JP2014086339A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光装置において、雪や氷が付着する状況でも、付着した雪や氷を排除する。
【解決手段】透光性を有し、外面10aおよび内面10bがいずれも曲面で形成された保護カバー10(カバー)と、実装面21a(他方の面)にLED素子22(発光体)が実装され、配線面21b(一方の面)が保護カバー10の内面10bに接して設けられた基板21を有する電気回路20(回路)と、実装面21aに対向する側に配置され、LED素子22から出射した光Lを保護カバー10の側に反射するリフレクタ80(反射部材)とを備え、保護カバー10の内面10bのうち、基板21が接する部分に、基板21の配線面21bの面に沿った平坦な底面10f(平坦な面)の溝10eが形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】透光性を有し、外面10aおよび内面10bがいずれも曲面で形成された保護カバー10(カバー)と、実装面21a(他方の面)にLED素子22(発光体)が実装され、配線面21b(一方の面)が保護カバー10の内面10bに接して設けられた基板21を有する電気回路20(回路)と、実装面21aに対向する側に配置され、LED素子22から出射した光Lを保護カバー10の側に反射するリフレクタ80(反射部材)とを備え、保護カバー10の内面10bのうち、基板21が接する部分に、基板21の配線面21bの面に沿った平坦な底面10f(平坦な面)の溝10eが形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明はLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光体を用いた発光装置に関し、詳細には、発光体から出射された光を反射部材で反射させて発光体の背面方向(光の出射方向とは反対の方向)に出射するようにした反射型の発光装置の改良に関する。
従来、発光装置として、LED素子の発光面に対向させて反射部材(リフレクタ)を配置し、LED素子から出射した光(出射光)をリフレクタで反射させ、その反射した光(反射光)をLED素子の背面方向に出射させる、いわゆる反射型のものが開発されている(特許文献1)。
この反射型の発光装置は、LED素子からの出射光を高い効率で外部に出射することができるため、高い輝度が求められる発光装置では特に有用である。
ここで、発光装置は種々のものに用いられているが、白熱灯などと比較してLED素子は伝熱量が少ないために、例えば降雪などに晒される状況で交通信号灯の灯火部として用いられているものでは、灯火部の最前面に設けられた保護カバーに付着した雪が溶けにくく、その付着した雪によって灯火部の発光状態の視認性が低下する虞がある。
なお、上述した問題は、発光装置が、交通信号灯に用いられた場合だけでなく、降雪や着氷の虞がある街路灯や照明器具、電光看板等に用いられた場合も同様に生じうる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、雪や氷が付着する状況下においても、これら付着した雪や氷を排除することができる発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る発光装置は、発光体が実装された基板がカバーに接して設けられていることで、カバーに雪や氷が付着した場合であっても、基板の熱によって、カバーに付着した雪や氷を溶かすものである。
しかも、本発明に係る発光装置は、カバーの内面のうち基板が接して設けられる部分が平坦な面に形成されていることで、柔軟性を有しない安価な基板を用いることができ、発光装置の全体のコストが上昇するのを防止するものである。
すなわち、本発明に係る発光装置は、透光性を有し、外面および内面がいずれも曲面で形成されたカバーと、一方の面が前記カバーの内面に接して設けられ、他方の面に発光体が実装された基板を有する回路と、前記他方の面に対向する側に配置され前記発光体から出射した光を前記カバーの側に反射する反射部材とを備え、前記カバーの内面のうち、前記基板が接する部分は、前記基板の他方の面に沿った平坦な面に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る発光装置によれば、雪や氷が付着する状況下においても、これら付着した雪や氷を排除することができる。
以下、本発明に係る発光装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明に係る発光装置を図1に示した交通信号灯200の各色(赤色、橙色、青緑色)にそれぞれ対応したLED光源ユニット100(発光装置)に適用した例である。なお、交通信号灯の色は、赤、黄、青と表現することがある。
(構成)
図1に示した交通信号灯200は、中空角柱状の本体ケース150に、灯火部である3つのLED光源ユニット100,100,100が鉛直方向に並んで配置され、各LED光源ユニット100の上縁に沿って庇160が設けられている。
図1に示した交通信号灯200は、中空角柱状の本体ケース150に、灯火部である3つのLED光源ユニット100,100,100が鉛直方向に並んで配置され、各LED光源ユニット100の上縁に沿って庇160が設けられている。
本実施形態の交通信号灯200は、図1に示したように、3つのLED光源ユニット100が縦に並んだものであるが、3つのLED光源ユニット100が横に並んだものであってもよい。
ただし、積雪地向けの交通信号灯200としては、図示のように、LED光源ユニット100が縦に並んだ縦型のものの方が着雪は少なく、雪害対応の観点で有利である。
各LED光源ユニット100は、図2,3に示すように、略円板皿状に形成された保護カバー10(カバー)と、渦巻き状に形成された電気回路20(回路)と、断熱カバー70と、光を反射させるリフレクタ80(反射部材)と、ゴムパッキン90とを備えている。
保護カバー10は、例えばポリカーボネートにより形成されていて、後述するLED素子22(発光体:図6等参照)から出射された光Lを透過させる透光性を有している。
この保護カバー10は、厚さが略均一で、外面10aが緩やかな凸の曲面(例えば球面)で形成され、内面10bは緩やかな凹の曲面(例えば球面)に形成されている。
外面10aが曲面で形成されていることにより、太陽光などの強い光が保護カバー10に照射されたときであっても、外面10aで反射した光が、平面の場合のように外面10aの全面に亘って反射し、その反射光の向きが特定の一方向に揃うのを防ぐことができる。
この結果、どこから交通信号灯200を見ても、太陽光が映り込むことによる強い反射光の影響でLED光源ユニット100から発光した光Lの全てを視認できなくなるのを防止することができる。つまり、太陽光が映り込んでいない部分でLED光源ユニット100から発光した光Lを視認することができる。
一方、保護カバー10自体の厚さは略均一であることが、後述する熱の伝達の観点から好ましいため、内面10bも緩やかな曲面となっているが、この内面10bには、後述の電気回路20の基板21が接して設けられるため、基板21が接する部分には、図4,5に示すように、底面10fが平坦な面の、渦巻き状に延びた溝10eが形成されている。
電気回路20は、図6に示すように、渦巻き状に形成された基板21の実装面21a(他方の面)に、36個のLED素子22(発光体)と、LED素子22を定電流で発光させるために駆動する3個の駆動部品25(高発熱体)とが実装されている。
実装面21aに実装された36個のLED素子22は、それぞれLEDチップがパッケージ実装されたものであり、3個の駆動部品25は、例えばそれぞれトランジスタ(MOS−FET)である。なお、駆動部品25は、LED素子22よりも、伝熱量が格段に大きい高発熱体である。
これら36個のLED素子22および3個の駆動部品25は、渦巻き状の基板21が延びる方向に沿って一列に、略等間隔で分布して設けられている。
基板21の、実装面21aの裏面(一方の面)には、図7に示すように、実装された駆動部品25に交流の商用電源で電力を供給する、銅箔等による電源配線26bが形成されている。以下、この電源配線26bが形成された面を配線面21bという。
なお、実装面21aにも、LED素子22同士やLED素子22と駆動回路とを接続する銅箔等によるLED間信号線26cが形成されている。
基板21は、例えば、50〜400[μm]程度の厚さで形成され基材FR4(Flame Retardant Type 4)に銅箔で電源配線26bおよびLED間信号線26cを形成し、透明なレジストを塗布したガラスエポキシ基板であり、基材の部分は光Lを含めて可視光線をある程度透過するが、電源配線26bおよびLED間信号線26cの部分は光Lを透過しない。ここで、基板21の基材はガラスエポキシ基板に限定するものではなく、光学透過特性を有するものとして耐熱透明フィルム、例えば透明ポリイミドフィルムが望ましい。
なお、ガラスエポキシ製の基板21は、一般的にリジッド基板と言われているように、柔軟性がなく、実装面21a、配線面21bともに略平坦な面となっている。
ただし、基板21は上述したように薄く形成されているため、基板21が渦巻き状に延びた方向については、上下方向(基板21の厚さ方向に沿った方向)に僅かな量の変形が可能となっている。この場合であっても、基板21の幅方向(渦巻き状に延びた方向に対して直交する方向)に沿っては、略平坦な面が維持されている。
電気回路20は、その外径が保護カバー10の内面10bの直径よりもわずかに小さい程度に形成されていて、図8に示すように、基板21の配線面21bが保護カバー10の内面10bに形成された溝10eの底に接して設けられている。保護カバー10に対する基板21の接着は、例えば、熱伝導性の良い接着剤や両面テープ等が用いられている。
そして、電気回路20が保護カバー10に接着された状態で、36個のLED素子22は、保護カバー10の内面10bの全面に亘る領域(特定の領域)内で、おおよそ均一に分布した配置となる。
ここで、保護カバー10の内面10bに形成された溝10eは、この溝10eの底面10fに接着された状態の電気回路20の各LED素子22にそれぞれ対応した底面10fの、上下方向(z軸方向)の座標位置が、図9に示すような位置となるように形成されている。
すなわち、図9における横軸は、図8における電気回路20の外周側の端部に実装されたLED素子22から、基板21の渦巻き状に延びた方向に沿った順のLED素子22の番号(1,2,…,36)であり、縦軸は、図5に示した、保護カバー10の中心軸Cと内面10bとの交点を0(ゼロ)として、中心軸Cに沿ったz軸方向の座標位置を示すものである。
なお、z軸方向の座標位置のうち、内面10bから外面10aに向かう方向を負とし、内面10bからリフレクタ80に向かう方向を正とする。
このグラフに示すように、溝10eは、基板21の延びた方向に沿って互いに隣り合う2つのLED素子22,22間のz軸方向の座標位置の差が、1.2[mm]以下となるように形成されている。
また、この溝10eは、基板21の延びた方向に沿って互いに隣り合う2つのLED素子22,22間のz軸方向の座標位置の差の変化量の絶対値が、0.3[mm]以下となるように形成されている。
3個の駆動部品25は、36個のLED素子22が分布して配置された領域のうちの一部である、図8における下部の領域10dに集中して設けられている。ここで、駆動部品25は、スルーホールを介して、基板21の配線面21bに設けた信号線により駆動回路と接続されている。これによって駆動部品25は実装面21aの任意の場所に配置することができる。
基板21の配線面21bが保護カバー10の内面10bに接着されていることで、実装面21aの各LED素子22から出射された光Lは、リフレクタ80に向かう方向に進む。
基板21に実装された36個のLED素子22と3個の駆動部品25および駆動回路と電源配線26bおよびLED間信号線26cとによって構成された電気回路は、図10に示すものとなっている。
基板21に実装された36個のLED素子22のうち、図6に示した基板21の渦巻きの外周部分に配置されている17個のLED素子22は、図10の回路図における1段目のLEDブロック22Aに対応し、残りの19個のLED素子22は、図10の回路図における2段目のLEDブロック22Bに対応している。
電気回路20の実装面21aのうち、各駆動部品25が実装されている部分には、図11に示すように、LED間信号線26cに比べて広い面積の銅箔27(高熱伝導率部材)が貼られている。
これらの銅箔27は、対応する駆動部品25の放熱電極が発する高熱を広い範囲に拡散させるものであり、熱伝導率の高い材質であれば、銅箔27に限らず、銀箔、金箔、アルミ箔等を種々のものを適用することができる。また、導電性銀ペーストをスクリーン印刷したパターンを適用することもできる。
さらに、基板21のうち、駆動部品25の放熱電極に近接した部分には、銅箔27,28も含めて、実装面21aから配線面21bに貫通する複数のスルーホール29a(高熱伝導率部材)が形成されている。
なお、基板21の実装面21aに貼られた銅箔27および配線面21bに貼られた銅箔28(図12参照)には、互いに重なる位置に実装面21aの側から配線面21bの側に向けて光Lを透過させる透過孔29bが多数形成されている。
本実施形態における電気回路20は、1段目のLEDブロック22Aと2段目のLEDブロック22Bとにグループ分けした構成としたことにより、配線面21bにおける電源配線26bは、1段目のLEDブロック22Aに属するLED素子22の部分では、図13に示すように2本の配線となり、2段目のLEDブロック22Bに属するLED素子22の部分では、図14に示すように1本の配線となる。
なお、実装面21aに配線されるLED間信号線26cは、配線面21bの電源配線26bとそれぞれ重なるように配置されていて、基板21のうち電源配線26bおよびLED間信号線26cが貼られていない部分の領域を広くしている。
各LED素子22にはダイヒートシンクが備えられていて、基板21のうち、LED素子22のダイヒートシンクの近傍には、実装面21aから配線面21bに貫通する複数のスルーホール29a(高熱伝導率部材)が形成されている。
断熱カバー70は、保護カバー10と同様に光Lを透過する透光性を有し、基板21上のLED素子22に対向する、図15に示したおもて面70aは、保護カバー10の内面10bの曲面に略沿うような曲面で形成されている。
そして、このおもて面70aには、36個の凹んだ凹部71が形成されている。これら36個の凹部71は、保護カバー10に接着された電気回路20の36個のLED素子22の位置にそれぞれ対応した位置に形成されていて、図16に示すように、各凹部71が対応するLED素子22の周囲を囲み、保護カバー10と断熱カバー70とによって、各LED素子22の周囲を小さい空間に仕切っている。
また、断熱カバー70は、3個の駆動部品25が集中して配置されている領域(図8における下部の領域10d)に対応した範囲を囲む、輪郭形状が例えば概略扇形状の凹み部72が形成されている。
この凹み部72においては、断熱カバー70のおもて面70bが、他の部分におけるおもて面70aよりも低く形成されていて、下部の領域10dに集中して配置されている3個の駆動部品25を一体的に囲んでいる。
また、凹み部72には、図17に示すように、3個の駆動部品25の他に11個のLED素子22も含まれ、これら3個の駆動部品25および11個のLED素子22は、図18に示すように、保護カバー10と断熱カバー70とによって囲まれ、保護カバー10の内面10bと断熱カバー70のおもて面70aとの間に形成された隙間73および11個の凹部71からなる単一の空間74内に閉じこめられている。
リフレクタ80は、電気回路20および断熱カバー70を挟んで、保護カバー10とは反対の側に、電気回路20の実装面21aに対向して配置されている。
リフレクタ80の、断熱カバー70に対向したおもて面80aには、図19に示すように、36個の凹反射面81が形成されている。これら36個の凹反射面81は、保護カバー10に接着された電気回路20の36個のLED素子22の位置にそれぞれ対応した位置に形成されている。
各凹反射面81はそれぞれ、図20に示すように、対応するLED素子22から出射され、断熱カバー70を透過して入射した光Lを、保護カバー10に向けて反射させる。
凹反射面81で反射され、保護カバー10に向かった光Lは、その一部が、保護カバー10に接着された電気回路20の、駆動部品25や銅箔の電源配線26b、LED間信号線26cなどによって遮られるが、残りの大部分の光Lは電気回路20が接着されている部分以外の部分、基板21のスルーホール29aおよび透過孔29b、並びに基板21の電源配線26bやLED間信号線26cが貼られていない部分などを通って保護カバー10を透過し、外部に出射される。
なお、この凹反射面81は、LED素子22の発光点を焦点とする略放物面で形成されていて、反射した光Lを略平行光にする。
ここで、各凹反射面81の中心部分、すなわち、LED素子22の発光点の鉛直下方の部分は、略円錐状に盛り上がって形成されている。
この盛り上がった円錐の斜面81aは、LED素子22の発光点から鉛直下方に出射した光LをLED素子22に反射させないように形成されている。
つまり、凹反射面81が単なる放物面の場合、鉛直下方に出射し放物面で反射した光Lは、LED素子22にそのまま戻るため、反射した光LはLED素子22自体により遮光されて外部に出射されなくなる。
しかし、本実施形態における凹反射面81のように、略円錐状に突出した部分が形成されていると、LED素子22の発光点から鉛直下方に出射した光Lは、その円錐の斜面81aで反射し、凹反射面81の他の部分でさらに反射して、LED素子22に戻らず、外部に出射される。
したがって、LED素子22自体による遮光を減らすことができる。
また、リフレクタ80の周縁の枠部82には、電気回路20に外部の制御機器から商用電源等の電力を供給するための電力線が接続されるコネクタ88が形成されている。
コネクタ88と電気回路20の電極26a,26aとは、図示を省略した電線によって接続されていて、その電線は、リフレクタ80および断熱カバー70を貫いて配線されている。
ゴムパッキン90は、保護カバー10、断熱カバー70およびリフレクタ80の周縁に密着して、これら保護カバー10、断熱カバー70およびリフレクタ80を、図2に示すように一体化して保持し、保護カバー10とリフレクタ80とで仕切られた内部の空間に雨や雪などが侵入するのを阻止している。
(作用、効果)
以上のように構成された本実施形態のLED光源ユニット100によれば、コネクタ88を通じて供給された電力により、電気回路20の各駆動部品25が駆動され、各駆動部品25の駆動によって、各LED素子22から、リフレクタ80に向けて光Lが出射される。
以上のように構成された本実施形態のLED光源ユニット100によれば、コネクタ88を通じて供給された電力により、電気回路20の各駆動部品25が駆動され、各駆動部品25の駆動によって、各LED素子22から、リフレクタ80に向けて光Lが出射される。
各LED素子22から出射した光Lは、断熱カバー70を透過してリフレクタ80の、各LED素子22に対応する凹反射面81で反射され、この凹反射面81で平行光とされ、断熱カバー70および保護カバー10を透過して、外部に出射される。
外部に出射された光Lは、自動車等の運転者や歩行者などによって視認され、交通信号灯200のLED光源ユニット100としての機能を発揮する。
なお、既述したように、保護カバー10に太陽光などの強い光が照射されていても、保護カバー10の外面10aは曲面であるため、外部において、LED光源ユニット100から出射した光Lの全てが、強い光の反射光によって遮られることはなく、光Lの少なくとも一部は視認可能となっている。
保護カバー10には電気回路20が接着されているが、電気回路20の各駆動部品25は、定電流駆動のためのトランジスタであり、そのトランジスタによる伝熱量が大きいため、非常に高温となる。
この駆動部品25が発した熱は、基板21を介して保護カバー10に熱伝達により直接伝達し、保護カバー10を温める。
これにより、保護カバー10の外面10aに雪や氷などが付着した場合であっても、この駆動部品25から保護カバー10に伝達された熱によって、付着した雪や氷を溶かすことができ、付着した雪や氷によって光Lが遮られるのを防止することができる。
また、本実施形態のLED光源ユニット100は、保護カバー10の内面10bに形成された溝10eの底面10fが平坦な面に形成されているため、平坦な面に形成されている基板21の配線面21bが底面10fに接して配置された状態で、保護カバー10と基板21との密着性が高められ、両者の接触を安定させることができる。
したがって、例えば、柔軟性の高いポリイミドなどの高価な材料を用いずに、ガラスエポキシ製等の、柔軟性を欠いたり柔軟性の低いリーズナブルな価格の基板をも用いることができ、製造コストの上昇を抑制することができる。
そして、保護カバー10と基板21との密着性が高められることで、基板21が保護カバー10から脱落するのを防ぐとともに、基板21から保護カバー10へ、熱を効率よく伝達させることができる。
なお、本実施形態に係るLED光源ユニット100における保護カバー10は、基板21が接する平坦な面を、保護カバー10の内面10bよりも凹んだ位置に平坦な底面10fが形成された溝10eによって構成されたものであるが、本発明に係る発光装置におけるカバーの内面に形成された平坦な面は、この実施形態のものに限定されるものではない。
例えば、図21に示すように、基板21が接する平坦な面を、保護カバー10の内面10bよりも盛り上がった位置に平坦な上面10hが形成された堤状の部分10gによって構成されたものによっても、底面10fを有する溝10eと同様の作用、効果を得ることができる。
ただし、堤状の部分10gよりも溝10eの方が、平坦な面(堤状の部分10gの場合は上面10h、溝10eの場合は底面10f)から外面10aまでの距離が短くなるため、基板21から外面10aの熱抵抗は小さくなり外面10aの表面温度を上げることができる。
したがって、本発明に係る発光装置においては、堤状の部分10gよりも溝10eによって、平坦な面を形成するものの方が、保護カバー10の外面10aへの熱の伝達が良好になる点で、好ましい。
本実施形態のLED光源ユニット100は、3個の駆動部品25が、LED素子22が略均一に分布している、保護カバー10の内面10bの全体領域(特定の領域)よりも小さい、図8における下部の領域10d(小領域)に纏められて配置されているため、個々の駆動部品25によって雪や氷などがそれぞれ溶かされた領域同士が繋がり、溶かされた領域は一つの大きな領域となる。
つまり、3個の駆動部品25が分散して配置されているものでは、個々の駆動部品25の発熱によって、駆動部品25のそれぞれに対応した領域において雪や氷などは溶かされるが、その溶かされる個々の領域は極めて小さい。
したがって、雪や氷が溶かされた個々の領域から外部に出射される光Lは、外部への出射領域がそれぞれ狭いため、外部からその光Lを視認する場合、小さな面積で発光するものとなり、視認性は必ずしも高くはない。
特に、LED光源ユニット100からの距離が遠く離れた外部から視認する場合には、小さい面積で発光する光Lと、この光L以外の自然光や高い建物等からの光などとの識別が困難になり、場合によっては、光Lそのものを視認できないことも起こり得る。
これに対して、本実施形態のLED光源ユニット100によれば、3個の駆動部品25が、36個のLED素子22が分散して配置されている範囲よりも狭い領域に纏められて配置されていることにより、その一つに纏まった領域に対応する雪や氷等を溶かすことができ、雪や氷等で遮光されずに外部に出射する光Lの出射面の面積が大きくなる。
したがって、交通信号灯200の外部からその光Lを視認する場合、光Lの視認性を向上させることができるとともに、その光Lが交通信号灯200によるものであることも認識させ易くなる。
また、交通信号灯200からの距離が遠く離れている場合であっても、LED光源ユニット100から出射した光Lとその他の光との識別性も向上させることができる。
本実施形態のLED光源ユニット100は、3つの駆動部品25が、保護カバー10および断熱カバー70によって、断熱カバー70の凹み部72に対応した単一の空間74内に閉じこめられている。
各駆動部品25から発せられた熱の一部は、前述したように、駆動部品25が接している保護カバー10に熱伝導により直接伝達するが、その熱伝達形式以外でも、空間74内の空気等を介した対流熱伝達によって保護カバー10に熱伝達される。勿論、熱放射により断熱カバー70に熱伝達し、さらに空間74内の空気等を介した対流熱伝達によって保護カバー10に熱伝達される。
そして、本実施形態のLED光源ユニット100においては、3個の駆動部品25から発せられた熱は、周囲の空気に熱が伝達されるが、3個の駆動部品25は単一の空間74内に閉じこめられているため、その単一の空間74に閉じこめられている空気の熱は単一の空間74の外部に拡散することがない。
つまり、単一の空間74に閉じ込められた空気は、その単一の空間74内だけで対流するため、単一の空間74に閉じ込められた空気の熱は外部に拡散せず、単一の空間74を仕切っている保護カバー10や断熱カバー70にのみ伝達され、熱を保護カバー10に効率よく伝達することができる。
このように、保護カバー10は、接触による熱の伝達に加えて、空気の対流による熱伝達も受けることで、保護カバー10の温度はより一層高められ、保護カバー10における、凹み部72に対応した領域の雪や氷等を溶かす性能を向上させることができる。
なお、各LED素子22は、駆動部品25よりも伝熱量は小さいものの、熱は発するため、本実施形態のLED光源ユニット100は、各LED素子22の設置されている位置に対応した保護カバー10の部分についても、LED素子22が発する熱は、接触する保護カバー30に熱伝導により直接伝達して、雪や氷等を溶かすことができる。
また、各LED素子22もそれぞれ、断熱カバー70の凹部71に閉じ込められているため、LED素子22から発せられた熱が、凹部71に閉じ込められている空気に対流熱伝達され、この閉じこめられている空気を介して対流熱伝達により、保護カバー10や断熱カバー70に伝えられる。
したがって、保護カバー10は、熱伝達に加えて、対流による熱の伝達も受けることで、保護カバー10の温度をより一層高めることができ、雪や氷等を溶かす性能を向上させることができる。
なお、断熱カバー70に形成された凹部71はLED素子22を個別に仕切って、LED素子22からの対流熱伝達により温められた空気の拡散を抑制するものであるが、凹み部72においては、3個の駆動部品25とともに含まれるように単一の空間74で一体的に仕切っていて、LED素子22を個別に仕切っていないため、凹部71を必ずしも形成する必要はない。
しかし、凹み部72において凹部71が形成されていないものでは、凹部71が無いことで、おもて面70bが滑らかな曲面または平面となり、LED素子22から出射した光Lが、その平滑なおもて面70bで反射され易くなって、光Lがリフレクタ80へ適切に導かれないおそれがある。
これに対して、本実施形態のLED光源ユニット100は、図22に示すように、凹み部72においても各LED素子22に対応する凹部71がそれぞれ形成されていることで、LED素子22から出射した光Lを、リフレクタ80へ適切に導くことができる。
また、電気回路20の実装面21aに、広い面積で貼られた銅箔27が、駆動部品25が発する高熱を広い範囲に拡散させることで、各駆動部品25の発熱によって雪や氷等を溶かすことのできる領域を拡げることができる。
さらに、配線面21bに広い面積で貼られた銅箔28も、配線面21bの側で、各駆動部品25で発生した熱を広く拡散させることができる。
しかも、実装面21aから配線面21bに貫通して形成された複数のスルーホール29aは、実装面21aと配線面21bとの間での熱の伝達性を高めることになるため、実装面21aの側に配設されている各駆動部品25の放熱電極で発せられた熱を、スルーホール29aを通じて、配線面21bの側に、効率よく伝達させることができ、電気回路20から保護カバー10への熱の伝達性を一層向上させることができる。
なお、リフレクタ80で反射した光Lが銅箔27,28に照射されても、その照射された光Lの一部は、銅箔27,28に形成されている透過孔29bを透過するため、銅箔27,28によって駆動部品25の発熱の拡散性を向上させるとともに、透過孔29bによって、外部に出射される光Lの光量が低下するのを抑制することができる。
また、電気回路20における2段目のLEDブロック22Bは、1段目のLEDブロック22Aよりも電源配線26bの数が少ないため、2段目のLEDブロック22Bにおける基板21の幅Wを、1段目のLEDブロック22Aにおける基板21の幅Wよりも細くすることができる。
したがって、2段目のLEDブロック22Bでは、1段目のLEDブロック22Aよりも、電源配線26bによる遮光量を低減することができる。
なお、実装面21aに配線されるLED間信号線26cは、配線面21bの電源配線26bに重なるように配置されることにより、基板21のうち電源配線26bおよびLED間信号線26cが貼られていない部分を広く確保することができ、この電源配線26bおよびLED間信号線26cが貼られていない部分に光Lを透過させることで、光Lの透過光量が低下するのを抑制することができる。
また、LED素子22のダイヒートシンクの近傍に形成されたスルーホール29aは、実装面21aと配線面21bとの間での熱の伝達性を高めることになるため、実装面21aの側に配設されている各LED素子22のダイヒートシンクに伝達された熱を、スルーホール29aを通じて、配線面21bの側に、効率よく伝達させることができ、電気回路20から保護カバー10への熱の伝達性を向上させることができる。
本実施形態のLED光源ユニット100は、渦巻き状の基板21にLED素子22や駆動部品25を実装したものであるが、本発明に係る発光装置における回路は、この実施形態のものに限定されるものではなく、少なくとも、LED素子22が実装されたものであればよく、基板21上に駆動部品25を備えないものであってもよい。
また、本発明に係る発光装置における回路は、少なくとも発光体が実装される部分についてのみ基板21を有し、電源配線26bおよびLED間信号線26cに形成される部分については基板21を有しないものであってもよい。
この場合、保護カバー10の内面10bに形成される溝10eは、その基板21に対応する部分にのみ形成されていればよく、電源配線26bおよびLED間信号線26cは、保護カバー10の内面10bに直接接着されていればよい。
また、基板21の形状は、渦巻き状のものに限定されるものではなく、1つ以上のLED素子22を実装したものであれば、いかなる形状のものであってもよく、同心円状の複数の環状のものや、複数の放射線状のものなど、反射光Lを可能な限り遮らないものであれば、如何なる形状のものであってもよい。
上述した実施形態は、本発明に係る発光装置を交通信号灯200のLED光源ユニット100に適用した例であるが、本発明に係る発光装置は、この実施形態に限定されるものではなく、街路灯や照明器具、電光看板等に適用することができる。
また、反射型の発光装置である本実施形態のLED光源ユニット100は、LED素子22からの出射光Lを高い効率で外部に出射することができるため、従来の非反射型LEDの交通信号灯の灯火部に比べて、LED素子22の数量を大幅に低減することができ、コストを低減することができる。
例えば、従来の、非反射型の交通信号灯のLED光源ユニットは、百数十個から四百数十個のLED素子を用いているが、本実施形態のLED光源ユニット100は、わずか36個のLED素子22によって、従来の非反射型のLED光源ユニットと同程度またはそれ以上の視認性を得ることができる。
しかも、まぶしさ(グレア)を軽減させることができるため、車両の運転者が直視するものである交通信号灯200のLED光源ユニット100として好適なものとなる。
また、非反射型のLED光源ユニットを用いた従来の交通信号灯では、LED素子による粒状感が顕著であり、一方、LED素子の数を減らして粒状感を緩和する場合であっても、本実施形態のもののように、LED素子の数を数十個程度まで減らすと、交通信号灯の光として必要な円形状を表せなくなるが、本実施形態のLED光源ユニット100は粒状感を軽減しつつ、略面発光を実現できるので、わずかな数のLED素子22を用いて、従来の発光装置と同程度またはそれ以上の視認性を得ることができる。
本実施形態のLED光源ユニット100は、駆動部品25からの発熱を対流による伝達としても有効に利用するために、断熱カバー70を備えたものであるが、本発明に係る発光装置は、この実施形態のものに限定されるものでなく、断熱カバーを備えないものであってもよい。
本実施形態のLED光源ユニット100は、高発熱体として、LED素子22の駆動部品25、具体的にはMOS−FETを適用したものであるが、本発明は、この実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、LED素子22に対して直列に接続される順電圧調整用の抵抗などを高発熱体として適用することもできる。
10 保護カバー(カバー)
10a 外面
10b 内面
10e 溝
10f 平坦な底面(平坦な面)
20 電気回路(回路)
21 基板
21a 実装面(他方の面)
21b 配線面(一方の面)
22 LED素子(発光体)
70 断熱カバー
80 リフレクタ(反射部材)
100 LED光源ユニット(発光装置)
200 交通信号灯
L 光
10a 外面
10b 内面
10e 溝
10f 平坦な底面(平坦な面)
20 電気回路(回路)
21 基板
21a 実装面(他方の面)
21b 配線面(一方の面)
22 LED素子(発光体)
70 断熱カバー
80 リフレクタ(反射部材)
100 LED光源ユニット(発光装置)
200 交通信号灯
L 光
Claims (2)
- 透光性を有し、外面および内面がいずれも曲面で形成されたカバーと、一方の面が前記カバーの内面に接して設けられ、他方の面に発光体が実装された基板を有する回路と、前記他方の面に対向する側に配置され前記発光体から出射した光を前記カバーの側に反射する反射部材とを備え、
前記カバーの内面のうち、前記基板が接する部分は、前記基板の他方の面に沿った平坦な面に形成されていることを特徴とする発光装置。 - 前記平坦な面は、前記カバーの内面よりも凹んだ位置に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012235564A JP2014086339A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012235564A JP2014086339A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 発光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014086339A true JP2014086339A (ja) | 2014-05-12 |
Family
ID=50789190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012235564A Pending JP2014086339A (ja) | 2012-10-25 | 2012-10-25 | 発光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014086339A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020061264A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | コイト電工株式会社 | 壁取付用照明器具 |
JP2021174082A (ja) * | 2020-04-21 | 2021-11-01 | 株式会社ビートソニック | 雨水、雪、霜又は霙の付着防止方法 |
-
2012
- 2012-10-25 JP JP2012235564A patent/JP2014086339A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020061264A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-16 | コイト電工株式会社 | 壁取付用照明器具 |
JP7221015B2 (ja) | 2018-10-10 | 2023-02-13 | コイト電工株式会社 | 壁取付用照明器具 |
JP2021174082A (ja) * | 2020-04-21 | 2021-11-01 | 株式会社ビートソニック | 雨水、雪、霜又は霙の付着防止方法 |
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