JP7116656B2 - 荷重支持部材及びこれを備えた椅子 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載された椅子の背もたれには、外周枠部としての背フレームに面材としてメッシュ状の張材が架設されている。この張材は所定の張力をもって略四角形をなす背フレームの左右の側枠杆と上枠杆及び下枠杆とに架設されているので、例えば張材の周縁部に設けた側縁材を、側枠杆の外側縁部に形成された凹溝に圧入することで係止させ、摩擦抵抗力を高めて背フレームからの脱落を抑止している。
しかも、背フレームに縁材を圧入させるだけでは凹溝に対する張材の保持力が弱いことから、側枠杆の前面側に形成した貫通孔に側縁材に形成した突片を係合させることで、保持力を向上させている。側枠杆の貫通孔は背フレームの表面側、すなわち張材に覆われる面に形成されている。
しかも、側縁材が張材の押さえ部材として椅子の背もたれの表面側に露出するため外観上の見栄えがよくない上に、使用者の手等によって、誤って縁材と凹溝との係合が解除されてしまうおそれがある、という問題がある。
本発明によれば、荷重を受ける面材の縁部材は外周枠部の外周縁部に形成された係合凹部に係合させると共に係合凹部にその内壁から連通する係合孔に係止させることができるため、誤って使用者の手等によって面材の係合が解除されることを防止できる。しかも、外周枠部の裏面に設けられた係合孔の開口の外側に突出壁部を設けたため、開口を外側から視認できず外観上の見栄えがよい。
面材の縁部材は係合凹部の内部に挿入されると係合凸部が係合孔に落ち込んで確実に係止できるので、使用者の誤操作等で縁部材と係合凹部との係合が解除されることを阻止できる。
外周枠部の外周枠本体部における係合孔を有する部分が支持部の外側に突出して上方に湾曲していると、外周枠部の裏面側の開口を外側から一層視認し易いが、突出壁部によって視認できないように遮蔽できる。
外周枠本体部の裏面に開口する複数個の係合孔の開口に沿って、その外側に突出壁部を連続して形成したため、外周枠本体部の強度をより補強できる上に外観の見栄えがよく意匠性が向上する。
本発明による椅子は、荷重を受ける面材の縁部材が外周枠部の係合凹部に係合すると共に係合孔に係止されるため、使用者の誤操作等によって面材の係合が解除されることを防止できる。しかも、外周枠部の裏面に設けられた係合孔の開口は突出壁部によって外側から視認できないため意匠性が高い。
しかも、縁部材が係合凹部とその内部の係止孔に係合されるため、面材の縁部材と外周枠部との係合を使用者等が誤って解除してしまうおそれがなく面材の保持力が向上する。
図1乃至図3は本発明の実施形態による椅子1を示す概略図である。この椅子1は、先端部にキャスタ2を備える放射状をなす5本の脚杆3を有する脚体4と、脚体4の中央に立設され、内部にガススプリング(図示略)が収容された伸縮式の脚柱5と、脚柱5の上端に後端部が固着された前上方を向く支基6と、支基6の上方に支持された座8と、前端部が左右方向、即ち椅子1の幅方向を向く軸9aをもって支基6に枢着された側面視ほぼL字状の背もたれ支持フレーム9と、背もたれ支持フレーム9の後上部に支持された背もたれ10と、を備えている。また、背もたれ支持フレーム9には、座8の両側部に位置する肘掛け部12が連結されている。
支持フレーム15は、図1及び図2に示すように、両側部が外上向きに傾斜し、かつ下方に離間した左右方向を向く前後一対の横杆15a、15bと、横杆15a、15bの前後端部同士を連結する左右一対の縦杆15c、15dと、を備えている。
背もたれ10の前方への復帰回動力と、座8の前方への復帰力は、支基6内の圧縮コイルばねの付勢力で得られる。或いは、別途ガススプリングを設けてその付勢力によって復帰力を得てもよい。背もたれ支持フレーム9に取付けられた背もたれ10は、常時前向きに付勢されている。
背フレーム22は、上下方向の中央よりやや下方の部分が側面視において前方に突出するように緩やかにくの字状に屈曲する左右1対の側枠杆24、24と、その上端部同士を連結するとともに左右方向の中央部が後方に突出するように円弧状に湾曲する上枠杆25と、両側枠杆24、24の下端部同士をほぼ直線状に連結する下枠杆26と、を備えている。下枠杆26の下面には、背もたれ支持フレーム9の後上部が左右方向にほぼ全長に亘って形成されている。下枠杆26の前下端部は、背もたれ支持フレーム9に連結されている。
図4に示すように、座8は例えば合成樹脂製の外周枠部16と、外周枠部16の上面および外周面を覆うように取付けられた例えばメッシュシート状の面材17と、を備えている。外周枠部16は、図5及び図6に示すように、互いに平行な一対の支持部30と、支持部30の外周部を囲うように形成されて支持部30に連結された略楕円形枠状の外周枠本体部31と、で構成されている。
各支持部30は座8の前後方向に配列されている。一対の支持部30の下部に設けられた支持フレーム15は、支基6に対しては前側の横杆15aを介して支持され、背もたれ支持フレーム9に対しては左右の縦杆15c、15dを介して支持されている。背もたれ支持フレーム9及び支基6は椅子1の支持構造体を構成する。
しかも、後側枠部31cの段部34と凹部形成部材32はボルト固定等で比較的剛性が大きくなるため、面材17の縁部材40を係合凹部33に係合させる際、外周枠本体部31の外側枠部31aと前側枠部31bを弾性変形し易くし、外側枠部31aと前側枠部31bの係合凹部33への縁部材40の係合作業を行いやすくしている。
係合凹部33内から裏面側に形成された係合孔37は、図7に示すように、両側の外側枠部31a、31aの長手方向に所定間隔で複数個、例えばそれぞれ3個形成されており、前側枠部31bと後側枠部31cには形成されていない。係合孔37の設置数は3個に限定されることなく、適宜の数を形成できる。また、外側枠部31aの裏面側において、係合孔37の開口37aよりも外周側には裏面側に突出する突出壁部38が形成されている。突出壁部38は断面略山形に形成されているが、突出壁部38の突形状は任意に形成できる。
図7に示す例では、突出壁部38は外側枠部31aの長手方向に沿って略円弧状に連続して形成されているが、少なくとも係合孔37の開口37aを覆い隠す領域に設けられていれば断続的に形成してもよい。
図9において、縁部材40は例えば板状の基部40aとその一端部で折り曲げられた係止片40bとで断面略L字状に形成され、外周枠本体部31の係合凹部33の形状に沿って略リング状に形成されている。係止片40bにはその周方向の一部に係止片40bよりも突出する係合凸部41が設けられている。係合凸部41は係合凹部33に形成された係合孔37に係合される爪部であり、係止片40bよりも裏面側に突出して形成されている。そのため、縁部材40の係合凸部41は外側枠部31aの係合凹部33に形成された3個の係合孔37の領域に同一間隔で配列形成されている。
即ち、背もたれ10の略四角形枠状の背フレーム22を形成する左右の側枠杆24、24と上枠杆25及び下枠杆26の外側縁部に形成された係合凹部33に面材17と同様な材質からなるメッシュシート状の張材23が張架されている。張材23はその外側縁部に縁部材40が固定され、縁部材40が背フレーム22の係合凹部33に係合されている。
背もたれ10では、係合孔37の開口37aが側枠杆24、24の背面に開口しているとその近傍に突出壁部38を形成しても容易に目視可能であるため、好ましくない。これに対し、側枠杆24、24の前面に係合孔37の開口37aを開口させても張材23で覆われるため目立たないので、外側から比較的目視しにくい。
また、係合孔37は、外周枠本体部31の外周縁部に形成した係合凹部33の最奥部近傍から裏面側に形成されているので、縁部材40の係止片40bを係合凹部33の最奥部に向けて押し込むことで係合凸部41を容易に係合孔37内に係合させることができる。したがって、面材17を外周枠部16に容易に取り付け固定でき、しかも係合孔37に係合凸部41が落ち込んで係合するため、面材17のテンションと弾性変形の変化が大きくも縁部材40の離脱を防止できる。
しかも、係合凹部33は開口側から最奥部に向けて上面33aと下面33bの間の高さが次第に小さくなるようにテーパ状に形成されているため、係止片40bとこれより高さの大きい係合凸部41がそれぞれ徐々に弾性変形して圧縮され、確実に係合させることができる。
そのため、係止片40bに対する係合凸部41の突出量を小さく抑えると共に、係合孔37の開口37a側からボルトやピン等を係合凸部41に打ち込むことで縁部材40係合を強固にしてもよい。その際、ボルト等で係合凸部41を貫通させて係合凹部33の上面33aに螺合または固定するようにしてもよい。
或いは、縁部材40に係合凸部41を設けることなく係合凹部33内に押し込んで係合させ、係合孔37から係止片40bにボルトやピン等を係合凸部として打ち込むことで係合孔37に当接させて、係合強度を高めてもよい。
また、外周枠部16の外周枠本体部31の前側枠部31bにも係合凹部33に係合孔37を形成し、これに係合する係合凸部41を縁部材40の係止片40bに形成してもよい。
また、座8に設けた面材17はメッシュシートに限定されるものではなく、布や革等のシート状等でもよい。
また、上述した実施形態では、背フレーム22の両側の側枠杆24、24には、係合凹部33に連通する係合孔37が形成され、この係合孔37の開口37aを背もたれ10の前面に形成したが、これに代えて背面に係合孔37とその開口37aを形成してもよい。そして、背フレーム22の両側の側枠杆24、24において、背面の開口37aの外側に突出壁部38を形成してもよい。この場合でも、背もたれ10の外側から開口37aを目視できないため外観の意匠性が向上する上に、突出壁部38を設けることで背もたれ10の強度が向上するという利点がある。
椅子1以外のもの、例えば車両の網棚や防虫ネット等についても本発明の荷重支持部材を適用できる。
8 座
9 背もたれ支持フレーム
10 背もたれ
16 外周枠部
17 面材
23 張材
30 支持部
31 外周枠本体部
31a 外側枠部
31b 前側枠部
31c 後側枠部
32 凹部形成部材
33 係合凹部
34 段部
37 係合孔
37a 開口
38 突出壁部
40 縁部材
40a 基部
40b 係止片
41 係合凸部
Claims (5)
- 外側縁部に開口する係合凹部を備える外周枠部と、
前記係合凹部に係合される縁部材をその外周縁部に備えていて前記縁部材が前記係合凹部に係合されることによって前記外周枠部に架設される面材と、を備える荷重支持部材において、
前記外周枠部は、
前記係合凹部の内部に連通していて、前記面材が架設される前記外周枠部の表面側と逆の裏面側に開口を有する前記縁部材を係止するための係合孔と、
前記係合孔の開口より外側で前記裏面側へ突出する突出壁部と、
を備えたことを特徴とする荷重支持部材。 - 前記縁部材は、前記係合凹部の内部で前記係合孔に係合する係合凸部を有している請求項1に記載された荷重支持部材。
- 前記外周枠部は、前記面材の裏面側に設置された支持部と、該支持部に連結されていて前記支持部の外周側に配置された外周枠本体部と、を備えており、
前記外周枠本体部における前記係合孔を有する部分が前記支持部の外側に突出して上方に湾曲している請求項1または2に記載された荷重支持部材。 - 前記外周枠本体部に前記係合孔が所定間隔で複数個形成され、前記突出壁部は複数個の前記係合孔の開口に沿って連続して形成されている請求項3に記載された荷重支持部材。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載された前記荷重支持部材と、前記荷重支持部材を支持する支持構造体と、を備えたことを特徴とする椅子。
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