JPH10196984A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH10196984A
JPH10196984A JP9003730A JP373097A JPH10196984A JP H10196984 A JPH10196984 A JP H10196984A JP 9003730 A JP9003730 A JP 9003730A JP 373097 A JP373097 A JP 373097A JP H10196984 A JPH10196984 A JP H10196984A
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heat exchanger
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outdoor
sub
fan
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JP9003730A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Kudo
光夫 工藤
Toshio Hatada
敏夫 畑田
Hiroo Nakamura
啓夫 中村
Yoshihiro Takada
芳廣 高田
Saho Funakoshi
砂穂 舟越
Hiroshi Kogure
博志 小暮
Shoji Takaku
昭二 高久
Motoo Morimoto
素生 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 暖房能力を向上しつつユニットを小型にし、
低い外気温時でも高暖房能力を発揮できるヒートポンプ
型空気調和機を提供する。 【解決手段】 圧縮機11、室外熱交換器21、室外フ
ァン17、膨張機構16を備える室外ユニット10と、
室内熱交換器13、貫流ファン24を備える室内ユニッ
ト20とからなる空気調和機であって、室内熱交換器2
1は貫流ファン24が生成する空気流21にそって上流
側から順次に配置された室内主熱交換器(22a、22
b)と室内プレクーラ30から、室外熱交換器13は室
外ファン17が生成する空気流18にそって上流側から
順次に配置された室外主熱交換器14と室外プレクーラ
32とから構成し、かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内
プレクーラ30から室内主熱交換器(22a、22b)
に、また室外主熱交換器14から室外プレクーラ32に
流れるように配管接続したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消費電力量の少な
い高性能なヒ−トポンプ型空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒ−トポンプ型空気調和機は、圧縮機、
四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器から
構成される系で冷凍サイクルを形成し、四方弁で冷媒流
れ方向を切り替えることにより、暖房運転または冷房運
転が行われる。
【0003】冷房時には、圧縮機から吐出された高温高
圧のガス冷媒は、凝縮器として機能する室外熱交換器で
放熱し、蒸発器として機能する室内熱交換器で吸熱する
ことにより室内を冷房する。一方、暖房時には、室内熱
交換器は凝縮器として、室外熱交換器は蒸発器として機
能することにより、室内を暖房する。
【0004】室内熱交換器、室外熱交換器としては、例
えば特公平4−45753号公報にに示されているよう
に、大略一定の幅をもって成形された薄板からなる多数
のフィンを所定の間隔で積層するように並置し、これら
フィン面に直交するように複数の伝熱管を貫通させかつ
千鳥状に配列してなるクロスフィンチュ−ブ型熱交換器
が多用されている。
【0005】室内ユニットおよび室外ユニットは、設置
スペースの制約などから、小型化が図られている。例え
ば特開平7−260178号公報には、室内ユニットの
小型化を目的として、ケーシングの前面及び上面にそれ
ぞれ空気吸込み口を設け、ケーシング中心部に貫流ファ
ンを配置し、これらの吸込み口と貫流ファンとの間に略
逆V字型に形成した室内熱交換器を配置するとともに、
室内熱交換器の伝熱管を風上側と風下側の2列に配列し
た構成の室内ユニットが開示されている。このように構
成される空気調和機では、例えば暖房運転の場合、室内
ユニットに吸込まれた空気は、風路に設けられた逆V字
型熱交換器により暖められた後、貫流ファンを介して下
部の吹出口から温風として吹き出され、室内の暖房に供
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に構成された従来の空気調和機では、室内熱交換器は、
上述のように伝熱管を風上、風下の2列に配列して構成
されているので、暖房運転において凝縮器として作用す
る際に、高温の過熱ガス域の冷媒が流れる伝熱管と温度
の低い飽和液冷媒が流れる伝熱管とが、フィンを介して
隣り合うこととなり、熱伝導損失を生じて暖房能力が低
下するという問題がある。
【0007】一方、室外熱交換器は暖房時に蒸発器とし
て作用するので、室外熱交換器出口ので管内冷媒温度が
最も低くなる。ところが、従来の室外熱交換器は、上記
室内熱交換器と同様に伝熱管を風上、風下の2列に配列
して構成されており、冷媒温度が最も低くなる冷媒出口
部が風上側に位置することがあるため、外気温度が低い
時には冷媒温度の低い伝熱管近傍のフィンに着霜を生じ
てフィンが目詰まりして、風が流れなくなり、暖房能力
が低下するという問題がある。
【0008】したがって暖房能力を確保するためには、
熱交換器を全体として大きくせざるを得ないため、結局
ユニットの高さ寸法を小さく小型化することができない
という問題があった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、第1の目的は暖房能力を向上しつつ室内ユ
ニットの小型化を図るに好適なヒ−トポンプ型空気調和
機を提供することにある。
【0010】また本発明の第2の目的は、暖房能力を向
上しつつ室内ユニット/室外ユニットを小型化するとも
に、外気温度が低い時でも高い暖房能力を発揮できるヒ
−トポンプ型空気調和機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の第1の空気調和機は、圧縮機、四方
弁、室外熱交換器、室外ファン及び膨張機構を備える室
外ユニットと室内熱交換器及び室内ファンを備える室内
ユニットとからなり、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、
膨張機構及び室外熱交換器を冷媒配管で接続して冷凍サ
イクルを形成する空気調和機において、室内熱交換器は
室内ファンにより生成される空気流にそって上流側から
順次に配置された主熱交換器と副熱交換器(室内プレク
ーラという)とから構成し、かつ暖房サイクル時に冷媒
を室内プレクーラから主熱交換器に流れるように配管接
続したことを特徴とする。
【0012】上記第2の目的を達成するに、本発明の第
2〜6の空気調和機を以下のように構成する。本発明の
第2の空気調和機は、第1の空気調和機と同様に室外ユ
ニット、室内ユニットからなり、同様に冷凍サイクルを
形成するものであって、室内熱交換器は室内ファンによ
り生成される空気流にそって上流側から順次に配置され
た室内主熱交換器と室内副熱交換器(室内プレクーラ)
とから、室外熱交換器は室外ファンによって生成される
空気流にそって上流側から順次に配置された室外主熱交
換器と室外副熱交換器(室外プレクーラという)とから
構成し、かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内プレクーラ
から室内主熱交換器に流れるように、また室外主熱交換
器から室外プレクーラに流れるように配管接続したもの
である。
【0013】そして第2の空気調和機においては、室内
プレクーラの伝熱管径を室内主熱交換器のそれより、ま
た室外プレクーラの伝熱管径を室外主熱交換器のそれよ
り、それぞれ大きく設定することが好ましい。
【0014】また、本発明の第3の空気調和機は、第1
の空気調和機と同様に室外ユニット、室内ユニットから
なり、同様に冷凍サイクルを形成するものであって、室
内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそっ
て下流側から順次に配置された室内第一副交換器(室内
プレクーラ)と室内主熱交換器と室内第二副熱交換器
(室内サブクーラ)とから、室外熱交換器は室外ファン
によって生成される空気流れにそって上流側から順次に
配置された室外主熱交換器と室外副熱交換器(室外プレ
クーラ)とから構成し、かつ暖房サイクル時に、冷媒が
室内プレクーラから室内主熱交換器を経て室内サブクー
ラに流れるように、また室外主熱交換器から室外プレク
ーラに流れるように配管接続したことを特徴とする。
【0015】また、本発明の第4の空気調和機は、第1
の空気調和機と同様に室外ユニット、室内ユニットから
なり、同様に冷凍サイクルを形成するものであって、室
内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそっ
て下流側から順次に配置された室内第一副交換器(室内
プレクーラ)と室内主熱交換器と室内第二副熱交換器
(室内サブクーラ)とから、室外熱交換器は室外ファン
によって生成される空気流れにそって下流側から順次に
配置された室外第一副熱交換器(室外プレクーラ)と室
外主熱交換器と室外第二副熱交換器(室外サブクーラ)
とから構成し、室内プレクーラの伝熱管径を室内主熱交
換器のそれより大きく、室内サブクーラの伝熱管径を室
内主熱交換器のそれより小さく、室外プレクーラの伝熱
管径を室外主熱交換器のそれより大きく、室外サブクー
ラの伝熱管径を室外主熱交換器のそれより小さく、それ
ぞれ設定し、かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内プレク
ーラから室内主熱交換器を経て室内サブクーラに流れる
ように、また室外サブクーラ)から室外主熱交換器を経
て室外プレクーラに流れるように配管接続したことを特
徴とする。
【0016】また、本発明の第5の空気調和機は、第1
の空気調和機と同様に室外ユニット、室内ユニットから
なり、同様に冷凍サイクルを形成するものであって、室
内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそっ
て下流側から順次に配置された室内第一副交換器(室内
プレクーラ)と室内主熱交換器と室内第二副熱交換器
(室内サブクーラ)とから、室外熱交換器は室外ファン
によって生成される空気流れにそって下流側から順次に
配置された室外第一副熱交換器(室外プレクーラ)と室
外主熱交換器と室外第二副熱交換器(室外サブクーラ)
とから構成し、室内室内プレクーラ、室内サブクーラ、
室外プレクーラ及び室外サブクーラそれぞれの冷媒パス
数を1パスとし、かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内プ
レクーラから室内主熱交換器を経て室内サブクーラに流
れるように、またから室外主熱交換器を経て室外プレク
ーラに流れるように配管接続したことを特徴とする。
【0017】また、本発明の第6の空気調和機は、第1
の空気調和機と同様に室外ユニット、室内ユニットから
なり、同様に冷凍サイクルを形成するものであって、室
内ユニットは、上面及び前面にそれぞれ空気吸込み口
を、下部に空気吹き出し口を有するする箱体と、両空気
吸込み口に凡そ対向するよう成形された室内熱交換器
と、両空気吸込み口から室内熱交換器を介して空気を吸
い込み、空気吹き出し口から吹き出すように箱体内に設
置された貫流ファンとから構成し、かつ室内熱交換器
を、気流の方向に順次に配置した主熱交換器と副熱交換
器(室内プレクーラ)とから構成し、かつ暖房サイクル
時の冷媒が室内プレクーラから主熱交換器に流れるよう
に配管接続したことを特徴とする。
【0018】そして、上記各空気調和機において、膨張
機構を室外ユニットに設ける代わりに室内ユニットに設
けてもよい。
【0019】上記のように、暖房時に凝縮器として作用
する室内熱交換器を、室内主熱交換器と室内プレクーラ
とから構成したので、風上側の室内主熱交換器での冷媒
の放熱により加熱された空気は、風下側で室内主熱交換
器より高温の冷媒が流れる室内プレクーラにより再度加
熱されるので、空気調和機の暖房能力を向上させる。
【0020】また、上記のように、暖房時に蒸発器とし
て作用する室外熱交換器を、室外主熱交換器と室外プレ
クーラとから構成すれば、室外主熱交換器での冷媒の吸
熱により冷却された空気は、風下側で室外主熱交換器よ
り低温の冷媒が流れる室外プレクーラにより冷却され
る、換言すれば冷媒が外気から汲み上げる熱量を増加さ
せるので、空気調和機の暖房能力を向上させ、それと共
に室外プレクーラには主熱交換器で冷却除湿された低温
・低湿度の空気が送られるので、外気温度が低い時でも
室外プレクーラへの着霜が抑えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態となる
ヒ−トポンプ型空気調和器を図1ないし図8により説明
する。図1は本発明による第1の実施の形態の空気調和
器の冷凍サイクル構成を示す図、図2は冷凍サイクル内
を循環している冷媒の状態変化をTS(温度−エントロ
ピ)線図上で模式的に示す図である。
【0022】図1において、20は室内ユニット、10
は室外ユニットであり、両ユニット10、20は配管ユ
ニット27によって接続されている。
【0023】室内ユニット20は、空気流に対向するよ
うに一体的に並列配置された熱交換器小ユニット22a
および熱交換器小ユニット22bからなる主熱交換器及
びこの主熱交換器の下流側に配置された副熱交換器30
からなる室内熱交換器21と、さらに下流側に配置され
た貫流ファン24と、熱交換器小ユニット22a及び熱
交換器小ユニット22bの両者を接続する配管に設けら
れた除湿運転用絞り機構25とから構成されている。暖
房運転時に凝縮器として作用する室内熱交換器において
は、室外ユニット10から供給された冷媒は、副熱交換
器30から順次に熱交換器小ユニット22b、除湿運転
用絞り機構25、熱交換器小ユニット22aに流れ、室
外ユニット10へ戻る。ここで、副熱交換器30をプレ
クーラ30と称することにする。一般的にプレクーラ
は、主熱交換器が凝縮器として作用する際に、冷媒の流
れからみて主熱交換器の上流側に位置するものである。
一方、主熱交換器が凝縮器として作用する際に、冷媒の
流れからみて主熱交換器の下流側に位置する副熱交換器
はサブクーラと称する。なお、熱交換器小ユニット22
a、熱交換器小ユニット22bは、それぞれ除湿運転時
に再熱器22a、冷却除湿器22bとして作用する。こ
れについては後にあらためて説明する。
【0024】室内ユニット中の各熱交換器は、所定の間
隔をおいて積層するように並置された多数の伝熱フィン
と、この伝熱フィンに直角に挿入嵌合され、内部を冷媒
が流動する多数の伝熱管によって構成されている。多数
の伝熱管は互いにベンド等により接続されて、冷媒パス
を構成している。
【0025】室外ユニット10は、圧縮機11、四方弁
12、室外熱交換器13及びファン17を備えている。
冷凍サイクル50は、冷媒の圧縮機11、四方弁12、
室外熱交換器13、減圧器16および室内熱交換器21
を冷媒配管27で接続して内部を冷媒が循環するように
構成されている。実線の矢印は暖房運転時の冷媒の流れ
方向を、破線の矢印は冷房運転時の冷媒の流れ方向を示
す。矢印26は室内ユニットの気流を、矢印18は室外
ユニットの気流を示す。
【0026】上記構成による冷凍サイクルの動作につい
て述べる。暖房運転時には、圧縮機11から吐出される
高温高圧の冷媒ガスは実線の矢印で示すように、四方弁
12を通って凝縮器として作用する室内熱交換器21へ
送られ、室内ファン24によって送風された空気によっ
て冷却されて高圧・低温の液冷媒となり、減圧器16に
よって断熱膨張されて低圧・低温の冷媒となり、蒸発器
として作用する室外側熱交換器13へ流入し、室外ファ
ン17によって送風された空気によって加熱されて蒸発
した後、四方弁12を通って圧縮機11に戻り、再び圧
縮されて循環する。なお、この時室内熱交換器21で加
熱された空気を被空調室内に放出して暖房する。
【0027】一方、冷房運転時には、圧縮機11から吐
出される高温高圧の冷媒ガスは破線の矢印で示すよう
に、四方弁12を通って凝縮器として作用する室外熱交
換機13へ送られ、室外ファン17によって送風された
空気によって冷却されて高圧・低温の液冷媒となり、減
圧器16によって断熱膨張されて低圧・低温の冷媒とな
り、蒸発器として作用する室内側熱交換器21へ流入
し、室内ファン24によって送風された空気によって加
熱されて蒸発した後、四方弁12を通って圧縮機11に
戻り、再び圧縮されて循環する。なお、この時室内熱交
換器21で冷却された空気を被空調室内に放出して冷房
する。
【0028】図2に冷凍サイクル50内を循環している
冷媒の状態変化を示す。図2において、横軸は冷媒のエ
ントロピS、縦軸は温度Tである。Tcは凝縮器内圧力
に対応した凝縮温度であり、Teは蒸発器内圧力に対応
した蒸発温度である。TS線上で、A点,C点は各々凝
縮器として作用する熱交換器の入口、出口を、またD
点,E点は各々蒸発器として作用する熱交換器の入口、
出口を示す。また図2において、区間A−B1は冷媒過
熱域を、区間B1−B2は飽和域を、区間B2−Cは過
冷却域を示している。
【0029】以上のように構成された本実施の形態の作
動について図1ないし図8に基づいて説明する。 (暖房)暖房運転の場合、まず、室内ユニット20内の
除湿運転用絞り機構25は流動抵抗とならないように全
開に設定される。次に圧縮機11を起動すると、圧縮機
11から吐出された高温高圧の過熱冷媒ガス(図2でA
点)は、冷媒管を通じ、四方弁12を介し室内熱交換器
21へ送られる。ここで冷媒は、プレクーラ30から主
熱交換器の熱交換器小ユニット22b、除湿運転用絞り
機構25、主熱交換器の熱交換器小ユニット22aを経
て流出する。この時、室内熱交換器21の外部気流26
は、室内熱交換器21の伝熱管内の冷媒ガスと熱交換し
て暖められ、被空調室内の暖房に供せられる。
【0030】このとき、管内の冷媒が飽和域(図2で区
間B1−B2)となっている主熱交換器(22b、22
a)を通過する空気26は、管内冷媒凝縮温度Tcとほ
ぼ同じ温度にまで加熱されて主熱交換器(22b、22
a)から流出する。主熱交換器(22b、22a)から
流出した空気26はプレクーラ30に至る。プレクーラ
30では、主熱交換器(22b、22a)内の凝縮温度
Tcよりもさらに高く過熱された70〜80℃(=Tc
+30〜40℃)の過熱冷媒(図2でA点)が流入して
いるので、主熱交換器(22b、22a)から流出した
空気はさらに高い温度までプレクーラ30により加熱昇
温される。したがって、プレクーラ30出口空気温度
は、管内冷媒飽和温度Tcよりも高い温度まで昇温され
てプレクーラ30から流出し、貫流ファン26を介して
室内に吹き出されて暖房に供せられる。即ち、従来の空
気調和機のようにプレクーラ無しでは、室内吹き出し空
気温度を管内冷媒飽和温度Tc以上には昇温できないの
に対して、プレクーラ30を設けることによって、室内
吹き出し空気温度を冷媒飽和温度Tc以上にまで昇温で
き、その分だけ暖房能力が向上するという効果がある。
【0031】特に、貫流26ファンの送風を導くファン
ケーシングの前面ノーズ(図7で符号207)近傍の高
風速領域にプレクーラ30を配置した場合には、風速が
高いために、主熱交換器(22b、22a)での昇温が
十分でない空気をプレクーラ30によってさらに昇温で
きるので、暖房能力向上効果がより大きくなる。
【0032】一般に、暖房運転時に室内熱交換器内21
の冷媒が持つ加熱能力のうち過熱ガス域(図2でA−B
1)が持つ割合をみると、大略15%となっていること
から、飽和温度が同じ条件では、プレクーラを設けるこ
とによる暖房能力向上の割合は大略10%と分析でき
る。暖房能力が同じ条件では、冷媒飽和温度を約2℃下
げることができるので、圧縮機の消費電力を大略5%節
約できるとの効果が期待される。なお、暖房運転時に冷
媒が持つ加熱能力のうち過熱ガス域が持つ割合は、図2
において区間A−B1を区間A−Cで除した値に大略等
しい。
【0033】(冷房)冷房運転の場合、まず、室内ユニ
ット20内の除湿運転用絞り機構25は流動抵抗となら
ないように全開に設定される。次に圧縮機11を起動す
ると、圧縮機11から吐出された高温高圧の過熱冷媒ガ
ス(図2でA点)は、冷媒管を通じて室外熱交換器13
へ送られ、熱交換器13の伝熱空間に流れ込む冷却空気
18と熱交換して、冷却、液化される。液化した高圧低
温の液冷媒(図2でC点)は、絞り機構16で蒸発圧力
まで減圧されて低温の気液二相冷媒(図2でD点)とな
り、蒸発器として作用する室内熱交換器21へ流入して
室内空気を冷却する。室内熱交換器21の伝熱管内の冷
媒は室内空気から奪った熱量分だけ徐々に蒸発し、室内
熱交換器21出口に至り、出口では再び気相冷媒(図2
でE点)となって圧縮機11に送られ、再び圧縮機11
から吐出されて循環する。
【0034】冷房運転時すなわち室内熱交換器21が蒸
発器として作用する場合には、暖房運転時の凝縮器とし
て作用する場合とは異なり、伝熱管内冷媒の圧力が低い
ので、管内冷媒ガスの流速が高い。このため冷媒側には
大きな圧力損失を生じることとなる。管内冷媒の圧力損
失によって冷媒の飽和温度が熱交換器出口に向かって低
下するので、冷媒流路出口に位置しているプレクーラ3
0の冷媒蒸発温度(図2でE点近傍)が最も低くなって
いる。プレクーラ30は主熱交換器(22a、22b)
を通過する空気流の下流側に配置されているので、主熱
交換器(22a、22b)で冷却された主冷却器出口空
気を、更に低い冷媒蒸発温度のプレクーラ30によって
冷却できることとなり冷房能力の大幅な改善が期待でき
る。
【0035】(除湿)除湿運転の場合、まず四方弁12
は冷房運転時と同じ位置に設定され、室外機10内の減
圧器16は全開位置に設定される。次に圧縮機11を起
動すると、圧縮機11から吐出された高温高圧の過熱冷
媒ガス(図2でA点)は、室外熱交換器13、減圧器1
6を経て室内熱交換器21へ送られる。室内熱交換器2
1へ送られた高温・高圧の冷媒ガスは、凝縮器として作
用する熱交換器小ユニット22aへ送られ、熱交換器小
ユニット22aの伝熱空間を流れる被除湿空気26を加
熱する。このとき熱交換器小ユニット22aの伝熱管内
の冷媒は空気によって冷却液化されて除湿運転用絞り機
構25に至り、この絞り機構25で減圧されて低温・低
圧の気液二相冷媒となって蒸発器として作用する熱交換
器小ユニット22bへ流入する。室内熱交換器小ユニッ
ト22bで、被空調室内空気を冷却・除湿した後、蒸発
器として作用するプレクーラ30へ至る。プレクーラ3
0は、冷房運転の場合と同じように管内の冷媒温度は最
も低い温度になっており、室内熱交換器小ユニット22
bで冷却・除湿された空気を、さらに低い蒸発温度の熱
交換器で冷却・除湿することとなるので除湿効率が大幅
に改善される。
【0036】図3に本発明の第2の実施の形態になる空
気調和機のサイクル構成を示す。上述の第1の実施の形
態では、プレクーラ30の位置として、除湿運転時に除
湿器として作用する熱交換器小ユニット22bに隣接す
るように空気下流側に配置した構成としている。これに
対して第2の実施の形態ではプレクーラ30の位置とし
て、除湿運転時に再熱器として作用する熱交換器小ユニ
ット22aに隣接して空気下流側に配置する構成とした
ものである。
【0037】このような構成によれば、再熱器22aに
よって加熱された温度の高い空気が除湿冷却器として作
用するプレクーラ30に流入するので、空気と冷媒との
温度差が大きくなり、効率良く除湿冷却できるので除湿
効率が大幅に改善される。
【0038】図4に本発明の第3の実施の形態になる空
気調和機のサイクル構成を示す。前述の第1、2の実施
の形態では、室内ユニット20にプレクーラを設けてい
るが、本実施の形態は、室内ユニット20と共に室外ユ
ニット10にもプレクーラを設けたものである。
【0039】図4に示すように、室外ユニット10は、
圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13及び室外フ
ァン17を備えており、そして室外熱交換器13は、主
熱交換器14及び副熱交換器としての室外プレクーラ3
2より構成されている。室外プレクーラ32は、室外フ
ァン17に吸込まれる空気流に対して主熱交換器14の
下流側に配置されている。また冷媒は、室外熱交換器が
蒸発器として作用する暖房運転時に、主熱交換器14か
ら室外プレクーラ32に向かって流れ、一方、室外熱交
換器が凝縮器として作用する冷房運転時には、室外プレ
クーラ32から主熱交換器14に向かって流れる。
【0040】上記構成によれば、室外熱交換器13が凝
縮器として作用する冷房運転時には、圧縮機11から吐
出された高温高圧の過熱冷媒ガスは、室外熱交換器13
へ送られて、この熱交換器13の伝熱空間を流れる空気
と熱交換して凝縮・液化する。
【0041】このとき、管内の冷媒が飽和域(図2で区
間B1−C)である主熱交換器14を通過する空気18
は、管内冷媒凝縮温度Tcとほぼ同じ温度になるまで加
熱されて主熱交換器14から流出する。主熱交換器14
から流出した空気18は室外プレクーラ32に至る。室
外プレクーラ32では、主熱交換器14内の凝縮温度よ
りもさらに高く過熱された70〜80℃の過熱冷媒(図
2でA点)が流入しているので、主熱交換器14から送
りだされた冷却空気をさらに高い温度まで加熱昇温でき
るため、室外熱交換器13の放熱量が大幅に増える。
【0042】即ち、従来プレクーラ無しでは、管内冷媒
飽和温度Tc以上に昇温できないので室外熱交換器の放
熱量は、管内冷媒凝縮温度Tcによって抑えられるが、
室外プレクーラ32を設けることによって、凝縮温度T
cより高い温度になるまで放熱が可能となり、凝縮器の
放熱量が大幅に改善される。放熱量が同じ条件では、暖
房時室内熱交換器と同じように、凝縮飽和温度を約2℃
下げることができるので、圧縮機の消費電力を大略5%
節約できるとの効果が期待される。
【0043】次に室外熱交換器13が蒸発器として作用
する暖房運転時には、冷房運転時凝縮器として作用する
場合とは異なり、管内冷媒の圧力が低くなる。冷媒の圧
力が低いと比容積が大きくなるので管内冷媒ガスの流速
は高くなる。このため冷媒側には大きな圧力損失を生じ
ることとなる。管内冷媒の圧力損失によって冷媒の飽和
温度が熱交換器出口に向かって低下するので、冷媒流路
出口に位置している室外プレクーラ32の冷媒蒸発温度
が最も低くなっている。室外プレクーラ32は主熱交換
器14の空気下流側に配置されているので、主熱交換器
14で冷却された主熱交換器14出口空気を、更に低い
冷媒蒸発温度の室外プレクーラ32によって冷却できる
こととなり、暖房時汲み上げ熱量の大幅な改善が期待で
きる。即ち空気調和機の暖房能力の大幅な向上が期待で
きる。
【0044】図5に本発明の第4の実施の形態になる空
気調和機のサイクル構成を示す。前述の第3の実施の形
態では室内ユニット20および室外ユニット10にプレ
クーラ30、室外プレクーラ32を設けているが、本実
施の形態では、さらに室内ユニット10にはプレクーラ
30の他にサブクーラ40を設けている。
【0045】図5に示すように、室内熱交換器21は、
主熱交換器(22a、22b)と、貫流ファン24に吸
い込まれる空気流れに対して主熱交換器(22a、22
b)の下流側に配置されたプレクーラ30(第一副熱交
換器)と、空気流れに対して主熱交換器(22a、22
b)の上流側に配置されたサブクーラ40(第二副熱交
換器)とから構成されている。
【0046】上記の構成によれば、暖房運転時には、管
内冷媒温度が飽和温度(図2で区間B1−B2)に保た
れている主熱交換器(22a、22b)の風上側に、管
内の冷媒温度が主熱交換器(22a、22b)のそれよ
り低く(図2で区間B2−C)保たれているサブクーラ
40を設けたので、サブクーラ40へは温度の低い空気
が流入することとなり、液冷媒を流入空気温度に近い温
度まで冷却することが可能となる。したがって、サブク
ーラ40無しの場合に比べて、出口冷媒温度を室内熱交
換器に流入する空気温度近くまでより冷却できるので、
飽和温度一定の場合には、その分だけ空気調和機の暖房
能力が向上し、また暖房能力一定の場合には飽和温度が
低下するので、圧縮機の消費電力量の低減効果を発揮で
きる。
【0047】なお、プレクーラ30とサブクーラ40を
主熱交換器を挟んで、互いに対向して設けると、送風気
流において同一流線上に位置することとなり、通気抵抗
の増加を招く結果、風速が局所的に低下し、前記効果が
減少してしまう。サブクーラとプレクーラ取り付け位置
としては、図4に示すように送風気流において同一流線
上を避けて、主熱交換器を挟んで互いに位置をずらすよ
うに配置するのが好ましい。
【0048】また、上記構成によれば冷房運転の場合、
室内熱交換器21は蒸発器として作用するので、管内圧
力はサブクーラ40、主熱交換器(22a、22b)、
プレクーラ30の順に低くなっている。管内圧力の低下
に従って、管内冷媒の温度も、サブクーラ40、主熱交
換器22、プレクーラ30の順に低くなっており、プレ
クーラ30の温度が最も低い。空気の流れ方向も、サブ
クーラ40、主熱交換器22、プレクーラ30の順に、
冷媒温度の低下方向と同じになっているので、サブクー
ラ40側から流入した被冷却室内空気は、徐々に低い温
度の冷媒で冷却されながら、ついには蒸発温度が最も低
いプレクーラ30で冷却された後、室内へ吹き出され冷
房に供せられる。即ち主熱交換器22の上流側にサブク
ーラ40を、下流側にプレクーラ30を配置した構成と
したので、徐々に低い温度の冷媒で空気を冷却でき、冷
房時における空気調和機の冷却効率を大幅に向上できる
という効果がある。
【0049】また上記構成によれば、除湿運転時に、サ
ブクーラ40は再熱器として作用し、プレクーラ30は
除湿冷却器として作用できるので、室内ユニット20に
おいて再熱能力が増加するとともに除湿能力も向上し、
除湿効率を大幅に改善できるという効果がある。したが
って、サブクーラ40の再熱作用によって除湿運転時の
吹き出し空気温度を下げることなく除湿能力の改善を図
ることができるという効果を奏する。
【0050】図6に本発明の第5の実施の形態になる空
気調和機のサイクル構成を示す。前述の第4の実施の形
態では、室内熱交換器21として主熱交換器(22a、
22b)の他にサブクーラ40とプレクーラ30を設
け、室外熱交換器13として主熱交換器14の他に室外
プレクーラ32を設けているが、本実施の形態では、室
外熱交換器として室外プレクーラ32の他に室外サブク
ーラ42を設けることにより、室内ユニット20と室外
ユニットの両方にプレクーラ、サブクーラを設けた空気
調和機としている。
【0051】この構成によれば、室外熱交換器13にサ
ブクーラ42を設けたので、室外熱交換器13が凝縮器
として作用する冷房運転時には、同じく凝縮器として作
用する暖房運転時の室内熱交換器21と同様に、サブク
ーラの効果が発揮される。即ち、冷却空気がより高温に
なるまで熱交換できるので、室外熱交換器13の凝縮器
としての能力が大幅に向上する。また、室外熱交換器1
3が蒸発器として作用する暖房運転時には、同じく蒸発
器として作用する冷房時運転時の室内熱交換器21と同
様に、サブクーラの効果が発揮される。即ち、外気がよ
り低温になるまで熱交換できるので、室外熱交換器13
の蒸発器としての汲み上げ熱量(図2で区間D−Eの熱
量)が大幅に向上し、暖房能力(図2で区間A−Cの熱
量)が改善される。
【0052】図7に本発明の第6の実施の形態になる空
気調和機の室内ユニットを示す。これは図5又は図6に
示す室内ユニット20に相当するものである。この室内
ユニット20は、箱体201と、この箱体201内に設
置された室内熱交換器21、貫流ファン24と、この箱
体201下に設けられたファンケーシング202とから
構成されている。箱体201の上面には空気を吸い込む
上面吸込み口203が、また前面には同じく前面吸込み
口204が形成されている。箱体201の下側にはファ
ンケーシング202が設けられ、そしてファンケーシン
グ202は下方に開口する空気の吹き出し口205を有
している。
【0053】室内熱交換器21は、熱交換器小ユニット
22a、熱交換器小ユニット22bからなる主熱交換器
と、プレクーラ30と、サブクーラ40とから構成され
ている。主熱交換器は、除湿運転時に再熱器(凝縮器)
となる逆V字型熱交換器小ユニット22aと、除湿冷却
器(蒸発器)となる熱交換器小ユニット22bとからな
り、そして熱交換器小ユニット22a、22bは絞り機
構25を介して互いに配管接続されている。また、熱交
換器小ユニット22aは上面吸込み口203に対向し
て、熱交換器小ユニット22bは前面吸込み口204に
対向して、箱体201内に設置されている。貫流ファン
24は、上方が逆V字型熱交換器小ユニット22aによ
り、前方が熱交換器小ユニット22bにより囲われるか
のように、下部がファンケーシング202の風路入口の
前面ノーズ207、背面ノーズ208に近接して、箱体
201内の中心部に設置されている。
【0054】プレクーラ30は、除湿冷却器となるべき
熱交換器小ユニット22bを通過する空気流下流側に、
サブクーラ40は再熱器22aを通過する空気流の上流
側に配置されている。室内熱交換器21は、前記したよ
うにある間隔をもって多数積層された伝熱フィン100
の伝熱管挿通用穴101にヘアピン曲げされた伝熱管1
02を挿通固着して構成し、伝熱管102はベンドパイ
プ103やY字型分岐管104、T字型分岐管105等
を介して配管106で連接されて、冷媒流路を形成して
いる。冷媒流路内の冷媒の流れは、例えば冷房運転時に
は図7中に破線で示す矢印のように、サブクーラ40か
ら入り、順次に逆V字型熱交換器小ユニット22a、絞
り機構25を経て、プレクーラ30から出る。なお、暖
房運転時には熱交換器小ユニット22a、22bは凝縮
器として機能し、冷媒の流れはプレクーラからサブクー
ラに至るので、プレクーラからサブクーラの名称に対応
することになる。
【0055】冷房運転時には、室外ユニット10(図5
参照)内に設置された室外熱交換器13で凝縮液化した
冷媒は、絞り機構16を経て、室内ユニット(図7参
照)の室内熱交換器に21に至りサブクーラ40ヘ流入
する。サブクーラ40を出た冷媒は、主熱交換器22
a、絞り機構25(全開)、主熱交換器22bを経て最
下流に位置しているプレクーラ30に至り、室内熱交換
器21から流出し、室外ユニット10に戻る。室内熱交
換器21で冷却された空気流は、吹き出し口205から
被空調室内へ吹き出されて冷房に供せられる。
【0056】ここで、室内熱交換器21の冷媒出口に位
置するプレクーラ30に用いる伝熱管の管径は、主熱交
換器(22a、22b)の管径に比べて太く設定するの
が好ましい。プレクーラ30のパイプ径を太くすること
によって、室内熱交換器21が蒸発器として作用する冷
房運転時に最下流に位置するプレクーラ30内の管内流
速が低下するので、圧力損失の増加を抑えることができ
る。また、プレクーラ30は主熱交換器(22a、22
b)に比べて熱負荷が大略1/10と小さいので、伝熱
管本数も約1/10と少ない。このため複数パスの回路
を構成するのが通常難しいが、伝熱管径を太くすること
によって1パスにすることが可能となる。なお、図7で
は、熱交換器小ユニット22aは2パスの冷媒流路を有
する、すなわち、熱交換器小ユニット22a流入した冷
媒はY字型分岐管104で分流されて2パスとなり出口
のT字型分岐管105で合流する。熱交換器小ユニット
22bも、同様に2パスの冷媒流路を有している。
【0057】上記の構成によれば、蒸発器として作用す
る主熱交換器(22a、22b)の冷媒出口側は、ガス
流速が大きいため、複数のパスに分けて冷媒を流してい
る。冷媒出口では、液冷媒が少なくなっているので、各
冷媒パスごとの熱負荷に見合って液冷媒が適切になるよ
うに、冷媒分配量を調節するのは非常に難しい。しか
し、主熱交換器の下流に位置するプレクーラのパイプ径
を太くして主熱交換器よりもパス数を少なく、好ましく
は1パスに構成することにより、複数パスに分かれてき
た冷媒がプレクーラ内で合流でき、冷媒分配量のアンバ
ランス量が解消されることとなる。したがって、冷媒分
配の問題が生じることがないため、どんな熱負荷に場合
でも常に熱交換器本来の性能を発揮できるという効果を
奏する。
【0058】以上は冷房運転時の冷媒パスとして適正な
管径について述べているが、暖房運転を考慮した好まし
い管径としては、サブクーラ40の伝熱管については、
主熱交換器(22a、22b)管径よりも細くするのが
好ましい。即ち、前記したように暖房運転時の冷媒の流
れは、冷房運転時とは反対になり、圧縮機から吐き出さ
れた冷媒は、四方弁12を介してプレクーラ30へ流入
する。プレクーラ30を出た冷媒は主熱交換器(22
a、22b)を経て凝縮液化し液冷媒となって、サブク
ーラ40へ流入する。サブクーラ40では、液冷媒の比
容積が小さいので管内流速が大幅に低下する。管内流速
が低下すると、一般的に流速低下に従って管内熱伝達率
が低下するのは良く知られている。熱伝達率の低下を防
ぐためには、好ましくは管径を細く設定するのがよい。
【0059】なお、第6の実施の形態における室内熱交
換器(22a、22b)は全体として、逆V字型に配置
されているが、本発明による作用効果は、熱交換器くの
字曲げ配置でも直線配置でも円弧状配置等配置形態によ
らないのはもちろんである。
【0060】この実施の形態は、室内ユニット20に配
置された室内熱交換器の、サブクーラの管径を主熱交換
器に比べて細く設定し、プレクーラの管径を主熱交換器
に比べて太く設定するように構成したものである。前記
効果は、室外ユニットの場合でも同様であり、室外熱交
換器に設けられたサブクーラの管径を主熱交換器に比べ
て細く設定し、プレクーラの管径を主熱交換器に比べて
太く設定するように構成しても同様の効果が発揮できる
のは当然である。
【0061】図8に本発明の第7の実施の形態になる空
気調和機の室内ユニットを示す。本実施の形態における
室内ユニット20は、前述の実施の形態6における室内
ユニット20(図7)とは、構成要素の点では同一であ
るが、互いに隣接する熱交換器小ユニット22bと熱交
換器小ユニット22aの接合部分の形状とそれに伴うフ
ィンの形状の点で相違している。すなわち、実施の形態
6では、隣接している熱交換器小ユニット22bと熱交
換器小ユニット22aは図7に示すように、フィン10
0に設けられた切り欠き部110を介して、くの字に折
り曲げて構成されているので、切り欠き部110での水
滴の対流や風速分布の乱れ等による性能低下の問題を生
じる。これに対して本実施の形態では、図8に示すよう
に、熱交換器小ユニット22bに隣接し上部に位置する
熱交換器小ユニット22aは、フィンを切り欠くことな
く一体的に構成されているので、水滴の対流や風速分布
の乱れを生じることがない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、暖房運転時に凝縮器と
して作用する室内熱交換器を、管内冷媒温度が主熱交換
器よりも高くなる副熱交換器(室内プレクーラ)を主熱
交換器の風下側に別体に配置する構成としたので、従来
の、風上/風下の2列に伝熱管を配列したクロスフィン
チューブ型熱交換器のようにフィンを介して温度の異な
る伝熱管の間での熱伝導損失を生じることがなく、空気
調和機の暖房能力が向上する。
【0063】また、暖房時に蒸発器として作用する室外
熱交換器を、管内冷媒温度が最も低くなる副熱交換器
(室外プレクーラ)を主熱交換器の風下側に別体に配置
する構成とすれば、風上側の主熱交換器で冷却除湿され
た低温・低湿度空気が流入するので、低外気温時でも副
熱交換器への着霜が抑えられるとともに、外気からの汲
み上げ熱量が大幅に増加するので暖房能力が向上する。
【0064】暖房能力が一定の場合には、上記のように
室内熱交換器を主熱交換器とプレクーラとから構成する
ことにより、暖房時に必要な冷媒と空気との温度差を小
さくできるので、凝縮温度・圧力が低下し、蒸発温度・
圧力が上昇して圧縮機の圧縮仕事が軽減されるので、暖
房運転時の消費電力量が少ない空気調和機を提供できる
とともに熱交換器を小型にでき、ひいては室外ユニット
を小型にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態になる空気調和機の
冷凍サイクル構成図である。
【図2】本発明の空気調和機における冷凍サイクルのT
−S線図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態になる空気調和機の
冷凍サイクル構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態になる空気調和機の
冷凍サイクル構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態になる空気調和機の
冷凍サイクル構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態になる空気調和機の
冷凍サイクル構成図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態における室内ユニッ
トの横断面図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態における室内ユニッ
トの横断面図である。
【符号の説明】
10 室外ユニット 12 四方弁 13 室外熱交換器 16 減圧器 17 室外ファン 20 室内ユニット 21 室内熱交換器 22a、22b 熱交換器小ユニット 24 貫流ファン 25 除湿運転用絞り機構 27 冷媒配管 30 室内プレクーラ 32 室外プレクーラ 40 室内サブクーラ 42 室外サブクーラ 100 伝熱フィン 101 伝熱管挿通用穴 102 伝熱管 103 ベンドパイプ 104 Y字型分岐管 105 T字型分岐管 106 配管 201 箱体 203 上部吸込み口 204 前面吸込み口 206 吹き出し口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 芳廣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 舟越 砂穂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小暮 博志 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 高久 昭二 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 森本 素生 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び室内ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそ
    って上流側から順次に配置された主熱交換器と副熱交換
    器とから構成し、かつ暖房サイクル時に冷媒を副熱交換
    器から主熱交換器に流れるように配管接続したことを特
    徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び室内ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそ
    って上流側から順次に配置された室内主熱交換器と室内
    副熱交換器とから、室外熱交換器は室外ファンによって
    生成される空気流にそって上流側から順次に配置された
    室外主熱交換器と室外副熱交換器とから構成し、かつ暖
    房サイクル時に、冷媒が室内副熱交換器から室内主熱交
    換器に流れるように、また室外主熱交換器から室外副熱
    交換器に流れるように配管接続したことを特徴とする空
    気調和機。
  3. 【請求項3】 室内副熱交換器の伝熱管径を室内主熱交
    換器のそれより大きく、室外副熱交換器の伝熱管径を室
    外主熱交換器のそれより大きく設定した請求項2記載の
    空気調和機。
  4. 【請求項4】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び室内ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそ
    って下流側から順次に配置された室内第一副交換器と室
    内主熱交換器と室内第二副熱交換器とから、室外熱交換
    器は室外ファンによって生成される空気流れにそって上
    流側から順次に配置された室外主熱交換器と室外副熱交
    換器とから構成し、かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内
    第一副熱交換器から室内主熱交換器を経て室内第二副熱
    交換器に流れるように、また室外主熱交換器から室外副
    熱交換器に流れるように配管接続したことを特徴とする
    空気調和機。
  5. 【請求項5】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び室内ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそ
    って下流側から順次に配置された室内第一副交換器と室
    内主熱交換器と室内第二副熱交換器とから、室外熱交換
    器は室外ファンによって生成される空気流れにそって下
    流側から順次に配置された室外第一副熱交換器と室外主
    熱交換器と室外第二副熱交換器とから構成し、室内第一
    副交換器の伝熱管径を室内主熱交換器のそれより大き
    く、室内第二副交換器の伝熱管径を室内主熱交換器のそ
    れより小さく、室外第一副交換器の伝熱管径を室外主熱
    交換器のそれより大きく、室外第二副交換器の伝熱管径
    を室外主熱交換器のそれより小さく、それぞれ設定し、
    かつ暖房サイクル時に、冷媒が室内第一副熱交換器から
    室内主熱交換器を経て室内第二副熱交換器に流れるよう
    に、また室外第二副熱交換器から室外主熱交換器を経て
    室外第一副熱交換器に流れるように配管接続したことを
    特徴とする空気調和機。
  6. 【請求項6】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び室内ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内熱交換器は室内ファンにより生成される空気流にそ
    って下流側から順次に配置された室内第一副交換器と室
    内主熱交換器と室内第二副熱交換器とから、室外熱交換
    器は室外ファンによって生成される空気流れにそって下
    流側から順次に配置された室外第一副熱交換器と室外主
    熱交換器と室外第二副熱交換器とから構成し、室内第一
    副交換器、室内第二副交換器、室外第一副交換器及び室
    外第二副交換器のそれぞれ冷媒パス数を1パスとし、か
    つ暖房サイクル時に、冷媒が室内第一副熱交換器から室
    内主熱交換器を経て室内第二副熱交換器に流れるよう
    に、また室外第二副熱交換器から室外主熱交換器を経て
    室外第一副熱交換器に流れるように配管接続したことを
    特徴とする空気調和機。
  7. 【請求項7】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外フ
    ァン及び膨張機構を備える室外ユニットと室内熱交換器
    及び貫流ファンを備える室内ユニットとからなり、圧縮
    機、四方弁、室内熱交換器、膨張機構及び室外熱交換器
    を冷媒配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和
    機において、 室内ユニットは、上面及び前面にそれぞれ空気吸込み口
    を、下部に空気吹き出し口を有するする箱体と、両空気
    吸込み口に凡そ対向するよう成形された室内熱交換器
    と、両空気吸込み口から室内熱交換器を介して空気を吸
    い込み、空気吹き出し口から吹き出すように箱体内に設
    置された貫流ファンとから構成し、かつ室内熱交換器
    を、気流の方向に順次に配置した主熱交換器と副熱交換
    器とから構成し、かつ暖房サイクル時の冷媒が副熱交換
    器から主熱交換器に流れるように配管接続したことを特
    徴とする空気調和機。
  8. 【請求項8】 膨張機構を室外ユニットに設ける代わり
    に室内ユニットに設けた請求項1ないし7いずれかに記
    載の空気調和機。
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