JP2018171346A - 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法 - Google Patents

衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018171346A
JP2018171346A JP2017072609A JP2017072609A JP2018171346A JP 2018171346 A JP2018171346 A JP 2018171346A JP 2017072609 A JP2017072609 A JP 2017072609A JP 2017072609 A JP2017072609 A JP 2017072609A JP 2018171346 A JP2018171346 A JP 2018171346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
embossing
sanitary thin
area
thin paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017072609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6851880B2 (ja
Inventor
慎忠 富岡
Noritada Tomioka
慎忠 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2017072609A priority Critical patent/JP6851880B2/ja
Publication of JP2018171346A publication Critical patent/JP2018171346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6851880B2 publication Critical patent/JP6851880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sanitary Thin Papers (AREA)
  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)

Abstract

【課題】柔らかさ及び手触りに優れ、エンボス加工による凹凸が潰れがたく嵩高さで厚み感にも優れる衛生薄葉紙を提供する。【解決手段】エンボス加工により形成された凹部を有する衛生薄葉紙であって、凹部の底部の中央部に、底部の面積の5〜80%の面積の非押圧部を有する衛生薄葉紙により解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法に関し、特にエンボス加工されている衛生薄葉紙及びエンボス加工されている衛生薄葉紙の製造方法に関する。
トイレットペーパー、キッチンペーパー、ティシュペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙は、柔らかさのために低い坪量で抄紙されるが、その一方で、使用時の厚み感や嵩高さが要求される。衛生薄葉紙の嵩高さや厚み感を向上させる手段の一つにエンボス加工がある。
エンボス加工によって、紙面に凹凸が形成され厚み感や嵩高さが向上される。また、下記特許文献1に示されるように、深さの異なる二種類の凹部を付与するエンボス加工により、より高い厚み感や嵩高さを高める技術もある。
しかし、従来のエンボス加工による凹凸は、嵩高さが十分ではなかったり、製品化のためにロール状にしたりすると、エンボス加工により付与された凹凸が潰れて嵩高さや厚み感が損なわれることがあった。
エンボス加工時の圧力を高めるなどして、凹凸をしっかり形成することで、凹凸の潰れを改善することができるが、このように高圧でエンボス加工を行うとコシが低下して紙が破れやすくなったり、凹部分が固くなって衛生薄葉紙に必要な柔らかさや手触りが低下するおそれが生ずる。
特開2008−188071
そこで、本発明の主たる課題は、衛生薄葉紙に必要な柔らかさや手触りを有し、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れる衛生薄葉紙及び係る衛生薄葉紙の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため手段は次のとおりである。
第一の手段は、
エンボス加工により形成された凹部を有する衛生薄葉紙であって、
凹部の底部の中央部に、底部の面積の5〜80%の面積の非押圧部を有することを特徴とする衛生薄葉紙である。
第二の手段は、
衛生薄葉紙の製造方法であって、
原紙に対してエンボス加工用凸部を押し当てて前記エンボス加工用凸部に対応する凹部を形成するエンボス加工工程を有し、そのエンボス加工用凸部が、頂面の中央部に頂面面積の5〜80%の面積で、凸部高さの10〜70%の深さの窪み部を有するものである、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法である。
本発明によれば、衛生薄葉紙に必要な柔らかさや手触りを有し、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れる衛生薄葉紙及び係る衛生薄葉紙の製造方法が提供される。
本発明に係る衛生薄葉紙のエンボス加工による凹部を説明するための平面図であり、A部分の拡大図も示す。 図1のI−I断面図である。 本発明に係るエンボスロールの凸部を説明するための断面図である。 本発明に係るエンボス加工の例を説明するための図である。 比較例1に係るエンボスロールの凸部の平面と断面とを示す図である。 比較例2に係るエンボスロールの凸部の平面と断面とを示す図である。 比較例3に係るエンボスロールの凸部の平面と断面とを示す図である。 比較例5に係るエンボスロールの凸部の平面と断面とを示す図である。 レーザマイクロスコープによる本発明に係る衛生薄葉紙の撮影画像である。
次いで、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら以下に詳述する。
図1は、本実施形態の衛生薄葉紙を説明するための平面図であり、A部分の拡大図も示す。図2は、図1のI−I断面図である。
本実施形態の衛生薄葉紙1は、一方面に多数の凹部11、他方面にその多数の凹部11に対応する多数の凸部12が形成されている。
この凹部11は、エンボスロールやエンボス板の表面部に形成されたエンボス加工用凸部を原紙に対して押し当てるエンボス加工によって形成される。例えば、図3に示すように、多数のエンボス加工用凸部22が表面に形成された金属エンボスロール20と、この金属エンボスロール20と所定線圧で接する弾性ロール30との間に原紙を通して、スチールラバー式のエンボス加工を行い形成することができる。エンボス加工する際のロール間の線圧や弾性ロールの表面硬度はエンボス加工を行う原紙の物性・組成によって既知の技術によって適宜に調整すればよい。なお、本発明を限定するものではないが、キッチンペーパー、トイレットペーパー等の衛生薄葉紙の場合、ロール間の線圧は、5〜30kg/cm程度であり、弾性ロールの表面ショア硬度(Shore hardness)は、40〜70程度である。
ここで本実施形態の衛生薄葉紙1は、特徴的に凹部11の底部13の中央部に、底部13の面積の5〜80%の面積の非押圧部14を有する。より好ましい、非押圧部14の面積は、底部13の面積の20〜50%である。なお、底部13の面積とは、衛生薄葉紙を平面視した際の非押圧部14の範囲も含めた一つの凹部11の底部全体の面積である。非押圧部14は、エンボス加工用凸部22の底部13に対応する頂面23で押されていない部分である。また、中央部とは、底部13の少なくとも縁に接しない範囲を意味する。
このような凹部11は、エンボスロールやエンボス板の表面部に形成されたエンボス加工用凸部22を、頂面23の中央部に頂面面積の5〜80%、好ましくは20〜50%の面積で、凸部高さL1の10〜70%、好ましくは10〜50%の深さの窪み部24を有するものとすればよい。なお、中央部とは、頂面23の少なくとも縁に接しない範囲を意味する。係るエンボス加工用凸部22が原紙の紙面に押し当てられると、エンボス加工用凸部22の頂面形状に型押しされて同形状の凹部11の底部13が形成されるとともに、エンボス加工用凸部22の頂面23の中央部分の窪み部24に原紙の一部が入り込んで、その部分のみ頂面23で押圧されない非押圧部24となる。
本実施形態の衛生薄葉紙1に係る非押圧部14は、このようにエンボス加工用凸部22の頂面23が押し当てられていない部分であり、繊維が密に押し固められていない。このように、凹部の底部の中央部分、さらに言えば凹部に対応する凸部の中央部分に繊維が密に押し固められていない非押圧部14を有することで、柔らかさや手触りが十分に高いものとなる。その一方で、この非押圧部14となる部分の繊維の窪み部へ入り込みと、その窪み部の周囲の繊維が強く押されるようになることで、凹部11の底部13の周縁部分の繊維は密に押し固められる。つまり、凹部11に対応する凸部12の周縁から裾野に至る環状部分においてはしっかり繊維が固められている。その結果、凹凸が潰れがたくなると考えられる。但し、上記のとおり、凹部11の底面13の面積と非押圧部14の面積との関係については、非押圧部14の面積は、底部13の面積の5〜80%、より好ましくは20〜50%とする。この範囲であれば、柔らかさや手触りを十分なものとなるとともに、潰れがたい凹凸が形成され、嵩高さや厚み感に優れる。
また、エンボス加工は、エンボス加工用凸部22の形状が原紙にほぼ転写されるため、このような底部13及び非押圧部14を有する凹部11を形成するには、上記のとおり、エンボス加工用凸部22を、その頂面23の中央部に頂面面積の5〜80%、好ましくは20〜50%の面積の窪み部24を有するものとする。そして、その窪み部24の深さをエンボス加工用凸部22の高さL1の10〜70%、好ましくは20〜50%の深さとする。この深さがあれば原紙の非押圧部14となる部分が窪み部24に入り込むことができる。凸部高さL1は、具体的には、1.0〜2.0mmであるのが望ましい。また、係る凸部高さL1の場合には、凹部11の深さは、0.1〜1.4mm程度となる。なお、凹部11の深さは、形状測定レーザマイクロスコープを用いて測定することができる。形状測定レーザマイクロスコープとしては、例えば、KEYENCE社製「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3200」及びその相当機が挙げられる。この場合、任意の5個のエンボスを選定し、その測定値は5個の平均をとる。レーザマイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H2A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定すればよい。なお、測定倍率と視野面積は、求めるエンボスの大きさによって、適宜変更しても良い。また、形状測定レーザマイクロスコープを用いることで、凹部11の底面13の面積や非押圧部14の面積を算出することができる。
本実施形態に係る一つの凹部11の底部13の平面直視の形状は、図示の形態では、正方形であるが、底部13の形状は正方形に限定されない。底部13の平面視の具体的状は限定されない。例えば、三角形、四角形、円、楕円などは好ましい底部の形状として例示される。特に好ましいのは四角形である。また、凹部11の平面視の形状と底部13の平面視の形状とが必ずしも一致している必要もない。すなわち、エンボス加工用凸部22の頂面23の形状と、エンボス加工用凸部外周縁の輪郭の形状とが一致していなくてもよい。
さらに、本実施形態に係る衛生薄葉紙1は、複数の凹部13によって描かれるパターンも限定されない。但し、凹部13が規則正しく配列されているのが望ましい。より好ましくは、紙面の左右上下に等間隔で配置されるパターンを有するのがよい。この場合における凹部13と凹部13との離間距離は、2.0〜6.0mmであるのが望ましい。このようなパターンは、凹部13が紙面全体にあるため、柔らかさや手触りの向上と、潰れがたい凹凸による、嵩高さや厚み感の効果がより発現する。
本実施形態に係るエンボス加工用凸部22における窪み部24の平面視の形状も限定されない。図示例では円形であるがこれに限定されない。例えば、三角形、四角形、円、楕円などが例示できる。但し、窪み部24の形状は、原紙の一部が窪み部に入り込みやすいのが望ましく、角のない円形や楕円であるほうが望ましい。
本実施形態に係る凹部11の底部13の面積及び対応するエンボス加工用凸部22の頂面23の面積は限定されないが、好ましくは0.5〜4.0mm2、より好ましくは0.8〜3.0mm2である。この範囲であれば、非押圧部14及びその周縁部による効果が十分に発揮される。なお、凹部11の平面直視の面積も限定されない。エンボス加工用凸部22は、原紙にエンボス加工用凸部22を押し当てた後、原紙から抜けるように、通常頂面側に向かって先細となっているのが一般的である。よって、平面視において底部13よりも若干凹部11の面積が広くなる。本実施形態に係る衛生薄葉紙1では、その差は限定されないが、衛生薄葉紙では、一般的には凹部11の面積は、底部13の面積100〜500%の範囲であり、この範囲とすることができる。
また、本実施形態に係る凹部11の数及び密度は、限定されないが、密度としては3〜12個/cm2であるのが望ましい。この範囲であれば、非押圧部14及びその周縁部による効果が十分に発揮され、十分に柔らかさや手触りに優れ、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れるものとし感じられる衛生薄葉紙となる。
本実施形態に係る底部面積率も、限定されないが、5〜15%であるのが望ましい。この範囲であれば、非押圧部14及びその周縁部を有する凹部11による効果が十分に発揮され、十分に柔らかさや手触りに優れ、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れるものとし感じられる衛生薄葉紙となる。なお、底部面積率とは、一方紙面全体の面積に対する一方紙面にある底部の総面積の割合である。
本実施形態の衛生薄葉紙1は、製品時において、凹部11に対応する凸部12が形成された面同士を対面させて積層された形態であるダブルエンボスの形態、又は、凹部11に対応する凸部12が衛生薄葉紙の表面に露出することになるシングルエンボスの形態のいずれの形態とすることができる。ダブルエンボスの場合には、凸部12の頂部に接着剤等を付与して衛生薄葉紙同士を接着する態様としてもよい。この場合、すべての凸部12に接着剤を付与しないようにすることができる。
他方、衛生薄葉紙1は、繊維材料がパルプ繊維であり、そのパルプ組成は、キッチンペーパー、トイレットペーパー等の衛生薄葉紙の用途に応じて既知の技術により適宜に調整される。キッチンペーパーであればバージンパルプを100質量%であるのが望ましく、トイレットペーパーでは適宜に古紙パルプを含むものでもよい。具体的なパルプ種としては、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプ、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプである。これらを適宜の比率で配合したり、さらに古紙パルプを配合したりすることができる。これらは、本実施形態では限定されない。
また、衛生薄葉紙1は、クレープを有するクレープ紙であるが、そのクレープがドライクレープであるか、ウェットクレープであるかは限定されない。双方のクレープを有するものであってもよい。
本実施形態の衛生薄葉紙1の坪量は用途に応じて調整する。キッチンペーパーの場合は、15〜35g/m2、好ましくは18〜25g/m2である。トイレットペーパーの場合は、12〜25g/m2、好ましくは14〜22g/m2である。ティシュペーパーの場合は、9〜23g/m2、好ましくは11〜20g/m2である。ペーパータオルの場合は、13〜60g/m2、好ましくは15〜35g/m2である。これらの範囲であれば、柔らかさや手触りに優れ、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れるものとして感じられる。なお、坪量はJIS P 8124に基づいて測定した値をいう。
本実施形態の衛生薄葉紙1の引張強さも、用途に応じて調整する。引張強さは、原紙の引張強さを調整すればよく、抄紙原料の調整、例えば乾燥紙力剤や湿潤紙力剤の添加により調整することができる。但し、本実施形態の衛生薄葉紙1では、次のような原紙の乾燥引張強さであるのが望ましい。エンボス加工時にエンボス加工用凸部22がしっかりと原紙に転写されて凹部11が確実に形成される。原紙の乾燥引張強さは、キッチンペーパーの場合は、縦方向で1,000〜3,500cN/25mm、横方向で400〜2,000cN/25mm、トイレットペーパーの場合は、縦方向で150〜1,000cN/25mm、横方向で50〜400cN/25mm、ティシュペーパーの場合は、縦方向で150〜1,000cN/25mm、横方向で40〜250cN/25mm、ペーパータオルの場合は、縦方向で1,000〜3,500cN/25mm、横方向で300〜2,500cN/25mmである。特に乾燥引張強さの高い、キッチンペーパー用の原紙においては、特にエンボス加工用凸部22の形状がしっかりと転写されやすく、キッチンペーパー用に適する上記範囲に乾燥引張強さの原紙では、特に非押圧部14及びその周縁部を有する凹部による効果が顕著となる。なお、乾燥引張強さは、JIS P 8113に基づいて、試験片を幅25mmとして測定した値である。
他方、本実施形態に係る衛生薄葉紙1の製品態様は、例えば、帯状で適宜の間隔で分断用のミシン目線が配されたものを紙管に巻き付けたロール状のもの、或いは、ピックアップ式、ポップアップ式等と称される、枚葉のキッチンペーパーが折畳み積層されたものが例示できるが、これらの製品態様が限定されない。また、プライ数も適宜とすることができる。
以下、本発明の効果について検証した実施例を参照しつつ、さらに本発明に係る衛生薄葉紙について説明する。
本発明に係る衛生薄葉紙と他の衛生薄葉紙とについて、厚み感・嵩高さ、柔らかさ・肌ざわりに関する試験を行った。試験は、厚み感・嵩高さについては、エンボス加工されていない原紙を基準試料として、その紙厚と、各例に係る紙厚を下記のように測定して、対比することで行った。
紙厚の測定方法は、各例に係る試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定する。具体的な手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。なお、紙厚の測定する場所については、プランジャー端子内に凹部が収まるようにする。この紙厚の測定方法は、エンボスの態様によって、測定時における衛生薄葉紙の厚み方向の潰れ方に差が生ずる。したがって、この紙厚の測定方法における紙厚が厚いものは、凹凸が潰れがたく使用時の嵩高さや厚み感のあるものである。
また、柔らかさ・肌ざわりは、被験者20名による官能評価とした。評価は、五段階評価とし、表中の数値は、被験者の平均値を小数点以下、四捨五入した値である。
ここで、各例に係る試料は、表1及び表2に示すエンボス加工用凸部を有するエンボス板を、衛生薄葉紙用原紙1、衛生薄葉紙用原紙2及び衛生薄葉紙用原紙3に対して、押し当ててそのエンボス加工用凸部を転写して凹部を形成するようにエンボス加工をした。なお、エンボス板と対となる当てゴムは、硬度70度のNBRを使用した。押し当て時の圧力は30MPaとした。
使用した衛生薄葉紙用原紙1は、坪量が16.8g/m2、縦方向の乾燥引張強さが330cN/25mm、横方向の乾燥引張強さが120cN/25mmである。衛生薄葉紙用原紙2は、坪量が15.5g/m2、縦方向の乾燥引張強さが650cN/25mm、横方向の乾燥引張強さが210cN/25mmである。衛生薄葉紙用原紙3は、坪量が22.5g/m2、縦方向の乾燥引張強さが1800cN/25mm、横方向の乾燥引張強さが800cN/25mmである。
なお、実施例1〜6の凹部の配列パターンは、図1に示すものであり、エンボス加工用凸部の断面は、図3に示すものである。
実施例1〜実施例6は、頂面の面積、窪み部の面積等を変更している。比較例1の試料101の凹部及び底部113の配列パターン及びエンボス加工用凸部122の断面形状は、図5に示すとおりであり、頂面及び底面の形状は実施例1と同様であるが窪み部及び非押圧部を有さないものである。図5(A)が凹部の配列パターンであり、図5(B)がエンボス加工用凸部の断面形状である。なお、図6〜図8においても(A)が凹部の配列パターンであり、(B)がエンボス加工用凸部の断面形状を示す。
比較例2の試料101の凹部及び底部113の配列パターン及びエンボス加工用凸部122の断面形状は、図6に示すとおりであり、頂面及び底面の形状が正三角形で窪み部及び非押圧部を有さないものである。
比較例3の試料101の凹部及び底部113の配列パターン及びエンボス加工用凸部122の断面形状は、図7に示すとおりであり、頂面及び底面の形状が正六角形で窪み部及び非押圧部を有さないものである。
比較例4の試料101の凹部及び底部113の配列パターン及びエンボス加工用凸部122の断面形状は、比較例1と同様であるが、比較例4は、実施例2〜実施例6のエンボス加工用凸部において窪み部を形成していないものである。
比較例5の試料101の凹部及び底部113の配列パターン及びエンボス加工用凸部122の断面形状は、図8に示すとおりである。比較例5は、エンボス加工用凸部122の頂面に窪み部ではなく、中央部に突起部124を形成した例である。
なお、各例におけるエンボス加工用凸部の高さはすべて同一である。但し、比較例5は突起部124を除く高さである。
まず、実施例1と比較例1〜3を対比した。実施例1と比較例1〜3は、エンボス加工用凸部の頂面の面積(底部の面積)がほぼ同様である。但し、実施例1のエンボス加工用凸部は窪み部を有し、底部には非押圧部がある。比較例1〜比較例3は、エンボス加工用凸部の頂面の形状が異なる。
表1に示されるように、エンボス加工によって各例に係る各原紙種ともに基準試料(原紙)よりも紙厚は増加する。しかし、高さが同じエンボス加工用凸部でありながら、ダイヤルシックネスゲージによる紙厚測定では、すべての原紙において本発明の実施例1の紙厚は、比較例よりも厚みがある結果となった。特に、また、紙の乾燥引張強さが強くなると、紙厚が高まる傾向にある。また、柔らかさ・肌ざわりも本発明の実施例1が優れる傾向がみられた。
このことから、エンボス加工用凸部の中央部に窪み部を形成し、底部に非押圧部を形成することで凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れるのとして感じられ、柔らかさ・肌ざわりも十分な衛生薄葉紙となるといえる。
次に、実施例2〜実施例6と比較例5及び比較例6とを対比した。実施例2〜6は、エンボス加工用凸部に窪み部を有するがその径が異なる。比較例5は、エンボス加工用凸部に窪み部を有さないものである。比較例6は、頂面に窪み部ではなく、中央部に突部を形成した例である。
表2に示されるように、高さが同じエンボス加工用凸部でありながら、ダイヤルシックネスゲージによる紙厚測定では、すべての原紙において本発明の実施例2〜6の紙厚は、比較例4及び比較例5よりも厚みがある結果となった。特に、また、紙の乾燥引張強さが強くなると、紙厚が高まる傾向にある。また、頂面の面積に対する窪み部の面積の割合が本発明の範囲において、効果があることが知見された。さらに、比較例5のように、エンボス加工用凸部の頂面に突起部を形成するよりも、窪み部を形成するほうが、紙厚が確保できることが知見された。また、柔らかさ・肌ざわりも本発明の各実施例が優れる傾向がみられた。このことから、エンボス加工用凸部の中央部に窪み部を形成し、底部に非押圧部を形成することで凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れ、柔らかさ・肌ざわりも十分な衛生薄葉紙となるといえる。
次に、実施例1〜6及び比較例1〜5に係るエンボスの凹部の深さを参考までに測定した。測定は、KEYENCE社製「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3200」用い、試料を平置きして任意の5個のエンボスを選定し、その測定値は5個の平均をとることとした。レーザマイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H2A」を使用した。測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmである。図9に、本発明に係る衛生薄葉紙のワンショット3D測定マクロスコープ VR−3200の測定時の画像を示す。
表3に示されるように、非接触方式の凹部の深さ測定値を基準とした評価では、各例において有意差が見られない。すなわち、上記表1及び表2の結果と合わせみると、本発明に係る実施例は、比較例と凹部の深さが変わらないが凹凸が潰れにくいといえる。
次に、凸部形状に関し窪み部の有無のみ異なる実施例2と比較例4とについて、KES法による厚さ方向の圧縮仕事量(WC)を測定し比較した。圧縮仕事量(WC)は、値が大きい程、圧縮されやすいとされる。測定は、カトーテック製KES-G5ハンディー圧縮試験機を用いておこなった。測定方法は、次のとおりである。5cm×5cmの試験片を準備し、試験台に取り付け、その試験片を面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮する。圧縮速度は0.01cm/secとする。圧縮最大荷重は50gfとする。結果は、表4に示す。
表4に示されるように、実施例2は、比較例4に比して圧縮仕事量(WC)の値が有意に高い。すなわち、凹凸が潰れにくい。
以上の各試験の結果のとおり、本発明に係る衛生薄葉紙は、凹凸が潰れがたく嵩高さや厚み感に優れる。
1…衛生薄葉紙、10…原紙、11…凹部、12…凸部、13,113…底部、14…非押圧部、22,122…エンボス加工用凸部、20…金属エンボスロール、23…エンボス加工用凸部の頂面、24…窪み部、124…突起部、30…弾性ロール、L1…凸部高さ、L2…窪み部の深さ。

Claims (2)

  1. エンボス加工により形成された凹部を有する衛生薄葉紙であって、
    凹部の底部の中央部に、底部の面積の5〜80%の面積の非押圧部を有することを特徴とする衛生薄葉紙。
  2. 衛生薄葉紙の製造方法であって、
    原紙に対してエンボス加工用凸部を押し当てて前記エンボス加工用凸部に対応する凹部を形成するエンボス加工工程を有し、そのエンボス加工用凸部が、頂面の中央部に頂面面積の5〜80%の面積で、凸部高さの10〜70%の深さの窪み部を有するものである、ことを特徴とする衛生薄葉紙の製造方法。
JP2017072609A 2017-03-31 2017-03-31 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法 Active JP6851880B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017072609A JP6851880B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017072609A JP6851880B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018171346A true JP2018171346A (ja) 2018-11-08
JP6851880B2 JP6851880B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=64107944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017072609A Active JP6851880B2 (ja) 2017-03-31 2017-03-31 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6851880B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7424965B2 (ja) 2020-12-18 2024-01-30 日本製紙クレシア株式会社 ロール状ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3181754U (ja) * 2012-12-07 2013-02-21 信栄製紙株式会社 エンボスロール
JP2014181389A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd オキシ塩化物イオンの定量方法
JP2015205508A (ja) * 2015-04-27 2015-11-19 山田 菊夫 エンボス装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3181754U (ja) * 2012-12-07 2013-02-21 信栄製紙株式会社 エンボスロール
JP2014181389A (ja) * 2013-03-19 2014-09-29 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd オキシ塩化物イオンの定量方法
JP2015205508A (ja) * 2015-04-27 2015-11-19 山田 菊夫 エンボス装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7424965B2 (ja) 2020-12-18 2024-01-30 日本製紙クレシア株式会社 ロール状ペーパータオル及びロール状ペーパータオルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6851880B2 (ja) 2021-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9988766B2 (en) Process of determining features of a papermaking fabric based on sizes and locations of knuckles and pockets in the fabric
JP4585551B2 (ja) 衛生薄葉紙及びその製造方法
JP5931734B2 (ja) 水解性衛生薄葉紙及び水解性衛生薄葉紙の製造方法
TW424120B (en) Calendered and embossed tissue products
JP6130997B2 (ja) トイレットペーパー
JP6784968B2 (ja) トイレットペーパー及びトイレットペーパーの品質評価方法
JP2003070678A (ja) トイレット用巻取衛生ロール紙
CN110753508B (zh) 卫生纸
CN113165303A (zh) 压花多层片薄页纸产品
JP2020054874A (ja) トイレットペーパー
JP2006045690A5 (ja)
JP6851880B2 (ja) 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法
JP7175801B2 (ja) トイレットペーパー
JP2003061860A (ja) トイレットペーパーロール
KR102644625B1 (ko) 화장지
WO2020195259A1 (ja) トイレットペーパー及びトイレットペーパーの製造方法
JP2020092824A (ja) トイレットロール
US20240209576A1 (en) Toilet paper and method for producing toilet paper
JP2021053249A (ja) トイレットロール
WO2022039037A1 (ja) 家庭用薄葉紙及び家庭用薄葉紙の製造方法
JP2022090507A (ja) 水解性衛生薄葉紙及び水解性薄葉紙の製造方法
TW202337372A (zh) 捲筒式廚房用紙
JP2021053249A5 (ja)
JP2023028890A (ja) 紙製ハンドタオル
JP2019055109A (ja) 衛生薄葉紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6851880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250