JP2017008424A - 塗剤塗付用クロスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】拭き取り性と塗剤塗付性の両方を具備する清掃布を提供することにある。
【解決手段】塗剤塗付用クロスの製造方法であって、ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布であって、前記ポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字4の下端5で上下左右に連結した略Y4形状であるポリエステル不織布を準備する工程、前記ポリエステル不織布に任意の形状の多数の孔を設ける工程、前記多数の孔が設けられたポリエステル不織布の上に短繊維ウェブを載せて、高圧水流を施して、短繊維とポリエステル不織布を構成する繊維とを交絡させてポリエステル不織布と短繊維ウェブとを一体化するとともに、短繊維ウェブを構成する短繊維同士も交絡させる工程とから構成される塗剤塗付用クロスの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、家具やソファ、床等や革靴等の革製品等の対象物に、艶出し剤等の塗剤を塗布するためのクロスに関するものである。
従来より、不織布は使い捨ての拭き布として使用されている。そして、拭き取る対象物によって、拭き取る側の不織布の構成も様々な構造や形態のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、ダストの捕集性と保持性に着目し、スパンボンド不織布の上に短繊維層を積層して一体化したシートであって、圧縮応力と圧縮応力緩和率が特定の範囲とすることにより、床上のクリーニング効果を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、この技術によれば、具体的な構成は、ポリエステル長繊維不織布の上にポリエステル短繊維とポリプロピレン短繊維とを混繊させたものを積層して交絡一体化したものであるが、特定の圧縮応力と圧縮応力緩和率を達成するための具体的な手法が記載されておらず、優れた効果を発揮させるためのパラメータを満足する不織布を得るには、さらなる試行錯誤を要する。
また、特許文献2には、汚れを拭き取るだけではなく、拭き取りながら対象物に艶出しを行う技術が開示されている。この技術によれば、特定の成分を含む艶出し成分エマルションと滑り止め成分エマルションとを特定の比率で混合されたエマルションをクロスに含浸させ、このクロスにより清掃と艶出しの両方を発揮するというものである。なお、クロスの構成については、吸水性クロス、吸水性混紡クロス、吸水性親油クロスと開示はあるが、詳細な説明はなく、特に制限されないとしている。
特開2007−154376号公報 特開2004−180922号公報
一方、本発明者は、特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布を開発した(特開2013−76162号公報)。このポリエステル不織布は、ポリエステル長繊維を構成繊維とする不織布であって、該ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した形状であることを特徴とするポリエステル不織布であり、高剛性であるとともに、断面の凹部にてゴミの捕集性にも優れるという特性を持っている。
本発明者は、様々な拭き取り対象物に応じた清掃布を容易に提供しうる方法について検討しており、上記特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布の特性を活かしながら、様々な拭き取り性を具備する清掃布が得られないかを検討していたところ、ポリエステル不織布に任意の孔を設け、この不織布と短繊維ウェブとを高圧水流により積層して一体化したところ、任意の孔に存在する短繊維ウェブが表出し、機能性が付与できることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。そして、本発明の課題は、クロスの構成を検討することにより、拭き取り性と塗剤塗付性の両方を具備する清掃用のクロスを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するものであって、
塗剤塗付用クロスの製造方法であって、
ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布であって、前記ポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であるポリエステル不織布を準備する工程、
前記ポリエステル不織布に任意の形状の多数の孔を設ける工程、
前記多数の孔が設けられたポリエステル不織布の上に短繊維ウェブを載せて、高圧水流を施して、短繊維とポリエステル不織布を構成する繊維とを交絡させてポリエステル不織布と短繊維ウェブとを一体化するとともに、短繊維ウェブを構成する短繊維同士も交絡させる工程とから構成されることを特徴とする塗剤塗付用クロスの製造方法を要旨とするものである。
本発明の製造方法により得られる塗剤塗付用クロスは、任意の多数の孔が設けられたポリエステル不織布と短繊維ウェブとが積層一体化したものである。そして、ポリエステル不織布の孔が設けられた箇所においては、短繊維ウェブのみが存在する。ポリエステル不織布側から見た際には、該不織布に設けられた任意の孔の個所は、短繊維ウェブのみが存在して、短繊維ウェブが表出することとなる。したがって、該不織布に設けた孔の箇所は、異なる形態であり、また異なる素材となる短繊維ウェブが表出する。そして、孔以外の箇所は、ポリエステル不織布と短繊維ウェブとが積層された2層構造である。ポリエステル不織布に設ける孔の形状や孔の配置を適宜設計することにより、短繊維ウェブのみが存在し表出する箇所を任意に設定できる。したがって、2枚の異なる素材が積層してなる布帛でありながら、両素材が表側(ポリエステル不織布側)に表出することとなり、拭き取り性と塗剤塗付性の両方、すなわち、汚れやダストの拭き取り・捕集・保持、塗剤の保持と対象物への塗布、塗剤を塗布した対象物の磨きの機能を発揮する。
本発明の製造方法においては、まず、ポリエステル不織布を準備する。そして、この不織布に、任意の多数の孔を設ける。ポリエステル不織布の構成繊維は、後述する高圧水流の作用によって、積層する短繊維と交絡一体化するものであるため、構成繊維間には、短繊維と交絡しうる空隙を有することを要する。本発明においては、ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布であって、前記ポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した略Y4形状であるものを用いる。
このポリエステル長繊維は、その横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。この略Y4形状は、四個の凹部2と八個の凸部3と四個の小凹部4とを有している。このように多数の凹部2、多数の小凹部4、多数の凸部3を持っており、嵩高性に優れている。また、四個の凹部2の箇所に拭い取った細かい汚れを捕捉しやすい。そして、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。かかるポリエステル長繊維を集積して、高剛性のポリエステル不織布を準備する。特に、ポリエステル長繊維相互間を熱融着することにより結合して、嵩高で且つ高剛性のポリエステル不織布を準備することができる。このポリエステル不織布は、嵩高性と剛性に優れ、また形態安定性に優れるため、対象物を擦った際に、クロスの形状は変化しにくく、作業性が良好であり、剛性によって汚れを強く掻き取ることができ、掻き取った大きな汚れは繊維間の空隙に補足できる。
ポリエステル長繊維は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型とするのが好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させて、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって熱融着されたポリエステル不織布が得られるからである。また、ポリエステル不織布を構成するポリエステル長繊維の繊度は、10デシテックス以上であるのが好ましい。繊度が10デシテックス未満になると、長繊維の剛性が低下する傾向が生じ、ひいてはポリエステル不織布の剛性も低下する傾向が生じる。また、ポリエステル不織布の目付は、15〜70g/m2であるのが好ましい。目付が15g/m2未満になると、ポリエステル不織布の剛性が低下する傾向が生じる。目付が70g/m2を超えると、高圧水流の通過性が低下する傾向が生じる。なお、本発明で用いるポリエステル不織布の詳細については、本出願人が開示してなる特開2013−76182号公報に詳述されている。
準備したポリエステル不織布には、任意の形状の多数の孔を設ける。孔に応じた箇所が後述する短繊維ウェブのみが存在する箇所となる。孔の形状は、円形、楕円形、正方形や長方形等の四角形、三角形、多角形、星形、数字や文字等も挙げられる。また、孔の個々の面積もまた任意に設計すればよいが、塗剤の塗布性等を考慮すると20mm〜900mm程度、ポリエステル不織布全体に対して孔が占める面積の比率(孔面積比)が12〜76%が好ましい。また、孔の配置や配設密度についても、任意に設定すればよい。例えば、孔がタテヨコいずれの方向にも均等に配置してなるものや、千鳥状に配置してなるものであってもよく、比較的密集して配置している箇所と比較的まばらに散在している箇所とを設けてもよい。孔同士の間隔についても任意であり、例えば3〜50mm程度の範囲で適宜選択すればよい。配設密度についても、孔の大きさ、孔面積比等を考慮して適宜設計すればよく、例えば100cm中に9〜100個程度がよい。孔を設ける方法としては、例えば、打ち抜き加工によって任意の個所に任意の形状を打ち抜くことで設けるとよい。
次いで、短繊維ウェブを準備する。短繊維ウェブを構成する短繊維としては、高圧水流を施した際の水流の作用によって、繊維が動き、交絡することができるものであればよく、その素材としては、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維、ポリエステルやポリオレフィン等の熱可塑性繊維等が挙げられ、短繊維の素材に応じて、吸水性、親水性、親油性等を付与することができる。例えば、短繊維として、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維を用いると液状タイプの塗剤の吸液性が良好となる。ポリオレフィンからなる繊維は親油性が良好である。また、短繊維として、1デシテックス未満の極細繊維を用いることにより、対象物を磨き上げる効果を向上させることができる。短繊維の繊維長は、交絡性を考慮して、10〜70mm程度がよい。短繊維ウェブの目付は特に限定されず、所望により適宜選択すればよいが、15〜100g/m程度がよい。
上記の多数の孔を設けたポリエステル不織布の上に短繊維ウェブを載せて、ポリエステル不織布と短繊維ウェブとの積層体を多孔性支持体に担持し、そのとき、ポリエステル不織布が、多孔性支持体側に位置するように設置して、短繊維ウェブ側から高圧水流を施すとよい。短繊維ウェブ側から高圧水流を施して、高圧水流を短繊維に直接作用させることにより、短繊維同士あるいは短繊維と不織布を構成する繊維とをより効率よく交絡して一体化する。高圧水流は、一般的に、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔から、2〜14MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。
高圧水流を施す際にポリエステル不織布と短繊維ウェブとの積層体を担持する多孔性支持体は、10〜100メッシュの織物を用いて、織物の形態に応じた模様を短繊維ウェブに付与することができる。なかでも、40メッシュ以下の粗目織物(ここで、例えば10メッシュとは、2.54cmあたりの経糸および/または緯糸の本数が10本の織物をいう)を用いると、短繊維ウェブには、粗目織物の形状に応じた凹凸模様を付与することができる。すなわち、ポリエステル不織布の孔を設けた箇所に存在する短繊維ウェブは、高圧水流の作用により、多孔性支持体である粗目織物に直に接する。そして、粗目織物と接した状態で、高圧水流の作用を受けるため、粗目織物を構成する経糸、緯糸、およびその糸同士の交点であるナックル部分に存在している短繊維が粗目織物の開口部分に移動し、この移動により短繊維の存在密度差が生じ、ポリエステル不織布の孔を設けた箇所に存在する短繊維ウェブには、多孔性支持体である粗目織物の形状に応じた凹凸模様が付与されるのである。このとき、短繊維ウェブに付与された凹凸模様における凹部は、繊維が存在しない開口となることもある。
一体化した積層体には、高圧水流による水分が含まれているので、乾燥して水分を除去し、クロスを得る。
以上のようにして得られた塗剤塗付用クロスは、任意の多数の孔が設けられたポリエステル不織布と短繊維ウェブとが積層一体化したものであり、ポリエステル不織布に設けた孔の箇所においては、短繊維ウェブのみが存在し表出する。したがって、2枚の異なる素材が積層してなる積層体でありながら、両素材が表側(ポリエステル不織布側)に表出することとなり、それぞれの素材に応じた機能を発揮するものとなる。ポリエスエル不織布は、高剛性であるため、使用時にクロスが変形することを防ぐため形態保持性が良好であり、こびり付いた汚れの掻き取り性や、比較的大きな汚れやゴミの捕集性に優れるものである。一方、短繊維ウェブは、塗剤を保持する機能を主として有し、保持した塗剤は、ポリエステル不織布の孔の個所(短繊維ウェブが表出している箇所)より、直接対象物に移行させて、良好に塗りつけることができる。さらには、塗剤を塗り付けた対象物を、柔軟性を有する短繊維ウェブの個所で、磨き上げることができる。なお、短繊維ウェブは、繊維同士の交絡により細かい繊維間空隙を有し、吸液性があり、さらには凹凸模様を有するため、塗剤の形状としては、液体状、ジェル状、ワックス状等のいずれも良好に保持できる。
本発明に係る塗剤塗付用クロスは、特殊な断面形状を有する長繊維からなるポリエステル不織布と短繊維ウェブとが積層されたものであり、ポリエステル不織布に設けた任意の孔の個所は短繊維ウェブのみが存在することから、2枚の異なる素材が積層してなる積層体でありながら、両素材が表側(ポリエステル不織布側)に表出することとなる。そして、短繊維ウェブで保持した塗剤を、ポリエステル不織布側に表出させた短繊維ウェブの箇所から直接対象物に移行させて塗布させ、良好に磨き上げることができる。
実施例
[ポリエステル不織布の準備]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図3に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧294N/cmの条件として、複合型ポリエステル長繊維相互間を低融点成分で熱融着して、目付40g/m2のポリエステル不織布を得た。
[不織布に孔を設ける工程]
上記したポリエスエル不織布に144mmの正方形の形状の孔を、配設密度25個/100cmで配置するように打ち抜き加工を行い、多数の孔が設けられた長繊維不織布を得た(孔面積比36%)。
[短繊維ウェブの準備]
一方、精練・漂白したコットン繊維(繊維長約25〜35mm)を用いて、大和機工株式会社製のサンプルローラーカード機にて目付30g/m2のコットンウェブを作成した。
[塗剤塗付用クロスの製造]
上記した孔が設けられたポリエステル不織布の上に、上記したコットンウェブを積層し、二層積層体を作成した。そして、この二層積層体を、16メッシュのステンレス製粗目織物(経糸および緯糸ともに16本/2.54cm)上に載せ、ノズル径0.13mm、水圧8.3MPaの条件で、ポリエステル不織布の表面に積層されたコットンウェブ側から高圧水流を施し、一体化した二層積層体を得た。一体化した二層積層体から水分を乾燥除去し、本発明のクロスを得た。
得られたクロスにおいては、ポリエステル不織布に設けた正方形の孔の個所はコットンウェブのみが存在し、その箇所のコットンウェブには、16メッシュの粗目織物に応じた凹凸模様が付与されていた。
[拭き取り評価]
拭き取り評価として、評価用のフロアー材を準備した。すなわち、フロアー材(ダイケン カラーフロアー リビングフロア オーク ファインオーカー色 品番:LVFR−FL)の表面にコーヒー(アサヒ飲料社 缶コーヒー 商品名:ワンダ金の微糖)を0.25cc滴下し、間隔を5cmあけてソース(カゴメ社 商品名:カゴメソースウスター醸熟)を0.25cc滴下し、それを80℃の熱風乾燥機内で90分間放置し乾燥させ、コーヒーとソースの固形分がフロアー材表面にこびり付いた状態の拭き取り性能評価用のフロアー材を得た。
上記実施例にて得られたクロスを7cm×7cmの大きさに裁断し、このクロス片に、ワックス(リンレイ社 フローリング専用ワックス 商品名:つやピカ NEW)を水で3倍に薄めたものを塗剤とし、この塗剤0.25ccをコットンウェブ側から滴下してクロスに含ませ(クロス片質量に対する塗剤の量が約50wt%)、この塗剤を保持したクロス片を用い、ポリエステル不織布面側がフロアー材側となるにして、フロアー材を拭き取ったところ、フローリング材表面にこびり付いたコーヒー汚れ、ソース汚れがきれいに拭き取られ、また、クロスが保持していた塗剤はフローリング材側へ移行し、きれいに磨かれて光沢を放っていた。
また、比較例として、木綿のみからなるスパンレース不織布(目付100g/m ユニチカ社製 品番C100S/A01)を用いて、7cm×7cmに裁断して、この不織布片を比較例のクロスとして上記と同様に塗剤を含ませ、コーヒーとソースの固形分がフロアー材表面にこびりついた状態の評価用フロアー材を拭き取った。比較例のクロスは、実施例のクロスと比較して目付は大きいものの、力を入れて擦ろうとすると実施例1と比較して形態保持性に劣り、クロスがよれてしまい扱いにくく、実施例のクロスと比較して、固形分の拭き取り性が劣るものであった。
本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。 本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。 実施例1で用いたポリエステル不織布を製造するときに用いる紡糸孔の形状を示した図である。
1 ポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部

Claims (4)

  1. 塗剤塗付用クロスの製造方法であって、
    ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布であって、前記ポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であるポリエステル不織布を準備する工程、
    前記ポリエステル不織布に任意の形状の多数の孔を設ける工程、
    前記多数の孔が設けられたポリエステル不織布の上に短繊維ウェブを載せて、高圧水流を施して、短繊維とポリエステル不織布を構成する繊維とを交絡させてポリエステル不織布と短繊維ウェブとを一体化するとともに、短繊維ウェブを構成する短繊維同士も交絡させる工程とから構成されることを特徴とする塗剤塗付用クロスの製造方法。
  2. ポリエステル不織布に設ける多数の孔は、孔の個々の面積が20mm〜900mm、ポリエステル不織布全体に対して孔が占める面積の比率が12〜76%であることを特徴とする請求項1記載の塗剤塗付用クロスの製造方法。
  3. 高圧水流を施す際に短繊維ウェブとポリエステル不織布との積層体を担持する多孔性支持体が、10〜100メッシュの粗目織物であり、ポリエステル不織布の孔に相当する位置に存在する短繊維ウェブに、10〜100メッシュの織物に応じる模様を付与することを特徴とする請求項1または2記載の塗剤塗付用クロスの製造方法。
  4. ポリエステル長繊維が、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維であって、該低融点ポリエステルの熱融着により、該複合型ポリエステル長繊維相互間が係合されてなるポリエステル不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の塗剤塗付用クロスの製造方法。
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