JP2017196328A - 水解性清掃物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】これまで知られている水解性清掃物品と同程度の水解性や清掃強度を保ちつつ、清掃性やハンドリング性が一層向上した水解性清掃物品を提供すること。
【解決手段】水解性清掃物品1は、複数の凹凸を有する水解紙に液体洗浄性薬剤が含浸されて構成されている。水解紙は、針葉樹晒しクラフトパルプ及びバインダを含有する実質的に水分散可能な繊維シートからなる。針葉樹晒しクラフトパルプが、繊維表面が部分的に解離してフィブリルが起毛した状態を呈している粘状叩解パルプを80質量%以上含む。四つ折り状態での水解性清掃物品1の圧縮仕事量が0.4gf・cm/cm以下であり、且つ圧縮回復率が70%以上100%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は水解性清掃物品に関する。
使用後に水に流して廃棄するタイプの水解性清掃物品が種々知られている。この種の物品は一般にパルプをカルボシキメチルセルロース等のバインダで結着させたシートを基材として用いている。このシートに液体洗浄性薬剤を含浸させることで水解性清掃物品が得られる。
例えば、水溶性バインダ又は水膨潤性バインダを含有する実質的に水分散可能な繊維シートからなり、且つエンボス加工により多数の凹凸が形成された坪量が30〜150g/mの水解紙に、該水解紙の乾燥質量に対して水性薬剤が100〜500質量%含浸されて構成されている嵩高水解性清掃物品が知られている(特許文献1参照)。この物品は、水性薬剤が含浸された状態での該物品の0.3kPa荷重下での厚みT1が1.0mm〜3.0mmで、1.0kPa荷重下での厚みT2が0.9mm以上である。
特許文献2には、パルプ及びバインダを含有する実質的に水分散可能な繊維シートに水性薬剤が含浸されてなり、該パルプとしてその繊維粗度が0.18mg/m未満であるものを用いた水解性物品が記載されている。
特開2006−81883号公報 特開2008−291409号公報
上述した特許文献1及び2に記載の物品を含め、これまで知られている水解性清掃物品は、例えば便器等の清掃に用いられることが多いため、トイレットペーパーと同基準の水解性や清掃強度を達成することが主として優先される。その結果、清掃性や使い勝手については改良すべき余地が残されている。
したがって本発明の課題は水解性清掃物品の改良にあり、更に詳しくは、これまで知られているこの種の物品と同程度の水解性や清掃強度を保ちつつ、清掃性やハンドリング性に優れた水解性清掃物品を提供することにある。
本発明は、複数の凹凸を有する坪量20g/m以上120g/m以下の水解紙に、該水解紙の乾燥質量に対して液体洗浄性薬剤が100質量%以上500質量%以下含浸されている水解性清掃物品であって、
前記水解紙は、針葉樹晒しクラフトパルプ及びバインダを含有する実質的に水分散可能な繊維シートからなり、
前記針葉樹晒しクラフトパルプが、繊維表面が部分的に解離してフィブリルが起毛した状態を呈している粘状叩解パルプを80質量%以上含み、
四つ折り状態での前記水解性清掃物品の圧縮仕事量が0.4gf・cm/cm以下であり、且つ圧縮回復率が70%以上100%以下である水解性清掃物品を提供するものである。
本発明によれば、これまで知られている水解性清掃物品と同程度の水解性や清掃強度を保ちつつ、清掃性やハンドリング性が一層向上した水解性清掃物品が提供される。
図1は、本発明の嵩高水解性清掃物品の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、実施例で用いた針葉樹晒しクラフトパルプからなる粘状叩解パルプの走査型電子顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の水解性清掃物品の一実施形態を示す斜視図である。本実施形態の水解性清掃物品1は、第1の面1a及び第2の面1bを有しているシート状の形態を有している。嵩高水解性清掃物品1は、第2の面1b側から第1の面1a側に突出して形成された複数の凸部2,2・・を有している。凸部2は、水解紙1の長手方向X及び幅方向Yの各方向に列をなすように一定の間隔で配置されており、千鳥格子状の配置パターンをなしている。凸部2,2・・間には、それぞれ凹部3,3・・が形成されており、やはり千鳥格子状の配置パターンをなしている。凹部3は、第2の面1bが第1の面1aに向けて凹陥して形成されている。これによって水解性清掃物品1は複数の凹凸を有するものとなり、その全体が嵩高な三次元形状となっている。凸部2と凹部3とは相補形状となっていてもよく、あるいはそうでなくてもよい。
凸部2はほぼ半球の形状をしている。凹部3についても同様である。本実施形態の水解性清掃物品1は、清掃に際してその両面が同様な性能を有することが好ましい。この観点から、第1の面1aにおける凸部2の形状及び間隔は第2の面1bのそれと略同様であることが好ましい。また第1の面1aに存する凸部2は、第2の面1bに存する凹部3と表裏の関係にあり、同様に第1の面1aに存する凹部3は、第2の面1bに存する凸部2と表裏の関係にあることが好ましい。更に、凸部2の形状は、凹部3の形状を反転したものであることが好ましい。
水解性清掃物品1に形成されている凹凸形状のパターンは、凸部と凹部の繰り返しであり、凸部と凹部のピッチは3.5mm以上14.0mm以下であることが好ましく、5.0mm以上10.0mm以下であることが更に好ましい。凸部2の頂点と凹部3の頂点の差(溝深さ)は、水解性清掃物品1を嵩高にする観点から、好ましくは1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは1.5mm以上4.5mm以下である、一層好ましくは2mm以上4mm以下である。
凸部2は、水解性清掃物品1の一面において、10cm×10cmの正方形の領域を考えた場合、該面のいずれの位置においても、該領域中に平均して50個以上850個以下形成されていることが好ましく、100個以上600個以下形成されていることが更に好ましい。凸部2の個数をこの範囲内とすることにより、凸部2と凹部3とがバランスよく配されるので、本実施形態の水解性清掃物品1は、汚れの除去性に一層優れたものとなる。
図1に示す水解性清掃物品1は、水解紙に液体洗浄性薬剤が含浸されて構成されたウエットタイプのものである。したがってこの水解性清掃物品1は、別途に洗浄剤を併用することなく、そのままの状態で手軽に清掃操作に供することができる。
水解性清掃物品1は、1枚の水解紙を含んでいてもよく、あるいは2枚以上の複数枚の水解紙を含んでいてもよい。水解性清掃物品1が複数枚の水解紙を含む場合、各水解紙は同一のものでもよく、あるいは異なる種類のものであってもよい。異なる種類の水解紙とは、材質、坪量、厚みなど、水解紙を特定するための材料や物性値の少なくとも一つが異なっている2つ以上の水解紙のことである。
水解紙はその坪量が、柔らかさと十分な湿潤強度とのバランスの点から、20g/m以上120g/m以下であることが好ましく、40g/m以上60g/m以下であることが更に好ましい。水解性清掃物品1が複数枚の水解紙を含む場合、水解紙の坪量とは、各水解紙の坪量の総和のことである。
水解紙は、実質的に水分散可能な繊維と、該繊維を結着させるためのバインダとを含んでおり、シート状の形態をしている。水解紙は、実質的に水分散可能な繊維シートである。実質的に水分散可能な繊維は、親水性であることが好ましく、セルロース系繊維が典型的な例として挙げられる。セルロース系繊維としては、例えばパルプ、コットン等の天然繊維やレーヨン等の半合成繊維等が挙げられる。これらの繊維は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。叩解度を変えてフィブリル化した繊維を用いることもできる。パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ、広葉樹晒しクラフトパルプ等の漂白された木質パルプ、その他麻等由来のパルプ、化学処理を施してアルカリ膨潤したマーセル化パルプ、螺旋構造を有する化学架橋パルプ、微小繊維状セルロースを用いることもできる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系繊維やポリエステル系等の合成繊維を用いることもできる。水解紙は、特に、木質パルプを含んでいることが好ましい。木質パルプとしては、繊維長が好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、一層好ましくは5mm以下のものが用いられる。水解性清掃物品1の水解性と湿潤強度とを両立する観点からは、質量平均繊維長で0.5mm以上3.0mm以下の木質パルプを用いることが好ましい。とりわけ、水解紙は実質的に水分散可能な繊維として針葉樹晒しクラフトパルプ(以下「NBKP」という)を含んでいることが、水解性清掃物品1の強度向上やハンドリング性の向上の点から好ましい。
特に、水解紙が木質パルプを含んでいる場合、該パルプは粘状叩解によってフィブリル化が促進しているパルプ(以下、このパルプのことを「粘状叩解パルプ」とも言う。)を含むことが好ましい。粘状叩解パルプはNBKPであることが特に好ましい。水解紙が粘状叩解パルプを含むことで、水解性清掃物品1は高強度のものとなり、また嵩高さが維持されたものとなる。その結果、水解性清掃物品1を用いて清掃を行うと、該水解性清掃物品1が手にフィットして操作性が良好になる。また清掃操作中に水解性清掃物品1の厚みが意図せず薄くなりにくく、それによっても操作性が良好になる。更に清掃操作中に水解性清掃物品1によれが生じたり、丸まったりしにくくなり、それによっても操作性が良好になる。その上、清掃操作中に水解性清掃物品1が破れたり、穴が開いたりすることが効果的に防止される。
一般に、木質パルプを用いて紙を製造する場合、それに先立ちパルプを叩解することが多い。叩解とは、水の存在下でパルプを機械的に叩き、磨砕する操作である。パルプを機械的に磨砕して擦り潰すと、膨潤してフィブリル化する。フィブリル化とは、パルプが細かい枝状に分岐する現象である。パルプがフィブリル化することで、該パルプは抄紙機のワイヤ上で絡み合って水素結合を起しやすくなる。また、パルプは切断を受け、繊維長が短くなり適当な長さに揃い、それによって地合の良い強い紙を得ることができる。パルプを叩解する場合、叩解機の種類と叩解条件の選択によってパルプの切断がより多く起こる場合と、枝状化や膨潤が主として起こる場合とがある。前者は「カッティング叩解(又は遊離状叩解)」と呼ばれ、後者は「粘状叩解」と呼ばれる。カッティング叩解パルプは、繊維面が切断されたような状態を呈している。カッティング叩解パルプは、フィブリルを有しているものの、その数は少ないので、パルプどうしの結合力は一般に弱い。一方、粘状叩解パルプは、繊維表面が食いちぎられた状態を呈している。それによってフィブリル化が促進され、多数のフィブリルを有している。換言すれば、粘状叩解パルプは、パルプ繊維表面が部分的に解離してフィブリルが起毛した状態を呈している。このことに起因して、粘状叩解パルプは、それらどうしの結合力がカッティング叩解パルプよりも高い。その結果、粘状叩解パルプを原料として得られた紙は高伸度のものとなる。このように、カッティング叩解パルプ及び粘状叩解パルプはそれぞれに特徴を有するものであるところ、本発明においてはパルプとして、上述のとおり粘状叩解パルプを用いることで、上述した各種の利点を有する水解性清掃物品1を実現している。
パルプを叩解するためには一般に叩解機が用いられる。叩解機には様々なタイプがあり、タイプに応じた叩解が進行する。例えば金属刃物の擦り合わせに作用によってパルプを叩解するタイプの叩解機であるダブルディスクリファイナを用いた場合にはカッティング叩解パルプが主として得られる。これに対してデラックス・リファイナやダブルディスクリコニファイナを用いた場合には粘状叩解パルプが主として得られる。
水解性清掃物品1を構成する水解紙に含まれる針葉樹晒しクラフトパルプのうち80質量%以上が粘状叩解パルプであると、水解性清掃物品1の強度が一層高くなり、且つ一層嵩高なものとなるので好ましい。この効果を一層顕著なものとする観点から、水解紙に含まれる針葉樹晒しクラフトパルプに占める粘状叩解パルプの割合は85%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが一層好ましい。水解紙に含まれる針葉樹晒しクラフトパルプの実質的にすべてが粘状叩解パルプであることが最も好ましい。水解性清掃物品1が2枚以上の水解紙を含んでいる場合には、すべての水解紙に含まれる針葉樹晒しクラフトパルプに占める粘状叩解パルプの割合が、上述の値以上であることが好ましい。
パルプの叩解状態は一般にカナディアン・フリーネス・スタンダード(CFS)で表される。しかし、同じCSFの値であっても、粘状叩解パルプとカッティング叩解パルプとでは、フィブリル化の程度が全く相違する。したがって、CSFの値を尺度として粘状叩解パルプの状態を記述することは容易でない。
水解性清掃物品1は、上述のとおり、これを構成する水解紙中に粘状叩解パルプが含まれていることに起因して、高強度で、且つ嵩高なものとなる。また、清掃性やハンドリング性が一層向上したものとなる。水解性清掃物品1の清掃性やハンドリング性は、水解性清掃物品1の圧縮仕事量及び圧縮回復率を尺度として評価することができる。圧縮仕事量は、水解性清掃物品1のふっくら感の尺度となるものであり、その値が小さいほどふっくら感が高いことを意味する。圧縮回復率は、水解性清掃物品1を圧縮し、圧縮状態を解放したときの回復の程度を示す尺度であり、その値が大きいほど圧縮状態からの回復性が高いことを意味する。
水解性清掃物品1の圧縮仕事量は、0.4gf・cm/cm以下であることが好ましく、0.35gf・cm/cm以下であることが更に好ましく、0.3gf・cm/cm以下であることが一層好ましい。圧縮仕事量は、その値が小さければ小さいほど好ましいが、その下限値が0.20gf・cm/cm程度に小さければ、水解性清掃物品1はそのふっくら感が十分に高いものとなる。
水解性清掃物品1の圧縮回復率は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが一層好ましい。水解性清掃物品1の圧縮回復率は、70%以上100%以下であることが好ましく、80%以上100%以下であることが更に好ましく、90%以上100%以下であることが一層好ましい。
水解性清掃物品1の圧縮仕事量及び圧縮回復率は、カトーテック株式会社製のKES(カワバタ・エバリュエーション・システム)での測定値で表し得ることが一般的に知られている(参考文献:風合い評価の標準化と解析(第2版)、著者 川端季雄、昭和55年7月10日発行)。具体的には、カトーテック株式会社製の自動化圧縮試験装置KES−FB3−AUTO−Aを用いて圧縮仕事量及び圧縮回復率を測定することができる。測定手順は次のとおりである。
310cm×245cmの水解性清掃物品1を準備し、これを四つ折りにして試験台に取り付ける。四つ折りにされた水解性清掃物品1を面積2cm2の円形平面を持つ鋼板間で圧縮する。圧縮速度は10μm/sec、圧縮最大荷重は4.9kPaとする。回復過程も同一速度で測定を行う。圧縮仕事量WCは次式で表される。式中、Tm、To及びPは、それぞれ4.9kPa(50gf/cm2)荷重時の厚み、49Pa(0.5gf/cm2)荷重時の厚み、及び測定時の荷重(gf)を示す。
圧縮回復率RCは、圧縮時の圧縮仕事量WCと、圧縮状態から元の状態にまで戻したときの圧縮仕事量WC’との比である〔WC’/WC〕×100で表される。
水解性清掃物品1を四つ折りした状態で圧縮仕事量及び圧縮回復率を測定する理由は、水解性清掃物品1は四つ折りにして使用されることが典型的な使用形態だからである。
上述したとおり、水解性清掃物品1は嵩高なものである。水解性清掃物品1の嵩高さは、実質的に圧縮されていない状態及び圧縮された状態(つまり手で把持されて使用される状態)のいずれの場合であっても認められる。具体的には、非圧縮状態に対応する荷重である0.5gf/cm荷重下での水解性清掃物品1の厚みは3.5mm以上であることが好ましく、4.0mm以上であることが更に好ましく、5.0mm以上であることが一層好ましい。また、5.5mm以下であることが好ましい。0.5gf/cm荷重下での水解性清掃物品1の厚みは3.5mm以上5.5mm以下であることが好ましく、4.0mm以上5.5mm以上であることが更に好ましく、5.0mm以上5.5mm以上であることが一層好ましい。
一方、圧縮状態、すなわち使用状態に対応する荷重である50gf/cm荷重下での水解性清掃物品1の厚みは2.0mm以上であることが好ましく、2.5mm以上であることが更に好ましい。また、3.0mm以下であることが好ましい。0.5gf/cm荷重下での水解性清掃物品1の厚みは2.0mm以上3.0mm以下であることが好ましく、2.5mm以上3.0mm以下であることが一層好ましい。
上述のとおり、水解性清掃物品1を構成する水解紙にはバインダが含まれる。バインダは、液体洗浄性薬剤を含浸した状態下での湿潤強度発現、嵩高な凹凸形状の維持、及び水中に廃棄したときの水解性に寄与するものである。バインダとしては例えば水溶性バインダ及び水膨潤性バインダを用いることができる。
水溶性バインダとしては、天然多糖類、多糖誘導体、合成高分子などが挙げられる。天然多糖類としては、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプランなどが挙げられる。多糖誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンブン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらの水溶性バインダの添加量は、用途やバインダの種類に応じて適切な値とすることができるが、一般的には、バインダ添加前の水解紙の質量に対して1質量%以上30質量%以下、特に2質量%以上15質量%以下となるように添加されることが、嵩高性の維持、適度な湿潤強度発現、良好な水解性発現、経済性の観点から好ましい。また、これらのバインダは、水を高濃度に含む液体洗浄性薬剤が水解紙に含浸された状態において、一時的に不溶化して繊維間の結合を維持する結合剤として機能し、嵩高性や清掃時の強度維持の役割を果たすことが好ましい。この観点から、液体洗浄性薬剤中の水分含量は、30質量%以上95質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは50質量%以上95質量%以下、一層好ましくは60質量%以上95質量%以下であることが、トイレにおける尿ジミ汚れの洗浄性や、手肌への低刺激性の観点から好ましい。
このような水溶性バインダの一時不溶化は、水解紙への液体洗浄性薬剤の含浸量、水解紙や液体洗浄性薬剤に含まれるバインダ不溶化成分によって達成される。水解紙への液体洗浄性薬剤の含浸量は、バインダの種類や分子量、水解紙中の含有量によっても異なるため、限定はできないが、バインダの大半が溶解できないレベルの液体洗浄性薬剤を含浸させることが好ましい。また、バインダの不溶化成分としては、水溶性有機溶剤あるいは特定の酸や電解質等が挙げられる。
前記の水溶性有機溶剤としては、具体的にはエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールとのモノ又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。液体洗浄性薬剤において水溶性有機溶剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その濃度は、好ましくは30質量%以上70質量%以下、更に好ましくは30質量%以上60質量%以下、一層好ましくは30質量%以上50質量%以下である。また、後述する酸や電解質と併用する場合には、好ましくは1質量%以上50質量%以下、更に好ましくは5質量%以上40質量%以下、一層好ましくは10質量%以上30質量%以下の範囲である。
酸や電解質としては、代表的には塩析あるいは架橋により水溶性バインダを一時的に不溶化するものが挙げられる。塩析に用いる塩としては、水溶性の塩であれば特に限定されず、種々のものを用いることができる。一方、架橋に用いる塩としては、バインダの種類によって選択される物質が異なる。例えばカラギーナンやグアーガム等と架橋してゲル化するカリウムイオンを液体洗浄性薬剤中で供与する水溶性塩が挙げられる。また、少量の水溶性溶剤の存在下でカルボン酸系バインダと架橋して不溶化する二価金属イオンを液体洗浄性薬剤中で供与する水溶性塩が挙げられる。一方、ポリビニルアルコールと架橋ゲル化するホウ酸、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩が挙げられる。なお、これらの酸や電解質の液体洗浄性薬剤中での濃度は、バインダの種類や水解紙中の含有量によっても異なるので一概に特定できないが、清掃後の仕上がり性や手肌への残留性を考慮すると、好ましくは1質量%以上10質量%以下、更に好ましくは1質量%以上5質量%以下の範囲である。
液体洗浄性薬剤は水を媒体として前述した架橋剤及び有機溶剤が配合されてなるものである。液体洗浄性薬剤にはこれらの成分に加えて必要に応じ界面活性剤、殺菌剤、除菌剤、キレート剤、漂白剤、消臭剤、香料などを配合して、該液体洗浄性薬剤の清掃性能を高めてもよい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれもが用いられ、特に洗浄性と仕上がり性の両立の面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン界面活性剤並びにアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤が好適に用いられる。
液体洗浄性薬剤は、十分な清拭効果が発現する点から、水解紙の質量(乾燥基準)に対して好ましくは100質量%以上500質量%以下含浸され、更に好ましくは100質量%以上300質量%以下含浸される。複数枚の水解紙を用いる場合、水解紙の質量とは、各水解紙の質量の総和のことである。
一方、水解紙に含まれる水膨潤性バインダとしては、繊維状のポリビニルアルコールや繊維状カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシエチルセルロースなどが挙げられる。このような水膨潤性バインダを用いる場合には、一般的にパルプ繊維等の原料繊維と混合して抄紙される。水膨潤性バインダの水解紙中での含有率は、嵩高性の維持、適度な湿潤強度発現、良好な水解性発現、経済性の観点から、好ましくは5質量%以上40質量%以下、更に好ましくは8質量%以上30質量%以下、一層好ましくは10質量%以上25質量%以下の範囲である。水膨潤性バインダを用いた場合においても上述の水溶性バインダの場合と同様に、水解紙に水を高濃度に含む液体洗浄性薬剤が含浸された状態において、該バインダの膨潤が一時的に抑制されて繊維間の結合を維持する結合剤として機能し、嵩高性や清掃時の強度維持の役割を果たしていることが好ましい。例えば繊維状ポリビニルアルコールの場合においては、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸系塩、繊維状カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシエチルセルロースの場合においては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン等の二価金属イオンを生成する水溶性塩が好適に用いられる。
水溶性又は水膨潤性バインダの種類やそれにマッチしたバインダの一時不溶化あるいは膨潤抑制させる剤については、上述のごとく種々の組み合わせがあるが、その中でもカルボキシル基を有する水溶性バインダ、すなわちカルボン酸系水溶性バインダと、二価金属イオンと、水溶性有機溶剤とを含む液体洗浄性薬剤の組み合わせが好適である。
カルボン酸系水溶性バインダのうち特に好ましいものはカルボキシメチルセルロース(以下「CMC」ともいう)のアルカリ金属塩である。CMCはそのエーテル化度が0.8以上1.2以下、特に0.85以上1.1以下であることがバインダとしての性能が良好となる点、及び後述する架橋剤との親和性が良好である点から好ましい。CMCは25℃における1質量%水溶液の粘度が10mPa・s以上40mPa・s以下であることが好ましく、特に15mPa・s以上35mPa・s以下であることが更に好ましく、同温度における5質量%水溶液の粘度が2500mPa・s以上4000mPa・s以下であることが好ましく、特に2700mPa・s以上3800mPa・s以下であることが更に好ましく、更に60℃における5質量%水溶液の粘度が1200mPa・s以下であることがスプレーなどによって水解紙に添加する場合には、そのハンドリング性の面から好適である。
カルボン酸系水溶性バインダを含有する水解紙において、それに含浸される液体洗浄性薬剤としては、水分濃度が60質量%以上90質量%以下、水溶性有機溶剤の濃度が8質量%以上35質量%以下、及びアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の二価金属イオンを供与する水溶性二価金属塩を1質量%以上5質量%以下の濃度で含有する組成のものが、バインダを一時不溶化して、充分な湿潤強度を発現させ、且つ良好な水解性を得る点から好ましい。
水解性清掃物品1を構成する水解紙は種々の方法によって製造される。例えば、抄紙原料であるパルプ分散液中に、水溶性バインダと、該水溶性バインダのパルプへの定着剤とを添加して、所定量の水溶性バインダを含有する水解紙原反を製造する方法が知られている(特開平3−193996号公報)。また、パルプ分散液からシートをフォーミングし、プレス脱水あるいは半乾燥した後に水溶性バインダを噴霧乾燥あるいは塗工乾燥して、所定量の水溶性バインダを含有する水解紙原反を製造することも可能である。この際には、プレス脱水よりも熱風通過乾燥機などのプレ乾燥方式を用いた方が、低密度でより水解性の良い水解紙原反を得ることができる。更に上述の湿式抄紙法ではなく、水を使わずにパルプを乾式で解繊して、ウェブを形成した後、水溶性バインダを噴霧あるいは塗工し、その後乾燥して水解紙を製造することも可能である。いわゆるエアレイド製法である。
一方、水膨潤性バインダを含有する水分散可能な水解紙も種々の方法にて製造することが可能である。例えば、パルプ分散液中に所定量の水膨潤性の繊維状バインダを添加し、湿紙をフォーミングし、乾燥して水解紙を得る方法が知られている(特開平4−370300号公報、特開平2−74694号公報)。また、湿式抄紙法ではなく、エアレイド法にてパルプと水膨潤性の繊維状バインダの混合繊維原料を乾式解繊して、ウェブを形成した後、乾燥して水解紙を製造することが可能である。
更に、上述の方法を組み合わせることによって、水溶性バインダと水膨潤性バインダの両方を含有する水解紙を製造することも可能である。
このようにして得られた水解紙は、引き続く工程において、又は一旦ロールの形で保管された後に再度水が添加されて、嵩高エンボスによる凹凸賦形が施されると同時、あるいはその直後に乾燥が施されて、多数の凹凸部を有する嵩高な水解紙となる。このような製法は、例えば、特開2006−81883号公報の図4に示すような嵩高凹凸賦形と同時に乾燥ができるヒートエンボス装置によって行われる。
このようにして得られた水解紙に液体洗浄性薬剤が含浸されてなる水解性清掃物品1は、液体洗浄性薬剤が含浸されている程度では水解しないが、大量の水中に廃棄されると速やかに且つ繊維レベルでばらばらに崩壊する。水解性清掃物品1の水解の程度は、JIS P 4501−1993(トイレットペーパー)に規定されるほぐれやすさで表され、この値が低いほど水解性が良好であることを意味する。ほぐれやすさの目安として100秒以下が好ましく、更に好ましくは60秒以下が好ましい。
水解紙に液体洗浄性薬剤が含浸されてなる水解性清掃物品1は、例えば対物用としてトイレ、洗面所、台所など水回りの清掃、対人用としては、おしり拭き、介護用からだ拭き、メーク落し用シートとしても好適に用いられる。使用後の水解性清掃物品1はそのまま水に流して廃棄すればよく、水に流すと速やかに水解するので排水管を詰まらせることはない。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
特開2006−81883号公報の図3に記載されている湿式抄紙機を用いて、NBKP100%の紙料を抄紙して湿紙を得た。NBKPとして、相川鉄工株式会社製のADCダブルコニファイナ(ダブルコニカルタイプ)を用いて叩解処理を施した粘状叩解パルプを用いた。この粘状叩解パルプの走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
湿紙を第1乾燥機であるスルーエアードライヤーで水分率を4%まで乾燥させた。得られた紙を一対のプラスチック製コンベア間に挟持して搬送し、5%溶液で60℃、1000mP・sであるCMC(エーテル化度0.9、日本製紙製)バインダ液を噴霧した。噴霧量は紙の質量に対して130%とした。CMCの添加量は、紙の質量に対して6.5%であった。CMCが添加された紙を、第2乾燥機としてのヤンキードライヤで乾燥させた後、ドクターブレードによってクレープ加工を行った。これによって坪量40g/mのCMC添加水解紙を作製した。
この水解紙を2枚重ね(合計坪量80g/m)、これに対して水を噴霧した。水が噴霧された水解紙を一対のエンボスロール間に導入した。各エンボスロールは、その周面に多数の凹凸を有し且つ互いに噛み合い形状となっているものであった。エンボスパターンは、ピッチ7.0mm、溝深さ2.0mmであった。各エンボスロールは200℃に加熱されていた。水解紙は一対のエンボスロール間で挟圧されて凹凸賦形された。また、水解紙に含まれている水がエンボスロールの熱によって乾燥除去された。このようにして嵩高な水解紙を得た。エンボス後、以下に示す組成の液体洗浄性薬剤を含浸させて、目的とする水解性清掃物品を得た。含浸量は以下の表1に示すとおりとした。
〔液体洗浄性薬剤の組成〕
・アルキルグルコシド(界面活性剤) 0.2%
・サニゾール(除菌剤) 0.01%
・硫酸亜鉛(結合剤) 3%
・MFG NS(溶剤) 7%
・プロピレングリコール(溶剤) 13%
・水 バランス
〔実施例2及び3〕
液体洗浄性薬剤の含浸量及び液体洗浄性薬剤中の界面活性剤の濃度を以下の表1に示すとおりとした以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。
〔比較例1ないし4〕
液体洗浄性薬剤の含浸量、液体洗浄性薬剤中の界面活性剤の濃度、及び水解紙の坪量を以下の表1に示すとおりとした。また、NBKPとして、相川鉄工株式会社製のダブルディスクリファイナを用いて叩解処理を施したカッティング叩解パルプを用いた。これら以外は実施例1と同様にして水解性清掃物品を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた水解性清掃物品について上述した方法で四つ折り状態での圧縮仕事量WC及び圧縮回復率RC、並びに厚み(0.5gf/cm荷重下及び50gf/cm荷重下)を測定した。これらの値は、清掃操作後の水解性清掃物品についても測定した。清掃操作は、表面が平滑なタイル(25mm×25mm)を多数敷き詰めてなるタイル面(50cm×50cm)の全面を、水解性清掃物品で清拭することで行った。これを4回繰り返すことで合計1mを清拭し、清掃操作後品とした。また、使用したNBKPのフィブリル化の程度を以下の方法で評価した。それらの結果を表1に示す。更に、得られた水解性清掃物品について、以下の評価を行った。それらの結果を表2に示す。
<フィブリル化の程度>
叩解処理後のNBKPを水に分散させ、分散液の一部をスポイトで採取し、これをスライドガラス上に滴下した。滴下液を乾燥させた後、キーエンス株式会社のマイクロスコープを用いて倍率200倍でNBKPを観察した。そしてNBKPのフィブリル化の程度を以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
1.繊維全体にフィブリル化が観察された。
2.繊維の1/2程度の領域にフィブリル化が観察された。
3.繊維の1/4程度の領域にフィブリル化が観察された。
4.繊維にフィブリル化が僅かに観察された。
5.繊維にフィブリル化が極僅かに観察された。
6.繊維にフィブリル化が観察されなかった。
<清掃性能>
水解性清掃物品を用いて実際にトイレの便器掃除を行い、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:尿じみ及び便のこびりつきが簡単に落とせる。
△:尿じみ及び便のこびりつきが若干落ちにくい。
×:尿じみ及び便のこびりつきが落ちない。
<手へのフィット性>
水解性清掃物品を用いて実際にトイレの便器掃除を行い、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
○:手にフィットし持ち易くトイレ掃除がしやすい
△:やや手にフィットしにくくトイレ掃除がややしにくい
×:手に保持しにくくトイレ掃除がしにくい
<へたりにくさ>
表面が平滑なタイル(25mm×25mm)を多数敷き詰めてなるタイル面(50cm×50cm)の全面を、水解性清掃物品で清拭した。これを4回繰り返すことで合計1mを清拭し、清拭後の水解性清掃物品の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:清拭前と同等。
△:エンボス形状がややへたり、ややシートが薄くなった状態。
×:エンボス形状がへたり、シートが薄くなった状態。
<よれ及び丸まりの起こりにくさ>
表面が平滑なタイル(25mm×25mm)を多数敷き詰めてなるタイル面(50cm×50cm)の全面を、水解性清掃物品で清拭した。これを4回繰り返すことで合計1mを清拭し、清拭後の水解性清掃物品の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:清拭前と同等。
△:一部の領域によれや丸まりがある状態。
×:半分以上の領域によれや丸まりがある状態。
<破け及び穴の開きにくさ>
水解性清掃物品を用いて実際にトイレの便器掃除を行い、以下の基準で評価した。
〔評価基準〕
〇:掃除前と同等。
△:若干の破れや穴が発生。
×:大きな破れや穴が発生。
<水解性1>
JIS P4501に準じた方法で水解性清掃物品の水解性を以下の基準で評価した。
〇:100秒以内
×:100秒以上
<水解性2>
70mm×60mmのサイズの水解性清掃物品について、水解性1に準じて評価した。この評価方法は、実際の水解性清掃物品の水解性を評価した方法である。
〇:100秒以内
×:100秒以上
表1及び表2に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた水解性清掃物品は、比較例のものに比べて、使用前及び使用後のいずれの状態においても圧縮仕事量の値が低く、且つ圧縮回復率の値が高いことが判る。
また、各実施例で得られた水解性清掃物品は、比較例のものと同等の強度及び水解性を有しつつ、清掃性やハンドリング性に優れたものであることが判る。
1 水解性清掃物品
1a 第1の面
1b 第2の面
2 凸部
3 凹部

Claims (4)

  1. 複数の凹凸を有する坪量20g/m以上120g/m以下の水解紙に、該水解紙の乾燥質量に対して液体洗浄性薬剤が100質量%以上500質量%以下含浸されている水解性清掃物品であって、
    前記水解紙は、針葉樹晒しクラフトパルプ及びバインダを含有する実質的に水分散可能な繊維シートからなり、
    前記針葉樹晒しクラフトパルプが、繊維表面が部分的に解離してフィブリルが起毛した状態を呈している粘状叩解パルプを80質量%以上含み、
    四つ折り状態での前記水解性清掃物品の圧縮仕事量が0.4gf・cm/cm以下であり、且つ圧縮回復率が70%以上100%以下である水解性清掃物品。
  2. 四つ折り状態での前記水解性清掃物品の50gf/cm荷重下での厚みが2.0mm以上3.0mm以下であり、0.5gf/cm荷重下の厚みが3.5mm以上5.5mm以下である請求項1に記載の水解性清掃物品。
  3. 前記バインダがカルボキシル基を有する水溶性バインダである請求項1又は2に記載の水解性清掃物品。
  4. 前記液体洗浄性薬剤が二価の金属イオン及び水溶性有機溶剤を含有する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の水解性清掃物品。
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