JP2017179648A - ワイパー用不織布シート - Google Patents

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Chieko Mashino
智恵子 間篠
伸匡 林
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Abstract

【課題】適度な強度、保水性、及び柔らかさを併せ持つ、皮膚における汚れの拭き取り等のためのワイパー用不織布シートを提供すること
【解決手段】ワイパーの基布として用いられるワイパー用不織布シートであって、60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のメルトブロー繊維と、を含み、木材パルプ繊維からなるウェブに、メルトブロー繊維が一体化されている、ワイパー用不織布シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、強度、保水性及び柔らかさに優れたワイパー用不織布シートに関する。
従来、病院施設等における高齢者介護の現場において、おむつ交換時における下拭き用途で、レンタルのリネンタオルが使用されている。この場合、リネンタオルには、水に洗浄成分を溶解させた専用の薬液を含浸させ、これを加温して使用している。このリネンタオルは、厚みのある綿タオル地素材であり、保水性や加温後の保温性に優れており、下拭き用途には適した特性を有している。
しかしながら、リネンタオルは、専門業者により回収・洗浄されてリユースされることが前提となっており、Bacillus属細菌等、芽胞を形成する菌類を完全に消毒することは困難であって、これが院内感染のリスクを増大させることも想定されていた。このため、リネンタオルに代えて、不織布に薬液を含浸させたウェットワイパーを使用することが提案されている。
このウェットワイパーは、基布となる不織布に、水やアルコールを含有する薬液を含浸させることにより製造されており、従来、各種の器具の表面や、手指、顔面、臀部等の皮膚における汚れの除去や拭き取りのために使用されていた。ウェットワイパーの基布としては、代表的には、レーヨン等の化学繊維から製造される不織布が用いられている。しかし、このような化学繊維から製造される不織布は、布に近い良好な肌触りをもつものの、薬液を含浸させることにより強度が低下するほか、リネンタオルに比べて使用感に劣るものである。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、セルロース系繊維を60質量%以上99質量%以下、アクリル繊維を1質量%以上40重量%以下含有し、かつ熱融着性繊維を10重量%以上含有せず、捲縮性繊維を含有しない不織布であって、0.55g/cm荷重下におけるこの不織布の繊維密度が0.05g/cm以上0.1g/cm以下であるウエットティッシュ用不織布、及びこれを使用したウエットティッシュが開示されている。
特開平10−280261号公報
しかしながら、特許文献1に記載のウエットティッシュ用不織布は、親水性が乏しいために、保水量が少ないほか、その強度や使用感も依然として不十分であった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、適度な強度、保水性、及び柔らかさを併せ持つ、皮膚における汚れの拭き取り等のためのワイパー用不織布シートを提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、所定量の木材パルプ繊維と、メルトブロー繊維と、を含み、木材パルプ繊維からなるウェブに、メルトブロー繊維が一体化されている、ワイパー用不織布シートによれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 本発明の第1の態様は、基布として用いられるワイパー用不織布シートであって、60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のメルトブロー繊維と、を含み、前記木材パルプ繊維からなるウェブに、前記メルトブロー繊維が一体化されている、ワイパー用不織布シートである。
(2) 本発明の第2の態様は、(1)に記載のワイパー用不織布シートであって、50g/m以上90g/m以下の坪量と、8cm/g以上15cm/g以下の比容積を有することを特徴とする。
(3) 本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載のワイパー用不織布シートであって、前記メルトブロー繊維がポリプロピレン系メルトブロー繊維であることを特徴とする。
(4) 本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のワイパー用不織布シートであって、乾燥時の縦方向引張り強さ及び横方向引張り強さの幾何平均GMTdryが2.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であり、水湿潤時の縦方向引張り強さ及び横方向引張り強さの幾何平均GMTwetが、GMTdryの90%より大きいことを特徴とする。
(5) 本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のワイパー用不織布シートであって、8.0g/g以上14.0g/g以下の保水量を有することを特徴とする。
(6) 本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載のワイパー用不織布シートであって、KES法による曲げ剛性Bが0.07gf・cm/cm以上0.43gf・cm/cm以下、KES法による曲げヒステリシス幅2HBが0.07gf・cm/cm以上0.70gf・cm/cm以下であることを特徴とする。
(7) 本発明の第7の態様は、(1)から(6)のいずれかに記載のワイパー用不織布シートであって、KES法による圧縮荷重−圧縮歪曲線の直線性LCが0.20以上0.85以下、KES法による圧縮仕事量WCが0.44gf・cm/cm以上1.15gf・cm/cm以下、KES法による圧縮レジリエンスRCが35%以上、KES法による圧力0.5gf/cmにおける厚みT0が0.8mm以上2.0mm以下、KES法による圧力50gf/cmにおける厚みTMが0.3mm以上1.0mm以下であることを特徴とする。
(8) 本発明の第8の態様は、(1)から(7)のいずれかに記載のワイパー用不織布シートであって、KES法による平均摩擦係数MIUが0.15以上0.30以下、KES法による摩擦係数の変動MMDが0.01以下、KES法による表面粗さSMDが0.5μm以上4μm以下であることを特徴とする。
本発明のワイパー用不織布シートは、所定量の木材パルプ繊維と、メルトブロー繊維と、を含み、木材パルプ繊維からなるウェブに、メルトブロー繊維が一体化されているので、薬液が含浸された場合においても適度な強度を保つことができるとともに、柔らかさも併せ持ったものである。くわえて、本発明のワイパー用不織布シートは、所定量の木材パルプ繊維を使用しているので、保水性が良好に保たれる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
<ワイパー用不織布シート>
本発明のワイパー用不織布シートは、ウェットワイパーの基布として用いられるものであり、60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のメルトブロー繊維と、を含む不織布であり、木材パルプ繊維からなるウェブに、メルトブロー繊維が一体化されて構成されている。本発明のワイパー用不織布シートの製造に用いられる繊維材料のうち、木材パルプ繊維は吸水性が高く、メルトブロー繊維は柔軟性があって、微細な塵埃を捕集しやすい、という特徴を有する。木材パルプ繊維とメルトブロー繊維の含有率を上記の範囲内とすることにより、吸水性と、柔軟性及び塵埃捕集性との両者の特徴が、バランスをもって発現するものとなる。
[木材パルプ繊維]
木材パルプ繊維は、針葉樹や広葉樹から製造されるものであり、例えば、パルプを漂白精製処理した晒パルプである針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、及びこれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、発塵抑制の観点から、針葉樹晒クラフトパルプが好ましい。
木材パルプ繊維の使用量は、60質量%以上80質量%以下であることが好ましい。木材パルプ繊維の使用量を上記の範囲内のものとすることにより、ワイパー用不織布シートの吸水性がより改善されたものとなり、柔軟性及び塵埃捕集性とのバランスも良好となる。
[メルトブロー繊維]
本発明において使用されるメルトブロー繊維とは、合成樹脂を原料とし、メルトブロー法により得られる合成繊維である。メルトブロー法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、合成樹脂を加熱して溶融樹脂液を形成し、この溶融樹脂液を多数の口金を持つダイから糸状に押し出し、高温・高圧の空気流をダイから押し出された溶融樹脂液に吹き付けて、繊維を形成する方法を挙げることができる。
メルトブロー繊維の調製に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマー等のポリオレフィン系ポリマーを使用することが好ましく、ポリプロピレン系ポリマーを使用することがより好ましい。ポリプロピレン系ポリマーとしては、ポリプロピレンホモポリマーや、エチレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセンといった他のα−オレフィンをコモノマーとするポリプロピレンコポリマーであってもよく、これらを併用してもよい。また、これらのポリプロピレン系ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマーや、充填材を添加してもよい。
メルトブロー繊維の使用量は20質量%以上40質量%以下であることが好ましい。メルトブロー繊維の使用量が上記の範囲内のものであることにより、柔軟性及び塵埃捕集性がより改善されたものとなり、吸水性とのバランスも良好となる。
本発明においては、ワイパー用不織布シートを構成するメルトブロー繊維のうち、平均直径5μm以下の太さのメルトブロー繊維の割合が50質量%以上であることが好ましい。平均直径5μm以下の太さのメルトブロー繊維の割合が、上記の範囲内のものであることにより、ワイパー用不織布シートの風合いと拭き取り性が良好なものとなる。
[他の繊維]
ウェットワイパーの基布となる、本発明のワイパー用不織布シートには、本発明の目的を損なわない範囲で、他の繊維を適宜配合することができる。そのような他の繊維としては、例えば、砕木パルプ(GP)等のメカニカルパルプ;亜硫酸パルプ等の化学パルプ;薬品処理と機械処理を併用して得られたセミケミカルパルプ;ケナフ、コットンリンター、麻等の非木材パルプ繊維;古紙パルプ等を挙げることができる。
[ワイパー用不織布シートの製造方法]
ワイパー用不織布シートの製造方法は、木材パルプ繊維からなるウェブに、メルトブロー繊維を一体化できる方法であれば、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用することができる。具体的には、ケミカルボンド法、スパンレース法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法等を利用することができる。
[坪量]
JIS P 8124に準拠して測定される、本発明のワイパー用不織布シートの坪量は、1枚当たり、50g/m以上90g/m以下であることが好ましい。ワイパー用不織布シートの坪量を上記の範囲内のものとすることにより、ウェットワイパーに必要な強度を十分に確保しつつ、柔らかさを十分に維持し、ワイパー用不織布シートの製造コストも低廉に抑えることができる。
[比容積]
密度・緊度の逆数であり、一定質量に対する容積であって、嵩とも呼ばれ、体積や厚み、高さ等の嵩張り状態(bulky)の目安となる、ワイパー用不織布シートの比容積は、8cm/g以上15cm/g以下であることが好ましい。比容積が上記の範囲内であることにより、ワイパー用不織布シートが柔らかな感触に優れ、風合いも良好なものとなる一方で、平滑性や触感も良好に維持される。なお、比容積は、ワイパー用不織布シートの厚さを坪量(g/m)で除して算出することができる。
[保水量]
特に、皮膚の弱い乳幼児にも使用され、排泄物や食べこぼしを拭き取るような、対人用途のウェットワイパーは、適量の薬液を保持している。このため、そのようなウェットワイパーの基布として用いられる本発明のワイパー用不織布シートは、良好な保水性を有していることが好ましい。
本発明のワイパー用不織布シートの保水量(TWA:Total Water Absorbency)は、8.0g/g以上14.0g/g以下であることが好ましい。ワイパー用不織布シートの保水量が上記の範囲内のものであることにより、汚れの拭き取り性が良好に維持され、かつ拭き取り後の皮膚に余剰の水分が残存することがない。
なお、保水量は、以下の測定方法に従って求めることができる。まず、ワイパー用不織布シートを75mm×75mmの正方形に切断してサンプルを作製し、乾燥重量を測定する。次に、このサンプルを蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態(RH100%)の容器中で、サンプルの1つの角部が上側の頂部となるようにし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。水切りには、ペーパータオルを3mm×38mmにカットして使用する。そして、測定値をサンプル1g当たりの保水量(g/g)に換算する。
[引張り強さ]
本発明のワイパー用不織布シートは、JIS P 8113に準拠して測定される乾燥時の縦方向引張り強さ(DMDT;Dry Machine Direction Tensile strength)と横方向引張り強さ(DCDT;Dry Cross Direction Tensile strength)の幾何平均GMTdry(Geometric Mean Tensile strength)が、2.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であることが好ましく、3.0N/25mm以上5.5N/25mm以下であることがより好ましい。また、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT;Wet Machine Direction Tensile strength)と横方向引張り強さ(WCDT;Wet Cross Direction Tensile strength)の幾何平均GMTwetが、GMTdryの90%より大きいことが好ましく、95%より大きいことがより好ましい。GMTdryを上記の範囲内のものとすることにより、ワイパー用不織布シートが、実用に適した適度な破れにくさを有するものとなるとともに、十分な柔らかさを有するものとなる。また、GMTwetを上記の範囲内のものとすることにより、薬液を含浸させた際においても、ワイパー用不織布シートの破れにくさと柔らかさが良好に維持される。
[KES法による特性評価]
本発明においては、ワイパー用不織布シートの純曲げ特性、圧縮特性、及び表面特性をKES法により評価し、ワイパー用不織布シートの柔らかな風合いを評価することとする。なお、KES法とは、Kawabata Evaluation Systemの略称であり、不織布の風合いを計測し、客観的に評価するための方法の一つである。
(KES法による純曲げ特性)
KES法による純曲げ特性の測定は、カトーテック株式会社製の自動化純曲げ試験機KES−FB2−AUTO−Aを測定器具として用い、ワイパー用不織布シートの所定領域の12cm幅を試料として使用して、測定器具にセットして3回測定を行い、曲げ剛性Bと曲げヒステリシス幅2HBを記録する。ここで、曲げ剛性Bについては、値が低いほど、ワイパー用不織布シートの剛性が低くなり、柔らかな風合いを有するものとなることを示し、曲げヒステリシス幅2HBの値については、その値が低いほど、ワイパー用不織布シートの曲げに対する反発性が高く、表面にシワ等が形成されにくいことを示す。
本発明のワイパー用不織布シートの曲げ剛性Bは、0.07gf・cm/cm以上0.43gf・cm/cm以下であることが好ましく、0.09gf・cm/cm以上0.30gf・cm/cm以下であることがより好ましい。また、本発明のワイパー用不織布シートの曲げヒステリシス幅2HBは、0.07gf・cm/cm以上0.70gf・cm/cm以下であることが好ましく、0.09gf・cm/cm以上0.50gf・cm/cm以下であることがより好ましい。純曲げ特性が上記の数値の範囲内であることにより、ワイパー用不織布シートの風合いが柔らかなものとなり、表面にシワ等が形成されにくくなる。
(KES法による圧縮特性)
KES法による圧縮特性の測定は、カトーテック株式会社製の自動化圧縮試験機KES−FB3−AUTO−Aを測定器具として用い、圧縮面積2cmの円形平面をもつ鋼製加圧板間で、0gf/cmから最大圧縮荷重50gf/cmまで試料を圧縮し、元に戻す間で行う。測定は3回行う。圧縮荷重−圧縮歪曲線の直線性であるLCは、圧縮剛さを示し、荷重と変位(圧縮による厚さの減少)が比例する程数値が大きくなる。圧縮仕事量WCは圧縮の仕事量を表し、数値が大きい程、膨らみ感、腰感に優れる。圧縮レジリエンスRCは、圧縮回復性を表わし、数値が大きい程ヒステリシスが小さい。圧力0.5gf/cm時の厚みT0は、いわゆる初期厚みであり、圧力50gf/cm時の厚みTMは、最大圧縮時の厚みである。
本発明のワイパー用不織布シートの圧縮特性は、圧縮荷重−圧縮歪曲線の直線性LCが0.20以上0.85以下であることが好ましく、0.35以上0.60以下であることがより好ましい。圧縮仕事量WCは、0.44gf・cm/cm以上1.15gf・cm/cm以下であることが好ましく、0.55gf・cm/cm以上0.80gf・cm/cm以下であることがより好ましい。また、圧縮レジリエンスRCが35%以上であることが好ましい。圧力0.5gf/cmにおける厚みT0は0.8mm以上2.0mm以下であることが好ましく、圧力50gf/cmにおける厚みTMは0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。ワイパー用不織布シートの圧縮特性が以上の数値の範囲内のものであることにより、ワイパー用不織布シートが良好な膨らみ感、腰感を有し、柔らかな風合いを有するものとなる。
(KES法による表面特性)
KES法による表面特性の測定は、カトーテック株式会社製の自動化表面試験機KES−FB4−AUTO−Aを使用して行うことができる。表面特性の測定は、圧縮速度を1mm/sec.、摩擦子の形状を10mm角ピアノワイヤー、摩擦子の初期荷重を50gf、粗さ接触子の初期荷重を10gfとして、試料取り付け時に400gのおもりを使用して、3回測定することにより行う。平均摩擦係数MIU、摩擦係数の変動MMD、及び表面粗さSMDを測定した。平均摩擦係数MIUは、表面の滑りにくさを表し、これが大きいほど滑りにくいことを示す。摩擦係数の変動MMDは、摩擦のばらつきを示し、これが大きいほど表面がざらざらしていることを示す。表面粗さSMDは、これが大きいほど、表面が平坦でないことを示す。
本発明のワイパー用不織布シートにおいては、平均摩擦係数MIUが0.15以上0.30以下であることが好ましく、0.20以上0.25以下であることがより好ましい。また、摩擦係数の変動MMDが0.02以下であることが好ましい。さらに、表面粗さSMDが0.5μm以上4μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。ワイパー用不織布シートの表面特性の各数値が以上の範囲内のものであることにより、ワイパー用不織布シートの拭き取り性が良好なものとなるとともに、ざらつき感などの表面触感も良好なものとなる。
<ウェットワイパー>
本発明のワイパー用不織布シートには、必要に応じて薬液を含新させることにより、ウェットワイパーとして使用することができる。本発明のワイパー用不織布シートを使用したウェットワイパーは、十分な強度を有するとともに、拭き取り性も良好で、柔らかな風合いを有するとともに、表面触感も良好である。
[薬液]
本発明のワイパー用不織布シートに含浸させる薬液は精製水を主成分とするものであり、基材の乾燥重量に対して、200質量%以上400質量%以下の割合で含浸させることができる。含浸量を上記の範囲内のものとすることにより、清拭性能に優れるとともに、べたつき感が生じることもない。なお、「精製水を主成分とする」とは、薬液の総量に対して、精製水が50質量%以上配合されていることを意味する。
[防腐剤、保湿剤]
本発明のワイパー用不織布シートに含浸させる薬液には、精製水の他に、微生物の繁殖を抑えるための防腐剤と、拭き取りにより皮脂が拭い去られた際に肌を保護するための保湿剤と、を少なくとも含有していることが好ましい。
防腐剤としては、安息香酸及びその塩類、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸及びその塩類、ソルヒビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、安息香酸パントテニルエチルエーテル、イソプロピルメチフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルキシレノール、クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキロリニウム、チモール、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、ヒノキチオール、ビリチオン亜鉛、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリアミノプロピルビグアナイド等を使用することができる。これらの防腐剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。防腐剤の配合量は、薬液に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
保湿剤としては、水溶性成分のヒューメクタントとして作用する、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の有機酸類、尿素、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエステル等のアルキレングリコール類、また、油溶性成分のエモリエント剤として作用する、天然油脂、長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、ラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ等のラノリン類、リン脂質、セラミド類、さらに、アロエ抽出エキス、ハチミツ等の天然保湿成分等を使用することができる。これらの保湿剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。保湿剤の配合量は、薬液に対して、0.0001質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
[その他の成分]
ワイパー用不織布シートに含浸させる薬液には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で、医薬部外品及び化粧品等に一般的に用いられる各種成分を配合してもよい。具体的には、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、ゲル化剤、乳化剤、増粘剤、pH調整剤、金属封鎖剤、界面活性剤、安定化剤、変色防止剤、香料、着色剤等を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
<実施例1>
木材パルプ繊維とポリプロピレン系メルトブロー繊維とをそれぞれ60質量%、40質量%の割合で配合し、木材パルプ繊維のウェブに対して、ポリプロピレン系メルトブロー繊維を一体化してワイパー用不織布シートを調製した。なお、木材パルプ繊維は、NBKPを使用し、ポリプロピレン系メルトブロー繊維は、繊維直径が5μm以下の繊維を71質量%の割合で含有するものを使用した。不織布の坪量は50g/mとした。ワイパー用不織布シートには、防腐剤0.2質量%、保湿剤3.0質量%を含有し、イオン交換水で合計100質量%となるように調製された薬液を用い、この薬液を基布の乾燥重量に対して、240質量%の割合で含浸させた。
<実施例2>
木材パルプ繊維及びポリプロピレン系メルトブロー繊維の使用量を、それぞれ73質量%及び27質量%とするとともに、ポリプロピレン系メルトブロー繊維として、繊維直径が5μm以下の繊維を72質量%の割合で含有するものを使用し、不織布シートの坪量を64g/mとした点以外は、実施例1と同様にワイパー用不織布シートを調製し、これに薬液を含浸させた。
<実施例3>
木材パルプ繊維及びポリプロピレン系メルトブロー繊維の使用量を、それぞれ80質量%及び20質量%とし、ポリプロピレン系メルトブロー繊維として、繊維直径が5μm以下の繊維を73質量%の割合で含有するものを使用し、不織布シートの坪量を90g/mとした点以外は、実施例1と同様にワイパー用不織布シートを調製し、これに薬液を含浸させた。
<比較例1>
木材パルプ繊維及びポリプロピレン系メルトブロー繊維の使用量を、それぞれ45質量%及び55質量%とし、ポリプロピレン系メルトブロー繊維として、繊維直径が5μm以下の繊維を38質量%の割合で含有するものを使用した点以外は、実施例2と同様にワイパー用不織布シートを調製し、これに薬液を含浸させた。
<比較例2>
木材パルプ繊維及びポリプロピレン系メルトブロー繊維の使用量を、それぞれ90質量%及び10質量%とし、ポリプロピレン系メルトブロー繊維として、繊維直径が5μm以下の繊維を70質量%の割合で含有するものを使用した点以外は、実施例2と同様にワイパー用不織布シートを調製し、これに薬液を含浸させた。
<評価>
実施例1から3、並びに比較例1及び2で得られたワイパー用不織布シート、及びウェットワイパーについて、本明細書に記載の方法に従って、坪量、比容積、保水量、引っ張り強さ、純曲げ特性(KES法)、圧縮特性(KES法)、及び表面特性(KES法)を測定するとともに、風合い、拭き取り性、丈夫さをパネラーによる試験により、下記の基準により評価した。
[風合い]
20名のパネラーに対して、ウェットワイパーの柔らかさの評価を実施させた。この評価では、ウェットワイパーについて、「柔らかい」の評価が15人以上から得られたものを「○」、「柔らかい」の評価が10人以上15人未満から得られたものを「△」、「柔らかい」の評価が10人未満から得られたものを「×」とした。
[拭き取り性]
20名のパネラーに対して、ウェットワイパーの拭き取り性の評価を実施させた。この評価では、ウェットワイパーについて、「良く拭ける」の評価が15人以上から得られたものを「○」、「良く拭ける」の評価が10人以上15人未満から得られたものを「△」、「良く拭ける」の評価が10人未満から得られたものを「×」とした。
[丈夫さ]
この評価では、ウェットワイパーを製造した際にトラブルが無く、かつ、使用中のトラブルも無かったものを「○」とし、製造上のトラブルがややあるが、使用中のトラブルが無かったものを「△」とし、製造上のトラブルがある、又は使用中のトラブルがあったものを「×」として評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2017179648
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

Claims (8)

  1. 基布として用いられるワイパー用不織布シートであって、
    60質量%以上80質量%以下の木材パルプ繊維と、20質量%以上40質量%以下のメルトブロー繊維と、を含み、
    前記木材パルプ繊維からなるウェブに、前記メルトブロー繊維が一体化されている、ワイパー用不織布シート。
  2. 50g/m以上90g/m以下の坪量と、8cm/g以上15cm/g以下の比容積を有する、請求項1に記載のワイパー用不織布シート。
  3. 前記メルトブロー繊維がポリプロピレン系メルトブロー繊維である、請求項1又は2に記載のワイパー用不織布シート。
  4. 乾燥時の縦方向引張り強さ及び横方向引張り強さの幾何平均GMTdryが2.5N/25mm以上6.0N/25mm以下であり、
    水湿潤時の縦方向引張り強さ及び横方向引張り強さの幾何平均GMTwetが、GMTdryの90%より大きい、請求項1から3のいずれかに記載のワイパー用不織布シート。
  5. 8.0g/g以上14.0g/g以下の保水量を有する、請求項1から4のいずれかに記載のワイパー用不織布シート。
  6. KES法による曲げ剛性Bが0.07gf・cm/cm以上0.43gf・cm/cm以下、
    KES法による曲げヒステリシス幅2HBが0.07gf・cm/cm以上0.70gf・cm/cm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のワイパー用不織布シート。
  7. KES法による圧縮荷重−圧縮歪曲線の直線性LCが0.20以上0.85以下、
    KES法による圧縮仕事量WCが0.44gf・cm/cm以上1.15gf・cm/cm以下、
    KES法による圧縮レジリエンスRCが35%以上、
    KES法による圧力0.5gf/cmにおける厚みT0が0.8mm以上2.0mm以下、
    KES法による圧力50gf/cmにおける厚みTMが0.3mm以上1.0mm以下である、請求項1から6のいずれかに記載のワイパー用不織布シート。
  8. KES法による平均摩擦係数MIUが0.15以上0.30以下、
    KES法による摩擦係数の変動MMDが0.02以下、
    KES法による表面粗さSMDが0.5μm以上4μm以下である、請求項1から7のいずれかに記載のワイパー用不織布シート。
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