本発明の実施形態に係る車両下部構造について図面に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、及び矢印OUTは、それぞれ本発明の一実施形態に係る車両床部構造が適用された車両の前方向、上方向、及び車両幅方向の外側方向を示している。
<車両下部構造の構成>
まず、本実施の形態に係る車両下部構造の構成について説明する。
図1には、本実施形態に係る車両下部構造が適用された車両下部10の平面図が示されている。この図に示されるように、本実施形態では、車両下部10には、車両幅方向及び車両前後方向に沿ってフロアパネル12が延在されている。当該フロアパネル12には、車両前後方向に沿ってビード部12Aが断続的に突設されており、当該ビード部12Aは、車両幅方向に沿って複数配列されている。このビード部12Aが形成されることにより、フロアパネル12自体の剛性を向上させている。
なお、当該フロアパネル12の形状については特に限定されるものではない。ここでは、矩形板状を成しているが、例えば、図示はしないが、車両幅方向の中央部において車両前後方向に沿って突設されたトンネル部が形成されてもよい。
また、フロアパネル12の車両幅方向の両外端には、車両前後方向に沿ってロッカ14、16がそれぞれ延在されており、フロアパネル12の上には、ロッカ14とロッカ16の間に、車両幅方向に沿ってフロアクロスメンバ18が架け渡されている。なお、フロアクロスメンバ18は、車両前後方向に沿って配置されたビード部12Aとビード部12Aの間に配置されている。
さらに、本実施形態では、図2に示されるように、フロアパネル12の下方側には、モータ等のパワーユニットに電力を供給するための駆動力供給装置として電池パック(充電池)20が配設されている。なお、図2には、図1においてA-A線に沿って切断したときの断面図が示されている。
(ロッカ)
ここで、図1に示されるように、フロアパネル12の車両幅方向の両端には、車両前後方向に沿ってロッカ14、16がそれぞれ延在されている。このロッカ14、16についての説明を以下で行う。なお、ロッカ16は、ロッカ14と略同じ構成であるため、説明を割愛する。
図2、図3に示されるように、本実施形態では、ロッカ14は、例えば、鋼板によって形成されており、車両幅方向の外側を構成するロッカアウタパネル22と、車両幅方向の内側を構成するロッカインナパネル24と、を含んで構成されている。
そして、当該ロッカ14は、スポット溶接等の結合によりロッカアウタパネル22とロッカインナパネル24とが一体化され、ロッカアウタパネル22とロッカインナパネル24の間で閉断面部25が形成されている。なお、図3には、ロッカ14を車両前後方向の前方側かつ車両幅方向の内側から見た斜視図が示されている。
(ロッカアウタパネル)
図2に示されるように、ロッカアウタパネル22は、車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断された断面形状において、ロッカインナパネル24側(車両幅方向の内側)を開口側とする略ハット型状を成している。当該ロッカアウタパネル22は、本体部26と、本体部26の上端26Aから車両上下方向の上方側へ向かって延出された上フランジ部28と、本体部26の下端26Bから車両上下方向の下方側へ向かって延出された下フランジ部30と、を含んで構成されている。
当該ロッカアウタパネル22の本体部26は、車両上下方向に沿って形成された外壁部32を備えている。外壁部32は、当該外壁部32の車両上下方向の上部を構成する上側外壁部32Aと、当該外壁部32の車両上下方向の下部を構成する下側外壁部32Bと、を含んで構成されており、下側外壁部32Bは上側外壁部32Aよりも車両幅方向の外側に配置されている。
そして、外壁部32の車両上下方向の中央部には、上側外壁部32Aと下側外壁部32Bを繋ぐ傾斜部34が設けられている。当該傾斜部34は、上側外壁部32Aの下端32A1から車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の外側へ向かって傾斜し、下側外壁部32Bの上端32B1と繋がって形成されている。
また、ロッカアウタパネル22の上側外壁部32Aの上端32A2からは、ロッカインナパネル24側へ向かって略水平方向に延出する上壁部36が設けられており、上壁部36の内端(本体部26の上端26A)から当該上フランジ部28が延出されている。なお、この上フランジ部28には、図示しないセンタピラーの下端部が結合されるようになっている。
また、ロッカアウタパネル22の下側外壁部32Bの下端32B2からは、ロッカインナパネル24側へ向かうにつれて車両上下方向の下方側へ向かって傾斜する傾斜下壁部38が設けられており、傾斜部34の内端(本体部26の下端26B)から当該下フランジ部30が延出されている。
(ロッカインナパネル)
一方、ロッカインナパネル24は、車両上下方向かつ車両幅方向に沿って切断された断面形状において、ロッカアウタパネル22側(車両幅方向の外側)を開口側とする略ハット型状を成している。当該ロッカインナパネル24は、本体部40と、本体部40の上端40Aから車両上下方向の上方側へ向かって延出された上フランジ部42と、本体部40の下端40Bから車両上下方向の下方側へ向かって延出された下フランジ部44と、を含んで構成されている。
当該ロッカインナパネル24の本体部40は、車両上下方向に沿って形成された内壁部46を備えている。内壁部46は、当該内壁部46の車両上下方向の上部を構成する上側内壁部46Aと、当該内壁部46の車両上下方向の下部を構成する下側内壁部46Bと、を含んで構成されており、下側内壁部46Bは上側内壁部46Aよりも車両幅方向の内側に配置されている。
そして、内壁部46の車両上下方向の上部側には、上側内壁部46Aと下側内壁部46Bを繋ぐ横壁部48が設けられている。当該横壁部48は、上側内壁部46Aの下端46A1から車両幅方向の内側へ向かって延出され、下側内壁部46Bの上端46B1と繋がっている。なお、当該横壁部48には、フロアパネル12の車両幅方向の外端部12Bが溶接等により結合されている。
また、ロッカインナパネル24の上側内壁部46Aの上端46A2からは、ロッカアウタパネル22側へ向かって略水平方向へ向かって延出する上壁部50が設けられており、当該上壁部50の外端(本体部40の上端40A)から上フランジ部42が延出されている。この上フランジ部42は、溶接等により、ロッカアウタパネル22に形成された上フランジ部28に結合される(結合部52)。
一方、前述のように、フロアパネル12上には、ロッカ14とロッカ16(図1参照)の間に、車両幅方向に沿ってフロアクロスメンバ18が架け渡されている。当該フロアクロスメンバ18は、車両上下方向かつ車両前後方向に沿って切断したときの断面形状が当該フロアパネル12側を開口側とする略ハット型状を成している(図3参照)。
当該フロアクロスメンバ18の上部を構成する上壁部18Aとロッカインナパネル24の上壁部50の間は、フロアクロスメンバ18と同様に、車両上下方向かつ車両前後方向に沿って切断したときの断面形状が当該フロアパネル12側を開口側とする略ハット型状を成す連結部材54によって架け渡されている。
当該連結部材54の長手方向(車両幅方向)の一端部54Aが、フロアクロスメンバ18の一端部18A1に結合され、連結部材54の長手方向の他端部54Bが、連結部材54の後部から延出されロッカインナパネル24の上壁部50に結合されている。なお、連結部材54は必ずしも必要ではなく、フロアクロスメンバ18の上壁部18Aの一端部18A1がロッカインナパネル24の上壁部50に結合されてもよい。
また、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの下端46B2からは、ロッカアウタパネル22へ向かって略水平方向に沿って延出する下壁部56が設けられている。そして、当該下壁部56の外端(本体部40の下端40B)から当該下フランジ部44が延出されている。この下フランジ部44は、溶接等により、ロッカアウタパネル22に形成された下フランジ部30に結合される(結合部58)。なお、下壁部56には、締結具60が挿通可能とされており、当該締結具60を介して、電池パック20に設けられた固定片20Aがロッカ14に締結固定される。
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、ロッカ14の車両前後方向の後方側には、ロッカリア90が車両前後方向に沿って延在されている。ロッカリア90の詳細については後述するが、図3に示されるように、ロッカリア90の車両幅方向の内側を構成するロッカリアインナパネル94の前端部94Aが、ロッカインナパネル24の後端部24Aに重なった状態で溶接等により結合されるようになっている(結合部110)。
これに伴って、本実施形態では、当該ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bでは、当該結合部110と結合部110以外の部位(一般部116)とで形状が異なっている。
具体的に説明すると、ロッカインナパネル24の一般部24Bでは、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bは、車両上下方向(略鉛直方向)に沿ってストレート部117が形成されている。一方、ロッカインナパネル24の結合部110では、下側内壁部46Bは、その上部118と下部119とで形状が異なっている。
ロッカインナパネル24の結合部110において、下側内壁部46Bの上部118には、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜する勾配部118Aが形成されている。また、下側内壁部46Bの下部119には、一般部24Bと同様、車両上下方向(略鉛直方向)に沿ってストレート部119Aが形成されており、当該ストレート部119Aはストレート部117と連続して形成されている。
このように、ロッカインナパネル24の一般部24Bでは、当該ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bは、略鉛直方向に沿ってストレート部117が形成されている。このため、図2に示されるように、当該ストレート部117の外壁面117Aとフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θは、略90°となっている。
一方、ロッカインナパネル24の結合部110では、当該ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bは、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜する勾配部118Aが形成されている。このため、図4に示されるように、当該勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ1は、90°未満となっている。なお、図4には、図1においてB-B線に沿って切断したときの断面図が示されている。
さらに、本実施形態では、図3に示されるように、ロッカインナパネル24の結合部110には、下側内壁部46Bの下端46B2側、下壁部56及び下フランジ部44を残し、車両側面視で車両前後方向の後方側へ向かって略L字状に切り欠かれた切欠き部112が形成されている。
(衝撃吸収部)
本実施形態では、図2に示されるように、車両側面視で電池パック20と重なる位置において、ロッカ14のロッカアウタパネル22の下側外壁部32Bとロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの間には梯子状の衝撃吸収部62が略水平方向に沿って架け渡されている。
以下、衝撃吸収部62について説明する。
前述のように、本実施形態では、ロッカ14のロッカアウタパネル22の下側外壁部32Bとロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの間に衝撃吸収部62が架け渡されている。これにより、ロッカ14の閉断面部25は、当該衝撃吸収部62を間において、上側閉断面部63と下側閉断面部65に分割されている。
当該衝撃吸収部62は、衝撃吸収部62の上部を構成し、ロッカアウタパネル22の下側外壁部32Bとロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの間に架け渡された上壁部62Aを備えている。また、衝撃吸収部62は、衝撃吸収部62の下部を構成し、上壁部62Aに対して略平行に設けられ、ロッカアウタパネル22の下側外壁部32Bとロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの間に架け渡された下壁部62Bを備えている。
そして、衝撃吸収部62の上壁部62Aにおける車両幅方向の外端62A1と下壁部62Bにおける車両幅方向の外端62B1は外側壁62Cによって繋がれている。また、衝撃吸収部62の上壁部62Aにおける車両幅方向の内端62A2と下壁部62Bにおける車両幅方向の内端62B2は内側壁62Dによって繋がれている。なお、衝撃吸収部62の内側壁62Dの上壁部62A側には、車両上下方向の上方側へ向かって突出する厚肉部64が設けられており、内側壁62Dの下壁部62B側には、車両上下方向の下方側へ向かって突出する厚肉部66が設けられている。
また、衝撃吸収部62の外側壁62C、内側壁62Dは、例えば、ロッカアウタパネル22の下側外壁部32B、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bに対して、それぞれ接着剤を介して結合される。なお、溶接によって結合されてもよいし、また、ロッカ14がアルミニウム合金で形成される場合は、ロッカ14に対して衝撃吸収部62が一体成形されてもよい。
さらに、本実施形態では、衝撃吸収部62において、外側壁62Cと内側壁62Dの間には、上壁部62Aと下壁部62Bを繋ぐ複数の区画壁68A、68B、68C、68D、68E、68F(ここでは、6本)が架け渡されている。このように、衝撃吸収部62において、複数の区画壁68を設けることによって、衝撃吸収部62内には複数の空間部70A、70B、70C、70D、70E、70F、70G(ここでは、7個)が設けられる。
ここで、区画壁68Cは、ロッカアウタパネル22とロッカインナパネル24が結合された結合部52と結合部58を結ぶ略直線上に配置されている。また、衝撃吸収部62の上壁部62Aからは、区画壁68Cの延長線上に上フランジ部72が延出されており、衝撃吸収部62の下壁部62Bからは、区画壁68Cの延長線上に下フランジ部74が延出されている。
(シェアパネル)
さらに、シェアパネル76について説明する。
当該シェアパネル76は、例えば、鋼板で形成された矩形板状を成している。ここで、図1に示されるように、車両側部13における車両前後方向の中間部13Aには、車両上下方向に沿ってセンタピラー15が延在されており、図2に示されるように、本実施形態では、当該センタピラー15の車両上下方向の下方側において、ロッカ14の上端部14A及びロッカ14の下端部14Bにシェアパネル76が結合されている。
また、ロッカ14の閉断面部25は、衝撃吸収部62によって上側閉断面部63と下側閉断面部65に分割されている。このため、シェアパネル76は、衝撃吸収部62を間において、上側閉断面部63側に配設されるシェアパネル上部78と下側閉断面部65側に配設されるシェアパネル下部80に分けられている。
シェアパネル上部78の車両上下方向の上端部78Aは、ロッカアウタパネル22の上フランジ部28とロッカインナパネル24の上フランジ部42の間で当該上フランジ部28及び上フランジ部42と結合されている(結合部52)。また、シェアパネル上部78の車両上下方向の下端部78Bは、衝撃吸収部62の上フランジ部72と結合されている(結合部82)。
一方、シェアパネル下部80の車両上下方向の上端部80Aは、衝撃吸収部62の下フランジ部74と結合されている(結合部84)。また、シェアパネル下部80の車両上下方向の下端部80Bは、ロッカアウタパネル22の下フランジ部30とロッカインナパネル24の下フランジ部44の間で当該下フランジ部30及び下フランジ部44と結合されている(結合部58)。
すなわち、ロッカ14の上端部14A及びロッカ14の下端部14Bには、シェアパネル76が結合(結合部52、58)されている。つまり、当該シェアパネル76は、ロッカ14の閉断面部25内において、衝撃吸収部62を介してロッカ14の上端部14A及びロッカ14の下端部14Bに車両上下方向に沿って架け渡されている。また、シェアパネル上部78、衝撃吸収部62の上フランジ部72、区画壁68C、衝撃吸収部62の下フランジ部74及びシェアパネル下部80は、結合部82、84を介して、車両上下方向に沿って略直線状に配置されている。なお、当該シェアパネル76は必ずしも必要ではない。
(ロッカリア)
ところで、本実施形態では、図1に示されるように、ロッカ14の車両前後方向の後方側には、ロッカリア90が車両前後方向に沿って延在されている。ロッカリア90は、ロッカ14と同様、鋼板によって形成されており、車両幅方向の外側を構成するロッカリアアウタパネル92と、前述のように、車両幅方向の内側を構成するロッカリアインナパネル94と、を含んで構成されている。
図3に示されるように、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94は略同じ形状を成している。つまり、ロッカリアインナパネル94は、上から順に、上フランジ部96、上壁部98、上側内壁部100、横壁部102、下側内壁部103、下壁部106及び下フランジ部108を含んで構成されており、当該横壁部102には、リアフロアパネル95の車両幅方向の外端部95Aが溶接等により結合されている。
なお、下側内壁部103は、ロッカインナパネル24の後端部24Aと同様、下側内壁部103の上部104には勾配部104Aが設けられており、当該勾配部104Aは、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜している。また、下側内壁部103の下部105には、ストレート部105Aが設けられており、当該ストレート部105Aは、車両上下方向(略鉛直方向)に沿って形成されている。
そして、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94との結合部110では、ロッカインナパネル24の後端部24Aとロッカリアインナパネル94の前端部94Aとが、上下に重なり合った状態で溶接等により結合されるようになっている。
このように、ロッカインナパネル24の後端部24Aにロッカリアインナパネル94の前端部94Aが結合された状態で、当該ロッカインナパネル24及びロッカリアインナパネル94に対して、ロッカアウタパネル22、ロッカリアアウタパネル92(図1参照)がそれぞれ結合されるようになっている。
なお、組付け工程上、ロッカリアインナパネル94は、ロッカインナパネル24に対してロッカインナパネル24の上方側から重なるようになっている。このため、本実施形態では、ロッカインナパネル24の後端部24Aとロッカリアインナパネル94の前端部94Aとは、ロッカリアインナパネル94の移動時に両者が互いに干渉しないように形成されている。
以下、この点について具体的に説明する。
まず、前述のように、図3に示されるように、ロッカインナパネル24の後端部24Aには、車両側面視で略L字状に切り欠かれた切欠き部112が設けられている。この切欠き部112により、ロッカインナパネル24の後端部24Aの後端24A1側では、下側内壁部46Bの下端46B2側、下壁部56及び下フランジ部44が残されている。
つまり、ロッカインナパネル24の後端24A1側では、上フランジ部42、上壁部50、上側内壁部46A、横壁部48及び下側内壁部46B(なお、下端46B2側を除く)は切り欠かれている。したがって、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94との結合部110では、ロッカインナパネル24は、車両前後方向の前後に勾配部118Aが形成された側と後端24A1側とに分けられる。
一方、ロッカリアインナパネル94の前端部94Aには、車両側面視で車両前後方向の後方側へ向かって略逆L字状に切り欠かれた切欠き部114が設けられている。この切欠き部114により、ロッカリアインナパネル94の前端部94Aの前端94A1側では、上フランジ部96、上壁部98、上側内壁部100、横壁部102、下側内壁部103の勾配部104Aが残されている。つまり、ロッカリアインナパネル94の前端部94Aでは、下側内壁部103のストレート部105A、下壁部106及び下フランジ部108は切り欠かれている。
これにより、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94との結合部110では、ロッカリアインナパネル94の勾配部118Aが形成された側において、ロッカインナパネル24の上フランジ部42、上壁部50、上側内壁部46A、横壁部48、下側内壁部46Bの勾配部118Aの外側(ロッカ14の外側)に、ロッカリアインナパネル94の上フランジ部96、上壁部98、上側内壁部100、横壁部102、下側内壁部103の勾配部104Aがそれぞれ重なる(図4参照)。
一方、当該結合部110において、ロッカインナパネル24の後端24A1側では、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの下端46B2側、下壁部56及び下フランジ部44の内側(ロッカ14の内側)にロッカリアインナパネル94の下側内壁部103のストレート部105A、下壁部106及び下フランジ部108が重なる。
なお、ロッカインナパネル24の結合部110では、下側内壁部46Bの下端46B2側において、車両幅方向の内側に突出する突出部120が形成されている。ロッカインナパネル24の後端部24Aにロッカリアインナパネル94の前端部94Aが重なった状態で、当該突出部120に対して、下側内壁部103のストレート部105Aはロッカ14の内側に重なる。
ここで、ロッカ14の閉断面部25内に設けられた衝撃吸収部62は、ロッカ14からロッカリア90に架けて配設されている。このため、衝撃吸収部62の内側壁62Dが結合される結合面は、車両前後方向に沿って、ロッカインナパネル24、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94の結合部110、ロッカリアインナパネル94に亘って車両幅方向に面一となるように形成されている。
つまり、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94との結合部110において、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの下端46B2側に車両幅方向の内側に突出する突出部120が設けられることによって、図示はしないが、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bのストレート部119Aの内壁面とロッカリアインナパネル94の下側内壁部103のストレート部105Aの内壁面が、車両幅方向に面一となっている。
ところで、前述のように、本実施形態では、ロッカインナパネル24は、ロッカリアインナパネル94との結合部110と一般部116とで下側内壁部46Bの形状が異なっている。当該一般部24Bでは、下側内壁部46Bには、車両上下方向に沿って形成されたストレート部117が設けられており、当該下側内壁部46Bのストレート部117の外壁面117Aとフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ(図2参照)は、略90°となっている。
一方、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94との結合部110では、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bには、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜する勾配部118Aが設けられている。そして、当該勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ1(図4参照)は、90°未満となっている。
ここで、ロッカリアインナパネル94では、下側内壁部103の上部104に勾配部104Aが設けられ、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜している。そして、ロッカリアインナパネル94の勾配部104Aは、ロッカインナパネル24の勾配部118Aの上に重なるようになっている。このため、ロッカリアインナパネル94の勾配部104Aの外壁面101A1とリアフロアパネル95の裏面95Bとの間で成す角度θ1(図4参照)は、90°未満となっている。
(車両下部構造の作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る車両下部構造の作用及び効果について説明する。
図3に示されるように、本実施形態では、ロッカインナパネル24の後端部24Aには、ロッカリアインナパネル94の前端部94Aが結合されている。ここで、ロッカインナパネル24は、横壁部48を備えており、ロッカインナパネル24の横壁部48の載置面48Aには、車両11のフロアパネル12の外端部12Bが載置される。
また、ロッカインナパネル24の横壁部48の先端(下側内壁部46Bの上端46B1)からは、下側内壁部46Bが車両上下方向の下方側へ向かって折曲されており、当該下側内壁部46Bは、フロアパネル12との間で所定の角度θ(図2参照)を成している。
ここで、本実施形態では、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bは、結合部110及び一般部116を含んで構成されており、結合部110は、ロッカリアインナパネル94が結合される部位である。
そして、ロッカインナパネル24において、下側内壁部46Bの結合部110では、車両上下方向の下方側へ向かうにつれて車両幅方向の内側へ向かって傾斜する勾配部118Aが形成され、当該勾配部118Aは、勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ1(図4参照)が90°未満となるように形成されている。
一方、下側内壁部46Bの一般部116では、車両上下方向に沿って形成されたストレート部117が形成され、当該ストレート部117は、ストレート部117の外壁面117Aとフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ(図2参照)が略90°となるように形成されている。
一般に、図2に示されるように、フロアパネル12とロッカインナパネル24の下側内壁部46Bとの間に形成された隅部121には、防水機能を得るため、図示しないシール部材が設けられるようになっているが、当該シール部材の有無については、目視での確認が可能である。
したがって、ロッカインナパネル24における下側内壁部46Bのストレート部117の外壁面117Aと当該フロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θは、見やすさを考慮すると、90°以上、より具体的には約90°~135°の範囲内であることが好ましい。
一方、図4に示されるように、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94の結合部110において、ロッカインナパネル24の勾配部118Aとロッカリアインナパネル94の勾配部104Aは重なることとなる。ロッカインナパネル24の勾配部118Aの上にロッカリアインナパネル94の勾配部104Aが重なる場合、ロッカリアインナパネル94はロッカインナパネル24の上方側から重なる。
この場合、図示はしないが、例えば、ロッカインナパネル24において、下側内壁部46Bの勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θが90°以上となるようにロッカインナパネル24の下側内壁部46Bが形成されると、ロッカリアインナパネル94の下側内壁部103がロッカインナパネル24の下側内壁部46Bに対して干渉し、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bにロッカリアインナパネル94の下側内壁部103を重ねることはできない。
また、図示はしないが、ロッカインナパネル24において、下側内壁部46Bの勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θが90°の場合、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bに対してロッカリアインナパネル94の下側内壁部103を車両幅方向で位置決めする必要が生じ、組付け性がよくない。
これに対して、本実施形態では、図4に示されるように、ロッカインナパネル24の結合部110において、下側内壁部46Bの勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ1が、90°未満、より具体的には約45°~90°の範囲内であることが好ましい。
これにより、ロッカインナパネル24の下側内壁部46Bに対して、ロッカリアインナパネル94の下側内壁部103が車両幅方向に多少ずれたとしても、結合部110に形成された勾配によりずれ量が吸収され、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94の組付け性が向上する。
つまり、本実施形態では、図3に示されるように、ロッカインナパネル24の車両前後方向に一般部116と結合部110を設け、当該一般部116と結合部110とでフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度を変えている。
そして、図2に示されるように、ロッカインナパネル24の一般部116では、フロアパネル12とロッカインナパネル24の下側内壁部46Bとの間に設けられたシール部材の有無について目視で確認し易くするため、下側内壁部46Bは、ストレート部117の外壁面117Aとフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θが90°以上となるように形成されている。
一方、ロッカインナパネル24の結合部110では、ロッカリアインナパネル94との組付け性を考慮して、図4に示されるように、下側内壁部46Bは、勾配部118Aの外壁面118A1とフロアパネル12の裏面12Cとの間で成す角度θ1が、90°未満となるように形成されている。
以上のような構成により、本実施形態では、フロアパネル12とロッカインナパネル24の下側内壁部46Bの間に設けられたシール部材を目視で確認することが可能であり、また、ロッカインナパネル24とロッカリアインナパネル94の組付け性を向上させることができる。
(本実施形態の補足)
本実施形態では、図3に示すロッカアウタパネル22及びロッカインナパネル24は、鋼板で形成されているが、アルミニウム合金等の軽金属によって形成されてもよい。但し、この場合、ロッカ14は押出し加工や引抜き加工などによって形成され、ロッカアウタパネル22とロッカインナパネル24とは必ずしも別部材である必要はない。
なお、衝撃吸収部62について、ロッカ14と同じアルミニウム合金等の軽金属によって形成する場合、ロッカアウタパネル22及びロッカインナパネル24と共に一体成形することも可能である。
また、ロッカリアアウタパネル92及びロッカリアインナパネル94は、鋼板で形成されているが、ロッカ14と同様、アルミニウム合金等の軽金属によって形成されてもよい。
また、本実施形態では、ロッカ14を構成するロッカアウタパネル22、ロッカインナパネル24、衝撃吸収部62、ロッカリア90を構成するロッカリアアウタパネル92、ロッカリアインナパネル94等、各部材における形状、板厚については特に限定するものではない。このため、各部材において、それぞれ形状、板厚を変えてもよいし、一つの部材において、部位毎に板厚を変えてもよい。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。