JP2005133976A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧縮機、室外熱交換器、室外側減圧手段、室内側減圧手段、室内熱交換器を、順次、冷媒を循環させる配管で接続して冷凍サイクルを形成した空気調和装置であり、室内熱交換器は、吸込んだ空気を冷却する冷却用熱交換器17と、吸込んだ空気を加熱する再熱用熱交換器19とで構成され、室内熱交換器に吸込まれた空気の通流経路として、冷却用熱交換器17から再熱用熱交換器19の順で通流する第1の経路Aと、再熱用熱交換器19のみを通流する第2の経路Bとを有し、第1の経路Aからの空気と第2の経路Bからの空気とを室内に吹き出す構成とする。
【選択図】 図2
Description
ところが、特許文献1に提案されているような構成の空気調和装置では、主通路を通過して室内熱交換器で冷却された空気と、側通路を通過する室内からの冷却や除湿されていない高温高湿の空気とが混合された場合、この側通路からの高温高湿の空気が主通路からの冷却された空気で冷やされて飽和曲線を超えてしまい、主通路と側通路の混合部で結露が生じ、室内に霧が飛散してしまう場合がある。また、特許文献1に提案されているような構成の空気調和装置では、吹き出し空気の温度を下げる通常の冷房運転を行ないたい場合、側通路を閉鎖する必要があり、そのためのダンパが必要となる。このため、構成の複雑化によるコストの増大や装置の大型化を招いてしまう。
本実施形態の室内機35は、図2に示すように、箱状の室内機本体外郭45、室内機本体外郭45の下面周囲に設けられた化粧パネル47、室内機本体外郭45の下面中央部に設けられた吸込み口49、室内機本体外郭45の下面周縁部に設けられた吹き出し口51、吹き出し口51に設けられて吹き出し方向を変える風向ルーバー53などを備えている。さらに、室内機35の室内機本体外郭45内には、吸込み口49の上方に室内送風機24及びその電動機24aが設けられ、室内送風機24を囲んだ状態で、室内熱交換器を構成する冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19が設けられている。本実施形態では、冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19は、一体の熱交換器として形成されており、この一体の熱交換器として形成された冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19が、室内機本体外郭45内に、上下方向にほぼ垂直に立てた状態で設けられており、冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19の下端側には、冷却用熱交換器17での凝縮水を受けるドレンパン55が設けられている。
このように、冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19とを室内熱交換機として一体に形成する場合、例えば、図3において、室内熱交換器を構成する冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19の部分において示した実線のように熱交換器の手前側側面での各冷媒流路57、59を各々接続し、点線のように熱交換器の反対側側面での各冷媒流路57、59を各々接続する。これにより、冷却循環管路1の液側接続配管1aが接続された第1再熱用ヘッダ管61に流入した室外機33からの冷媒は、第1再熱用ヘッダ管61から分岐して熱交換器の室内送風機24側から1列目の上部に配管された冷媒流路59、2列目の上部に配管された冷媒流路59、そして3列目の上部に配管された冷媒流路59を通流し、第2再熱用ヘッダ管63に流入する。また、第1再熱用ヘッダ管61から分岐した別の冷媒は、熱交換器の3列目の上部以外に配管された冷媒流路59を通流し、第2再熱用ヘッダ管63に流入する。
このような室内機35では、電動機24aで駆動された室内送風機24の送風作用により、室内の空気が吸込み口49から吸込まれ、冷却用熱交換器17及び再熱用熱交換器19で構成された室内熱交換器へと導かれると、この吸込まれた空気は、図2及び図3に矢印で示す、室内熱交換器の下側、つまり、冷却用熱交換器17から再熱用熱交換器19の順に通過する第1経路Aと、室内熱交換器の上側、つまり、再熱用熱交換器19のみを通過する第2経路Bとの2つの経路を有することとなる。
ここで、再熱用熱交換器19のみを通過する第2経路Bは、冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19を通過する第1経路Aよりも上方に配置されることが望ましい。この理由としては、第2経路Bが下部に配置された場合、冷却用熱交換器で通過した空気が冷却、除湿された際に発生した結露水が重力で流れ落ち、下部に配置された再熱用熱交換器で再び加熱され、蒸発することとなる。したがって、第2経路Bが下部に配置された場合、除湿量の低下が生じることになるためである。
過冷却器11からの過冷却液冷媒は、室外機33から液側接続配管1aを介して、室内機35に送られる。室内機35に送られた過冷却液冷媒は、室内膨張弁15により減圧され、低温低圧二相冷媒となる。冷房運転時には、電磁弁39、41は開いているため、低温低圧二相冷媒は、冷却用熱交換器17と冷却用熱交換器として作用する再熱用熱交換器19の両方に送られる。冷却用熱交換器17と冷却用熱交換器として作用する再熱用熱交換器19に入った低温低圧二相冷媒は、冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19の両方で、室内送風機24によって送られた室内空気との間で熱交換を行なって室内空気を冷却する。そして、冷却された室内空気が室内機35から室内に吹き出されることで冷房される。
このとき、冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19内では。冷媒は、蒸発して低圧ガス、または、かわき度の大きな二相冷媒となり、ガス側接続配管1bを介して室外機33に戻り、再び四方弁23を通過して圧縮機3に吸入される。なお、冷媒循環中に発生した余剰冷媒はレシーバ9に貯留される。
このように、過冷却器11により、液冷媒が過冷却されることにより、液冷媒のエンタルピが小さくなるため、蒸発器となる室内機35の冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19に送られる冷媒循環量が少なくて済む。さらに、このため液側接続配管1a、ガス側接続配管1b、蒸発器として作用する冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19での圧力損失を小さくすることが可能であり、冷房能力を向上させることができる。
暖房運転時においては、四方弁23が、図1の四方弁23内の点線で示した流路の方に切り換えられるため、圧縮機3において圧縮された高温高圧の過熱ガス冷媒は、四方弁23を介してガス側接続管1bを介して室内機35に送られる。ここで、冷房運転時と同様に、電磁弁39、41は共に開放状態に設定されているため、高温高圧の過熱ガス冷媒は、共に加熱用熱交換器つまり凝縮器として作用する冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19の両方に送られ、冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19の両方で、室内送風機24によって吸込まれた室内空気との間で熱交換を行なって、室内空気を加熱、昇温する。そして、昇温された室内空気が室内機35から室内に吹き出されることで暖房される。
冷却用熱交換器17と再熱用熱交換器19で熱交換された冷媒は、高圧の液冷媒となり、液接続配管1aを介して室外機35へと戻る。室外機35に戻った高圧液冷媒は、過冷却器11を通過し、レシーバ9に送られるが、冷房運転時と異なり、過冷却器用減圧装置27は全閉状態としているため、過冷却作用は行われない。レシーバ9を出た液冷媒は、室外膨張弁7で減圧され、低温低圧の二相冷媒となって室外熱交換器5に入り、室外熱交換器5で室外送風機5aにより送られる空気により加熱、蒸発され、ガス化されて圧縮機3に吸入される。なお、冷房運転時と同様に、冷媒循環中に発生した余剰冷媒は、レシーバ9に貯留される。
除湿運転時には、四方弁23が冷房運転時と同じ位置に切り換えられるため、圧縮機3で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器5において、室外送風機5aにより送られる室外の空気により冷却、凝縮されて液冷媒となる。室外熱交換器5からの液冷媒は、室外膨張弁7が全開状態となっているため、ほとんど減圧されずにレシーバ9に入る。冷房運転時には過冷却器11において過冷却されるが、除湿運転時には、過冷却器用減圧装置27を全閉状態として運転するため、レシーバ9を出た液冷媒は、過冷却器11をそのまま通過する。過冷却器11を出た液冷媒は、吐出ガスバイパス管路29から流入してくる圧縮機3からの吐出ガスの一部が混合され、気液二相冷媒となる。これにより、室内機35に送られる冷媒のエンタルピが増加し、再熱用熱交換器19での再熱量を大きくすることが可能になる。
ここで、除湿運転では、前述のように、液側接続配管1aを通流する液冷媒に、吐出ガスバイパス管路29を介して圧縮機3から吐出されたガス冷媒を混合させ、液側接続配管1aを介して室内機35に送られる冷媒を気液二相冷媒にすることにより、再熱用熱交換器19での熱交換量を増大させている。ところが、気液二相冷媒は、液接続配管1aの長さが長くなることにより圧力損失が増大したときの圧力の低下が飽和液冷媒に比べて大きい。このため、再熱用熱交換器19の圧力の低下により、飽和液冷媒に比べて再熱熱交換量が減少してしまう。したがって、吹き出し温度の低下による冷風感を防止することを目的とした再熱除湿の効果が低減してしまう。また、液接続配管1aの長さが長くなることにより圧力損失が増大すると、圧縮機3の吸入ガス圧力が低下して、真空運転による圧縮機運転範囲の逸脱による圧縮機の信頼性低下が生じる場合もある。
このような、室外機33と室内機35の間の距離などが長くなり、液接続配管1aの長さが長くなった長配管接続のときに生じる再熱用熱交換器19の圧力の低下を防止するため、例えば、再熱用熱交換器19の入口部分での冷媒温度を検出する図示していない冷媒温度出手段を設けている。そして、この図示していない冷媒温度出手段での検出温度によって、長配管接続としたことによる圧力損失の増加の影響による再熱用熱交換器19の入口部分での冷媒温度の低下を検出すると、その温度に応じて吐出ガスバイパス管路29に設けられた吐出ガスバイパス用減圧装置31の開度を小さくして行くか、または、全閉とし、室外機33から室内機35に送られる冷媒中のガス冷媒の量を少なくするか、または、室外機33から室内機35に送られる冷媒を飽和液冷媒とする。これによって、再熱用熱交換器19の圧力の低下が抑制される。
第2経路Bにおいては、室内機35の吸込み口49より吸込まれる状態(I)の室内空気は、再熱用熱交換器19のみを通過して加熱され、状態(III)’の絶対湿度と温度の高い状態になる。そして、これら第1経路Aを通過した状態(III)の空気と、第2経路Bを通過した状態(III)’の空気という異なる状態の空気が、室内機35内において吹き出し口51にいたる過程で混合され、吹き出し口51より吹き出される。室内機35の吹き出し口51から吹き出す空気の状態は、第1経路Aを通過する風量つまり空気の量と第2経路Bを通過する風量つまり空気の量との割合により決まる状態(IV)の空気となる。
したがって、本実施形態では、室内機35の吹き出し口51から吹き出される空気は、除湿運転により、状態(I)から状態(IV)へと除湿されるが、空気温度は、ほとんど下がっていない。また、第1経路A通過した状態(III)の空気、そして第2経路Bを通過した状態(III)’の空気は、いずれも再熱用熱交換器19により加熱された後の空気のため相対湿度は低くなっている。このため、温度の異なる2つの経路を通過した空気が混合する際にも、過飽和状態になることが無いため、霧吹きや水たれが生じるのを防止できる。
ところで、熱交換器を通過する空気が速度分布を持たない場合は、全体の風量に対する第2経路Bの風量割合、つまり室内熱交換機を通過する全体の空気の流量に対する第2経路Bを通過する空気の流量の割合は、室内熱交換機全体の断面積に対する第2経路Bに在る熱交換器の断面積の割合と言い換えることができる。そこで、第2経路Bの風量割合に対する吹き出し空気温度Taoや除湿量Vdとの関係を検討した。吹き出し空気温度Taoは、図6(a)に示すように、全体の風量に対する第2経路Bの風量割合が大きくなるに連れて高くなる。一方、除湿量Vdは、図6(b)に示すように、第2経路Bの風量割合が10%で最大となり、さらに、第2経路Bの風量割合を増加させるに連れて減少し、第2経路Bの風量割合が50%を超えると、冷房運転における除湿量以下となる。
そこで、再熱用熱交換器19のみを通過する第2経路Bの風量割合を増加させることによる効果を、吹き出し空気温度の上昇と除湿量の増加で評価を行なうため、第2経路Bの風量割合と吹き出し空気温度の上昇量ΔTaoと除湿量の増加量ΔVdの積との関係を検討した。これによると、図6(c)に示すように、第2経路Bの風量割合が50%以下のとき、再熱用熱交換器19のみを通過させる第2経路Bを設けることにより、除湿運転の際、吹き出し空気温度の低下を低減できる効果が確実に得られることが分かり、さらに、20%以上40%以下の範囲で、吹き出し空気温度の低下を低減できる効果が一層確実に得られることが分かる。
以上の結果より、室内熱交換機を通過する全体の空気の流量に対する第2経路Bを通過する空気の流量の割合は、50%以下に設定することが望ましく、20%以上40%以下にすることがさらに望ましい。言い換えれば、室内熱交換機全体の断面積に対する第2経路Bに在る熱交換器の断面積の割合は、50%以下に設定することが望ましく、20%以上40%以下にすることがさらに望ましい。
さらに、本実施形態の空気調和装置では、図1に示された冷凍サイクル構成のように、1台の室外機33に対し複数の室内機35を接続する多室型空気調和装置で、冷房運転を行なう室内機と除湿運転を行なう室内機とを混合して運転する場合においても、液接続配管1a中の冷媒を飽和液とすることが可能である。このため、液接続配管1a内を流通する冷媒の圧力損失が抑えられることにより、冷房運転を行なう室内機の能力の低下を抑制できる。このときに、除湿運転を行なう室内機では、除湿能力の低下を抑制しながら、吹き出し温度の高温化が可能となる。
さらに、本実施形態では、室内機35において、電磁弁39、41の切り換えによる冷媒流路の切り換えのみで、冷房運転と、吹き出し温度の低下を抑えた除湿運転とを切り換えることが可能であるため、従来の吸込んだ空気を冷却用熱交換での冷却後の空気と混合させて吹き出す空気調和装置のように、ダンパのような空気の流路切り換え手段などを必要とせず、低コスト化、小型化、高信頼性化などを図ることができる。
19 再熱用熱交換器
24 送風機
35 室内機
49 吸込み口
51 吹き出し口
55 ドレンパン
A 第1経路
B 第2経路
Claims (5)
- 圧縮機、室外熱交換器、室外側減圧手段、室内側減圧手段、室内熱交換器を、順次、冷媒を循環させる配管で接続して冷凍サイクルを形成した空気調和装置であり、
前記室内熱交換器は、吸込んだ空気を冷却する冷却用熱交換器と、吸込んだ空気を加熱する再熱用熱交換器とで構成され、前記室内熱交換器に吸込まれた空気の通流経路として、前記冷却用熱交換器から前記再熱用熱交換器の順で通流する第1の経路と、前記再熱用熱交換器のみを通流する第2の経路とを有し、前記第1の経路からの空気と前記第2の経路からの空気とを室内に吹き出すことを特徴とする空気調和装置。 - 前記圧縮機から吐出したガス冷媒を前記室外側減圧手段と前記室内側減圧手段との間の配管部分に導く吐出ガスバイパス管路と、該吐出ガスバイパス管路に設けられて該吐出ガスバイパス管路を通流する冷媒の流量を調整する吐出ガスバイパス用流量調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記第2の経路を通流する空気の流量の割合が、全空気流量の50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記室内熱交換器全断面積に占める前記第2の経路に在る再熱用熱交換器の断面積の割合が50%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
- 前記室内熱交換器は、上下方向に立てた状態で設けられており、前記第2の経路に在る再熱用熱交換器が前記第1の経路に在る冷却用熱交換器及び再熱用熱交換器よりも上方に配置されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
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