JP7128080B2 - 空調機の腐食進行抑制方法、および空調機 - Google Patents

空調機の腐食進行抑制方法、および空調機 Download PDF

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Description

本発明は、空調機の腐食進行抑制方法、および空調機に関する。
従来から、空調機の室内機には、冷媒管とフィンとを有するフィンアンドチューブ型熱交換器が用いられている。そして、冷媒管には、熱伝導性および加工性に優れるため、JIS規定のりん脱酸銅C1220からなる銅管が用いられている。近年、熱交換器では、冷媒の漏洩をより厳しく管理することが求められ、特に銅管で発生している蟻の巣状腐食の対策がより必要となっている。
特許文献1には、0.05~1.5質量%のMnを含有し、酸素の含有量が100ppm以下である無酸素銅からなり、熱交換器用配管に用いられる耐蟻の巣状腐食性に優れた耐食性銅合金管が開示されている。また、特許文献2には、0.05~5質量%のMnおよび0.05~5質量%のMgを単独または組み合わせて含有するか、さらに0.05~10質量%のZnを含有した銅合金からなる銅合金製チューブを使用して、耐蟻の巣状腐食性を向上させたフィンチューブ型熱交換器が開示されている。
特開平06-192773号公報 特許第3046471号公報
特許文献1の耐食性銅合金管はりん脱酸銅管に比べ、蟻の巣状腐食に対する耐食性が大幅に向上することから、蟻の巣状腐食対策を重視するエアコン機種に採用されている。蟻巣の状腐食に対する耐食性をさらに向上させるには、特許文献2に記載されているように、Mnの含有量を1.5%を超えて含有させること等が効果的であるが、標準材であるりん脱酸銅管より、転造加工性やろう付性が低下し、製造コストが上昇する問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、室内機を備える空調機において、特定の銅材料を使用した冷媒管における特に蟻の巣状腐食の腐食進行抑制効果に優れた技術を提供することを課題とする。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、空調機の室内機に用いられるCuの含有量が99.95%以上、酸素の含有量が10ppm以下であり、残部が不可避不純物である空調用銅管からなる冷媒管に形成された腐食孔内の先端側に亜酸化銅を充満する空調機の腐食進行抑制方法であって、前記腐食孔内の先端側に腐食の進行を阻害する亜酸化銅を充満するために水分除去運転を行い、前記水分除去運転が、前記冷媒管の加熱乾燥によって行われ、前記加熱乾燥が、前記冷媒管の保持温度をX(℃)、保持時間をY(min)、前記空調機が設置された環境の環境温度(℃)と前記冷媒管の保持温度(℃)との温度差をZ(℃)としたとき、下式(1)又は下式(2)を満足するよう、下式(1)又は下式(2)に基づいて、前記冷媒管の保持温度X(℃)又は前記保持時間Y(min)を演算する
Y≧4000e-0.11X (1)
Y≧1100Z-1.5 (2)
このように腐食孔の内壁面に亜酸化銅を設けることで、腐食孔の銅の酸化を抑え、腐食孔が管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行する蟻の巣状腐食の進行を抑制することができる。
発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、水分除去運転が行われることによって、冷媒管に発生した腐食孔内の水分が除去され腐食孔内に亜酸化銅が形成され亜酸化銅の少なくとも一部が腐食孔の先端側では孔内に充満することで水分の侵入を阻止し管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記加熱乾燥が、前記空調機の暖房運転、または、前記室内機が備えるヒーターによって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、水分除去運転として冷媒管の加熱乾燥、特に、所定条件での加熱乾燥、暖房運転またはヒーターによる加熱乾燥が行われることによって、冷媒管に発生した腐食孔内の水分を除去し腐食孔内に亜酸化銅を設けることで管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することがさらに抑制される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記加熱乾燥が、前記室内機からの室内への排気阻止および排熱阻止と共に行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたルーバーによって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたドレイン配管によって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、加熱乾燥と共に排気阻止および排熱阻止、特にルーバーまたはドレイン配管による排気阻止および排熱阻止が行われることによって、室内環境への排熱や、高湿度気相の流出による不快度が減少すると共に、室内環境への腐食媒を含む排気の流出による室内環境汚染が防止される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記水分除去運転が、前記室内機の内部を減圧にする真空引き(減圧処理)によって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、水分除去運転として室内機の真空引きが行われることによって、冷媒管に発生した腐食孔内に亜酸化銅を設け、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することがさらに抑制される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記水分除去運転が、前記空調機の冷房運転または除湿運転の終了後から60日経過するまでまたは90日経過するまでの間に行われることが好ましい。さらに、本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記水分除去運転が必要であることをユーザーに伝える表示運転を前記水分除去運転前までに、さらに行うことがより好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、水分除去運転を60日あるいは90日以内に行うことで、冷房運転または除湿運転により水分が付着して冷媒管に発生した腐食孔内の水分を除去し腐食孔内に亜酸化銅を設けて管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。また、本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法では、表示運転、特に所定期間後に行われる表示運転をさらに行うことによって、水分除去運転が確実に実施される。
本発明に係る空調機は、室外機と、室内機と、制御装置と、を備え、前記室内機は、冷媒管を用いた室内熱交換器を有し、前記制御装置は、前記した空調機の腐食進行抑制方法を用いて前記室内機を制御するように構成されている。
前記のように構成した空調機では、室内機が前記の空調機の腐食進行抑制方法を用いて空調機を制御する制御装置を備えることによって、冷媒管に発生した腐食孔が管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法、空調機によれば、Cuの含有量が99.95%以上、酸素の含有量が10ppm以下であり、残部が不可避不純物である空調用銅管からなる冷媒管を用いた熱交換器を有する室内機を備える構成において、冷媒管における特に蟻の巣状腐食の腐食進行抑制効果に優れる。その結果、空調機において冷媒の漏れが抑制され、熱交換器の交換頻度を延ばすことができ、空調機の運用コストが低くなる。
本発明に係る空調機の構成を模式的に示すサイクル図である。 本発明に係る空調機の室内機の構成を模式的に示す断面図である。 室内機に用いられる熱交換器の構成を示す部分正面図である。 室内機に用いられる制御装置の構成を示すブロック図である。 腐食再現装置の構成を示す正面図である。 本発明に係る空調機の冷媒管に形成された蟻の巣状腐食孔に亜酸化銅を設けた状態を模式的に示す断面図である。 図6AのAの領域を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、0.5%ギ酸の雰囲気中に試験期間20日中で1日2回の乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図7Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、0.5%ギ酸の雰囲気中に試験期間20日中で乾燥しなかった場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図8Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間10日中で観察前に1回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図9Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図9Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図9Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間20日中で観察前に2回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図10Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図10Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図10Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間30日中で観察前に3回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図11Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図11Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図11Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間40日中で観察前に4回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図12Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図12Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図12Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間50日中で観察前に5回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図13Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図13Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図13Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間60日中で観察前に6回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図14Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図14Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図14Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間90日中で観察前に7回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図15Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図15Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図15Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 本発明に係る空調機の冷媒管において、試験期間120日中観察前に8回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、X線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図15Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態でのX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察した写真である。 図16Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。 図16Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。
まず、本発明の腐食進行抑制方法に用いる空調機、室内機および室内熱交換器について、図面を参照して説明する。
<空調機>
図1に示すように、空調機1は、室外機2と、室内機3と、制御装置17(図2参照)とを備え、室外機2と室内機3とが冷媒配管9を介して接続されている。室外機2は、冷媒を圧縮する圧縮機4と、冷媒の流れを切り換える四方弁5と、冷媒による熱交換を行う室外熱交換器6と、冷媒を膨張する膨張弁7と、各々を接続する冷媒配管9とを備えている。室内機3は、冷媒配管9を介して四方弁5および膨張弁7と接続し冷媒による熱交換を行う室内熱交換器8を備えている。
空調機1では、冷房運転時または除湿運転時には、圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5、室外熱交換器6、膨張弁7、室内熱交換器8と流れ、再び四方弁5を経由して圧縮機4に吸入されて冷房運転または除湿運転が実施される。
空調機1では、暖房運転時には、圧縮機4から吐出された冷媒は、四方弁5、室内熱交換器8、膨張弁7、室外熱交換器6と流れ、再び四方弁5を経由して圧縮機4に吸入されて暖房運転が実施される。
<室内機>
図2および図3に示すように、室内機3は、室内風路13を形成するケーシング14および吸入グリル12と、室内風路13に配置される室内熱交換器8および室内送風機10と、後記する腐食進行抑制方法を用いて空調機1を制御する制御装置17と、制御装置17の制御によって室内熱交換器8の冷媒管21に発生した腐食孔の内部の水分除去に用いられるヒーター11、ルーバー15、ドレイン配菅16および減圧ポンプ19と、を備えている。室内機3は、複数の室内熱交換器8と、複数の室内送風機10を備えていてもよく、室内熱交換器8と室内送風機10とは同数でなくてもよい。なお、本実施形態においては制御装置17を室内機3に配置しているが、本実施形態に限定されるものではない。
また、水分除去運転を空調機1の暖房運転によって行う場合、ヒーター11、及び減圧ポンプ19は必ずしも必要でない。
室内機3では、冷房運転時、除湿運転時または暖房運転時には、吸入グリル12から吸入された室内空気は、室内熱交換器8により冷風または暖風に熱交換され、その冷風または暖風を室内送風機10によって吹出口18から居住空間である室内に吹き出して冷房運転、除湿運転または暖房運転が実施される。
<室内熱交換器>
図3に示すように、室内熱交換器8は、並列された多数の直管21aと直管21aの両端部に接合された多数のリターンベンド管21bとからなる冷媒管21と、直管21aの外表面に一定間隔で並列された多数の板状のフィン22と、を備える。冷媒管21には、熱伝導性および加工性の観点から、JIS H 3300:2012(CDA10200)で規定された無酸素銅C1020からなる銅管が用いられる。フィン22には、熱伝導性および加工性の観点から、アルミニウムフィンが用いられる。
直管21aには、管内表面が平滑な平滑管が用いられるが、熱伝導性を向上させるために、管内表面に所定形状の溝が形成された溝付管を用いることが好ましい。溝形状としては、特に限定されないが、溝の溝リード角が15~45度、溝深さが0.10~0.35mm、溝間に形成されたフィンの山頂角が5~30度、フィン根元半径が溝深さの1/10~1/3であることが好ましい。また、リターンベンド管21bには、管内表面が平滑な平滑管が用いられるが、熱伝導性を向上させるために、直管21aと同様な溝付管を用いることが好ましい。
室内熱交換器8では、冷房運転時または除湿運転時には、室外機2の膨張弁7から膨張された冷媒が冷媒管21の内部に供給されることによって、室内空気は冷風に熱交換され冷房運転、除湿運転が実施される。この時、室内熱交換器8の冷媒管21を流れる冷媒により、冷媒管21の外面に設置されたフィン22が室温より低温に冷却される。これにより、フィン22の周りの空気が冷却され、室内空気の露点はフィンの温度より高いため、フィン22に結露が発生する。室内機2が設置されている雰囲気に低級カルボン酸などが含まれていると、結露水に溶け込み、冷媒管21に蟻の巣状腐食を発生させることがある。
室内熱交換器8では、暖房運転時には、室外機2の圧縮機4から吐出された冷媒が四方弁5を介して冷媒管21の内部に供給されることによって、室内空気は暖風に熱交換され暖房運転が実施される。
<制御装置>
制御装置17は、空調機1の運転の際、最初の冷房運転または除湿運転の終了後から所定期間経過した後、または、最後の水分除去運転後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後、所定期間経過した後に、室内機3(室内熱交換器8)の冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行う水分除去運転を行うように、空調機1を制御する。なお、最初の冷房運転または除湿運転とは、複数回の冷房運転または除湿運転された場合の最初の冷房運転または除湿運転を意味する。ここで、水分除去運転は、加熱乾燥または真空引きの2種の水分除去運転モードを有することが好ましい。
図4に示すように、制御装置17は、空調機1の冷房運転、暖房運転、水分除去運転等の運転モード、および、運転時間等の時間情報を含む運転履歴を記憶する記憶部17Aと、空調機1(室内機3、または、室外機2と室内機3)に水分除去運転を行う命令(信号)を出力する出力部17Bと、記憶部17Aの運転履歴等に基づいて出力部17Bに命令を出力するように指示する演算部17Dと、を備える。また、記憶部17Aは、水分除去運転が行われていない水分除去待機期間を記憶する。演算部17Dは、図示しないタイマー等の時間情報に基づいて水分除去待機期間をカウントし、記憶部17Aに記憶させる。記憶部17Aは、水分除去運転における条件、具体的には加熱乾燥条件および真空引き条件を記憶している。ここで、加熱乾燥条件としては、予め設定された温度および時間である。また、加熱乾燥条件としては、下記に示す関係式(1)を満たす冷媒管21の保持温度Xおよび保持時間Y、関係式(2)を満たす冷媒管21の保持時間Yおよび環境温度との温度差Zを記憶していることが好ましい。
演算部17Dは、記憶部17Aの運転履歴に基づいて、冷房運転または除湿運転の終了後から所定日数までの間に、すなわち、水分除去待機期間が所定値に達するまでの間に空調機1の水分除去運転を行う命令を出力部17Bから自動的に(所定値に達するまでの間で設定された条件〔時間〕に達したら)出力するように指示を行う。なお、所定日数は、水分除去運転待機期間(所定期間)を超えない日数の範囲内で任意に設定できる。また、演算部17Dは、リモコン等からの水分除去運転モードの入力に基づいて、空調機1の水分除去運転を行う命令を出力するように出力部17Bに指示を行う。ここで、水分除去待機期間は、無酸素銅からなる冷媒管21の場合として60日である。また、出力部17Bまたはリモコン等から水分除去運転の命令が出力された場合、演算部17Dは、記憶部17Aに記憶されていた水分除去待機期間をカウントしているカウンターをゼロにリセットする。なお、リモコン等からの水分除去運転モードの入力がない場合には、演算部17Dは、水分除去運転モード(加熱乾燥または真空引き)を予め設定されたモードで選択し、選択された水分除去運転モードに基づいて、空調機1の水分運転を行う命令を出力するように出力部17Bに指示する。
制御装置17は、空調機1の水分除去運転の際にリモコン等から水分除去運転モードの信号を受け取る入力部17Cをさらに備えることが好ましい。演算部17Dは、入力部17Cが受け取った水分除去運転モードの信号が加熱乾燥である場合、室外機2と室内機3とに通常の暖房運転時の駆動命令を出力するよう出力部17Bに指示することが好ましく、暖房運転の開始と共に、ルーバー15またはドレイン配管16による排気阻止および排熱阻止の命令を出力するよう出力部17Bに指示することがさらに好ましい。なお、演算部17Dは、入力部17Cが受け取った水分除去運転モードの信号が加熱乾燥である場合、室内機3のヒーター11に駆動命令を出力するよう出力部17Bに指示してもよい。
また、演算部17Dは、入力部17Cが受け取った水分除去運転モードの信号が真空引きである場合には、室内機3の減圧ポンプ19に駆動命令を出力するよう出力部17Bに指示することが好ましい。
水分除去運転モードが加熱乾燥である場合、演算部17Dは、空調機1の水分除去運転の際に、リモコン等から入力部17Cに入力された加熱乾燥の際の希望温度または希望時間に基づいて、関係式(1)(Y≧4000e-0.11X)を満足する加熱乾燥時の冷媒管21の保持温度X(℃)または保持時間Y(min)を演算することも行っている。つまり、関係式(1)のYの値あるいはXの値のどちらか一方を入力した場合、演算部17Dが、加熱乾燥の加熱時間および加熱温度を関係式(1)に基づいて演算して設定を変更する。演算部17Dは、演算部17Dで演算された冷媒管21の保持温度X(℃)または保持時間Y(min)で室内機3(ヒーター11)、または、室外機2と室内機3が加熱乾燥されるように出力部17Bに指示を行う。なお、リモコン等からの入力は、加熱乾燥の命令のみであってもよく、その場合には、リモコンの操作で、加熱乾燥の動作が行われるように命令が出力部17Bに出力される。
演算部17Dでは、冷媒管21の保持温度X(℃)の代わりに、加熱乾燥の際の空調機1が設置される環境の環境温度と冷媒管21の保持温度Xとの温度差Zを用いて、冷媒管21の保持温度Xまたは保持時間Yを演算してもよい。その際、演算部17Dでは、関係式(2)(Y≧1100Z-1.5)を用いる。また、環境温度は、室内機3等に備えられた図示しない温度センサ等によって測定され、記憶部17Aで記憶される。温度差Zおよび保持時間Yは、ユーザーによって希望値がリモコン等によって入力部17Cに入力され、演算部17Dに送られる。なお、リモコン等からの入力は、加熱乾燥の命令のみであってもよい。その場合は、演算部17Dは、記憶部17Aが予め記憶している冷媒管21の保持時間Yおよび温度差Zを出力部17Bに出力する。なお、演算部17Dは、記憶部17Aに記憶されている、予め設定された温度と時間とにより加熱乾燥の終了を検出し、加熱乾燥を終了させる命令を出力するように出力部17Bに指示を行う。また、演算部17Dは、記憶部17Aに記憶されている、冷媒管21の温度または環境温度との温度差で、関係式(1)または(2)の経過時間継続したか否かを判定することで、加熱乾燥の終了を検出し、加熱乾燥を終了させる命令を出力するように出力部17Bに指示を行う。
制御装置17は、冷房運転または除湿運転の終了後に水分除去運転が必要であることをユーザーに伝える表示運転を、水分除去運転に加えて行うように、空調機1を制御することが好ましい。また、制御装置17は、最初の表示運転が、冷房運転または除湿運転の終了後から所定日数までの間に行われるように、空調機1を制御することがさらに好ましい。ここで、所定日数は、所定期間よりも少ない日数であり、無酸素銅からなる冷媒管21の場合には一例として50日である。表示運転は、水分除去運転が行われるまで継続して行うことが好ましい。
制御装置17は、記憶部17Aの運転履歴等に基づいて、冷房運転または除湿運転の終了後から所定期間が経過した時点で、水分除去運転が必要であることをユーザーに伝えるアラームを室内機3またはリモコンに表示または点灯させる命令を演算部17Dから出力部17Bに指示して出力し、リモコンあるいは室内機3に送ることが好ましい。
制御装置17では、水分除去運転(加熱乾燥)中に、室内熱交換器8等に備えられた図示しない温度センサ等によって測定された冷媒管21の温度データを演算部17Dにフィードバックして冷媒管21の保持温度Xまたは保持時間Yを演算部17Dが演算し直し、その結果を出力部17Bに指示して出力してもよい。
<腐食進行抑制方法>
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法について説明する。なお、空調機、室内機、室内熱交換器の構成については、図1~図3を参照して説明する。
本発明の腐食進行抑制方法は、冷媒管21を用いた室内熱交換器8を有する室内機3を備える空調機1の腐食進行抑制方法であって、水分除去運転を行うこととする。
(水分除去運転)
水分除去運転は、空調機1の運転の際、冷房運転または除湿運転の終了後に、冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行うものとする。
水分除去運転は、その実施が、最初の冷房運転または除湿運転の終了後から所定期間(水分除去待機期間)の間に行われる。また、水分除去運転の終了後、空調機1を停止あるいは暖房運転した場合にも、その後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後から所定期間の間に水分除去運転を実施する。ここで、最初の冷房運転または除湿運転とは、複数回の冷房運転または除湿運転がなされた場合の最初の冷房運転または除湿運転を意味する。水分除去待機期間は、無酸素銅からなる冷媒管21の場合には60日である。そして、このように、水分除去運転が所定期間で行われることによって、冷媒管21に発生した腐食孔が、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。
水分除去運転の実施は、室内機3に備えられた制御装置17によって制御され、予め設定された条件に基づいて自動的に実施されることが好ましいが、空調機1のリモコン(有線接続型および無線接続型:図4参照)で使用者が手動で実施を制御してもよい。
水分除去運転は、冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行うことが可能であれば特に限定されないが、排気阻止および排熱阻止を伴わない加熱乾燥、排気阻止および排熱阻止を伴う加熱乾燥、または、真空引きが好ましい。
水分除去運転を行うことによって、腐食孔の内部に水分が残留しなくなり亜酸化銅が腐食孔Ch内に設けられる。そのため、水分除去運転後に新たに腐食環境にさらされても、腐食孔Chの孔壁面に形成される亜酸化銅により腐食が進行することがなく、冷媒管21に発生した腐食孔Chが、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することを抑制できる。
また、貫通孔の抑制機構は、以下のとおりと考えられる。空調機の冷房運転または除湿運転のときに発生する結露水に雰囲気中に含まれる蟻酸などの腐食媒が溶解し、冷媒管21の外表面にとどまることにより蟻の巣状腐食の起点が形成される。この起点より、蟻の巣状形態の腐食孔Chを形成しながら、冷媒管内部に向かって腐食が進行する。腐食の進行中、腐食孔Ch内部は腐食媒を含む水分と腐食生成物である亜酸化銅(CuO)40が形成される。ここで、亜酸化銅40は、腐食孔Chの内表面を被覆する等、腐食孔内部の少なくとも一部を満たしている。腐食孔Chが冷媒管21を貫通する前に、空調機に加熱乾燥、真空引き等の処理をすることにより、腐食孔内部から水分が除去され、腐食孔Chの内表面を乾燥した亜酸化銅40が被覆し、腐食孔内面を腐食媒から保護する役割を果たす。
水分除去後の腐食孔入り口から内部まで存在する亜酸化銅40は、乾燥により腐食孔Ch内部を緻密に充填している(ただし、腐食孔内部は亜酸化銅のみではなく、不純物として酸化銅(CuO)がわずかに含まれる可能性がある)。また、腐食反応により一旦形成された亜酸化銅40は、乾燥後、腐食媒を含む水分と再び接触しても安定して存在することができる。このため、乾燥後の冷媒管21の既存の腐食孔Chの入り口部分が腐食媒を含む水分により再び覆われることがあっても、腐食孔Chを充填する緻密な亜酸化銅が、腐食孔内部に水分が進入することを許さない。このようにして、既存の腐食孔Chにおける蟻の巣状腐食の進行が阻止される。その後、新たに形成される蟻の巣状腐食に対しても、腐食孔Chが冷媒管21を貫通する前に同様な処理をすることにより、蟻の巣状腐食の進行を止め、冷媒管21の貫通を抑止することが可能になる。
腐食孔、特に蟻の巣状腐食孔は孔形状が非常に細いため、孔内部に一旦侵入した水分の除去には、孔内外での圧力差等の駆動力が必要となる。
加熱乾燥の場合は、加熱によって孔内部で水分が体積膨張、気化する等で孔内部の圧力が上昇することで、孔内外で圧力差が生じる。この圧力差が孔内部の水分に孔内部からの除去の駆動力として作用する。
真空引きの場合は、冷媒管外面の圧力が減少することで、孔内外で圧力差が生じる。この圧力差が孔内部の水分に孔内部からの除去の駆動力として作用する。
加熱乾燥は、室内熱交換器8の冷媒管21の加熱乾燥を行うものである。そして、加熱乾燥条件は、予め設定された温度および時間が設定されている。あるいは、加熱乾燥条件は、加熱乾燥において冷媒管21の保持温度X(℃)、保持時間をY(min)としたとき、下式(1)を満足することが好ましい。ここで、冷媒管21の保持温度Xは冷媒管21自体の到達温度である。そして、到達温度は、冷媒管21に直接設けたセンサにより測定されることや、あるいは、室内熱交換器8を測定し、測定した温度から予め設定さ算出式により算出された値を測定した温度としている。なお、冷媒管21を乾燥させるには冷媒管21の温度を室内機3の内部温度より高くする必要があることから、通常の運転においては、保持温度Xは25℃以上である。
Y≧4000e-0.11X (1)
また、加熱乾燥条件は、加熱乾燥において空調機1が設置された環境の環境温度(℃)と冷媒管21の保持温度X(℃)との温度差Z(℃)、冷媒管21の保持時間Y(min)としたとき、下式(2)を満足するものであってもよい。
Y≧1100Z-1.5 (2)
また、前記した関係式(1)または(2)は、加熱乾燥条件確認試験により予め導出したものである。
なお、加熱乾燥を空調機1の暖房運転により行う場合、室内熱交換器8を流れる冷媒の温度は上流側(冷媒の入側)で高く、下流側(冷媒の出側)で低くなる。このため、加熱乾燥を確実に行うには、保持温度Xは室内熱交換器8の下流側の冷媒管21において測定することが望ましい。また、室内機3に複数の室内熱交換器8が含まれる場合は、保持温度Xは、そのうち最も低温になる室内熱交換器8の値を用いることが望ましい。加熱乾燥をヒーター11により行う場合も、暖房運転の場合と同様に考えて、保持温度Xの測定点を定めればよい。
前記した設定した温度および時間、あるいは、上式(1)または上式(2)を満足する温度、時間で加熱乾燥を行うことによって、室内熱交換器8の冷媒管21に発生した腐食孔内部の水分を除去することができ、腐食孔Ch内に亜酸化銅40を設け、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することを抑制できる。また、加熱乾燥と同時に送風を行うことによって、上式(1)または上式(2)よりも短時間で、腐食孔内部の水分を十分除去することができると考えられる。なお、送風は、例えば、室内機3の内部に備えられた室内送風機10によって行うことが好ましい。
室内熱交換器を構成する冷媒管21はアルミフィン22に覆われており、加熱乾燥した場合、冷媒管21とアルミフィン22が一体として温度が上昇していく。そして、アルミフィン22間に保持されている水分の温度がまず上昇し、この水分の気化が始まる。気化により、アルミフィン22間の水分が蒸発してしまうと、冷媒管21とアルミフィン22の温度がさらに上昇し、冷媒管21とアルミフィン22の隙間の水分、および蟻の巣状腐食により形成された冷媒管21の腐食孔Ch内部の水分の気化が盛んになる。冷媒管21はアルミフィン22によりカバーされていることから、これらの水分の気化には時間がかかる。本発明においては、冷媒管21の腐食孔Ch内部の水分まで気化させ、除去することで亜酸化銅40を腐食孔Ch内に設けるものである。実際の室内熱交換器においては、冷媒管21の外径、肉厚、アルミフィン22の厚さ、ピッチ、室内熱交換器を構成する冷媒管21の本数が異なる。そのため、実際の室内熱交換器の乾燥に要する時間は、前記の関係式(1)または(2)に基づき、熱交換器の設計段階で実験的に決めることが望ましい。
なお、従来より、結露水により室内熱交換器内部に発生するカビを防止するため、冷房、または除湿運転後、室内機内に送風する運転、または暖房しながら送風運転する技術が公知である。これらの技術においては、アルミフィン間にたまった結露水を風圧により除去することを主目的とするものであり、アルミフィンと冷媒管(銅管)の隙間の水分の除去まで考慮したものではない。仮に、アルミフィンと冷媒管(銅管)の隙間に水分が残存しても、銅の抗菌作用によりこの部分でのカビの発生が抑えられるからである。本発明である空調機の腐食抑制方法および空調機においては、アルミフィン22と冷媒管(銅管)21の隙間に水分、及び銅管に形成された腐食孔Ch内部の水分まで除去して亜酸化銅40を腐食孔Ch内に設ける技術であり、この点が防カビを目的とする前記技術と異なる。
加熱乾燥は、空調機1の暖房運転、または、図2で記載した室内機3に備えられたヒーター11の駆動、あるいは空調機1の暖房運転と室内機3に備えられたヒーター11駆動を同時に行うことによって行われることが好ましい。そして、空調機1の暖房運転、または、ヒーター11の駆動は、室内機3に備えられた制御装置17によって制御される。なお、空調機1の暖房運転は、前記した通常の暖房運転と同様である。
ヒーター11は、図2に記載されているように、室内風路13において、室内熱交換器8と室内送風機10との間に配置されるが、室内熱交換器8で熱交換された冷風または暖風を室内送風機10で送風する際に、送風の妨げにならない位置に配置されることが好ましい。ヒーター11の個数は、1つに限定されず複数であってもよいが、室内熱交換器8と同数、または、室内熱交換器8の半数であることが好ましい。また、ヒーター11は、熱交換器8のうち腐食が進行しやすい箇所を集中的に加熱乾燥できるような位置に設置されることが好ましい。腐食が進行しやすい箇所としては、例えば、水分が比較的多く存在するドレンパン周辺等が考えられる。
加熱乾燥は、室内機3からの室内への排気阻止および排熱阻止と共に行われることが好ましい。排気阻止および排熱阻止は、図2に記載された室内機3に備えられたルーバー15またはドレイン配管16によって行われることが好ましい。
ルーバー15は、ケーシング14の吹出口18に備えられ、その閉鎖によって、加熱乾燥運転によって発生した高熱や高湿度気相が、吹出口18から室内に排気および排熱されることを阻止できる。また、室内機3に、例えば、室外または室外機2につながる図示しない排気用風路を設け、排気用風路に送風機等を設けることによって、排気用風路を通して、室内風路13の高熱や高湿度気相を、外部に排気および排熱できる。
ドレイン配管16は、室内風路13の室内熱交換器8の下部に、室内熱交換器8と同数で設けられる。また、ドレイン配管16を、例えば、図示しない排気用風路側に傾斜させ、排気用風路に送風機等を設けることによって、排気用風路を通して、加熱乾燥運転によって発生した室内風路13の高熱や高湿度気相を、外部に排気および排熱できる。その結果、加熱乾燥によって発生した高熱や高湿度気相が、吹出口18から室内に排気および排熱されることを阻止できる。
真空引きは、室内機3の室内風路13を減圧できれば特に限定されないが、ルーバー15を閉じた状態で、図2に記載された減圧ポンプ19によって行うことが好ましい。減圧ポンプ19、減圧度の制御は、室内機3に備えられた制御装置17によって行うことが好ましい。そして、このような真空引きが行われることによって、冷媒管21に発生した腐食孔の内部の水分が除去され、腐食孔Chの内部に亜酸化銅40が設けられ冷媒管21に発生した腐食孔Chが、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。冷媒管21の腐食孔内の水分の蒸気圧は冷媒管21の温度により決まる。そのため、真空引きにより水分除去を行うには、室内機内の真空度は、前記冷媒管21の温度から求まる蒸気圧より小さくなるように設定する必要がある。温度が高いほど蒸気圧は高くなるから、真空引きと暖房運転を組合わせるとより効果的な水分除去が可能になる。
水分除去運転は、その実施が、冷房運転または除湿運転の終了後から60日経過するまでの間に行われることが好ましい。また、水分除去運転の終了後、空調機1を停止あるいは暖房運転した場合にも、その後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後から60日経過するまでの間に水分除去運転を実施することが好ましい。そして、このように、水分除去運転が所定期間で行われることによって、冷媒管21に発生した腐食孔Chの内部に亜酸化銅40が設けられ、管肉厚を貫通する貫通孔にまで進行することが抑制される。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、表示運転をさらに行うことが好ましい。
<表示運転>
表示運転は、水分除去運転が必要であることをユーザーに伝えるもので、室内機3またはリモコンにアラームを表示または点灯させるものとする。なお、空調機1がインターネットに接続されているものであれば、メールによりアナウンスするものであってもよい。そして、表示運転の制御は、図2に記載された室内機3に備えられた制御装置17で行う。
表示運転は、その実施が、冷房運転または除湿運転の終了後から50日までの間に行われることが好ましい。また、表示運転によって実施された水分除去運転の終了後、空調機1を停止運転あるいは暖房運転した場合にも、その後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後から90日、より好ましくは60日までの間に表示運転を実施することが好ましい。このように、表示運転をさらに行うことによって、水分除去運転が確実に実施されるため、冷媒管21に発生した腐食孔Chの内部に亜酸化銅が設けられ、管肉厚を貫通する貫通孔まで進行することがさらに抑制される。
本発明の空調機の腐食進行抑制方法に用いる空調機用銅管は、Cuの含有量が99.95%以上、酸素の含有量が10ppm以下であり、残部が不可避不純物からなる。この組成は、JIS H 3300:2012で規定された無酸素銅C1020、及びCDA規格の無酸素銅C10200の組成を含むものである。前記組成の銅管を用いることにより、蟻の巣状腐食が発生後、水分除去処理を行ったときに、腐食生成物である亜酸化銅40が腐食孔内壁面に付着することにより、腐食孔内部において、腐食媒を含む腐食液が銅管母材(Cu)と接触することを防止する。そのため、腐食孔Chが新たに蟻の巣状腐食環境にさらされた場合でも、それ以上腐食が進行することを抑制することができ、腐食孔Chが銅管肉厚を貫通することを防止することができる。
本発明の空調機用銅管として、C1020及びC10200を用いることができるが、これらの銅管は、酸素含有量が10ppm以下、導電率101%IACS以上の高純度の純銅であり、通常は真空溶解、雰囲気溶解等の特殊な溶解鋳造設備を用い、原料及び不純物に対しても厳しい管理をすることにより製造されている。また、その製造には、設備だけでなく、経験やノウハウに基づく高度な操業技術が必要になる。このため、製造コストが高くなりやすい。このため、本発明の空調機用銅管として、Cuの含有量が99.95%以上、酸素の含有量が10ppm以下であり、不可避不純物として、P、Si、Al、Mg、Zn、Be、Ca、Fe、Ni、Co、Mn、Ti、Cr、Zr等の元素より選択する1種または2種以上を最大0.035%まで含有する無酸素銅相当銅管を用いてもよい。前記無酸素銅相当銅管は、Cuより酸素との親和力が大きい元素を脱酸元素として活用することにより、無酸素銅より安価に製造することが可能になる。前記無酸素銅相当銅管の導電率は90%IACS以上が望ましく、95%IACS以上であることがより望ましい。導電率を前記範囲に保つには、微量でも導電率を低下させるP、Si、Al、及びFeの含有量をそれぞれ0.005%以下とすることが望ましい。特に、Pについては蟻の巣状腐食を促進する元素であることから、0.004%以下が望ましく、0.0035%以下がより望ましく、0.003%以下がさらに望ましい。
本発明に係る腐食進行抑制方法の空調機実機における腐食進行抑制効果を評価するため、以下に示す模擬腐食試験を行った。また、本発明に係る空調機実機における加熱乾燥条件を導出するため加熱乾燥条件確認試験を行った。
(模擬腐食試験)
模擬腐食試験には、図5に示す腐食再現装置30を用いた。腐食再現装置30は、内容量2Lの密閉容器31と、密閉容器31の上部に設置されたシリコン栓34と、シリコン栓34に挿し込まれた冷媒管を模擬した供試材33と、を備える。
密閉容器31は、腐食液媒32(腐食媒を含む水溶液)を500mL充填し、その内部を1L/minで5min酸素置換した。供試材33としては、JIS H 3300:2012に規定された無酸素銅C1020からなる外径:9.52mm、肉厚:0.80mm、長さ:200mmの平滑管を用いた。平滑管は、シリコン栓34から腐食媒32側に露出した下端部を封止した。
密閉容器31の内部環境を湿度飽和状態に調整するため、密閉容器31を恒温槽内に設置した(試験雰囲気温度40℃)。シリコン栓34の腐食媒32側から100mm露出した供試材33の管外面を腐食評価面とした。
供試材33が設置された腐食再現装置30を用いて、供試材33を所定サイクルで冷却による水分付着(冷房運転を想定)、加熱による水分除去(水分除去運転を想定)、試験雰囲気温度40℃における保持(停止状態を想定)を繰返すサイクル運転(一例として、1日2回の水分除去)を行った。供試材33の冷却、保持は、恒温槽内で行った。水分除去は、供試材33を取り出して、熱風を当てることにより行った。この時の銅管表面の温度は80℃であった。
本試験において、冷却により供試材33の外面に腐食液媒32より揮発した腐食媒を含む水滴が結露し、蟻の巣状腐食が発生、進行する。また、加熱により水分が気化して腐食孔内の水分も除去され腐食孔Chの内部に亜酸化銅40が設けられ、蟻の巣状腐食の進行が停止する。乾燥後、次の冷却サイクルにおいて、腐食媒32を含む水分が付着した試材33では新たな場所に蟻の巣状腐食が発生するが、既存の腐食孔の部分では腐食が進行しない。サイクル運転終了後、供試材33の管外面をX線CTスキャナ(島津製作所製、型式inspeXio SMX-225CT FPD)で観察し、管長さ10mmにおける管全周の範囲に発生した全ての腐食孔の腐食深さを測定し、最大腐食深さで腐食進行抑制効果を評価した(図7Aおよび図7B参照)。最大腐食深さが肉厚の1/4である0.20mm未満のときに腐食進行抑制効果があると評価した。
なお、JIS H 3300:2012に規定された無酸素銅C1020からなる外径:9.52mm、肉厚:0.80mm、長さ:200mmの平滑管を用い、水分除去を行わない点を除き、前記と同様な試験を行い、腐食の様子を同様に観察した(図8Aおよび図8B参照)。
空調機実機における腐食孔内部の水分除去による腐食進行抑制効果を確認するため、表1に示すサイクル運転条件で連続20日間運転を行った。なお、腐食液媒32としては、0.5vol%ギ酸溶液(腐食媒はギ酸)を使用した。運転終了後、最大腐食孔深さを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0007128080000001
表1の結果から、水分除去を行った本発明の要件を満足する実施例No.1では、最大腐食孔深さが0.10mm未満であり、腐食進行抑制効果があることが確認された。なお、水分除去を行わなかった本発明の要件を満足しない比較例No.2では、最大腐食孔深さが0.29mmであり、腐食が進行している腐食孔が形成されていたことが分かる。
(水分除去運転待機期間確認試験)
腐食進行抑制に必要な水分除去運転待機期間を調べるために、前記模擬腐食試験と同様に図5に示す腐食再現装置30を用いて、供試材(銅管)33に20℃で120分間の冷却(冷房運転による水分付着を想定)、40℃で1320分間の保持(停止状態を想定)の温度サイクルを繰り返し施すサイクル運転を行った(水分除去はなし)。所定日数の経過後、供試材33の最大腐食深さを、前記模擬腐食試験と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
本試験の供試材33としては、無酸素銅C1020からなる外径:9.52mm、肉厚:0.80mm、長さ200mmの平滑管を用い、腐食液32として空調機が使用される実環境を模擬した0.01vol%ギ酸溶液(腐食媒はギ酸)を用いた。
Figure 0007128080000002
表2の結果から、無酸素銅からなる供試材33では60日経過後であっても最大腐食深さが0.12mmであった。
空調機の冷媒管として使用される一般的な銅管の肉厚は、0.20mmであるので、無酸素銅C1020からなる冷媒管を用いた空調機では、水分除去待機期間を60日に設定、すなわち、最初の冷房運転または除湿運転の終了後から60日までの間に水分除去運転を行えば、冷媒管の管肉厚を貫通する腐食孔の発生を抑制できることが確認できた。
(加熱乾燥の効果確認試験)
加熱乾燥による長期間にわたる腐食制御の効果を調べるために、腐食液32として空調機が使用される実環境を模擬した0.5vol%ギ酸溶液(腐食媒はギ酸)を用いて湿度飽和環境下において試験を行った。
本試験には、前記模擬腐食試験と同様に図5に示す腐食再現装置30を用いた。供試材33としては、無酸素銅C1020からなる平滑管(外径:9.52mm、肉厚:0.80mm、長さ:200mm)を用いた。試験要領は以下のとおりである。
(1)試験開始後60日まで
以下の〔第1項目〕と〔第2項目〕を6回繰り返す
〔第1項目〕密閉容器31の内部環境を温度40℃で22時間および20℃で2時間とするサイクルで供試材を10日間保持する(10サイクル)。
〔第2項目〕10日経過後、供試材33を密閉容器31外に取り出して、熱風を当てる水分除去処理(供試材の表面温度は80℃)を行ってから、前記したX線CTスキャナで観察観測する。
(2)試験開始後60日~120日まで
1の試験で60日保持した供試材33に対して以下の〔第3項目〕と〔第4項目〕を2回繰り返す
〔第3項目〕密閉容器31の内部環境を温度40℃で22時間および20℃で2時間とするサイクルで供試材を30日間保持する(30サイクル)。
〔第4項目〕30日経過後、供試材33を密閉容器31外に取り出して、熱風を当てる水分除去処理(供試材の表面温度は80℃)を行ってから、前記したX線CTスキャナで観察観測する。
加熱乾燥の効果確認試験においてX線CTスキャナで観察した結果を図9A~図9D乃至図16A~図16Dを参照して示す。なお、供試材33では、形式的に番号を付けた第1腐食孔Ch1(腐食深さが最も深い腐食孔)を基準にして観察することとして説明する。また、蟻の巣状腐食は三次元的に進行することから、一断面だけの観察でその全体像を観察する事はできない。そこで、10日目に存在する第1腐食孔Ch1を含む[範囲]を規定し、管軸方向および管軸直交方向の断面について、定めた範囲内に存在する腐食孔を、全て一断面へと重ね合せ処理を実施した。なお、ここでは、サンプル全長10mmの範囲を1000枚のスライス像に含まれる腐食孔Chの全てを1画面上に表示するように図9A~図9D乃至図16A~図16Dでは示している。このような重な合せ処理により、観察したい第1腐食孔Ch1及び他の腐食孔Chの全体像を観察する事ができた。
図9Aは、空調機の冷媒管において、試験期間10日中で観察前に1回、乾燥した場合の腐食の進行状態を、前記したCTスキャナで観察した写真である。図9Bは、図9Aにおいて観察ポイントの腐食孔の位置を冷媒管の長手方向に切断した状態での前記したCTスキャナで観察した写真である。図9Cは、図9Aの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。図9Dは、図9Bの観察ポイントの腐食孔の位置を拡大した写真である。なお、図10A~図10D乃至図16A~図16Dは、図9A~図9Dと同じ位置関係であり試験期間が異なるものである。
図9A~図9Dに示すように、10日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の第1腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図10A~図10Dに示すように、20日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図11A~図11Dに示すように、30日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図12A~図12Dに示すように、40日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図13A~図13Dに示すように、50日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の第1腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図14A~図14Dに示すように、60日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図15A~図15Dに示すように、90日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
図16A~図16Dに示すように、120日目の供試材33の腐食状態では、供試材33の腐食孔Ch1およびその他の腐食孔Chが管表面に形成されている。このときの腐食孔Ch1の深さは、0.24mmである。
前記したように供試材33は、加熱乾燥ありの試験期間において、第1腐食孔Ch1では、内部に亜酸化銅40が設けられているため、腐食が進行していないことが判断できる。したがって、本発明での加熱乾燥条件であれば、実環境において、冷媒管(供試材)の管表面だけでなく、腐食孔内部の水分を十分に乾燥でき、腐食孔Ch内に亜酸化銅40を設けることで腐食の進行を抑制すると考えられる。
上記では冷媒管について説明したが、本発明は、室外機と室内機とを接続する冷媒用配管が銅管である場合にも好適に適用される。上述のような空調機の運転によれば、冷媒用配管内も必然的に水分除去される状況であり、同様の効果を奏するものと考えられる。
また上記では所定期間を日数で指定したが、時間で指定しても良い。無酸素銅からなる冷媒管を用いる場合、好ましくは、最初の冷房運転または除湿運転の終了後、または、最後の水分除去運転後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後から1440時間以内に水分除去運転が行われる。さらに、水分除去運転のタイミングは、60日として設定して説明したが、図15A~図15Dおよび図16A~図16Dで示したように、120日以内の期間であれば、冷媒管21に貫通する状態が発生していないため、120日以内であれば、例えば、90日あるいは100日として設定することとしても構わない。
1 空調機
2 室外機
3 室内機
4 圧縮機
5 四方弁
6 室外熱交換機
7 膨張弁
8 室内熱交換器
9 冷媒配管
10 室内送風機
11 ヒーター
12 吸入グリル
13 室内風路
14 ケーシング
15 ルーバー
16 ドレイン配管
17 制御装置
18 吹出口
19 減圧ポンプ
21 冷媒管
21a 直管
21b リターンベンド管
22 フィン
30 腐食再現装置
31 密閉容器
32 腐食媒
33 供試材
34 シリコン栓
40 亜酸化銅
Ch 腐食孔(蟻の巣状腐食孔)

Claims (10)

  1. 空調機の室内機に用いられるCuの含有量が99.95%以上、酸素の含有量が10ppm以下であり、残部が不可避不純物である空調用銅管からなる冷媒管に形成された腐食孔内の先端側に亜酸化銅を充満する空調機の腐食進行抑制方法であって、
    前記腐食孔内の先端側に腐食の進行を阻害する亜酸化銅を充満するために水分除去運転を行い、
    前記水分除去運転が、前記冷媒管の加熱乾燥によって行われ、
    前記加熱乾燥が、前記冷媒管の保持温度をX(℃)、保持時間をY(min)、前記空調機が設置された環境の環境温度(℃)と前記冷媒管の保持温度(℃)との温度差をZ(℃)としたとき、下式(1)又は下式(2)を満足するよう、下式(1)又は下式(2)に基づいて、前記冷媒管の保持温度X(℃)又は前記保持時間Y(min)を演算することを特徴とする空調機の腐食進行抑制方法。
    Y≧4000e-0.11X (1)
    Y≧1100Z-1.5 (2)
  2. 前記加熱乾燥が、前記空調機の暖房運転によって行われることを特徴とする請求項1に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  3. 前記加熱乾燥が、前記室内機が備えるヒーターによって行われることを特徴とする請求項1に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  4. 前記加熱乾燥が、前記室内機からの室内への排気阻止および排熱阻止と共に行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  5. 前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたルーバーによって行われることを特徴とする請求項4に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  6. 前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたドレイン配管によって行われることを特徴とする請求項4に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  7. 前記水分除去運転が、前記空調機の冷房運転または除湿運転の終了後から60日経過するまでの間に行われることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  8. 前記水分除去運転が必要であることをユーザーに伝える表示運転を、前記水分除去運転前までに、さらに行うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  9. 前記表示運転が、前記空調機の冷房運転または除湿運転の終了後から50日経過するまでの間に行われることを特徴とする請求項8に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
  10. 室外機と、
    室内機と、
    制御装置と、を備え、
    前記室内機は、冷媒管を用いた室内熱交換器を有し、
    前記制御装置は、請求項1~9のいずれか一項に記載の前記空調機の腐食進行抑制方法を用いて前記室内機を制御することを特徴とする空調機。
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