JP7128685B2 - 磁気ディスク基板の研磨方法、および磁気ディスク基板用研磨剤組成物 - Google Patents
磁気ディスク基板の研磨方法、および磁気ディスク基板用研磨剤組成物 Download PDFInfo
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Description
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
(1)アルミナ粒子と、有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
[4] 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
[5] 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有する前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
[6] 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一の研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。
R-O-SO3M (1)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。
R-O-(AO)n-SO3M (2)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、AOは炭素数2または3のオキシアルキレン基を表し、nは1~30の整数を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。
本発明の磁気ディスク基板の研磨方法は、多段研磨方式における粗研磨工程で、アルミナ粒子と有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有する研磨剤組成物Aを被研磨基板の研磨対象面に供給し、研磨対象面に研磨パッドを接触させ、研磨パッドおよび/または被研磨対象基板を動かして研磨対象面を研磨する工程(1)を有する。工程(1)で使用される研磨機としては、特に限定されず、磁気ディスク基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
多段研磨方式における粗研磨工程後の基板表面上のうねりが低減する観点から、本発明の基板研磨方法は、工程(1)の後に、同一の研磨機において、工程(1)で得られた基板をリンス処理する工程(工程(2))を有する。リンス処理に用いるリンス液としては、特に制限されないが、経済性の観点からは蒸留水、イオン交換水、純水、および超純水等の水が使用され得る。また、工程(2)は、生産性の観点から、工程(1)で使用した研磨機から被研磨基板を取り出すことなく、同じ研磨機内で行う。なお、本発明において、リンス処理とは、基板表面に残留した砥粒、研磨屑を排出することを目的とした処理をいう。
本発明の磁気ディスク基板の研磨方法は、多段研磨方式における粗研磨工程後の基板表面上のうねりを低減する観点から、コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bをリンス処理工程(2)で得られた基板の研磨対象面に供給し、研磨対象面に研磨パッドおよび/または前記被研磨基板を動かして研磨対象面を研磨する工程(3)を有する。生産性向上の観点、および粗研磨工程後の基板表面上のうねり低減の観点から、工程(1)~(3)は、同一の研磨機で行う。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有する研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程
(1)アルミナ粒子と、有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有する研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有する研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程
(A)研磨剤組成物A
本発明の磁気ディスク基板の研磨方法の工程(1)で使用する研磨剤組成物Aは、アルミナ粒子を含有する水系組成物であり、水溶性高分子化合物を必須成分または任意成分として含有する。ここで、水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物および/またはカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であることが好ましい。尚、研磨剤組成物Aは、有機硫酸エステル塩化合物を含有する組成物である。さらにpH調整のために、または任意成分として、酸および/またはその塩を含有してもよい。また、研磨促進剤として酸化剤を含有してもよい。
アルミナ粒子はα-アルミナおよび/または中間アルミナを含むことが好ましい。中間アルミナとしては、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなどが挙げられる。またα-アルミナと中間アルミナの両方を含む場合の混合比(中間アルミナ/α-アルミナ、質量比)は、0.1~2.0が好ましく、さらに好ましくは0.5~1.0である。
ボーキサイトを水酸化ナトリウムの熱溶液で溶解し、不溶成分をろ過により除去して得られた溶液を冷却し、その結果得られた沈殿物を乾燥することにより得られる。
ベーマイト:Al2O3・H2O
金属アルミニウムとアルコールとの反応により得られるアルミニウムアルコキシド:Al(OR)3を加水分解することにより得られる。
擬ベーマイト:Al2O3・nH2O(n=1~2)
ギブサイトをアルカリ性雰囲気下、水蒸気で処理して得られる。
これらのアルミナ原料を焼成することにより、α-アルミナ、γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなどが得られる。
研磨剤組成物Aに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物、および/またはカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であることが好ましい。また、これら以外の単量体も使用することができる。カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体以外の単量体としては、例えばアミド基を有する単量体が挙げられる。
カルボン酸基を有する単量体としては、不飽和脂肪族カルボン酸およびその塩が好ましく用いられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。
研磨剤組成物Aは、必須成分または任意成分として水溶性高分子化合物を含有する。研磨剤組成物Aに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体が必須単量体であるが、これら以外の単量体も使用することができる。例えば、アミド基を有する単量体も使用することができる。具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミドなどを使用することができる。
本発明で研磨剤組成物Aに含有される水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物であってもよい。その場合、混合物を構成する重合体として、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体としては、カルボン酸基を有する単量体を重合して得られる重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体との共重合体、カルボン酸基を有する単量体とその他の単量体との共重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体とその他の単量体との共重合体などが挙げられる。
本発明で研磨剤組成物Aに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であってもよい。水溶性高分子化合物中の、カルボン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、5~95mol%が好ましく、8~92mol%がより好ましく、10~90mol%がさらに好ましい。スルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、5~95mol%が好ましく、8~92mol%がより好ましく、10~90mol%がさらに好ましい。
水溶性高分子化合物の製造方法は特に制限されないが、水溶液重合法が好ましい。水溶液重合法によれば、均一な溶液として水溶性高分子化合物を得ることができる。上記水溶液重合の重合溶媒としては、水性溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。また、上記単量体成分の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。上記有機溶媒としては、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用される水溶性高分子化合物を構成する、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体、スルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体およびアミド基を有する単量体を必須単量体とする共重合体の重量平均分子量は、それぞれ1,000~1,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000~800,000であり、さらに好ましくは5,000~600,000である。なお、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリアクリル酸換算で測定したものである。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が、1,000未満の場合は、研磨後のうねりが悪化する。また1,000,000を超える場合には、水溶液の粘度が高くなり取扱いが困難になる。
研磨剤組成物A中の水溶性高分子化合物の濃度は、固形分換算で0.0001~3.0質量%であり、好ましくは0.001~2.0質量%であり、さらに好ましくは0.005~1.0質量%である。水溶性高分子化合物の濃度が0.0001質量%より少ない場合には、水溶性高分子化合物の添加効果が十分に得られず、3.0質量%より多い場合には、水溶性高分子化合物の添加効果は頭打ちとなり、必要以上の水溶性高分子化合物を添加することになるので、経済的でない。
本発明で研磨剤組成物Aにおいては、有機硫酸エステル塩化合物を、必須成分として含有する。有機硫酸エステル塩化合物としては、下記の第一の態様と第二の態様のいずれかのものを含有することができる。
本発明で研磨剤組成物Aで用いられる有機硫酸エステル塩化合物の第一の態様としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
R-O-SO3M (1)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。
研磨剤組成物Aで用いられる有機硫酸エステル塩化合物の第二の態様としては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
R-O-(AO)n-SO3M (2)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、AOは炭素数2または3のオキシアルキレン基を表し、nは1~30の整数を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。
上記一般式(2)においてAOは炭素数2または3のオキシアルキレン基である。
上記一般式(2)において、nは1~30の整数であり、好ましくは2~4である。
上記一般式(2)において、Mの具体例としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオンやトリエタノールアミン等の有機アミンが挙げられる。
本発明において、研磨剤組成物Aでは、pH調整のために、または任意成分として、酸および/またはその塩を使用することができる。使用される酸および/またはその塩としては、無機酸および/またはその塩と有機酸および/またはその塩が挙げられる。
本発明における研磨剤組成物Aは、研磨促進剤として酸化剤を含有してもよい。酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、ハロゲンオキソ酸またはその塩、酸素酸またはその塩、これらの酸化剤を2種以上混合したもの等を用いることができる。
本発明における研磨剤組成物AのpH値(25℃)の範囲は、好ましくは0.1~4.0である。より好ましくは0.5~3.0である。研磨剤組成物AのpH値(25℃)が0.1以上であることにより、表面荒れを抑制することができる。研磨剤組成物AのpH値(25℃)が4.0以下であることにより、研磨速度の低下を抑制することができる。
本発明の磁気ディスク基板の研磨方法の工程(3)で使用する研磨剤組成物Bは、コロイダルシリカを含有する水性組成物であり、水溶性高分子化合物を必須成分または任意成分として含有するものである。さらに、有機硫酸エステル塩化合物、酸および/またはその塩、酸化剤などを含有してもよい。
研磨剤組成物Bに含有されるコロイダルシリカは、平均粒子径(D50)が10~100nmであることが好ましい。より好ましくは20~80nmである。コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩を原料とし、当該原料を水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法で得られる。またはテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、当該原料をアルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で、酸またはアルカリでの加水分解による縮合反応によって粒子を成長させるアルコキシシラン法によっても得られる。
研磨剤組成物Bは、必須成分または任意成分として水溶性高分子化合物を含有する。研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物、および/またはカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であることが好ましい。また、これら以外の単量体も使用することができる。カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体以外の単量体としては、例えばアミド基を有する単量体が挙げられる。
カルボン酸基を有する単量体としては、不飽和脂肪族カルボン酸およびその塩が好ましく用いられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
スルホン酸基を有する単量体の具体例としては、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。好ましくは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩などが挙げられる。
研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体が必須単量体であるが、これら以外の単量体も使用することができる。例えば、アミド基を有する単量体も使用することができる。具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミドなどを使用することができる。
本発明で研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物であってもよい。その場合、混合物を構成する重合体として、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体としては、カルボン酸基を有する単量体を重合して得られる重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体との共重合体、カルボン酸基を有する単量体とその他の単量体との共重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体とその他の単量体との共重合体などが挙げられる。
本発明で研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物は、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であってもよい。水溶性高分子化合物中の、カルボン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、5~95mol%が好ましく、8~92mol%がより好ましく、10~90mol%がさらに好ましい。スルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、5~95mol%が好ましく、8~92mol%がより好ましく、10~90mol%がさらに好ましい。
本発明で研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物の製造方法は、研磨剤組成物Aの場合と同様に、水溶液重合法が好ましく、水溶液重合法によれば、均一な溶液として水溶性高分子化合物を得ることができる。具体的には、水性溶媒を用いてラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合により水溶性高分子化合物を製造する方法が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸塩、水溶性過酸化物、油溶性過酸化物、アゾ化合物、などが挙げられる。また、開始剤として、水溶性レドックス系重合開始剤を用いてもよい。水溶性高分子化合物の分子量を調整するために、連鎖移動剤を重合系に適宜添加してもよい。重合反応終了後、必要に応じて塩基性化合物で中和を行ってもよい。
本発明で研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物を構成する、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体、スルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体およびアミド基を有する単量体を必須単量体とする共重合体の重量平均分子量は、それぞれ1,000~1,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000~800,000であり、さらに好ましくは5,000~600,000である。なお、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリアクリル酸換算で測定したものである。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が、1,000未満の場合は、研磨後のうねりが悪化する。また1,000,000を超える場合には、水溶液の粘度が高くなり取扱いが困難になる。
本発明で研磨剤組成物Bに含有される水溶性高分子化合物の濃度は、固形分換算で0.0001~3.0質量%であり、好ましくは0.001~2.0質量%であり、さらに好ましくは0.005~1.0質量%である。水溶性高分子化合物の濃度が0.0001質量%より少ない場合には、水溶性高分子化合物の添加効果が十分に得られず、3.0質量%より多い場合には、水溶性高分子化合物の添加効果は頭打ちとなり、必要以上の水溶性高分子化合物を添加することになるので、経済的でない。研磨剤組成物B中で使用される水溶性高分子化合物は、研磨剤組成物Aで使用される水溶性高分子化合物と同じ水溶性高分子化合物であっても良いし、異なる水溶性高分子化合物であっても良い。
研磨剤組成物Bにおいては、有機硫酸エステル塩化合物を、任意成分として含有してもよい。研磨剤組成物B中で使用される有機硫酸エステル塩化合物は、研磨剤組成物Aで使用される有機硫酸エステル塩化合物と同じ有機硫酸エステル塩化合物であっても良いし、異なる有機硫酸エステル塩化合物であっても良い。
研磨剤組成物Bは、pH調整のために、または任意成分として、酸および/またはその塩を使用することができる。使用される酸および/またはその塩としては、無機酸および/またはその塩と有機酸および/またはその塩が挙げられる。
研磨剤組成物Bは、任意成分として酸化剤を含有することができる。研磨剤組成物Bに含有することができる酸化剤としては、過酸化物、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、ハロゲンオキソ酸またはその塩、酸素酸またはその塩、これらの酸化剤を2種以上混合したもの等を用いることができる。
研磨剤組成物BのpH値(25℃)の範囲は、好ましくは0.1~4.0である。より好ましくは、0.5~3.0である。研磨剤組成物BのpH値(25℃)が0.1以上であることにより、表面荒れを抑制することができる。研磨剤組成物BのpH値(25℃)が4.0以下であることにより、研磨速度の低下を抑制することができる。
実施例1~20、比較例1~10で使用した研磨剤組成物は、表1に記載の材料を、表1に記載の含有量で含んだ研磨剤組成物である。尚、表1でアクリル酸(カルボン酸基を有する単量体)の略号をAA、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(スルホン酸基を有する単量体)の略号をATBS、t-ブチルアクリルアミド(アミド基を有する単量体)の略号をTBAAとした。また、各実施例と各比較例の研磨試験の結果を表2、表3に示す。なお、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウムは、第二の態様の有機硫酸エステル塩化合物、ラウリル硫酸ナトリウムは、第一の態様の有機硫酸エステル塩化合物である。また、合成番号1~4が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体の水溶性高分子化合物である。合成番号5、6は、単独重合体である。また、実施例19、20は、水溶性高分子化合物がカルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体を含む混合物である。合成番号7が、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体およびアミド基を有する単量体を必須単量体とする共重合体の水溶性高分子化合物である。
アルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機((株)島津製作所製 SALD2200)を用いて測定した。アルミナ粒子の平均粒子径は、体積を基準とした小粒径側からの積算粒径分布が50%となる平均粒子径(D50)である。
コロイダルシリカの粒子径(Heywood径)は、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子(株)製、透過型電子顕微鏡 JEM2000FX(200kV)を用いて倍率10万倍の視野を撮影し、この写真を解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac-View Ver.4.0)を用いて解析することによりHeywood径(投射面積円相当径)として測定した。コロイダルシリカの平均粒子径は前述の方法で2000個程度のコロイダルシリカの粒子径を解析し、小粒径側からの積算粒径分布(累積体積基準)が50%となる粒子径を上記解析ソフト(マウンテック(株)製、Mac-View Ver.4.0)を用いて算出した平均粒子径(D50)である。
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリアクリル酸換算で測定したものであり、以下にGPC測定条件を示す。
カラム:G4000PWXL(東ソー(株)製)+G2500PWXL(東ソー(株)製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/アセトニトリル=9/1(容積比)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
検出:210nm(UV)
サンプル:濃度5mg/ml(注入量100μl)
検量線用ポリマー:ポリアクリル酸 分子量(ピークトップ分子量:Mp)11.5万、2.8万、4100、1250(創和科学(株)、American Polymer Standards Corp)
無電解ニッケル-リンめっきされた外径95mmのアルミディスクを研磨対象として、下記研磨条件で研磨を行った。
[前段研磨条件]
研磨機:スピードファム(株)製、9B両面研磨機
研磨パッド:(株)FILWEL社製、P1パッド
定盤回転数:上定盤 -7.5rpm
下定盤 22.5rpm
研磨剤組成物供給量: 100ml/min
研磨時間: 4.5分
加工圧力: 100g/cm2
尚、前段研磨では、研磨剤組成物Aを使用した。
研磨機:前段研磨と同じ
研磨パッド:前段研磨と同じ
定盤回転数:前段研磨と同じ
リンス液供給量: 3L/min
リンス時間: 20秒
加工圧力: 15g/cm2
尚、リンス液には純水を使用した。
研磨機:前段研磨と同じ
研磨パッド:前段研磨と同じ
定盤回転数:前段研磨と同じ
研磨剤組成物供給量: 100ml/min
研磨時間: 80秒
加工圧力: 100g/cm2
尚、後段研磨では、研磨剤組成物Bを使用した。
上記研磨条件で研磨試験を行った結果を表2、表3に示す。
研磨速度は、研磨後に減少したアルミディスクの質量を測定し、下記式に基づいて算出した。
研磨速度(μm/min)=アルミディスク質量減少量(g)/研磨時間(min)/アルミディスク片面の面積(cm2)/無電解ニッケル-リンめっき皮膜の密度(g/cm3)/2×104
(ただし、上記式中、アルミディスク片面の面積は65.9cm2、無電解ニッケル-リンめっき皮膜の密度は、8.0g/cm3)
研磨速度比は、上記式を用いて求めた比較例2の研磨速度を1(基準)とした場合の相対値である。比較例2の実測値は0.320μm/minであった。
アルミディスクのうねりは、アメテック社製の走査型白色干渉法を利用した三次元表面構造解析顕微鏡を用いて測定した。測定条件は、アメテック社製の測定装置(New View 8300(レンズ:1.4倍、ズーム:1.0倍))で、波長500~1000μmとし、測定エリアは、6mm×6mmとし、アメテック社製の解析ソフト(Mx)を用いて解析を行った。尚、表2、表3に示した値は、比較例2のうねりを1(基準)とした場合の相対値である。比較例2の実測値は1.66Åであった。
端面形状の評価として、端面だれの度合いを数値化したロールオフを測定した。ロールオフはアメテック社製の測定装置(New View 8300(レンズ:1.4倍、ズーム:1.0倍)とアメテック社製の解析ソフト(Mx)を用いて測定した。
実施例1は比較例1に対して、前段研磨で水溶性高分子化合物を添加した実験であるが、研磨速度、うねり、ロールオフの全てが改善されている。また、実施例1は比較例3に対しては、有機硫酸エステル塩化合物を添加した結果であるが、この場合も研磨速度、うねり、ロールオフの全てが改善されている。
Claims (24)
- 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有する研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一の研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカおよび水を含有する研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、有機硫酸エステル塩化合物と、水を含有する研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 下記(1)~(3)の工程を有し、各工程(1)~(3)を同一の研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法。
(1)アルミナ粒子と、水溶性高分子化合物と、有機硫酸エステル塩化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Aを研磨機に供給して、磁気ディスク基板の前段の研磨を行う工程
(2)工程(1)で得られた前記磁気ディスク基板をリンス処理する工程
(3)コロイダルシリカと、水溶性高分子化合物と、水とを含有し、前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体とを含む混合物である研磨剤組成物Bを研磨機に供給して、前記磁気ディスク基板の後段の研磨を行う工程。 - 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量が1,000~1,000,000である請求項1~3のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
- 前記水溶性高分子化合物が、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体およびアミド基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であり、
重量平均分子量が1,000~1,000,000である請求項1~3のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。 - 前記カルボン酸基を有する単量体が、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩から選ばれる単量体であり、
前記水溶性高分子化合物中のカルボン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合が5~95mol%である請求項1~3、7、8のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。 - 前記スルホン酸基を有する単量体が、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、およびこれらの塩から選ばれる単量体であり、
前記水溶性高分子化合物中のスルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合が5~95mol%である請求項1~3、7、8のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。 - 前記アミド基を有する単量体が、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミドから選ばれる単量体である請求項8に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
- 前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量がそれぞれ1,000~1,000,000であり、
カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体の割合が5~95質量%、スルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体の割合が5~95質量%である請求項4~6のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。 - 前記有機硫酸エステル塩化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
R-O-SO 3 M (1)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。 - 前記有機硫酸エステル塩化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
R-O-(AO) n -SO 3 M (2)
式中、Rは炭素数5~21の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基を表し、AOは炭素数2または3のオキシアルキレン基を表し、nは1~30の整数を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、または有機カチオンを表す。 - 前記研磨剤組成物Aおよび前記研磨剤組成物Bが、酸および/またはその塩をさらに含有し、pH値(25℃)が0.1~4.0の範囲にある請求項1~14のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
- 前記研磨剤組成物Aおよび前記研磨剤組成物Bが、酸化剤をさらに含有している請求項1~15のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
- アルミニウム合金基板の表面にニッケル-リンめっき皮膜を形成した磁気記録媒体用の磁気ディスク基板の研磨を多段研磨方式で行う際に、最終研磨工程よりも前の研磨工程で行う請求項1~16のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
- 請求項2または3に記載の磁気ディスク基板の研磨方法において、工程(3)で使用される研磨剤組成物Bであり、コロイダルシリカと水溶性高分子化合物と水とを含有し、前記水溶性高分子化合物がカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体である磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
- 前記水溶性高分子化合物であるカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体の重量平均分子量が1,000~1,000,000である請求項18に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
- 前記水溶性高分子化合物であるカルボン酸基を有する単量体およびスルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする共重合体が、カルボン酸基を有する単量体とスルホン酸基を有する単量体およびアミド基を有する単量体を必須単量体とする共重合体であり、
重量平均分子量が1,000~1,000,000である請求項18に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。 - 前記カルボン酸基を有する単量体が、アクリル酸またはその塩、メタクリル酸またはその塩から選ばれる単量体であり、
前記水溶性高分子化合物中のカルボン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合が5~95mol%である請求項18~20のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。 - 前記スルホン酸基を有する単量体が、イソプレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、イソアミレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、およびこれらの塩から選ばれる単量体であり、
前記水溶性高分子化合物中のスルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合が5~95mol%である請求項18~20のいずれか1項に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。 - 前記アミド基を有する単量体が、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキルアクリルアミド、N-アルキルメタクリルアミドから選ばれる単量体である請求項20に記載の磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
- 請求項5または6に記載の磁気ディスク基板の研磨方法の工程(3)で使用される研磨剤組成物Bの前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量がそれぞれ1,000~1,000,000であり、
カルボン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体の割合が5~95質量%、スルホン酸基を有する単量体を必須単量体とする重合体の割合が5~95質量%である磁気ディスク基板用研磨剤組成物。
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