JP2023150508A - スパンレース不織布 - Google Patents

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【課題】吸液性と強度とを併せ持ち、拭き取り対象物の形状に合わせて柔軟に変形し、濡れた時に丸まり難い適度な保形性を有するスパンレース不織布の提供。【解決手段】レーヨン繊維とポリエステル繊維とを水流絡合させたスパンレース不織布であって、レーヨン繊維の含有量がスパンレース不織布全量の40重量%以上80重量%以下であり、ポリエステル繊維の含有量がスパンレース不織布全量の20重量%以上60重量%以下であり、坪量が30g/m2以上100g/m2以下、吸水量(T.W.A)が200g/m2以上、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)が9.8N/25mm以上、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定した長さが25mm以上55mm以下である、スパンレース不織布。【選択図】なし

Description

本発明は、レーヨン繊維及び合成繊維を水流絡合させてなるスパンレース不織布に関する。
レーヨン繊維及び合成繊維を水流絡合させてなるスパンレース不織布は、レーヨン繊維に基づく吸液性と合成繊維に基づく強度との両方を兼ね備えていることから、ウエス等の工業用ワイパー、手ぬぐい、タオル等の対人用のワイパーとして、様々な用途に広く使用されている。このように、スパンレース不織布は、様々の工業分野において、清拭用ワイパーとして有用なものであることから、スパンレース不織布について種々の提案がなされている。
特許文献1には、高圧ジェット水流により繊維が交絡処理されて一体化された平版状の不織布で構成され、該交絡処理が、交絡前の不織布ウェブ上に開孔率10~47%の緩衝板を被せ、該緩衝板上から高圧ジェット水流により繊維を交絡させる処理であり、該不織布において、連続レーヨン長繊維であるキュプラアンモニウムレーヨン繊維の含有量が85wt%以上であり、長さ100μm以上の微小異物の脱落量が1平方メートル当たり20,000個以下、アセトン溶出物量が340mg/kg以下、かつ、吸水量が9ml/g以上であるワイパーが記載されている(請求項1)。特許文献1に記載の不織布ワイパーは、水性、油性の液体の吸液性に優れるレーヨン繊維を含んでいる。また、特許文献1の不織布ワイパーは、微小異物の脱落量やアセトン溶出物量が少なく、吸水量が多いので、工業用ワイパーとして有用であり、クリーンルーム内での使用はもとより、塗装作業前における塗装面の清掃などにおいても満足する性能を有し、溶解力の高いアセトンを使用することが出来るので、水では拭き取れないチャンバー内の頑固な樹脂汚れや油膜汚れも奇麗に清掃出来ると共に、硫酸や硝酸をはじめとする多種多様の水性薬液を、十分に拭き取ることができると記載されている(段落0062)。
特許第4298653号公報
内視鏡等の清掃に用いられる不織布ワイパーは、水分の拭き取り性能が高く、濡れた状態でも破れない強度のものが望まれる。加えて、精密機器に使用する不織布ワイパーであることから、低発塵であることが望まれる。また、不織布ワイパーは、拭き取り対象物が平面ではなく立体構造物であることから、拭き取り対象物の形状に沿って柔軟に変形することが望まれる。
一方で、拭き取り中に水分によって不織布ワイパーが丸まり易いと、実質的な拭き取り可能面積が低下し、持ち難くなること等から拭き取り性が悪化する。特に、不織布ワイパーに洗浄水や薬液等を含ませ、余分な水分を軽く絞った後で清拭作業を行う際等には、片方の手で行うこともあり、シートが広がりにくいと作業性が悪化する。これらより、濡れたときにシートが丸まりにくい不織布ワイパーが望ましい。
本発明の目的は、吸液性と強度とを併せ持ち、拭き取り対象物の形状に合わせて柔軟に変形し、濡れた時に丸まり難い適度な保形性を有し、不織布ワイパーとして好適に使用できるスパンレース不織布を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、レーヨン繊維とポリエステル繊維とを含み、吸液性に富むレーヨン繊維と、濡れた時にも強度が低下しにくいポリエステル繊維とを交絡させた不織布において、レーヨン繊維及びポリエステル繊維の含有割合を所定の範囲とし、かつ該不織布の坪量、吸水量(T.W.A)、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT;Wet Machine Direction Tensile strength)、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定される長さをそれぞれ所定の範囲に調整することで、各種工業分野、特に内視鏡等の医療機器の清拭用不織布ワイパーとして好適に使用できるスパンレース不織布が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記のスパンレース不織布に係る。
(1)レーヨン繊維とポリエステル繊維とを水流絡合させてなるスパンレース不織布であって、
前記レーヨン繊維の含有量が前記スパンレース不織布全量の40重量%以上80重量%以下であり、前記ポリエステル繊維の含有量が前記スパンレース不織布全量の20重量%以上60重量%以下であり、
坪量が30g/m以上100g/m以下、吸水量(T.W.A)が200g/m以上、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)が9.8N/25mm以上、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定した長さが25mm以上55mm以下である、スパンレース不織布。
(2)前記レーヨン繊維はビスコースレーヨンを含み、水湿潤時の横方向引張り強さ(WCDT)が6.8N/25mm以上である、上記(1)のスパンレース不織布。
(3)吸水速度が7.4秒/0.1mL以下である、上記(1)又は(2)のスパンレース不織布。
(4)厚さが0.18mm/ply以上0.7mm/plyである、上記(1)乃至(3)のいずれかのスパンレース不織布。
本発明によれば、吸液性と強度とを併せ持ち、拭き取り対象物に合わせて柔軟に変形し、濡れた時に丸まり難い適度な保形性を有し、不織布ワイパーとして好適に使用できるスパンレース不織布が提供される。
本実施形態に係るスパンレース不織布の製造方法の一実施形態を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係るスパンレース不織布の湿潤時の丸まり難さの評価基準を示す図面である。図2(a)は評価5の状態を示し、図2(b)は評価1の状態を示す。
本実施形態のスパンレース不織布は、レーヨン繊維と、ポリエステル繊維と、を含み、レーヨン繊維の含有割合がスパンレース不織布全量の40重量%以上80重量%以下、ポリエステル繊維の含有割合がスパンレース不織布全量の20重量%以上60重量%以下である。また、本実施形態のスパンレース不織布の物性は、坪量が30g/m以上100g/m以下、吸水量(T.W.A)が200g/m以上、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT;Wet Machine Direction Tensile strength)が9.8N/25mm以上、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定される長さが25mm以上55mm以下である。
本実施形態のスパンレース不織布によれば、吸液性と強度とを併せ持ち、拭き取り対象物の形状に合わせて柔軟に変形し、濡れた時に丸まり難い適度な保形性を有して拭き取り性に優れ、発塵性が低く、不織布ワイパーとして好適に使用できる。本実施形態のスパンレース不織布は、例えば、内視鏡等の医療用機器の清拭に用いられる不織布ワイパーとして特に好適に使用できる。
<スパンレース不織布の原料繊維>
本実施形態のスパンレース不織布は、原料繊維として、レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含み、更に熱融着繊維を含むことができる。
<レーヨン繊維>
レーヨン繊維は、植物体の中に含まれる繊維素を取り出し、化学薬品で一度溶解した後に繊維状に再生した再生繊維であり、吸液性に富み、例えば、スパンレース不織布の吸水性や吸油性等を向上させる。レーヨン繊維としては特に限定されず、例えば、ビスコースレーヨン、モーダル、リヨセル等が挙げられる。これらの中でも、ビスコースレーヨンが好ましい。レーヨン繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。レーヨン繊維の含有量(含有割合)は、スパンレース不織布全量の40重量%以上80重量%以下の範囲であり、又は45重量%以上又は70重量%以下の範囲である。レーヨン繊維を前述の範囲で含むことで、吸水性、湿潤時の破れ難さ、発塵性、湿潤時の丸まり難さ、柔らかさ等がバランス良く向上したスパンレース不織布を得ることができる。レーヨン繊維の含有量が40重量%未満では、スパンレース不織布の吸水性が低下し、シートの柔らかさがやや低下する傾向があり、80重量%を超えると、湿潤時に丸まりやすくなり、発塵性及び湿潤時の破れ難さがやや低下する傾向がある。
<ポリエステル繊維>
ポリエステル繊維は、水に濡れた時にも強度が低下し難く、スパンレース不織布に清拭時の破れ難さや、湿潤時に丸まるのを防止できる。ポリエステル繊維の機能を十分に発揮させるためには、例えば、レーヨン繊維に対して水流交絡させることが好ましい。好ましい実施形態では、ポリエステル繊維をレーヨン繊維と混綿及び解繊し、カーディングにより形成したウェブを水流で交絡させる。ポリエステル繊維の含有量(含有割合)は、スパンレース不織布全量の20重量%以上60重量%以下の範囲、又は30重量%以上55重量%以下の範囲である。ポリエステル繊維を前述の範囲で含むことで、吸水性、湿潤時の破れ難さ、発塵のすくなさ、湿潤時の丸まり難さ、柔らかさ等がバランス良く向上したスパンレース不織布を得ることができる。ポリエステル繊維の含有量が20重量%未満では湿潤時に丸まり易くなる傾向があり、湿潤時の破れ難さがやや低下する傾向があり、60重量%を超えると、スパンレース不織布の吸水性が低下し、シートの柔らかさがやや低下する傾向がある。
<熱融着繊維>
本実施形態のスパンレース不織布は、レーヨン繊維及びポリエステル繊維以外に、熱融着繊維を含むことができる。熱融着繊維を含むことで、例えば、スパンレース不織布の湿潤時の破れ難さ等を一層向上させることができる。熱融着繊維の含有量(含有割合)は特に限定されないが、例えば、スパンレース不織布全量の25重量%以下の範囲、又は3重量%以上22重量%以下の範囲である。熱融着繊維を前述の範囲で含有することで、湿潤時の破れ難さを向上させる効果が十分に発揮される。
熱融着繊維とは、融点が100℃乃至200℃の範囲にある熱可塑性樹脂繊維である。このような熱可塑性樹脂繊維としては、融点が前述の範囲にあるものを特に限定なく使用でき、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル等のポリアクリル系繊維等が挙げられる。また、熱融着繊維として、例えば、低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる複合繊維を使用できる。前述の複合繊維としては、芯鞘型の複合繊維が挙げられる。好ましくは、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。芯鞘型の複合繊維としては、芯成分が同芯芯鞘型複合繊維や、偏芯芯鞘型複合繊維が挙げられる。これら複合繊維の具体例としては、特開平9-296325号公報や特許2759331号公報等に記載のものが挙げられる。さらに市販の熱融着繊維も使用でき、市販品としては、ES Chopシリーズ(チッソ(株)製)、NBFシリーズ(大和紡績(株) 製)等が挙げられる。特にNBFのEタイプは、低融点(約100℃)のEVA(エチレン-酢ビ共重合体)を鞘成分としており、不織布製造時の乾燥工程で乾燥と同時に融着を行うことができ、操業工程が簡略化できるために好適である。これらの熱融着繊維の中でも、芯鞘型複合繊維が好ましく、PE/PET型複合繊維がより好ましい。
<合成繊維>
本実施形態のスパンレース不織布は、前述したその長所や効果を損なわない範囲で、熱融着繊維の他に、一般的な合成繊維を含んでいてもよい。合成繊維とは融点が200℃以上の熱可塑性樹脂繊維である。このような熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル等のポリアクリル系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系繊維等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維等が好ましく、PP、PE、PET等がより好ましい。合成繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
次に、本実施形態のスパンレース不織布の物性について説明する。
<坪量>
本実施形態に係るスパンレース不織布の坪量は30g/m以上100g/m以下の範囲、又は40g/m以上70g/m以下の範囲である。目付が前述の範囲にあることで、強度が高くて破れ難く、柔らかでゴワゴワ感がないことから、拭き取りの際の密着性が良く、拭き取り性が良好である。坪量が前述の範囲にあることで、スパンレース不織布の柔らかさと、強度とが保たれ、拭き取り時の拭き取り易さと破れ難さとを向上させることができる。坪量が30g/m未満では、湿潤時に破れ易くなって拭き取り性が低下する傾向があり、100g/mを超えると、スパンレース不織布が硬くなり、拭き取り性が低下する傾向がある。スパンレース不織布の坪量は、例えば、JIS P 8124に準拠して測定される。
<吸水量(T.W.A)>
本実施形態に係るスパンレース不織布の吸水量(T.W.A)は200g/m以上の範囲、200g/m以上460g/m以下の範囲、又は300g/m以上460g/m以下の範囲である。吸水量を前述の範囲とすることで、吸水性能が良好なスパンレース不織布を得ることができる。吸水量(T.W.A)が200g/m未満であると、吸水性ひいては清拭性能が低下する傾向がある。
<水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)>
本実施形態に係るスパンレース不織布の水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)は9.8N/25mm以上の範囲、又は9.8N/25mm以上65.0N/25mm以下の範囲である。水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)を前述の範囲にすることで、湿潤時に破れ難く、発塵性の少ないスパンレース不織布を得ることができる。また、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)が9.8N/25mm未満であると、スパンレース不織布が湿潤時に破れ易くなる傾向があり、発塵性がやや低下する。水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)は、試験片の幅を25mmとして、JIS P 8113に準拠して測定される。
<カンチレバー長さ>
本実施形態に係るスパンレース不織布の、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定される長さ(以下単に「カンチレバー長さ」ともいう)が25mm以上55mm以下の範囲、又は30mm以上50mm以下の範囲である。カンチレバー長さが前述の範囲にあることで、湿潤時に丸まり難く、柔らかさが良好なスパンレース不織布が得られる。カンチレバー長さが25mm未満の場合には湿潤時に丸まりやすくなる傾向がある。カンチレバー長さが55mmを超えた場合には、スパンレース不織布が硬くなって拭き取り性が低下する傾向がある。
<水湿潤時の横方向引張り強さ(WCDT)>
本実施形態に係るスパンレース不織布がレーヨン繊維としてビスコースレーヨンを含むとき、該スパンレース不織布の水湿潤時の横方向引張り強さ(WCDT)は6.8N/25mm以上の範囲、6.8N/25mm以上54N/25mm以下の範囲、又は16N/25mm以上40N/25mmの範囲であることが好ましい。水湿潤時の横方向引張り強さ(WCDT)を前述の範囲に調整することで、特にスパンレース不織布の湿潤時の破れ難さ、発塵性等を向上させることができる。
<吸水速度>
本実施形態のスパンレース不織布は、吸水速度が7.4秒/0.1mL以下の範囲、5秒/0.1mL以下の範囲、又は3秒/0.1mL以下の範囲であることが好ましい。吸水速度が前述の範囲にあることで、各種工業分野、特に医療機器等の工業分野において、特に水や油の拭き取り性が向上し、清拭性の高い不織布ワイパーとなる。吸水速度が7.4秒/0.1mLを超えると、水、油等の拭き取り性が低下する傾向がある。吸水速度はJIS L 1907に規定された吸水速度試験に基づいて測定される。
<厚さ>
本実施形態に係るスパンレース不織布の厚さは、0.18mm/1ply以上0.7mm/ply以下の範囲、又は0.2mm/1ply以上0.6mm/1ply以下の範囲である。厚みを前述の範囲に調整することで、例えば、高い強度とシートの柔らかさとを両立しつつ、拭き取り性を向上させることができる。厚みが0.2mm/1ply未満では、湿潤時のシートの丸まり難さが低下する傾向がある。厚みが0.7mm/1plyより厚いと、シートの柔らかさが低下する傾向がある。厚みは、ピーコック紙厚計(商品名:PEACOCK、定圧厚み測定器、(株)尾崎製作所製)を用いて、37.85gf/cm2にて測定される。
<スパンレース不織布の製造方法>
本実施形態に係るスパンレース不織布は、従来公知のスパンレース不織布の製造方法に従って作製することができる。図1に、ウェブ作製工程と、水流交絡工程と、乾燥工程と、を含むスパンレース不織布の製造方法の一実施形態を示す。
ウェブ作製工程では、レーヨン繊維及びポリエステル繊維の各所定量、更に必要に応じて熱融着繊維、合成繊維等をカード機10に通すことで、繊維ウェブを得る。使用する繊維の種類や繊維径の選択により、スパンレース不織布の剛性を調整することができる。得られた繊維ウェブは、水流交絡工程に搬送される。
水流交絡工程では、繊維ウェブに対してほぼ垂直な方向に配置されたウォータージェットノズル11から高圧水流を噴射し、繊維ウェブ内で各繊維を交絡させる。本実施形態ではウォータージェットノズル11は4本であるが、本実施形態に限定されず、任意の本数とすることができる。ここで、ウォータージェットノズル11の穴直径φは、例えば、0.06mm以上0.15mm以下の範囲、又は0.10mm以上0.12mm以下の範囲である。また、隣り合う2つのウォータージェットノズル11の間隔は例えば0.4mm以上1.0mm以下の範囲である。また、水流交絡処理の水圧は、繊維ウェブの坪量等に応じて設定され、例えば、1MPa以上30MPa以下の範囲である。こうして水流交絡が施され、各繊維が絡み合った繊維ウェブが得られ、この繊維ウェブは乾燥工程に搬送される。
乾燥工程では、前述の繊維同士が絡み合った繊維ウェブを乾燥機12内にて乾燥し、本実施形態のスパンレース不織布を得る。所定量のレーヨン繊維及びポリエステル繊維を用いるとともに、ウォータージェットノズル11の穴直径φ、ウォータージェットノズル11の間隔、及び水流交絡処理の水圧をそれぞれ前述の範囲にすることで、本実施形態の所定の特性を有するスパンレース不織布を得ることができる。ここで、乾燥条件は特に限定されないが、例えば、80℃以上200℃以下の温度条件で1分以上30分以下の範囲で乾燥を実施すればよい。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明する。
(実施例1~7及び比較例1~12)
レーヨン繊維、ポリエステル繊維(以下の表1及び表2では「PL」と称す)、ポリエチレン繊維(以下の表1及び表2では「PE繊維」と称す)、及び熱融着繊維(低融点PET又はPE/PP芯鞘繊維)を表1又は表2に示す割合(重量%)で用い、実施例1~7及び比較例1~12のスパンレース不織布を作製した。得られたスパンレース不織布を下記の通り評価した。結果を表1及び表2に示す。
〔測定方法〕
実施例1~7及び比較例1~12で得られた各スパンレース不織布について、下記の試験を実施した。結果を表1及び表2に示す。
(坪量)JIS P 8124に準拠して測定した。
(T.W.A)
スパンレース不織布シートを76mm×76mmの正方形に切断して試料を作製し、試料の乾燥重量を測定する。次に、この試料を蒸留水中に2分間浸漬した後、水蒸気飽和状態の容器中で、試料の1つの角部を上側の頂部とし、この頂部と隣接する2つの角部とを支持して展伸した状態で吊るし、30分放置して水切り後の重量を測定する。得られた各測定値から、試料1mあたりの保水量(g/m)を求めた。
(カンチレバー長さ)JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定した。
(吸水速度)JIS L 1907に規定された滴下法に準拠し、0.1mlの水滴が試験片(スパンレース不織布)の表面に達したときから、試験片の鏡面反射が消えるまでの時間(秒)を測定し、吸水速度とした。
(WMDT、WCDT)スパンレース不織布を幅25mmの短冊状に切断し、引張試験機を用いて縦方向(MD:製造時の送り方向)と横方向(CD:MDに対して直角な幅方向)での湿潤強度を測定した。
(厚さ)ピーコック紙厚計(商品名:PEACOCK、定圧厚み測定器、(株)尾崎製作所製)を用いて測定した。測定荷重37.85Pa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料(不織布ワイパー1プライ)を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。測定は10回繰り返して平均値を求めた。
〔評価方法〕
実施例1~7及び比較例1~12で得られた各スパンレース不織布について、下記の評価を実施した。いずれも5段階評価であり、評価「1」を最も優れた状態とし(優)、評価「5」を最も程度の低い状態とした(不可)。結果を表1及び表2に示す。
(吸水性)
スパンレース不織布で水分を拭いた際の吸水性を評価した。評価は使用上で吸水性に問題ないものを「3」。これよりやや優れているものを「2」、優れているものを「1」。「3」よりやや劣るものを「4」、より劣るものを「5」とした。
(湿潤時の破れにくさ)
濡れた状態でのスパンレース不織布の強度を評価した。評価は使用上で湿潤時の強度(破れ易さ)が問題ないものを「3」、これよりやや優れているものを「2」、優れているものを「1」、「3」よりやや劣るものを「4」、より劣るものを「5」とした。
(発塵性)
スパンレース不織布を手で振ったときの発塵量を評価した。評価は使用上で発塵量が問題ないものを「3」、これよりやや優れているものを「2」、優れているものを「1」、「3」よりやや劣るものを「4」、より劣るものを「5」とした。
(湿潤時の丸まりにくさ)
スパンレース不織布を濡らした時の丸まりにくさ(コシの強さ)を評価した。評価は使用上で使用感に問題ないものを「3」、これよりやや優れているものを「2」、優れているものを「1」、「3」よりやや劣るものを「4」、より劣るものを「5」とした。評価5の状態を図2(a)に示し、評価1の状態を図2(b)に示す。
(シート柔らかさ)
乾燥時のスパンレース不織布の触感・コシの強さを評価した。評価は使用上で手のフィット感、曲がり具合が問題ないものを「3」、これよりやや優れているものを「2」、優れているものを「1」、「3」よりやや劣るものを「4」、より劣るものを「5」とした。
表1及び表2から、実施例1~7の本実施形態に係るスパンレース不織布は、吸水性、湿潤時の破れ難さ、発塵の少なさ、湿潤時の丸まり難さ、シート柔らかさ等をバランス良く良好に併せ持ち、各種工業用特に医療機器の分野で、清拭用の不織布ワイパーとして好適に使用できることが分かる。
10 カード機
11 ウォータージェットノズル
12 乾燥機

Claims (4)

  1. レーヨン繊維とポリエステル繊維とを水流絡合させてなるスパンレース不織布であって、
    前記レーヨン繊維の含有量が前記スパンレース不織布全量の40重量%以上80重量%以下であり、前記ポリエステル繊維の含有量が前記スパンレース不織布全量の20重量%以上60重量%以下であり、
    坪量が30g/m以上100g/m以下、吸水量(T.W.A)が200g/m以上、水湿潤時の縦方向引張り強さ(WMDT)が9.8N/25mm以上、JIS L 1096に基づく角度45°カンチレバー法に準拠して測定した長さが25mm以上55mm以下である、スパンレース不織布。
  2. 前記レーヨン繊維はビスコースレーヨンを含み、水湿潤時の横方向引張り強さ(WCDT)が6.8N/25mm以上である、請求項1に記載のスパンレース不織布。
  3. 吸水速度が7.4秒/0.1mL以下である、請求項1又は請求項2に記載のスパンレース不織布。
  4. 厚さが0.18mm/ply以上0.7mm/plyである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスパンレース不織布。
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