JP7109003B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
従来、運転者の操舵をアシストする電動パワーステアリング装置において、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを生成する装置が知られている。
例えば特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置は、二台の電動モータのうち一方がコラムに設けられ、他方がラックに設けられている。二台の電動モータにより負荷を分散させることで高出力化が可能となり、また、車両の走行状態に応じて各電動モータを個別に制御することで操舵性を向上させることができると記載されている。
特開2004-82798号公報
一般に車両の操舵系は、トルクセンサに用いられるトーションバーの弾性によりハンドルの共振が生じ、操舵系が不安定になりやすい。しかし特許文献1には、操舵系を安定化させる技術について何ら言及されていない。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、複数のアクチュエータを含む電動パワーステアリング装置において操舵系を安定化させる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の電動パワーステアリング装置は、ハンドル(91)に入力されたハンドルトルク(Th)が、コラム(92)に内包されたステアリングシャフト(93)からインターミディエイトシャフト(95)及びラック(97)を経由してタイヤ(99)に伝達される車両のステアリングシステム(90)において、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを生成する。
この電動パワーステアリング装置は、コラムアクチュエータ(81)と、ラックアクチュエータ(82)と、一つ以上のトルクセンサ(94)と、一つ以上の演算器(40、401、402)と、を備える。
コラムアクチュエータは、インターミディエイトシャフトに対しコラム側に設けられ、コラムアシストトルクを出力する。ラックアクチュエータは、インターミディエイトシャフトに対しラック側に設けられ、ラックアシストトルクを出力する。
トルクセンサは、ステアリングシャフト又はインターミディエイトシャフトに付与されるトーショントルクを検出する。演算器は、少なくともトルクセンサが検出したトーショントルクに基づいて、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの指令値を演算する。
演算器は、基本アシスト制御器(51、61)と、安定化制御器(55、65)と、加算器(57、67)と、を有する。基本アシスト制御器は、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの主の要素として、トーショントルクに基づく基本アシストトルクを個別に又は共通に演算する。安定化制御器は、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの他の要素として、操舵系を安定化させる安定化トルクを個別に又は共通に演算する。加算器は、基本アシストトルクと安定化トルクとを加算する。
本発明では、基本アシストトルクに安定化トルクが加算された値がコラムアシストトルク及びラックアシストトルクとして各アクチュエータに出力される。したがって、複数のアクチュエータを含む電動パワーステアリング装置において、ハンドルの共振を抑制し、操舵系を安定化させることができる。
また、コラムアシストトルクの変化に対するトーショントルクの応答特性を「コラム側応答特性」と定義し、ラックアシストトルクの変化に対するトーショントルクの応答特性を「ラック側応答特性」と定義する。
本発明の態様では、演算器は、「所定の周波数領域におけるコラム側応答特性に対するラック側応答特性のゲイン及び位相の差分」を補償する応答性補償器(70)をさらに有する。基本アシストトルク又は安定化トルクの少なくとも一方に関し、コラムアシストトルクの要素を応答性補償器で処理した後の値が、ラックアシストトルクの要素として出力される。
この構成の演算器は、基本アシストトルク又は安定化トルクの少なくとも一方に関し、コラム側の演算とラック側の演算とを共通化する。すなわち、演算器は、コラムアクチュエータ及びラックアクチュエータの基本アシスト制御又は安定化制御の少なくとも一方を共通化する。これにより、コラム側の制御器のみを設計すればよく、ラック側の制御器の設計が不要となる。
第1実施形態による電動パワーステアリング装置の全体構成図。 第1実施形態のECUの制御ブロック図。 ハンドルの共振を説明する周波数特性図。 安定化制御器による共振の抑制を説明する周波数特性図。 安定化制御器の周波数特性図。 第2実施形態の基本構成のECUの制御ブロック図。 コラム側応答特性及びラック側応答特性の周波数特性図。 コラム側応答特性、及びインターミディエイトシャフトの剛性を変化させた場合のラック側応答特性の周波数特性図。 応答性補償器の周波数特性図。 応答性補償器の数学的根拠を説明するブロック図。 第2実施形態の変形例1のECUの制御ブロック図。 第2実施形態の変形例2のECUの制御ブロック図。 第2実施形態の変形例3のECUの制御ブロック図。 第2実施形態の変形例4のECUの制御ブロック図。 第2実施形態の変形例5のECUの制御ブロック図。 第3実施形態のECUの制御ブロック図。 第4実施形態のECUの制御ブロック図。 第5実施形態による電動パワーステアリング装置の全体構成図。
以下、電動パワーステアリング装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態の電動パワーステアリング装置は、車両のステアリングシステムにおいて、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを出力する装置である。複数の実施形態で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の第1~第5実施形態を包括して「本実施形態」という。第2、第3実施形態、又は、第4実施形態の特徴を含む形態が特許請求の範囲に記載の発明を実施するための形態に相当する。
(第1実施形態)
図1~図5を参照し、第1実施形態について説明する。図1に、ステアリングシステム90に適用される電動パワーステアリング装置101の全体構成を示す。図1は、「演算器」として一つのECU40が設けられる設置構成を示すものであり、これと対照に複数のECUが設けられる設置構成は、図18に第5実施形態として示される。一方、ECUの制御構成が異なる複数の実施形態として第1~第4実施形態が以下に説明される。これらのECUの制御構成は、図1に示す一つのECU40の設置構成、又は、図18に示す複数のECUの設置構成のどちらに適用されてもよい。
図1に示すように、ステアリングシステム90は、ハンドル91、ステアリングシャフト93、インターミディエイトシャフト95、ラック97等を含む。ステアリングシャフト93は、コラム92に内包されており、一端にハンドル91が接続され、他端にインターミディエイトシャフト95が接続されている。インターミディエイトシャフト95のハンドル91と反対側の端部には、ラックアンドピニオン機構により回転を往復運動に変換して伝達するラック97が設けられている。ラック97が往復するとタイヤ99が転舵される。
ステアリングシステム90において、電動パワーステアリング装置101は、二つのアクチュエータであるコラムモータ(図中「Cモータ」)81及びラックモータ(図中「Rモータ」)82により操舵アシストトルクを生成する。本明細書では、電動パワーステアリング装置101のこの駆動方式を「ツインアシスト方式」という。ツインアシスト方式は、大トルクの出力に有効である。電動パワーステアリング装置101は、コラムモータ81、ラックモータ82、トルクセンサ94、及び、「演算器」としてのECU40を備える。
「コラムアクチュエータ」としてのコラムモータ81は、インターミディエイトシャフト95に対しコラム92側に設けられる。「ラックアクチュエータ」としてのラックモータ82は、インターミディエイトシャフト95に対しラック97側に設けられる。以下、コラムモータ81が出力する操舵アシストトルクを「コラムアシストトルク」といい、ラックモータ82が出力する操舵アシストトルクを「ラックアシストトルク」という。
コラムモータ81及びラックモータ82を、適宜、モータ81、82と省略して記す。本実施形態ではモータ81、82の詳細な構成や駆動方式は問わない。例えばモータ81、82は、三相ブラシレスモータで構成され、電流フィードバック制御により指令電圧が演算される。指令電圧に基づき生成されたPWM信号によってインバータが駆動され、車載バッテリの直流電圧が三相交流電圧に変換されてモータ81、82の各相巻線に印加される。これにより、モータ81、82は、所望のアシストトルクを出力する。また、例えばモータ81、82は、二組の三相巻線組を冗長的に有する二系統モータとして構成されてもよい。
トルクセンサ94は、ステアリングシャフト93の途中に設けられており、ステアリングシャフト93に付与されるトーショントルクTsを、トーションバーの捩れ角に基づいて検出する。なお、「その他の実施形態」の欄に、図1に示す構成以外のトルクセンサの構成について記載する。
ECU40は、マイコン、駆動回路等で構成され、図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。ECU40は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。本実施形態のECU40は、少なくともトルクセンサ94が検出したトーショントルクTsに基づいて、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの指令値を演算する。アシストトルクの演算に用いられるそれ以外のパラメータについては、図2等を参照して後述する。
また、一般のモータ制御と同様に、ECU40は、インバータ内部、又は、インバータと巻線組とを接続する電流経路に設けられた電流センサから相電流を取得する。さらに、ECU40は、コラムモータ81及びラックモータ82にそれぞれ設けられた回転角センサからモータ角を取得し、モータ角を時間微分してモータ角速度を算出する。モータ角はベクトル制御でのdq座標変換演算にも用いられる。
このような点は一般的な周知技術であるため、図1には回転角センサ等の図示を省略する。そして、ECU40は、アシストトルクの指令値に基づいて演算した指令電流に実電流を追従させるように、電流フィードバック制御を行う。加えて本実施形態では、図1に図示しない車速センサにより検出された車速Vの情報がECU40に取得される。
ところで、従来、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置は、例えば特許文献1(特開2004-82798号公報)に開示されている。一般に電動パワーステアリング装置では、ハンドルの共振により操舵系が不安定になりやすいが、特許文献1には操舵系を安定化させる技術について何ら言及されていない。そこで本実施形態は、ツインアシスト方式の電動パワーステアリング装置101において操舵系を安定化させるものである。
続いて図2を参照し、第1実施形態のECUの制御構成について説明する。ECUの符号について、図1に付された「40」は、物理的に一箇所に集約された形態のECUであることを示す。それに対し第1~第4実施形態では、内部構成の異なる各ECUを区別するため、各実施形態のECUに「41」~「44」の符号を付す。なお、第2実施形態については、基本構成のECU42の他に、変形例1~5のECUに「421~425」の符号を付す。
特に第1、第2実施形態の構成を総じて、ECUは、基本アシスト制御器、安定化制御器、及び加算器を有する。基本アシスト制御器は、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの主の要素として、トーショントルクに基づく「基本アシストトルク」を個別に又は共通に演算する。安定化制御器は、コラムアシストトルク及びラックアシストトルクの他の要素として、操舵系を安定化させる「安定化トルク」を個別に又は共通に演算する。加算器は、基本アシストトルクと安定化トルクとを加算する。
図2に示す第1実施形態のECU41では、基本アシスト制御器及び安定化制御器は、それぞれ「基本アシストトルク」及び「安定化トルク」を個別に演算する。具体的には、ECU41は、コラム基本アシスト制御器51、コラム安定化制御器55、ラック基本アシスト制御器61、ラック安定化制御器65、及び、加算器57、58を有する。
また、図2以下のECUの制御ブロック図において「制御対象80」は、コラムモータ81及びラックモータ82をはじめ、図1に示すハンドル91からタイヤ99までの操舵系全体を含む。制御対象80には、ハンドルトルクTh、コラムアシストトルクTac及びラックアシストトルクTarが入力される。制御対象80が出力したトーショントルクTsは、各制御器51、55、61、65に取得される。
基本的に、コラムモータ角θc及びコラムモータ角速度ωcはコラム基本アシスト制御器51及びコラム安定化制御器55に取得され、ラックモータ角θr及びラックモータ角速度ωrはラック基本アシスト制御器61及びラック安定化制御器65に取得される。ただし、コラムモータ角θc及びコラムモータ角速度ωcがラック基本アシスト制御器61及びラック安定化制御器65に取得され、その逆に、ラックモータ角θr及びラックモータ角速度ωrがコラム基本アシスト制御器51及びコラム安定化制御器55に取得されてもよい。
さらに、車速Vはコラム基本アシスト制御器51及びラック基本アシスト制御器61に入力される。なお、破線で示すように、コラム安定化制御器55及びラック安定化制御器65には車速Vが入力されてもよいし入力されなくてもよい。すなわち、安定化制御器55、65は、車速Vの情報を制御に用いてもよいし用いなくてもよい。以下の各実施形態において同様とする。
以下の説明において、コラムモータ81のコラムアシストトルクTacに関する演算や制御を、略して「コラム側」の演算や制御という。また、ラックモータ82のラックアシストトルクTarに関する演算や制御を、略して「ラック側」の演算や制御という。まず、コラム側において、コラム基本アシスト制御器51は、トーショントルクTs等の情報に基づいてコラム基本アシストトルクTac_bを演算する。コラム安定化制御器55は、トーショントルクTs等の情報に基づいてコラム安定化トルクTac_stabを演算する。加算器57は、コラム基本アシストトルクTac_bとコラム安定化トルクTac_stabとを加算したコラムアシストトルクTacを制御対象80に出力する。
同様にラック側において、ラック基本アシスト制御器61は、トーショントルクTs等の情報に基づいてラック基本アシストトルクTar_bを演算する。ラック安定化制御器65は、トーショントルクTs等の情報に基づいてラック安定化トルクTar_stabを演算する。加算器67は、ラック基本アシストトルクTar_bとラック安定化トルクTar_stabとを加算したラックアシストトルクTarを制御対象80に出力する。
ここで、安定化制御器55、65による安定化制御について図3~図5の周波数特性図を参照して説明する。図3以下の周波数特性図は、一般のものと同様に、横軸が対数スケールの周波数[単位:Hz]、縦軸がゲイン[単位:dB]又は位相[単位:deg]を表す。ただし、縦軸の「0」以外の数値は記載しない。また、横軸の「fo」は各図の対比のための基準周波数であり、各図における基準周波数foは同じ値である。
図3は、ハンドルトルクThからトーショントルクTsへの閉ループ特性を示す。一般に車両の操舵系は、トルクセンサ94に用いられるトーションバーの弾性により共振が生じ、共振周波数の付近でゲインが急増する。共振が起こるとハンドル91が自動共振し、操舵が不安定になるおそれがある。また、アシストゲインが大きいほど共振周波数は高周波側へ移動する。電動パワーステアリング装置で操舵トルクをアシストするためには、この共振を抑制し、操舵系を安定化させるための安定化制御が必要となる。
図4に示すように、「安定化制御あり」の周波数特性は共振ピークが緩和されており、安定化制御によって共振が抑制される。図5に参考として、安定化制御器のゲイン(又は振幅)特性の例を示す。モータ指令電流は、トルクセンサ94が検出したトーショントルクTsに基づいて安定化制御器55、65が演算した安定化トルクTac_stab、Tar_stabと、基本アシストトルクTac_b、Tar_bとの合計トルクから算出される。なお、安定化制御器55、65の出力は、車速V等に応じて変化するように制御される場合もある。
(効果)
本実施形態のECU41等では、基本アシストトルクTac_b、Tar_bに安定化トルクTac_stab、Tar_stabが加算された値がアシストトルクTac、Tarとしてコラムモータ81及びラックモータ82に出力される。したがって、二台のモータ81、82を含むツインアシスト方式の電動パワーステアリング装置101において、ハンドル91の共振を抑制し、操舵系を安定化させることができる。
第1実施形態のECU41では、コラム基本アシストトルクTac_bとラック基本アシストトルクTar_bとが個別に演算され、コラム安定化トルクTac_stabとラック安定化トルクTar_stabとが個別に演算される。コラム側の演算とラック側の演算とが独立して実行されるため、仮に一方の制御器に異常が生じた場合でも他方の演算に影響が及ぶことを回避することができる。
(第2実施形態)
次に図6~図10を参照し、第2実施形態の基本的な制御構成について説明する。第1実施形態では、基本アシストトルク及び安定化トルクの両方について、コラム側の制御とラック側の制御とを別々に実行するため、コラム側及びラック側の両方の制御器51、55、61、65を設計する必要がある。そこで第2実施形態では、アシストトルクの主の要素である基本アシストトルク、又は、アシストトルクの他の要素である安定化トルクの少なくとも一方の演算に関し、コラム側の制御とラック側の制御との共通化を図る。
図6に示すように、第2実施形態のECU42は、図2に示す第1実施形態のECU41に対し、ラック基本アシスト制御器61及びラック安定化制御器65を有しておらず、代わりに応答性補償器70を有している。応答性補償器70は、所定の周波数領域におけるコラム側応答特性に対するラック側応答特性のゲイン及び位相の差分を補償する。「コラム側応答特性」とは、コラムアシストトルクTacの変化に対するトーショントルクTsの応答特性であり、「ラック側応答特性」とは、ラックアシストトルクTarの変化に対するトーショントルクTsの応答特性である。
第2実施形態のECU42では、コラム基本アシストトルクTac_b及びコラム安定化トルクTc_stabの和を応答性補償器70で処理した後の値が、ラック基本アシストトルクTar_b及びラック安定化トルクTar_stabの和として出力される。分解すると、コラムアシストトルクTacの主要素であるコラム基本アシストトルクTac_bを応答性補償器70で処理した後の値が、ラックアシストトルクTarの主要素であるラック基本アシストトルクTar_bとして出力される。また、コラムアシストトルクTacの他の要素であるコラム安定化トルクTac_stabを応答性補償器70で処理した後の値が、ラックアシストトルクTarの他の要素であるラック安定化トルクTar_stabとして出力される。
処理前後の基本アシストトルク及び安定化トルクをそれぞれ加算すると、図6のように表される。つまり第2実施形態のECU42は、応答性補償器70を用いることにより、ラック基本アシスト制御をコラム基本アシスト制御と共通化し、ラック安定化制御をコラム安定化制御と共通化している。
応答性補償器70の技術的意義について、図7~図10を参照する。コラムモータ81とラックモータ82との間にはインターミディエイトシャフト95が存在する。つまり、コラムモータ81からトルクセンサ94までの伝達系にはインターミディエイトシャフト95が無く、ラックモータ82からトルクセンサ94までの伝達系にはインターミディエイトシャフト95が有る。このインターミディエイトシャフト95の有無という物理的な構造の違いにより、応答特性の差が生じる。具体的には、コラムモータ81及びラックモータ82に指令されるアシストトルクTac、Tarの変化に対するトーショントルクTsの応答特性に差が生じる。
図7に示すように、基準周波数foより高周波側の領域でラック側応答特性のゲインはコラム側応答特性のゲインより低下し、ラック側応答特性の位相はコラム側応答特性の位相より遅れる。図8には、インターミディエイトシャフト95の剛性kIMを基準値の5倍、10倍に変化させた場合のラック側応答特性を示す。インターミディエイトシャフト95の剛性kIMを高くすることは、インターミディエイトシャフト95が剛体に近づくことを意味する。そのため、剛性kIMが高いほどラック側応答特性とコラム側応答特性との差が小さくなる。
図9に応答性補償器70の周波数特性の設計例を示す。応答性補償器70は、基準周波数foより高周波側の領域でゲインを増加させ、位相を進ませることで、コラム側応答特性に対するラック側応答特性の差を補償する。
図10は、応答性補償器70の数学的根拠を説明するブロック図である。ハンドルトルクThから制御出力への伝達特性をG1、コラムアシストトルクTacから制御出力への伝達特性をG2、応答性補償器70が無いときのラックアシストトルクTarから制御出力への伝達特性をG3と記す。制御対象80では、伝達特性G1、G2、G3が加算される。
ECU42が有する二つのコラムアシストマップ52、52Rは実質的に同じものである。コラムアシストトルクTacの演算に用いられるアシストマップには「52」の符号を付し、ラックアシストトルクTarの演算に用いられるアシストマップには「52R」の符号を付して区別する。コラムアシストマップ52、52Rは、トーショントルクTsに基づいてコラムアシストゲインKacを算出する。
コラムアシストマップ52で算出されたアシストゲインKacをトーショントルクTsに乗じた値は、コラムアシストトルクTacとして出力される。また、コラムアシストマップ52Rで算出されたアシストゲインKacをトーショントルクTsに乗じた値は応答性補償器70に入力される。
応答性補償器70はコラムアシストマップ52Rと制御対象80との間に実装され、その伝達特性は(G2/G3)と表される。そして、応答性補償器70を実装後のラックアシストトルクTarから制御出力への一巡伝達特性は、「G3×(G2/G3)=G2」となり、コラムアシストトルクTacから制御出力への伝達特性G2と一致する。したがって、ラック側応答特性がコラム側応答特性と同等に補償される。
このように第2実施形態の基本構成のECU42は、基本アシストトルク及び安定化トルクの両方に関し、コラム側の制御とラック側の制御とを共通化する。すなわちECU42は、コラムモータ81及びラックモータ82の基本アシスト制御及び安定化制御を共通化する。これにより、コラム側の制御器51、55のみを設計すればよく、ラック側の制御器61、65の設計が不要となる。
次に図11~図15を参照し、図6の基本構成に対して応答性補償器70の実装箇所を変更した変形例の構成を説明する。各変形例1~5において、ECU421~425は、コラムアシストトルクTacを演算するコラム基本アシスト制御器51及びコラム安定化制御器55を有する。また、ECU421~425は、ラックアシストトルクTarの演算に関し、基本アシストトルク制御又は安定化トルク制御の少なくとも一方について、応答性補償器70を通してコラム側の制御と共通化する。
ラック基本アシストトルクTar_bの演算用のコラム基本アシスト制御器には「51R」の符号を付して、コラム基本アシストトルクTac_bの演算用のコラム基本アシスト制御器51と区別する。また、ラック安定化トルクTar_stabの演算用のコラム安定化制御器には「55R」の符号を付して、コラム安定化トルクTac_stabの演算用のコラム安定化制御器55と区別する。
図11に示す変形例1のECU421は、ラック基本アシストトルクTar_bの演算用のコラム基本アシスト制御器51R、及び、ラック安定化トルクTar_stabの演算用のコラム安定化制御器55Rを有し、それらの共通の入力部に応答性補償器70が実装される。変形例1の構成は、基本アシスト制御及び安定化制御の両方を共通化するものであり、図6の基本構成と等価である。したがって、変形例1は、基本構成と同様の作用効果を奏する。
図12に示す変形例2では、基本アシスト制御のみをコラム側とラック側とで共通化し、安定化制御はそれぞれで行う。一般に基本アシストトルクの制御は、トーショントルクを横軸としアシストトルクを縦軸とするマップで構成され、操舵フィーリングに大きな影響を与える。そのため、実車での適合(すなわちチューニング)に時間を要する。
そこで変形例2のECU422は、ラック基本アシストトルクTar_bの演算用のコラム基本アシスト制御器51Rを有し、その入力部に応答性補償器70が実装される。また、ECU422は、ラック安定化トルクTar_stabを演算するラック安定化制御器65を有する。これにより、時間のかかる基本アシスト制御について、ECU422の演算負荷を低減し演算時間を短縮することができる。
図13に示す変形例3では、安定化制御のみをコラム側とラック側とで共通化し、基本アシスト制御はそれぞれで行う。ECU423は、ラック安定化トルクTar_stabの演算用のコラム安定化制御器55Rを有し、その入力部に応答性補償器70が実装される。また、ECU423は、ラック基本アシストトルクTar_bを演算するラック基本アシスト制御器61を有する。変形例3の構成では、実車での適合には時間がかかるが、操舵フィーリングの調整幅を広げることができ、操舵フィーリングが向上する。
図14に示す変形例4のECU424は、図12の変形例2に対し、コラム基本アシスト制御器51Rの出力側に応答性補償器70が実装されるものであり、変形例2の構成と等価である。図15に示す変形例5のECU425は、図13の変形例3に対し、コラム安定化制御器55Rの出力側に応答性補償器70が実装されるものであり、変形例3の構成と等価である。
以上のように変形例2~5のECU422~425は、基本アシストトルク又は安定化トルクのいずれか一方に関し、コラム側の制御とラック側の制御とを共通化する。すなわちECU422~425は、コラムモータ81及びラックモータ82の基本アシスト制御又は安定化制御のいずれか一方を共通化する。これにより、ラック側の制御器61、65のうち一方の設計が不要となる。
(第3実施形態)
次に図16を参照し、第3実施形態の制御構成について説明する。第3実施形態のECU43は、図6に示す第2実施形態の基本構成のECU42に対し、アシスト補償トルクTac_comp、Tar_compを演算するアシスト補償制御器58、68をさらに有する。なお、第3実施形態を説明する上では、ECU43は、少なくともラックアシスト補償制御器68を含めばよく、コラムアシスト補償制御器58は無くてもよい。また、図11~15に示す第2実施形態の各変形例のECU421~425において、アシスト補償制御器58、68をさらに含むようにしてもよい。
アシスト補償制御には、以下の事象のうち一つ以上を改善する制御が含まれる。
(1)ハンドルフィーリング
(2)車両収斂性又はハンドル収斂性
(3)ハンドル手放し時における中立戻り性
(4)車両運動
コラムアシスト補償制御器58は、トーショントルクTs、コラムモータ角θc、コラムモータ角速度ωcの情報に基づいて、上記事象を改善するためのコラムアシスト補償トルクTac_compを演算する。ラックアシスト補償制御器68は、トーショントルクTs、ラックモータ角θr、ラックモータ角速度ωrの情報に基づいて、上記事象を改善するためのラックアシスト補償トルクTar_compを演算する。なお、演算に用いられる情報は上記のうち一部でもよく、また、破線で示すように車速V等の情報が用いられてもよい。
コラムアシスト補償制御器58が出力したコラムアシスト補償トルクTac_compは、基本アシストトルクTac_bと安定化トルクTac_stabとを加算したトルクに対し、さらに加算器59で加算される。また、ラックアシスト補償制御器68が出力したラックアシスト補償トルクTar_compは、応答性補償器70の出力(Tar_b+Tar_stab)に対し、さらに加算器69で加算される。
すなわち、ラックアシスト補償トルクTar_compは、応答性補償器70を通さずに、コラム基本アシストトルクTac_b及びコラム安定化トルクTac_stabの和を応答性補償器70で処理した後の値に加算される。したがって第3実施形態では、基本アシスト制御及び安定化制御とは独立して、アシスト補償制御を実施することができる。
(第4実施形態)
次に図17を参照し、第4実施形態の制御構成について説明する。上記実施形態のECUの構成では、安定化制御器55、65の出力は、基本アシスト制御器51、61のアシストゲインの値にかかわらず演算される。つまり、基本アシスト制御でのアシストゲイン(図17中「AsGain」)が最大のときでも操舵系を安定化できる「安定化重視」の制御となっている。しかし一般に安定性と応答性との両立は難しく、安定性を確保すれば応答性が損なわれる。そこで第4実施形態では、アシストゲインの最大値に対する比の値に応じて安定化制御の出力を調整する構成を採用する。
図17には、ECU44の制御構成のうちコラム側の基本アシスト制御器51及び安定化制御器55を示し、ラック側については省略する。コラム基本アシスト制御器51は、アシストマップ52、乗算器53及び調整器54を含む。アシストマップ52は、トーショントルクTs、コラムモータ角θc、コラムモータ角速度ωc及び車速V等の情報に基づいてアシストゲインAsGainを算出する。乗算器53は、トーショントルクTsにアシストゲインAsGainを乗じて基本アシストトルクTac_bを出力する。調整器54は、アシストゲインの最大値に対する比であるアシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)を調整係数としてスケジューリング(調整)する。ここで、AsGain_Maxはシステム設計初期から決定している最大値である。アシストゲイン比は、最大アシスト出力に対するアシスト出力の割合に反映される。
調整器54がスケジューリングしたアシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)は、コラム安定化制御器55の出力側に設けられた乗算器56にて、コラム安定化制御器55が演算した調整前の安定化トルクTac_stab_0に乗算される。つまり、コラム安定化制御器55の出力は、アシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)によって調整され、調整後の安定化トルクTac_stabが加算器57で基本アシストトルクTac_bに加算される。
例えば、設計初期にアシストゲインの最大値AsGain_Maxが20に設定されており、アシストゲインAsGainの算出結果が1の場合、アシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)は(1/20)である。このときECU44は、安定化制御出力を最大出力の(1/20)とする。また、アシストゲインAsGainの算出結果が20の場合、アシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)は1であり、ECU44は、安定化制御出力を最大出力とする。
このように第4実施形態では、コラム基本アシスト制御器51、61のアシストゲインAsGainの値が大きいほど、安定化制御器55、65の出力が増加されるように調整される。これにより、安定性が低くてもよい領域での応答性を確保することができ、操舵フィーリングの向上につながる。なお、調整器54がスケジューリングする調整係数は、アシストゲイン比(AsGain/AsGain_Max)に限らず、アシストゲインの値に伴って増加する関数やマップの値としてもよい。関数やマップの値は、連続的でなく、ステップ的に変化するものでもよい。
(第5実施形態)
次に図18を参照し、第5実施形態によるECUの設置構成について説明する。図18に示すように、第5実施形態の電動パワーステアリング装置102は、「一つ以上の演算器」として複数のECU401、402を備える。複数のECU401、402は、コラムモータ81の駆動を制御するコラムECU401と、ラックモータ82の駆動を制御するラックECU402というように、機能を分担した構成としてもよい。この場合、コラムECU401とコラムモータ81とが一体に構成された、いわゆる「機電一体式」の構成としてもよい。ラックECU402及びラックモータ82についても同様である。
第5実施形態では、複数のECU401、402及びモータ81、82が冗長的に設けられるため、一方のECUが故障した場合でも、正常なECUによりコラムモータ81又はラックモータ82のいずれかを駆動することができる。この場合、二台のモータ81、82の合計出力は低下するが、二台のモータ81、82が同時に停止することを回避し、アシスト機能を維持することができる。
さらに、複数のECU401、402が、それぞれ両方のモータ81、82の駆動を制御可能な冗長構成とすれば、いずれか一方のECUが故障しても、正常なECUにより、二台のモータ81、82の駆動を継続することができる。
また、複数のECU401、402は通信線48で接続され、互いに情報を通信するようにしてもよい。通信線48は、マイコン間通信用の専用線でもよく、車載通信ネットワークであるCANバス等が用いられてもよい。例えば他のECUの故障状態等を相互監視することにより、他のECUの故障を検知した正常なECUが適切な処置を実行することができる。
(その他の実施形態)
(a)上記第2実施形態の応答性補償器70とは逆に、ラック側応答特性を基準とし、「所定の周波数領域におけるラック側応答特性に対するコラム側応答特性のゲイン及び位相の差分を補償する」ように応答性補償器が設けられてもよい。すなわち、図10の構成とは逆に、(G3/G2)の伝達特性を有する応答性補償器がラックアシストマップの後に実装される構成としてもよい。
(b)トルクセンサは、図1に示すようにステアリングシャフト93の途中に設けられる構成に限らず、インターミディエイトシャフト95の途中に設けられ、インターミディエイトシャフト95に付与されるトーショントルクを検出するものでもよい。また、複数個所に複数のトルクセンサが冗長的に設けられてもよい。
(c)コラムアクチュエータ及びラックアクチュエータは、回転出力を生成するモータに限らず、直線出力を生成するリニアアクチュエータでもよい。
(d)「複数のアクチュエータ」は、一台のコラムアクチュエータ及び一台のラックアクチュエータの二台に限らず、三台以上のアクチュエータが冗長的に設けられてもよい。その場合、基準アクチュエータに対し、それぞれのアクチュエータに対する応答性補償器が設けられ、基本アシストトルク又は安定化トルクの少なくとも一方について制御が共通化されてもよい。
以上、本発明は上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
101、102・・・電動パワーステアリング装置、
401、402・・・ECU(演算器)、
51・・・コラム基本アシスト制御器、 61・・・ラック基本アシスト制御器、
55・・・コラム安定化制御器、 65・・・ラック安定化制御器、
57、67・・・加算器、
81・・・コラムモータ(コラムアクチュエータ)、
82・・・ラックモータ(ラックアクチュエータ)、
90・・・ステアリングシステム、 91・・・ハンドル、 92・・・コラム、
93・・・ステアリングシャフト、 94・・・トルクセンサ、
95・・・インターミディエイトシャフト、
97・・・ラック、 99・・・タイヤ。

Claims (6)

  1. ハンドル(91)に入力されたハンドルトルク(Th)が、コラム(92)に内包されたステアリングシャフト(93)からインターミディエイトシャフト(95)及びラック(97)を経由してタイヤ(99)に伝達される車両のステアリングシステム(90)において、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置であって、
    前記インターミディエイトシャフトに対し前記コラム側に設けられ、コラムアシストトルク(Tac)を出力するコラムアクチュエータ(81)と、
    前記インターミディエイトシャフトに対し前記ラック側に設けられ、ラックアシストトルク(Tar)を出力するラックアクチュエータ(82)と、
    前記ステアリングシャフト又は前記インターミディエイトシャフトに付与されるトーショントルク(Ts)を検出する一つ以上のトルクセンサ(94)と、
    少なくとも前記トルクセンサが検出したトーショントルクに基づいて、前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの指令値を演算する一つ以上の演算器(40、401、402)と、を備え、
    前記コラムアシストトルクの変化に対する前記トーショントルクの応答特性をコラム側応答特性と定義し、前記ラックアシストトルクの変化に対する前記トーショントルクの応答特性をラック側応答特性と定義すると、
    前記演算器は、
    前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの主の要素として、前記トーショントルクに基づく基本アシストトルクを個別に又は共通に演算する基本アシスト制御器(51、61)と、
    前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの他の要素として、操舵系を安定化させる安定化トルクを個別に又は共通に演算する安定化制御器(55、65)と、
    前記基本アシストトルクと前記安定化トルクとを加算する加算器(57、67)と、
    所定の周波数領域における前記コラム側応答特性に対する前記ラック側応答特性のゲイン及び位相の差分を補償する応答性補償器(70)と、
    を有 し、
    前記基本アシストトルク又は前記安定化トルクの少なくとも一方に関し、前記コラムアシストトルクの要素を前記応答性補償器で処理した後の値が、前記ラックアシストトルクの要素として出力される 電動パワーステアリング装置。
  2. 前記演算器は、前記ラックアシストトルクについて、ハンドルフィーリング、車両収斂性又はハンドル収斂性、ハンドル手放し時における中立戻り性、車両運動のうち一つ以上の改善に関するラックアシスト補償トルクを演算するラックアシスト補償制御器(68)をさらに有し、
    前記ラックアシスト補償トルクは、前記応答性補償器を通さずに、前記コラムアシストトルクの要素を前記応答性補償器で処理した後の値に加算される請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記演算器は、前記基本アシスト制御器のアシストゲインの値に応じて前記安定化制御器の出力を調整する請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. ハンドル(91)に入力されたハンドルトルク(Th)が、コラム(92)に内包されたステアリングシャフト(93)からインターミディエイトシャフト(95)及びラック(97)を経由してタイヤ(99)に伝達される車両のステアリングシステム(90)において、複数のアクチュエータにより操舵アシストトルクを生成する電動パワーステアリング装置であって、
    前記インターミディエイトシャフトに対し前記コラム側に設けられ、コラムアシストトルク(Tac)を出力するコラムアクチュエータ(81)と、
    前記インターミディエイトシャフトに対し前記ラック側に設けられ、ラックアシストトルク(Tar)を出力するラックアクチュエータ(82)と、
    前記ステアリングシャフト又は前記インターミディエイトシャフトに付与されるトーショントルク(Ts)を検出する一つ以上のトルクセンサ(94)と、
    少なくとも前記トルクセンサが検出したトーショントルクに基づいて、前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの指令値を演算する一つ以上の演算器(40、401、402)と、を備え、
    前記演算器は、
    前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの主の要素として、前記トーショントルクに基づく基本アシストトルクを個別に又は共通に演算する基本アシスト制御器(51、61)と、
    前記コラムアシストトルク及び前記ラックアシストトルクの他の要素として、操舵系を安定化させる安定化トルクを個別に又は共通に演算する安定化制御器(55、65)と、
    前記基本アシストトルクと前記安定化トルクとを加算する加算器(57、67)と、
    を有 し、
    前記基本アシスト制御器のアシストゲインの値に応じて前記安定化制御器の出力を調整 する電動パワーステアリング装置。
  5. 複数の前記演算器(401、402)を備える請求項1~4のいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 複数の前記演算器は通信線(48)で接続され、互いに情報を通信する請求項5に記載の電動パワーステアリング装置。
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