JP7127921B1 - 建物ユニット - Google Patents

建物ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP7127921B1
JP7127921B1 JP2022068116A JP2022068116A JP7127921B1 JP 7127921 B1 JP7127921 B1 JP 7127921B1 JP 2022068116 A JP2022068116 A JP 2022068116A JP 2022068116 A JP2022068116 A JP 2022068116A JP 7127921 B1 JP7127921 B1 JP 7127921B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
bolt
building unit
main body
diaphragms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022068116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023158339A (ja
Inventor
彦 長原
Original Assignee
株式会社Eizenホールディングス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社Eizenホールディングス filed Critical 株式会社Eizenホールディングス
Priority to JP2022068116A priority Critical patent/JP7127921B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7127921B1 publication Critical patent/JP7127921B1/ja
Publication of JP2023158339A publication Critical patent/JP2023158339A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

【課題】柱の強度を保ちつつ、接合作業を安全にかつ容易に行うことができる建物ユニットの接合構造を提供すること。【解決手段】建物ユニット1の柱10aは、柱本体部60と、上下のコア80、70とを有している。コア80、70は、上から第1、第2のダイアフラムおよび、第3、第4のダイアフラムが溶接されている。第3ダイアフラムの中心には、シャーレンチによるワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する開口が設けられている。また、第4のダイアフラム73には、ワンサイドボルトが挿通される通し孔によるボルト孔73aが穿孔されている。一方、第1のダイアフラム82にも通し孔によるボルト孔82aが穿孔されている。柱本体部60は、コンクリート床スラブ40よりも高い位置において、シャーレンチによるワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する切欠部65が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、規格化したユニットに分割された状態で製造されて、建築現場において組み立てられる建物ユニットに関する。
ユニット工法は、集合住宅、ホテル、事務所等を、重量鉄骨により柱と梁を構成した複数の建物ユニットを工場で作成し、建築現場に搬送して上下左右に組み合わせて建築する工法である。
建物ユニットは、一般に箱形(直方体)である。直方体を構成する12辺のうち、垂直な4辺を角型鋼管による柱とし、水平な8辺をH型鋼による床梁、天井梁とした箱形を1つの建物ユニットの単位としている。建物ユニットを上下に積み重ねるときの接合は、ボルトにより締結される。この締結構造については、様々な技術が知られている。
例えば、特許文献1においては、柱となる角パイプの先端に水平接合面が設けられており、上の柱の先端と下の柱の先端の水平接合面を当接させて、水平接合面の中央に設けられた貫通孔にボルトを挿通させて螺合する。角パイプの先端付近には、角パイプの中空内部に到達できるように切り欠きが設けられており、この切り欠きを利用してボルトの配置を可能としている。特許文献2においても、柱の端面側にボルト貫通孔を有するダイアフラムを設けて、柱の中空内部に到達できるように切り欠きが設けられており、この切り欠きを利用してボルトの配置を可能としている。
特許文献3、4、5は、コ字型の梁ではあるが、柱の管の中空内部に到達できるように先端付近に切り欠きが設けられており、この切り欠きを利用してボルトの配置をする。特に、特許文献5は、切り欠きが設けられている位置は、特許文献3、4の技術と比較して柱のやや高い位置である。
特許文献6は、上記した他の文献に示されるような切り欠きを設けずに、柱の端部に設けた接合プレートに対して、柱の周囲を囲むようにボルト孔を設けて、柱の外側で接続するものである。
特許3655584号公報 特開2001-107465号公報 特許第2775582号公報 特開平10-18422号公報 特許第2775582号 特開2003-184184号公報
本発明において対象とする建物ユニットは、直方体を構成する12辺のうち、垂直な4辺を角型鋼管による柱とし、水平な8辺をH型鋼梁としたラーメン構造の建物ユニットである。
ラーメン構造では、柱と梁が接合される部分が溶接により一体化されている。比較的に小規模な建築物については、そのまま柱にH型鋼梁の上下のフランジやウェブを溶接して建物ユニットを製造する。一方、大規模な建築物については、ダイアフラムを用いた重量鉄骨造の建物ユニットを製造する。ダイアフラムは、H型鋼梁の上フランジと下フランジに対応する高さ夫々に、水平に柱の角型鋼管の内側に溶接される。ダイアフラムは、原則、H型鋼梁のフランジ厚に対して2サイズ以上厚い鋼板を用いるとされている。角型鋼管の柱は中空なので、梁に力が作用すると柱が押し潰されるのを回避するためである。
本発明において対象とする建物ユニットは、鉄筋コンクリート造(RC造)に匹敵する重量鉄骨造であり、建物ユニットを製造する段階で、梁の上にデッキプレートをのせ、メッシュを配置して10cm以上のコンクリートを流し込んで床スラブを形成する。
特許文献1-5の技術は、H型鋼梁とした建物ユニットに関するものではなく、H型鋼梁の上フランジと下フランジに対応する高さ夫々に水平に柱の角型鋼管の内側にダイアフラムを溶接する構造ではない。これらの技術では、梁の上フランジからの圧力による柱管の潰れを防止する支えを有していない構造であるので、水平接合面に対する切り欠きの位置の遠近を考慮する必要がない。特に、上フランジはコンクリートの打設により作成された床スラブが直接載せられているものであり、柱の押し潰しへの考慮は欠かせない。また、上下左右に建物ユニットが積み上げられた状態では、ボルトで締結するための空間が制限されており作業がしにくい。
特許文献6の技術によれば、特許文献1-5の技術にみられるような切り欠きを設けることがなく、柱の強度上の問題はなく、また、接合用ボルトの締め付けは柱の外側で行うため、作業環境は改善されている。一方で、上の階と下の階との間の間隔が開き、ここに空間が余計に生じるため、防火対策に対する考慮が必要となる。また、階数に比べて建物の高さが高くなる。
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、上下に重ねられたコンクリート床スラブが敷設された重量鉄骨造の建物ユニットにおいて、柱の強度を保ちつつ、接合作業を安全にかつ容易に行うことができる建物ユニットの接合構造を提供することを目的とする。
そのために本発明の建物ユニットは、4本の柱と、H型鋼からなる床梁及び天井梁とを連結し、床梁の上にコンクリート床スラブが打設された建物ユニットにおいて、各柱は、角型鋼管からなる柱本体部と、上から第1、第2のダイアフラムがコア胴部の上下端の全周において完全溶け込み溶接された前記柱本体部の上側のコアと、上から第3、第4のダイアフラムがコア胴部の上下端の全周において完全溶け込み溶接された前記柱本体部の下側のコアとを具備し、前記柱本体部の下側のコアのコア胴部は、前記柱本体部の側面に上下に一続きとなるように位置している四つの側面で囲う角型鋼管からなり、前記第3、第4のダイアフラムは、前記床梁の上下のフランジのうち対応するフランジに夫々直接完全溶け込み溶接されており、前記第3のダイアフラムは対応するフランジよりも厚くかつ、その中心にシャーレンチによるワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する開口が設けられており、前記第4のダイアフラムには、前記ワンサイドボルトが挿通される通し孔によるボルト孔が穿孔されており、前記第1のダイアフラムには、前記第4のダイアフラムのボルト孔に対応する位置に、通し孔によるボルト孔が穿孔されており、前記柱本体部には、前記コンクリート床スラブよりも高い位置であって、前記柱本体部の隣合う2つの側面に連続して切り欠かれた、シャーレンチによる前記ワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する切欠部を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、柱の下端において、ダイアフラムで挟まれたコア胴部には切り欠きなどの欠損がない。コンクリート打設による床スラブが敷設された重量鉄骨造の建物ユニットにおいては、床梁から押し潰し作用を大きく受ける。柱の下端におけるコアは、四方の側面において欠損がなく、それぞれの側面が床梁のH型鋼梁から延長されたウェブとしてダイアフラムとともに機能するため挫屈に耐えることができる。また、切欠部の位置は、床スラブよりも高い位置で有り、床梁の位置から離れている。従って、床梁から受ける大きな押し潰し作用に、切欠部は影響を与えない。また、第3のダイアフラムにおいて、開口を中央に設けられているので、コアにおける重心が柱の軸心に重なっている。また、切欠部による柱の重心のズレは補強板により補正されているので、上に積み上げられた建物ユニットの柱に作用する重量は、下の建物ユニットの柱の中心で支えられることができるという効果を奏する。
建物ユニットを示す図である。 ジョイント部分の詳細を説明する図である。 柱に対してH型鋼梁を固定した際の状態を説明する図である。 建物ユニットを上下に接合する方法について説明する図である。 ワンサイドボルトを説明する図である。 建物ユニットを左右に連結する手順について説明する図である。 他の実施例を説明する図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図1は、建物ユニット1を示している。図1Aにおいて、四隅に断面正方形状の角型鋼管による柱10a~10dを垂直方向に立設し、水平方向にH型鋼による床梁20a~20dおよび天井梁30a~30dで連結して、図1Aに示す建物ユニット1の骨組みが作成される。この骨組みに対して、図1Bに示すように、床梁20a~20dの上に床スラブ40が敷設される。その後、壁54、天井55はデザイン等に応じて取り付けられ、建物ユニット1は、間仕切り、内壁、配線、配管等の内装設備の殆どを仕上げられた状態にまで、建物ユニット生産工場において一貫生産される。図1Cは、建物ユニット1を、建築現場において上下左右に積み上げた状態を示している。建物ユニット1同士の連結や配線の接続等を実施して、建築物を組み立てる。
図2は、建物ユニット1同士の連結する柱10a~10dの詳細を説明する図である。図では、代表して柱10aのみ示しているが、他の柱10b~10dも同様の構成であるので説明は省略する。図2A及び図2Bは、建物ユニット生産工場における柱10aの上下の部分であるコア80、70の組み立ての様子を夫々示している。H型鋼による床梁20a~20d若しくは天井梁30a~30dのウェブに対応する長さで角型鋼管を輪切りにし、得られたコア胴部81、71の両方の端部の全周にわたって、夫々第1ダイアフラム82、第2ダイアフラム83、第3ダイアフラム72、第4ダイアフラム73を完全溶け込み溶接している。各ダイアフラムは、角型鋼管の断面形状よりも大きな寸法を有する長方形である。第1ダイアフラム~第4ダイアフラム82、83、72、73とコア胴部81、71とは、突合せ溶接により一体化して、コア80、70は組み立てられる。
第1ダイアフラム~第4ダイアフラム82、83、72、73は、通しダイアフラムと呼ばれるものである。第1ダイアフラム82、第4ダイアフラム73は、柱10aの上下端部に配置されているダイアフラムであり、第2ダイアフラム83、第3ダイアフラム72は柱10aの端部に近い途中位置に溶着されるダイアフラムである。第1ダイアフラム~第4ダイアフラム82、83、72、73は、H型鋼による床梁20a~20dおよび天井梁30a~30dのフランジに対して溶接して接続される。強度の点を考えると、ダイアフラムの厚さはフランジの厚さと同じ厚さ以上とすれば十分である。しかし、一般には、H型鋼による床梁、天井梁のフランジの厚さとダイアフラムの厚さが同じ厚さの場合、施工精度上の問題からずれ(目違い)が生じ易く、目違いが接合部の靭性低下の要因となることから、それを避けるため、施工上の精度も考慮して、通しダイアフラムの厚さはフランジの厚さの2サイズアップ、内ダイアフラムの場合は1サイズアップが望ましいとされている。
本実施例においては、後述するように第3ダイアフラム72には、比較的大きな開口72aが設けられており、上記目違い対応に加えて、開口72aによる欠損に対する強度確保のために、第3ダイアフラムの厚さは床梁のフランジの厚さに対して2サイズアップとしている。
本実施例においては、天井梁、床梁に使用されるH型鋼のフランジの厚さを9mmとしており、第2ダイアフラム83、第3ダイアフラム72の厚さは16mmの2サイズアップであり、第1ダイアフラム82、第4ダイアフラム73の厚さは6サイズアップの28mmとした(1サイズ、3又は4mm刻み)。尚、柱10aに使用される角型鋼管は、一辺200mmであり、厚さは4.5mmである。また、各ダイアフラムは、226mm×240mmであり、柱10aの断面よりも大きくし、四辺で柱10aからはみ出している。
第1ダイアフラム82には、ガイドピン孔82c、打ち込みピン孔82b、複数(図では2つ)のボルト孔82aが穿孔されている。第2ダイアフラム83には、水抜き孔83aが穿孔されている。ボルト孔82aは、螺子山を有さない通し孔である。
第3ダイアフラム72には、開口72aが中央に設けられている。開口72aの大きさは、後で説明するワンサイドボルト及びシャーレンチが十分通過できる大きさである。また、開口72aの大きさは柱10aの角型鋼管の中空よりも小さいが、その周囲に、柱10aの角型鋼管の中空に突きだした部分を残している。本実施例においては、開口72aの大きさを160mm×80mmとした。また、柱本体部60の上下に配置されたコア80、70において、各コア胴部81、71の四つの側面のうち二つの側面81a、81b、71a、71bには、縦にシアプレート84、85、74、75が溶接されている。シアプレート84、85、74、75には、天井梁30a~30d、床梁20a~20dのウェブと連結するための貫通孔84a、85a、74a、75aが穿孔されている。
第4ダイアフラム73には、ガイドピン孔73c、打ち込みピン孔73b、複数(図では2つ)のボルト孔73aが穿孔されている。ボルト孔73aは、螺子山を有さない通し孔である。第4ダイアフラム73の各孔は、対応する第1ダイアフラム82の各孔と連通する位置関係に設けられている。
図2Cにおいて、柱10aの柱本体部60を形成する角型鋼管61の正方形状断面の四つの側面61a~61dのうち隣り合う二つの側面61a、61bに連続して切り欠いて成る切欠部65を有している。開口72a及び切欠部65の大きさは、後で説明するワンサイドボルト及びシャーレンチを挿入し、シャーレンチによる締結作業が柱の外側から可能な大きさである。この切欠部65が設けられた二つの側面61a、61bには、各側面を切り欠く面積よりも大きい面積の長方形状の補強板66が切欠部65同一周上の切り残された箇所に重ねられ溶着されている。一般に角型鋼管を利用とした柱は、断面に方向性がなく、どの方向から地震力が作用しても断面性能に違いが無い。しかし、切欠部65を設けたことにより、断面に方向性が生じ、これを補うために補強板66を設けた。また、他の理由として、補強板66は、切欠部65による柱10aの重心が柱10aの軸心からズレることを補正するために、重量バランスを提供するものでもある。
柱本体部60の両端にコア80、70を溶接により接続して、柱10aが生産される。コア胴部の四つの側面81a、81b、81c、81d及び71a、71b、71c、71dは、
柱本体部60の側面61a、61b、61c、61dに上下に一続きとなるように位置している。このうち、コア胴部81、71のシアプレート84、85、74、75を有する側面81a、81b、71a、71bと切欠部65を有する側面61a、61bが上下に一続きとなるように配置される。また、第2ダイアフラム83、第3ダイアフラム72に対して柱本体部60の角型鋼管61の全周では、夫々付き合わせ完全溶け込み溶接が為される。第1ダイアフラム82、第2ダイアフラム83、第3ダイアフラム72、第4ダイアフラム73は、柱10aの軸心に対して垂直に交差する。
図3Aは、柱10a~10dに対してH型鋼による床梁20a~20dを固定した際の切欠部の高さにおける水平断面である。切欠部65は、床スラブの上側でかつ、建物ユニットの内側に現れている。図3Bは、さらに、柱10aを代表して、柱10a及び床梁20bと天井梁30bの一部箇所の断面図を示している。同図では、床スラブ40が形成されている。図2では説明を省いたが、各コア胴部71、81、各ダイアフラム72、73、82、83、角型鋼管61の完全溶け込み溶接には、裏当て金付きの完全溶け込み溶接が用いられている。図中、灰色の部分が溶接である。シアプレートにH型鋼梁のウェブをボルトにより固定した後に、上下のフランジを対応するダイアフラムに対して裏当て金付きの完全溶け込み溶接にて接合する。その後、床梁20a~20dの上側ウェブの上面にデッキプレートを敷設し、枠板で取り囲み、内側にメッシュを配し、コンクリートを打設し、床スラブを形成する。その後、間仕切り、内壁、配線、配管等の内装設備の殆どを仕上げられた状態にする。ここまでが、建物ユニット生産工場における作業である。
図4を参照し、建築現場において、建物ユニット1を上下に接合する方法について説明する。図4Aは、床スラブ40を透視して示している。上階の建物ユニット1をクレーンで吊り上げ、下階の建物ユニット1の上にのせる。具体的には、下階の建物ユニット1の第1ダイアフラム82の上に上階の建物ユニット1の第4ダイアフラム73を重ね合わせるのである。このとき、下階の建物ユニット1の第1ダイアフラム82のガイドピン孔82cには、ガイドピン51が予め装着されており、ガイドピン51が第4ダイアフラム73のガイドピン孔73cに挿入されることにより、互いの位置関係が規定される。次に、図4Bにおいて、切欠部65及び開口72aを経由してワンサイドボルト90を第4ダイアフラム73と第1ダイアフラム82のボルト孔73a、82aに挿入し、両者の固定を行う。床スラブの上側でかつ、建物ユニットの内側に現れているため、建物ユニット1を上下に接合の作業は、建物ユニット1の内側で行う事ができるのである。また、切欠部65は、建物ユニット1の外側に現れていないため、建築現場の作業において、天候により雨水が浸入してしまうことも無い。
図5は、ワンサイドボルト90を説明する図である。ワンサイドボルト90は、片側から施工が可能なボルトである。図5Aはワンサイドボルト90の分解図である。ワンサイドボルト90は、螺子軸91、バルブスリーブ92、グリップスリーブ93、シャーワッシャ94、ベアリングワッシャー95及びナット96とから構成されている。螺子軸91は、一端は専用シャーレンチにより操作可能なピンテール91bになっており、他端はやや膨大した頭部91aになっている。また、途中に径の細い脆弱部91cが設けられている。バルブスリーブ92、グリップスリーブ93は、内径が螺子軸91の軸部と同じで、外径が頭部91aと同じ筒である。シャーワッシャー94の中心孔の径は螺子軸91の軸部と同じである。ベアリングワッシャー95の中心孔の径はグリップスリーブ93の外径と同じ径である。ベアリングワッシャー95には、シャーワッシャー94を収容する溝95aが設けられている。螺子軸91には、頭部91aから順に、バルブスリーブ92、グリップスリーブ93、シャーワッシャー94、ベアリングワッシャー95及びナット96が外環している。
第1ダイアフラム82と第4ダイアフラム73を重ねてボルト孔73a、82aが連通した状態にする。これに、切欠部65、開口72aを経由してワンサイドボルト90を挿入する(図5B)。頭部91aとバルブスリーブ92は、第4ダイアフラム73の裏側に突出している。シャーレンチを使用してワンサイドボルト90の締結を行う。シャーレンチは、ナット96に嵌まるアウタースリーブと、ピンテール91bに嵌まるインナースリーブが別々に動くことで、締め付けを行うものである。締め付け作業は、切欠部65、開口72aの空間を利用して行う。ピンテール91bを把持し、ナット96を回転させてゆくと、頭部91aとナット96の間の距離が短縮されて、バルブスリーブ92が潰れてゆく(図5C)。これにより、ワンサイドボルト90にボルト頭が形成される。さらに、ナット96を回転させてゆくと、シャーワッシャー94が剪断され(図5D)、軸力の導入が始まる。所定の締め付けトルクに到達すると、脆弱部91cが破断されて、締め付けが完了する(図5E)。脆弱部91cを破断させることで、締め付けトルクの制御が可能になっている。
本実施例によれば、柱10a~10dの下端のコア70において、第3、第4ダイアフラム72、73で挟まれたコア胴部71には切り欠きなどの欠損がない。コンクリート打設による床スラブ40が敷設された重量鉄骨造の建物ユニット1においては、床梁20a~20dのH型鋼から押し潰し作用を柱10a~10dは大きく受ける。コア胴部71は、四方の各側面71a~71dに欠損がなく、それぞれの側面71a~71dが床梁20a~20dのH型鋼から延長されたウェブとして第3、第4ダイアフラム72、73とともに機能するため挫屈に耐えることができる。また、柱10a~10dの切欠部65の位置は、床スラブ40よりも高い位置で有り、床梁20a~20dの位置から離れている。従って、床梁20a~20dから受ける大きな押し潰し作用に、切欠部65は影響を与えない。また、第3ダイアフラム72は、開口72aが中央に設けられているので、コア70における重心が各柱10a~10dの軸心に重なっている。また、切欠部65による柱10a~10dの重心のズレは補強板66により補正されているので、上に積み上げられた建物ユニット1の重量は、下の建物ユニット1の柱10a~10dの中心で支えられることができる。さらに、ワンサイドボルト90による締結作業は、建物ユニット1の室内で安全かつ容易に行われ、かつ、ワンサイドボルト90を挿入する切欠部が、屋外側に出ることが無いため、建築現場の作業において、天候により雨水が浸入してしまうことも無いという効果がある。
図6は、建物ユニット1を左右に連結する手順について説明する図である。図においては、柱10a、10bと床梁20a、20b、20c及び天井梁30a、30b、30cのみを示している。図6Aにおいて、下の階の二つの建物ユニット1が左右並べられ、フィラープレート52が、左右の第1ダイアフラム82の上を橋渡しするように載せられている。さらに、フィラープレート52の上に、上の階の建物ユニット1の第4ダイアフラム73が載せられている。
図6Bを参照し、フィラープレート52は、隣に並列された2つの第1ダイアフラム82を合わせた長方形状とほぼ同形であり、2つの第1ダイアフラム82の夫々に対応して、その対応する位置にガイドピン孔52c、打ち込みピン孔52b、複数のボルト孔52aが穿孔されている。ボルト孔52aは通し孔である。打ち込みピン孔52bには、打ち込みピン53が装着されている。
フィラープレート52を第1ダイアフラム82上に搭載するときに、フィラープレート52側から打ち込みピン53を第1ダイアフラムの打ち込みピン孔82bに対して挿入し、第1ダイアフラム82側からガイドピン51をフィラープレート52のガイドピン孔52cに挿入する。ガイドピン51は、その後、上の階の建物ユニット1の第4ダイアフラム73のガイドピン孔73cに挿入される。この結果、第1ダイアフラム82、フィラープレート52、第4ダイアフラム73の各ボルト孔82a、52a、73aが連通する。上の階の建物ユニット1の切欠部65、開口72aを通してワンサイドボルト90をボルト孔82a、52a、73aに挿通して締結することにより、左右に隣接する建物ユニット1を連結する。
建物ユニット1を用いて建築された建築物は、移築が容易である。ワンサイドボルト90のナット96を緩めれば、螺子軸91は、柱10a~10d内を落下し、下層の建物ユニット1の切欠部65から取り出すことができる。仮に、ワンサイドボルト90を使用せずに、第1ダイアフラム82のボルト孔82aを雌ねじ孔として一般的なボルトにより締結した場合、移築の際に固着が発生すると、分離のために締結部分を物理的に破壊して、再生をする作業が必要になる。本実施例によれば、第1ダイアフラム82、フィラープレート52(必要あれば)、第4ダイアフラム73のボルト孔82a、52a、73aの何れもが、螺子山を有さない通し孔であるため、このような恐れがない。また、ナット96が固着した場合でもナット96を螺子軸91から切りとれば、建物ユニット1の物理的に破壊は生じない。
[実施例2]
上記実施例においては、第1、第2、第3、第4ダイアフラム82、83、72、73を通しダイアフラムとしたが、このうち、第3ダイアフラム72については、柱10a~10dの角型鋼管中空に設置する内ダイアフラムを採用しても良い。図7は、第3ダイアフラム72を内ダイアフラムにした柱10aの例を示している。先の実施例に対応する構成については、同一の引用符号を付してある。内ダイアフラムであるので、コア胴部71に対応する角型鋼管は、柱本体部60の角型鋼管61が延長された角型鋼管部分171である。第3ダイアフラム72と床梁20bのフランジ21は、角型鋼管部分171の表裏において直線上に一体的に完全溶け込み溶接されている。
本実施例においても、柱10a~10dのコア70の第3、第4ダイアフラム72、73で挟まれた角型鋼管部分171には欠損がないため、実施例1と同様な効果を得ることができる。尚、同図においては、第2ダイアフラム83も内ダイアフラムに変更しているが、通しダイアフラムでも良い。
1 建物ユニット
10a~10d 柱
20a~20d 床梁
30a~30d 天井梁
40 床スラブ
51 ガイドピン
52 フィラープレート
53 打ち込みピン
54 壁
55 天井
60 柱本体部
61 角型鋼管
61a~61d、71a~71d 側面
65 切欠部
66 補強板
70、80 コア
71、81 コア胴部
82、83、72、73 第1、第2、第3、第4ダイアフラム
72a 開口
73a、82a、52a ボルト孔
73b、82b、52b 打ち込みピン孔
73c、82c、52c ガイドピン孔
84、85、74、75 シアプレート
84a、85a、74a、75a 貫通孔
90 ワンサイドボルト
91 螺子軸
91a 頭部
91b ピンテール
91c 脆弱部
92 バルブスリーブ
93 グリップスリーブ
94 シャーワッシャー
95 ベアリングワッシャー
95a 溝
96 ナット

Claims (6)

  1. 4本の柱と、H型鋼からなる床梁及び天井梁とを連結し、床梁の上にコンクリート床スラブが打設された建物ユニットにおいて、
    各柱は、角型鋼管からなる柱本体部と、上から第1、第2のダイアフラムがコア胴部の上下端の全周において完全溶け込み溶接された前記柱本体部の上側のコアと、上から第3、第4のダイアフラムがコア胴部の上下端の全周において完全溶け込み溶接された前記柱本体部の下側のコアとを具備し、
    前記柱本体部の下側のコアのコア胴部は、前記柱本体部の側面に上下に一続きとなるように位置している四つの側面で囲う角型鋼管からなり、
    前記第3、第4のダイアフラムは、前記床梁の上下のフランジのうち対応するフランジに夫々直接完全溶け込み溶接されており、
    前記第3のダイアフラムは対応するフランジよりも厚くかつ、その中心にシャーレンチによるワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する開口が設けられており、
    前記第4のダイアフラムには、前記ワンサイドボルトが挿通される通し孔によるボルト孔が穿孔されており、
    前記第1のダイアフラムには、前記第4のダイアフラムのボルト孔に対応する位置に、通し孔によるボルト孔が穿孔されており、
    前記柱本体部には、前記コンクリート床スラブよりも高い位置であって、前記柱本体部の隣合う2つの側面に連続して切り欠かれた、シャーレンチによる前記ワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する切欠部を備えたことを特徴とする建物ユニット。
  2. 4本の柱と、H型鋼からなる床梁及び天井梁とを連結し、床梁の上にコンクリート床スラブが打設された建物ユニットにおいて、
    各柱は、角型鋼管からなる柱本体部と、上から第1、第2のダイアフラムが完全溶け込み溶接された前記柱本体部の上側のコアと、上から第3、第4のダイアフラムが完全溶け込み溶接された前記柱本体部の下側のコアとを具備し、
    前記柱本体部の下側のコアのコア胴部は、前記柱本体部の角型鋼管が延長されたものであり、
    前記第3、第4のダイアフラムは、前記床梁の上下のフランジのうち対応するフランジに夫々直接完全溶け込み溶接され、
    前記第3のダイアフラムは対応するフランジよりも厚くかつ、その中心にシャーレンチによるワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する開口が設けられており、
    前記第4のダイアフラムには、前記ワンサイドボルトが挿通される通し孔によるボルト孔が穿孔されており、
    前記第1のダイアフラムには、前記第4のダイアフラムのボルト孔に対応する位置に、通し孔によるボルト孔が穿孔されており、
    前記柱本体部には、前記コンクリート床スラブよりも高い位置であって、前記柱本体部の隣り合う2つの側面に連続して切り欠かれ、シャーレンチによる前記ワンサイドボルトの締結作業のために必要な空間を提供する切欠部を備えたことを特徴とする建物ユニット。
  3. 前記ボルト孔に挿通されるワンサイドボルトは、所定の締め付けトルクに到達すると、脆弱部が破断することで、締め付けトルクの制御が可能なボルトであることを特徴とする請求項1若しくは請求項2のいずれかに記載の建物ユニット。
  4. 前記切欠部が設けられた二つの側面に、各側面を切り欠く面積よりも大きい面積の長方形状の補強板が切欠部と同一周上の切り残された箇所に重ねられ夫々溶着されていることを特徴とする請求項3に記載の建物ユニット。
  5. 前記第1のダイアフラムにガイドピンが立設されており、前記第4のダイアフラムには、前記ガイドピンが挿入されるガイドピン孔が穿孔されていることを特徴とする請求項4の建物ユニット。
  6. 左右に並べられた建物ユニットにおいて隣同士となる2つの第1ダイアフラムの上を橋渡しするように載せられさらに、その上に、上の階の建物ユニットの第4ダイアフラムが載せられるフィラープレートを有し、
    前記フィラープレートは、前記隣同士となる2つの第1ダイアフラムを合わせた長方形状とほぼ同形であり、かつ当該2つの第1ダイアフラムのガイドピンとボルト孔の夫々に対応して、ガイドピン孔とボルト孔とが穿孔されていることを特徴とする請求項5に記載の建物ユニット。


JP2022068116A 2022-04-18 2022-04-18 建物ユニット Active JP7127921B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022068116A JP7127921B1 (ja) 2022-04-18 2022-04-18 建物ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022068116A JP7127921B1 (ja) 2022-04-18 2022-04-18 建物ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7127921B1 true JP7127921B1 (ja) 2022-08-30
JP2023158339A JP2023158339A (ja) 2023-10-30

Family

ID=83103169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022068116A Active JP7127921B1 (ja) 2022-04-18 2022-04-18 建物ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7127921B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003184184A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Komatsu House Ltd 建物ユニットの接合構造および接合方法
JP2007162289A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Hironobu Kuroda 建築用鉄骨構造
JP2011247039A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Misawa Homes Co Ltd 混構造ユニット式建物および混構造ユニット式建物の施工方法
JP2014190045A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 建築物の異径柱接合用柱梁接合構造
JP2020076282A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 株式会社スーパーホテル 建物の接合構造

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003184184A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Komatsu House Ltd 建物ユニットの接合構造および接合方法
JP2007162289A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Hironobu Kuroda 建築用鉄骨構造
JP2011247039A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Misawa Homes Co Ltd 混構造ユニット式建物および混構造ユニット式建物の施工方法
JP2014190045A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd 建築物の異径柱接合用柱梁接合構造
JP2020076282A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 株式会社スーパーホテル 建物の接合構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023158339A (ja) 2023-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008025125A (ja) 柱ユニットおよび柱ユニットを用いた建物の施工方法
JP6749673B1 (ja) コンクリート製柱と鉄骨梁との接合構造
JP2002146921A (ja) 鋼管構造
JP7127921B1 (ja) 建物ユニット
JP6752599B2 (ja) 耐震構造及び耐震補強方法
KR101636471B1 (ko) 연결부가 구비된 콘크리트 충전 기둥 및 이를 이용한 콘크리트 충전 기둥의 시공방법
JP4095534B2 (ja) ラーメン構造体における柱と梁との仕口構造及びその施工方法
WO2022219899A1 (ja) 建築物の柱梁構造、建築物、建築物の施工方法、及び建築部材
JP7503510B2 (ja) 接合構造および接合構造の構築方法
JP2001173097A (ja) プレキャスト合成梁の構造
JP7015592B1 (ja) 建築物の柱梁構造、建築物、及び建築物の施工方法
JP2020002641A (ja) 柱梁接合構造および柱梁接合方法
KR102453459B1 (ko) 플랜지 결합부를 구비한 결합조립체를 이용한 기둥-보의 결합구조 및 기둥-보 시공방법
JP2003206569A (ja) 複合構造建築物の仕口構造
JP4526158B2 (ja) 柱梁接合金物及び柱梁接合構造
JPH07207755A (ja) 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との接合部構造
JP7498160B2 (ja) 鋼管コンクリート柱、鋼管コンクリート柱と鉄骨梁の接合構造及びその構築方法
JP2002322735A (ja) 低層階住宅用重量鉄骨の柱と梁の取付け構造
JP2008297832A (ja) 免震建物の補強構造
JP4045502B2 (ja) 構造物
KR102175363B1 (ko) 기둥과 보의 접합을 위한 접합부 코어
JP7529596B2 (ja) 鋼管コンクリート柱と鉄骨梁の接合構造及びその構築方法
JP2021116676A (ja) 柱と梁の接合における外ダイアフラム形式の接合方法
JP2002242308A (ja) 閉鎖形断面柱と梁の接合部構造
JP5431245B2 (ja) ユニット建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220426

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7127921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150