JP2017222954A - 凹凸柄模様を有する積層不織布 - Google Patents

凹凸柄模様を有する積層不織布 Download PDF

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Abstract

【課題】 凹凸柄模様が消失しにくく、しかも吸水性を向上させた不織布を得ることにある。【解決手段】 長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層され、短繊維ウェブの構成繊維が、長繊維不織布の構成繊維に絡み付き交絡することによって積層一体化してなる積層不織布であり、該長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した略Y4形状であり、短繊維ウェブが、セルロース系繊維によって主として構成されているものであり、積層不織布には、線状の凹凸柄模様が賦形されており、凹凸柄模様は、表面の凸部が裏面の凹部に対応し、表面の凹部が裏面の凸部に対応するものであることを特徴とする凹凸柄模様を有する積層不織布。【選択図】 図2

Description

本発明は、表裏面ともに凹凸柄模様を有する不織布に関するものである。
従来より、拭き布等に使用される吸水性に優れた不織布としては、綿繊維やレーヨン繊維等の親水性繊維よりなる不織布が知られている。また、かかる不織布にエンボス加工を施すことにより、凹凸柄模様を付することも行われている。しかしながら、凹凸柄模様を付しても、厚み方向に圧縮することにより、凹凸柄模様が消失しやすいということがあった。凹凸柄模様を消失しにくくするために、不織布自体を剛直にすればよい。しかし、不織布自体を剛直にすると、吸水性が低下するということがあった。
一方、本発明者は、特殊な横断面形状を持つポリエステル不織布を開発した(特許文献1)。これは、ポリエステル長繊維を構成繊維とする不織布であって、該ポリエステル長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であることを特徴とするポリエステル不織布というものである。かかるポリエステル不織布は、高剛性であるという特性を持っている。
特開2013−76182号公報
本発明者は、上記ポリエステル不織布を用いて種々研究を行っていたところ、このポリエステル不織布の表裏面にコットン繊維層を積層すると共に、特定のエンボス加工を施して凹凸柄模様を付与すると、厚み方向に圧縮しても凹凸柄模様が消失しにくいと共に、吸水性の向上した不織布が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。したがって、本発明の課題は、凹凸柄模様が消失しにくく、しかも吸水性を向上させた不織布を得ることにある。
本発明は、特許文献1記載の長繊維不織布とセルロース系繊維層を組み合わせると共に、特定のエンボス加工を施すことにより、上記課題を解決したものである。
本発明の要旨は、長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層され、短繊維ウェブの構成繊維が、長繊維不織布の構成繊維に絡み付き交絡することによって積層一体化してなる積層不織布であり、
該長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した形状(略Y4形状)であり、
短繊維ウェブが、セルロース系繊維によって主として構成されているものであり、
積層不織布には、線状の凹凸柄模様が賦形されており、凹凸柄模様は、表面の凸部が裏面の凹部に対応し、表面の凹部が裏面の凸部に対応するものであることを特徴とする凹凸柄模様を有する積層不織布にある。
また、本発明の要旨は、長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層して、積層ウェブを形成し、高圧水流を施して、短繊維と長繊維不織布とを交絡させ、次いで、エンボス装置に通して線状の凹凸模様を賦形する方法であって、
該長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した形状(略Y4形状)であり、
短繊維ウェブが、セルロース系繊維によって主として構成されているものであり、
エンボス装置が、一対の凹凸ロールから構成され、一方のロールの凸部が他方のロールの凹部、一方のロールの凹部が他方のロールの凸部に嵌合して回転する装置であることを特徴とする凹凸柄模様を有する積層不織布の製造方法にある。
以下、本発明について詳細に説明する。
長繊維不織布と短繊維ウェブとは、交絡処理が施されることにより一体化しているものであるが、交絡処理は水流交絡処理であることが好ましい。水流交絡処理は、高圧の液体流を施すものであり、被処理物である繊維を切断する等のダメージを与えることなく交絡させることができるためである。
本発明における短繊維ウェブを構成する短繊維としては、水流交絡処理における水流の作用によって、繊維が動き、交絡することができるものであって、その素材としては、コットン、レーヨンやリヨセル等のセルロース系繊維を用いる。セルロース系繊維は、吸水性に優れるため、本発明の積層不織布を拭き布に適用するにあたって好ましい。なお、短繊維ウェブは、セルロース系繊維を主体とするが、ポリエステル系繊維やポリオレフィン系繊維等の合成繊維や、熱バインダー繊維等が少量含まれてもよい。短繊維の繊維長は、交絡性を考慮して、10〜70mm程度がよい。短繊維ウェブの目付は特に限定されず、所望により適宜選択すればよいが、15〜100g/m程度がよい。
本発明における長繊維不織布は、その構成繊維の横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。また、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。また、長繊維の繊度を10デシテックス以上とすることにより、断面形状と太繊度との相乗効果により、より一層高剛性となる。また、略Y字の下端で上下左右に連結することにより、繊維断面の外周において多数の凹部や多数の凸部を有することとなるため、このような長繊維が集積してなる長繊維不織布は嵩高性に優れ、長繊維同士が熱接着等により接合しているものであっても、水流交絡処理の際の水流の透過性にも優れる。なお、長繊維不織布の目付は20〜80g/mの範囲が好ましく、単繊維繊度にもよるが、より好ましくは20〜50g/mである。
長繊維不織布は、剛性および形態安定性の観点から、構成繊維同士が熱接着により一体化してなるものが好ましいことから、熱可塑性重合体によって構成される。なかでも、機械的強度に優れ、剛性が付与できることから、ポリエステル系重合体であることが好ましい。ポリエステル系重合体により構成される長繊維(ポリエステル長繊維)は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型するのが好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させて固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって融着された不織布が得られるからである。
長繊維不織布は、溶融紡糸する際に用いるノズル孔を変更する以外は、従来公知の方法で得られる。すなわち、熱可塑性重合体を溶融紡糸して得られた長繊維を集積して長繊維不織布を製造する方法において、溶融紡糸する際に用いるノズル孔の形状が、Y字の下端で上下左右に連結し、かつ、隣り合うY字の/同士及び\同士が平行である形状(以下、「Y4形」という。)のものを用いるというものである。
このノズル孔は、Y字を四個持つものであり、Y字の下端で上下左右に連結して、図3に示すY4形となっている。このY4形は、隣り合うY字の/同士が平行であり、また\同士が平行となっている。かかるY4形のノズル孔に熱可塑性重合体を供給して溶融紡糸することにより、横断面が略Y4形状の長繊維を得ることができるのである。特に、隣り合うY字の/同士及び\同士が平行となっていることにより、四個の凹部2を持つ長繊維を得ることができる。また、略+字部5と、その各々の先端に設けられた略V字部6とを持つ長繊維を得ることができる。このように凹部と略V字部を有することから、V字部によって汚れの優れたかきとり性を有し、凹部によって汚れの優れた捕集性も有する。
Y4形のノズル孔に供給する熱可塑性重合体は、一種類であってもよいし、二種類であってもよい。特に、低融点ポリエステル樹脂と高融点ポリエステル樹脂の二種類を用いるのが好ましい。すなわち、低融点ポリエステル樹脂をY4形のV字部に供給し、高融点ポリエステル樹脂をY4形の+字部に供給するのが好ましい。かかる供給態様で溶融紡糸することにより、略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型ポリエステル長繊維が得られる。
長繊維を得た後、これを集積して一般的に繊維ウェブを形成する。そして、繊維ウェブを少なくとも加熱することにより、長繊維を構成する熱可塑性重合体(二種の重合体によって構成されるときは、低融点の重合体)を軟化又は溶融させ、冷却して固化させることにより、長繊維相互間を熱接着して長繊維不織布を得る。熱接着処理は、熱エンボス加工によって形成される部分的に熱圧着することにより熱接着しているものであっても、また、熱カレンダー加工による熱処理により熱接着しているもの、熱風処理により熱接着しているものでもよい。また、これらの方法を併用したものでもよい。
本発明において長繊維不織布を構成する長繊維の単繊維繊度は、上述したように剛性を考慮すれば10デシテックス以上がよい。また、不織布の目付にもよるが、単繊維繊度を15デシテックス以上とすることにより、長繊維不織布において開孔(繊維が存在しない箇所)の面積比率が大きくなって短繊維が絡み付きやすくなる。単繊維繊度は大きいほど、剛性に優れる傾向にあるが、長繊維不織布を得る際に、延伸可紡性を考慮すれば上限は30デシテックスとする。また一方で、長繊維の単繊維繊度が大きくなりすぎて、長繊維と短繊維の繊度差が大きくなりすぎると、短繊維ウェブとの一体化の際に短繊維が長繊維に絡みにくくなるため、上限は30デシテックスがよい。
本発明の積層不織布は、上記した略Y4形状断面の長繊維からなる不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層され、短繊維ウェブの構成繊維同士は交絡一体化しているとともに、長繊維に絡み付くことにより複合化している。
水流交絡処理は、公知の方法により行えばよい。まず、長繊維不織布の上に短繊維ウェブを積層し、この積層物をメッシュ状支持体に担持する。次いで、積層物の短繊維ウェブ側から高圧水流を施し、短繊維ウェブ内の構成繊維同士を交絡させるとともに、短繊維が長繊維に絡み付くことにより一体化させる。この高圧水流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列又は複数列配置されている噴射装置を用い、水を噴射孔から1.5〜30MPaの圧力で噴射して得られるものである。そうすると、高圧水流はウェブに衝突して、短繊維に運動エネルギーを与える。この運動エネルギーにより、短繊維ウェブ内の短繊維同士が交絡し、また、短繊維は、長繊維不織布を構成する長繊維に絡む。一体化した積層ウェブには、高圧水流による水分が含まれているので、乾燥して水分を除去する。
本発明の積層不織布は、交絡により一体化した状態で、線状の凹凸柄模様が賦形されている。この凹凸模様は、表面の凸部が裏面の凹部に対応し、表面の凹部が裏面の凸部に対応するものである。このような凹凸柄模様を賦形するためには、一対の凹凸ロールから構成されるエンボス装置であって、一方のロールの凸部が他方ロールの凹部に嵌合し、一方のロールの凹部が他方ロールの凸部に嵌合して回転する装置に通すことにより得られる。この一対の回転している凹凸ロール間に、一体化した積層ウェブを通すと、凹凸ロールの周面形状に合致した凹凸柄模様を持つ積層不織布が得られるのである。すなわち、ロールの周面には特定の方向に走行する筋状の凸部と筋状の凹部とが交互に形成されており、これに応じた線状の凹凸が積層不織布に賦形されるのである。ロールの周方向に平行して凹部と凸部が形成してなる凹凸ロールを用いた場合は、積層不織布において、機械方向に平行した線状の凹凸が形成され、ロールの幅方向に平行して凹部と凸部が形成してなる凹凸ロールを用いた場合は、積層不織布において、機械方向と直交する方向に平行して走行してなる線状の凹凸が形成される。また、ロールの幅方向に対して斜行して凹部と凸部が形成してなる(ロールの軸方向に対してらせん状に凹凸が形成されてなる)凹凸ロールを用い、積層不織布面において斜行した線状の凹凸を形成させてもよい。
凹凸ロールにおける凹部間及び凸部間のピッチは任意でよいが、一般的には5〜10mm程度である。また、凹部の深さ及び凸部の高さも任意でよいが、一般的には0.5〜1.5mm程度である。エンボス装置に通す際のロール間の線圧も任意であるが、50〜100kgf/cm程度であるのが好ましい。一対のエンボスロールは加熱されているのが好ましく、加熱温度は長繊維の融点未満であり、100〜170℃程度が好ましい。
凹凸柄模様として賦形する線の形態は、完全に連続してなる線であっても、一部破断してなる破線であってもよい。また、山谷を形成してなるジグザグ状の線であっても、曲線を描く波線であってもよい。
本発明の積層不織布は、明確な凹凸柄模様を有するものである。長繊維不織布が高剛性であるため、賦形した凹凸柄模様が、押圧した場合でも容易に消失しない。このような積層不織布は、例えば、清掃用の拭き取りシート、トレイマットやドリップシート等の吸水シート、結露吸水シート、フィルター材、包装材等に良好に用いることができる。
なお、本発明の積層不織布は、長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブを積層してなるが、長繊維不織布を中間層として、その両面に短繊維ウェブを積層し一体化してなるものであってもよい。
本発明の積層不織布は、高剛性の長繊維不織布の少なくとも片面に吸水性を有するセルロース系繊維を積層したものであり、不織布全体に凹凸柄模様を持つものである。かかる積層不織布は、高剛性の長繊維不織布が中間層に配置されているので、不織布の厚み方向に荷重を掛けても、凹凸柄模様が消失しにくいという効果を奏する。また、嵩高な長繊維不織布が片面に配置されていると共に、表裏面に凹凸柄模様が付されているので、少なくとも片面に存在するセルロース系繊維に吸収された水分は、速やかに拡散するという効果を奏する。
実施例1
[ポリエステル不織布の準備]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図3に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mmで、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧30kgf/cmの条件として、複合型ポリエステル長繊維相互間を低融点成分で熱融着して、目付40g/mのポリエステル長繊維不織布を得た。
[コットンウェブの準備]
一方、精練・漂白したコットン繊維(繊維長約25〜35mm)を用いて、大和機工株式会社製のサンプルローラーカード機にて目付30g/mのコットンウェブを作成した。
[凹凸模様を持つ不織布の製造]
上記したポリエステル長繊維不織布の片面に、上記したコットンウェブを積層し、2層構造ウェブを作成した。そして、この2層構造ウェブを、100メッシュのステンレスネット上に載せ、ノズル径0.13mm、水圧8.33MPaの条件で、ポリエステル長繊維不織布の表面に積層されたコットンウェブ側から高圧水流を施して、一体化した2層構造ウェブを得た。
一体化した2層構造ウェブから水分を乾燥除去した後、一対の凹凸ロールに通して、凹凸柄模様を持つ不織布を得た。得られた凹凸柄模様を持つ不織布の目付は80g/mであった。ここで、凹凸ロールは、ロールの幅方向に平行して凹部と凸部が交互に形成してなる凹凸ロールであって、ジグザグ線の模様を形成するものである。一方の凹凸ロールには、凹部の幅が3.2mm、凸部の幅が1.0mm、凹部及び凸部間のピッチが6.5mmであり、凹部の深さ及び凸部の高さが1.0mmのものである。そして、他方の凹凸ロールは、前記凹凸ロールに嵌合する凹部と凸部を有している。また、一対の凹凸ロールは140℃に加熱した状態で、一方の凹部を他方の凸部に、一方の凸部を他方の凹部に噛合させて回転させて、一体化した積層構造ウェブを通した。なお、一対の凹凸ロールの線圧は66.7kgf/cmとした。
比較例1
ポリエステル不織布の目付を70g/mに変更する他は、実施例1と同一の方法でポリエステル長繊維不織布を得た。このポリエステル長繊維不織布を、コットンウェブを積層することなく、実施例1で用いた一対の凹凸ロール間に通し、凹凸模様を持つ目付は78g/mのポリエステル長繊維不織布を得た。
比較例2
ポリエステル長繊維不織布を用いず、かつコットンウェブの目付を70g/mに変更する他は、実施例1と同一の方法でコットンウェブを得た。このコットンウェブを、100メッシュのステンレスネット上に載せ、ノズル径0.13mm、水圧8.33MPaの条件で、高圧水流を施して、コットン不織布を得た。このコットン不織布を、実施例1で用いた一対の凹凸ロール間に通し、凹凸模様を持つ目付は80g/mのコットン不織布を得た。
実施例1で得られた凹凸模様を持つ不織布、比較例1で得られた凹凸模様を持つポリエステル不織布について圧縮歪の試験を行った。また、実施例1、比較例1、2のそれぞれで得られた凹凸模様を持つ不織布について吸水性の試験を行った。圧縮歪の試験は、以下の方法により行った。各試料不織布を平板に挟んで初荷重20gf/cmを掛けて試料の厚みを測定する。その後、荷重を10〜137gf/cmまで上乗せして増加させ、厚みの減少率を算出した。厚みの減少率は、[(t0−t1)/t0]×100(%)なる式で算出されるものである。ここで、t0は初荷重20gf/cmを掛けた時点での試料の厚みであり、t1は荷重を上乗せして増加させたときの試料の厚みである。また、吸水性の試験は、JIS L 1907に記載のバイレック法により行った。圧縮歪試験の結果を表1に、吸水性試験の結果を表2に示した。
注)MDとは試料の縦方向(機械方向)のことであり、CDとは試料の横方向(機械方向に直交する方向)のことであり、各方向における吸水性(cm)を示した。
実施例1、比較例2の結果から分かるように、不織布を厚み方向に圧縮した場合、実施例1に係る方法で得られた不織布は、比較例1に係る方法で得られた不織布に比べて、圧縮されにくく、付された凹凸柄模様が消失しにくいことが分かる。また、不織布を吸水させた場合、実施例1に係る方法で得られた不織布は、比較例1に係る方法で得られた不織布よりも吸水した水が拡散しやすく、また、比較例2に係る方法で得られた不織布よりも吸水性に優れるコットン繊維の含有比率が少ないにもかかわらず、MD方向においては吸水した水が拡散しやすいことが分かる。
本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。 本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。 実施例1で用いたポリエステル不織布を製造するときに用いる紡糸孔の形状を示した図である。
1 ポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部

Claims (7)

  1. 長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層され、短繊維ウェブの構成繊維が、長繊維不織布の構成繊維に絡み付き交絡することによって積層一体化してなる積層不織布であり、
    該長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、
    短繊維ウェブが、セルロース系繊維によって主として構成されているものであり、
    積層不織布には、線状の凹凸柄模様が賦形されており、凹凸柄模様は、表面の凸部が裏面の凹部に対応し、表面の凹部が裏面の凸部に対応するものであることを特徴とする凹凸柄模様を有する積層不織布。
  2. 長繊維の単糸繊度が10デシテックス以上であることを特徴とする請求項1記載の凹凸柄模様を有する積層不織布。
  3. 長繊維不織布を構成する長繊維がポリエステル系重合体によって構成され、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維よりなる請求項1または2記載の凹凸柄模様を有する積層不織布。
  4. 短繊維ウェブが、コットン繊維によって主として構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の凹凸柄模様を有する積層不織布。
  5. 線状の凹凸柄模様が、山谷を交互に形成するジグザグ線であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の凹凸柄模様を有する積層不織布。
  6. 請求項1〜5記載の凹凸柄模様を有する積層不織布により構成される拭き取りシート。
  7. 長繊維不織布の少なくとも片面に短繊維ウェブが積層して、積層ウェブを形成し、高圧水流を施して、短繊維と長繊維不織布とを交絡させ、次いで、エンボス装置に通して線状の凹凸模様を賦形する方法であって、
    該長繊維不織布を構成する長繊維の横断面形状が、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であり、
    短繊維ウェブが、セルロース系繊維によって主として構成されているものであり、
    エンボス装置が、一対の凹凸ロールから構成され、一方のロールの凸部が他方のロールの凹部、一方のロールの凹部が他方のロールの凸部に嵌合して回転する装置であることを特徴とする凹凸柄模様を有する積層不織布の製造方法。

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