JP2015205508A - エンボス装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対のエンボスロール4を備え、一対のエンボスロール4間に送り込まれた原紙シート2にエンボス加工するエンボス装置100であって、エンボスロール4の一方は、エンボスロール4の周面に複数の四角錐台形の突起が形成されていることを特徴とするである。
【選択図】図1
Description
このような基本的構成を備えたトイレ掃除用ペーパータオルは例えば下記特許文献1に示されている。
即ち、本発明は、
(1)一対のエンボスロールを備え、該一対のエンボスロール間に送り込まれた原紙シートにエンボス加工するエンボス装置であって、前記エンボスロールの一方は、該エンボスロールの周面に複数の四角錐台形の突起が形成されていること、を特徴とするエンボス装置。
(2)一対のエンボスロールを備え、該一対のエンボスロール間に送り込まれた原紙シートにエンボス加工するエンボス装置であって、前記エンボスロールの一方は、該エンボスロールの周面に形成された突起の頂部に、さらに凹所と凸所とが形成されていること、を特徴とするエンボス装置。
(3)前記凸所は、前記エンボスロールの回転方向に沿った突起状部を含むこと、を特徴とする請求項2に記載のエンボス装置。
(4)前記凸所は、前記エンボスロールの回転方向と直交する突起状部を含むこと、を特徴とする請求項2または3に記載のエンボス装置。
(1)第1工程
水解性を有する原紙シートにエンボス加工を施して、多数の凹凸体による嵩高部を形成する。
この第1工程では、非湿潤状態にある複数の原紙シートを重ねてエンボス加工が施される。
(2)第2工程
前記嵩高部を形成してなる原紙シートの表面に水溶性バインダーを供給して該水溶性バインダーを含浸させる。
(3)第3工程
湿潤状態の原紙シートを非接触乾燥する。この第3工程では、前記非接触乾燥が電磁波及び遠赤外線のいずれか一方又は双方の照射により行われる。
(4)第4工程
嵩高部を形成してなる原紙シートに水性薬剤を供給して該水性薬剤を含浸
させる。
またパルプなどの天然繊維に限られず、レーヨンなどの半合成繊維なども用いることができる。
更に、本発明は原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることができ、この場合、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを配合してなるものを用いることが好ましい。
また前記原紙シートの材料として、ケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸などを用いることができる。
また、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩などが挙げられ、該不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。上記のうち、特にカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
水性薬剤としては、水、水溶性有機溶剤を配合してなる水系組成のものが用いられ、これらに必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、漂白剤、キレート剤、香料などを配合することができる。
図1に示される例では、架橋剤は、前記第2工程に続き、かつ、前記第3工程に先立って原紙シート2に供給されるようになっている。
前記第3工程に先立って供給すべき架橋剤の全量の一部を原紙シート2に供給し、前記第4工程後において前記水性薬剤と一緒に供給すべき架橋剤の全量の残りを原紙シート2に供給するようにしても良い。
この場合、架橋剤は水性薬剤の配合成分の一つとなる。
水溶性バインダーとしてカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシル基を有する水溶性バインダーを用いる場合には、架橋剤としては、多価金属イオンを用いることが好ましく、この多価金属イオンとしては、亜鉛、アルカリ土類金属、マンガン、ニッケル、コバルトなどの金属イオンが挙げられる。
具体的には、亜鉛、カルシウム、バリウム、コバルト、ニッケルのイオンが好適に用いられ、これらは十分な湿潤強度を付与する上で好ましい。前記多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などの水溶性金属塩の形で用いられる。
図1において符号1は長尺な原紙シート2を巻き取ってなるロール体であり、このロール体1の巻き終わり側からピンチロール3により矢印y方向に原紙シートは連続的に引き出され搬送される。
図1に示される例では、上下のロール体1、1からそれぞれ原紙シート2が引き出されて重ね合わされた状態で後述のエンボス加工をなすエンボス装置100の上下一対のエンボスロール4、4間に送り込まれるようになっている。
本製造方法にあっては原紙は予めバインダーを含浸させておく必要はないので、原紙シート2としてトイレットペーパーなどの低廉に入手可能な薄葉紙を複数枚重ねたものを支障なく用いることが可能とされる。
また、同一の坪量のエンボス紙を製造する場合、厚い1枚の原紙では破損するような深い凹凸も複数枚を合わせて同じ坪量にした場合の方が破損しにくい傾向にある。これらの理由により本製造方法においてはバインダーを含有していない複数の原紙を重ねてエンボス加工をしている。
エンボス加工による凹凸賦形は、原紙シート2の片面のみに形成しても或いはその表裏両面に形成してもよい。
原紙シート2の表裏両面にエンボスを施す場合は、ロール周面にエンボス加工用の多数の突起4a、4a…を突設してなる上下一対の金属製ロールからなるエンボスロール4が用いられる。
また原紙シート2の片面のみにエンボスを施す場合は、周面にエンボス加工用の多数の突起4a、4a…を突設してなる金属製ロールと、このロールと上下一対をなすゴム製の抑えロールとからなるエンボスロール4が用いられる。
通常、紙材料は気温、湿度条件に相応した湿気(水分)を含んでいるが、この湿気(水分)は外部から積極的に供給した水分ではないから、かかる湿気(水分)を含んでいてもこの実施夫形態にいう非湿潤状態に相当する。
従って、気温、湿度条件によって原紙シート2に含まれる湿気(水分)の含有率も変化するが、その含有率がどのような数値であろうとも、この実施の形態にいう非湿潤状態に相当するものといえる。
従って、水溶性バインダーが含浸されている状態でエンボス加工を施すものではないから、原紙シート2がエンボスロール4、4に付着するおそれはなく、そのためエンボスロール4、4に剥離剤を塗布したり或いは原紙シート2に剥離剤を塗布したりする必要はない。
エンボス加工の際、エンボスロール4、4を加熱せずに行なうこともできるが、エンボスロール4、4を所定温度に加熱した状態でエンボス加工を行なってもよい。後者の場合、エンボスロール4、4の加熱温度は、60℃〜150℃が好ましい。
多数の凹凸体12による嵩高部17が形成された原紙シート2には第2工程において、水溶性バインダーが供給される。水溶性バインダーとしては、例えばカルボキシメチルセルロースが用いられる。
この水溶性バインダーの供給手段としては、噴霧装置のノズルから水溶性バインダー溶液5を原紙シート2の表面に噴霧することにより行なわれる。
このように積層された複数の薄葉紙からなる原紙シート2には、その外面側から水溶性バインダーが供給され、含浸される。
また、この実施の形態にあっては、後述するように、嵩高部17を有する原紙シート2に水性薬剤を含浸させる第4工程及び第2工程後第3工程前に架橋剤を前記原紙シート2に含浸させる工程を有するが、水性薬剤含浸工程においては水性薬剤溶液10を、架橋剤含浸工程においては架橋剤溶液7を、それぞれ原紙シート2に供給するものであり、ここにおいてそれら水性薬剤溶液10、架橋剤溶液7の供給手段として、前記した水溶性バインダー溶液5の供給手段と同様、噴霧方法、滴下方法、塗布方法など任意の手段を採用できる。
以下では、それらの供給手段として噴霧方法を例にして説明する。
従ってまた、最終的に製造される水解紙において、水解紙の表面に水溶性バインダーが含浸されている状態となる。
図1に示される例では、架橋剤は、前記第2工程に続き、かつ、前記第3工程に先立って原紙シート2に供給される。
すなわち、前記第2工程において、嵩高部17を有する原紙シート2に水溶性バインダー溶液5を原紙シート2の外面側から噴霧して水溶性バインダーを含浸させ、次いで、架橋剤溶液7を噴霧して架橋剤を原紙シート2に含浸させる。
原紙シート2への架橋剤溶液7の噴霧により原紙シート2に架橋剤が含浸し、原紙シート2中の水溶性バインダーとの間で架橋反応が起こり、水溶性バインダーが架橋構造となることにより原紙シート2の強度が向上する。
図1に示される例では、水溶性バインダーが含浸された原紙シート2は、乾燥機6に送られ、ここで乾燥が行われる。乾燥手段としては、電磁波乾燥、通気乾燥(熱風乾燥)、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などが挙げられるが、電磁波乾燥が好ましい。電磁波乾燥は、電磁波を利用して乾燥を行うもので、これに用いる電磁波乾燥機としては電子レンジと同様の機構、構造を備えた装置を用いることができる。
更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができ、エネルギー消費量を減少できるので製造コストの低減に寄与できる。
このエンボス戻りの防止は本発明において重要な意味を持つ。即ち、本発明はエンボス加工後に原紙シート2に水溶性バインダーを供給して含浸させるものであるため、水溶性バインダーの含浸によりエンボスによる歪がとれて凹凸体12の凹凸形態が崩れるいわゆるエンボス戻りの問題がある。
本発明において、遠赤外線の波長帯4μm〜1000μmのうち、波長4μm〜50μmの遠赤外線を用いることが好ましい。
また、このエンボスの型崩れ防止により、エンボスの高低差が減少するエンボス戻りをも防止できる。このように遠赤外線乾燥によれば、エンボス表面の速やかな乾燥を行なえるので、確実にエンボス戻りを防止でき、従って、乾燥工程に要する時間を短縮できる利点がある。
また、反射板などにより特定の方向に熱線を反射させて、所定の位置に集中させて加熱乾燥を行なうことも可能であり、このような乾燥方法を採用すれば、乾燥のためのエネルギー効率を向上でき、乾燥工程コストを低減できる。
発熱体の温度を200℃以上に保持することにより、遠赤外線を効率よく発生することができる。また、サーモスタットなどにより間欠的に通電させれば、省電力運転が可能となる。
即ち、例えばベルトコンベアにより移送される前記原紙シート2を第1の乾燥機に送って乾燥を行なった後、第2の乾燥機に送り、ここで2回目の乾燥を行うようにしてもよい。
この場合、第1段乾燥と第2段乾燥とで乾燥の度合いを異ならせることもできる。
即ち、電磁波乾燥機と赤外線乾燥機をそれぞれ設置し、例えば最初に前記原紙シート2を電磁波乾燥機に送って電磁波乾燥を行い、次いで前記原紙シート2を赤外線乾燥機に送って赤外線乾燥を行うようにしてもよく、或いはその順番を逆にして最初に赤外線乾燥を行い、次いで電磁波乾燥を行うようにしてもよい。
更には、第1段乾燥の電磁波乾燥(又は赤外線乾燥)と第2段乾燥の赤外線乾燥(又は電磁波乾燥)とを交互に何回か繰り返し行うようにしてもよい。
また、1つの乾燥機内で、電磁波加熱と赤外線加熱を同時に行なって、電磁波による乾燥と赤外線による乾燥とを同時に行なうようにすることもできる。
乾燥機6によって乾燥された原紙シート2は、折り畳み工程、切断工程、前記第4工程となる水性薬剤含浸工程に順次送られる。
例えば、中心から2つ折りし、所定間隔毎にミシン目を入れ、この2つ折り体をミシン目を中心にして更に2つ折りして4つ折り体とし、この4つ折り体を更に中心から2つ折りして8つ折り体とする。
図1に示される例では、前記のように生成された折り畳み体9に架橋剤を含まない水性薬剤溶液10が噴霧される。水性薬剤としては、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、香料などを配合してなるものが用いられる。
前述のように、前記第3工程に先立って供給すべき架橋剤の全量の一部を原紙シート2に供給し、前記第4工程後において前記水性薬剤と一緒に供給すべき架橋剤の全量の残りを原紙シート2に供給するようにした場合、架橋剤は水性薬剤の配合成分の一つとなる。
折り畳まれた水解紙はその複数束が密封袋に袋詰めされ、かくしてトイレクリーナーやおしり拭きなどに用いられる製品11が得られる。
上記の如くして製造された水解紙は、図2、図3に示す如く、その全面に亘ってエンボス加工による多数の凸部13と凹部14とからなる凹凸体12が均一に形成されており、そしてこの凹凸体12により嵩高部17が形成されており、これにより水解紙は嵩高紙として構成されている。
そして、これらの凸部列15と凹部列16は、前記搬送方向と直交する方向に沿って交互に繰り返し配置されるパターンで構成されている。
図2は、原紙シート2に円錐台又は球体の一部の形状を持った凸部13と凹部14とをマトリクス状に配置した例であるが、四角錘台形も好ましい。図4では、原紙シート2にかかる四角錘台形の凸部13’を形成させた例について、便宜的にかかる凸部13’の一つのみを図示して説明する。
四角錘台形の突起4aの頂部4bは、図示を容易にするため平面で表現しているが、実際には前記成形ロールとしてのエンボスロール4のロール周面に沿った曲面となる。
この図4及び図5に示される例では、突起4aの頂部4bの全体において複数の原紙シート2が圧縮されており、前記凸部13’の頂部13aにおいて複数の原紙シート2相互が強固に結合されている。(以下、この強固に結合された箇所を圧縮部分13bと称する。)なお、図4において、実線は原紙シート2の一部を、想像線はエンボスロール4の一部を示している。
また、水性薬液を含漬させた状態において前記圧縮部分は透光性が高くなるが、前記圧縮部分の面積を減少させた場合、水解紙の透光性の高い部分を減少させて、例えば原紙シート2の色が白である場合、生成される水解紙は白さが上がり美観的にも優れたものになる。
この例では、突起4aの頂部4bは正方形状をなしていると共に、この正方形の対向する辺部にそれぞれこの辺部を縁取るように突条状をなす凸所4dが形成されている。
かかる凸所4dによって原紙シート2に形成された凸部13’の頂部13aには、線状をなす圧縮部分の間に圧縮部分より広い面積の大きい非圧縮部分が形成されるので前記のように生成される水解紙の水解性と美観が向上する。
かかる凸所4dによって原紙シート2に形成された凸部13’の頂部13aにおける非圧縮部分の機能により、生成される水解紙の水解性と美観が前記のように向上される。
このように形成される圧縮部分には、エンボス加工後に搬送により原紙シート2に加えられるテンションによって原紙シート2に形成された凸部13’がこの搬送方向に引き延ばされる変形を抑制できる効果がある。
この例では、突起4aの頂部4bは正方形状をなしていると共に、この頂部4bの周縁部が周回状をなす凸所4dにより縁取られている。
かかる凸所4dによって原紙シート2に形成された凸部13’の頂部13aにおける非圧縮部分の機能により、生成される水解紙の水解性と美観が前記のように向上される。
これに加え、かかる圧縮部分は、原紙シートの搬送方向とこれと直角方向とにそれぞれ存在するので原紙シートに形成された凸部13’の形状安定性は一層高められる。
これにより、かかる水解紙を用いて被清掃部を払拭した際に水解紙を破断し難くなり、払拭後の被清掃部に水解紙に起因した紙粉の発生を防止することができる。
この実施の形態にかかる水解紙によれば、湿潤状態で所定の強度を有し、使用時に破れを生じることがなく、使用感に優れ、また使用後は便器に流すことにより速やかに水解し、下水管を詰まらせるおそれがなく、このように強度と水解性共に優れているものである。
Claims (4)
- 一対のエンボスロールを備え、該一対のエンボスロール間に送り込まれた原紙シートにエンボス加工するエンボス装置であって、
前記エンボスロールの一方は、該エンボスロールの周面に複数の四角錐台形の突起が形成されていること、
を特徴とするエンボス装置。 - 一対のエンボスロールを備え、該一対のエンボスロール間に送り込まれた原紙シートにエンボス加工するエンボス装置であって、
前記エンボスロールの一方は、該エンボスロールの周面に形成された突起の頂部に、さらに凹所と凸所とが形成されていること、
を特徴とするエンボス装置。 - 前記凸所は、前記エンボスロールの回転方向に沿った突起状部を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載のエンボス装置。 - 前記凸所は、前記エンボスロールの回転方向と直交する突起状部を含むこと、
を特徴とする請求項2または3に記載のエンボス装置。
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