JP6284228B2 - 浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法 - Google Patents

浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不織布表面に各種図柄や文字等の模様が明確に浮き上がって現れており、不織布裏面は平滑な状態となっている浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法に関するものである。
従来より、不織布表面に明確な浮き出し模様を現し、不織布裏面は平滑な状態となっている浮き出し模様を持つ不織布は、エンボス加工によって得るのが一般的であった(特許文献1)。また、不織ウェブをネット状織物の上に置いて、高圧水流を施すことにより、ネット状の凹凸模様を持つ不織布が得られることも知られている(特許文献2)。しかしながら、この凹凸模様は、不織布の表裏面両者に現れるものである。しかも、凹凸模様も明確な浮き出し模様とはいえず、模様の境界も不明瞭なものである。したがって、上記のエンボス加工に比べて、明確な浮き出し模様を得ることはできなかった。
特表2000−500373号公報(請求項22) 特開2013−174036号公報(段落0052)
本発明の課題は、エンボス加工法ではなく、高圧水流を施す方法において、エンボス加工によって得られるのと同等な明確な浮き出し模様を持つ不織布を提供するものである。
本発明は、特殊な横断面形状を持つ構成繊維よりなる不織布を中間層として用いることにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布の表裏面に、コットン繊維を主体として構成されてなる表面層及び裏面層が積層されてなり、表面層及び裏面層を構成する該コットン繊維は、該ポリエステル長繊維と高圧水流によって交絡されている三層構造不織布であって、前記ポリエステル長繊維層を構成するポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されており、前記表面層を構成するコットン繊維は高圧水流の作用によって外方へ浮き出て、前記表面層に浮き出し模様が現れており、前記裏面層を構成するコットン繊維は外方へ浮き出ることなく、前記裏面層は平滑であることを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布及びその製造方法に関するものである。
まず、本発明で用いられるポリエステル長繊維について説明する。このポリエステル長繊維は、その横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。この略Y4形状は、四個の凹部2と八個の凸部3と四個の小凹部4とを有している。このように多数の凹部2、多数の小凹部4、多数の凸部3を持っており、嵩高性に優れているため、このポリエステル長繊維が集積されて長繊維相互間が結合していても、高圧水流の通過性が良好である。そして、中央の略+字部5と、略+字部5の各先端に連結された四個の略V字部6により、高剛性となっている。すなわち、六角形やY字等の単なる異形ではなく、剛性の高い略+字部5と略V字部6の組み合わせによって、より高剛性となるのである。かかるポリエステル長繊維を集積し、ポリエステル長繊維相互間を熱融着することにより結合して、本発明で用いる嵩高で且つ高剛性のポリエステル不織布を得ることができる。
ポリエステル長繊維は、一種類のポリエステルからなるものでもよいが、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルとを組み合わせるのが好ましい。すなわち、ポリエステル長繊維の横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステルで形成され、略+字部5が高融点ポリエステルで形成された複合型するのが好ましい。複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステルを軟化又は溶融させた後、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステルによって熱融着されたポリエステル不織布が得られるからである。また、ポリエステル不織布を構成するポリエステル長繊維の繊度は、10デシテックス以上であるのが好ましい。繊度が10デシテックス未満になると、長繊維の剛性が低下する傾向が生じ、ひいてはポリエステル不織布の剛性も低下する傾向が生じる。また、ポリエステル不織布の目付は、20〜70g/m2以上であるのが好ましい。目付が20g/m2未満になると、ポリエステル不織布の剛性が低下する傾向が生じる。目付が70g/m2を超えると、高圧水流の通過性が低下する傾向が生じる。なお、本発明で用いるポリエステル不織布の詳細については、特開2013−76182号公報に詳述されている。
ポリエステル不織布の表裏面には、コットン繊維を主体として構成されてなる表面層及び裏面層が積層されている。表面層及び裏面層はコットン繊維が主体となって構成されているが、その他のレーヨン短繊維、ポリエステル短繊維、ポリアミド短繊維等が若干量含まれていてもよい。表面層を構成するコットン繊維は、ポリエステル不織布中のポリエステル長繊維と交絡している。この交絡は、表面層側から高圧水流を施すことにより形成されたものである。また、裏面層を構成するコットン繊維も、ポリエステル不織布中のポリエステル長繊維と交絡している。この交絡も、裏面層側から高圧水流を施すことにより形成されたものである。この高圧水流は、コットン繊維とポリエステル長繊維とを交絡させるためのもので、一般的に、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔から、3〜6MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。
表面層を構成するコットン繊維は、外方へ浮き出て浮き出し模様を形成している。この浮き出し模様の一例は図3に示したとおりであり、「Dilla」の文字からなる模様が四方に連続している浮き出し模様である。表面層の浮き出し模様は、裏面層側から表面層に向けて、高圧水流を施すことにより、形成されるものである。この高圧水流の圧力は、コットン繊維とポリエステル長繊維とを交絡させるための高圧水流の圧力よりも高くなっている。すなわち、この高圧水流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔から、7〜10MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。なお、裏面層は、浮き出し模様が形成されることはなく、平滑な状態となっている。
表面層に浮き出し模様を持つ本発明に係る三層構造不織布は、以下のような製造工程を経ることにより、得ることができる。まず、前記したポリエステル不織布を準備する。そして、ポリエステル不織布の表面に、コットン繊維を主体として集積されてなるコットン表面ウェブを積層する。また、ポリエステル不織布の裏面にも、コットン繊維を主体として集積されてなるコットン裏面ウェブを積層する。この三層積層ウェブに、コットン表面ウェブ側から高圧水流を施して、コットン表面ウェブを構成しているコットン繊維とポリエステル不織布中のポリエステル長繊維とを交絡する。また、コットン裏面ウェブ側からも高圧水流を施して、コットン裏面ウェブを構成しているコットン繊維とポリエステル不織布中のポリエステル長繊維とを交絡する。これによって、三層が一体化した積層物が得られる。
孔開き模様を有する孔開き板を準備し、上記積層物のコットン表面ウェブが,この孔開き板に当接するようにして載置する。この孔開き板は、金属板やプラスチック板の如き剛直な板に所定の孔開き模様を穿孔したものである。そして、積層物のコットン裏面ウェブ側から高圧水流を施す。この高圧水流は、前の工程で施した高圧水流に比べて、圧力が高くなっている。したがって、コットン裏面ウェブからポリエステル不織布を通過して、コットン表面ウェブに到達し、コットン表面ウェブのコットン繊維は孔開き板の孔に押し込められるのである。これによって、表面層に浮き出し模様が現れた三層構造不織布が得られるのである。
本発明において、表面層に明確な浮き出し模様が現れる原理を図に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図4は積層物を孔開き板に当接するようして載置した状態を示した側面図であり、10はポリエステル不織布、11はコットン表面ウェブ、12はコットン裏面ウェブ、13は孔開き板であり、14は孔開き板13中の孔である。この状態で、図5に示すように、コットン裏面ウェブ12側から高圧水流(矢印)を施すと、コットン表面ウェブ11のコットン繊維のみが孔開き板13の孔14に押し込められ、ポリエステル不織布10は殆ど変形しない。コットン表面ウェブ11のコットン繊維のみが孔14に押し込められる理由は、ポリエステル不織布10の構成繊維が特殊な横断面形状となっているので、構成繊維相互間に大きな空隙が形成されており、高圧水流の通過性がよく、コットン表面ウェブ11まで水流が通過するからである。また、コットン表面ウェブ11を構成しているコットン繊維は吸水性に優れ、水流によって膨潤して変形しやすくなり、コットン繊維のみが孔14に押し込められるのである。また、ポリエステル不織布10が殆ど変形しない理由は、ポリエステル不織布10は高剛性だからである。なお、コットン裏面ウェブ12は高剛性のポリエステル不織布10に支持された状態となっているので、殆ど変形せずに平滑なままである。たとえば、横断面形状が略円形である長繊維を構成繊維とする長繊維不織布20を用いると、構成繊維相互間に大きな空隙が形成されず、剛性も低いために、図6又は図8に示した状態となる。すなわち、コットン表面ウェブ11中のコットン繊維のみが孔14に押し込められるのではなく、長繊維不織布20の構成繊維も共に孔14に押し込められる。これは、長繊維不織布20が良好に高圧水流を通過させずに、しかも低剛性であるため、孔14に押し込められる方向に変形するのである。そうすると、コットン表面ウェブ11と長繊維不織布20とは同一挙動となるので、明確な浮き出し模様が現れないのである。
本発明に係る三層構造不織布は、表面に明確な浮き出し模様を有しているので、意匠性に優れており、従来公知の種々の用途に用い得る。たとえば、袋の生地として用い、意匠性に優れた袋とすることができる。また、壁紙、拭き布、生理用ナプキンや使い捨ておむつの表面材又はバックシートとして用いることもできる。
本発明に係る三層構造不織布は、特定のポリエステル不織布を中間層に、コットン繊維を主体とする層を表裏層として用いることにより、高圧水流の作用によって、明確な浮き出し模様を得ることができるという効果を奏する。特に、エンボス加工と同等な明確な浮き出し模様を、高圧水流の作用によって得ることができるという効果を奏する。
実施例1
[ポリエステル不織布の製造例]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%及びイソフタール酸(IPA)8mol%を用い、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を得た。この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4.0質量%の酸化チタンを添加して、低融点ポリエステル樹脂を準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、図7に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル樹脂を供給し、+字部に高融点ポリエステル樹脂を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル樹脂の供給量と高融点ポリエステル樹脂の供給量の重量比は、1:2であった。
ノズル孔から排出されたフィラメント群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、表面温度が213℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧300N/cmの条件として、複合型ポリエステル長繊維相互間を低融点成分で熱融着して、目付40g/m2のポリエステル不織布を得た。
このポリエステル不織布の表裏面に、目付40g/m2のコットン繊維100質量%からなるコットン繊維ウェブを積層し、コットン表面ウェブ/ポリエステル不織布/コットン裏面ウェブなる三層積層ウェブを得た。コットン繊維ウェブは、精錬・漂白したコットン繊維(繊維長約25〜35mm)を用いて、大和機工株式会社製のサンプルローラーカード機にて開繊集積して得たものである。この三層積層ウェブを100メッシュのステンレスネット上に載せ、ノズル径0.13mm、水圧4.17MPaの条件で、コットン表面ウェブ側から高圧水流を施した。次いで、三層積層ウェブを反転させて、コットン裏面ウェブ側から同様の条件で高圧水流を施して、三層が一体化した積層物を得た。
「Dilla」の文字からなる穿孔が四方に連続している金属製孔開き板を準備した。この金属製孔開き板を100メッシュのステンレスネットの上に載置し、金属製孔開き板の表面がコットン表面ウェブが当接するようにして、上記積層物を孔開き板に載置した。そして、ノズル径0.13mm、水圧8.33MPaの条件で高圧水流をコットン裏面ウェブ側から積層物に施した。その後、金属製孔開き板を取り外し、積層物を乾燥して、浮き出し模様を持つ三層構造不織布を得た。
得られた三層構造不織布は、コットン表面ウェブのコットン繊維が金属製孔開き板の穿孔の形状と近似した凸状態の模様となって、くっきりと明確に浮き出ていた。コットン裏面ウェブは、剛性に優れたポリエステル不織布に載置された状態となっているため、金属製孔開き板の穿孔に位置する箇所が凹むことなく平滑なプレーンな状態を維持した。得られた三層構造不織布は、片面は立体感ある模様を発現し、その反対面は平滑なプレーン状態であるボリューム感と品位に優れたものであった。また、剛性に優れたポリエステル不織布を中央に配し、表裏層をコットン繊維で構成したため、表裏層が柔らかく風合いに優れていた。
比較例1
[長繊維不織布の製造]
融点260℃、極限粘度[η]0.70ポリエチレンテレフタレートを準備し、公知の溶融紡糸装置を用い、繊維の横断面が円形となる紡糸孔を30個備えた紡糸口金より、紡糸温度280℃でポリエステル長繊維を溶融紡出した。紡糸口金とエアーサッカーまでの距離は140cmに設定し、紡出長繊維をエアーサッカーに導入した。このとき、ひとつのエアーサッカーに30本の長繊維を導入した。そして、エアーサッカーにて、長繊維の繊度が3.0デシテックスとなるように紡糸速度5000m/分で牽引し、紡出長繊維は、開繊装置でばらばらになるように開繊させた後、コンベアネット上に捕集・堆積させて、長繊維ウェブを得た。得られた長繊維ウエブを、エンボスロール(エンボスロールの凸部の面積0.42mm2、面積率37%)とフラットロールとからなる熱エンボス装置に導き、両ロールの表面温度235℃、線圧490N/cmの条件下で部分的に熱圧接処理を施し、目付40g/m2の長繊維不織布を得た。この長繊維不織布は、構成繊維である長繊維の横断面が円形であるため、実施例1で用いたポリエステル不織布に比べて、高圧水流の通過性が劣り、また剛性も低いものであった。
[三層不織布の製造]
実施例1で用いたポリエステル不織布に代えて、上記で得られた長繊維不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法で三層不織布を得た。
得られた三層不織布は、中央に配した長繊維不織布が高圧水流を十分に通過させずに、しかも低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、長繊維不織布が金属製孔開き板の穿孔に対応して図6の如き態様で変形し、コットン表面ウェブに明確な浮き出し模様が形成されなかった。また、コットン裏面ウェブも、長繊維不織布が低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、図6の如き態様で変形し、平滑な状態を維持していなかった。
比較例2
[長繊維不織布の製造]
チーグラナッタ系重合触媒を用いて重合された、メルトフローレート25g/10分、密度0.958g/cm3及び融点130℃の高密度ポリエチレンを準備した。一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%を用いて共重合し、高融点ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)を準備した。そして、公知の芯鞘型紡糸孔を備えた溶融紡糸装置にて、紡糸温度285℃、単孔吐出量2.54g/分で鞘部がポリエチレンで芯部がポリエステルの横断面円形である芯鞘複合型長繊維を溶融紡糸した。なお、高密度ポリエチレンの供給量と高融点ポリエステルの供給量の重量比は、1:2であった。紡糸孔から排出された複合型長繊維を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、複合型長繊維の繊度が6.6デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された複合型長繊維を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、長繊維ウェブを得た。この長繊維ウェブを、表面温度が120℃のエンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱融着装置に導入し、両ロール間の線圧300N/cmの条件で熱融着して、目付15g/m2の鞘部がポリエチレン、芯部がポリエステルの芯鞘型複合長繊維からなる長繊維不織布を得た。この長繊維不織布は、構成繊維である複合型長繊維の横断面が円形であるため、実施例1で用いたポリエステル不織布に比べて、高圧水流の通過性が劣り、また剛性も低いものであった。特に、低目付であるため、比較例1で用いた長繊維不織布に比べて、剛性の低いものであった。
[三層不織布の製造]
実施例1で用いたポリエステル不織布に代えて、上記で得られた長繊維不織布を用いる他は、実施例1と同一の方法で三層不織布を得た。
得られた三層不織布は、中央に配した長繊維不織布が高圧水流を十分に通過させずに、しかも低剛性であるため、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、長繊維不織布が金属製孔開き板の穿孔に対応して図8の如き態様で変形した。すなわち、長繊維不織布が比較例1のものに比べても低剛性であるため、コットン裏面ウェブも長繊維不織布自体も、8.33MPaの圧力で噴射された高圧水流によって、図8の如き態様で変形し、平滑な状態を維持していなかった。
本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。 本発明で用いるポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。 本発明の一例に係る三層構造不織布の表面(浮き出し模様が形成されている表面)写真である。 本発明の一例に係る三層構造不織布の製造工程中において、積層物を孔開き板に当接するようして載置した状態を示した側面図である。 図4の状態で高圧水流を施したときの側面図である。 ポリエステル不織布に代えて、高圧水流の通過性に劣り、低剛性の長繊維不織布を用いた場合において、高圧水流を施したときの側面図である。 ポリエステル不織布を製造するときに用いる紡糸孔の一例の形状を示した図である。 ポリエステル不織布に代えて、高圧水流の通過性に劣り、低剛性の長繊維不織布(図6のものより低剛性)を用いた場合において、高圧水流を施したときの側面図である。
1 ポリエステル長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略+字部
6 略Y4形状中の略V字部
10 ポリエステル不織布
11 コットン表面ウェブ
12 コットン裏面ウェブ
13 孔開き板
14 孔開き板中の孔
20 長繊維不織布

Claims (4)

  1. ポリエステル長繊維で構成されてなるポリエステル不織布の表裏面に、コットン繊維を主体として構成されてなる表面層及び裏面層が積層されてなり、表面層及び裏面層を構成する該コットン繊維は、該ポリエステル長繊維と高圧水流によって交絡されている三層構造不織布であって、
    前記ポリエステル長繊維層を構成するポリエステル長繊維の横断面形状は、略Y字の下端で上下左右に連結した
    形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されており、
    前記表面層を構成するコットン繊維は高圧水流の作用によって外方へ浮き出て、前記表面層に浮き出し模様が現れており、
    前記裏面層を構成するコットン繊維は外方へ浮き出ることなく、前記裏面層は平滑であることを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布。
  2. 略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維よりなる請求項1記載の浮き出し模様を持つ三層構造不織布。
  3. 低融点ポリエステルの熱融着によって、ポリエステル長繊維相互間が結合されている請求項2記載の浮き出し模様を持つ三層構造不織布。
  4. 横断面形状が略Y4形状であるポリエステル長繊維を構成繊維とし、該ポリエステル長繊維相互間は熱融着によって結合されてなるポリエステル不織布の表裏面に、コットン繊維を主体として集積されてなるコットン表面ウェブ及びコットン裏面ウェブを積層してなる三層構造ウェブを準備する工程、
    前記三層構造ウェブの前記コットン表面ウェブ側から高圧水流を施して、前記コットン表面ウェブを構成しているコットン繊維と前記ポリエステル長繊維とを交絡させる工程、 前記三層構造ウェブの前記コットン裏面ウェブ側から高圧水流を施して、前記コットン裏面ウェブを構成しているコットン繊維と前記ポリエステル長繊維とを交絡させる工程及び、
    前記コットン表面ウェブに孔開き模様を有する孔開き板を当接させて、コットン裏面ウェブ側から、前記各高圧水流よりも高い圧力の高圧水流を施して、前記コットン表面ウェブを構成するコットン繊維を孔開き板の孔開き模様中に押し込める工程を具備することを特徴とする浮き出し模様を持つ三層構造不織布の製造方法。
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