JP4238083B2 - 椅子の座シェル構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、椅子の脚フレームにより支持された可撓性を有する合成樹脂製の座シェル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
座り心地を向上するために、合成樹脂製の座板の中央部に後向U字状の可撓線条部を設け、これを中心として座板の前部と後部とが屈撓しうるようにしたもの(例えば特許文献1参照)や、同じく合成樹脂製の座シェルに、多数の傾斜スリットやセンター及びサイドスリットを設け、座シェルの中央部を下方に撓み易くしたもの(例えば特許文献2参照)がある。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−38817号公報
【特許文献2】
特開2001−340155号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載されている従来の座板では、それに設けた可撓線条部は上下に開口され、その部分において座板は切れているため、座板の剛性が比較的小さく、可撓線条部を中心として座板の前後が撓んだ際、可撓線条部の基端に大きな曲げ応力が作用することがある。
【0005】
そのため、可撓線条部の基端に亀裂等の生じることがないように、座板を厚肉とするなどして剛性を高める必要があり、その分コスト高となる。
【0006】
一方、上記特許文献2に記載されている座シェルは、クッション性を向上するために、人体の肋骨状に配列された傾斜スリットと、前後方向を向くスリットとを多数設けているため、座シェル成形用の金型の構造が複雑となり、その製造に要するコストや、座シェルの製品単価が高くなる。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、座シェルの剛性を低下させたり、多数のスリットを有する高価な座シェルを用いたりすることなく、安価で簡単な構成の可撓手段により、座シェルを適度に撓ませ、座り心地を向上させうるようにした、椅子の座シェル構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)椅子の脚フレームの上部に周端部が支持された合成樹脂よりなる座シェル構造であって、前記座シェルの中央部の着座面より外方に、該座シェルの左右両側部と後部の上面を凹状断面をなすように下向きに折曲することにより、平面視ほぼ前向U字形をなす可撓性凹条を設け、かつ該可撓性凹条の複数個所に、長手方向と交差する方向を向くスリットを形成することにより、可撓性凹条を不連続とする。
【0009】
(2)上記(1)項において、可撓性凹条を、座シェルの厚さよりも薄肉のほぼU字状断面とする。
【0010】
(3)上記(1)または(2)項において、スリットの上端を、座シェルを貫通してその上面に開口させる。
【0011】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、可撓性凹条の左右の前端を開口するとともに、その開口端と近接する座シェルに、前記開口と連続する左右方向を向くスリットを設ける。
【0012】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、スリットにより分割された可撓性凹条の隣接端部同士を、座シェルの下面にスリットの端部を囲むように突設したリブにより結合する。
【0013】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、可撓性凹条により囲まれた座シェルの着座面に、多数の小孔を穿設する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した椅子におけるフレーム(1)の斜視図、図2は、同じく座(2)の分解斜視図、図3は、座(2)取付時の中央縦断拡大側面図である。
【0015】
椅子のフレーム(1)は、スチールパイプよりなる左右1対の脚フレーム(3)(3)と、それらの前後方向を向く水平の支持杆(3a)の前後の対向面間に左右方向を向いて固着された金属製の前部座支持部材(4)及び後部座支持部材(5)と、脚フレーム(3)の上下方向を向く前脚部(3b)(3b)の上端部間に固着された連結杆(6)とからなり、脚フレーム(3)の上下方向を向く後脚部(3c)(3c)の上端部間には、背凭れ(7)が取付けられている。
【0016】
上記前部座支持部材(4)は、中央部がやや下向きに湾曲する側面視ほぼ上向コ字状をなし、その左右両端部には通孔(8)が穿設されている。
【0017】
上記後部座支持部材(5)は、左右両端が支持杆(3a)(3a)の下面に固着され、かつ中央部が後向きに膨出するように円弧状に湾曲された水平支持板(5a)と、その後端縁より、やや斜め後ろ上方に向かって円弧状に起立する上向支持板(5b)とにより、側面視ほぼL字状の断面形状とされ、水平支持板(5a)の左右両端部には、通孔(8a)が、また中央部の前端縁には、平面視コ字状の切欠き溝(9)がそれぞれ形成されている。
【0018】
座(2)は、座枠(10)、座シェル(11)、発泡ポリウレタン等のクッション材(12)、及びクロス等の表皮材(13)よりなっている。
【0019】
座枠(10)は、硬質合成樹脂により、中央が大きく開口する概ね方形枠状に一体成形され、その左右の側枠(10a)(10a)と後枠(10b)は、内向支持片(14)と上向片(15)とにより、内向L字状断面をなしている。
【0020】
両側枠(10a)と後枠(10b)との上向片(15)の上端には、それぞれ、左右の脚フレーム(3)の支持杆(3a)の上面に載置可能な外向フランジ片(16)(16)と、上端が下向U字状に折曲された、後部座支持部材(5)における上向支持板(5b)の前面と上端を覆いうる大きさの斜め後ろ上方を向く傾斜フランジ片(17)とが、一体成形されている(図3参照)。
【0021】
後部側の内向支持片(14)と傾斜フランジ片(17)は、後部座支持部材(5)とほぼ同様に後向き円弧状に湾曲され、後部側の内向支持片(14)の左右両端部には、後部座支持部材(5)の水平支持板(5a)の上面に載置した際に、その通孔(8)と整合する通孔(18)が穿設されている。
【0022】
図4に示すように、傾斜フランジ片(17)と上向片(15)との後面の隅部には、後部座支持部材(5)の水平支持板(5a)の上面と上向支持板(5b)の前面とに当接可能な、垂直板状の後向きの多数の補強リブ(19)が形成されている。
【0023】
座枠(10)の前枠(10c)は、斜め前下方に傾斜するとともに、図3に示すように、側面視ほぼ上向コ字状断面に形成され、その上記外向フランジ片(16)と連続する前片(20a)と後片(20b)は、それらの対向面間に結合された複数のリブ(21)により補強されている(図4参照)。
【0024】
なお、上記複数のリブ(21)と後片(20b)とにより、内向きの支持部が形成され、この支持部に、座シェル(11)の後記する前枠片(11b)が支持されるようになっている。
【0025】
上記後片(20b)の中間部には、横長方形状の係止孔(22)を有する左右1対の係止片(23)(23)が、斜め後ろ上方を向いて突設されている(図8参照)。
【0026】
また、左右の側枠(10a)の内向支持片(14)の中間部には、係止突片(24)が内向きに突設されている。
【0027】
上記座シェル(11)は、図5にも示すように、座枠(10)の枠内に挿脱可能に嵌合される概ね方形浅皿状をなし、全体が合成樹脂により一体成形されている。
【0028】
座シェル(11)の左右及び後部の上方を向く枠状片(11a)の上下寸法は、座枠(10)における側枠(10a)と後枠(10b)の上向片(15)の上下寸法とほぼ等寸とされている。
【0029】
また、座シェル(11)の前端部は、斜め前下方に向かって円弧状に湾曲され、かつその前端には、座枠(10)の前枠(10c)における前片(20a)と後片(20a)間において前端下面が前片(20a)の上端に当接する前枠片(11b)が、斜め前上方を向いて連設されている(図5参照)。
【0030】
前枠片(11)と底板(25)の前端部の断面形状は、概ね側面視L字状をなしている。
【0031】
座シェル(11)における若干下方に湾曲している底板(25)のやや後方寄りには、図6及び図7の底面斜視図にも示すように、底板(25)の上面の一部を上面が開口するU字状断面をなすように下向きに屈曲成形することにより、底板(25)の厚さよりも若干薄肉をなす左右両側部の前向凹条部(26a)(26a)と、後部側の横向凹条部(26b)とからなる平面視前向U字形の可撓性凹条(26)が設けられている。
【0032】
可撓性凹条(26)により囲まれた底板(25)の中央部の大きさは、着座者の平均的な臀部の大きさよりも若干大とされ、その部分には、多数の小孔(27)が穿設され、撓み易くしてある。
【0033】
図6及び図7に示すように、可撓性凹条(26)における前向凹条部(26a)の後部と、横向凹条部(26b)の左右両側部とには、可撓性凹条(26)を不連続とするように、それと直交する方向を向くスリット(28)が形成されている。この各スリット(28)は、図5に示すように、底板(25)の上面まで貫設され、かつその両端は、円弧状としてある。
【0034】
図7に拡大して示すように、各スリット(28)の裏面側の両基部には、スリット(28)により分割された可撓性凹条(26)の隣接端部を結合することにより、その部分を補強するリブ(29)が、スリット(28)の端部を囲むようにして一体的に突設されている。
【0035】
左右の前向凹条部(26a)の前端は、底板(25)の下面に開口し、その開口端と近接する底板(25)にも、左右方向を向くスリット(28)(28)が形成され、その裏面の周縁部と、前向凹条部(23a)の左右の開口基部とは、リブ(30)により補強されている。
【0036】
図3及び図6に示すように、座シェル(11)の底板(25)の前端部下面には、上記前部座支持部材(4)における前後の上端に上方より嵌合して位置決めするための前後1対の突条(31)(31)が、左右方向を向いて突設されている。
【0037】
底板(25)の下面における上記突条(31)間の左右両端部には、上記前部座支持部材(4)の通孔(8)と整合する貫通孔(32)を有する取付ボス(33)(33)が、下向きに突設されている。
【0038】
両取付ボス(33)の貫通孔(32)には、図3に示すように、前部座支持部材(4)の下方より挿通したタッピングスクリュウ(34)が螺合され、座シェル(11)の前端部下面が、前部座支持部材(4)の上面に固定されるようになっている。
【0039】
底板(25)の後端部下面の左右両側部にも、上記と同様の取付ボス(33)(33)が突設され、この取付ボス(33)の貫通孔(32)には、後部座支持部材(5)の通孔(8)と座枠(10)の内向支持片(11)の通孔(18)とに下方より挿入したタッピングスクリュウ(34)(34)(図1参照)が螺合され、座枠(10)とそれに嵌合される座シェル(11)とが、共に後部座支持部材(5)に固定されるようになっている。
【0040】
図5、図6及び図8に示すように、座シェル(11)における底板(25)の前端の中央部下面には、斜め前下方を向き、かつ前端に上向鉤状の係合爪(35a)を有する左右1対の係合片(35)(35)が突設され、それらの係合爪(35a)は、座シェル(11)を座枠(10)に嵌合した際において、座枠の(10)の前枠(10c)における後片(20b)の係止片(23)に形成された係止孔(22)に弾性係合されるようになっている。
【0041】
底板(25)における両側部下面の前後方向の中間部と後端部の中央下面には、図3、図4及び図9に示すように、遊端部に上向鉤状の係合爪を有する外向J字状断面をなす係合片(36)が、下向きに突設されている。
【0042】
左右の係合片(36)における遊端側の上端は、座シェル(11)を座枠(10)に嵌合した際、内向きに弾性変形させられて押圧されることにより、座枠(10)の左右の内向支持片(14)に突設した係止突片(24)の下面に係合するようになっている(図9参照)。
【0043】
後端中央部の係合片(36)における遊端側の上端は、図3に示すように、座枠(10)の後部側の内向支持片(14)の下面に弾性係合するようになっている。
【0044】
座(2)を組立てるには、まず座シェル(11)の枠内にクッション材(12)を挿入して載置し、このクッション材の表面を、次のようにして表皮材(11)により覆う。
【0045】
クッション材(12)の上面に重ねた表皮材(13)の周縁部を、座シェル(11)の下面側に若干折り返したのち、表皮材(13)の袋状縁部(13a)に挿通した締付紐(37)を締め上げて緊張させ、クッション材(12)の表面と座シェル(11)の周端部をくるんで被覆する。
【0046】
ついで、座シェル(11)を座枠(10)の枠内に、次の要領で固定する。
すなわち、まず座シェル(11)の底板(25)の前端部下面に設けた1対の係合片(35)の係止爪(35a)を、座枠(10)における前枠(10c)の後片(20b)に設けた1対の係止片(23)の係止孔(22)に係合させたのち、座シェル(11)全体を下向きに押圧し、底板(25)の左右両側部と後端部に設けた3個の係合片(36)を、上述したように、座枠(10)の係止突片(24)と内向支持片(14)の下面に弾性係合させる。
【0047】
これにより、座シェル(11)は、その底板(25)の左右両側部と後部側の下面が、座枠(10)の内向支持片(14)により支持されるとともに、前枠片(11b)の下面が、座枠(10)の前枠(10c)の上面に当接した状態で、座枠(10)の枠内に安定的に固定される。
【0048】
この際、座シェル(11)の下面側に折り返された表皮材(13)における左右両側と後部側の周端部は、座枠(10)の内向支持片(14)と上向片(15)、及び座シェル(11)の枠状片(11a)と底板(25)の下面間において、それらにより挟持され、かつ前部の周端部は、座枠(10)の前枠(10c)と座シェル(11)の前枠片(11b)間において、それらにより挟み込まれるので、表皮材(13)の全周端部の挟持面積が大となり、座シェル(11)より簡単に外れたりする恐れはない(図3参照)。
【0049】
このようにして組立てた座(2)を、椅子のフレーム(1)に取付けるには、まず左右の脚フレーム(3)における支持杆(3a)の上面に、座枠(10)の左右の外向フランジ片(16)を載置するとともに、後部座支持部材(5)における水平支持板(5a)の上面に、座枠(10)の後部側の内向水平片(14)を載置し、上向支持板(5b)の前面に補強リブ(19)を当接させ、かつそれと同時に、座枠(10)に装着した座シェル(11)の底板(25)の前端部下面を、それに設けた前後の突条(31)(31)により位置決めして、前部座支持部材(4)の上端に載置する。
【0050】
ついで、前後の座支持部材(4)(5)の下方より挿通した前後2本ずつのタッピングスクリュウ(34)を、座シェル(11)の取付ボス(33)に向かって螺合する。
【0051】
これにより、座(2)は、座シェル(11)とクッション材(12)とが左右の支持杆(3a)間に位置するようにして、脚フレーム(3)の上部に安定的に固定される(図3参照)。
【0052】
また、座(2)の取付時において、座シェル(11)は、前後のタッピングスクリュウ(34)により、座枠(10)に引き付けられて強く固定されるため、座シェル(11)の下面に折り返された表皮材(13)の周端部が、座枠(10)の内向支持片(14)と座シェル(11)の底板(25)の下面、及び座枠(10)の前枠(10c)の上面と座シェル(11)の前枠片(11b)の下面により強く挟圧される。
【0053】
従って、表皮材(13)が前後左右方向に強く引っ張られても、その周端部が座シェル(11)より外れたり、ずれたりする恐れはない。
【0054】
取付後の座(2)に着座すると、図10に示すように(クッション材及び表皮材は図示略)、座シェル(11)の底板(25)の中央部が、可撓性凹条(26)を中心として座枠(10)の開口を通って下方に撓む。
【0055】
すなわち、着座者の臀部の荷重が、底板(25)における可撓性凹条(26)により囲まれた中央部に加わると、薄肉とした可撓性凹条(26)が、図10の2点鎖線のように拡開方向に弾性変形することにより、底板(25)の中央部が下方に沈み込むように円弧状に撓む。
【0056】
しかも、可撓性凹条(26)は、複数のスリット(28)を設けて不連続状としてあるので、その撓み剛性は小さくなり、かつ底板(25)の中央部の撓み性は、大となって、座り心地が向上する。
【0057】
スリット(28)の端部はリブ(30)により補強されているため、底板(25)の中央部が繰り返し大きく撓んでも、スリット(28)の端部を起点として、底板(25)に亀裂等を発生させる恐れはない。
【0058】
底板(25)の中央部には、多数の小孔(27)が穿設されているので、その部分を、臀部に沿って容易に撓ませることができ、座り心地がより向上する。
【0059】
左右の脚フレーム(3)における水平杆(3a)の後端部間に、水平支持板(5a)と、後ろ上方に起立する上向支持板(5a)とからなる側面視ほぼL字状断面の剛性の高い後部座支持部材(5)を設け、その下面と前面に、座枠(10)における後枠(10b)の上向片(15)と傾斜フランジ片(17)との後面に設けた多数の補強リブ(19)の後端と下面とを当接させているので、座枠(10)の後枠(10b)、すなわち、座枠(10)、座シェル(11)、クッション材(12)、及び表皮材(13)よりなる座(2)の後端部の支持面積が増大し、着座時の荷重が分散されて面圧が低下する。
【0060】
その結果、座枠(10)の後部の撓み変形が小さくなり、座(2)の後部が安定的に支持されるとともに、支持強度も大となる。
【0061】
また、後枠(10b)の下面と後面は、金属製の後部座支持部材(5)により覆われているので、同一形状の椅子を、後部座支持部材(5)を下方に向けて多数積み重ねて保管する際等において、後枠(10b)の下面と後面が保護され、それに傷を付けたりするのが防止される。
【0062】
しかも、多数積み重ねた椅子の荷重が、最下位の椅子の後部座支持部材(5)、及び座枠(10)の傾斜フランジ片(17)に上向きの反力として作用しても、多数の補強リブ(19)が設けられているので、それらが上向きに大きく屈曲されて折損するなどの不具合が発生する恐れはない。
【0063】
上記実施形態では、座シェル(11)は、枠状片(11a)を有するものとしたが、座シェル(11)が比較的厚肉で、撓み剛性が大きい場合には、枠状片(11a)を省略して平板状としたり、その左右両側部又は後部のものを省略したりすることもある。
【0064】
座シェル(11)の下面の3個の係合片(36)を、座枠(10)における内向き支持片(14)の係合片(24)の下面と、内向支持片(14)の内周縁部の下面に弾性係合させているが、内向支持片(14)に係合孔を穿設し、この係合孔に各係合片(36)を弾性係合するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、可撓性凹条により囲まれた座シェルの着座面に着座すると、スリットにより分離された不連続の可撓性凹条が拡開方向に弾性変形し、着座面が沈み込むように適度に撓むことにより、座り心地が向上する。
また、可撓性凹条は、スリット部を除いて座シェルと連続しているので、座シェルの剛性が低下することはない。
さらに、従来のように、座シェルに多数のスリットを設ける必要がないので、座シェル成形用金型の製造コストが低減するとともに、座シェルの製品単価も安価となる。
【0066】
請求項2記載の発明によれば、座シェルの着座面の撓み性が大となることにより、座り心地がより向上する。
また、可撓性凹条をほぼU字状断面としたことにより、拡開方向に弾性変形する際に応力集中部が形成されず、亀裂等を生じさせる恐れがない。
【0067】
請求項3及び4記載の発明によれば、可撓性凹条の撓み剛性がやや小さくなるため、座シェルの着座面の撓み性が大となり、座り心地がさらに向上する。
【0068】
請求項5記載の発明によれば、スリットの端部及び可撓性凹条の隣接端部がリブにより補強されるので、座シェルの着座面が繰り返し撓んでも、スリット部の端部に亀裂等を発生させる恐れはない。
【0069】
請求項6記載の発明によれば、座シェルの着座面の可撓性が大となり、その面が臀部に沿って容易に撓むので、座り心地がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した椅子のフレームの斜視図である。
【図2】同じく、座の分解斜視図である。
【図3】同じく、座部の中央縦断拡大側面図である。
【図4】同じく、座枠の後方斜視図である。
【図5】同じく、クッション材を取外して示す座の平面図である。
【図6】同じく、座シェルの下面の斜視図である。
【図7】図6のA部の拡大図である。
【図8】図5のVIII−VIII線の拡大縦断側面図である。
【図9】図5のIX−IX線の拡大縦断面図である。
【図10】図5のX−X線の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
(1)フレーム
(2)座
(3)脚フレーム
(3a)支持杆
(3b)前脚部
(3c)後脚部
(4)前部座支持部材
(5)後部座支持部材
(5a)水平支持板
(5b)上向支持板
(6)連結杆
(7)背凭れ
(8)通孔
(9)切欠き溝
(10)座枠
(10a)側枠
(10b)後枠
(10c)前枠
(11)座シェル
(11a)枠状片
(11b)前枠片
(12)クッション材
(13)表皮材
(13a)袋状縁部
(14)内向支持片
(15)上向片
(16)外向フランジ片
(17)傾斜フランジ片
(18)通孔
(19)補強リブ
(20a)前片
(20b)後片
(21)リブ
(22)係止孔
(23)係止片
(24)係止突片
(25)底板
(26)可撓性凹条
(26a)前向凹条部
(26b)横向凹条部
(27)小孔
(28)スリット
(29)(30)リブ
(31)突条
(32)貫通孔
(33)取付ボス
(34)タッピングスクリュウ
(35)係合片
(35a)係合爪
(36)係合片
(37)締付紐

Claims (6)

  1. 椅子の脚フレームの上部に周端部が支持された合成樹脂よりなる座シェル構造であって、前記座シェルの中央部の着座面より外方に、該座シェルの左右両側部と後部の上面を凹状断面をなすように下向きに折曲することにより、平面視ほぼ前向U字形をなす可撓性凹条を設け、かつ該可撓性凹条の複数個所に、長手方向と交差する方向を向くスリットを形成することにより、可撓性凹条を不連続としたことを特徴とする椅子の座シェル構造。
  2. 可撓性凹条を、座シェルの厚さよりも薄肉のほぼU字状断面としてなる請求項1記載の椅子の座シェル構造。
  3. スリットの上端を、座シェルを貫通してその上面に開口させてなる請求項1または2記載の椅子の座シェル構造。
  4. 可撓性凹条の左右の前端を開口するとともに、その開口端と近接する座シェルに、前記開口と連続する左右方向を向くスリットを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の座シェル構造。
  5. スリットにより分割された可撓性凹条の隣接端部同士を、座シェルの下面にスリットの端部を囲むように突設したリブにより結合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子の座シェル構造。
  6. 可撓性凹条により囲まれた座シェルの着座面に、多数の小孔を穿設してなる請求項1〜5のいずれかに記載の椅子の座シェル構造。
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