JP2022115262A - 水解紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が簡単であり、製造コストの低減を図ることができる水解紙の製造方法を提供する。【解決手段】水溶性バインダーが含侵された原紙シート20を用い、エンボス加工を施して多数の凹凸体120による嵩高部を形成するエンボス加工工程と、該工程後に、外面側から水510を供給して含浸させる水含浸工程と、該工程後に、乾燥させる乾燥工程と、該工程後に、折り畳む折り畳み工程と、水性薬剤溶液1000を供給して含浸させる水性薬剤含浸工程と、を備えることを特徴とする、水解紙の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、トイレクリーナーなどに用いられる水解紙の製造方法に関する。
従来より、水解紙はトイレクリーナーに広く用いられているが、一般にトイレクリーナーに用いられる水解紙は、複数の薄葉紙を重ねて相互に水溶性バインダーを介して接着するとともに、エンボス加工を施して多数の凹凸形態により嵩高構造に形成し、水性薬剤を含浸させてなるものである。このような基本的構成を備えたトイレ掃除用ペーパータオルは例えば下記特許文献1に示されている。
実開平2-103397号公報
しかしながら、特許文献1で提案されたトイレ掃除用ペーパータオルは、水溶性の紙を複数枚重ねて、その各紙間を水溶性接着剤で接着するとともに、全体に凹凸状のエンボス加工を施してタオル体を成形し、タオル体に消毒液を含浸させてなるものである。しかしながら、各紙間に施した接着剤を介して接着一体化するのは作業的に手間を要し、製造コストも高いものとなる。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、製造が簡単であり、製造コストの低減を図ることができる水解紙の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上述の目的を解決するために鋭意研究を行った結果、驚くべきことに、水解紙を簡単に製造することができ、水解紙の製造コストを低減できることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
水溶性バインダーが含侵された原紙シートを用い、
該原紙シートにエンボス加工を施して多数の凹凸体による嵩高部を前記原紙シートに形成するエンボス加工工程と、
該エンボス加工工程後に、該原紙シートに対し外面側から水を供給してその水を該原紙シートに含浸させる水含浸工程と、
該水含浸工程後に、該原紙シートを乾燥させる乾燥工程と、
該乾燥工程後に、該原紙シートを折り畳む折り畳み工程と、
該原紙シートに対し水性薬剤を供給してその水性薬剤を該原紙シートに含浸させる水性薬剤含浸工程と、を備えることを特徴とする、水解紙の製造方法を提供する。
本発明に係る水解紙の製造方法において、
前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記折り畳み工程より前に、前記原紙シートに含浸されてもよい。
本発明に係る水解紙の製造方法において、
前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記バインダー含浸工程において前記原紙シートに前記水溶性バインダーが含浸されるのに引き続いて、前記第1乾燥工程より前に前記原紙シートに含浸されてもよい。
本発明によれば、水解紙が簡単に製造されて、水解紙の製造コストが低減され得る。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
図1は、本発明の水解紙を製造する一例を示す工程図である。 図2は、本発明の水解紙の一例を示す部分平面図である。 図3は、図2におけるA-A線に沿う縦断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、特に断りがない限り、図面において、「上」とは図中の上方向又は上側を意味し、「下」とは、図中の下方向又は下側を意味し、「左」とは図中の左方向又は左側を意味し、「右」とは図中の右方向又は右側を意味する。また、図面を用いた説明においては、同一又は同等の要素又は部材には同一の符号を付し、重複する説明は、特別な事情がない限り、省略する。
<本発明の概要>
まず、本発明の概要について説明をする。本発明は、トイレクリーナーなどに用いられる水解紙の製造方法に関するものである。
本発明に係る水解紙の製造方法は、水溶性バインダーが含侵された原紙シートを用い、該原紙シートにエンボス加工を施して多数の凹凸体による嵩高部を前記原紙シートに形成するエンボス加工工程と、該エンボス加工工程後に、該原紙シートに対し外面側から水を供給してその水を該原紙シートに含浸させる水含浸工程と、該水含浸工程後に、該原紙シートを乾燥させる乾燥工程と、該乾燥工程後に、該原紙シートを折り畳む折り畳み工程と、該原紙シートに対し水性薬剤を供給してその水性薬剤を該原紙シートに含浸させる水性薬剤含浸工程と、を備えることを特徴とする、製造方法である。本発明に係る水解紙の製造方法によれば、水解紙が簡単に製造されて、水解紙の製造コストが低減され得る。
以上の説明が、本発明の概要である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、具体的、かつ、詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明は、水解性を有する紙材料から水解紙を製造することができる。本発明は、原料シートとしての原紙シートに複数工程による加工を施して水解紙を製造するものであり、ここにおいて原紙シートの材料としては、種々の原料パルプを用いることができる。本発明において用いることができる原料パルプとして例えば、木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプなどが挙げられる。またパルプなどの天然繊維に限られず、レーヨンなどの半合成繊維なども用いることができる。更に、本発明は原料パルプとして、トイレットペーパー材料を用いることができ、この場合、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを配合してなるものを用いることが好ましい。また本発明における原紙シートの材料として、ケナフ、竹繊維、藁、綿、繭糸などを用いることができる。
本発明においてエンボス加工は、原紙シートに多数の凹凸を賦形して嵩高構造とすることにより、強度を高めると共に、清掃機能(特に拭き取り機能)を高める意味を持つものである。
本発明において用いる水溶性バインダーとしては、所定の接着力を有し且つ水解紙に所定の強度を付与できるものであればよく、種々のものを用いることができる。
本発明において用いられる水溶性バインダーとして、多糖誘導体、天然多糖類、合成高分子などが挙げられる。多糖誘導体として、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンプン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。天然多糖類として、グアーガム、トラントガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、アラビアゴム、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩などが挙げられ、該不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。上記のうち、特にカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
水溶性バインダーを含浸した原紙シートには更に水性薬剤が含浸される。水性薬剤は水解紙に清掃機能を付与する薬剤が含まれる他、他の目的のために配合される薬剤を含んでいる。水性薬剤としては、水、架橋剤、水溶性有機溶剤を配合してなる水系組成のものが用いられ、これらに必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、漂白剤、キレート剤、香料などを配合することができる。
架橋剤は水溶性バインダーと架橋反応を起こして、水溶性バインダーを架橋構造とし、それにより物理的強度を向上させるものである。水溶性バインダーとしてカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシル基を有する水溶性バインダーを用いる場合には、架橋剤としては、多価金属イオンを用いることが好ましく、この多価金属イオンとしては、亜鉛、アルカリ土類金属、マンガン、ニッケル、コバルトなどの金属イオンが挙げられる。具体的には、亜鉛、カルシウム、バリウム、コバルト、ニッケルのイオンが好適に用いられ、これらは十分な湿潤強度を付与する上で好ましい。
上記の多価金属イオンは、硫酸塩、塩化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などの水溶性金属塩の形で用いられる。架橋剤は水性薬剤を構成する配合成分の1つであるが、後述するように水性薬剤と分離して単独で用いてもよい。
水溶性有機溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級アルコールとのモノエーテル又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトールなどの多価アルコールなどを用いることができる。
水性薬剤中に必要に応じて配合される界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。
次に、図1に示される工程図に基づき本発明の水解紙の製造方法の実施形態を説明する。同図において、参照符号100は、長尺な水溶性バインダーが含侵された原紙シート20を巻回した送りロールで、原紙シート20はピンチロール300により矢印Y方向に送り出される。原紙シート20としては、トイレットペーパーなどの薄葉紙1枚からなる単層構造のものを用いても或いは薄葉紙を2枚以上の複数枚重ねて、多層構造としたものを用いてもよい。そして、上述のとおり、原紙シート20は、水溶性バインダーが含侵されたものである、以下、原紙シート20の製造方法について説明をする。なお、本明細書中では、水溶性バインダーが含侵される前の原紙シートを含侵前原紙シートと称し、水溶性バインダーが含侵された後の原紙シートを原紙シート20と称する。
原紙シート20は水溶性バインダーが含侵されたものである。水溶性バインダーとしては、例えばカルボキシメチルセルロースが用いられる。この水溶性バインダーの供給手段としては、噴霧装置のノズルから水溶性バインダー溶液を、含侵前原紙シートの表面に噴霧することにより行なわれる。このように含侵前原紙シートには、原紙シートの外面側から水溶性バインダーが供給され、含浸される。この場合、水溶性バインダー溶液を含侵前原紙シートの片面にのみ噴霧しても或いは表裏両面に噴霧してもよい。噴霧に用いる噴霧ノズルとして、加圧した水溶性バインダー溶液を単独で噴射させる一流体方式のノズル、或いは圧搾空気と水溶性バインダー溶液とを混合し、圧搾空気の圧力を利用して水溶性バインダー溶液を霧状に噴射させる二流体方式のノズルのいずれのノズルも用いることができる。
水溶性バインダー溶液の供給手段としては、上記した噴霧に限定されるものではなく、例えば、水溶性バインダー溶液を、含侵前原紙シートの表面に滴下する方法や、塗布する方法などを採用してもよい。また、本発明は後述するように、嵩高部170を有する原紙シート20に水性薬剤を含浸させる工程及び水性薬剤の配合成分である架橋剤を前記原紙シート20に含浸させる工程を有してもよいが、水性薬剤含浸工程においては水性薬剤溶液を、架橋剤含浸工程においては架橋剤溶液を、それぞれ原紙シート20に供給するものであり、ここにおいて、水性薬剤溶液及び架橋剤溶液の供給手段として、前記した水溶性バインダー溶液の供給手段と同様に、噴霧方法、滴下方法、塗布方法など任意の手段を採用できる。なお、以下の説明においては、それらの供給手段として噴霧方法を例にとり記述する。
水溶性バインダーの、含侵前原紙シートへの供給量(添加量)は、含侵前原紙シートの重量に対して50重量%~100重量%となる量が好ましく、また、水溶性バインダー溶液の濃度においては、1%~20%であることが好ましい。
含侵前原紙シートの外面側から水溶性バインダー溶液が供給されるので、含侵前原紙シートの表面にも水溶性バインダーが含浸される。従ってまた、最終的に製造される水解紙において、水解紙の表面に水溶性バインダー溶液が含浸されている状態となる。水溶性バインダー溶液は含侵前原紙シートの一方の面(供給面)から厚み方向の反対面に亘って(すなわち、厚み方向全層に亘って)含浸される場合と、前記反対面にまで至らず途中まで(すなわち、厚み方向の途中まで)含浸される場合があるが、前者のように厚み方向全層に亘って含浸した場合には、水解紙の一方の面と厚み方向の反対面において、それらの表面に水溶性バインダーが含浸されている状態となる。
上記した水溶性バインダーを供給して含浸するにおいて、水溶性バインダーの他に水性薬剤の配合成分である架橋剤を供給含浸するようにしてもよい。すなわち、本発明において水溶性バインダー含浸工程は、水溶性バインダーと架橋剤とを共に含浸させる工程を含んでもよい。この実施形態における第1の態様としては、まず、含侵前原紙シートに水溶性バインダー溶液を原紙シートの外面側から噴霧して水溶性バインダーを含浸させ、次いで、架橋剤溶液を噴霧して架橋剤を原紙シート20に含浸させるものである。第2の態様としては、まず、含侵前原紙シートに架橋剤溶液を含侵前原紙シートの外面側から噴霧して架橋剤を含浸させ、次いで、水溶性バインダー溶液を噴霧して水溶性バインダーを含侵前原紙シートに含浸させるものである。また第3の態様としては、含侵前原紙シートにその外面側から水溶性バインダー溶液を噴霧すると共に、これと同時に架橋剤溶液を噴霧して、水溶性バインダーと架橋剤とを同時に含浸させるものである。これらの各実施態様において、架橋剤は水溶性バインダーとの架橋反応形成のために必要な量の全量を含浸させてもよく或いはそのうちの一部の量を含浸させてもよい。
上記したように、水溶性バインダー含浸工程において、水溶性バインダーと架橋剤とを共に含浸させるようにすれば、水溶性バインダーとの架橋反応が早期に起こり、原紙シート20に速やかに所定の強度を与えることができる。
水溶性バインダーが含浸された原紙シート20は、乾燥機に送られ、ここで乾燥が行われる(第1乾燥工程)。乾燥手段としては、電磁波乾燥、通気乾燥(熱風乾燥)、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などが挙げられるが、電磁波乾燥が好ましい。電磁波乾燥は、電磁波を利用して乾燥を行うもので、これに用いる電磁波乾燥機としては電子レンジと同様の機構、構造を備えた装置を用いることができる。本発明による電磁波乾燥はマイクロ波加熱により乾燥を行うもので、マイクロ波を照射すると、極性を持つ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収して振動、回転し、温度が上がり、この温度上昇により水を蒸発して乾燥を行うという原理に基づくものである。
電磁波乾燥は短時間で乾燥を行える利点があり、また電磁波の透過能力は高く、原紙シート20の内部にまで透過して加熱することにより均一に加熱でき、従って均一に乾燥を行うことができる。更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができ、エネルギー消費量を減少できるので製造コストの低減に寄与できる。本発明に用いる電磁波乾燥機として例えば、電力1kW当り、1kgの水を1時間で乾燥できる能力を持つものが好ましい。また、連続製造設備に設置する電磁波乾燥機としては、乾燥機内部に連続して原紙シート20を通すことができるトンネル式電磁波乾燥機を用いることが、連続生産に適していて好ましい。
第1乾燥工程における、水溶性バインダーが含浸された原紙シート20を乾燥する手段として、赤外線乾燥も好適に用いることができる。赤外線は、波長帯が0.75μm~1000μmにあり、マイクロ波より短い波長の電磁波である。赤外線は波長によって、近赤外線(波長0.7μm~2.5μm)と遠赤外線(波長4μm~1000μm)に分けられるが、近赤外線は物体に吸収されにくく加熱効率が低いことから、本発明においては、物体に吸収されやすく加熱効率が高い遠赤外線を用いることが好ましい。本発明において、遠赤外線の波長帯4μm~1000μmのうち、波長4μm~50μmの遠赤外線を用いることが好ましい。波長4μm~50μmの遠赤外線は、水に対する吸光度が高く、水分を多く含んだ物体の場合、その表面から内部への深さが比較的浅い部分で遠赤外線の多くが吸収される。
遠赤外線乾燥は、空気を暖めて被乾燥体を乾燥する方式ではなく、遠赤外線による熱線により直接、被乾燥体に熱を伝えて乾燥する方式であり、いわゆる輻射熱による乾燥である。従って、被乾燥体を効率よく加温できるので乾燥時間も短くて済む。また、反射板などにより特定の方向に熱線を反射させて、所定の位置に集中させて加熱乾燥を行なうことも可能であり、このような乾燥方法を採用すれば、乾燥のためのエネルギー効率を向上でき、乾燥工程コストを低減することができる。
遠赤外線乾燥機としては、遠赤外線を発生する発熱体を備えたものであればどのような構造のものでも使用でき、この場合、発熱体の温度を200℃以上に保持できるものが好ましい。発熱体の温度を200℃以上に保持することにより、遠赤外線を効率よく発生することができる。また、サーモスタットなどにより間欠的に通電させれば、省電力運転が可能となる。
水溶性バインダーが含浸された原紙シート20を乾燥機により乾燥するに当り、本発明は1つの乾燥機により乾燥する場合に限定されず、複数の乾燥機を設置して順次、各乾燥機に前記原紙シート20を送りながら乾燥するようにしてもよい。すなわち、例えばベルトコンベアにより移送される前記原紙シート20を第1の乾燥機に送って乾燥を行なった後、第2の乾燥機に送り、ここで2回目の乾燥を行うようにしてもよい。この場合、第1段乾燥と第2段乾燥とで乾燥の度合いを異ならせることもできる。このような多段乾燥は特に、電磁波乾燥や赤外線乾燥において有益である。本発明は電磁波乾燥と赤外線乾燥とを組み合わせることもできる。電磁波乾燥機と赤外線乾燥機とをそれぞれ設置し、例えば、最初に前記原紙シート20を電磁波乾燥機に送って電磁波乾燥を行い、次いで前記原紙シート20を赤外線乾燥機に送って赤外線乾燥を行うようにしてもよく、或いはその順番を逆にして最初に赤外線乾燥を行い、次いで電磁波乾燥を行うようにしてもよい。更には、第1段乾燥の電磁波乾燥(又は赤外線乾燥)と第2段乾燥の赤外線乾燥(又は電磁波乾燥)とを交互に何回か繰り返し行うようにしてもよい。また、1つの乾燥機内に電磁波加熱機構と赤外線加熱機構とを設け、かかる構造の乾燥機に前記原紙シート20を送り、ここで電磁波による加熱を施すとともに同時に赤外線による加熱を施し、電磁波による乾燥と赤外線による乾燥とを同時に行なうようにすることもできる。
乾燥機によって乾燥された原紙シート20は、上下一対のエンボスロール400、400に通されて、ここでエンボス加工が施される。エンボスロール400、400はロール周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなるもので、従来公知のエンボスロールを用いることができる。エンボス加工による凹凸賦形は、原紙シート20の片面のみに形成しても或いはその表裏両面に形成してもよい。原紙シート20の表裏両面にエンボスを施す場合は、ロール周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなる上下一対の金属製ロールからなるエンボスロールが用いられる。また原紙シート20の片面のみにエンボスを施す場合は、周面にエンボス加工用の多数の突起を突設してなる金属製ロールと、このロールと上下一対をなすゴム製の抑えロールとからなるエンボスロールが用いられる。
上記したように、本発明においては、乾燥機によって乾燥された原紙シート20にエンボス加工を施すものである。従って、原紙シート20がエンボスロール400、400に付着するおそれがなく、そのため、エンボスロール400、400に剥離剤を塗布しなくてもよく、また、原紙シート20に剥離剤を塗布したりしなくてもよい。なお、原紙シート20がエンボスロール400、400に付着しないことをより確実にするために、エンボスロール400、400に剥離剤を塗布してもよく、また、原紙シート20に剥離剤を塗布してもよい。エンボス加工の際、エンボスロール400、400を加熱せずに行なうこともできるが、エンボスロール400、400を所定温度に加熱した状態でエンボス加工を行なってもよい。後者の場合、エンボスロール400、400の加熱温度は、60℃~150℃であることが好ましい。
エンボス加工により、図2及び図3に示されるように、原紙シート20に多数の凸部130と凹部140とから構成される凹凸体120が形成され、多数の凹凸体120により、嵩高部170が形成される。エンボス深さによっては、加工負荷力に追従できず、繊維間結合の一部に破壊が生じる場合がある。エンボス深さが小さい場合にはこのような繊維間結合破壊は生じないが、エンボス深さが大きいと繊維間結合破壊が生じる。例えば、エンボス深さが1mm~5mmの場合には、繊維間結合破壊が生じ易い。本発明において繊維間結合破壊が生じることは、むしろ好ましい場合がある。
多数の凹凸体120による嵩高部170が形成された原紙シート20には次工程において、水が供給される(水含侵工程。)。水の供給手段としては、噴霧装置のノズルから水510を原紙シート20の表面に噴霧することにより行なわれる。このように原紙シート20には、原紙シート20の外面側から水が供給され、含浸される。なお、水510には、任意の材料(例えば、水溶性バインダー溶液、水性薬剤、架橋剤等)を含んでいてもよい。水510を原紙シート20の片面にのみ噴霧しても或いは表裏両面に噴霧してもよい。噴霧に用いる噴霧ノズルとして、加圧した水510を単独で噴射させる一流体方式のノズル、或いは圧搾空気と水510とを混合し、圧搾空気の圧力を利用して水510を霧状に噴射させる二流体方式のノズルのいずれのノズルも用いることができる。
水510の供給手段としては、上記した噴霧に限定されるものではなく、例えば、水510を原紙シート20の表面に滴下する方法や、塗布する方法などを採用してもよい。また、本発明は後述するように、嵩高部170を有する原紙シート20に水性薬剤を含浸させる工程及び水性薬剤の配合成分である架橋剤を前記原紙シート20に含浸させる工程を有していてもよい。水性薬剤含浸工程においては水性薬剤溶液を、架橋剤含浸工程においては架橋剤溶液を、それぞれ原紙シート20に供給するものであり、ここにおいてそれら水性薬剤溶液、架橋剤溶液の供給手段として、前記した水の供給手段と同様、噴霧方法、滴下方法、塗布方法など任意の手段を採用できる。以下の説明においては、それらの供給手段として噴霧方法を例にとり記述する。
上記した水510の供給によって、原紙シート20に水510が含浸される。ここにおいて本発明の製造方法は、エンボス加工時に、原紙シート20において繊維間結合の一部に破壊が生じる態様や、水溶性バインダー(例えば、原紙シート20にフィルム(膜)上に積層した水溶性バインダー)の一部に、水溶性バインダーの溶解により、破壊が生じる態様を含んでいる。このように原紙シート20に繊維間結合の破壊や水溶性バインダーの破壊が生じている場合には、その繊維間結合の破壊箇所や水溶性バインダーの破壊箇所が水510の浸透し易い部位となり、それにより全体的に水510の浸透速度が大きくなり、従って、繊維間結合の破壊や水溶性バインダーの破壊が生じていない場合に比べて、水510の浸透速度が大きく、水510を効率よく浸透させることができる。また、繊維間結合破壊の箇所や水溶性バインダーの破壊の箇所に水510が入り込むことにより、繊維同士は、溶解された水溶性バインダーを介して結合される形となり、繊維間の結合は強固となる。すなわち、水溶性バインダーが乾燥して膜化したときに、このバインダー膜の強度は繊維の持つ強度よりも大きいものであり、それ故、水解紙の強度向上を図れる。さらに、架橋が行われたときには、バインダー膜の強度は一段と大きくなる。
原紙シート20の外面側から水510が供給されるので、原紙シート20の表面にも水510が含浸される。水510は原紙シート20の一方の面(供給面)から厚み方向反対面に亘って(すなわち、厚み方向全層に亘って)含浸される場合と、前記反対面にまで至らず途中まで(すなわち、厚み方向の途中まで)含浸される場合があるが、前者のように厚み方向全層に亘って含浸した場合には、水解紙の一方の面と厚み方向反対面において、それらの表面に水溶性バインダーが含浸されている状態となる。
上記した水510を供給して含浸するに当たって、水510の他に水性薬剤の配合成分である架橋剤を供給含浸するようにしてもよい。すなわち、本発明において水含浸工程は、水510と架橋剤を共に含浸させる工程を含んでもよい。この実施形態における第1-1の態様としては、まず最初に、嵩高部170を有する原紙シート20に、水510を原紙シート2の外面側から噴霧して水510を含浸させ、次いで、架橋剤溶液を噴霧して架橋剤を原紙シート20に含浸させるものである。第2-1の態様としては、まず最初に、前記原紙シート20に架橋剤溶液を原紙シート20の外面側から噴霧して架橋剤を含浸させ、次いで、水510を噴霧して水510を原紙シート20に含浸させるものである。また第3-1の態様としては、前記原紙シート20にその外面側から水510を噴霧すると共に、これと同時に架橋剤溶液を噴霧して、水510と架橋剤とを同時に含浸させるものである。これらの各実施態様において、架橋剤は水510によって溶解した水溶性バインダーとの架橋反応形成のために必要な量の全量を含浸させてもよく或いはそのうちの一部の量を含浸させてもよい。
水510が含浸された原紙シート20は、乾燥機610に送られ、ここで乾燥が行われる。乾燥手段としては、電磁波乾燥、通気乾燥(熱風乾燥)、赤外線乾燥、熱ロール乾燥などが挙げられるが、電磁波乾燥が好ましい。電磁波乾燥は、電磁波を利用して乾燥を行うもので、これに用いる電磁波乾燥機としては電子レンジと同様の機構、構造を備えた装置を用いることができる。本発明による電磁波乾燥はマイクロ波加熱により乾燥を行うもので、マイクロ波を照射すると、極性を持つ水分子を繋ぐ振動子がマイクロ波を吸収して振動、回転し、温度が上がり、この温度上昇により水を蒸発して乾燥を行うという原理に基づくものである。
電磁波乾燥は短時間で乾燥を行える利点があり、また電磁波の透過能力は高く、原紙シート20の内部にまで透過して加熱することにより均一に加熱でき、従って均一に乾燥を行うことができる。更に電磁波乾燥においては、電磁波エネルギーが直接負荷され、エネルギーの二次消耗はないので、赤外線加熱に比べてエネルギーを少なくとも30%節約することができ、エネルギー消費量を減少できるので製造コストの低減に寄与できる。本発明に用いる電磁波乾燥機として例えば、電力1kW当り、1kgの水を1時間で乾燥できる能力を持つものが好ましい。また、連続製造設備に設置する電磁波乾燥機としては、乾燥機内部に連続して原紙シート20を通すことができるトンネル式電磁波乾燥機を用いることが、連続生産に適していて好ましい。
電磁波乾燥は通気乾燥(熱風乾燥)と異なり、風の圧力でエンボスによる凹凸体120の凹凸形態が潰れる虞がなく、また熱ロール乾燥と異なり機械的圧力により前記凹凸形態が潰れる虞がない。
更に電磁波乾燥は通気乾燥、赤外線乾燥、熱ロール乾燥に比べて乾燥効率が優れ、短時間で乾燥できるため、エンボスの高低差が減少するエンボス戻りの虞がないという利点がある。このエンボス戻りの防止は本発明において重要な意味を持つ。即ち、本発明はエンボス加工後に原紙シート20に水溶性バインダーを供給して含浸させるものであるため、水溶性バインダーの含浸によりエンボスによる歪がとれて凹凸体120の凹凸形態が崩れるいわゆるエンボス戻りの問題がある。この問題の解決のためには乾燥手段の選択が重要である。乾燥手段として電磁波乾燥を採用すれば、他の乾燥手段に比べて乾燥時間を大幅に短縮できるので、前記エンボス戻りの原因となる水分を速やかに除去でき、その結果、前記歪解除による凹凸形態の崩れを抑制し、凹凸形態の形状保持を維持できるものであり、エンボス戻りを抑制できる効果がある。電磁波乾燥においては前記したように、電磁波が原紙シート20の内部にまで透過して加熱するので、原紙シート20は表面のみならず内部まで均一に且つ短時間で加熱乾燥されるのであり、このことが上記したエンボス戻りの抑制効果に大きく作用しているものである。
水溶性バインダーと水510とが含浸された原紙シート20を乾燥する手段として、赤外線乾燥も好適に用いることができる。赤外線は、波長帯が0.75μm~1000μmにあり、マイクロ波より短い波長の電磁波である。赤外線は波長によって、近赤外線(波長0.7μm~2.5μm)と遠赤外線(波長4μm~1000μm)に分けられるが、近赤外線は物体に吸収されにくく加熱効率が低いことから、本発明においては、物体に吸収されやすく加熱効率が高い遠赤外線を用いることが好ましい。本発明において、遠赤外線の波長帯4μm~1000μmのうち、波長4μm~50μmの遠赤外線を用いることが好ましい。波長4μm~50μmの遠赤外線は、水に対する吸光度が高く、水分を多く含んだ物体の場合、その表面から内部への深さが比較的浅い部分で遠赤外線の多くが吸収される。そのため、遠赤外線乾燥を本発明に適用した場合、エンボスの型崩れを防止できるという作用効果を生じる。即ち、水溶性バインダーが含浸された原紙シート20に遠赤外線が放射されたとき、遠赤外線は上記原紙シート20の表面から比較的浅い内部領域に多く吸収され、そのため表面付近を速やかに加温し、乾燥する。それによりエンボス表面の乾燥が短時間で進行し、その結果、水分を含むことによるエンボスの型崩れを防止できるものである。また、このエンボスの型崩れ防止により、エンボスの高低差が減少するエンボス戻りをも防止できる。このように遠赤外線乾燥によれば、エンボス表面の速やかな乾燥を行なえるので、確実にエンボス戻りを防止でき、従って、乾燥工程に要する時間を短縮できる利点がある。
遠赤外線乾燥は、空気を暖めて被乾燥体を乾燥する方式ではなく、遠赤外線による熱線により直接、被乾燥体に熱を伝えて乾燥する方式であり、いわゆる輻射熱による乾燥である。従って、被乾燥体を効率よく加温できるので乾燥時間も短くて済む。また、反射板などにより特定の方向に熱線を反射させて、所定の位置に集中させて加熱乾燥を行なうことも可能であり、このような乾燥方法を採用すれば、乾燥のためのエネルギー効率を向上でき、乾燥工程コストを低減できる。
遠赤外線乾燥機としては、遠赤外線を発生する発熱体を備えたものであればどのような構造のものでも使用でき、この場合、発熱体の温度を200℃以上に保持できるものが好ましい。発熱体の温度を200℃以上に保持することにより、遠赤外線を効率よく発生することができる。また、サーモスタットなどにより間欠的に通電させれば、省電力運転が可能となる。遠赤外線乾燥においては、通気乾燥(熱風乾燥)のように風圧による負荷がなく、また熱ロール乾燥のように機械的圧力による負荷がないため、エンボスの凹凸形態の潰れや原紙シート20の歪みなどが発生する虞がない。
水溶性バインダーと水510とが含浸された原紙シート20を乾燥機610により乾燥するに当り、本発明は1つの乾燥機により乾燥する場合に限定されず、複数の乾燥機を設置して順次、各乾燥機に前記原紙シート20を送りながら乾燥するようにしてもよい。即ち、例えばベルトコンベアにより移送される前記原紙シート20を第1の乾燥機に送って乾燥を行なった後、第2の乾燥機に送り、ここで2回目の乾燥を行うようにしてもよい。この場合、第1段乾燥と第2段乾燥とで乾燥の度合いを異ならせることもできる。このような多段乾燥は特に、電磁波乾燥や赤外線乾燥において有益である。本発明は電磁波乾燥と赤外線乾燥を組み合わせることもできる。即ち、電磁波乾燥機と赤外線乾燥機をそれぞれ設置し、例えば最初に前記原紙シート20を電磁波乾燥機に送って電磁波乾燥を行い、次いで前記原紙シート20を赤外線乾燥機に送って赤外線乾燥を行うようにしてもよく、或いはその順番を逆にして最初に赤外線乾燥を行い、次いで電磁波乾燥を行うようにしてもよい。更には、第1段乾燥の電磁波乾燥(又は赤外線乾燥)と第2段乾燥の赤外線乾燥(又は電磁波乾燥)とを交互に何回か繰り返し行うようにしてもよい。また、1つの乾燥機内に電磁波加熱機構と赤外線加熱機構を設け、かかる構造の乾燥機に前記原紙シート20を送り、ここで電磁波による加熱を施すとともに同時に赤外線による加熱を施し、電磁波による乾燥と赤外線による乾燥とを同時に行なうようにすることもできる。
乾燥機610によって乾燥された原紙シート20は、折り畳み工程、切断工程、水性薬剤含浸工程に順次送られる。
ここにおいて、本発明の他の実施形態として、嵩高部170を有する原紙シート20に水溶性バインダーと水510とを含浸させた後、この水溶性バインダーと水510とを含浸してなる原紙シート20を上記したように乾燥機610により乾燥(電磁波乾燥、遠赤外線乾燥等)し、次いで乾燥後の原紙シート20に架橋剤を含浸させ、この架橋剤を含浸してなる原紙シート20を更に別の乾燥機に通して、ここで弱い乾燥を行い、次いで折り畳み工程に送るようにしてもよい。乾燥機610により原紙シート2を完全乾燥した状態で折り畳みを行うと、折り目にひび割れが生じる虞があるが、本実施形態によれば、折り畳み工程の直前に行う乾燥は完全乾燥ではなく弱い乾燥(例えば、半乾燥)なので、折り畳み時に折り目にひび割れが生じる虞はない。
本発明において、乾燥機610による乾燥の程度を調整すれば、上記のひび割れの問題は生じないものであり、原紙シート20を乾燥機610によって乾燥した後、折り畳みを施すことは何ら問題がない。上記したように、乾燥された原紙シート20は、折り畳み工程、切断工程、水性薬剤含浸工程に順次送られる。水性薬剤含浸工程は、水、架橋剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤などを含む組成溶液を原紙シート20の折り畳み体に供給して含浸させるものであるが、本発明の他の実施形態として、水性薬剤の配合成分である架橋剤を水性薬剤の他の配合成分と切り離し、架橋剤のみを折り畳み工程の前の段階で原紙シート20に供給し含浸させるようにしてもよい。以下、この実施形態につき説明する。
乾燥工程を終了した原紙シート20に対して架橋剤溶液が噴霧されて供給される。架橋剤溶液として例えば、硫酸亜鉛水溶液が用いられる。
架橋剤溶液の原紙シート20への供給量(添加量)は、金属イオン(例えば、亜鉛イオン)が、原紙シート20中に含浸されている水溶性バインダーにおけるカルボキシル基と十分な架橋反応を起こすに必要な量ということになるが、本発明において前記カルボキシル基1モルに対して1/3モル以上の添加量とすることが好ましく、1/2モル以上の添加量とすることが更に好ましい。
原紙シート20への架橋剤溶液の噴霧により原紙シート20に架橋剤が含浸し、原紙シート20中の水溶性バインダーとの間で架橋反応が起こり、水溶性バインダーが架橋構造となることにより原紙シート20の強度が向上する。
架橋剤含浸工程終了後、原紙シート20は折り機800に案内され、所定の折回数で折り畳まれる。例えば、中心から2つ折りし、所定間隔毎にミシン目を入れ、この2つ折り体をミシン目を中心にして更に2つ折りして4つ折り体とし、この4つ折り体を更に中心から2つ折りして8つ折り体とする。別の折り方法として、原紙シート20を長手方向に沿って連続して折り線が形成されるように、互い違いに連続して折り畳み且つ所定間隔毎にミシン目を入れるようにしてもよい。
折り畳み工程後、所定寸法に切断され、原紙シート20の折り畳み体900が得られる。次いで、折り畳み体900に架橋剤を含まない水性薬剤溶液1000が噴霧され、折り畳み体900に架橋剤を含まない水性薬剤(以下、架橋剤を含まない水性薬剤を架橋剤不含水性薬剤という)が含浸される。架橋剤不含水性薬剤として、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、消臭剤、香料などを配合してなるものが用いられる。
架橋剤不含水性薬剤は、折り畳み体900における原紙シート20の重量に対して50重量%~200重量%、好ましくは130重量%~150重量%含浸されるように供給することが十分な清掃機能を発揮する上で好ましい。
このようにして、水性薬剤を含浸してなる水解紙が得られる。本発明により製造される水解紙とは、折り畳まれた形状のもの(折り畳み体)を意味するだけでなく、展開状態の平らなシート体をも意味する概念である。折り畳まれた水解紙はその複数束が密封袋に袋詰めされ、かくしてトイレクリーナーやおしり拭きなどに用いられる製品1100が得られる。
上記実施形態において、折り畳み体900を袋詰めする前の段階で架橋剤不含水性薬剤を含浸させることに限定されず、折り畳み体900を一旦密封袋に収納し、この収納状態において
袋入口の開口部を通して架橋剤不含水性薬剤溶液を噴霧して供給し、折り畳み体900に架橋剤不含水性薬剤を含浸するようにしてもよい。
前記した実施形態は、原紙シートに水性薬剤を含浸させる工程として、原紙シートに水性薬剤の配合成分である架橋剤を含浸させる工程と、原紙シートに架橋剤を含まない水性薬剤を含浸させる工程とに分けて行うようにしたが、本発明の他の実施形態として、折り畳み工程の前の段階で架橋剤含浸を行なわず、折り畳み工程後に、架橋剤含浸を行うようにしてもよい。この場合は、架橋剤を含む水性薬剤溶液を折り畳み体900に噴霧して架橋剤を含む水性薬剤を折り畳み体900に含浸させる。
この架橋剤を含む水性薬剤を折り畳み体900に含浸させる実施形態において、折り畳み体900に対する架橋剤の供給量及び架橋剤成分以外の水性薬剤組成成分の供給量は、前記実施形態(折り畳み工程前の架橋剤の含浸及び折り畳み工程後の架橋剤不含水性薬剤の含浸)の場合と同様であることが好ましい。
本発明において、上記2つの実施形態のうち、折り畳み工程前の段階で架橋剤を原紙シート20に含浸させる実施形態が好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、折り畳み工程後に折り畳み体900に架橋剤を含む水性薬剤を含浸させる実施形態においては、折り畳み体900の複数を起立姿勢で並べ、この状態において上方から水性薬剤溶液を噴霧して供給するものである。そのため、噴霧により供給された水性薬剤は折り畳み体900の周辺部から含浸され、次第に中心部に向けて含浸分布が広がっていく。このように含浸の進行に差があるため、まず最初に、周辺部から架橋反応が起こり、水性薬剤の配合成分である架橋剤は周辺部における架橋反応に優先的に消費される。そのため、水性薬剤が中心部に向けて含浸される過程で次第に架橋剤濃度が低くなり、このことから中心部においては、架橋剤濃度が低く、架橋度も小さくなるという現象が生じる。その結果、中心部における架橋度は周辺部における架橋度よりも小さいという状態となり、中心部における物理的強度が周辺部における物理的強度よりも小さいという強度のばらつきが生じる。
これに対し、折り畳み工程前に原紙シート20に架橋剤溶液を噴霧して含浸させる実施形態においては、原紙シート20の表面に向けて上方から架橋剤溶液を噴霧して供給するものである。従って、架橋剤溶液をシート面に均一に噴霧でき、原紙シート20の厚み方向への架橋剤の含浸も均一に行なわれる。その結果、上記したような周辺部と中心部とで架橋度が異なるという、いわゆる架橋ばらつきが起こらず、原紙シート20全体に亘って均一な架橋度が得られ、シート全体に亘って均一な物理的強度が得られるという利点がある。従って、この原紙シート20を折り畳んで得られる折り畳み体900においても均一な物理的強度を有するということになる。このような理由から、折り畳み工程前の架橋剤含浸という実施形態が好ましいといえる。
折り畳み工程前に原紙シート20に架橋剤を含浸させず、折り畳み工程後に折り畳み体900に架橋剤を含む水性薬剤を含浸させる場合には、起立姿勢にある折り畳み体900の上方から架橋剤を含む水性薬剤溶液を噴霧し、次いでこの起立姿勢を反転させて逆向きの姿勢に並べ、この状態で再び上方から前記水性薬剤溶液を噴霧するという供給方法を採用することが好ましい。また他の供給方法として、起立姿勢にある折り畳み体900の左右両方向から前記水性薬剤溶液を噴霧するようにしてもよい。これらの供給方法によれば、架橋剤を含む水性薬剤を均一に含浸することができ、架橋ばらつきを防止することができる。
上記したように、原紙シートに水性薬剤を含浸させる工程として、折り畳み工程前に原紙シートに、水性薬剤の配合成分である架橋剤を含浸させる工程(以下、A工程という)と、折り畳み工程後に原紙シートに、架橋剤成分以外の他の成分組成からなる水性薬剤(架橋剤不含水性薬剤)を含浸させる工程(以下、B工程という)とに分けて行なうようにした実施形態が、本発明の好ましい実施形態であるが、この実施形態において、折り畳み工程前に原紙シートに架橋剤溶液を供給するに当たり、架橋剤溶液に、架橋剤成分以外の他の成分組成からなる水性薬剤溶液(架橋剤不含水性薬剤溶液)を混合した混合溶液を原紙シートに供給するようにしてもよい。この場合、架橋剤溶液における架橋剤量は、A工程において用いられる架橋剤全量のうちの一部の量(例えば全量の80%の量)を用い、また架橋剤不含水性薬剤溶液における架橋剤不含水性薬剤量は、B工程において用いられる水性薬剤全量のうちの一部の量(例えば全量の20%の量)を用いる。そして、折り畳み工程後のB工程において、原紙シートに、架橋剤不含水性薬剤溶液を供給するに当り、架橋剤不含水性薬剤溶液に架橋剤溶液を混合した混合溶液を原紙シートに供給する。この場合、架橋剤不含水性薬剤溶液における架橋剤不含水性薬剤量は、B工程において用いられる架橋剤不含水性薬剤全量のうちの残部の量(例えば全量の80%の量)を用い、架橋剤溶液における架橋剤量はA工程において用いられる架橋剤全量のうちの残部の量(例えば全量の20%の量)を用いる。
また前記の実施形態において、A工程において、架橋剤量を全量(100%)用い、架橋剤不含水性薬剤量をB工程において用いる架橋剤不含水性薬剤全量のうちの一部の量(例えば全量の20%の量)を用い、これら架橋剤溶液と架橋剤不含水性薬剤溶液の混合溶液を原紙シートに供給する。一方、B工程において、架橋剤不含水性薬剤量をB工程において用いる架橋剤不含水性薬剤全量のうちの残部の量(例えば全量の80%の量)を用い、この架橋剤不含水性薬剤溶液を原紙シートに供給するようにしてもよい。更に、A工程において、架橋剤量をA工程において用いる架橋剤全量のうちの一部の量(例えば全量の80%の量)を用い、この架橋剤溶液を原紙シートに供給し、B工程において、架橋剤不含水性薬剤量を全量(100%)用い、架橋剤量をA工程において用いる架橋剤全量のうちの残部の量(例えば全量の20%の量)を用い、これら架橋剤不含水性薬剤溶液と架橋剤溶液の混合溶液を原紙シートに供給するようにしてもよい。
上記の如くして製造された水解紙は、図2、図3に示す如く、その全面に亘ってエンボス加工による多数の凸部130と凹部140とからなる凹凸体120が均一に形成されており、そしてこの凹凸体120により嵩高部17が形成されており、これにより水解紙は嵩高紙として構成されている。多数の凸部130は製造工程における原紙シート20の搬送方向(図2においてZ方向)に沿って直線的に並んでおり、これにより凸部列150が形成されており、また多数の凹部140は前記Z方向に沿って直線的に並んでおり、これによって凹部列160が形成されている。そして、これらの凸部列150と凹部列160は、Z方向と直交する方向に沿って交互に繰り返し配置されるパターンで構成されている。
本発明により製造される水解紙において、凹凸体120における凸部130と凹部140の形状は任意であり、図2に示すような円形に限定されず、楕円形、三角形、四角形、菱形などであってもよく、また不定形図柄や花柄模様などの模様図柄であってもよい。
本発明により製造される水解紙は架橋構造を有する水溶性バインダーを含有している。製造工程において電磁波乾燥が行われた場合は、水解紙は電磁波乾燥処理が施された水溶性バインダーを含有する形態となる。また、製造工程において遠赤外線乾燥が行われた場合は、水解紙は遠赤外線乾燥処理が施された水溶性バインダーを含有する形態となる。本発明において、水溶性バインダーは原紙シートの外面側から供給されるので、水溶性バインダーの含浸領域には水解紙の表面も含まれる。従って、水解紙の表面にも水溶性バインダーが含浸されており、それにより水解紙表面に必要な強度が付与されるため、本発明水解紙を用いて被清掃部を払拭した場合において、払拭した後、その乾燥面に紙粉が残る虞がなく、紙粉発生を防止できるものである。
本発明により製造される水解紙は、トイレにおける便器やトイレ周りの清掃を行うための清掃用品、或いはおしり拭き用品などに用いることができる。本発明により製造される水解紙は、湿潤状態で所定の強度を有し、使用時に破れを生じることがなく、使用感に優れ、また使用後は便器に流すことにより速やかに水解し、下水管を詰まらせる虞がなく、このように強度と水解性共に優れているものである。
なお、本発明に係る実施形態は、上述した各実施形態及に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
また、本発明は、以下のような構成を取ることもできる。
[1]
水溶性バインダーが含侵された原紙シートを用い、
該原紙シートにエンボス加工を施して多数の凹凸体による嵩高部を前記原紙シートに形成するエンボス加工工程と、
該エンボス加工工程後に、該原紙シートに対し外面側から水を供給してその水を該原紙シートに含浸させる水含浸工程と、
該水含浸工程後に、該原紙シートを乾燥させる乾燥工程と、
該乾燥工程後に、該原紙シートを折り畳む折り畳み工程と、
該原紙シートに対し水性薬剤を供給してその水性薬剤を該原紙シートに含浸させる水性薬剤含浸工程と、を備えることを特徴とする、水解紙の製造方法。
[2]
前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記折り畳み工程より前に、前記原紙シートに含浸される、[1]に記載の水解紙の製造方法。
[3]
前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記バインダー含浸工程において前記原紙シートに前記水溶性バインダーが含浸されるのに引き続いて、前記第1乾燥工程より前に前記原紙シートに含浸される、[1]又は[2]に記載の水解紙の製造方法。
20・・・原紙シート、
510・・・水、
1000・・・水性薬剤溶液、
120・・・凹凸体、
170・・・嵩高部。

Claims (3)

  1. 水溶性バインダーが含侵された原紙シートを用い、
    該原紙シートにエンボス加工を施して多数の凹凸体による嵩高部を前記原紙シートに形成するエンボス加工工程と、
    該エンボス加工工程後に、該原紙シートに対し外面側から水を供給してその水を該原紙シートに含浸させる水含浸工程と、
    該水含浸工程後に、該原紙シートを乾燥させる乾燥工程と、
    該乾燥工程後に、該原紙シートを折り畳む折り畳み工程と、
    該原紙シートに対し水性薬剤を供給してその水性薬剤を該原紙シートに含浸させる水性薬剤含浸工程と、を備えることを特徴とする、水解紙の製造方法。
  2. 前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記折り畳み工程より前に、前記原紙シートに含浸される、請求項1に記載の水解紙の製造方法。
  3. 前記水溶性バインダーと架橋反応を起こして前記水溶性バインダーを架橋構造にする架橋剤が、前記バインダー含浸工程において前記原紙シートに前記水溶性バインダーが含浸されるのに引き続いて、前記乾燥工程より前に前記原紙シートに含浸される、請求項1又は2に記載の水解紙の製造方法。


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