JP7121514B2 - フィルムヒータ - Google Patents
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Description
特許文献2には、柔軟性を有する面状の発熱部と、この発熱部を内包するよう形成された半硬化状態の半硬化樹脂被覆層と、を有する硬質面状発熱体製造用半硬化シートが開示されている。発熱部を内包する半硬化樹脂被覆層は、半硬化状態(Bステージ)であり、柔軟性および可塑性を有すると共に、その表面は粘着性を有しているため、あらゆる被着体の形状に対して追従し、貼付させることができることが記載されている。
特許文献2に開示されている発明は、特殊な樹脂被膜を用いる必要があり、光硬化法により半硬化樹脂被覆層を完全硬化させるなど特殊な設備が必要で、施工法が複雑になりやすい。
特許文献3に開示されている発明は、信号灯の表示窓がドーム形の形状である場合には効果的であるが、それ以外に使用することは難しい。
また。本発明では、前記接続端子部は、前記導電線が複数箇所で折れ曲がったパターン、例えば、前記導電線が複数箇所で折れ曲がって蛇行するメアンダ形状で構成されているとよい。
本発明では、前記支持シートの前記一方の面側に、前記導電性パターンを覆うように、前記支持シートとは別の透明な熱可塑性樹脂シートからなる外装シートが設けられ、該外装シートには、前記接続端子部の少なくとも一部を外部に露出させる貫通孔が設けられているとよい。
本発明では、前記接続端子部上に、さらに金属板を設けることができる。
本発明では、前記導電性パターンを構成する導電線が、前記接続端子部を除いて、自己融着性の絶縁被膜により被覆されているとよい。
本発明では、前記支持シートの凹凸を有する他方の面に粘着層を設けることができる。
支持シートと、存在する場合には外装シートに、熱可塑性樹脂シートを用いることにより、凹凸があるような形状の被着体に対しても簡単に貼着することができ、またインモールド転写も可能である。
導電性パターンを一本の導電線で連続形成することで、製造が容易となり、導電性パターンを形成した支持シートの全面を外装シートにより覆うことで、導電性パターンを保護することが可能になる。
図1(a)は本発明の一の実施形態のフィルムヒータを模式的に示す平面図である。図1(b)は本発明の一の実施形態のフィルムヒータを模式的に示す断面図である。
図1によると、透明な熱可塑性樹脂シートからなる支持シート1の一方の面に導電線からなる導電性パターンが設けられ、支持シート1の他方の面は凹凸を有し、導電性パターンが、左右一対の接続端子部21a,21bと、これら接続端子部21a,21bからそれぞれ延びたリード線22a,22bと、リード線22a,22bから続くヒータ部23とを有する。この実施形態のように、ヒータ部を全体として非直線状のものとしてもよい。
図1では、導電性パターンは、連続した一本の導電線で形成され、接続端子部21a,21bは、リード部22a,22bからそれぞれ延びた導電線が複数箇所で折れ曲がった線状パターンで構成されている。
また、熱可塑性樹脂シートを用いることにより、凹凸があるような形状の被着体に対して簡単に貼着することができ、特に、被着体が樹脂成形体の場合、真空成型、熱プレス成型、ラミネート成型、インモールド成型、インサート成型などの成型方法で、樹脂成形体の表面にフィルムヒータを形成することができる。
熱可塑性樹脂シートには、無機微細粉末あるいは有機フィラー、分散剤、酸化防止剤、相溶化剤、紫外線安定剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等を適宜添加することができる。
熱可塑性樹脂シートの厚みは、好ましくは0.030mm~1.000mm、さらに好ましくは0.100mm~0.700mmである。
支持シートとなる透明な熱可塑性樹脂シートの、導電線からなる導電性パターンが設けられた面とは反対の面、すなわち、被着体と貼り合わせる面は、凹凸面を有する。支持シートが凹凸面を有することにより、被着体へ貼り合わせる時の空気の抜けがよくなり、外観不良や破損等の原因となる気泡を支持シートと被着体との間に含みにくくなる。
熱可塑性樹脂シートに凹凸面を形成する方法としては、エンボス加工等が挙げられる。凹凸による空間や起伏面により、被着体と貼り合わせる面の単位面積当たりの実面積(表面積)が増加し、被着体と支持シートとの密着性を向上させることができる。
凹凸による起伏面の程度は、深さ数ミクロンといった微細な大きさから、数十ミリといった非常に大きなものまで可能であるが、被着体と貼り合わせた後に外観上凹凸を見えにくくする上では、5μm~50μm、好ましくは10μm~30μmであるとよい。
凹凸形状としては特に制約はなく、波形、球体、円形、楕円形、台形、錐体などの幾何学的形状の他、微細な梨地や各種絵模様などであってよいが、空気の抜けをよくする上では、波形を含む形状であるとよい。
導電性パターンを導電線で構成する場合、その導電線は、少なくとも金属線を含んで構成されるのが好ましく、さらに好ましくは、金属線が自己融着性の絶縁被膜により被覆されてなるものとすることができる。金属線としては、例えば、銅、鉄、金、銅ニッケル、ニッケルクロム、鉄ニッケルクロム等の金属線を用いることができるが、導電性を有するものであれば他の材料を用いることもできる。電気抵抗や耐久性、コストの観点から、金属線として銅又は銅に亜鉛や鉛、錫、銀、アルミ、ニッケル、ベリリウム、ジルコニウムなどを単独もしくは複数組み合わせてある銅合金を用いることが好ましい。
導電性パターンを構成する導電線の直径は、例えば、0.03mm~0.20mmである。細い導電線を形成するのは容易ではない場合もあるが、加熱対象となる被着体の意匠性を損なわないためにはできるだけ細いほうがよく、導電線の直径は好ましくは、0.05mm~0.15mmである。導電線の長さは、導電性パターンのパターン形態等に応じたものとすることができる。
支持シートの表面への導電線の埋め込み方法としては、例えば、超音波融着の原理を活用して導電線を支持シートの表面に埋め込むことが望ましい。超音波融着を行うに際しては、導電線を繰り出しながら熱可塑性樹脂からなる支持シートの表面を溶融させ、導電線を支持シートの表面に埋め込むことが可能な配線描画装置を用いることができる。このような配線描画装置が備える超音波ヘッドにより、導電線を支持シートの表面上へ繰り出しつつ、振動と加圧により支持シートの表面に導電線を埋め込むことができる。
支持シートの表面への導電線の埋め込みにより、支持シート上での導電性パターンの位置決めを行うことができ、外部からの衝撃等による導電線の位置ずれの抑制を図ることができる。また、支持シートの表面に導電線を埋め込むことで、支持シートの表面上に導電線を配置することによる支持シートの表面の凹凸の程度を低減することができる。
図1を参照すると、導電性パターン2は、左右一対の接続端子部21a,21bと、これら接続端子部21a,21bからそれぞれ延びたリード線22a,22bと、リード線22a,22bから続く全体として非直線状のヒータ部23とが、一本の導電線からなる連続した線状パターンとして設けられる。
一本の連続した導電線で、接続端子部と、リード線と、ヒータ部とを形成することで、製造工程を容易にでき、低コストのフィルムヒータを製造することが可能となる。
図1では、接続端子部21a,21bは、導電線が複数箇所で折れ曲がって蛇行するメアンダ形状で形成されている。この場合、接続端子部21a,21bは、複数個所で折れ曲がって蛇行する折り返し部分の折り返し回数を所定の平面積内で多くして折り返し線を密集させたものであることが好ましい。図1に示す実施形態のような場合、メアンダ形状は、相対的に長さの短い折れ曲がり部分と相対的に長さの長い直線部分とが繰り返され、この直線部分の本数が2本/mm以上となるようにすることが好適である。
導電線が絶縁被膜で被覆されている場合は、接続端子部の導電線を被覆する絶縁被膜を除去し、内部の金属線を露出させる。露出させる方法としては、ミーリング装置等による切削で可能であるが、金属板や外部電極と半田接続するときの熱で絶縁被膜を溶融除去することもできる。
図1では、導電性パターンは、ヒータ部23を中心に左右一対の接続端子部21a,21bと左右一対のリード部22a,22bからなり、導電線により一方の接続端子部21aの端部を始点としてメアンダ形状の接続部21aが形成され、この接続端子部21aの他端部からリード線22aが延ばされ、このリード線22aから引き回された導電線でヒータ部23が形成され、このヒータ部23から他方のリード線22bが延ばされ、他方の接続端子部21bへと続く一本の導電線で、一つの連続した線状のヒータ部23、リード部22、接続端子部21が形成されている。
図2では、支持シートと略同一形状の外装シート3に、フィルムヒータの接続端子部の少なくとも一部を外部に露出させる貫通孔31が設けられている。
外装シートには、接続端子部の少なくとも一部を外部に露出させる貫通孔が設けられる。接続端子部を露出させるための外装シートの貫通孔の形成には、金型による打ち抜きやレーザー装置等の切削手段を用いることができ、具体的には、ビク刃、切削刃、レーザーカッター、又はミーリング装置等を用いることができる。
図3に示す実施形態から解かるように、導電性パターンを形成した支持シート1の一方の面の全面が貫通孔31を除いて外装シート3により覆われており、これにより全体として透明な熱可塑性樹脂シートからなる支持シート1と外装シート3の間に導電線からなる導電性パターンが挟持された構成であっても、接続端子部21は外部電源と確実に電気的に接続することができる。また、支持シートの一方の面に形成されたヒータ部とリード部を外装シートで覆って保護することが可能になる。
外装シートの表面には、必要により、防汚層や防曇層、帯電防止層、ハードコート層などを形成してもよい。
粘着層の厚みは接着力が得られる厚みであれば特に限定されず、通常は20μm~200μmとし、好ましくは25μm~75μm程度がよい。粘着層を形成する場合、粘着剤をグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、コンマコーティング、ナイフコーティング、ダイコーティング等の塗布方式を用いて形成できる。
支持シートとなる熱可塑性樹脂シート(三菱樹脂株式会社製ポリカシートDPI-AO 厚み0.075mm)を準備し、表面が平坦な金属板と表面にエンボス型が形成された金属板とで熱可塑性樹脂シートを挟み、真空ラミネート機(名機製作所製MVLP-500、温度180℃ 圧力0.5MPa)により加熱プレスしてエンボス加工を行い、支持シートの片面に凹凸面を形成した。凹凸面は深さ約20μmの波形の連続模様とした。
支持シートの平坦な表面に導電線(ELEKTRISOLA社製自己融着被膜導線AB15φ0.10mm)を、超音波ヘッドを備えた配線描画装置(Ruhlamat社製WCE150、設定条件:USP1200、speed40%)を用いて埋め込み、図1に示すような導電性パターンを形成した。
導電性パターンは、リード部の長さ(端子部から最初の折り返し位置までの直線部分の長さ)が、130mm、ヒータ部は、直線部分90mm、折り返し部分(ピッチ)10mm、折り返し回数(直線部分の線数)8回とし、接続端子部は、直線部分17mm、折り返し部分(ピッチ)0.3mm、折り返し回数(直線部分の線数)12回とした。最後に、縦170mmm×横120mmにカットし、フィルムヒータを作製した。
外装シートとなる熱可塑性樹脂シート(三菱樹脂株式会社製ポリカシートDPI-AO 厚み0.075mm)を準備し、接続端子部の対応する位置に 10mm×10mmの貫通孔を形成した。実施例1の導電性パターンを配線した支持シートの表面に外装シートを貼り合わせて、真空ラミネート機(名機製作所製MVLP-500、温度180℃ 圧力0.5MPa)により加熱プレスし、支持シート上に十分に密着させた。最後に、縦170mmm×横120mmにカットし、フィルムヒータを作製した。
2 導電性パターン
21a、21b 接続端子部
22a、22b リード部
23 ヒータ部
3 外装シート
31 貫通孔
Claims (6)
- 透明な熱可塑性樹脂シートからなる支持シートの一方の面に導電線からなる導電性パターンが設けられ、該支持シートの他方の面は凹凸を有し、前記導電性パターンが、接続端子部と、該接続端子部から延びたリード線と、該リード線から続くヒータ部とを有し、前記接続端子部は、前記導電線が複数箇所で折れ曲がったパターンで構成されているフィルムヒータ。
- 前記導電性パターンは、連続した一本の導電線で形成されている請求項1に記載のフィルムヒータ。
- 前記支持シートの前記一方の面側に、前記導電性パターンを覆うように、前記支持シートとは別の透明な熱可塑性樹脂シートからなる外装シートが設けられ、該外装シートには、前記接続端子部の少なくとも一部を外部に露出させる貫通孔が設けられた請求項1又は2に記載のフィルムヒータ。
- 前記接続端子部上に、さらに金属板が設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
- 前記導電性パターンを構成する導電線が、前記接続端子部を除いて、自己融着性の絶縁被膜により被覆されてなる請求項1~4のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
- 前記支持シートの前記他方の面に粘着層が設けられた請求項1~5のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
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