JP2017136154A - 清掃布 - Google Patents

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Yukihiro Kihara
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Abstract

【課題】 拭き取り対象物に応じた様々な拭き取り性を具備する清掃布を提供することにある。【解決手段】 短繊維不織布または抄造シートと、ポリエステル長繊維不織布とが積層一体化してなる2層構造の積層不織布により構成される清掃布であり、短繊維不織布側または抄造シート側を拭き取り対象物に接することによって清拭するものであり、ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した略Y4形状であり、短繊維不織布および抄造シートは多数の開孔を有しており、積層不織布において、短繊維不織布または抄造シートが有する開孔の個所は、ポリエステル長繊維不織布のみが存在して、開孔の箇所から、ポリエステル長繊維不織布が、短繊維不織布側または抄造シート側に表出している清掃布。【選択図】 図4

Description

本発明は、清拭性に優れた清掃布に関するものである。
従来より、不織布は使い捨ての拭き布として使用されている。そして、拭き取る対象物によって、拭き取る側の不織布の構成も様々な構造や形態のものが開発されている。
例えば、特許文献1には、ダストの捕集性と保持性に着目し、スパンボンド不織布の上に短繊維層を積層して一体化したシートであって、圧縮応力と圧縮応力緩和率が特定の範囲とすることにより、床上のクリーニング効果を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、この技術によれば、具体的な構成としては、ポリエステル長繊維不織布の上にポリエステル短繊維とポリプロピレン短繊維との混繊させたものを積層して交絡一体化したものであるが、特定の圧縮応力と圧縮応力緩和率を達成するための具体的な手法が記載されておらず、優れた効果を発揮させるためのパラメータを満足する不織布を得るためには、さらなる試行錯誤を要するものである。
特開2007−154376号公報
本発明者は、様々な拭き取り対象物に応じた清掃布を容易に提供しうる方法について検討していた。一方、本発明者は、特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布を開発した(特開2013−76162号公報)。このポリエステル不織布は、ポリエステル長繊維を構成繊維とする不織布であって、該ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した形状であることを特徴とするポリエステル不織布であり、高剛性であるとともに、断面の凹部にてゴミの捕集性にも優れるという特性を持っている。
そして、この特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布の特性を活かしながら、様々な拭き取り性を具備する清掃布が得られないかを検討していたところ、短繊維不織布に任意の孔を設け、その短繊維不織布とポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布であって、前記した特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布と積層して一体化したところ短繊維不織布に設けた孔の箇所から、積層したポリエステル不織布が表出し、特殊な横断面形状が有する機能性が付与できることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。したがって、本発明の課題は、拭き取り対象物に応じた様々な拭き取り性を具備する清掃布を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するものであって、
短繊維不織布または抄造シートと、ポリエステル長繊維不織布とが積層一体化してなる2層構造の積層不織布により構成される清掃布であり、
短繊維不織布側または抄造シート側を拭き取り対象物に接することによって清拭するものであり、
ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、
短繊維不織布および抄造シートは多数の開孔を有しており、
積層不織布において、短繊維不織布または抄造シートが有する開孔の個所は、ポリエステル長繊維不織布のみが存在して、開孔の箇所から、ポリエステル長繊維不織布が、短繊維不織布側または抄造シート側に表出していることを特徴とする清掃布を要旨とする。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の清掃布は、任意の多数の孔が設けられた短繊維不織布または抄造シート(以下、「短繊維不織布または抄造シート」あるいは「短繊維不織布および抄造シート」のことを、「短繊維不織布等」と略記することもある。)と略Y4形状からなるポリエステル長繊維不織布とが積層一体化した2層構造の積層不織布により構成される。そして、短繊維不織布等の孔が設けられた箇所においては、ポリエステル長繊維不織布のみが存在し、開孔の箇所から、ポリエステル長繊維不織布が、短繊維不織布等側に表出することとなる。したがって、短繊維不織布等に設けた孔の箇所には、異なる形態であり、また異なる素材から構成されるポリエステル長繊維不織布が表出し、短繊維不織布等に設ける孔の形状や孔の配置を任意に選択することにより、ポリエステル長繊維不織布のみが存在し表出する箇所を任意に設定することができる。したがって、2枚の異なる素材が積層してなる布帛でありながら、両素材が表側(短繊維不織布等側)に表出することとなる。そして、本発明の清掃布は、短繊維不織布等側が、拭き取り対象物と接することによって清拭するものであることから、短繊維不織布等とポリエステル長繊維不織布とのそれぞれの素材に応じた汚れの掻き取り性、ダストの捕集性、洗浄剤,研磨剤や塗り液保持性等の機能を発揮するものとなる。
本発明に用いる短繊維不織布等について、説明する。
短繊維不織布としては、乾式不織布であって、高圧水流を施して繊維同士が交絡してなるスパンレース不織布を用いることができる。構成繊維としては、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維、ポリエステルやポリオレフィン等の熱可塑性繊維等が挙げられる。コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維を用いると吸液性が付与できるため、ウェットタイプの清掃布とする場合や、洗浄液の吸液性の観点から好ましく、また、液体の汚れを吸い取り性にも優れるため好ましい。また、短繊維不織布中に熱バインダー繊維を適宜混合させ、ポリエステル長繊維不織布と短繊維不織布との一体化の際に、熱処理を施して熱バインダー繊維を溶融軟化させて熱接着することによって一体化してなる積層不織布を得ることができる。また、短繊維として、1デシテックス未満の極細繊維を用いることにより、細かい塵埃の捕集性を向上させることができる。短繊維の繊維長は、不織布を得る際の高圧水流による交絡性を考慮して、10〜70mm程度がよい。水流交絡不織布の目付は特に限定されず、所望により適宜選択すればよいが、15〜100g/m程度がよい。
また、乾式不織布として、構成繊維同士が熱接着してなるサーマルボンド不織布を用いることもできる。サーマルボンド不織布は、繊維間空隙が大きく、一般的に嵩高な不織布である。構成繊維は、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維等の熱可塑性合成繊維を用いる。前記したように、1デシテックス未満の極細繊維を用いることにより、細かい塵埃の捕集性を向上させることができる。繊維長は、不織布の材料となるウェブ形成性を考慮して任意に選択すればよく、10〜80mm程度がよい。サーマルボンド不織布の目付は特に限定されず、所望により適宜選択すればよいが、15〜100g/m程度がよい。
湿式抄造法により得られる抄造シートは、水分散工程で繊維が集束あるいは繊維同士が縺れないで水を主成分とする分散液に分散させて得るものであり、その素材としては、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維、ポリエステルやポリオレフィン等の熱可塑性繊維等が挙げられる。例えば、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維を用いると吸液性が付与できるため、ウェットタイプの清掃布とする場合や、洗浄液の吸液性の観点から好ましく、また、液体の汚れを吸い取り性にも優れるため好ましい。また、熱バインダー繊維を適宜混合させ、ポリエステル長繊維不織布と抄造シートとの一体化の際に、熱処理を施して熱バインダー繊維を溶融軟化させて熱接着することによって一体化してなる積層不織布を得ることができる。抄造シートの構成繊維として、1デシテックス未満の極細繊維を用いることにより、細かい塵埃の捕集性を向上させることができる。抄造シートを構成する繊維の繊維長は、液中での繊維分散性を考慮して、5〜15mm程度がよい。抄造シートの目付は特に限定されず、所望により適宜選択すればよいが、15〜120g/m程度がよい。
短繊維不織布等は、多数の孔を有する。この多数の孔の個数、大きさ、形状は、目的に応じて任意に設計すればよい。短繊維不織布等が有する孔に応じた箇所が、積層不織布において、後述するポリエステル長繊維不織布のみが存在する箇所となる。孔の形状は、円形、楕円形、正方形や長方形等の四角形、三角形、多角形、星形、数字や文字等も挙げられる。また、孔の個々の面積もまた任意に設計すればよいが、開孔の面積が20mm〜2500mm程度が好ましい。孔の配置や配設密度についても、任意に設定すればよい。例えば、孔がタテヨコいずれの方向にも均等に配置してなるものや、千鳥状に配置してなるものであってもよく、比較的密集して配置している箇所と比較的まばらに散在している箇所とを設けてもよい。孔同士の間隔についても任意であり、例えば3〜50mm程度の範囲で適宜選択すればよい。配設密度についても、孔の大きさ等を考慮して適宜設計すればよく、例えば225cm中に1個以上とし、開孔面積率は5%以上がよい。孔を設ける方法としては、例えば、打ち抜き加工によって任意の個所に任意の形状を打ち抜くことで設けるとよい。
次に本発明において用いるポリエステル長繊維について説明する。ポリエステル長繊維不織布は、構成繊維であるポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した略Y4形状である。
このポリエステル長繊維は、その横断面形状に特徴を有するものであり、略Y4形状とは、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。この略Y4形状は、四個の凹部2と八個の凸部3と四個の小凹部4とを有している。このように多数の凹部2、多数の小凹部4、多数の凸部3を持っており、嵩高性に優れている。また、四個の凹部2の箇所に塵埃が捕捉されやすく、塵埃除去性に優れている。そして、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。かかるポリエステル長繊維を集積して、高剛性のポリエステル不織布を準備する。特に、ポリエステル長繊維相互間を熱融着することにより結合して、嵩高で且つ高剛性のポリエステル不織布を準備することができる。
ポリエステル長繊維は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型するのが好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させた後、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって熱融着されたポリエステル不織布が得られるからである。また、ポリエステル不織布を構成するポリエステル長繊維の繊度は、10デシテックス以上であるのが好ましい。繊度が10デシテックス未満になると、長繊維の剛性が低下する傾向が生じ、ひいてはポリエステル不織布の剛性も低下する傾向が生じる。また、ポリエステル不織布の目付は特に限定されるものではなく、清掃布の使用目的により好ましい目付を選定すればよい。なお、本発明で用いるポリエステル不織布の詳細については、本出願人が開示してなる特開2013−76182号公報に詳述されている。
本発明の清掃布は、上記した多数の孔を有する短繊維不織布等と上記ポリエステル長繊維不織布とを積層して一体化してなる2層構造の積層不織布により構成される。
積層一体化する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、熱エンボスロール等により熱を付与して、構成繊維の一部を軟化または溶融により固化させて熱接着する方法、短繊維不織布等側からの高圧水流を作用させて層間に存在する繊維同士を交絡させて一体化する交絡方法、高圧水流と同様で、短繊維不織布等側からスチームジェットを作用させて層間に存在する繊維同士を交絡させて一体化する交絡方法、層間にホットメルト接着剤を介在させて、熱処理を施すことにより熱接着一体化させるホットメルト接着方法等が挙げられる。なかでも、ホットメルト接着剤を用いて熱接着により貼り合わせて一体化するホットメルト接着方法が、接着強力や形状安定性等で好ましい。ホットメルト接着剤の形態としては、パウダー状のものや、短繊維状、シート状のもの等が挙げられる。ホットメルト接着剤を用いて接着するにあたっては、短繊維不織布等とポリエステル長繊維不織布との間にホットメルト接着剤を挟み込み、加熱し、また必要に応じて加圧して一体化するとよいが、短繊維不織布等が有する開孔より表出するポリエステル長繊維不織布の表面には、ホットメルト接着剤を存在させないようにする。したがって、例えば、多数の開孔を設ける前の短繊維不織布等の片面に、シート状のホットメルト接着シートを積層し、その後に、多数の開孔を設けて、ホットメルト接着シートが積層された短繊維不織布等を、ホットメルト接着シート側がポリエステル不織布側に接するように重ねて、加熱し、必要に応じて加圧して一体化するとよい。あるいは、短繊維不織布等に多数の開孔を設けた後、パウダー状のホットメルト接着剤を散布し、ホットメルト接着剤側がポリエステル長繊維不織布側となるように、短繊維不織布等とポリエステル長繊維不織布とを積層し、加熱し、必要に応じて加圧して一体化するとよい。
本発明の清掃布は、任意の多数の孔が設けられた短繊維不織布等と特殊な横断面である略Y4形状の長繊維からなる不織布とが積層一体化したものであり、短繊維不織布等に設けた孔の箇所においては、略Y4形状の長繊維からなる不織布のみが存在し表出することとなる。したがって、2枚の異なる素材が積層してなる積層体でありながら、清掃面となる短繊維不織布等側には、異なる2つの素材が表出することとなり、それぞれの素材に応じた機能を発揮する。例えば、短繊維不織布等に吸水性を有するセルロース系繊維を用いることにより、水分等の拭き取り性を向上させることができ、また、ウェット状態で使用するウェットワイパーとしての使用に適したものとなる。また、極細繊維を用いることにより、短繊維ウェブの個所では細かな塵埃を捕集しやすく、清掃布として、大きな汚れやゴミと細かな汚れや塵埃の両者を一枚の布で拭い取ることができる。またさらに、短繊維の素材を適宜選択することによって更なる機能性を付与することができる。清掃面とは反対面に存在する横断面が略Y4形状の長繊維からなる不織布は、剛性に優れ、形態安定性を有するため、清掃時に清掃布が撚れることなく形状を保持し、また、清掃面(短繊維不織布等の面)の開孔の箇所には、この剛性を有する長繊維不織布が表出しているので、こびり付いた汚れの掻き取り性や、比較的大きな汚れやゴミの捕集性に優れる。
本発明に係る清掃布は、短繊維不織布または抄造シートと「略Y4形状」という特殊な横断面形状を有する長繊維からなるポリエステル不織布とが積層されたものであり、短繊維不織布または抄造シートに設けた孔の個所は横断面が略Y4形状の長繊維不織布のみが存在する。したがって、本発明の清掃布は、短繊維不織布側または抄造シート側を拭き取り対象物に接して清拭するものであり、清拭面(短繊維不織布面または抄造シート面)は、2枚の異なる素材が、両者ともに表出することとなり、それぞれの形態・素材に応じた様々な拭き取り機能を発揮する。
以下、本発明について、実施例によって具体的に説明する。
実施例1
[短繊維ウェブの準備]
精練・漂白したコットン繊維(繊維長約25〜35mm)を用いて、大和機工株式会社製のサンプルローラーカード機にて目付50g/mのコットンウェブを作成した。得られたコットンウェブを16メッシュのステンレス製粗目織物(経糸および緯糸ともに16本/2.54cm)上に載せ、ノズル径0.13mm、水圧8.3MPaの条件で、コットンウェブに高圧水流を施し構成繊維同士を交絡させ、繊維同士が交絡してなるコットンウェブから水分を乾燥除去し、目付50g/mの短繊維不織布を得た。
[不織布の片面にホットメルト接着剤層を設ける工程]
上記短繊維不織布の上に融点115℃のくもの巣状のホットメルト接着シート(目付25g/m)を載せて、その上にテフロン(登録商標)シート(厚み1mm)を載せて、さらにその上に170℃に加熱した表面平滑な金属板を載せることにより、上記不織布全面に5g/cmの加重を掛けて加熱し、2分間放置して、ホットメルト接着シートの構成樹脂を溶融させて、短繊維不織布と接着させ、片面にクモの巣状のホットメルト接着剤からなる層を設けた短繊維不織布を得た。
[不織布に孔を設ける工程]
接着層を設けた短繊維不織布にφ17.5の丸形状の孔を、開孔面積率30.5%、配設密度12.5個/100cmで配置するように打ち抜き加工を行い、接着層を有する短繊維不織布に多数の開孔を設けた。
[ポリエステル長繊維不織布の準備]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図3に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧294N/cmの条件として、複合型ポリエステル長繊維相互間を低融点ポリエステルで熱融着して、目付40g/mのポリエステル長繊維不織布を得た。
[清掃布の製造]
ホットメルト接着層を片面に有し、多数の開孔が設けられてなる短繊維不織布にポリエステル長繊維不織布を積層した。積層するにあたっては、ホットメルト接着層が、層間に存在する配置した。積層体の上から全面を覆うように170℃に温度管理された表面平滑の金属板を載せ、上記積層体全面に32g/cmの加重を掛けて、2分間熱処理を施し、多数の孔を設けた短繊維不織布とポリエステル長繊維不織布とを一体化させ、本発明の清掃布を得た。
実施例2
実施例1において、短繊維不織布に代えて、下記の抄造シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、抄造シートとポリエステル長繊維不織布とが積層一体化してなる本発明の製造布を得た。
[抄造シートの準備]
抄造する面積が625cmのタッピ手漉き装置(抄造装置の容器底部に80メッシュの金網が設置)内に12500ccの水を投入し、その中に準備した繊維懸濁液(水1000ccに繊維長5mm、単繊維繊度が3.3dtexのポリエステルのショートカット繊維1.25g、繊維長5mmのレーヨンのショートカット繊維0.94g、繊維長5mmの日本エステル製のバインダー繊維(銘柄:4080)0.94gをミキサーに投入し2分間撹拌して得た混合液)を投入し、多孔板かき混ぜ器を用いて手動で1分間撹拌した後、抄造装置下部の排水バルブを開けて、3分間水抜きを行った。次いで、容器底部に設置した80メッシュの金網上に抄造ウェブ原料が載置された積層物を抄造容器から取り出し、130℃に設定したヤンキードライヤで3分間乾燥処理を施し、さらにその抄造シートを150℃に温度管理された表面平滑の金属板を載せ、上記抄造シート全面に32g/cmの加重を掛けた状態で2分間熱処理して50g/cmの抄造シートを得た。
得られた実施例1および実施例2の清掃布を10cm×10cmの大きさに裁断し、この清掃布片に水を浸した後、ローラーで絞って保水率200wt%のウェット清掃布片とした。この水分を含浸させた清掃布片を用いて、電子レンジ周りの汚れた箇所の上を10回程度往復させて拭き取ったところ、固くこびり付いていた食べ物や油汚れは、ポリエステル長繊維不織布により掻き取られ、掻き取りにより発生した汚れや水溶性の汚れは短繊維不織布や抄造シートにより拭き取ることにより電子レンジ周りの汚れはきれいに拭い取られており、また、清掃布片に含浸してなる水分が電子レンジ内の拭き取った個所にほぼ残ることなく、拭き跡を残さず、優れた清掃性を発揮した。
本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。 本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。 実施例1で用いたポリエステル不織布を製造するときに用いる紡糸孔の形状を示した図である。 清掃布であって、一例となる任意の開孔が短繊維不織布等側に付与されてなり、短繊維不織布等側からみた平面概略図および横断面の概略図である。
1 ポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部









Claims (5)

  1. 短繊維不織布または抄造シートと、ポリエステル長繊維不織布とが積層一体化してなる2層構造の積層不織布により構成される清掃布であり、
    短繊維不織布側または抄造シート側を拭き取り対象物に接することによって清拭するものであり、
    ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、
    短繊維不織布および抄造シートは多数の開孔を有しており、
    積層不織布において、短繊維不織布または抄造シートが有する開孔の個所は、ポリエステル長繊維不織布のみが存在して、開孔の箇所から、ポリエステル長繊維不織布が、短繊維不織布側または抄造シート側に表出していることを特徴とする清掃布。
  2. 短繊維不織布および抄造シートが有する開孔の面積が、20mm〜2500mmであることを特徴とする請求項1記載の清掃布。
  3. 短繊維不織布および抄造シートが有する開孔の密度が225cmあたり1個以上、開孔面積率が5%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の清掃布。
  4. 短繊維不織布および抄造シートが、コットン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、熱可塑性繊維の少なくともいずれか1種からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の清掃布。
  5. ポリエステル長繊維が、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維であって、該低融点ポリエステルの熱融着により、該複合型ポリエステル長繊維相互間が係合されてなるポリエステル不織布であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の清掃布。
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