JP6254800B2 - 複合不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は、長繊維不織布の片面に抄造ウェブが積層一体化してなる複合不織布に関するものである。
繊維長が10mm未満のいわゆるショートカットファイバーやパルプ繊維を用いて、湿式抄造することにより得られる湿式不織布は、抄造する際に、繊維が十分均一に懸濁してなるスラリーを用いるため、目付斑が少なく、地合いの良好な不織布が得られる。このような湿式不織布は、構成繊維の繊維長が短いため、強度に劣る場合がある。よって、湿式不織布の強度を補うために、たとえば、他の不織布を複合化する技術が提案されている。
特許文献1には、抄紙不織布と熱融着性繊維不織布とを積層して、熱エンボス加工により積層一体化してなる不織布が開示されている。
また、特許文献2には、湿式ウェブと、強化支持体である長繊維不織布とが、水流絡合処理を施すことによって一体化された不織布が開示されている。
特開平11−291377号報 特開2003−41472号報
本発明は、抄造ウェブが積層されてなる複合不織布であって、優れた強度を有するとともに容易に製造できる複合不織布を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を達成するものであって、長繊維不織布の片面に湿式抄造法により得られる抄造ウェブが積層されてなる複合不織布の製造方法であり、
長繊維不織布として、長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、その単糸繊度が10デシテックス以上である長繊維不織布を用い、
湿式抄造の際に、長繊維不織布上に、抄造ウェブの材料となる繊維混濁液を載置して、繊維混濁液中の水は長繊維不織布の孔を通して抜き、抄造ウェブの構成繊維を、長繊維不織布が有する繊維間の空隙内に侵入させて長繊維不織布と抄造ウェブとを複合一体化させることを特徴とする複合不織布の製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における複合不織布は、長繊維不織布の片面に、湿式抄造法による抄造ウェブが積層されてなり、抄造ウェブの構成繊維が、長繊維不織布が有する繊維間空隙内に侵入することにより複合一体化している。
本発明における長繊維不織布は、その構成繊維の横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。また、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。また、長繊維の異型度が大きいことや、繊度も10デシテックス以上と大きいことから、一定面積中の繊維が存在しない箇所の比率、すなわち二次元的に見たときに繊維が存在しない面積比率が大きく、また、繊維が存在しない箇所(長繊維不織布の空隙)の個々の面積が大きくなる。繊維が存在しない面積比率が大きく、かつ繊維が存在しない箇所(長繊維不織布の空隙)の個々の面積が大きいことにより、繊維懸濁液(スラリー)を長繊維不織布上に載置して抄造〜脱水することにより、抄造ウェブが形成される過程で、抄造ウェブを構成する繊維が良好に長繊維不織布の空隙内に侵入し、良好に複合化する。なお、長繊維不織布における繊維が存在しない箇所の個々の面積は大きいことから、「孔」ともいう。また、長繊維不織布上に載置した繊維懸濁液(スラリー)から脱水する際には、長繊維不織布の空隙が大きいことから、水抜けが良好で、効率的に均一性が高く緻密な複合不織布を得ることができる。
本発明に用いる断面が略Y4形状の長繊維から構成される長繊維不織布について、以下に説明する。上記したように、長繊維の横断面形状に特徴を有するものであるが、基本的には、本件出願人が提案している特開2013−076182号公報に記載した長繊維不織布を用いるとよい。
長繊維不織布は、剛性および形態安定性の観点から、構成繊維同士が熱接着により一体化してなるものが好ましいことから、熱可塑性重合体によって構成されるが、機械的強度に優れ、剛性が付与できることから、ポリエステル系重合体であることが好ましい。ポリエステル系重合体により構成される長繊維(ポリエステル長繊維)は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させた後、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって融着された不織布が得られるからである。
長繊維不織布は、溶融紡糸する際に用いるノズル孔を変更する以外は、従来公知の方法で得られる。すなわち、熱可塑性重合体を溶融紡糸して得られた長繊維を集積して長繊維不織布を製造する方法において、溶融紡糸する際に用いるノズル孔の形状が、Y字の下端で上下左右に連結し、かつ、隣り合うY字の/同士及び\同士が平行である形状(以下、「Y4形」という。)のものを用いるというものである。
このノズル孔は、図3に示すY字を四個持つものである。そして、Y字の下端7で上下左右に連結して、図4に示すY4形となっている。このY4形は、隣り合うY字の/8,8同士が平行であり、また\9,9同士が平行となっている。かかるY4形のノズル孔に熱可塑性樹脂を供給して溶融紡糸することにより、横断面が略Y4形状の長繊維を得ることができるのである。特に、隣り合うY字の/8,8同士及び\9,9同士が平行となっていることにより、四個の凹部2を持つ長繊維を得ることができる。また、略+字部5と、その各々の先端に設けられた略V字部6とを持つ長繊維を得ることができる。
Y4形のノズル孔に供給する熱可塑性重合体は、一種類であってもよいし、二種類であってもよい。特に、低融点ポリエステル樹脂と高融点ポリエステル樹脂の二種類を用いるのが好ましい。すなわち、低融点ポリエステル樹脂をY4形のV字部10に供給し、高融点ポリエステル樹脂をY4形の+字部11に供給するのが好ましい。かかる供給態様で溶融紡糸することにより、略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型ポリエステル長繊維が得られる。
長繊維を得た後、これを集積して一般的に繊維ウェブを形成する。そして、繊維ウェブを少なくとも加熱することにより、長繊維を構成する熱可塑性重合体(二種の重合体によって構成されるときは、低融点の重合体)を軟化又は溶融させ、冷却して固化させることにより、長繊維相互間を熱接着して長繊維不織布を得る。熱接着処理は、熱エンボス加工によって部分的に熱圧着することによるものであっても、また、熱カレンダー加工による熱処理により熱接着しているもの、熱風処理により熱接着しているものでもよい。また、これらの方法を併用したものでもよい。本発明においては、長繊維不織布の形態安定性の点から、部分的に熱と圧力とを付加することにより熱圧着する熱エンボス加工によるものであることが好ましい。用いるエンボスロールの圧着面積率(エンボスロールの凸部の面積率)は、15〜45%がよい。
本発明において長繊維不織布の構成繊維の単糸繊度は、剛性を考慮して10デシテックス以上とする。また、不織布の目付にもよるが、長繊維不織布において二次元的にみたときに繊維が存在しない箇所の面積比率がより大きくなることから、単糸繊度は15デシテックス以上であることが好ましい。単糸繊度は大きいほど、剛性に優れる傾向にあるが、長繊維不織布を得る際に、延伸可紡性を考慮すれば上限は30デシテックスとする。
長繊維不織布の目付は、20〜60g/mが好ましく、単糸繊度にもよるが、より好ましくは30〜50g/mである。この目付範囲とすることにより、長繊維不織布には、繊維が存在しない空隙において、後述する抄造ウェブの構成繊維が良好に侵入し、長繊維不織布と抄造ウェブとがより良好に一体化する。また、剛性を保持しながら、水抜けがより良好となる。
一般的なスパンボンド不織布(単糸繊度が10デシテックス未満のもの)においても、目付が小さい(20g/m未満程度)場合は多少の開孔も存在するが、このようなスパンボンド不織布は剛性がなく、形態安定性に劣るため、複合不織布を製造する過程において、繊維懸濁液を載せたときの重みに耐えられないため、効率よく複合不織布を得ることができない。20g/mを超えると、繊維が存在しない箇所の比率やその箇所の面積は極端に小さくなるため、水抜けはさらに劣ることとなる。
本発明における抄造ウェブを構成する繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の天然パルプ、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成パルプが挙げられる。また、抄造ウェブには、構成繊維同士を接着して一体化するためのバインダーが含まれているとよい。このようなバインダーとしては、熱により溶融し熱接着剤として機能する熱可塑性重合体によって構成される熱接着繊維や、熱水により溶解して接着剤として機能するビニロンバインダー繊維等が挙げられる。熱接着繊維を用いる場合は、接着強力を考慮して、抄造ウェブの構成繊維や長繊維不織布の構成重合体と相溶性を有する熱可塑性樹脂をバインダー成分とするものを用いるとよい。また、ビニロンバインダー繊維は、天然パルプにも、ポリオレフィン系合成パルプにも、ポリエステル系繊維にも、良好に接着力を発揮するため、好ましく用いることができる。
抄造ウェブの目付は、複合不織布の用途や要求性能に応じて、適宜設定すればよく、10〜150g/m程度がよい。
本発明における複合不織布は、以下の方法により得ることができる。
まず、抄造ウェブの原料となる繊維懸濁液を準備する。抄造ウェブの構成繊維であるパルプと接着剤となる接着繊維等を水中に投入して離解し、均一な分散液を調製する。なお、長時間の離解作業により繊維同士がもつれることや繊維がダメージを受けるのを防ぐためにも、離解はできるだけ短い時間で行うのが好ましい。この工程で繊維の束を極力なくし、単繊維状に分散させておく。離解を行った繊維分散液は、緩やかな攪拌のもと必要に応じて希釈し、高分子のポリアクリルアミド溶液、ポリエチレンオキサイド溶液等の粘剤を適宜添加することで、均一な分散状態の繊維懸濁液(スラリー)を調製する。なお、離解が容易な繊維や、原料段階で水分と繊維とが混合してなるものを用いる場合については、攪拌のみにて分散させるとよい。
得られた繊維懸濁液は、手漉きでもよいが、効率的に得るには、機械漉きである円網、長網、短網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも一つを有する抄紙機を用い、抄造ウェブとするとよい。このとき、ワイヤー上に上記した略Y4形状断面の長繊維からなる不織布を載置し、長繊維不織布上に抄造ウェブの原料となる繊維懸濁液を載置する。ワイヤー上の長繊維不織布上に繊維懸濁液を流すと、繊維懸濁液中の水は、長繊維不織布の孔とワイヤーの目から下に流れ込み、長繊維不織布上には水分を含んだ抄造ウェブ原料が残る。このとき、長繊維不織布に適度な空隙(孔)が存在しないと、懸濁液中の水が長繊維不織布上に残ることとなり、製造効率が非常に劣ることになる。また、長繊維不織布が剛性に劣るものであると、形態保持性に劣り、長繊維不織布下のワイヤーの目の跡が付与されることになる。本発明においては、特定の略Y4形状断面の長繊維からなる不織布を用いることから、長繊維同士の間に形成される適度な空隙から水を効率よく流れ落とすことが可能となり、このとき、適度な空隙に原料となるパルプ繊維が良好に侵入するため、結果的に、長繊維不織布と抄造ウェブとが良好に複合一体化する。また、本発明で用いる長繊維不織布は、剛性に優れ、形態安定性が良好であるため、従来から繊維懸濁液を受けるための細かい目のワイヤーを用いなくとも製造することが可能になる。
長繊維不織布と該不織布上の抄造ウェブ原料とからなる積層物は、次の工程(プレス工程、乾燥工程)に移動し、原料中の水分を除去し、乾燥させて、複合不織布を得ることができる。このとき、抄造ウェブ中に、接着剤として、ビニロンバイダー繊維を用いた場合は、含水状態にて乾燥工程での加熱されることにより、ビニロンバインダー繊維が溶解して接着剤として機能し、該接着剤を介して、抄造ウェブ内の構成繊維(パルプ)同士あるいはパルプと長繊維とが接着される。また、熱可塑性重合体によって構成される熱接着繊維を用いた場合は、乾燥工程での設定温度を、熱接着剤として機能する熱可塑性重合体が溶融または軟化する温度に設定するとよい。
得られる複合不織布は、特定の長繊維不織布と抄造ウェブとが複合されたものであり、特定の略Y4断面形状の長繊維不織布により、剛性と適度なハリ・コシを有するとともに、抄造ウェブにより緻密で均一に存在するパルプ繊維で構成される。本発明の複合不織布は、例えば、緻密で均一なパルプ繊維により塵埃が捕捉しやすく、また、特定の長繊維不織布により剛性を保持できるため、各種のフィルター材として好適に使用しうる。
本発明の製造方法により得られる複合不織布は、略Y4断面形状の長繊維からなる不織布の片面に抄造ウェブが積層されてなり、長繊維の空隙内に抄造ウェブの構成繊維が侵入することにより、一体化してなる。本発明によれば、特定の長繊維不織布を用いたことにより、湿式抄造法により、抄造ウェブを製造する工程で、長繊維不織布と抄造ウェブとを良好に複合一体化することができ、効率良く、かつ容易に複合不織布を得ることができる。


また、得られた複合不織布は、長繊維不織布による剛性と形態安定性を備え、かつ、抄造ウェブによる均一かつ緻密性を併せ持つものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各特性値は、以下のようにして求めた。
(1)ポリエステルの相対粘度[ηrel];フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、20℃で測定した。
(2) 融点(℃);パーキンエルマー社製の示差走査熱量計DSC−7型を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
[長繊維不織布の準備]
長繊維不織布の製造例1
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル重合体を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル重合体(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図4に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル重合体を供給し、+字部に高融点ポリエステル重合体を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル重合体の供給量と高融点ポリエステル重合体の供給量の質量比は、1:2とした。
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mmで、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)と、表面温度213℃のフラットロールとからなる熱エンボス装置に導入し、両ロール間の線圧300N/cmの条件で熱融着して、目付40g/mのポリエステル長繊維不織布を得た。
長繊維不織布の製造例2
上記長繊維不織布の製造例1において、溶融紡糸において、孔径φ0.3mmの円形の芯鞘型複合紡糸口金を用いたこと、単孔吐出量1.67g/minの紡糸条件としたこと以外は、同様にして単糸繊度3.3デシテックスからなる目付40g/mのポリエステル長繊維不織布を得た。
長繊維不織布の製造例3
上記長繊維不織布の製造例2において、目付を15g/mとしたこと以外は、同様にしてポリエステル長繊維不織布を得た。
[複合不織布の製造方法]
実施例1
抄造する面積が500cmのタッピ手漉き装置を用い、抄造装置の容器底部(ワイヤーが格子状に取り付けてなるもの)全面に、長繊維不織布の製造例1で得られた略Y4断面形状の長繊維からなる不織布を設置し、12500ccの水を投入した。
また、一方で繊維懸濁液を準備した。すなわち、ポリエチレンからなる合成パルプとして、ポリエチレンパルプ繊維と水との混合物(三菱化学社製、商品名「SWP」 銘柄:E620、水分率64質量%、カナディアンフリーネス340cc、パルプ繊維の平均繊維長1.2mm)を2.14g、接着剤としてビニロンバインダー繊維であって、ビニロンバインダー繊維と水との混合物(ビニロンバインダー繊維の溶解温度80℃、繊度1.1dtex、繊維長4mm、ビニロンバインダー繊維の質量は45質量%、水分率55質量%)を0.36g、水1000ccとをミキサーに投入し、2分間撹拌して、繊維懸濁液を得た。
得られた繊維混濁液を、長繊維不織布が設置してなる抄造装置の容器内に投入し、多孔板かき混ぜ器を用いて手動で1分間撹拌した後、抄造装置下部の排水バルブを開けて、3分間水抜きを行った。次いで、長繊維不織布上に抄造ウェブ原料が載置された積層物を抄造容器から取り出し、120℃に設定した板状熱プレスに挟みこみ、4分間乾燥処理を施し、複合不織布を得た。得られた複合不織布は、剛性と形態安定性に優れ、また、良好な地合いを有するものであった。製造工程における水抜きは良好に行え、効率良く、容易に複合不織布を得ることができた。
比較例1
実施例1において、長繊維不織布として、長繊維不織布の製造例2で得られた長繊維不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、抄造したところ、排水バルブを開けて水抜きを行ったものの、長繊維不織布の空隙が小さ過ぎて長繊維不繊布下に水が抜けず、抄造ウェブ原料と長繊維不織布との間に水が溜まり、良好に水抜きを行うことができなかったため、次第に抄造ウェブ原料の均一分散性も劣り、効率的に複合不織布を得ることができなかった。
比較例2
実施例1において、長繊維不織布として、長繊維不織布の製造例3で得られた長繊維不織布を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、抄造したところ、排水バルブを開けて水抜きを行ったものの、目付が小さい長繊維不織布であったにも関わらず、長繊維不繊布下に水が抜けず、抄造ウェブ原料と長繊維不織布との間に水が溜まり、良好に水抜きを行うことができず、効率的に複合不織布を得ることができなかった。また、長繊維不織布の剛性がないため、容器下部のワイヤーネットの形状跡が付き、長繊維不織布は、補強材としての役目さえも果たすことができないものであった。
本発明に用いる長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。 本発明に用いる長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。 本発明に用いる長繊維を得るためのY4形のノズル孔のひとつのY字を示した図である。 本発明に用いる長繊維を得るためのY4形のノズル孔を示した図である。
1 ポリエステル長繊維横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略十字部
6 略Y4形状中の略V字部
7 溶融紡糸する際のノズル孔の形状であるY4形状の一つのY字の下端
8 Y字の/
9 Y字の\
10 Y4形のV字部
11 Y4形の十字部

Claims (5)

  1. 長繊維不織布の片面に湿式抄造法により得られる抄造ウェブが積層されてなる複合不織布の製造方法であり、
    長繊維不織布として、長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、その単糸繊度が10デシテックス以上である長繊維不織布を用い、
    湿式抄造の際に、長繊維不織布上に、抄造ウェブの材料となる繊維混濁液を載置して、繊維混濁液中の水は長繊維不織布の孔を通して抜き、抄造ウェブの構成繊維を、長繊維不織布が有する繊維間の空隙内に侵入させて長繊維不織布と抄造ウェブとを複合一体化させることを特徴とする複合不織布の製造方法。
  2. 抄造ウェブの材料となる繊維混濁液中に、ビニロンバインダー繊維が含まれてなり、
    抄造ウェブの構成繊維を、長繊維不織布が有する繊維間の空隙内に侵入させて長繊維不織布と抄造ウェブとを複合一体化させた後、
    加熱によりビニロンバインダー繊維が溶解してなる接着剤を介して抄造ウェブの構成繊維同士を接着一体化させるとともに、抄造ウェブの構成繊維が長繊維不織布内に侵入した状態で、該接着剤を介して、複合形態を保持して一体化させることを特徴とする請求項1記載の複合不織布の製造方法
  3. 長繊維不織布の目付が20〜60g/mであることを特徴とする請求項1または2記載の複合不織布の製造方法
  4. 長繊維不織布は、熱エンボス加工により部分的に熱圧着されて長繊維不織布として形態を保持していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の複合不織布の製造方法
  5. 長繊維不織布を構成する長繊維が、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の複合不織布の製造方法
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