサイズは、225/65R17とした。タイヤの内圧条件は、前輪、後輪ともに230(kPa)とした。各タイヤの荷重条件は、前輪荷重を450kg重、後輪荷重を300kg重とした。
二次元コード40は、ドット孔の深さが0.8mmで、濃淡要素を区分けする単位セルの長さが0.6mmであるQRコード(登録商標)をサイドウォール部10Sの平滑面に刻印した。
情報表示部50は、表1に示した仕様を除いて、図3に示す態様を基調とした。情報表示部50は、サイドウォール部10Sの表面のうち内側領域に、レーザ光を用いて文字及び矢印の形状に沿って凹みを設けることで作製した。文字から構成された情報は「Tire ID」とした。矢印は、情報表示部50の配置位置と二次元コード40の配置位置とを結ぶ直線に沿った方向を指すよう設けた。
表1に、作製した各タイヤの情報表示部の配置態様を示す。
表中の“配置数”は、上記一方のサイドウォール部に設けた情報表示部の数を意味する。
表中の“配置態様”は、各実施例が基調とした情報表示部の配置態様を、図面の番号で示す。実施例はいずれも、“配置態様”に示した図面の配置態様を基調としつつ、“配置位置”及び“配置領域”を調整したものである。
表中の“配置位置”は、タイヤの回転中心から見た、二次元コード40の配置位置の方位角を0度としたときの、情報表示部の配置位置の方位角を意味する。情報表示部が複数ある場合は、それぞれの方位角をタイヤ周方向に順に、「/」で挟んで示す。
表中の“配置領域”は、二次元コードを設けたタイヤ径方向領域を意味し、“内側”は、上述した内側領域を意味し、“外側”は、上述した外側領域を意味する。
視認性の評価は、屋外の所定の停車位置に試験車を停止させ、ドライバーが試験車から降りてから、運転席側の前輪に装着したタイヤの二次元コードを見つけるまでの時間を、各例につき10回計測し、その平均時間が、2.0秒以内だった場合をAと評価し、2.0秒超、3.0秒以内だった場合をBと評価し、3.0秒超、4.5秒以内だった場合をC評価し、4.5秒超だった場合をDと評価し、A~Cを、二次元コードの視認性に優れると評価とした。表1に評価結果を示す。
Figure 0007131135000001
従来例と実施例1~7との比較からわかるように、サイドウォール部に情報表示部を設けることで、二次元コードの視認性が優れることがわかる。
実施例2と実施例3との比較から、複数の情報表示部を有し、これらがタイヤ周上の対向する位置に設けられていることで、二次元コードの視認性がさらに優れることがわかる。
実施例6と実施例7の比較から、3つの情報表示部を有し、これらが互いに110~130°離れていることで、二次元コードの視認性がより一層優れることがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明の空気入りタイヤは上記実施形態あるいは実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー
40、40A、40B、40C、40D 二次元コード
42 ドットパターン領域
42a データセル領域
42b 切り出しシンボル領域
44 空白領域
50、50A、50B、50C、50D 情報表示部

Claims (11)

  1. タイヤ幅方向の両側にサイドウォール部を備える空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部それぞれの表面に、
    表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
    前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
    前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記情報は、文字、記号、及び、文字と記号の組み合わせのいずれか1つにより構成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. サイドウォール部を備える空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部の表面に、
    表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
    前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
    前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められており、
    前記情報は、前記二次元コードが設けられた位置を、タイヤ周方向と異なる方向に指し示す記号を含む、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. サイドウォール部を備える空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部の表面に、
    表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、
    前記二次元コードが設けられた位置を示す情報を、表面の凹凸又は色彩によって表示した1又は複数の情報表示部と、が設けられ、
    前記情報は、前記情報表示部が設けられた位置に応じて定められており、
    前記情報表示部は複数設けられ、
    前記情報表示部は、互いに異なるタイヤ周方向位置、あるいは、互いに異なるタイヤ径方向位置に設けられた情報表示部A及び情報表示部Bを有している、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ周上の対向する位置に設けられている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ径方向の同じ位置に設けられている、請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記情報表示部は、さらに、情報表示部Cを有し、
    前記情報表示部A、前記情報表示部B、及び前記情報表示部Cのそれぞれを、前記空気入りタイヤの回転中心からタイヤ径方向に見たときの方位角は、互いに110~130°離れている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記情報表示部は、さらに、情報表示部C及び情報表示部Dを有し、
    前記空気入りタイヤのタイヤ径方向に沿った断面高さをHとしたとき、
    前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、前記空気入りタイヤのタイヤ径方向の内側の端部から前記断面高さHの55%の高さの範囲内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられ、
    前記情報表示部C及び前記情報表示部Dは、前記断面高さHの範囲のうち前記端部から前記断面高さHの45%の範囲を除いた高さ範囲内であって、タイヤ周上の対向する位置に設けられている、請求項4から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. タイヤ幅方向の外側から前記サイドウォール部を見たとき、前記情報表示部A及び前記情報表示部Bを結ぶ直線と、前記情報表示部C及び前記情報表示部Dを結ぶ直線とのなす角は70~90°である、請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記情報表示部は、さらに、前記情報表示部Aと同じタイヤ周方向の位置に設けられた情報表示部Cを有している、請求項4から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記情報表示部A及び前記情報表示部Bは、タイヤ周方向の同じ位置に設けられている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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