JP2017004918A - 信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号灯の表示窓がドーム形の形状であっても、これに密着させやすい信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を提供する。【解決手段】所定のパターンに形成された金属線抵抗体4を、中心角が90度以下である扇形の切欠部5、及び/または、外周の外側に突出部6を有する円形シート状の可撓性透明基材7の表面または内部に備えてなる信号灯用の面状ヒータ3とする。また、信号灯の表示窓の表面に、信号灯用の面状ヒータを貼り付けて、面状ヒータの金属線抵抗体に通電し、氷または雪の付着を防止する。【選択図】図3

Description

本発明は、信号灯に氷または雪が付着した際にこれらを融かし、視認性を確保することができる面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に関する。
寒冷地において、道路、鉄道等に交通整理等の目的で用いられる信号灯(信号機)は、氷または雪が付着することによりそれらの表示面(表示窓)が覆われて視認性が妨げられるという問題がある。このような信号灯への氷雪付着を防ぐためには、信号灯の表示窓、あるいはその近辺の部分にヒータを設ける方法が一般的に知られている。また、ヒータの発熱素子としては、金属線抵抗体を絶縁基板シートに張り巡らして回路としたものが多く用いられている。
例えば、特許文献1には、信号機の表示灯の庇と同形の発熱体をこの庇に取付け、発熱体上部の雪を融かす融雪装置が開示されており、特許文献2には、透明導電膜であるITO膜を発熱抵抗体として用いた透明導電膜ヒータが開示されている。また、特許文献3には、所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた面状ヒータが開示されている。
特開2003−303399 特開2007−220636 特開2013−30391
特許文献3の面状ヒータは、信号灯(信号機)の表示窓に直接貼り付けるので、効率よく表示窓の氷雪付着を防止することができる。しかし、信号灯(信号機)に用いられる表示窓は、特許文献3(図4)に示すように、信号灯の正面に向かって突き出したドーム形の形状となっている場合がある。このような場合であって、表示窓の形状が半球に近い形状になるほど、特許文献3に記載された面状ヒータではこれをドーム形の表示窓に密着させることが困難になり、効率よく表示窓の氷雪付着を防止することができなくなる。
従って、本発明が解決しようとする課題は、信号灯の表示窓がドーム形の形状であっても、これに密着させやすい(または密着させることができる)信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を提供することである。
本発明の発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を備える円形シート状の可撓性透明基材に、適度な中心角を有する扇形の切欠部を設けることにより、該可撓性透明基材が円形シートの形状から円錐シートの形状に容易に変形できるようになり、面状ヒータをドーム形の表示窓に貼り付ける際に密着させやすくなること、また、ヒータの発熱量を変えることなく、可撓性透明基材の径を小さくする(電極への接続部を除いた外周部分を削除する)ことにより、面状ヒータをドーム形の表示窓に密着させやすくなること等を見出し、本発明の信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に到達した。
すなわち、本発明は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、中心角が90度以下である扇形の切欠部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータである。
また、本発明は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、外周の外側に突出部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータである。
また、本発明は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、中心角が90度以下である扇形の切欠部と外周の外側に突出部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータである。
また、本発明は、信号灯の表示窓の表面に、前記のいずれかに記載の信号灯用の面状ヒータを貼り付けて、該面状ヒータの金属線抵抗体に通電し、氷または雪の付着を防止することを特徴とする氷雪付着防止方法である。
本発明の面状ヒータは、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を備える円形シート状の可撓性透明基材に、中心角が90度以下である扇形の切欠部を設けた構成なので、扇形の切欠部の直線部を互いに接触または近接させ、可撓性透明基材を円形シートから円錐シートの形状に変形させて使用することが可能である。また、本発明の前記と別の形態の面状ヒータは、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を備える円形シート状の可撓性透明基材の外周の外側に突出部を設けた構成、すなわち電極への接続部を除き外周部分を削除して可撓性透明基材の径を小さくした構成である。その結果、本発明の面状ヒータは、加熱対象の信号灯の表示窓がドーム形(半球、球の一部、これらに類似する形状等)であっても、面状ヒータを従来のものより該表示窓に密着させて貼り付けることが可能となり、効率よく表示窓の氷雪付着を防止することができる。
本発明は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に有する面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に適用される。本発明においては、可撓性透明基材として、通常は真円形またはこれに近い円形のシート状の可撓性透明基材が使用されるが、これに限定されることなく、短径と長径の比が1:1〜1.5程度の楕円のシート状の可撓性透明基材についても適用することができる。本発明においては、これらの形状の可撓性透明基材をまとめて円形シート状の可撓性透明基材という。
以下、本発明の信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を、図1〜図10に基づいて説明するが、本発明がこれにより限定されるものではない。尚、図1〜図3は本発明の信号灯用の面状ヒータの例を示す正面構成図、図4は図1〜図3におけるA−Aの断面の例を示す断面図、図5は図1の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す側面構成図、図6は図2または図3の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す側面構成図、図7は図1の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す正面構成図、図8は図2または図3の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す正面構成図、図9は実施例の氷雪付着防止実験に用いた信号灯の側面構成図、図10は実施例の氷雪付着防止実験の結果を示す信号灯の写真である。
図1に示すように、本発明の第1形態の信号灯用の面状ヒータ1は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体4を、中心角が90度以下である扇形の切欠部5を有する円形シート状の可撓性透明基材7の表面または内部に備えてなる面状ヒータである。
図2に示すように、本発明の第2形態の信号灯用の面状ヒータ2は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体4を、外周の外側に突出部6を有する円形シート状の可撓性透明基材7の表面または内部に備えてなる面状ヒータである。
図3に示すように、本発明の第3形態の信号灯用の面状ヒータ3は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体4を、中心角が90度以下である扇形の切欠部5と外周の外側に突出部6を有する円形シート状の可撓性透明基材7の表面または内部に備えてなる面状ヒータである。
以下、本発明の信号灯用の面状ヒータについて詳細に説明する。
本発明の第1形態の信号灯用の面状ヒータ1は、図5に示すように、信号灯の表示窓12が信号の発光方向に向かって突き出したドーム形の形状となっている場合に、表示窓12の表面に貼り付けて、氷または雪の付着を防止することに適した面状ヒータである。すなわち、面状ヒータ1は、扇形の切欠部5の2本の直線部8を互いに接触または近接させて、金属線抵抗体4を有する可撓性透明基材7を、円形シートの形状から円錐シートの形状に変形させた後、信号灯の表示窓12に貼り付けて使用される。このように可撓性透明基材7を円錐形に変形することにより、可撓性透明基材7が平面である場合よりも信号灯の表示窓12に密着させることが可能となり、効率よく信号灯の表示窓12に氷または雪が付着することを、抑制または防止することができる。
面状ヒータ1において、可撓性透明基材7は、通常は扇形の切欠部5を除く外形が、真円形またはこれに近い円形であり、その径(長径)は、通常は信号灯の表示窓12の径の80〜110%である。また、扇形の切欠部5の中心角9は、信号灯の表示窓12のドームの突出状態にもよるが、通常は90度以下(0〜90度)である。中心角9が0度の場合(切欠部は1本の切り込み部となる)も、周辺部を重ね円錐形に変形させて用いることが可能である。信号灯の表示窓12のドーム形の突出の割合が大きくなるほど扇形の切欠部5の中心角9は大きく設定される。
尚、扇形の切欠部5の中心角が大きくなると、面状ヒータ1を円形シートの形状から円錐シートの形状に変形させた際に、円錐の頂点部分において信号灯の表示窓12の中心部に密着しにくくなる部分が大きくなる。従って、本発明においては、扇形の切欠部5の中心角は、通常は90度以下、好ましくは60度以下、さらに好ましくは45度以下である。このことは、後述する面状ヒータ3も同様である。また、扇形の切欠部5の中心角9の部分は、可撓性透明基材7の中心と一致しなくともよいが、これらは近接していることが好ましい。また、扇形の切欠部5の中心角9の部分は、図1に示すように2本の直線で形成してもよく、図3に示すように曲線で形成してもよい。面状ヒータ1は、図7に示すように、通常は可撓性透明基材7の中心が信号灯の表示窓12の中心と一致するように配置して使用される。これらのことは、後述する面状ヒータ3についても同様である。
本発明の第2形態の信号灯用の面状ヒータ2も、図6に示すように、信号灯の表示窓12が信号の発光方向に向かって突き出したドーム形の形状となっている場合に、表示窓12の表面に貼り付けて、氷または雪の付着を防止することに適した面状ヒータである。すなわち、面状ヒータ2は、可撓性透明基材7の円形部の径が小さいので、円形部の径が大きい場合よりも信号灯の表示窓12に密着させることが可能となり、効率よく信号灯の表示窓12に氷または雪が付着することを、抑制または防止することができる。面状ヒータ2において、可撓性透明基材7の円形部は、通常は真円形またはこれに近い円形であり、その径(長径)は、通常は信号灯の表示窓12の径の40〜90%である。面状ヒータ2は、面状ヒータ1と同じ電力で使用する場合、信号灯の表示窓12の中央部を面状ヒータ1より効率よく加熱することができる。
面状ヒータ2において、可撓性透明基材7の円形部の外周の外側に設けられる突出部6は、円形部の金属線抵抗体4と電極10と接続するための配線を支持する効果がある。また、前記配線自体を金属線抵抗体、さらに蛇行状の金属線抵抗体とし、図8に示すように、突出部6を下側となるような形態で使用すると、氷雪が溜りやすい信号灯の表示窓12の下部を加熱できる効果がある。従って突出部6の形状は、これらの効果が発揮できる形状であれば特に制限されることはないが、通常は、四角形、台形、またはこれらに類似する形状である。突出部6の図8における鉛直方向の長さ(高さ)は、通常は信号灯の表示窓12の径の5〜30%(円形部の径の5.6〜75%)である。面状ヒータ2は、図8に示すように、通常は可撓性透明基材7の円形部の中心が信号灯の表示窓12の中心と一致するように配置して使用される。
本発明の第3形態の信号灯用の面状ヒータ3は、前述の面状ヒータ1と面状ヒータ2の特長を合せて有する面状ヒータである。すなわち、面状ヒータ3は、扇形の切欠部の直線部8を互いに接触または近接させて、金属線抵抗体4を有する可撓性透明基材7の円形部を、切欠部を有する円形シートの形状から円錐シートの形状に変形させた後、信号灯の表示窓12に貼り付けて使用される。また、面状ヒータ3は、面状ヒータ1より可撓性透明基材7の径が小さく、可撓性透明基材7を円形シートの形状から円錐シートの形状に変形できるので、面状ヒータ1及び面状ヒータ2よりも密着させてドーム形の形状を有する信号灯の表示窓12の表面に貼り付けることができる。さらに、面状ヒータ3は、面状ヒータ1と同じ電力で使用する場合、面状ヒータ2と同様に信号灯の表示窓12の中央部を面状ヒータ1より効率よく加熱することができる。
面状ヒータ3において、可撓性透明基材7の円形部は、通常は扇形の切欠部5を除く外形が、真円形またはこれに近い円形であり、その径(長径)は、通常は信号灯の表示窓12の径の40〜90%である。また、扇形の切欠部5の中心角9は、信号灯の表示窓12のドームの突出状態にもよるが、通常は90度以下(0〜90度)である。中心角9が0度の場合(切欠部は1本の切り込み部となる)も、周辺部を重ね円錐形に変形させて用いることが可能である。信号灯の表示窓12のドームの突出の割合が大きくなるほど扇形の切欠部5の中心角9は大きく設定される。
面状ヒータ3において、可撓性透明基材7の円形部の外周の外側に設けられる突出部6は、円形部の金属線抵抗体4と電極10を接続するための配線を支持する効果がある。また、前記配線自体を金属線抵抗体、さらに蛇行状の金属線抵抗体とし、図8に示すように、突出部6を下側となるような形態で使用すると、氷雪が溜りやすい信号灯の表示窓12の下部を加熱できる効果がある。従って突出部6の形状は、これらの効果が発揮できる形状であれば特に制限されることはないが、通常は、四角形、台形、またはこれらに類似する形状である。突出部6の図8における鉛直方向の長さ(高さ)は、通常は信号灯の表示窓12の径の5〜30%(円形部の径の5.6〜75%)である。面状ヒータ3は、図8に示すように、通常は可撓性透明基材7の円形部の中心が信号灯の表示窓12の中心と一致するような形態で使用される。
本発明の信号灯用の面状ヒータに用いられる金属線抵抗体4としては、銅ニッケル線、ニクロム線、ステンレス線等が挙げられる。金属線抵抗体4の形状は、断線及び劣化等の不具合が生じることなく、信号の視認性を妨げない範囲で任意に設定することができるが、通常は直径0.03〜1mmの円形断面を有する金属線、好ましくは直径0.05〜0.5mmの円形断面を有する金属線である。金属線抵抗体4は、通常は図1〜図3に示すように蛇行状に配置されるが、本発明においてはこのような配置パターンに限定されることはない。しかし、蛇行状の配置により直線部が短くなり、金属線が高温になった際に金属線の熱膨張による断線を防止できる点で、蛇行状の配置にすることが好ましい。
本発明においては、金属線抵抗体4の間隔に粗密をつけることで、着雪等の度合いに応じて温度分布を最適化することもできる。また、可撓性透明基材7の表面に刻まれた溝の中に金属線抵抗体4を埋設してもよく、また可撓性透明基材の成形段階で可撓性透明基材7の中に埋設してもよい。しかし、信号灯の表示窓12に付着した氷または雪を効率よく融かすため、図4(1)(3)に示すように、可撓性透明基材7の表面に埋設して、金属線抵抗体4が信号灯の表示窓12に近接して取付けできるようにすることが好ましい。電極10は、可撓性透明基材7に埋設された金属線抵抗体4と、可撓性透明基材7の外部に存在するリード線11とを接続するためにあり、リード線11からの電流が電極10を介して金属線抵抗体4に通電されることにより、面状ヒータが発熱する構成となっている。
また、本発明の信号灯用の面状ヒータに用いられる可撓性透明基材7としては、金属線抵抗体4の発する熱に耐えるだけの耐熱性を有し、電気絶縁性を有し、表示面の視認性を妨げない程度に透明であり、屋外での使用に耐えるだけの耐候性を有する材料を用いることができる。このような材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。可撓性透明基材7は単一の材料から構成されてもよいが、加工の容易さと耐候性の確保のために、アクリル樹脂層及びポリカーボネート樹脂層の積層構造であることが好ましい。例えば、図4(1)(2)において、可撓性透明基材7はアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる2層構造であり、金属線抵抗体4がアクリル樹脂に埋設された構造とすることができる。可撓性透明基材7の厚みは、通常は0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mmである。
尚、本発明の面状ヒータには、前記の可撓性透明基材7の一部の層に、耐候処理が施されていることが好ましい。特に、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂を基材として使用する場合は、これらの基材に対して耐候処理が必要である。例えば前記の2層(外側:アクリル樹脂層、内側:ポリカーボネート樹脂層)からなる樹脂層の場合は、互いに接する面のどちらかの表面に耐候処理を施すことにより、ポリカーボネート樹脂層を保護することができる。耐候処理の方法としては、例えば耐候性樹脂を塗布する方法等が挙げられる。
本発明の信号灯用の面状ヒータを用いた氷雪付着防止方法は、信号灯の表示窓の表面に、前述のいずれかの面状ヒータを貼り付けて、該面状ヒータの金属線抵抗体に通電し、氷または雪の付着を防止する氷雪付着防止方法である。
以下、本発明の信号灯用の面状ヒータを用いた氷雪付着防止方法について説明する。
本発明の氷雪付着防止方法は、図5、図6に示すように、信号灯の表示窓12が信号の発光方向に向かって突き出したドーム形の形状である場合に、面状ヒータを該表示窓に密着して貼り付けることが可能であり、効率よく表示窓を加熱して氷雪付着を防止することができる点で効果を発揮するが、信号灯の表示窓が偏平状の形状であっても、該表示窓に貼り付けて使用することができる。また、信号灯の光源としてLED電球が使用された場合、LED電球は白熱電球よりも放熱量が少ないために該表示窓に氷雪が付着しやすくなるが、本発明においては面状ヒータを該表示窓に密着して貼り付けることができるので、光源がLED電球である場合に特に前記の効果を発揮することができる。
本発明の氷雪付着防止方法に適用される信号灯(信号機)としては、例えば図5、図6に示すような、内部に白熱電球またはLED電球からなる光源13、上部に庇14を備えた筐体15が、図7、図8に示すように、水平方向に併設されもの、あるいは前記のような筐体15が、鉛直方向に併設されもの(図示しない)がある。このような構成の信号灯においては、庇14により遮られなかった雪が、信号灯の表示窓12の下部に着雪する傾向が強い。従って、信号灯の表示窓12がドーム形の形状ではなく偏平の形状であっても、面状ヒータ1、面状ヒータ3については、扇形の切欠部5を上方となるように配置することにより、面状ヒータ2、面状ヒータ3については、突出部6を下方にとなるように配置することにより効率よく積雪を防止することができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
(面状ヒータ1の製作)
正面の構成が図1、断面が図4(3)に示すような面状ヒータ1を製作した。可撓性透明基材は、アクリル樹脂層(厚さ0.5mm)及びポリカーボネート樹脂層(厚さ0.45mm)の2層構造からなり、中心角が20度の扇形の切欠部を有する直径310mmの円形からなるものであった。アクリル樹脂層側の表面に蛇行状の溝を彫り、この溝に沿って断面直径0.08mmの発熱線抵抗体を埋設した。金属線抵抗体は、信号灯の窓に近接して取付けできるように埋設された。また、発熱線抵抗体の両端には、直径5mmの銅製の電極を介してリード線を接続した。発熱部は、扇形の切欠部を除き、可撓性透明基材と同心円状の直径300mmの円形とした。発熱線抵抗体は、ニクロム線からなり、100V仕様で消費電力は11Wであった。
(面状ヒータ2の製作)
正面の構成が図2、断面が図4(3)に示すような面状ヒータ2を製作した。可撓性透明基材は、アクリル樹脂層(厚さ0.5mm)及びポリカーボネート樹脂層(厚さ0.45mm)の2層構造からなり、外周の外側に突出部(一辺が60mmの正方形)を有する直径190mmの円形からなるものであった。アクリル樹脂層側の表面に蛇行状の溝を彫り、この溝に沿って断面直径0.08mmの発熱線体抗体を埋設した。金属線抵抗体は、信号灯の窓に近接して取付けできるように埋設された。また、発熱線抵抗体の両端には、直径5mmの銅製の電極を介してリード線を接続した。発熱部は、扇形の切欠部を除き、可撓性透明基材と同心円状の直径190mmの円形とした。発熱線抵抗体は、ニクロム線からなり、100V仕様で消費電力は11Wであった。
(面状ヒータ3の製作)
正面の構成が図3(但し、配線パターンは左右各1回路を有する計2回路)、断面が図4(3)に示すような面状ヒータ2を製作した。可撓性透明基材は、アクリル樹脂層(厚さ0.5mm)及びポリカーボネート樹脂層(厚さ0.45mm)の2層構造からなり、中心角が20度の扇形の切欠部及び外周の外側に突出部(一辺が60mmの略正方形)を有する直径190mmの円形からなるものであった。アクリル樹脂層側の表面に蛇行状の溝を彫り、この溝に沿って断面直径0.08mmの発熱線抵抗体を埋設した。金属線抵抗体は、信号灯の窓に近接して取付けできるように埋設された。また、発熱線抵抗体の両端には、直径5mmの銅製の電極を介してリード線を接続した。発熱部は、扇形の切欠部を除き、可撓性透明基材と同心円状の直径180mmの円形とした。発熱線抵抗体は、ニクロム線からなり、100V仕様で消費電力は11Wであった。
(比較例用の面状ヒータの製作)
扇形の切欠部と突出部を有さない円形シート状の面状ヒータを製作した。可撓性透明基材は、アクリル樹脂層(厚さ0.5mm)及びポリカーボネート樹脂層(厚さ0.45mm)の2層構造からなり直径310mmの円形であった。アクリル樹脂層側の表面に蛇行状の溝を彫り、この溝に沿って断面直径0.08mmの発熱線抵抗体を埋設した。金属線抵抗体は、信号灯の窓に近接して取付けできるように埋設された。また、発熱線抵抗体の両端には、直径5mmの銅製の電極を介してリード線を接続した。発熱部は、扇形の切欠部を除き、可撓性透明基材と同心円状の直径190mmの円形とした。発熱線抵抗体は、ニクロム線からなり、100V仕様で消費電力は11Wであった。
(面状ヒータの球面への接着)
信号灯の表示窓として、曲率半径470mmの球面を有する透明プラスチック(球面の径310mm、厚さ0.5mm)の裏側表面に、前述の面状ヒータを密着することを試みた。その結果、面状ヒータ1及び面状ヒータ3は、透明プラスチックに容易に密着させることができた。また、面状ヒータ2は、可撓性透明基材を湾曲させることにより、透明プラスチックに密着させることができた。しかし、比較例用の面状ヒータは、透明プラスチックに密着させることが困難であった。
(氷雪付着防止実験)
前述のように製作した面状ヒータ3について、次のように氷雪付着防止実験を行なった。面状ヒータ3を、多数の小さなLEDからなる薄板状の各光源(上から赤灯、黄灯、青灯)が内蔵された図9に示すような構成を有する信号灯の赤灯及び青灯の表示窓に、各々内側から貼り付けた。信号灯は、青灯60秒、黄灯6秒、赤灯60秒の順に点灯するサイクルを連続的に繰り返すものであった。尚、この信号灯は、新潟県内の屋外実験施設に設けられたものである。
実験開始の当日夜(2月)に雪が降り始めたことを確認した後、表示窓の中央部が20〜50℃となるように面状ヒータ3に通電した。その後、雪は翌朝まで降り続けた。図10は、次の日の午前9時頃に撮影した写真を示すものであり、左は赤灯の点灯時の写真、中央は黄灯の点灯時の写真、右は青灯の点灯時の写真である。これらの結果から、面状ヒータ3により表示窓を加熱していた赤灯及び青灯は、表示窓全体が雪に覆われることなく点灯の際にLED光源が見えるが、面状ヒータ3を表示窓に貼り付けなかった黄灯は、表示窓全体が雪に覆われて点灯してもLED光源が見えないことがわかる。
以上のように、本発明の面状ヒータは、加熱対象の信号灯の表示窓がドーム形であっても、面状ヒータを従来のものより表示窓に密着させて貼り付けることが可能となり、効率よく表示窓の氷雪付着を防止することができる。
本発明の第1形態の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図 本発明の第2形態の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図 本発明の第3形態の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図 図1〜図3におけるA−Aの断面の例を示す断面図 図1の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す側面構成図 図2または図3の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す側面構成図 図1の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す正面構成図 図2または図3の面状ヒータを取付けた信号機の一例を示す正面構成図 実施例の氷雪付着防止実験に用いた信号灯の側面構成図 実施例の氷雪付着防止実験の結果を示す信号灯の写真
1 第1形態の面状ヒータ(面状ヒータ1)
2 第2形態の面状ヒータ(面状ヒータ2)
3 第3形態の面状ヒータ(面状ヒータ3)
4 金属線抵抗体
5 扇形の切欠部
6 突出部
7 可撓性透明基材
8 直線部
9 中心角
10 電極
11 リード線
12 信号灯の表示窓
13 光源
14 庇
15 筐体

Claims (10)

  1. 所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、中心角が90度以下である扇形の切欠部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータ。
  2. 所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、外周の外側に突出部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータ。
  3. 所定のパターンに形成された金属線抵抗体を、中心角が90度以下である扇形の切欠部と外周の外側に突出部を有する円形シート状の可撓性透明基材の表面または内部に備えてなることを特徴とする信号灯用の面状ヒータ。
  4. 切欠部と突出部が、互いに円周の対面に設けられた請求項3に記載の信号灯用の面状ヒータ。
  5. 扇形の切欠部の直線部を互いに接触または近接させて、円形シートの形状から円錐シートの形状に変形させた請求項1または請求項3に記載の信号灯用の面状ヒータ。
  6. 突出部に形成された金属線抵抗体が、蛇行状の金属線抵抗体である請求項2に記載の信号灯用の面状ヒータ。
  7. 可撓性透明基材の一部の層に、耐候処理が施された請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の信号灯用の面状ヒータ。
  8. 可撓性透明基材が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂の層からなる請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の信号灯用の面状ヒータ。
  9. 信号灯の表示窓の表面に、請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の信号灯用の面状ヒータを貼り付けて、該面状ヒータの金属線抵抗体に通電し、氷または雪の付着を防止することを特徴とする氷雪付着防止方法。
  10. 信号灯の表示窓が、ドーム形の形状を有している請求項9に記載の氷雪付着防止方法。
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