JP2012132117A - 皮膚清拭シート用基布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成人男性のように強い力を入れて拭き取った場合であっても、拭き取る際にシートがヨレにくく、力を加えてもシートの変形や破れなどが生じず、かつ保水性に優れておりウェットシートとして良好に用いることができる皮膚清拭シート用基布を提供する。
【解決手段】セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層した積層体を得、次いで得られた積層体をメッシュ状支持体に担持させ、積層体に高圧水流を施すことにより、セルロース短繊維相互間およびパルプ繊維相互間およびセルロース短繊維とパルプ繊維とを交絡させて一体化させ、一体化した積層体に紙力増強剤を付与することを特徴とする皮膚清拭シート用基布の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層した積層体を得、次いで得られた積層体をメッシュ状支持体に担持させ、積層体に高圧水流を施すことにより、セルロース短繊維相互間およびパルプ繊維相互間およびセルロース短繊維とパルプ繊維とを交絡させて一体化させ、一体化した積層体に紙力増強剤を付与することを特徴とする皮膚清拭シート用基布の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、人体を清浄するためのシートに用いられる基布に関するものである。
コットン(木綿)は天然繊維であり、アレルゲンとならないことから、対人用途として根強く用いられている。また、コットンを素材とするシートは、コットン繊維の断面形状が扁平に近いため、肌をこすると適度な物理的刺激があるので、拭き取り感が得られる。近年では、コットンを材料として水流交絡を施したシート状物に薬液等を染み込ませたウェットシートが、顔、身体などの清拭用として知られている。
顔や身体を拭うためのウェットシートは、女性や乳幼児をターゲットにしたものが多く、肌へのダメージを抑えるために肌当たりの良い繊維が用いられている。また、拭き取る行為も極力肌に力を加えないように行うのが一般的である。
最近では、顔や身体を拭うためのウェットシートにおいて、成人男性をターゲットにした製品も出始めるようになっている。しかし、成人男性は力を加えながら拭き取るために、従来の女性や乳幼児用に用いられてきた基布をそのまま適応すると、肌当たりが優しいために拭き取った感触に乏しかったり、強い力を加えることによってシートの変形や破けが生じるといった問題が発生している。
また、ウェットシートの材料として用いられるコットンは、乾燥時、薄くても比較的コシはあるものの、吸水により繊維が膨潤するため、コシの全くない柔らかなシートとなる性質があり、成人男性が力を入れて使用するには、拭き取った後に爽快感や充足感が得にくいものとなる。
嵩高く十分な厚み感を有し、拭き心地が良いシートを得る方法として、特許文献1にはエンボス加工により凹凸賦形させることが記載されている。この方法によれば、厚みがあるため、コシを有して、よれにくいシートが得られる。しかしながら、エンボス加工により効果的に凹凸賦形するためには、シートには熱融着性繊維を含有させる必要があり、熱融着繊維を含むことによりシート自体の保水量が劣る傾向となる。
本発明は、成人男性のように強い力を入れて拭き取った場合であっても、拭き取る際にシートがヨレにくく、力を加えてもシートの変形や破れなどが生じず、かつ保水性に優れておりウェットシートとして良好に用いることができる皮膚清拭シート用基布を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を達成するものであって、セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層した積層体を得、次いで得られた積層体をメッシュ状支持体に担持させ、積層体に高圧水流を施すことにより、セルロース短繊維相互間およびパルプ繊維相互間およびセルロース短繊維とパルプ繊維とを交絡させて一体化させ、一体化した積層体に紙力増強剤を付与することを特徴とする皮膚清拭シート用基布の製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるセルロース短繊維層は、木綿繊維によって構成されることが好ましい。木綿繊維以外のセルロース短繊維としては、例えばレーヨンやリヨセルが挙げられる。しかしレーヨンやリヨセルを用いると、繊維同士が滑りやすいために、得られた基布を例えば2つ折りにした場合に基布同士が滑りやすい。このような基布を用いて皮膚清拭シートとすると、身体を拭き取る際にシート同士が滑らないよう力を加減する必要があり、使用感に乏しくなってしまう。本発明においては、セルロース短繊維層は、木綿繊維からなるカードウェブを用いることが好ましい。セルロース短繊維の繊維長は、カード機で開繊しうる程度の長さであればよく、一般に、繊維長が10〜100mm程度のものを用いる。
セルロース短繊維層を得るためには、セルロース短繊維をカード機にて開繊してカードウェブとする。カード機とは短繊維群を針布で梳る機械である。カード機の入口に絡み合ったセルロース短繊維群を投入すると、これらの短繊維群が針布で梳られ、カード機の出口から開繊および集積された状態のシート状物が排出される。排出されたシート状物は、そのままの状態で搬送され、または二層以上に積層され、または適宜折り畳まれ(クロスレイド等)、セルロース短繊維層(短繊維ウェブ)が形成される。短繊維ウェブの目付は、10〜50g/m2程度がよい。
本発明におけるパルプ繊維層は、広葉樹パルプや針葉樹パルプ等の木材パルプ繊維を細かく砕いてシート状にしたものを用いる。いわゆるティッシュペーパーや皺加工が施されてなるクレープ紙を用いるとよい。パルプ繊維層は、基布にコシを付与するために重要な役割を担う。後述する積層体を一体化するための高圧水流工程において、強い水流を加え過ぎて、パルプ繊維層が完全に破壊されてしまい、パルプ繊維層を構成していたパルプ繊維が個々にばらばらに存在することとなると、基布に良好にコシを付与しにくくなる。したがって、比較的低めの水圧による水流によって、パルプ繊維とセルロース短繊維とを交絡させ、また、パルプ繊維層を容易に水流が通り抜ける必要があるため、パルプ繊維層の目付としては20g/m2以下のものを用いるとよい。下限は、10g/m2程度とする。
本発明においては、上記したセルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層した積層体を得る。このとき、セルロース短繊維層の片面にのみパルプ繊維層を積層した2層の積層体であっても、セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層し、さらにパルプ繊維層の上にセルロース短繊維層を積層した3層の積層体(セルロース短繊維層/パルプ繊維層/セルロース短繊維層)であってもよい。清拭シートとしたときに、表裏面が異なる素材ではない方が使い勝手がよいため、パルプ繊維層の両面にセルロース短繊維層が配された3層の積層体を好ましく用いることができる。また、最終的に得られる基布の目付を考慮して、それぞれの繊維層の目付を適宜選択すればよく、パルプ繊維層の目付が20g/m2以下であることが好ましいことから、例えば、目付50g/m2の基布を得ようとする場合、パルプ繊維層の目付が20g/m2であれば、2層の積層体のときはセルロース短繊維層の目付は約30g/m2のものを選択すればよく、3層の積層体のときはセルロース短繊維層の目付はそれぞれ約15g/m2のものを選択してパルプ繊維層の両面に積層すればよい。
次いで、得られた積層体に高圧水流を施す。高圧水流を施す際、積層体はメッシュ状支持体に担持し、高圧水流は、積層体側すなわちメッシュ状支持体側の反対側から施す。高圧水流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔感覚0.05〜10mmで一列または複数列配置されている噴射装置を用い、たとえば、1.5〜20MPaで水を噴出させて得られるものである。高圧水流は、積層体に一回または二回以上施す。この高圧水流は、メッシュ状支持体に担持されている積層体に衝突すると、高圧水流のエネルギーが積層体の構成繊維(セルロース短繊維およびパルプ繊維)を運動させるエネルギーとなり、構成繊維相互間を交絡させるのである。すなわち、セルロース短繊維同士、パルプ繊維同士、セルロース短繊維とパルプ繊維とを交絡させて一体化させる。そして、積層体に衝突した後には、メッシュ状支持体の孔から下方へ水が排出されるのである。メッシュ状支持体としては、任意のメッシュ形態のものを採用すればよい。メッシュの大きさについては、積層体に施した水流を容易に抜けやすくするため、また、得られる基布表面に明瞭な凹凸模様を付与することで、得られる基布をウェットシートとした際にシートに含ませる液体が使用時に染み出しやすくするために、6〜18メッシュの粗め織物を用いることが好ましい。なお、ここでいうメッシュとは、1インチ当たりの線の和を指し、例えば6メッシュの織物は、1インチ当たり6本の線が存在するものを指す。
高圧水流を施した積層体には、水が含浸されているため、積層体を絞って過剰な水分を除去した後、積層体に紙力増強剤を付与して、本発明の基布を得る。紙力増強剤を付与することにより、基布にコシを与えることができる。紙力増強剤には、例えば、湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤があり、湿潤紙力増強剤は、例えば衛生用紙であるティッシュペーパーのように、紙を水に浸しても分散しないようにするためや、薄くても破れにくいよう紙を一定の強度に保つために添加されるもので、湿潤紙力増強剤を入れずにティッシュペーパーを製造すると、水に溶けやすくなるため、トイレットペーパーとなる。また、乾燥紙力増強剤は、例えば段ボールなどに使用され、乾燥状態において紙強度を向上させることができる。本発明においては、基材のコシを出すためには、湿潤紙力増強剤と乾燥紙力増強剤とを併用して付与することにより、良好なコシを有する基材を得ることができる。
紙力増強剤は、主にパルプ繊維に対して作用する。これは、パルプ繊維がフィブリル化しているためであると考えられる。セルロース系短繊維にも作用を及ぼすが、その作用は軽微である。そのため、紙力増強剤によって基布全体はコシのあるしっかりしたものとなるが、セルロース系短繊維同士が交絡してなる部分については、硬くなり過ぎることはないため、力を加えて肌を拭いてもセルロース系短繊維の良好な拭き取り感を損なうことなく、シートのヨレの防止が実現可能となる。
本発明の基布は肌に直接触れる用途に用いられるため、安全性を考慮すると、紙力増強剤にはホルマリンが含まれていないものを用いることが好ましい。皮膚清拭シートは、ウエット状態で用いられるため、例えばデンプン等を主成分とする紙力増強剤は、シートを湿潤させると溶け出して効果がなくなる。従って本発明においては、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂の紙力増強剤を用いることが好ましく、湿潤紙力増強剤であるエポキシ系樹脂と乾燥紙力増強剤であるアクリル系樹脂とを併用して付与することが好ましい。紙力増強剤の付着量としては、基布の質量に対して湿潤紙力増強剤であるエポキシ系樹脂を2.5〜3.0重量%付与することで、効果を発現し湿潤状態においてヨレが発生しにくくコシのある基布が得られる。また、さらに乾燥紙力増強剤であるアクリル系樹脂を0.2〜0.4wt%添加することで、よりコシ感を向上させることができる。
また、本発明においては、紙力増強剤として、架橋構造を構成するメタアクリル酸エステル共重合樹脂を好ましく用いることができる。紙力増強剤が架橋構造を構成することにより、基布にコシを良好に付与することができる。基布質量に対して、紙力増強剤である架橋構造を構成するメタアクリル酸エステル共重合樹脂は、2.5〜8wt%添加することにより良好な効果を発揮する。なお、架橋構造を構成する紙力増強剤は、架橋構造を構成させるために、紙力増強剤を付与した後に所定の熱処理を施す。
紙力増強剤の付与方法としては、紙力増強剤(固形分)が分散されてなる用液を基布に付与した後、乾燥処理を施せばよく、溶液は、含浸法、コーティング法(ロールコーター、グラビアコーター、ダイ法)、噴霧法等を用いて基布に付与すればよい。
得られる基布の目付は40〜80g/m2程度の範囲がよく、適宜選択すればよい。
得られた基布は、適宜の大きさに裁断されて皮膚清拭シートとする。また、アルコール成分や水、また、目的に応じて他の薬液を含浸させて、皮膚清拭シートとすればよい。
本発明により得られる皮膚清拭シート用基布は、セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層したうえで、高圧水流により構成繊維同士が交絡して一体化したものであり、さらに紙力増強剤が付与されていることから、パルプ繊維同士の交絡部分あるいはパルプ繊維の塊部分が基布にコシを与えるよう作用する。したがって、湿潤状態として強い力で皮膚をこすって拭っても、ヨレが発生しにくいため、使い勝手の良好な皮膚清拭シートを提供することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例の各種物性値は以下の方法により測定した。
(1)目付(g/m2):タテ10cm×ヨコ10cmの試料片を10点作成し、標準状態の各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して、目付(g/m2)とした。
(2)シートの使用感:タテ15cm×ヨコ25cmの試料片に試料片100質量部に対し、200質量部の水/メタノール混合液(比率=50/50)を含ませたウエットシートを用意した。このウエットシートで体を強くこすって拭清し、シートの拭き取り感や使い心地を評価した。
(1)目付(g/m2):タテ10cm×ヨコ10cmの試料片を10点作成し、標準状態の各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算して、目付(g/m2)とした。
(2)シートの使用感:タテ15cm×ヨコ25cmの試料片に試料片100質量部に対し、200質量部の水/メタノール混合液(比率=50/50)を含ませたウエットシートを用意した。このウエットシートで体を強くこすって拭清し、シートの拭き取り感や使い心地を評価した。
実施例1
セルロース短繊維層として、木綿繊維からなる目付約18g/m2のカードウエブを2枚用意した。また、パルプ繊維層として、目付約16g/m2のクレープ紙(ハビックス社製)を用意した。
セルロース短繊維層/パルプ繊維層/セルロース短繊維層の順に積層し、この3層積層体を移動する10メッシュのプラスチック製織物からなる支持体に担持し、積層体側から高圧水流処理を施した。高圧水流は、支持体の上方50mmに位置する、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列配列され、かつ、その列を三列備えた高圧水流噴射装置を用い、各々9.8MPaの圧力で水を噴射した。
次いで、一体化させた積層体を絞り装置にて余剰水分を除去し、キスコーターを用いて積層体に紙力増強剤のエマルジョン溶液を付与した。なお、積層体の繊維質量に対し固形分で3.4wt%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は3.2%)。紙力増強剤のエマルジョン溶液は、カチオン性エポキシ系樹脂エマルジョン溶液(荒川化学社製の湿潤紙力増強剤「アラフィックス255LOX」)と両性アクリル系樹脂エマルジョン溶液(荒川化学社製の乾燥紙力増強剤「ポリストロン1280」)の混合液で、エポキシ系樹脂100質量部に対し、アクリル系樹脂10質量部の割合となるように混合した。付与した後は、温度120℃の乾燥機で乾燥し、目付約50g/m2の基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、肌への適度な刺激があって拭き取り時の感触は非常に良く、シート自体にコシがあって使用しやすく、また強い力を入れて擦ってもヨレたり丸まったりすることなくコシを維持していた使い心地の非常に良いものであった。
セルロース短繊維層として、木綿繊維からなる目付約18g/m2のカードウエブを2枚用意した。また、パルプ繊維層として、目付約16g/m2のクレープ紙(ハビックス社製)を用意した。
セルロース短繊維層/パルプ繊維層/セルロース短繊維層の順に積層し、この3層積層体を移動する10メッシュのプラスチック製織物からなる支持体に担持し、積層体側から高圧水流処理を施した。高圧水流は、支持体の上方50mmに位置する、孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列配列され、かつ、その列を三列備えた高圧水流噴射装置を用い、各々9.8MPaの圧力で水を噴射した。
次いで、一体化させた積層体を絞り装置にて余剰水分を除去し、キスコーターを用いて積層体に紙力増強剤のエマルジョン溶液を付与した。なお、積層体の繊維質量に対し固形分で3.4wt%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は3.2%)。紙力増強剤のエマルジョン溶液は、カチオン性エポキシ系樹脂エマルジョン溶液(荒川化学社製の湿潤紙力増強剤「アラフィックス255LOX」)と両性アクリル系樹脂エマルジョン溶液(荒川化学社製の乾燥紙力増強剤「ポリストロン1280」)の混合液で、エポキシ系樹脂100質量部に対し、アクリル系樹脂10質量部の割合となるように混合した。付与した後は、温度120℃の乾燥機で乾燥し、目付約50g/m2の基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、肌への適度な刺激があって拭き取り時の感触は非常に良く、シート自体にコシがあって使用しやすく、また強い力を入れて擦ってもヨレたり丸まったりすることなくコシを維持していた使い心地の非常に良いものであった。
実施例2
実施例1において、紙力増強剤のエマルジョン溶液を付与する際に、積層体の繊維質量に対し固形分で2.5質量%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は2.4%)以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、拭き取り時の感触は良く、また強い力を入れて擦ってもコシを維持してヨレが発生したり丸まったりすることはなく使い心地の良いものであった。
実施例1において、紙力増強剤のエマルジョン溶液を付与する際に、積層体の繊維質量に対し固形分で2.5質量%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は2.4%)以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、拭き取り時の感触は良く、また強い力を入れて擦ってもコシを維持してヨレが発生したり丸まったりすることはなく使い心地の良いものであった。
実施例3
実施例1の紙力増強剤として、ノンホル型熱架橋性エマルジョンであるメタアクリル酸エステル共重合樹脂を主成分とするエマルジョン溶液(昭和電工製の紙力増強剤「TLX−1050」)を用い、積層体の繊維質量に対して固形分で5wt%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は4.8%)に変更したこと、温度120℃の乾燥機での乾燥後にさらに架橋構造を構成するための熱処理として190℃×23秒の熱処理を連続熱風処理機を用いて行ったこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、拭き取り時の感触は非常に良く、シート自体にコシがあって使用しやすく、また強い力を入れて擦ってもヨレが発生するものではなく使い心地の非常に良いものであった。
実施例1の紙力増強剤として、ノンホル型熱架橋性エマルジョンであるメタアクリル酸エステル共重合樹脂を主成分とするエマルジョン溶液(昭和電工製の紙力増強剤「TLX−1050」)を用い、積層体の繊維質量に対して固形分で5wt%付着するように調整した(最終的に得られる基布に対する紙力増強剤の付与量は4.8%)に変更したこと、温度120℃の乾燥機での乾燥後にさらに架橋構造を構成するための熱処理として190℃×23秒の熱処理を連続熱風処理機を用いて行ったこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて、使用感を評価したところ、拭き取り時の感触は非常に良く、シート自体にコシがあって使用しやすく、また強い力を入れて擦ってもヨレが発生するものではなく使い心地の非常に良いものであった。
比較例1
セルロース系短繊維層として、木綿繊維からなる目付約50g/m2のカードウエブを1枚用意し、パルプ繊維層を用いずに高圧水流を施したこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて使用感を評価した。紙力増強剤を付与したものの、拭き取り時の肌への抵抗感が感じられず、コシがなく、柔らかな感触のものであり、本発明が目的とするものではなかった。
セルロース系短繊維層として、木綿繊維からなる目付約50g/m2のカードウエブを1枚用意し、パルプ繊維層を用いずに高圧水流を施したこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて使用感を評価した。紙力増強剤を付与したものの、拭き取り時の肌への抵抗感が感じられず、コシがなく、柔らかな感触のものであり、本発明が目的とするものではなかった。
比較例2
実施例1において、紙力増強剤を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて使用感を評価した。拭き取り時の肌への抵抗感が感じられず、コシがなく、柔らかな感触のものであり、また、強くこするとヨレが発生した。
実施例1において、紙力増強剤を付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして基布を得た。
得られた基布を用いて使用感を評価した。拭き取り時の肌への抵抗感が感じられず、コシがなく、柔らかな感触のものであり、また、強くこするとヨレが発生した。
Claims (8)
- セルロース短繊維層の片面にパルプ繊維層を積層した積層体を得、次いで得られた積層体をメッシュ状支持体に担持させ、積層体に高圧水流を施すことにより、セルロース短繊維相互間およびパルプ繊維相互間およびセルロース短繊維とパルプ繊維とを交絡させて一体化させ、一体化した積層体に紙力増強剤を付与することを特徴とする皮膚清拭シート用基布の製造方法。
- パルプ繊維層が、クレープ紙であることを特徴とする請求項1記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法。
- 紙力増強剤が、エポキシ系樹脂とアクリル系樹脂とを併用したものであることを特徴とする請求項1または2記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法。
- 紙力増強剤が、メタアクリル酸エステル共重合樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法。
- セルロース短繊維が木綿繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法。
- メッシュ状支持体が、6メッシュ〜18メッシュの粗目織物であることを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚清拭シート用基布の製造方法により得られた皮膚清拭シート用基布。
- 請求項7記載の皮膚清拭シート用基布に、少なくともアルコール成分が含浸してなることを特徴とする皮膚清拭シート。
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