JP2022152750A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】蟻の巣状腐食に耐性を備える銅管を使用することで蟻の巣状腐食の発生を低減しながら、その他の腐食に対しても耐性を備える処理を行うとともに、このような銅管の使用箇所を限定することでコストダウンを図ることができる空気調和機を提供する。【解決手段】折り曲げ部11と、折り曲げ部に連続する2本の直管部12,13と、を備える伝熱管10と、複数の伝熱管10の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置される複数のフィン20と、から構成される熱交換器4を備え、複数の伝熱管10は、材質の異なる第1の伝熱管10Aと第2の伝熱管10Bとから構成される。【選択図】図2
Description
本発明の実施の形態は、空気調和機に関する。
空気調和機は、一般的に室内に設置される室内機と室外に設置される室外機とから構成され、これら室内機及び室外機を連結して構成される冷凍回路内を冷媒が循環することによって室内の温度や湿度を調整している。
例えば、空気調和機において冷房運転が行われる場合、冷媒は、室外機に設けられている圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、室内機に設けられている室内熱交換器、再度室外機の圧縮機の順に冷凍回路内を循環する。
すなわち、室外機の圧縮機から高温高圧の冷媒が室外熱交換器に供給される。室外熱交換器では、冷媒の熱を外気に放熱し、低温となった冷媒は膨張弁を通過することで低圧に減圧される。その後、低温低圧にされた冷媒は、室内熱交換器に供給され、室内熱交換器で周囲の空気との間で熱交換が行われる。この熱交換によって、室内には冷気が供給される。そして熱交換により吸熱した冷媒は圧縮機へと供給される。
室内熱交換器で熱交換が行われる場合、例えば周囲との温度差によって室内機の筐体内や伝熱管等において結露が生じ、結露により生じた水はドレンパンを介して外部へと排出される。このドレンパンは、室内機の内部において室内熱交換器と近接した位置に配置される。
ここで、室内熱交換器は、冷媒が通過する冷凍回路の一部を構成する伝熱管と、空気と冷媒との間の熱交換を促進するためのフィンを備えている。伝熱管については、例えば銅管が用いられる。上述したように、伝熱管のうち、例えばドレンパンに近接する部分については、水が付着したままとなりやすく、腐食が生じやすくなる場合がある。腐食により伝熱管に穴が空いてしまうと冷媒が漏洩する原因となる。
そこでこのような腐食のうち、例えば銅管表面の微小な腐食孔から管肉厚方向に蟻の巣状に進行する腐食、いわゆる蟻の巣状腐食に耐性を有する銅管が開発されている(以下の特許文献1参照)。当該銅管を使用することによって、蟻の巣状腐食から伝熱管を守り伝熱管の長寿命化を図ることができるとされている。
しかしながら、このような特許文献1に記載される銅管を使用することで蟻の巣状腐食の発生、進行を低減させることができるとしても、このような銅管は一般的に用いられる、例えば無酸素銅を用いた銅管に比べて高価である。また、蟻の巣状腐食には耐性があるものの、その他の、例えばアンモニア腐食やそれに伴う応力腐食割れに対しては脆弱な場合もあり、このような腐食割れの対策には相応の費用が掛かることになる。従って、このような銅管の採用は、蟻の巣状腐食を低減できる一方、コストアップを招く。
本発明は、蟻の巣状腐食に耐性を備える銅管を使用することで蟻の巣状腐食の発生を低減しながら、その他の腐食に対しても耐性を備える処理を行うとともに、このような銅管の使用箇所を限定することでコストダウンを図ることができる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る空気調和機は、折り曲げ部と、折り曲げ部に連続する2本の直管部と、を備える伝熱管と、複数の伝熱管の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置される複数のフィンと、から構成される熱交換器を備え、複数の伝熱管は、材質の異なる第1の伝熱管と第2の伝熱管とから構成される。
本発明によれば、蟻の巣状腐食に耐性を備える銅管を使用することで蟻の巣状腐食の発生を低減しながら、その他の腐食に対しても耐性を備える処理を行うとともに、このような銅管の使用箇所を限定することでコストダウンを図ることができる空気調和機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る空気調和機1の構造を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和機1の室内機の内部構造を模式的に示した断面図である。
なお、図1には室内機1しか図示していないが、室内機1は室外機と接続され、室内機1と室外機との間では上述した冷凍回路が構成されている。室内機1は、例えば、室内の高所壁面に取り付けられる壁掛け式の室内機である。
図1に示すように、室内機1は、その筐体上面に吸込口2が設けられている。また筐体下部には、下向きに開口する吹出口3が設けられている。室内機1の筐体内には、吸込口2と対向する位置に略逆Vの字の形状に形成されている室内熱交換器4が、また、これらの室内熱交換器4に挟まれるように送風ファン5が設けられている。室内熱交換器4の下側には、ドレンパン6が設けられている。
図1に示す室内機1では、吸込口2として2つの開口2a,2bが形成されている。室内機1が設置されている室内の空気が吸込口2から筐体内に取り込まれて、室内熱交換器4に供給される。
吹出口3には上下風向板3a,3bが設けられている。これらの上下風向板3a,3bは、それぞれ室内機1の長手方向と平行な回転軸線周りに回転することができるようにされている。回転に応じてこれら上下風向板3a,3bは吹出口3を開閉する。これらの上下風向板3a,3bを動かすことによって室内に供給される空気の向きを変えることができる。
室内熱交換器4は、吸込口2から取り込まれた室内の空気と室内熱交換器4内を循環する冷媒との間で熱交換を行う。例えば、空気調和機1が冷房運転を行っている場合には、周囲の空気から吸熱し、反対に空気調和機1が暖房運転を行っている場合には、周囲の空気に放熱する。
本発明の実施の形態における室内熱交換器4は、前側体4a、後側体4b、及び下側体4cから構成される。前側体4a及び下側体4cは送風ファン5の前側(「前側」とは吹出口3から室内に空気が供給される側(図1に示す室内機1に向かって左側)を言う。)から、後側体4bは送風ファン5の後側(「後側」とはその反対側(図1において向かって右側)を言う。)からそれぞれ送風ファン5に対向するように配置される。
また、下側体4cは、前側体4aより下部に配置され、下側体4cの下部はドレンパン6に対向する位置に配置される。また、前側体4aと後側体4bとは、上端で相互に連結されている。
なお、室内熱交換器4のさらに詳しい構成については後述する。また、前側体4a等、各構成を問わず室内熱交換器4全体に関連する内容について説明する場合には、これまで通り「室内熱交換器4」と表す。
送風ファン5は、筐体内に回転自在に支持されている。送風ファン5には、例えば、クロスフローファンが用いられる。送風ファン5の回転に応じて、吸込口2から筐体内に取り込まれた空気は、室内熱交換器4を通過する。その結果、吸込口2から室内機1の内部に入った室内の空気は、室内熱交換器4を通って冷媒と熱交換され、冷却或いは加熱されて所望の温度にされ、送風ファン5の回転によって吹出口3から室内に送り出される。
なお、上下風向板3a,3b及び送風ファン5は、図1に図示しない駆動源からそれぞれの回転軸周りの駆動力が伝達されることによって回転する。
ドレンパン6には、室内熱交換器4において結露した水が集められる。集められた水は、図示しないドレンホースを介して空気調和機1の外に排水される。本発明の実施の形態におけるドレンパン6は、室内熱交換器4の後側体4bの下側に配置される第1のドレンパン6aと、下側体4cの下側に配置される第2のドレンパン6bとを備える。第1のドレンパン6aには後側体4bからの水が、第2のドレンパン6bには前側体4a及び下側体4cからの水が集められる。
なお、第1のドレンパン6a、第2のドレンパン6bとのいずれにも関連する内容について説明する場合には、適宜「ドレンパン6」と示して説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る室内熱交換器4の全体を示す斜視図である。図2に示すように、本発明の実施の形態における室内熱交換器4は、複数の伝熱管10と複数のフィン20とを有する。
なお、以下の説明では、図2に示すx方向を室内熱交換器4の前後方向、y方向を室内熱交換器4の左右方向、z方向を室内熱交換器4の上下方向とする。また、矢印αは室内熱交換器4に空気が流れる方向(図2のx方向)を示している。さらに、室内熱交換器4を構成する前側体4a、後側体4b、及び下側体4cは、いずれも同じ構成であることから、ここでは特段これらを区別せずに室内熱交換器4としてその構成を説明する。
伝熱管10は円管形状の銅管を曲げてヘアピン状に形成され、空気の流れ方向αに直交する平面内(図2のyz面)において、図2に示す室内熱交換器4では、上下方向に平行に5本配置されている。なお、本発明の実施の形態における室内熱交換器4では、上記のように伝熱管10を5本備えるものとしているが、室内熱交換器4を搭載する空気調和機1で必要とされる定格能力に応じて、伝熱管10の本数は適宜増減することが可能である。
伝熱管10は、折り曲げ部11とこれに連続する2本の直管部12と13とを有しており、直管部12が直管部13より上方に配置される。また、伝熱管10の直管部13の端部とその下方に配置される伝熱管10の直管部12の端部とがU字管14で接続されて、1本の管路15が形成される。なお、図2ではU字管14と直管部12,13との接続部分は、後述するフィンに隠れて図示されていない。
管路15の両端部、つまり、最上部に位置する伝熱管10の直管部12の端部である端部12aと、最下部に位置する伝熱管10の直管部13の端部である端部13aとは、図示しない冷凍回路に接続されている。そのため、例えば、一方の端部12aから冷媒が流入し、流入した冷媒が管路15を流れて他方の端部13aから流出する。
フィン20は、上下方向に延びる板状の、例えば、アルミニウム材あるいはアルミニウム合金材からなる。フィン20は、その厚さ方向の中央に上下方向に沿って、伝熱管10の直管部12、13の外径寸法より若干大きな径寸法である複数の孔21が設けられている。このような複数のフィン20が、複数の伝熱管10の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置される。
なお、本発明の実施の形態における室内熱交換器4では、図2に示すようにフィン20の枚数を27枚としているが、フィン20の枚数は室内熱交換器4を搭載する空気調和機で必要とされる定格能力に応じて適宜増減可能である。
上述した本発明の実施の形態における伝熱管10には、異なる2種類の材質からなる伝熱管が用いられている。この2種類の材質のうち、一方の伝熱管には、銅に、少なくともリンが0.2%ないし0.4%含まれた合金が使用されている。このような合金が用いられた伝熱管は、特許請求の範囲における「第1の伝熱管」に該当し、以下、「第1の伝熱管10A」と表す。
伝熱管10に用いられる他方の材質は、一般的な銅管を構成する材質であり、例えばリン脱酸銅や無酸素銅が該当する。このような伝熱管は、特許請求の範囲における「第2の伝熱管」に該当し、以下、「第2の伝熱管10B」と表す。
第1の伝熱管10Aを構成する合金は、上述した割合で銅にリンが含まれるため、例えば、蟻の巣状腐食に対して高い耐性を備えている。従って、第1の伝熱管10Aは、第2の伝熱管10Bよりも蟻の巣状腐食に対して強い。
但し、このような合金を用いて伝熱管を製造した場合、合金には一定の割合でリンが含まれている。そのため、上述したように蟻の巣状腐食に対しては耐性を備えているものの、例えば、その他のアンモニア腐食等やそれに伴う応力腐食割れに対しては、第2の伝熱管10Bのような一般的な銅管に比べて耐性が低い場合がある。
そこで、第1の伝熱管10Aを本発明の実施の形態における室内熱交換器4の伝熱管として使用する場合には、合金を用いてヘアピン状に折り曲げ加工を行った後に、例えば、焼きなまし処理を行う。なお、このように合金を用いて加工された第1の伝熱管10Aに用いられる銅管を、以下適宜「合金銅管」と表す。
ここで焼きなまし処理は、例えば、折り曲げ加工後の合金銅管に対して120℃という銅の再結晶温度以上の温度を加えることによって、不均一な結晶粒度を均一にする処理である。このような処理を行うことによって、例えば折り曲げ部の残留応力を除去することができる。
すなわち、第1の伝熱管10Aに用いられる合金銅管や第2の伝熱管10Bに用いられる銅管のいずれを問わず、折り曲げ加工が行われると、特に折り曲げ部において応力やひずみが残ることになる。伝熱管の折り曲げ部に加工による応力やひずみが残っていると、残留応力によって腐食割れが生ずる可能性が高くなる。さらに上述したように、合金銅管を用いて伝熱管を製造した場合には、その性質からより一層割れを誘発しかねない。
そこで、第1の伝熱管10Aを構成する合金銅管に対しては、加工後に焼きなまし処理を行って、可能な限り残留応力やひずみを取り除いて結晶粒度を揃えることで残留応力による腐食割れが生じにくいようにする。
この焼きなまし処理を行わない場合と処理が行われた場合との違いを結晶構造の観点から図示して示したのが、図3及び図4である。
図3は、本発明の実施の形態に係る室内熱交換器4に用いられる第2の伝熱管10Bの折り曲げ部11Bにおける金属組織を拡大して示す模式図である。ここでは、焼きなまし処理が行われていない折り曲げ部の例として、本発明の実施の形態における室内熱交換器4の伝熱管のうち、第2の伝熱管10Bを挙げている。
上述した残留応力が残っている折り曲げ部11Bの組織を観察した場合、図3に示すように、加工方向に伸長した不均一な組織となり、結晶の形状は伸長粒となる。また、結晶粒径は、例えば平均して10μmよりも小さい。
一方、図4は、本発明の実施の形態に係る室内熱交換器4に用いられる第1の伝熱管10Aの折り曲げ部11Aにおける金属組織を拡大して示す模式図である。折り曲げ部11Aに対しては、焼きなまし処理が行われている。
この折り曲げ部11Aの組織を観察すると、図4に示すように、結晶の形状は等軸粒で均一な組織となる。また、焼きなまし処理が行われていない、残留応力が残っている折り曲げ部11Bの組織に比べて、1つ1つの結晶粒が大きい。この結晶粒径は、例えば、平均10μm以上300μm未満である。
なお、結晶粒の粒径については、日本工業規格(JIS)に規定されている試験方法で測定する(H0501伸銅品結晶粒度試験方法)。結晶粒度の測定方法としては、例えば切断法を用いる。具体的には、加工方向と同一方向に測定面を取り、その測定面内で加工方向に対して垂直方向に線を引いてその線と粒界との交点を数え、その線の中に現れた交点の数を調べる。
このような焼きなまし処理を行うことによって、折り曲げ部に対する加工による応力やひずみを少なくすることができ、伝熱管として合金銅管を使用したとしても残留応力によって腐食割れの発生を低減することができる。
なお、ここでは残留応力を残さない方法として、焼きなまし処理について説明した。その他、可能な限り残留応力やひずみを生じさせない方法として、例えば、合金銅管の加工時に当該合金銅管を折り曲げる速度をゆっくりとし、徐々に折り曲げるように加工するといった方法も採用し得る。
このような焼きなまし処理については、残留応力による腐食われ割れが生じにくくするという観点から必要な処理であるが、当該焼きなまし処理を行うことによるコストアップや処理工程が増えることによる製造時間の増加等を招くことも考えられる。
そこで、本発明の実施の形態における室内熱交換器4においては、必要とされる伝熱管のうち、第1の伝熱管10Aを使用する箇所を限定する。すなわち、そもそも蟻の巣状腐食が生じやすいのは、伝熱管が湿気等の外的要因にさらされるからである。室内機1の内部においては、室内熱交換器4のうちドレンパン6に近い領域がより湿気が多いと考えられる。熱交換器の下部は熱交換器に発生したドレン水が滴下して集まるため、水で濡れた状態であることが多いからである。
そのため、室内熱交換器4に用いられる伝熱管10のうち、合金銅管が用いられる第1の伝熱管10Aは、ドレンパン6の近傍に配置される。少なくとも、室内熱交換器4に用いられる伝熱管10のうち、ドレンパン6に最も近接して配置される伝熱管10には、第1の伝熱管10Aが用いられると良い。
具体的には、例えば、図1の室内機1の断面図において破線の円形で示すように、第1のドレンパン6aと近接する室内熱交換器4の後側体4bの下部、及び、第2のドレンパン6bと近接して配置される下側体4cの下部に配置される伝熱管10を第1の伝熱管10Aとする。
このように室内熱交換器4を構成する伝熱管10であって、ドレンパン6の近傍に配置される伝熱管10に第1の伝熱管10Aを用いることによって、蟻の巣状腐食の発生、進行を低減させることができる。
さらに、第1の伝熱管10Aに対して行われる焼きなまし処理は、少なくとも合金銅管の折り曲げ部を対象として行われることによって、残留応力によって腐食割れの発生を低減することができる。但し当該折り曲げ部の部分に限定されず、合金銅管の全体に対して焼きなまし処理が行われても良い。
合金銅管を用いる第1の伝熱管10Aに対しては、さらに、腐食物質の伝熱管への付着を防止するための塗装が施されていても良い。すなわち、上述したように特に腐食割れが懸念される折り曲げ部に対しては、焼きなまし処理が施される。これは焼きなまし処理によって結晶粒径を均一にすることで残留応力を除去し、腐食が生ずることを防止する、伝熱管自体の組成を変化させるものである。これに対して、塗装は、伝熱管に対して、いわば、バリアを形成して外部から腐食が生ずることを防止する措置を施すものである。
従って、塗装を施す対象は、第1の伝熱管10Aの少なくとも折り曲げ部11Aである。また、腐食割れを防止するための塗装であるので、腐食割れが生じやすい折り曲げ部の全域、或いは、折り曲げられる外側の部分(折り曲げ加工によって伸びる部分)に対して塗装されることが望ましい。さらに、塗料は、エポキシ系塗料、アクリル系塗料、ポリエステル系塗料のいずれか、或いは、これらを組み合わせた塗料を使用することができる。
なお、これまでも、例えば、同じ部品で素材が異なる複数の部品を使用する場合には、例えば、組み立て等の際に間違えることがないように、マーキング等、識別するために塗料が用いられることもあった。
そこで、本発明の実施の形態のように、室内熱交換器4に素材の異なる伝熱管を使用する場合であって、第2の伝熱管10Bと区別するために第1の伝熱管10Aにマーキングがされるような場合には、腐食割れを防止するための塗装を行うことでマーキングの役割も兼ねるようにしても良い。
以上のような構成を採用することによって、蟻の巣状腐食に耐性を備える銅管を使用することで蟻の巣状腐食の発生を低減しながら、その他の腐食に対しても耐性を備える処理を行うとともに、このような銅管の使用箇所を限定することでコストダウンを図ることができる空気調和機を提供することができる。
すなわち、合金銅管を用いる第1の伝熱管を管路を構成する全ての伝熱管に対して用いるのではなく、ドレンパンの近傍に配置される伝熱管としてのみ用いることで蟻の巣状腐食の発生を低減しながらコストアップを回避している。また、空気調和機の機種によって、筐体内における室内熱交換器とドレンパンとの配置位置は異なるが、これら相互の位置関係に応じて適宜第1の伝熱管の使用位置を決定することができ、より適切に腐食割れを防止することが可能となる。
また、適宜第1の伝熱管、特に腐食割れが懸念される折り曲げ部に対して焼きなまし処理や塗装を施す等、各種処理を行うことによって、蟻の巣状腐食以外の腐食による腐食割れにも対応することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、本発明の一例を示したものである。実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施の形態には種々の変更又は改良を加えることが可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよく、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・空気調和機、2・・・吸込口、3・・・吹出口、4・・・室内熱交換器、4a・・・前側体、4b・・・後側体、4c・・・下側体、5・・・送風ファン、6・・・ドレンパン、6a・・・第1のドレンパン、6b・・・第2のドレンパン、10・・・伝熱管、10A・・・第1の伝熱管、10B・・・第2の伝熱管、11・・・折り曲げ部、12・・・直管部、13・・・直管部、14・・・U字管、15・・・管路、20・・・フィン
Claims (5)
- 折り曲げ部と、前記折り曲げ部に連続する2本の直管部と、を備える伝熱管と、
複数の前記伝熱管の長手方向に沿って予め定められた間隔で配置される複数のフィンと、から構成される熱交換器を備え、
複数の前記伝熱管は、材質の異なる第1の伝熱管と第2の伝熱管とから構成されることを特徴とする空気調和機。 - 前記第1の伝熱管を形成する材質は、銅の他、少なくともリンを0.2%ないし0.4%含有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 前記第1の伝熱管は、ドレンパン近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
- 前記第1の伝熱管は、少なくともその前記折り曲げ部に対して焼きなまし処理が行われることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気調和機。
- 前記第1の伝熱管は、その結晶粒径の平均が10μm以上300μm未満であることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
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