JP2008121996A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内熱交換器の冷媒配管内に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、再熱除湿運転時に室内熱交換器が補助膨張弁により冷媒凝縮部と冷媒蒸発部とに分けられる空気調和機において、冷房運転(再熱除湿運転を含む)時に補助膨張弁の下流側となる冷媒回路の圧力損失を低減する。
【解決手段】室内熱交換器21の冷媒配管内の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁22が設けられ、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で室内熱交換器21が補助膨張弁22を境として第1熱交換器211(上流側熱交換部)と第2熱交換器212(下流側熱交換部)とに分けられる空気調和機において、第2熱交換器212に通される各パスの冷媒配管長をほぼ同じ長さとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、再熱除湿機能を備えた空気調和機に関し、さらに詳しく言えば、冷房運転時における冷媒回路の圧力損失を低減させる技術に関するものである。
現在市販されているほとんどの空気調和機は、循環冷媒配管係内に圧縮機,四方弁,室外熱交換器,膨張弁および室内熱交換器を含む可逆式の冷凍サイクルを備え、四方弁を切り換えることにより、冷房運転と暖房運転とを選択することができる。
また、除湿運転は冷房運転モード中の例えば弱もしくは微弱冷房下(いわゆる簡易冷房運転)で行われるが、これに伴って室温が肌寒さを感じる程度まで低下してしまうことがある。そこで、一部の機種では、例えば特許文献1,2に記載されているように、室温が下がり過ぎないように、吹出空気温度の低下を抑えて除湿ができるようにした再熱除湿機能が採用されている。
この種の再熱除湿機能を備えた空気調和機の基本的な構成例を図2により説明する。この空気調和機は、室外機10と室内機20とを備え、室外機10内には、圧縮機11,室外熱交換器13および主膨張弁14が設けられており、室外熱交換器13には室外ファン13aが付設されている。
室内機20内には、主膨張弁14を介して室外熱交換器13と接続される室内熱交換器21が設けられており、室内熱交換器21には室内ファン21aが付設されている。この場合、室内熱交換器21内の冷媒配管の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁22が設けられ、これにより再熱除湿運転時、室内熱交換器21は第1熱交換器211と第2熱交換器212とに分離される。
通常、室外ファン13aには軸流ファンが用いられ、室内ファン21aにはクロスフローファンが用いられる。また、主膨張弁14および補助膨張弁22にはパルスモータにより弁開度が制御される電子膨張弁が用いられる。
冷房運転時には、四方弁12により室外熱交換器13が圧縮機11の冷媒吐出側に接続されるとともに、補助膨張弁22は全開状態とされる。これにより、圧縮機11にて断熱圧縮された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁12を介して室外熱交換器13に送られ、室外熱交換器4で凝縮されたのち、主膨張弁14にて絞り膨張され低温低圧の湿り蒸気となって室内熱交換器21に供給される。
この湿り蒸気は、室内熱交換器21において蒸発され乾き蒸気(低圧のガス冷媒)となり、四方弁12を介して圧縮機11に戻される。このように、冷房運転時には室外熱交換器13が凝縮器として作用し、室内熱交換器21は第1,第2熱交換器211,212を含む全体が蒸発器として作用する。
暖房運転時には、四方弁12が切り換えられ、圧縮機11から吐出される高温・高圧のガス冷媒は室内熱交換器21側に送られ、室内熱交換器21が凝縮器とし作用し、室外熱交換器13が蒸発器として作用する。なお、この暖房運転時においても、補助膨張弁22は全開状態とされ、室内熱交換器21は第1,第2熱交換器211,212を含む全体が凝縮器として作用する。
再熱除湿運転時は、上記冷房運転時と同じく、四方弁12により室外熱交換器13が圧縮機11の冷媒吐出側に接続されるが、この場合、主膨張弁14はほぼ全開とされ、補助膨張弁22が所定に絞られる。
これにより、補助膨張弁22より上流側の第1熱交換器211で冷媒の凝縮作用が行われる一方で、補助膨張弁22より下流側の第2熱交換器212で冷媒の蒸発作用が行われるため吹出空気の温度低下が抑えられ、室温の低下を防止しつつ除湿運転を行うことができる。
ところで、通常の空調用熱交換器は、気流が流れるように互いに平行に配列されたプレートフィン群と、このプレートフィン群を直交するように貫通する冷媒配管とにより構成され、多くの場合、室内熱交換器の冷媒配管には外径が6〜10mmの配管が用いられていたが、最近では熱交換効率の向上、小型化、冷媒使用量の低減などの要求に応えるため、冷媒配管に外径が例えば4〜6mmの細径管が用いられる傾向にある。
しかしながら、冷媒配管を細くすると、それに伴って冷媒流路の内径が狭くなり、その分圧力損失が増大し、熱交換効率が低下する。この問題は、上記従来例のように、室内熱交換器21の冷媒配管内に再熱除湿用の補助膨張弁22が設けられている場合、冷媒配管の細径化に伴う圧力損失に補助膨張弁22による圧力損失が加わるためより顕著になる。
また、冷媒配管に上記のような細径管が採用されるに伴って、配管列も増やされ3列以上の多列化が図られている。
その一例として、特許文献3には、図3に示すように、室内熱交換器として、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とを備え、これらの熱交換器20,40を再熱除湿用の補助膨張弁80を介して接続するとともに、前面側および背面側の熱交換器をそれぞれ3列配管とした例が記載されている。
特許文献3では、前面側熱交換器20内を通される冷媒回路を例えば上半分と下半分とに分けて、再熱除湿運転時に前面側熱交換器20の上半分と背面側熱交換器40とが凝縮部で、前面側熱交換器20の下半分が蒸発部となるように、ジャンプ配管Aや分岐管Bが多用されている。なお、ジャンプ配管Aとは、他の熱交換器ブロックや隣接しない配管に飛ぶ際に用いられる配管である。
しかしながら、このようにジャンプ配管Aや分岐管Bを用いる場合、往々にして補助膨張弁80の上流側(凝縮部側)と下流側(蒸発部側)とでパス数が揃っていないため、圧力損失のバランスが崩れ熱交換効率が低下してしまう、という問題がある。
また、熱交換器を組み立てる場合、通常、隣接する配管をつなぐU字管(ヘアピン管)を先に溶接する。多くの場合、この溶接は自動機械で行われ、その後にジャンプ配管Aや分岐管Bなどの溶接が行われる。これは手作業で行われることが多い。
その際、3列以上であると、先に溶接したU字管が邪魔になり、ジャンプ配管Aや分岐管Bなどの中間列に対する溶接が困難なものとなる、という組み立て工程上の問題が新たに生ずることになる。
特開2003−254555号公報 特開2006−162173号公報 特開2005−147414号公報(図1参照)
したがって、本発明の課題は、室内熱交換器の冷媒配管内に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、再熱除湿運転時に室内熱交換器が補助膨張弁により冷媒凝縮部と冷媒蒸発部とに分けられる空気調和機において、冷房運転(再熱除湿運転を含む)時に補助膨張弁の下流側となる冷媒回路の圧力損失を低減することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、循環冷媒配管系内に圧縮機,室外熱交換器,膨張弁および室内熱交換器を含む冷凍サイクルを備え、上記室内熱交換器の冷媒配管内の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で上記室内熱交換器が上記補助膨張弁を境として上流側熱交換部と下流側熱交換部とに分けられる空気調和機において、上記下流側熱交換部における各パスの冷媒配管長がほぼ同じ長さであること特徴としている。
本発明において、上記下流側熱交換部に通される冷媒配管のパス数が、上記上流側熱交換部に通されるパス数よりも多くされていることが好ましい。
また、本発明は、循環冷媒配管系内に圧縮機,室外熱交換器,膨張弁および室内熱交換器を含む冷凍サイクルを備え、上記室内熱交換器の冷媒配管内の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で上記室内熱交換器が上記補助膨張弁を境として上流側熱交換部と下流側熱交換部とに分けられる空気調和機において、上記上流側熱交換部と上記下流側熱交換部は、それぞれ冷媒配管列が3列以上の冷媒回路を備えており、上記各冷媒回路における風上側の最外側列に冷媒導入部が配置され、風下側の最内側列に冷媒導出部が配置されており、隣接していない配管には冷媒が流されないことを特徴としている。
本発明によれば、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で室内熱交換器が補助膨張弁を境として上流側熱交換部と下流側熱交換部とに分けられる空気調和機において、下流側熱交換部における各パスの冷媒配管長がほぼ同じ長さであり、好ましくは下流側熱交換部に通される冷媒配管のパス数を上流側熱交換部に通されるパス数よりも多くすることにより、補助膨張弁の下流側となる冷媒回路の圧力損失を低減することができ、熱交換効率の向上が図られる。
また、上流側熱交換部と下流側熱交換部は、それぞれ冷媒配管列が3列以上の冷媒回路を備えている場合、各冷媒回路における風上側の最外側列に冷媒導入部を配置し、風下側の最内側列に冷媒導出部を配置することにより、中間列にジャンプ配管や分岐配管などを溶接する手間が省けるため、組み立て工数の削減が図られる。
次に、図1により、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は本発明の空気調和機の要部である室内機における室内熱交換器の構成を示す模式図である。なお、室外機側の構成は先に説明した図2の従来例と同じであってよいため、適宜図2を参照されたい。
図1に示すように、本発明の空気調和機における室内機20Aにおいても、その室内熱交換器21には、再熱除湿用の補助膨張弁22を介して接続される第1熱交換器211と第2熱交換器212とが含まれている。補助膨張弁22には、電子膨張弁が好ましく採用される。
室内機20Aの筐体は図示されていないが、この例では、その筐体内に第2熱交換器212が筐体前面側,第1熱交換器211が筐体背面側としてほぼラムダ(Λ)状に配置されており、それらの間にクロスフローファンからなる室内ファン21aが配置される。
上記筐体には、筐体前面側から筐体背面側にかけて空気吸込口が例えばグリル状に形成されており、したがって、第1熱交換器211,第2熱交換器212ともに、それらの外面側(図1において、第1熱交換器211では右側の側面,第2熱交換器212では左側の側面)が風上側で、互いに対向する内面側(図1において、第1熱交換器211では左側の側面,第2熱交換器212では右側の側面)が風下側である。
熱交換器のプレートフィン群を流れる気流方向と直交する方向を配管の列として、この実施形態では、例えば冷媒配管に外径が4〜6mmの細径管が用いられ、第1熱交換器211,第2熱交換器212ともに、それぞれ冷媒配管列が3列(風上側の最外側列211a,212a;中間列211b,212b;風下側の最内側列211c,212c)の冷媒回路を備えている。
なお、第1熱交換器211と第2熱交換器212の各プレートフィン群は、それらの上端同士が一体に連結されていてもよい。また、作図の都合上、補助膨張弁22は第1熱交換器211と第2熱交換器212の対向する内面間に配置されているが、実際には、室内熱交換器21の外面側で、上記筐体の所定の収納部内に配置されることが好ましい。
この場合、第1熱交換器211側が、先の図2に示した室外機10の主膨張弁14側に接続され、冷房運転時および再熱除湿運転時において、冷媒は第1熱交換器211側から第2熱交換器212側に向けて流れる。
したがって、上記主膨張弁14をほぼ全開とし、補助膨張弁22を所定の開度(絞り度)として行う再熱除湿運転時において、補助膨張弁22の上流側の第1熱交換器211が冷媒凝縮部となり、補助膨張弁22の下流側の第2熱交換器212が冷媒蒸発部となる。
これにより、再熱除湿運転時の吹出空気温度の低下が抑えられるが、この実施形態においては、第1熱交換器211のほかに、再熱除湿運転時に補助的な冷媒凝縮部として用いられるサブ熱交換器213を備える。
このサブ熱交換器213は、再熱除湿運転時に冷媒蒸発部となる第2熱交換器212に面して(重ねて)配置される。サブ熱交換器213の配置形態は、第2熱交換器212の風上側,風下側のいずれでもよいが、風下側に配置すると、第2熱交換器212にて冷却やされた空気がサブ熱交換器213に接触し結露が生ずるおそれがあるため、より好ましい配置形態は風上側である。
サブ熱交換器213は、第1熱交換器211と冷媒配管を介して接続されるが、再熱除湿運転を含む冷房運転サイクルにおいて、室外機10側の主膨張弁14から供給される冷媒がサブ熱交換器213に入り、このサブ熱交換器213から第1熱交換器211に向けて流れるようにする。
これによれば、サブ熱交換器213は第1熱交換器211よりも熱交換面積が小さいが高い凝縮能力が得られ、冷媒蒸発部で冷却される室内空気の温度低下をより効果的に抑えることができる。
冷房運転時において、補助膨張弁22の下流側となる第2熱交換器212の冷媒回路内での圧力損失を低減するため、本発明では、冷媒流れの上流側から下流に行くにしたがって順次配管のパス数を多くする。
そのため、この実施形態では、サブ熱交換器213から第1熱交換器211に至る配管経路内に第1分配器231を介装し、この第1分配器231にて1パスから4パスとして第1熱交換器211に冷媒を流し、また、補助膨張弁22の下流側に第2分配器232を設け、第2分配器232にて6パスとして第2熱交換器212に冷媒を流すようにしている。
すなわち、1パス→4パス→6パスとしているが、この場合、少なくとも第2熱交換器212内を通る6つの各パスの冷媒配管長は、ヘアピンの数を同一としてほぼ同じ長さであることが好ましい。
また、各熱交換器の冷媒導入部と冷媒導出部には、それぞれ接続配管が溶接されるが、第1熱交換器211,第2熱交換器212ともに、風上側の最外側列211a,212aに冷媒導入部を配置し、風下側の最内側列211c,212cに冷媒導出部を配置することが好ましい。
すなわち、第1熱交換器211では、4パスともに風上側の最外側列211aから冷媒が導入され、風下側の最内側列211cから冷媒が導出される。また、第2熱交換器212では、補助膨張弁22を通った冷媒が6パスともに風上側の最外側列212aから導入され、風下側の最内側列211cから冷媒が導出される。
このように、熱交換器に含まれる冷媒配管列が3列以上である場合、風上側の最外側列に冷媒導入部を配置し、風下側の最内側列に冷媒導出部を配置することにより、先の図3に示したジャンプ配管Aや分岐配管Bなどを中間列に溶接する手間が省けるため、組み立て工数の削減が図られる。
以上、図示の実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明の空気調和機は、必ずしも冷房・暖房兼用の空気調和機である必要はなく、冷房専用機種でも再熱除湿機能を備えている空気調和機であればよい。
本発明の要部である室内機における室内熱交換器の構成を示す模式図。 再熱除湿機能を備えた従来の空気調和機が備える冷凍サイクルを示す模式図。 3列配管を有する室内熱交換器でジャンプ配管や分岐管を使用した従来例を示す模式図。
符号の説明
10 室外機
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14 主膨張弁
20A 室内機
21 室内熱交換器
211 第1熱交換器
212 第2熱交換器
213 サブ熱交換器
211a,212a 風上側の最外側列
211b,212b 中間列
211c,212c 風下側の最内側列
22 補助膨張弁
231 第1分配器
232 第2分配器

Claims (3)

  1. 循環冷媒配管系内に圧縮機,室外熱交換器,膨張弁および室内熱交換器を含む冷凍サイクルを備え、上記室内熱交換器の冷媒配管内の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で上記室内熱交換器が上記補助膨張弁を境として上流側熱交換部と下流側熱交換部とに分けられる空気調和機において、
    上記下流側熱交換部における各パスの冷媒配管長がほぼ同じ長さであることを特徴とする空気調和機。
  2. 上記下流側熱交換部に通される冷媒配管のパス数が、上記上流側熱交換部に通されるパス数よりも多くされていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 循環冷媒配管系内に圧縮機,室外熱交換器,膨張弁および室内熱交換器を含む冷凍サイクルを備え、上記室内熱交換器の冷媒配管内の所定部位に再熱除湿用の補助膨張弁が設けられ、冷房運転時もしくは再熱除湿運転時における冷媒の流れ方向で上記室内熱交換器が上記補助膨張弁を境として上流側熱交換部と下流側熱交換部とに分けられる空気調和機において、
    上記上流側熱交換部と上記下流側熱交換部は、それぞれ冷媒配管列が3列以上の冷媒回路を備えており、上記各冷媒回路における風上側の最外側列に冷媒導入部が配置され、風下側の最内側列に冷媒導出部が配置されており、隣接していない配管には冷媒が流されないことを特徴とする空気調和機。
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