JP6962874B2 - 空調機の腐食進行抑制方法、空調機および冷媒管 - Google Patents
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Description
Y≧4000e −0.11X (1)
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたルーバーによって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたドレイン配管によって行われることが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法は、前記表示運転が、前記冷房運転または前記除湿運転の終了後から20日までの間に行われることが好ましい。
図1に示すように、空調機1は、室外機2と、室内機3と、制御装置17とを備え、室外機2と室内機3とが冷媒用配管9を介して接続されている。室外機2は、冷媒を圧縮する圧縮機4と、冷媒の流れを切り換える四方弁5と、冷媒による熱交換を行う室外熱交換器6と、冷媒を膨張する膨張弁7と、各々を接続する冷媒用配管9とを備えている。室内機3は、冷媒用配管9を介して四方弁5および膨張弁7と接続し冷媒による熱交換を行う室内熱交換器8を備えている。
図2に示すように、室内機3は、室内風路13を形成するケーシング14および吸入グリル12と、室内風路13に配置される室内熱交換器8および室内送風機10と、ルーバー15と、ドレイン配菅16と、後記する腐食進行抑制方法を用いて空調機1を制御する制御装置17とを備えている。室内機3は、複数の室内熱交換器8と、複数の室内送風機10を備えていてもよく、室内熱交換器8と室内送風機10とは同数でなくてもよい。なお、本実施形態においては制御装置17を室内機3に配置しているが、本実施形態に限定されるものではない。
図3に示すように、室内熱交換器8は、並列された多数の直管21aと直管21aの両端部に接合された多数のリターンベンド管21bとからなる冷媒管21と、直管21aの外表面に一定間隔で並列された多数の板状のフィン22と、を備える。冷媒管21には、熱伝導性および加工性の観点から、銅管または銅合金管が用いられる。フィン22には、熱伝導性および加工性の観点から、アルミニウムフィンが用いられる。
制御装置17は、空調機1の運転の際、最初の冷房運転または除湿運転の終了後から所定期間経過した後、または、最後の水分除去運転後の最初の冷房運転または除湿運転の終了後、所定期間経過した後に、室内機3(室内熱交換器8)の冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行う水分除去運転を行うように、空調機1を制御する。ここで、水分除去運転は、加熱乾燥または真空引きの2種の水分除去運転モードを有することが好ましい。
本発明に係る空調機の腐食進行抑制方法について説明する。なお、空調機、室内機、室内熱交換器の構成については、図1〜図3を参照して説明する。
本発明の腐食進行抑制方法は、冷媒管21を用いた室内熱交換器8を有する室内機3を備える空調機1の腐食進行抑制方法であって、水分除去運転を行うこととする。
水分除去運転は、空調機1の運転の際、冷房運転または除湿運転の終了後に、冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行うものとする。
水分除去運転は、冷媒管21に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行うことが可能であれば特に限定されないが、排気阻止および排熱阻止を伴わない加熱乾燥、排気阻止および排熱阻止を伴う加熱乾燥、または、真空引きが好ましい。
加熱乾燥の場合は、加熱によって孔内部で水分が体積膨張、気化する等で孔内部の圧力が上昇することで、孔内外で圧力差が生じる。この圧力差が孔内部の水分に孔内部からの除去の駆動力として作用する。
真空引きの場合は、冷媒管外面の圧力が減少することで、孔内外で圧力差が生じる。この圧力差が孔内部の水分に孔内部からの除去の駆動力として作用する。
Y≧4000e−0.11X (1)
加熱乾燥条件は、加熱乾燥において空調機1が設置された環境の環境温度(℃)と冷媒管21の保持温度X(℃)との温度差Z(℃)、冷媒管21の保持時間Y(min)としたとき、下式(2)を満足するものであってもよい。
Y≧1100Z−1.5 (2)
また、前記した関係式(1)または(2)は、後述の(加熱乾燥条件確認試験)により導出したものである。
<表示運転>
表示運転は、水分除去運転が必要であることをユーザーに伝えるもので、室内機3またはリモコンにアラームを表示または点灯させるものとする。なお、空調機1がインターネットに接続されているものであれば、メールによりアナウンスするものであってもよい。そして、表示運転の制御は、図2に記載された室内機3に備えられた制御装置17で行う。
模擬腐食試験には、図5に示す腐食再現装置30を用いた。腐食再現装置30は、内容量2Lの密閉容器31と、密閉容器31の上部に設置されたシリコン栓34と、シリコン栓34に挿し込まれた冷媒管を模擬した供試材33と、を備える。
密閉容器31は、腐食媒32を500mL充填し、その内部を1L/minで5min酸素置換した。供試材33としては、JIS H 3300:2012に規定されたりん脱酸銅C1220または無酸素銅C1020からなる外径:9.52mm、肉厚:0.80mm、長さ:200mmの平滑管を用いた。平滑管は、シリコン栓34から腐食媒32側に露出した下端部を封止した。
密閉容器31の内部環境を湿度飽和状態に調整するため、密閉容器31を恒温槽内に設置した(試験雰囲気温度40℃)。シリコン栓34の腐食媒32側から100mm露出した供試材33の管外面を腐食評価面とした。
加熱乾燥に必要な時間を調べるために、腐食孔内の環境を模擬して湿度飽和環境下において試験を行った。
加熱乾燥条件確認試験には、前記模擬腐食試験と同様に図5に示す腐食再現装置30を用いた。腐食媒32に相当する媒体としては、純水を用いた。供試材33としては、りん脱酸銅C1220からなる平滑管を用いた。密閉容器31の内部環境を温度33℃、湿度飽和状態とするため、密閉容器31の底部を加熱した。前記以外の事項は前記模擬腐食試験と同様とした。
シリコン栓34より上部(密閉容器31外)に露出した供試材33に取り付けた温調機で、供試材(銅管)33を5〜10℃、10分間冷却後、表2に示す条件で供試材(銅管)33を乾燥した。乾燥後、供試材(銅管)33の表面の乾燥状態を目視確認した。なお、供試材33の一部については、冷却後に密閉容器31内ではなく、密閉容器31外に出して室内環境下(24℃)で供試材(銅管)33を26.6℃にして乾燥し、乾燥後に表面の乾燥状態を目視確認した。その結果を表2に示す。
Y≧4000e−0.11X (1)
また、表2の結果から、加熱乾燥において室内機が設置される環境の環境温度と冷媒管(銅管)の保持温度をX(℃)との温度差をZ(℃)、保持時間をY(min)としたとき、下式(2)を満足する加熱乾燥条件であれば、腐食孔内部の水分を除去して、腐食進行を良好に抑制することができると考えられる。
Y≧1100Z−1.5 (2)
2 室外機
3 室内機
4 圧縮機
5 四方弁
6 室外熱交換機
7 膨張弁
8 室内熱交換器
9 冷媒用配管
10 室内送風機
11 ヒーター
12 吸入グリル
13 室内風路
14 ケーシング
15 ルーバー
16 ドレイン配管
17 制御装置
18 吹出口
19 減圧ポンプ
21 冷媒管
21a 直管
21b リターンベンド管
22 フィン
30 腐食再現装置
31 密閉容器
32 腐食媒
33 供試材
34 シリコン栓
Claims (11)
- 銅または銅合金からなる冷媒管を用いた室内熱交換器を有する室内機を備える空調機の腐食進行抑制方法であって、
前記空調機の運転の際、冷房運転または除湿運転の終了後に、前記冷媒管に発生した腐食孔の内部に存在する水分の除去を行う水分除去運転を行い、
前記水分除去運転が、前記冷媒管の加熱乾燥によって行われ、
前記加熱乾燥が、前記冷媒管の保持温度をX(℃)、保持時間をY(min)としたとき、下式(1)を満足することを特徴とする空調機の腐食進行抑制方法。
Y≧4000e −0.11X (1) - 前記加熱乾燥が、前記空調機の暖房運転によって行われることを特徴とする請求項1に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記加熱乾燥が、前記室内機が備えるヒータによって行われることを特徴とする請求項1に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記加熱乾燥が、前記室内機からの室内への排気阻止および排熱阻止と共に行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたルーバーによって行われることを特徴とする請求項4に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記排気阻止および前記排熱阻止が、前記室内機に備えられたドレイン配管によって行われることを特徴とする請求項4に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記水分除去運転が、前記冷房運転または前記除湿運転の終了後から25日までの間に行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記水分除去運転が必要であることをユーザーに伝える表示運転をさらに行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 前記表示運転が、前記冷房運転または前記除湿運転の終了後から20日までの間に行われることを特徴とする請求項8に記載の空調機の腐食進行抑制方法。
- 室外機と、
室内機と、
制御装置と、を備え、
前記室内機は、銅または銅合金からなる冷媒管を用いた室内熱交換器を有し、
前記制御装置は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の前記空調機の腐食進行抑制方法を用いて前記空調機を制御することを特徴とする空調機。 - 空調機の室内機に備えられた室内熱交換器に用いられる銅または銅合金からなる冷媒管であって、請求項1〜9のいずれか一項に記載の前記空調機の腐食進行抑制方法を用いて、前記冷媒管に発生した腐食孔の内部を亜酸化銅で満たしたことを特徴とする冷媒管。
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