JP7121630B2 - 複合不織布を用いたウエットティシューおよび複合不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
そして、近年にあって、必要とする強度やコスト低減を重視することから、特許文献1などで開示する技術で製造されるスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとからなる複合不織布を原反として使用するウエットティシューも提供されるようになっている。
しかしながら、上記のウエットティシューでは、パルプ面側は湿潤状態で親水性がより強く発揮されるので、上下に隣接したシートのパルプ面同士が接触すると薬液(水分)の親和力が強く作用する。その為に、ユーザが上側のシートを取出す動作をしたときに、下側のシートが張り付いて引きはがし難い場合や、下側のシートが一緒に引き出されてしまうという場合があった。
よって、本発明の目的は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとによる複合不織布を原反として使用しも、ユーザが各シートをスムーズに取り出すことができるように改善した、ウエットティシューを提供することにある。
また、前記圧着部の面積率が5~30%であるのが好ましい。
また、前記スパンボンド不織布側が熱エンボス処理された凹凸面となっているものでもよい。
図1で示すシートSHは、上側がパルプ繊維ウエブPFWであり、下側がスパンボンド不織布SWである。このシートSHの原反となる複合不織布は、スパンボンド不織布SW上にパルプ繊維ウエブPFWを載置した状態で、上側から高圧のウォータジェット(水流)を吹き付ける水流交絡処理によって一体化されたものである。
また、上記スパンボンド不織布SWに採用される合成樹脂繊維としては例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択することができ、ポリプロピレンを用いるのが好ましい。
上記複合不織布の原反について、パルプ繊維ウエブの坪量が15g/m2以上、且つ、スパンボンド不織布の坪量が8g/m2以上であって、原反の質量構成比(スパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブ)が15/85~50/50であるものを採用するのが好ましい。
図1で例示しているのは片面エンボスと称される形態であり、図2に一例として示した熱エンボス装置EAを用いてシートSHにエンボス処理を施すことができる。
図2で、熱エンボス装置EAの上側ローラa1には周方向に沿って所定間隔で突起prが設けられ、下側ローラa2は周表面が平坦に形成れている。この2つのローラは所定の距離を持って配置されている。各ローラの内部には加熱手段としてのヒータHEが配備されている。よって、パルプ繊維ウエブPFW側を上向きにして、シートSHを熱エンボス装置EAに送り込めば、図1で示すように熱エンボス処理が施されて、パルプ繊維ウエブPFW側の凹凸面CSを形成できる。
なお、パルプ繊維ウエブPFW側に少なくとも凹凸面CSが形成されていればよいが、更にスパンボンド不織布SW側についても凹凸面を形成してもよい。この場合には図2の下側ローラa2を、上側ローラa1と同様に突起を備えたローラに変更し、シートの表裏両面が凹凸面(両面エンボス)となるように熱エンボス装置EAで処理すればよい。
なお、上記熱エンボス処理における圧着線圧は20Kgf以上となるように設定しておくのが好ましい。これにより凹部CRを確実に形成することができる。
各シートSHはパルプ繊維ウエブPFW側が外側に向くようにして、いわゆるC折りの形態で折り畳まれ、複数のシートSHが同じ姿勢で上下に積層されている。ここで、図3では、丸印の部分の様子を拡大して示している。上側に位置しているシートSH-aの下面はパルプ繊維ウエブPFW側面である。そして、下側に位置しているシートSH-bの折り返された部分の上面もパルプ繊維ウエブPFW側面となる。よって、上下に隣接して位置しているシートSH-a、SH-bのパルプ繊維ウエブPFW面同士が接触する状態となっている。
本発明に係るウエットティシューでは、パルプ繊維ウエブPFWに凹凸面を形成することで、張り付き現象の発生を抑制している。本発明者は張り付きが生じる原因を詳細に検討し、十分に湿潤した環境においてはパルプ面同士が接すると、薬液(水分)の表面張力によって隣接したシートが強く張り付いてしまうことを確認した。これに対処する新規な構成として、パルプ繊維ウエブPFW側に凹凸面を設けることを発案したものである。パルプ繊維ウエブPFW側に凹凸面を設けることで、間に存在している水分が抜け易くなり、また隣接するシート同士の間を適度に離すことができるので、表面張力を低減させることができると理解して、本発明に至ったものである(図3の拡大図を参照)。
なお、パルプ繊維ウエブPFW側と共に、スパンボンド不織布SW側にも凹凸面が形成される両面エンボス処理が施されたシートSHとした場合には、パルプ繊維ウエブPFW側に設けた凹凸面CSによりシート同士の張り付きが防止されるというだけでなく、十分なシート厚さとシート強度を有するように設計すれば、表裏差のない嵩高な製品にすることができる。
また、圧着部CRの面積率が5~30%であるようにパルプ繊維ウエブPFW表面を設計するのが好ましい。面積率が5%以下では凹凸面を設けたことによる張り付き抑制の効果が弱くなる。一方、面積率が30%を超えしまうとエンボス処理による張り付き抑制効果よりも、シートの強度低下が大きくなることが懸念される。
第1、第2、どちらの形態となっても、凹凸面が形成されたパルプ繊維ウエブPFW面側が互いに接触する位置関係が維持されるので、各シートの引き出しはスムーズに行える。ただし、第2の形態例の方がシートSHの端部を摘まみ易いという点でより好ましい。
薬液を原反の乾燥重量に対して、例えば200~500wt%以下の割合で含浸させてウエットティシューを製造する。
薬液は、用途に応じて順次設定すれば良いが、長期間安定に保持するための防腐剤、拭取り時に肌を保護するための保湿剤を含むことが好ましい。
防腐剤としては、安息香酸及びその塩類、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸及びその塩類、ソルヒビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、イソプロピルメチフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン等が配合できる。これらの防腐剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。また、防腐剤の配合量は、薬液に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
この他、薬液には、医薬部外品及び化粧品等に一般的に用いられる各種成分、例えば、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、ゲル化剤、乳化剤、増粘剤、pH調整剤、金属封鎖剤、界面活性剤、安定化剤、変色防止剤、香料、着色剤等を適宜に配合してもよい。
SW スパンボンド不織布
MD 繊維流れ方向(縦方向)
PFW パルプ繊維ウエブ
EA エンボス処理
HE ヒータ
a1 上側ローラ
pr 突起
a2 下側ローラ
CR 圧着部
UC 非圧着部
d 圧着部と非圧着部との厚みの差
CS 凹凸面
Claims (8)
- パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを水流交絡して得た複合不織布を原反としたシートを折り畳んだ形態としてから複数積層し、包装容器に湿潤状態で収納してあるウエットティシューであって、
前記パルプ繊維ウエブ側が熱エンボス処理された凹凸面となっており、
前記シートは前記パルプ繊維ウエブ側が外側に向くようにしてC折りの形態で折り畳まれ、上下に隣接する前記シートは互いの前記凹凸面同士が接触するようにして積層されている、ことを特徴とするウエットティシュー。 - 上下に隣接して配置された前記シート同士が接触している全接触面積に対して、前記凹凸面同士の接触面積の割合は60%以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のウエットティシュー。
- 前記熱エンボス処理で圧着されて凹部となる圧着部と、圧着されず凸部となる非圧着部との厚みの差が0.06mm以上である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のウエットティシュー。
- 前記圧着部の面積率が5~30%である、ことを特徴とする請求項3に記載のウエットティシュー。
- 前記スパンボンド不織布側が熱エンボス処理された凹凸面となっている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のウエットティシュー。
- 前記原反における前記パルプ繊維ウエブの坪量が15g/m2以上、且つ、前記スパンボンド不織布の坪量が8g/m2以上であって、前記原反の質量構成比(スパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブ)が15/85~50/50である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のウエットティシュー。
- 請求項1から6のいずれかに記載のウエットティシューの原反として用いる複合不織布を製造する方法であって、
前記パルプ繊維ウエブ側に凹凸面を形成するための熱エンボス処理の工程を含んでおり、
前記熱エンボス処理は圧着線圧が20Kgf以上で実行とされている、ことを特徴とする複合不織布の製造方法。 - 前記熱エンボス処理では、前記パルプ繊維ウエブ側にのみ凹凸面を形成する片面エンボス処理または前記パルプ繊維ウエブ側および前記スパンボンド不織布側の両方に凹凸面を形成する両面エンボス処理が施される、ことを特徴とする請求項7に記載の複合不織布の製造方法。
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