JP2017154420A - シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性が向上した紙シートの製造方法を提供する。
【解決手段】原料を供給する供給ステップと、前記原料にバインダを供給するバインダ供給ステップと、前記バインダ供給ステップ後に、前記原料を乾燥する乾燥ステップと、前記乾燥ステップ後に、前記原料に薬液を供給する薬液供給ステップと、前記薬液供給ステップ後に前記原料に押圧力を加える押圧ステップと、を含むシートの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シートの製造方法に関するものである。
トイレ清掃用のシートやキッチン用の清掃用シート等の紙シートは、掻きとり効果や手触りを向上するために、表面にエンボスを形成することが従来行われている。
しかし、これらの紙シートが人体に直接触れて使用されるものである場合、更なる柔軟性(ふんわり感、柔らかさ、滑らかさ、しなやかさ等)が望まれる。
このため、柔軟性の向上を目的として、エンボスを特定の大きさに形成している従来技術がある(特許文献1参照)。
特開平7−268800号公報
本発明の課題は、柔軟性が向上したシートの製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明は、原料を供給する供給ステップと、前記原料にバインダを供給するバインダ供給ステップと、前記バインダ供給ステップ後に、前記原料を乾燥する乾燥ステップと、前記乾燥ステップ後に、前記原料に薬液を供給する薬液供給ステップと、前記薬液供給ステップ後に前記原料に押圧力を加える押圧ステップと、を含むシートの製造方法である。
なお、上記ステップは、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他のステップに代替してもよい。
本発明によれば、柔軟性が向上したシートの製造方法を提供することができる。
本実施形態の紙シートの製造方法を説明する図である。 第1押圧ロールを説明する図である。 (a)は第1押圧ロール間を通った後の原料シートの状態を示す図であり、(b)は第2押圧ロール間を通った後の紙シートの状態を示す図である。 第2押圧ロールを説明する図である。 (a)〜(e)はエンボスのバリエーションを示した図である。 本実施形態の製造方法を説明するフローチャートである。 第2実施形態の第2押圧ロールを示した図である。
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態について説明する。図1は本実施形態の紙シート101の製造方法を説明する図である。
本実施形態の紙シート101の製造方法は、原料シート1(1A,1B)に対して、又は原料シート1Aと1Bとの間に柔軟性付与材41を介在させた状態で、複数ステップによる加工を施し、柔軟で強度を有した紙シート101を製造する方法である。
本実施形態の柔軟な紙シート101は、トイレにおける便器やトイレ周りの清掃を行うための清掃用品、おしり拭き用品、身体等を拭く身体拭き、顔を拭くフェイシャルシートやメイク落とし、パック等、ウェットティッシュ、おしぼりや紙雑巾、ウェットフローリングシート等に用いることができるものである。
また、本実施形態の柔軟な紙シート101は、非湿潤状態で使用されるティッシュペーパー等のドライ製品の原材料として利用できる。この場合、吸水性に優れるため、抗菌剤、洗浄剤、清浄剤等を含浸させて使用される、トイレ周りの清掃用品、おしり拭き用品、身体等を拭く身体拭き、顔を拭くフェイシャルシートやメイク落とし、パック等、ウェットティッシュ、おしぼりや紙雑巾、ウェットフローリングシート等のウェット製品用の原材料としても利用することができる。
さらに、本実施形態の柔軟な紙シート101は、おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品及び使い捨て衣料、おむつ、使い捨て生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に用いることができる。
(原料シートの材料)
原料シート1としては、液透過性を有し、パルプ紙又はパルプを主原料とする材料から形成された紙材料が用いられる。
原料シート1がパルプを主原料とする材料から形成される場合には、パルプの配合が30%以上であることが好ましい。またパルプの配合が50%以上であることがより好ましい。パルプの配合は80%以上であることがさらにより好ましい。
パルプの配合を上記の割合とすることにより、紙シート101としての柔軟性を向上させたり、製造時の生産効率を向上させることができる。
また、パルプの配合を高くすることにより、紙シート101の廃棄後にその廃棄された紙シート101が例えば土中等において分解されやすくすることができる。したがって、環境負荷をより低減し、環境面に対する配慮をより向上させることができる。
なお、原料シート1A,1Bは、互いの厚さや材料等として同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。
原料シート1がパルプを主原料とする材料から形成される場合のパルプとしては、種々の原料パルプを用いることができる。
本実施形態で用いることができる原料パルプとしては、例えば、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ等を挙げることができる。
また、パルプなどの天然繊維に限られず、レーヨン等の再生繊維等も用いることができる。尚、パルプを主原料とする材料から形成される場合、その他の材料には合成繊維が含まれても良い。
さらに、本実施形態は、原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることもできる。
この場合には、例えば赤松、エゾ松、トド松、ダグラスファー、ヘムロック、スプルースなどの針葉樹から得られる針葉樹晒クラフトパルプとブナ、ナラ、カバ、ユーカリ、オーク、ポプラ、アルダーなどの広葉樹から得られる広葉樹晒クラフトパルプを所定の割合で配合してなる原料パルプを用いることもできる。
また、本実施形態における原料シート1の材料としては天然繊維を用いることが好ましい。天然繊維としては、例えばケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸、サトウキビ等を用いることができる。
なお、原料シート1に用いられる紙材料としては水解性を有するものであっても、水解性を有しないものであってもよい。また、原料シート1A,1Bに用いられる紙材料は、上記したものに限定されない。
(原料シートの製造方法)
本実施形態の処理方法が施される原料シート1の製造方法としては、これに限定されるものではないが、数ミリの繊維を水に分散し、金網で抄くことによりシートを形成する湿式抄紙法があげられる。
また、原料シート1は、スパンレース法により製造されたものであっても良い。スパンレース法とは、水流交絡法ともいい、短繊維にガーディングを行って繊維を整えてウェッブを作る方法。そのウェッブにジェット水流を噴射し、水圧によって繊維同士を絡みあわせてシート状に結合させるものである。
(柔軟性付与材)
柔軟性付与材41は、原料シート1A,1Bの間に積層されるものである。
柔軟性付与材41は、粉砕パルプ又は粉砕パルプを主原料とする材料から形成されている。粉砕パルプとは、紙材料等の原料となるパルプ材料を粉砕機等によって細かく粉砕して綿状にしたものをいう。
粉砕パルプは、原料となるパルプシートを粉砕機によって粉砕等することで製造されるものである。
パルプシートの材料としては種々のパルプ材を用いることができる。
パルプ材としては、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ等を挙げることができる。
また、パルプなどの天然繊維に限られず、レーヨン等の再生繊維等も用いることができる。
さらに、本実施形態は、原料となるパルプシートとして、トイレットペーパー材料を用いることもできる。
この場合には、例えば赤松、エゾ松、トド松、ダグラスファー、ヘムロック、スプルースなどの針葉樹から得られる針葉樹晒クラフトパルプとブナ、ナラ、カバ、ユーカリ、オーク、ポプラ、アルダーなどの広葉樹から得られる広葉樹晒クラフトパルプを配合してなるものを用いることもできるが、針葉樹晒クラフトパルプからなる原料パルプを用いることが製造上の観点から好ましい。
また、原料となるパルプシートの材料としては天然繊維を用いることが好ましい。天然繊維としては、例えばケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸、サトウキビ等を用いることができる。
なお、この柔軟性付与材41を形成する際に用いられるパルプ材の材料は、原料シート1を形成する材料と異なってもよいし、同じであってもよい。
柔軟性付与材41に用いられる材料が粉砕パルプを主原料とする材料から形成される場合には、粉砕パルプの配合が30%以上であることが好ましく、また粉砕パルプの配合が50%以上であることがより好ましい。
さらに、望ましくは、粉砕パルプの配合は80%以上であることが好ましい。
粉砕パルプは、パルプ材料を粉砕して綿状に形成したものであるから、粉砕パルプの配合を上記した割合にすることにより、粉砕パルプを形成する各繊維同士の間に空間をより形成しやすくなる。
尚、柔軟性付与材に粉砕パルプを主原料とする材料から形成される場合、その他の材料には合成繊維が含まれても良い。
この空間は、繊維と繊維との間に無数に形成されるものであるから、この空間が形成される分だけ、より少ない目付量で柔軟性付与材41の嵩高をより大きくすることができ、柔軟性付与材41に嵩高形成機能を大きくすることができるように構成することができる。
また、このように、粉砕パルプを主原料とする材料から柔軟性付与材41を形成することで、繊維同士の間の空間を形成して各繊維が動く自由度を大きくすることができると共に柔軟性付与材41の嵩高をより大きくすることができ、紙シート1全体としての柔軟性を向上させたり、製造時の生産効率を向上させることができる。
なお、ここで嵩高形成機能とは、原料シート1及び柔軟性付与材41を積層した紙シート101の嵩高をより大きくする機能であり、嵩高形成機能が高い場合には、紙シート101の嵩高がより大きい状態を意味し、嵩高形成機能が低い場合には、紙シート101の嵩高が小さい状態を意味するものとする。
なお、この柔軟性付与材41における粉砕パルプの目付量は、80g/m2以下であることが好ましく、また60g/m2以下であることがより好ましい。粉砕パルプの目付量を上記した範囲にすることで、紙シート101の製造及び梱包をしやすくすることができ、使用者が使用しやすく且つ梱包しやすい嵩高を有するように構成することができる。
このように嵩高を調整することで、多量のバインダを必要とすることがないので、紙シート101の表面に多量のバインダが付着して、この付着したバインダがフィルム化することも防止でき、紙シート101の全体的な柔軟性を確保することができる。
また、柔軟性付与材41は、上述のように多数の繊維により構成されており、厚さ方向における繊維の密集する度合いが異なるように構成されている。本実施の形態に係る紙シート101では、原料シート1Aと1Bと柔軟性付与材41との境界面の領域において、繊維が圧縮された状態で密に存在するように構成されている。
本実施形態の紙シート101の製造方法によると、紙シート101は、例えば上述のように湿式抄紙法やスパンレース法で製造された原料シート1A,1Bがそれぞれ巻かれた供給ロール2Aと2Bにより供給される。
さらに紙シート101は、原料シート1A,1Bの間に挟む柔軟性付与材41を供給する柔軟性付与材供給装置4、第1押圧ロール3、ピンチロール5、第2押圧ロール6、バインダ供給装置7、架橋剤供給装置8、乾燥装置9により処理される。
(供給ロール)
供給ロール2は、供給ロール2A,2Bと2つ設けられており、それぞれ原料シート1A,1Bが巻かれている。供給ロール2A,2Bより処理される原料シート1A,1Bは図示するMD(マシンディレクション)の下流に引き出される。
(第1押圧ロール)
供給ロール2のMD下流には、第1押圧ロール3が配置されている。
第1押圧ロール3は、第1押圧ロール3A,3Bと2つ設けられており、第1押圧ロール3は供給ロール2AのMD下流に配置され、第1押圧ロール3Bは供給ロール2BのMD下流に配置されている。
図2は、第1押圧ロール3を説明する図である。なお、第1押圧ロール3Aと3Bは同様の構造を有するため、合わせて第1押圧ロール3として説明する。
なお、本明細書で用いる「凹凸」とは、図2で示すような、凹部と凸部とが略同様な間隔で形成されているもののみならず、平坦な部分に凸部が形成されている場合や、平坦な部分に凹部が形成されている場合も含む。
第1押圧ロール3は上下一対のロール3a,ロール3bを有する。ロール3a,3bは、それぞれ円柱状で軸線3xに沿って回転可能である。
第1押圧ロール3は、原料シート1に対してMD方向と垂直な方向に凹凸(エンボス)を形成するロールである。すなわち、ロール3aの表面には、図2に示すように、ロール3aの軸線3xに沿って延びる複数の凹凸が設けられている。また、ロール3bには、ロール3aの凹凸が噛み合う凹凸が設けられている。
図3(a)は、ロール3aとロール3bとの間を通った後の原料シート1の状態を示す図である。図中直線はピーク列(凸部)を示し、点線はボトム列(凹部)を示す。図示するように、ロール3aとロール3bとの間を通った後の原料シート1には、横方向(MDと直交する方向、短手方向)に延びる直線状のエンボスが形成される。
なお、以下、本明細書において、シート(原料シート1又は紙シート101)に形成される直線的なエンボスとは、ピーク列(凸部)とボトム列(凹部)とを有する形状をいう。また、シートにおける最も高い部分と最も低い部との中間の高さを基準として、中間の高さよりも高い部分をピーク列とし、中間の高さよりも低い部分をボトム列と規定する。
(柔軟性付与材供給装置)
柔軟性付与材供給装置4は、原料シート1に柔軟性付与材41を供給する装置である。本実施形態では、供給ロール2Bより供給されてMDに沿って流れる原料シート1B上に柔軟性付与材41を配置する。なお、柔軟性付与材供給装置4を複数設けてもよく、繊維状の粉砕パルプが飛散しないように原料シート1B側に真空装置を設けてもよい。
(ピンチロール)
ピンチロール5は、第1押圧ロール3A,3BのMD下流に配置されている。
ピンチロール5は一対のロール5a,ロール5bを有する。ロール5a,5bは、それぞれ円柱状で軸線に沿って回転可能である。
ピンチロール5により、原料シート1Aと、柔軟性付与材41が積層された原料シート1Bとが重ね合わされ、原料シート1Aと、柔軟性付与材41と、原料シート1Bとの積層体である紙シート101は、さらにMD下流に送られる。
(第2押圧ロール)
ピンチロール5のMD下流には、紙シート101に対してさらにエンボスを形成する第2押圧ロール6が配置されている。
第2押圧ロール6は、第1押圧ロール3A,3Bと同様に円柱状でロール6a,6bの表面にエンボス形成用の凹凸が形成されている。
本実施形態では、第2押圧ロール6は、第1押圧ロール3と異なり、紙シート101のMD方向に直線状のエンボスを形成するロールである。すなわち、ロール6aの表面には、図4に示すように、軸線6xを中心とした周方向に沿って延びる複数の凹凸が設けられている。また、ロール6bには、ロール6aの凹凸が噛み合う凹凸が設けられている。
紙シート101に対して第2押圧ロール6によりエンボスを形成すると、第1押圧ロール3により形成された横方向のエンボスの上に縦方向(MD、長手方向)のエンボスが形成されるので、エンボスは図3(b)のように格子状になる。なお、図3(b)中においても、図3(a)と同様に、直線はピーク列(凸部)を示し、点線はボトム列(凹部)を示す。
なお、本実施形態では、第1押圧ロール3を横方向エンボスが形成されるロールとし、第2押圧ロール6を縦方向エンボスが形成されるロールとしたが、これに限定されない。
例えば、第1押圧ロール3を縦方向エンボスが形成されるロールとし、第2押圧ロール6を横方向エンボスが形成されるロールとしてもよい。
また、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とを両方とも、縦又は横の同じ方向のエンボスを形成するロールとしても良い。
図5は形成されるエンボスのバリエーションを示した図である。
図5(a)に示すように。第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とを、MD方向に対して斜めのエンボスを形成するロールとしても良い。
また、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とで形成されるエンボスは、連続する直線でなくてもよい。
図5(b)に示すように、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とで形成されるエンボスは、互いに直交する方向に延びるが断続的でも良い。
図5(c)に示すように、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とで形成されるエンボスは、互いに平行に延びるが断続的でも良い。
図5(d)に示すように、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とで形成されるエンボスは、くの字形状(不等号形状)であってもよい。
図5(e)に示すように、第1押圧ロール3と第2押圧ロール6とで形成されるエンボスは、ドット形状であってもよい。
また、エンボス加工の際、第1押圧ロール3又は第2押圧ロール6を加熱せずに行なうこともできるが、第1押圧ロール3又は第2押圧ロール6を所定温度に加熱した状態でエンボス加工を行なってもよい。
後者の場合、第1押圧ロール3又は第2押圧ロール6の加熱温度は、60℃〜150℃が好ましい。
(第3押圧ロール)
第3押圧ロール10における一対のロール10a,ロール10bは、外周面が平滑なロールであり、紙シート101のエンボス高さを変更することができる。
紙シート101のエンボス高さが高すぎたり、バラつきがあったりすると、バインダ又は架橋剤の供給状態にムラが発生する可能性がある。その結果、バインダ又は架橋剤のいずれかが少ない所では、架橋構造とならず繊維シートの強度が弱くなる。
しかし、第2押圧ロール6とバインダ供給装置7との間に、一対の平ロールで形成される第3押圧ロール10を配置し、この平ロールで紙シート101のエンボスの高さを調整することにより、紙シート101のエンボスの高さを調整し、また一定にすることができるので、バインダと架橋剤の供給状態にムラが生じにくく、繊維シートの強度(引張強度)を向上することができる。なお、供給状態のムラとはMDの後方において液がかからず、生じるムラをいう。
(バインダ供給装置)
第2押圧ロール6のMD下流には、バインダ供給装置7が配置されている。バインダ供給装置7は、紙シート101の表面に水溶性バインダを噴霧して水溶性バインダを含浸させる装置である。なお、図1では上方からバインダを供給しているが、原料シート1Bの下側からバインダを供給するバインダ供給装置を追加してもよい。
バインダは、所定の接着力を有し、且つ原料シート1と柔軟性付与層6とに所定の強度を付与できるものであればよく、種々のものを用いることができる。本実施形態で用いることができるバインダとしては、多糖誘導体、天然多糖類、合成高分子などが挙げられる。多糖誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンプン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。天然多糖類としては、グアーガム、トラントガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。また、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体やその塩等が挙げられ、不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。上記したもののうち、特にカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールが好ましい。
バインダ供給装置7は、ノズルから水溶性バインダを紙シート101の表面に噴霧する装置である。
水溶性バインダの供給によって、紙シート101の繊維同士は水溶性バインダを介して結合される形となり、繊維間の結合は強固となる。
即ち、水溶性バインダが乾燥して膜化したときに、このバインダ膜の強度は繊維の持つ強度よりも大きいものであり、紙シート101(水解紙・非水解紙)の強度が向上する。
尚、バインダの添加時期は問わない。つまり、エンボスをかける前にバインダ・架橋剤が含浸されていてもよい。エンボスの後にバインダ・架橋剤を含浸させるのは一例である。
(架橋剤供給装置)
バインダ供給装置7のMD下流には、架橋剤供給装置8が配置される。
架橋剤供給装置8は、凹凸が形成され且つ水溶性バインダ溶液が供給された紙シート101に、架橋剤溶液を噴霧して架橋剤を紙シート101に供給させる装置である。なお、図1では上方から架橋剤を供給しているが、原料シート1Bの下側から架橋剤を供給する架橋剤供給装置を追加してもよい。
上記バインダが架橋されたバインダであると、紙シート101の物理強度が向上されるため好ましい。バインダを架橋する架橋剤は、バインダと架橋反応を起こしてバインダ37を架橋構造とし、それにより物理的強度を向上させるものである。
架橋剤としては、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシル基を有するバインダを用いる場合には、多価金属イオンを用いることが好ましく、この多価金属イオンとしては、亜鉛、カルシウムやバリウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の金属イオンが挙げられる。
中でも、亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅等のイオンが好適に用いられる。これらは十分な湿潤強度を付与する点において好ましい。上記した架橋剤としての多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の水溶性金属塩の形で用いられる。
また、バインダとしてポリビニルアルコールを用いる場合、架橋剤としてはチタン化合物、ホウ素化合物、ジルコニウム化合物、ケイ素を含む化合物等を用いることができ、これらの化合物のうち、1種又は複数を混合して架橋剤として用いることもできる。
チタン化合物としては、例えば乳酸チタン、チタントリエタノールアミネート等が挙げられ、ホウ素化合物としては、例えばホウ砂、ホウ酸等が挙げられる。
またジルコニウム化合物としては、例えば炭酸ジルコニウムアンモニウム等が挙げられ、ケイ素を含む化合物としては、例えばケイ酸ナトリウム等が挙げられる。架橋剤は水溶性バインダと架橋反応を起こして、水溶性バインダを架橋構造とし、それにより物理的強度を向上させるものであり、例えば硫酸亜鉛水溶液が用いられる。
水溶性バインダは非湿潤状態でエンボス加工された紙シート101に噴霧されるので、速やかに紙シート101の内部に浸透する。
しかし、これに引き続き噴霧された架橋剤は、既に湿潤状態にある紙シート101の内層には浸透しにくい。したがって、紙シート101の厚み方向に濃度勾配ができ、表面近くに比較的高濃度に残留する。
従って、架橋剤を紙シート101に供給することで、紙シート101の表層においてより高密度の架橋反応が進行させて、紙シート101の表面層について選択的に強度を上げることができ、生成される水解紙の使用時の紙粉の発生を効果的に防止することができる。
なお、紙シート101の両面に架橋剤を供給すれば紙シート101の両方の表面を強化することができる。なお、架橋剤供給装置8を後述の乾燥装置9の下流に配置してもよい。この場合、後述の薬液供給装置20の上流に配置してもよく、薬液供給装置20の下流に配置してもよく、薬液供給装置20から架橋剤を供給してもよい。
(乾燥装置)
架橋剤供給装置8のMD下流には、湿潤状態の紙シート101を非接触乾燥する乾燥装置9が配置されている。なお、図1では上方から乾燥させているが、原料シート1Bの下側から乾燥を行う乾燥装置を追加してもよい。
乾燥装置9としては、マイクロ波加熱により乾燥を行う電磁波乾燥が好ましいが、これに限らず、電磁波乾燥、通気乾燥(熱風乾燥)、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などであってもよい。
電磁波乾燥を用いた場合、短時間で乾燥を行える利点があり、また電磁波の透過能力は高く、紙シート101の内部にまで透過して加熱することにより均一に加熱でき、従って均一に乾燥を行うことができる。
更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができる。
電磁波乾燥は通気乾燥(熱風乾燥)と異なり、風の圧力でエンボスによる凹凸体12の凹凸形態が潰れるおそれがなく、また熱ロール乾燥と異なり機械的圧力により前記凹凸形態が潰れるおそれがない。
更に電磁波乾燥は通気乾燥、赤外線乾燥、熱ロール乾燥に比べて乾燥効率が優れ、短時間で乾燥できるため、エンボスの高低差が減少するエンボス戻りのおそれがない。
(薬液供給装置)
乾燥装置9の下流には、紙シート101に薬液を供給する薬液供給装置20が配置されている。なお、図1では上方から薬液を供給させているが、原料シート1Bの下側から薬液を供給する薬液供給装置を追加してもよい。薬液供給装置20は、本実施形態において、水性薬剤を紙シート101に含浸させるものである。水性薬剤は紙シートに清掃機能を付与する薬剤が含まれる他、他の目的のために配合される薬剤を含んでいる。水性薬剤としては、水、架橋剤、水溶性有機溶剤を配合してなる水系組成のものが用いられ、これらに必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、漂白剤、キレート剤、香料などを配合することができる。
水溶性有機溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールとのモノエーテル又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトールなどの多価アルコールなどを用いることができる。
水性薬剤中に必要に応じて配合される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
(第4押圧ロール〜第6押圧ロール)
第4押圧ロール11おける一対のロール11a,ロール11bは、第2押圧ロール6と同様に、紙シート101に縦方向にエンボスを形成するロールである。
第5押圧ロール12おける一対のロール12a,ロール12bは、第2押圧ロール6と同様に、紙シート101の横方向に凹凸を付けるロールである。
なお、第4押圧ロール11と第5押圧ロール12との順序は逆でも構わない。
第6押圧ロール13における一対のロール13a,ロール13bは、第3押圧ロール10と同様に外周面が平滑な平ロールである。
第4押圧ロール11、第5押圧ロール12、第6押圧ロール13により、紙シート101を柔らかくすることができるとともに、薬液供給装置20で供給した薬液を紙シート101により浸透させることができる。また、架橋剤供給装置8により供給した架橋剤も紙シート101により浸透し、紙シート101の強度を上げることもできる。
なお、第4押圧ロール11と第5押圧ロール12とのいずれかを省略したり、第6押圧ロール13を省略したりするようにしてもよい。
次に、本実施形態にかかる紙シート101の製造方法について説明する。図6は本実施形態の製造方法を説明するフローチャートであり、CPUを有した不図示の制御装置により実行される。
(原料シート供給ステップ)
図1に示すように、供給ロール2に巻かれた原料シート1を、MD方向に連続的に引き出す(ステップS1)。
なお、このとき、原料シート1は、非湿潤状態である。なお、本実施形態において、非湿潤状態とは、水を吹き付けるなどして原料シート1に水分を供給した態様を含まない状態に加えて以下のような場合も含む。
通常、紙材料は気温、湿度条件に相応した湿気(水分)を含んでいるが、この湿気(水分)は外部から積極的に供給した水分ではないから、かかる湿気(水分)を含んでいてもこの実施夫形態にいう非湿潤状態に相当する。
従って、気温、湿度条件によって原料シート1に含まれる湿気(水分)の含有率も変化するが、その含有率がどのような数値であろうとも、本実施形態にいう非湿潤状態に相当する。
更に、第1押圧ロールに搬入される前、もしくは第2押圧ロールに搬入される前の
水分含有量15%未満程度であれば非湿潤状態に相当するものとする。すなわち、水分含有量15%未満程度であれば、例えば、静電気の帯電防止用の液体や各種液体を供給してもよい。
(第1エンボス形成ステップ)
供給ロール2より供給された原料シート1は、第1押圧ロール3間に送り込まれてMD方向と垂直方向(横方向)の第1エンボスが形成される(ステップS2)。
(柔軟性付与材供給ステップ)
2枚の原料シート1A,1Bのうちの一方の原料シート1B上に柔軟性付与材供給装置4より柔軟性付与材41を供給する(ステップS3)。
(重ね合わせステップ)
ピンチロール5により、原料シート1Aと、柔軟性付与材41が載せられた原料シート1Bとを重ね合わせ、重ね合された紙シート101を、さらにMD下流に送る(ステップS4)。
(第2エンボス形成ステップ)
ピンチロール5のMD下流に配置された第2押圧ロール6により、紙シート101に対して、さらにエンボスが形成される(ステップS5)。
第2押圧ロール6は、紙シート101のMD方向にエンボスを形成する。
(平坦化ステップ)
第2押圧ロール6とバインダ供給装置7との間に配置された第3押圧ロール10により、紙シート101を押圧することにより、紙シート101のエンボスの高さを調整する(ステップ6)。
(バインダ供給ステップ)
次いで、エンボスが形成された紙シート101の表面に水溶性バインダを噴霧して、該水溶性バインダを含浸させる(ステップS7)。
(架橋剤供給ステップ)
その後、紙シート101に架橋剤を噴霧する。架橋剤は水溶性バインダと架橋反応を起こして、水溶性バインダを架橋構造とし、それにより物理的強度が向上される(ステップS8)。
(乾燥ステップ)
湿潤状態の紙シート101を非接触乾燥が電磁波及び遠赤外線のいずれか一方又は双方の照射により非接触乾燥する(ステップS9)。
(薬液供給ステップ)
乾燥装置9を通過した紙シート101に対して、水性薬剤を紙シート101に含浸させる(ステップS10)。なお、架橋剤供給ステップをステップS8ではなく、薬液供給ステップで行うようにしてもよい。
(縦エンボス形成ステップ)
乾燥ステップの後に、薬液が供給され湿潤状態の紙シート101に対して縦方向エンボスを形成する(ステップS11)。
(横エンボス形成ステップ)
縦エンボス形成に引き続き、紙シート101に対して横方向エンボスを形成する(ステップS12)。薬液供給後に縦・横のエンボスを形成することにより、紙シート101を柔らかくすることができる。また、ステップS8で架橋剤を供給した場合には、バインダと架橋剤とが結合しているので、ステップS10,11のエンボス加工によりバインダ面が破壊されることがない。また、ステップS10,11のエンボス加工は、エンボスを60℃から150℃の間で加熱してエンボス加工を行うようにして薬液供給後の乾燥工程を省略してもよく、熱エンボスの代わりに第2の乾燥工程を加えてもよい。なお、ステップS11,12の順番は入れ替えてもよく、エンボスのパターンも縦・横に限定されるものではなく、平ロールを用いるようにしてもよい。なお、紙シート101に対してステップS2や、ステップS5でエンボスが既に形成されており、ステップS10で薬液が供給されているので、ステップS11、12のエンボス形成時の押圧力は、ステップS2や、ステップS5のエンボス形成時の押圧力よりも小さくてよい。一例を挙げると、ステップS2や、ステップS5のエンボス形成時の押圧力が3Kgf/cm2〜10Kgf/cm2で設定されていたとすると、ステップS11、12のエンボス形成時の押圧力は、その押圧力よりも10%から50%程度小さく設定すればよく、1.5Kgf/cm2〜9Kgf/cm2で設定すればよい。また、ステップS2や、ステップS5のエンボスの加熱温度よりもステップS11、12のエンボスの加熱温度を低くして、消費電力を削減するようにしてもよい。
(高さ調整)
第6押圧ロール13により、紙シート101の高さ調整が行われる(ステップS13)が実施される。
(実施形態の効果)
(1)本実施形態では、バインダが供給される前に複数回のエンボスを行う。複数回エンボスされた個所の繊維は延伸し、より深いエンボスが形成される。
1回目から深くエンボスすると、原料シート1又は紙シート101が破れる場合もあり、原料シート1又は紙シート101の強度低下や、紙が潰れることで厚さが低下する可能性もある。
しかし、本実施形態では複数回に分けてエンボスを行う。このためか、紙が破れる等の危険性なく、原料シート1又は紙シート101により深いエンボスを形成することができる。
(2)また、原料シート1又は紙シート101に対して深いエンボスを形成する場合、従来は原料シートに水分を供給させて行っていた。しかし、本実施形態では、複数回に分けてエンボスを形成するので、バインダが供給される前には、水分含有量15%未満程度の非湿潤状態で深い嵩高量のエンボスを形成することができる。
紙が湿潤していると、搬送装置が特定され、専用ラインとなってしまう。しかし、本実施形態においてエンボスされる紙は非湿潤状態である。すなわち湿潤工程がないことで紙の搬送時の負担を軽減することができるとともに製造コストも低減することができる。
さらに、バインダが供給される前には、湿潤状態でエンボス加工を施すものではないから、原料シート1が第1押圧ロール3に付着するおそれがない。したがって、第1押圧ロール3に剥離剤を供給したり或いは原料シート1に剥離剤を供給したりする必要はない。
(3)このように、原料シート1又は紙シート101が延ばされると、繊維同士が形成している空間の自由度が増し紙シート101としての風合が増すことができる。
(4)本実施形態では、バインダ供給前に複数回のエンボス深さを調整することで紙の風合・ゴミの掻き取り性(エンボス高さ)・強度を共に満足することができる。
(5)柔軟性付与材41は内部に空間を有する。この空間により柔軟性付与材41は嵩高が大きくなる。これにより最終的な製品である紙シート101の柔軟性を向上させることができる。
(6)薬液供給後に、縦方向(搬送方向)と横方向(搬送方向と垂直方向)に連続でエンボス加工することで、紙の縦横比に影響を生じさせずに、紙の柔軟性を得ることができる。
(7)さらに一対の平ロールで形成された第6押圧ロール13により、紙シート101の最終高さ寸法を変更することができる。これにより、製品用途によって、ゴミの掻き取り性を調整することができる。
従来、紙シート1のエンボス高さの変更は、所定の高さのエンボスロールを作り直すことが必要であり、エンボスロールの噛み合せの精度、彫刻に伴う製作時間の問題からコスト及び時間がかかることであった。
しかし、本実施形態によると、エンボス高さの調整が容易であるため、製造コストの大幅な低減を図れる。
(8)さらに一対の平ロールで形成された第6押圧ロール13によって紙シート101を潰すことで、潰された箇所が伸びしろとなり、繊維シートに伸びしろが発生する。
その結果、繊維シートが押圧された場合、その伸びしろにより押圧力を緩和することができ(ダンパー効果(緩衝効果))、柔軟性(風合)をもたらすことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図7は第2実施形態の第2押圧ロール6’を示した図である。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、第2押圧ロール6’において、一対となるロール6a’、6b’のうちの一方(本実施形態で6b’)がエンボスロールではなく平ロールである点である。
なお、第1実施形態の図2において、第1押圧ロール3及び第2押圧ロール6は、凸部の断面が三角形の場合を図示したが、図7に示す第2実施形態では押圧ロール6’に形成されている凸部の断面が矩形の場合を図示する。ただし、この凸部の形状は特に限定されず、いずれの形状であってもよい。
他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同様な部分の説明は省略する。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によると第1実施形態の効果に加えて以下の効果を有する。
第1実施形態のように第2押圧ロール6における一対のロールの両方のロール6a,6bに凹凸が形成されている場合、凹部と凸部とが噛み合い、原料シート1又は紙シート101は全面的に裏表の両面から押圧される。この場合、複数回押圧することにより手もみ効果は得られる。
しかし、シート自体の厚さ方向の柔軟性を損なわないためには、両面から押圧部分される個所は少ないほうが好ましい。
本実施形態では、一対となるロール6a’,6b’のうちの一方がエンボスロールではなく平ロール6b’であるので、シートにおいて凸部で押圧されない箇所が存在する。このため、繊維同士の絡みつきが少なく、より柔軟性が高いシートを提供することができる。
特に水解紙の場合、シートが押圧されると繊維が互いに密着することによって、水解しにくくなる可能性があるが、本実施形態の押圧ロール6’によると、水解性を妨げることがない。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態の原料シート1(1A,1B)を省略して、柔軟性付与材供給装置4から供給される粉砕パルプによりシートを製造するエアレイド製法を用いるものである。この場合、メッシュが形成されたメッシュ部材に粉砕パルプを積繊させて搬送すればよい。なお、粉砕パルプを100%としてもよく、複合繊維(ES繊維)を混ぜ合わせても構わない。柔軟性付与材供給装置4から供給される粉砕パルプは、例えば、下側から真空吸着した場合に、下側では密になるが、上側にいくに連れて疎になる。このため、トイレクリーナーなどの清掃製品であれば、綿状のパルプが密の面に薬液を塗布することにより、汚れをしっかりと落とすことができる。一方、ボディシートやフェイスシートなどの肌に使用する製品であれば、綿状のパルプが疎の面に薬液を塗布することにより、肌触りのよい肌用製品を提供することができる。
第1実施形態の原料シート1(1A,1B)を省略する場合には、第1押圧ロール3を省略してもよく、第1押圧ロール3をピンチロール5と第2押圧ロール6との間に配置するようにしてもよく、第1押圧ロール3および第2押圧ロール6とも省略してもよい。その他の製造ステップは第1実施形態の製造ステップを適用すればよい。
以上、説明した第1実施形態から第3実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできる。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはなく、例えば、バインダー供給工程と、架橋剤供給工程とを合わせて行うようにしても構わず、各種の変形が可能である。
1:原料シート、2:供給ロール、3:第1押圧ロール、4:柔軟性付与材供給装置、5:ピンチロール、6:第2押圧ロール、7:バインダ供給装置、8:架橋剤供給装置、9:乾燥装置、10:第3押圧ロール、11:第4押圧ロール、12:第5押圧ロール、13:第6押圧ロール、41:柔軟性付与材、101:紙シート

Claims (7)

  1. 原料を供給する供給ステップと、
    前記原料にバインダを供給するバインダ供給ステップと、
    前記バインダ供給ステップ後に、前記原料を乾燥する乾燥ステップと、
    前記乾燥ステップ後に、前記原料に薬液を供給する薬液供給ステップと、
    前記薬液供給ステップ後に前記原料に押圧力を加える押圧ステップと、を含むシートの製造方法。
  2. 請求項1に記載のシートの製造方法であって、
    前記薬液供給ステップ後に押圧力を加える前記押圧ステップは、複数回行われるシートの製造方法。
  3. 請求項2に記載のシートの製造方法であって、
    前記バインダ供給ステップに先立って、前記原料に押圧力を加える押圧ステップと、を含むシートの製造方法。
  4. 請求項3に記載のシートの製造方法であって、
    前記バインダ供給ステップに先立って、前記原料に押圧力を加える押圧ステップは、複数回行われるシートの製造方法。
  5. 請求項3に記載のシートの製造方法であって、
    前記薬液供給ステップ後に前記原料に加える押圧力は、前記バインダ供給ステップに先立って前記原料に加える押圧力よりも小さいシートの製造方法。
  6. 請求項1に記載のシートの製造方法であって、
    前記原料は、粉砕されたパルプを有しているシートの製造方法。
  7. 請求項1に記載のシートの製造方法であって、
    前記乾燥ステップに先立って、架橋剤を供給するステップを含むシートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111607907A (zh) * 2019-02-25 2020-09-01 山田菊夫 具有非水解性的纤维片材及其制造方法

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