JP6599795B2 - 操舵アシスト装置及び操舵アシスト回路 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵アシストトルクによりカーブ区間での操舵を補助する操舵アシスト装置及び操舵アシスト回路に関する。
特許文献1では、複数の曲線区間を有する走路において運転者の感覚に沿った車両の走行状態の制御を行うことができる車両走行制御システムを提供することを目的としている([0005]、要約)。
当該目的を達成するため、特許文献1の車両走行制御システム(要約)は、車両の走行状態を変更する走行状態変更手段と、コーナーに応じて走行状態変更手段を制御する制御装置とを備える。制御装置は、直線路とみなす区間と、直線路とみなす区間によって接続される2つの曲線区間とを有する前方の走路に対して、運転者による走行履歴に基づき、2つの曲線区間の一方から他方に向けて直線路とみなす区間を走行する間に車両の挙動が安定すると予測される場合(S5:Yes)には2つの曲線区間を互いに独立したコーナーとして走行状態変更手段を制御する(S6〜S9)。走行履歴に基づき、直線路とみなす区間を走行する間に車両の挙動が安定すると予測されない場合(S5:No)には、2つの曲線区間及び直線路とみなす区間を1つのコーナーとして走行状態変更手段を制御する(S10、S11)。
前記走行状態変更手段としては、制動力変更手段(ブレーキ装置18)、自動変速機13、アクティブサスペンション31及び加速度変更手段(エンジン11等)が挙げられている(請求項4、[0009]、[0057])。
特開2011−207242号公報
上記のように、特許文献1では、走行履歴に基づき、直線路とみなす区間を走行する間に車両の挙動が安定すると予測されない場合(S5:No)、2つの曲線区間及び直線路とみなす区間を1つのコーナーとして走行状態変更手段を制御する(S10、S11)。また、走行状態変更手段としては、制動力変更手段(ブレーキ装置18)、自動変速機13、アクティブサスペンション31及び加速度変更手段(エンジン11等)が挙げられている(請求項4、[0009]、[0057])。
しかしながら、特許文献1では、連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間(両者の間に直線区間が存在する場合を含む。)における操舵アシストについては開示がない。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、屈曲方向が異なる連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間において好適に用いることが可能な操舵アシスト装置及び操舵アシスト回路を提供することを目的とする。
本発明に係る操舵アシスト装置は、
自車の進行方向の環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報取得手段が取得した前記環境情報に基づき、前記自車の操舵アシストを行う操舵アシスト手段と
を備えるものであって、
前記環境情報取得手段は、前記自車の進路の位置及び形状を示す進路情報を取得する進路情報取得手段を備え、
手前側の第1カーブ区間及び奥側の第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト手段は、前記第2カーブ区間を通過する際と比較して、前記第1カーブ区間を通過する際は操舵アシスト量の減少を早く終える
ことを特徴とする。
本発明によれば、屈曲方向が異なる第1カーブ区間及び第2カーブ区間が存在する場合、第2カーブ区間を通過する際と比較して、第1カーブ区間を通過する際は、操舵アシスト量の減少を早く終える。これにより、自車が奥側の第2カーブ区間に到達する時点で、第2カーブ区間のための操舵アシスト量を確実に発生させることが可能となる。従って、屈曲方向が異なる連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間において操舵アシストを好適に行うことが可能となる。
前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在する場合、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が同じであるか又は異なるかにかかわらず、前記自車の横加速度が増加するほど前記操舵アシスト量を大きくしてもよい。
連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間の屈曲方向が同じである場合、手前側の第1カーブ区間と奥側の第2カーブ区間のいずれでも、横加速度が同方向で推移する。また、連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間の屈曲方向が異なる場合、手前側の第1カーブ区間と奥側の第2カーブ区間とで、横加速度の正負が反転する。従って、横加速度に応じて操舵アシスト量を設定することにより、屈曲方向が同じ場合又は異なる場合のいずれにおいても、基本的な制御を共通にして操舵アシストを行うことが可能となる。
また、横加速度は運転者の操舵力とは別に発生する。このため、カーブ区間を走行中に運転者による操舵力が弱まることで車輪にセルフアライニングトルクが発生したとしても、横加速度が発生していれば、これに応じた操舵アシスト量が設定されることとなる。従って、運転者の操舵力が減少した場合、現在の操舵状態が保持され易くなり、走行安定性を高めることが可能となる。
手前側の前記第1カーブ区間及び奥側の前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間の出口手前領域において、前記横加速度が発生していても前記操舵アシスト量をゼロにしてもよい。これにより、横加速度に応じた操舵アシスト量の設定を基本制御として用いていても、奥側の第2カーブ区間を考慮した操舵アシストを行うことが可能となる。
前記第1カーブ区間と前記第2カーブ区間の間に直線区間が存在することを前記進路情報が示す場合、前記第1カーブ区間又は前記自車を基準とする第1基準位置から、前記第2カーブ区間を基準とする第2基準位置に至るまでの時間的又は距離的な第1余裕度が第1余裕度閾値を下回れば、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続すると判定してもよい。これにより、第1カーブ区間と第2カーブ区間の間に直線区間が存在しても、第2カーブ区間を考慮して第1カーブ区間における操舵アシスト量を調整することが可能となる。
前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間又は前記自車を基準とする第3基準位置から、前記第2カーブ区間を基準とする第4基準位置に至るまでの時間的又は距離的な第2余裕度が大きくなるほど、単位時間当たりの前記操舵アシスト量の減少量を小さくしてもよい。これにより、第2カーブ区間に至るまでの時間的又は距離的な第2余裕度が比較的大きいときは、第1カーブ区間内での操舵アシスト量の減少を緩やかにする。従って、第2カーブ区間における適切な操舵アシストを確保しつつ、第1カーブ区間における操舵アシスト性能を向上させ易くなる。
前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示すとき、前記操舵アシスト手段は、前記第2カーブ区間が前記第1カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合と比較して、前記第1カーブ区間が前記第2カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合には、単位時間当たりの前記操舵アシスト量の減少量を小さくしてもよい。
手前側の第1カーブ区間の方が奥側の第2カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合、単位時間当たりの前記操舵アシスト量の減少量を小さくすることで、より急な第1カーブ区間の走行安定性を向上することが可能となる。なお、手前側の第1カーブ区間の方が奥側の第2カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合とは、例えば、手前側の第1カーブ区間の方が奥側の第2カーブ区間よりも曲率半径が小さい場合又は手前側の第1カーブ区間の方が奥側の第2カーブ区間よりも曲率が大きい場合を意味する。
本発明に係る操舵アシスト回路は、自車の進路の位置及び形状を示す進路情報に基づき、前記自車の操舵アシストを行うものであって、
前記操舵アシスト回路は、前記自車の横加速度の増減に応じて操舵アシスト量を増減させ、
手前側の第1カーブ区間及び奥側の第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト回路は、前記第1カーブ区間の出口手前領域を走行する際、前記横加速度の減少度にかかわらず前記操舵アシスト量を減少させる、又は前記第2カーブ区間の出口手前領域を走行する際と比較して前記横加速度の減少度に対する前記操舵アシスト量の減少度を大きくする
ことを特徴とする。
本発明によれば、屈曲方向が異なる第1カーブ区間及び第2カーブ区間が存在する場合、第1カーブ区間の出口手前領域を走行する際、横加速度の減少度にかかわらず操舵アシスト量の減少度を大きくする、又は第2カーブ区間の出口手前領域を走行する際と比較して横加速度の減少度に対する操舵アシスト量の減少度を大きくする。これにより、自車が奥側の第2カーブ区間に到達する時点で、第2カーブ区間のための操舵アシスト量を確実に発生させることが可能となる。従って、屈曲方向が異なる連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間において操舵アシストを好適に行うことが可能となる。
本発明によれば、屈曲方向が異なる連続する第1カーブ区間及び第2カーブ区間において操舵アシストを好適に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る操舵アシスト装置としての電動パワーステアリング装置を有する車両の概略構成図である。 前記実施形態における電動パワーステアリング電子制御装置の演算部の機能的構成を示す図である。 前記実施形態において、前記車両が単一のカーブ区間を走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。 前記実施形態において、屈曲方向が同じ第1カーブ区間及び第2カーブ区間を前記車両が走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。 前記実施形態において、屈曲方向が異なる第1カーブ区間及び第2カーブ区間を前記車両が走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。 前記実施形態において旋回アシストレシオを算出する旋回アシストレシオ制御の第1フローチャートである。 前記旋回アシストレシオ制御の第2フローチャートである。 前記実施形態において前記旋回アシストレシオの目標減少率を設定するフローチャート(図7のS12の詳細)である。
A.一実施形態
<A−1.全体的な構成の説明>
[A−1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る操舵アシスト装置としての電動パワーステアリング装置16(以下「EPS装置16」という。)を有する車両10の概略構成図である。図1に示すように、車両10(以下「自車10」ともいう。)は、EPS装置16に加え、GPSアンテナ12及び地図情報提供装置14を備える。後述するように、車両10は、図示しない前方カメラ等を備えてもよい。
[A−1−2.GPSアンテナ12]
GPSアンテナ12は、車両10の上空にある複数のGPS衛星からの信号(GPS信号)を受信し、地図情報提供装置14に出力する。
[A−1−3.地図情報提供装置14]
地図情報提供装置14(環境情報取得手段)は、GPSアンテナ12からの出力に基づき車両10の現在位置Pcを特定すると共に、現在位置Pc及びその周辺に関する情報(以下「地図情報Imap」ともいう。)をEPS装置16に提供する。地図情報Imapは、カーブ区間に関するカーブ区間情報Icvを含む。カーブ区間情報Icvは、カーブ区間の半径R(以下「カーブ半径R」ともいう。)と、カーブ区間の入り口までの距離Lin(以下「始点距離Lin」ともいう。)と、カーブ区間の出口までの距離Lout(以下「終点距離Lout」ともいう。)とを含む。
地図情報Imap(環境情報)は、地図情報提供装置14の地図データベース18(以下「地図DB18」という。)に記憶されている。地図情報提供装置14は、GPSアンテナ12が受信したGPS信号に基づいて車両10の現在位置Pcを特定する。そして、地図情報提供装置14は、現在位置Pcに基づいて地図情報Imapを地図DB18(進路情報取得手段)から読み出して現在位置Pcと共にEPS装置16に提供する。
[A−1−4.EPS装置16]
(A−1−4−1.EPS装置16の全体)
EPS装置16は、ステアリングホイール20(以下「ステアリング20」ともいう。)と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、EPS装置16駆動用のモータ28(以下「EPSモータ28」ともいう。)と、インバータ30(以下「EPSインバータ30」ともいう。)と、車速センサ32と、電流センサ34と、横加速度センサ36と、電動パワーステアリング電子制御装置38(以下「EPS ECU38」又は「ECU38」という。)と、低電圧バッテリ40(以下「バッテリ40」ともいう。)とを有する。
ステアリングコラム22は、筐体50と、筐体50内部において軸受54、56、58に支持されたステアリング軸52と、トルクセンサ60と、舵角センサ62とを有する。
中間ジョイント24は、2つのユニバーサルジョイント70a、70bと、その間に配置された軸部72とを有する。
ステアリングギアボックス26は、筐体80と、ラック&ピニオン機構のピニオン84が設けられ軸受86、88により支持されたピニオン軸82と、ラック&ピニオン機構のラック歯92が設けられたラック軸90と、タイロッド94とを有する。
(A−1−4−2.マニュアル操舵系)
ステアリング軸52は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント70aに連結されている。ユニバーサルジョイント70aは、ステアリング軸52の他端と軸部72の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント70bは、軸部72の他端とピニオン軸82の一端とを連結する。ピニオン軸82のピニオン84と、車幅方向に往復動可能なラック軸90のラック歯92とが噛合する。ラック軸90の両端はそれぞれタイロッド94を介して左右の前輪96(操舵輪)に連結されている。
従って、運転者がステアリングホイール20を操作することによって生じた操舵トルクTstr(回転力)は、ステアリング軸52及び中間ジョイント24を介してピニオン軸82に伝達される。そして、ピニオン軸82のピニオン84及びラック軸90のラック歯92により操舵トルクTstrが推力に変換され、ラック軸90が車幅方向に変位する。ラック軸90の変位に伴ってタイロッド94が前輪96を転舵させることで、車両10の向きを変えることができる。
ステアリング軸52、中間ジョイント24、ピニオン軸82、ラック軸90及びタイロッド94は、ステアリングホイール20に対する運転者の操舵動作を前輪96に直接伝えるマニュアル操舵系を構成する。
(A−1−4−3.転舵アシスト系)
(A−1−4−3−1.アシスト駆動系)
EPSモータ28は、ウォームギア100及びウォームホイールギア102を介してステアリング軸52に連結されている。すなわち、EPSモータ28の出力軸は、ウォームギア100に連結されている。また、ウォームギア100と噛合するウォームホイールギア102は、ステアリング軸52自体に一体的に又は弾性的に形成されている。
本実施形態のEPSモータ28は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。EPSモータ28は、EPS ECU38に制御されるEPSインバータ30を介して低電圧バッテリ40から電力が供給される。そして、当該電力に応じた駆動トルクTm(以下「モータトルクTm」又は「トルクTm」ともいう。)を生成する。モータトルクTm(又はこれに基づく推力)は、EPSモータ28の出力軸、ウォームギア100、ステアリング軸52(ウォームホイールギア102)、中間ジョイント24及びピニオン軸82を介してラック軸90に伝達される。EPSモータ28、ウォームギア100及びステアリング軸52(ウォームホイールギア102)は、操舵のための駆動力(モータトルクTm)を生成するアシスト駆動系を構成する。
本実施形態におけるトルクTmは、操舵アシストトルクTasiとして用いられる。操舵アシストトルクTasiは、基本アシストトルクTbと、旋回アシストトルクTraとを含む。基本アシストトルクTbは、ステアリングホイール20に対する運転者の入力トルク(操舵トルクTstr)と同じ方向に働いて運転者の操舵を補助する駆動力である。旋回アシストトルクTraは、車両10がカーブ区間を旋回し易いように補助するためのトルクである。後述するように、操舵アシストトルクTasiは、操舵トルクTstrと反対方向に働かせることも可能である。
(A−1−4−3−2.アシスト制御系)
EPSインバータ30、車速センサ32、電流センサ34、横加速度センサ36、EPS ECU38、トルクセンサ60及び舵角センサ62は、アシスト駆動系を制御するアシスト制御系を構成する。以下では、アシスト駆動系、アシスト制御系及び低電圧バッテリ40を合わせて転舵アシスト系とも称する。本実施形態において、EPSモータ28の出力は、d軸及びq軸を用いるいわゆるベクトル制御により制御される。
(a)フィードフォワード系センサ類
トルクセンサ60は、ステアリング軸52にかかる操舵トルクTstrを検出してEPS ECU38に出力する。車速センサ32は、車速Vs[km/h]を検出してEPS ECU38に出力する。横加速度センサ36は、車両10に発生する横加速度Glatを検出してEPS ECU38に出力する。舵角センサ62は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr(舵角検出値θstr)[度]を検出してEPS ECU38に出力する。操舵トルクTstr、車速Vs、横加速度Glat及び舵角θstrは、EPS ECU38においてフィードフォワード制御に用いられる。
(b)EPSインバータ30
EPSインバータ30は、3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ40からの直流を3相の交流に変換してEPSモータ28に供給する。
(c)フィードバック系センサ類
電流センサ34は、前記ベクトル制御においてトルク電流成分であるq軸電流(以下「モータ電流Im」という。)を検出する。本実施形態におけるモータ電流Imは、モータ28の回転方向が第1方向(例えば、車両10を右に回転させる方向)であるとき正の値とし、第2方向(例えば、車両10を左に回転させる方向)であるとき負の値とする。但し、第1方向及び第2方向を判定可能であれば、モータ電流Imを正の値のみで制御してもよい。
電流センサ34は、EPSモータ28の巻線(図示せず)におけるU相、V相及びW相のうち少なくとも2相の電流を検出する電流センサ(図示せず)と、EPSモータ28の図示しない出力軸又は外ロータの回転角度である電気角θを検出するレゾルバ(図示せず)と、前記少なくとも2相の電流及び電気角θに基づいてq軸電流(モータ電流Im)を演算するq軸電流演算部とを含む。なお、前記q軸電流演算部の機能は、EPS ECU38が担うこともできる。
(d)EPS ECU38
図1に示すように、EPS ECU38(操舵アシスト手段、操舵アシスト回路)は、ハードウェアの構成として、入出力部110と、演算部112と、記憶部114とを有する。入出力部110は、ECU38と外部機器(例えば地図情報提供装置14)との入出力を行う。演算部112は、中央演算装置(CPU)を含み、記憶部114に記憶されているプログラム及びデータを用いてEPS装置16を制御する。例えば、ECU38は、各センサからの出力値に基づき、EPSインバータ30を介してEPSモータ28の出力を制御する。記憶部114は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを備え、演算部112で用いる各種のプログラム及びデータを記憶する。ECU38の詳細は、図2等を参照して後述する。
(A−1−4−3−3.低電圧バッテリ40)
低電圧バッテリ40は、低電圧(本実施形態では12ボルト)を出力可能な蓄電装置であり、例えば、鉛蓄電池等の2次電池を利用することができる。
<A−2.操舵アシスト制御>
[A−2−1.操舵アシスト制御の概要]
次に、本実施形態におけるEPS ECU38における制御について説明する。
(A−2−1−1.演算部112の機能的構成)
(A−2−1−1−1.概要)
図2は、本実施形態におけるEPS ECU38の演算部112の機能的構成を示す図である。図2に示すように、演算部112は、基本アシストトルク算出部150と、旋回アシストトルク算出部152と、加算器154と、駆動信号出力部156とを有する。演算部112は、記憶部114に記憶されているプログラムを実行することにより、基本アシストトルク算出部150、旋回アシストトルク算出部152、加算器154及び駆動信号出力部156を実現する。但し、基本アシストトルク算出部150、旋回アシストトルク算出部152、加算器154及び駆動信号出力部156の一部の機能をハードウェア(電気回路等)により実現することも可能である。
(A−2−1−1−2.基本アシストトルク算出部150)
基本アシストトルク算出部150(以下「算出部150」ともいう。)は、トルクセンサ60からの操舵トルクTstrと、舵角センサ62からの舵角θstrと、車速センサ32からの車速Vsとに基づいて基本アシストトルクTbを算出する。本実施形態では、操舵トルクTstr、舵角速度Vstr及び車速Vsの組合せと基本アシストトルクTbとを関連付けたマップを記憶部114に記憶している。算出部150は、舵角θstr[deg]に基づいて舵角速度Vstr[deg/s]を算出した上で、操舵トルクTstr、舵角速度Vstr及び車速Vsの組合せに対応する基本アシストトルクTbを特定する。
(A−2−1−1−3.旋回アシストトルク算出部152)
旋回アシストトルク算出部152(以下「算出部152」ともいう。)は、横加速度センサ36からの横加速度Glatと、地図情報提供装置14からの現在位置Pc及び地図情報Imapと、車速センサ32からの車速Vsとに基づいて旋回アシストトルクTra(操舵アシスト量)を算出する。図2に示すように、算出部152は、横加速度対応トルク算出部160と、旋回アシストレシオ設定部162と、乗算器164とを有する。
横加速度対応トルク算出部160(以下「算出部160」ともいう。)は、横加速度センサ36からの横加速度Glatに対応する横加速度対応トルクTgを算出する。本実施形態では、横加速度Glatと横加速度対応トルクTgとを関連付けたマップ170を記憶部114に記憶している。
図2のマップ170に示すように、原点を中心とする不感帯を除き、横加速度Glatの絶対値が増加すると、横加速度対応トルクTgの絶対値が増加するように設定されている。横加速度Glatの絶対値が増加すると、横加速度対応トルクTgの絶対値が増加傾向を示す部分を含む関係であれば、横加速度Glatと横加速度対応トルクTgとの関係はその他のもの(例えば、不感帯をなくしたもの)とすることも可能である。
旋回アシストレシオ設定部162(以下「設定部162」ともいう。)は、地図情報提供装置14からの現在位置Pc及び地図情報Imapに基づいて旋回アシストレシオRra(以下「レシオRra」ともいう。)を算出する。レシオRraは、横加速度対応トルクTgと乗算させる変数であり、本実施形態では0〜1の範囲を取り得る。レシオRraの算出方法については、図3〜図8を参照して後述する。
乗算器164は、算出部160からの横加速度対応トルクTgと、算出部152からのレシオRraを乗算して旋回アシストトルクTraとして加算器154に出力する。
(A−2−1−1−4.加算器154)
加算器154は、基本アシストトルク算出部150からの基本アシストトルクTbと、旋回アシストトルク算出部152からの旋回アシストトルクTraとを加算して操舵アシストトルクTasi(目標値)を算出する。
(A−2−1−1−5.駆動信号出力部156)
駆動信号出力部156(以下「出力部156」ともいう。)は、操舵アシストトルクTasiに対応する目標モータ電流Imtarを算出する。そして、出力部156は、目標モータ電流Imtarと、電流センサ34からのモータ電流Imとが一致するようにインバータ30の各スイッチング素子に対して駆動信号Sdを出力する。
[A−2−2.旋回アシストレシオRraの算出]
(A−2−2−1.旋回アシストレシオRraの算出の概要)
車両10の進路200上にカーブ区間210a〜210eが存在する場合の3つの例(図3〜図5)を挙げて旋回アシストレシオRraの算出の概要について説明する。以下では、カーブ区間210a〜210eをカーブ区間210と総称する。また、カーブ区間210a〜210eの前後には直線区間212a〜212hが存在する。以下では、直線区間212a〜212hを直線区間212と総称する。
(A−2−2−1−1.単一のカーブ区間210aを走行する場合)
図3は、本実施形態において、車両10が単一のカーブ区間210aを走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。カーブ区間210aは、地点P11が入り口であり、地点P21が出口である。以下では、地点P11を入り口P11又はカーブ入り口P11ともいい、地点P21を出口P21又はカーブ出口P21ともいう。カーブ区間210aの前には直線区間212aが、カーブ区間210aの後には直線区間212bが存在する。
図3では、カーブ区間情報Icvと、旋回アシストレシオRraと、横加速度Glatと、旋回アシストトルクTraとが示されている(後述する図4及び図5も同様である。)。また、さらに、図3中のステアリング20及び手220並びに矢印A1、A2、A3は、運転者によるステアリング操作を示している。すなわち、時計回りの矢印A1、A2は、運転者が右旋回操作をしていることを示し、反時計回りの矢印A3は、運転者が左旋回操作(又は原位置への戻し操作)をしていることを示す。
車両10が単一のカーブ区間210aを走行する場合、カーブ区間210aの入り口P11の手前で旋回アシストレシオRraの増加を開始し(図3の時点t1)、入り口P11に入る前にレシオRraを1(最大値)とする(時点t2)。これにより、旋回アシストが確実に始まることを担保する。車両10がカーブ区間210aに入ると(時点t3)、運転者によるステアリング20の操作により車両10が旋回を開始する。この際、車両10に横加速度Glatが発生すると、これに応じて旋回アシストトルクTraが発生する(時点t3)。なお、図3の例では、運転者は、カーブ区間210aに入る前にわずかなステアリング操作を行っている(時点t1〜t3)。これに伴って、旋回アシストトルクTraもわずかに生じている。
車両10がカーブ区間210aの出口P21に近づくと、旋回アシストレシオRraの減少を開始する(時点t4)。そして、出口P21を通過した後(時点t5)、所定時間が経過すると、旋回アシストレシオRraがゼロとなって旋回アシストを終了する(時点t6)。なお、図3において、旋回アシストレシオRraの減少度合いと、横加速度Glat及び旋回アシストトルクTraの減少度合いが略等しいのは偶然である。
(A−2−2−1−2.屈曲方向が同じ複数のカーブ区間210b、210cを走行する場合)
図4は、本実施形態において、屈曲方向が同じ第1カーブ区間210b及び第2カーブ区間210cを車両10が走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。第1カーブ区間210bは、地点P12が入り口であり、地点P22が出口である。第2カーブ区間210cは、地点P13が入り口であり、地点P23が出口である。以下では、地点P12、P13を入り口P12、P13又はカーブ入り口P12、P13ともいう。地点P22、P23を出口P22、P23又はカーブ出口P22、P23ともいう。
カーブ区間210bの前には直線区間212cが、第1カーブ区間210bと第2カーブ区間210cとの間には直線区間212dが、第2カーブ区間210cの後には直線区間212eが存在する。直線区間212dは、比較的短いため、EPS ECU38は、第1カーブ区間210bと第2カーブ区間210cを連続するカーブ区間として取り扱う。
車両10が第1カーブ区間210b及び第2カーブ区間210cを走行する場合、第1カーブ区間210bの入り口P12の手前で旋回アシストレシオRraの増加を開始し(図4の時点t11)、入り口P12に入る前にレシオRraを1(最大値)とする(時点t12)。これにより、旋回アシストが確実に始まることを担保する。車両10が第1カーブ区間210bに入ると(時点t13)、運転者によるステアリング20の操作により車両10が旋回を開始する。この際、車両10に横加速度Glatが発生すると、これに応じて旋回アシストトルクTraが発生する(時点t13)。
第1カーブ区間210bに連続する第2カーブ区間210cの存在を検出すると(時点t14)、第1カーブ区間210bの出口P22に近づいて(時点t15)、横加速度Glat及び旋回アシストトルクTraが減少しても、旋回アシストレシオRraを1で維持する。このため、第1カーブ区間210bの出口P22(時点t16)と第2カーブ区間210cの入り口P13(時点t17)の間もレシオRraが1で維持される。
第2カーブ区間210cの後には連続するカーブ区間が検出されなかったため、第2カーブ区間210cの出口P23に近づくと、旋回アシストレシオRraの減少を開始する(時点t18)。そして、出口P23を通過した後(時点t19)、所定時間が経過すると、旋回アシストレシオRraがゼロとなって旋回アシストを終了する(時点t20)。図4の例では、旋回アシストレシオRraがゼロになるよりも前に、横加速度Glat及び旋回アシストトルクTraがゼロとなっている。
(A−2−2−1−3.屈曲方向が異なる複数のカーブ区間210d、210eを走行する場合)
図5は、本実施形態において、屈曲方向が異なる第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eを車両10が走行する際の各種の情報及びデータの一例を示す図である。また、第1カーブ区間210dは、地点P14が入り口であり、地点P24が出口である。第2カーブ区間210eは、地点P15が入り口であり、地点P25が出口である。以下では、地点P14、P15を入り口P14、P15又はカーブ入り口P14、P15ともいう。地点P24、P25を出口P24、P25又はカーブ出口P24、P25ともいう。
第1カーブ区間210dの前には直線区間212fが、第1カーブ区間210dと第2カーブ区間210eとの間には直線区間212gが、第2カーブ区間210eの後には直線区間212hが存在する。直線区間212gは、比較的短いため、EPS ECU38は、第1カーブ区間210dと第2カーブ区間210eを連続するカーブ区間として取り扱う。
車両10が第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eを走行する場合、第1カーブ区間210dの入り口P14の手前で旋回アシストレシオRraの増加を開始し(図5の時点t31)、入り口P14に入る前にレシオRraを1(最大値)とする(時点t32)。これにより、旋回アシストが確実に始まることを担保する。車両10が第1カーブ区間210dに入ると(時点t33)、運転者によるステアリング20の操作により車両10が旋回を開始する。この際、車両10に横加速度Glatが発生すると、これに応じて旋回アシストトルクTraが発生する(時点t33)。
第1カーブ区間210dに連続する第2カーブ区間210eの存在を検出すると(時点t34)、第1カーブ区間210dの出口P24に近づく前に、旋回アシストトルクTraの減少を開始する(時点t35)。そして、第1カーブ区間210dの出口P24に到達する前にレシオRraをゼロにする(時点t36)。第1カーブ区間210dの出口P24を通過する際(時点t37)には、レシオRraはゼロのままである。その後、横加速度Glatがゼロになると(時点t38)、第2カーブ区間210eの旋回アシストのためのレシオRraの増加を開始する(時点t38)。
そして、第2カーブ区間210eの入り口P15に到達する時点でレシオRraを1(最大値)とする(時点t39)。なお、第2カーブ区間210eの入り口P15に到達する前にレシオRraを1(最大値)としてもよい。車両10が第2カーブ区間210eに入ると(時点t39)、運転者によるステアリング20の操作により車両10が、第1カーブ区間210dとは逆方向の旋回を開始する。この際、車両10に逆方向の横加速度Glatが発生すると、これに応じて逆方向の旋回アシストトルクTraが発生する(時点t39)。
第2カーブ区間210eの後には連続するカーブ区間が検出されなかったため、第2カーブ区間210eの出口P25に近づくと、旋回アシストレシオRraの減少を開始する(時点t40)。そして、出口P25を通過した後(時点t41)、所定時間が経過すると、旋回アシストレシオRraがゼロとなって旋回アシストを終了する(時点t42)。図5の例では、旋回アシストレシオRraがゼロになるよりも前に、横加速度Glat及び旋回アシストトルクTraがゼロとなっている。
[A−2−2−2.旋回アシストレシオRraの算出の詳細]
(A−2−2−2−1.旋回アシストレシオRraの算出の全体的な流れ)
図6及び図7は、本実施形態において旋回アシストレシオRraを算出する旋回アシストレシオ制御の第1及び第2フローチャートである。図6のステップS1において、EPS ECU38は、前方のカーブ区間210への第1予測到達時間Te1(以下「予測到達時間Te1」ともいう。)を算出する。
図6のフローチャートは、車両10が直線区間212を走行している状態から開始される。このため、ここにいう前方のカーブ区間210とは、図3の単一のカーブ区間210a、図4及び図5の第1カーブ区間210b、210dが該当する。予測到達時間Te1は、自車10からカーブ区間210の基準位置Pr1(例えば、入り口P11、P12、P14)までの距離Linと、車速Vsとに基づいて算出する。
ステップS2において、ECU38は、前方のカーブ区間210のための旋回アシストを開始するか否かを予測到達時間Te1に基づいて判定する。すなわち、ECU38は、予測到達時間Te1が第1時間閾値THte1を下回る場合、前方のカーブ区間210のための旋回アシストを開始すると判定する。前方のカーブ区間210のための旋回アシストを開始しない場合(S2:NO)、ステップS1へ戻る。前方のカーブ区間210のための旋回アシストを開始する場合(S2:YES)、ステップS3に進む。
ステップS3において、ECU38は、旋回アシストレシオRraを0から1まで増加させる(図3のt1〜t2、図4のt11〜t12、図5のt31〜t32)。レシオRraを1まで増加させた後は1を維持する。
ステップS4において、ECU38は、自車10が走行中のカーブ区間210の出口P2(例えば、出口P21、P22、P24)への第2予測到達時間Te2(以下「予測到達時間Te2」ともいう。)を算出する。予測到達時間Te2は、自車10からカーブ出口P2までの距離Loutと、車速Vsとに基づいて算出する。なお、出口P2の代わりに、その周辺を基準位置として予測到達時間Te2を算出してもよい。
ステップS5において、ECU38は、自車10が走行中のカーブ区間210の出口付近領域に到達したか否か、換言すると、出口P2まで所定距離以下となったか否かを第2予測到達時間Te2に基づいて判定する。すなわち、ECU38は、予測到達時間Te2が第2時間閾値THte2を下回る場合、出口付近領域に到達したと判定する。出口付近領域に到達した場合(S5:YES)、ステップS6において、ECU38は、旋回アシストレシオRraを減少させる(図3のt4〜t6、図4のt18〜t20、図5のt40〜t42)。出口付近領域に到達していない場合(S5:NO)、図7のステップS7に進む。
図7のステップS7において、ECU38は、次のカーブ区間210に対する第1時間的余裕度Dt1(以下「時間的余裕度Dt1」、「余裕度Dt1」又は「第1余裕度Dt1」ともいう。)を算出する。ここにいう次のカーブ区間210とは、図4及び図5の第2カーブ区間210c、210eが該当する。時間的余裕度Dt1は、自車10の基準位置Prefv(例えば自車10の現在位置Pc)から次のカーブ区間210の基準位置Prefn(例えば入り口P13、P15)までの距離L1を車速Vsで割った値L1/Vsとすることができる。現在位置Pcから次のカーブ区間210の入り口P1までの距離Linを距離L1として車速Vsで割った値L1/Vsを用いる場合、値L1/Vsは、次のカーブ区間210への予測到達時間を意味する。ステップS7では、後述するその他の方法で時間的余裕度Dt1を算出してもよい。
ステップS8において、ECU38は、次のカーブ区間210の旋回アシストに移行するか否かを時間的余裕度Dt1に基づいて判定する。すなわち、ECU38は、時間的余裕度Dt1が第1余裕度閾値THdt1を下回る場合、次のカーブ区間210の旋回アシストに移行すると判定する。次のカーブ区間210の旋回アシストに移行しない場合(S8:NO)、図6のステップS4に戻る。次のカーブ区間210の旋回アシストに移行する場合(S8:YES)、ステップS9に進む。
ステップS9において、ECU38は、次のカーブ区間210の屈曲方向が現在のカーブ区間210と同じであるか否かを、カーブ区間情報Icvに基づいて判定する。屈曲方向が同じである場合(S9:YES)、図4に示したような処理を行う。すなわち、ステップS10において、ECU38は、旋回アシストレシオRraを1のまま維持する(図4のt14)。ステップS11において、ECU38は、次のカーブ区間210の旋回アシストに移行する。すなわち、旋回アシストの対象とするカーブ区間210を現在走行中のカーブ区間210(例えば第1カーブ区間210b、210d)から次のカーブ区間210(例えば第2カーブ区間210c、210e)に切り替える。ステップS11の後、図6のステップS4に戻る。
ステップS9において屈曲方向が異なる場合(S9:NO)、ステップS12において、ECU38は、旋回アシストレシオRraの目標減少率ΔRtar1を設定する。目標減少率ΔRtar1は、単位時間当たりのレシオRraの減少値を示す。換言すると、目標減少率ΔRtar1は、図5の時点t35〜t36における傾きを示す。目標減少率ΔRtar1の具体的な設定方法は、図8を参照して後述する。
ステップS13において、ECU38は、目標減少率ΔRtar1を用いてレシオRraを減少させる(図5の時点t35〜t36)。これにより、ステアリング20にかかる反力が増加し、運転者に反対方向への操舵を促すことが可能となる。
ステップS14において、ECU38は、横加速度Glatがゼロに到達したか否かを判定する。これにより、車両10の旋回方向が次のカーブ区間210の屈曲方向と一致するまでレシオRraを機能させないことが可能となる。横加速度Glatがゼロに到達しない場合(S14:NO)、ステップS13に戻り、レシオRraがゼロになるまでレシオRraの減少を継続する。横加速度Glatがゼロに到達した場合(S14:YES、図5のt36)、ステップS15に進む。
ステップS15において、ECU38は、旋回アシストレシオRraの目標増加率ΔRtar2を設定する。目標増加率ΔRtar2は、単位時間当たりのレシオRraの増大値を示す。換言すると、目標増加率ΔRtar2は、図5の時点t38〜S39における傾きを示す。目標増加率ΔRtar2の具体的な設定方法は、後述する。
ステップS16において、ECU38は、ステップS15で設定した目標増加率ΔRtar2を用いてレシオRraを増加させる。ステップS17において、ECU38は、ステップS11と同様に、次のカーブ区間210の旋回アシストに移行する。ステップS17の後、図6のステップS4に戻る。
(A−2−2−2−2.目標減少率ΔRtar1の設定)
図8は、本実施形態において旋回アシストレシオRraの目標減少率ΔRtar1を設定するフローチャート(図7のS12の詳細)である。ステップS31において、EPS ECU38は、次のカーブ区間210に対する第2時間的余裕度Dt2(以下「時間的余裕度Dt2」、「余裕度Dt2」又は「第2余裕度Dt2」ともいう。)を算出する。時間的余裕度Dt2は、現在のカーブ区間210の基準位置Prefc(例えば出口P24)から次のカーブ区間210の基準位置Prefn(例えば入り口P15)までの距離L2を車速Vsで割った値L2/Vsとすることができる。後述するその他の方法で時間的余裕度Dt2を算出してもよい。また、第2時間的余裕度Dt2として、第1時間的余裕度Dt1と同じ指標を用いてもよい。
ステップS32において、ECU38は、現在のカーブ区間210及び次のカーブ区間210の半径R(以下「半径Rc、Rn」という。)をカーブ区間情報Icvから取得する。
ステップS33において、ECU38は、余裕度Dt2及び半径Rc、Rnに応じて旋回アシストレシオRraの目標減少率ΔRtar1を算出する。具体的には、ECU38は、余裕度Dt2が大きくなるほど、目標減少率ΔRtar1の絶対値を小さくする。
また、ECU38は、現在のカーブ区間210の半径Rcが、次のカーブ区間210の半径Rnよりも小さい場合、目標減少率ΔRtar1の絶対値を小さくする。なお、現在のカーブ区間210の半径Rcが、次のカーブ区間210の半径Rnよりも非常に小さい場合、目標減少率ΔRtar1をゼロにしてもよい。
(A−2−2−2−3.目標増加率ΔRtar2の設定)
目標増加率ΔRtar2は、次のカーブ区間210に対する第2時間的余裕度Dt2に基づいて算出する。具体的には、ECU38は、余裕度Dt2が大きくなるほど、目標増加率ΔRtar2の絶対値を小さくする。なお、目標増加率ΔRtar2には上限値を設定してもよい。
<A−3.本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、屈曲方向が異なる第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eが存在する場合(図5)、第2カーブ区間210eを通過する際と比較して、第1カーブ区間210dを通過する際は、旋回アシストレシオRra(操舵アシスト量)の減少を早く終える(図5のt35〜t36、t40〜t42)。これにより、自車10が奥側の第2カーブ区間210eに到達する時点で、第2カーブ区間210eのためのレシオRraを確実に発生させることが可能となる。従って、屈曲方向が異なる連続する第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eにおいて操舵アシストを好適に行うことが可能となる。
本実施形態において、第1カーブ区間210b、210d及び第2カーブ区間210c、210eが連続して進路200に存在する場合(図4、図5)、EPS ECU38(操舵アシスト手段)は、第1カーブ区間210b、210d及び第2カーブ区間210c、210eの屈曲方向が同じであるか又は異なるかにかかわらず、自車10の横加速度Glatが増加するほど旋回アシストトルクTra(又は旋回アシストレシオRra)(操舵アシスト量)を大きくする(図4及び図5)。
連続する第1カーブ区間210b及び第2カーブ区間210cの屈曲方向が同じである場合(図4)、手前側の第1カーブ区間210bと奥側の第2カーブ区間210cのいずれでも、横加速度Glatが同方向で推移する(図4)。また、連続する第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eの屈曲方向が異なる場合(図5)、手前側の第1カーブ区間210dと奥側の第2カーブ区間210eとで、横加速度Glatの正負が反転する(図5)。従って、横加速度Glatに応じて旋回アシストトルクTra(操舵アシスト量)を設定することにより、屈曲方向が同じ場合又は異なる場合のいずれにおいても、基本的な制御を共通にして操舵アシストを行うことが可能となる。
また、横加速度Glatは運転者の操舵力とは別に発生する。このため、カーブ区間210b〜210eを走行中に運転者による操舵トルクTstr(操舵力)が弱まることで車輪96にセルフアライニングトルクが発生したとしても、横加速度Glatが発生していれば、これに応じたレシオRraが設定されることとなる。従って、運転者の操舵トルクTstr(操舵力)が減少した場合、現在の操舵状態が保持され易くなり、走行安定性を高めることが可能となる。
本実施形態において、手前側の第1カーブ区間210d及び奥側の第2カーブ区間210eが連続して進路200に存在すること及び第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eの屈曲方向が異なることをカーブ区間情報Icv(進路情報)が示す場合(図7のS8:YES→S9:NO)、EPS ECU38(操舵アシスト手段)は、第1カーブ区間210dの出口手前領域において、横加速度Glatが発生していても旋回アシストレシオRra(操舵アシスト量)をゼロにする(図5のt36)。これにより、横加速度Glatに応じたレシオRraの設定を基本制御として用いていても、奥側の第2カーブ区間210eを考慮した操舵アシストを行うことが可能となる。
本実施形態において、第1カーブ区間210b、210dと第2カーブ区間210c、210eの間に直線区間212d、212gが存在することをカーブ区間情報Icv(進路情報)が示す場合(図7のS8:YES)、第1時間的余裕度Dt1が第1余裕度閾値THdt1を下回れば、EPS ECU38(操舵アシスト手段)は、第1カーブ区間210b、210d及び第2カーブ区間210c、210eが連続すると判定する。
これにより、第1カーブ区間210b、210dと第2カーブ区間210c、210eの間に直線区間212d、212gが存在しても、第2カーブ区間210c、210eを考慮して第1カーブ区間210b、210dにおける旋回アシストレシオRra(操舵アシスト量)を調整することが可能となる(図4のt14〜t17、図5のt34〜t39)。
本実施形態において、第2時間的余裕度Dt2が大きくなるほど、EPS ECU38(操舵アシスト手段)は、目標減少率ΔRtar1(単位時間当たりのレシオRraの減少量)を小さくする(図8のS33)。これにより、第2カーブ区間210eに至るまでの第2時間的余裕度Dt2が比較的大きいときは、第1カーブ区間210d内でのレシオRraの減少を緩やかにする。従って、第2カーブ区間210eにおける適切な操舵アシストを確保しつつ、第1カーブ区間210dにおける操舵アシスト性能を向上させ易くなる。
本実施形態において、第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eが連続して進路200に存在すること及び第1カーブ区間210d及び第2カーブ区間210eの屈曲方向が異なることをカーブ区間情報Icv(進路情報)が示すとき(図7のS8:YES→S9:NO)、EPS ECU38(操舵アシスト手段)は、第2カーブ区間210eが第1カーブ区間210dよりも半径Rが小さい場合(屈曲度合が大きい場合)比較して、第1カーブ区間210dが第2カーブ区間210eよりも半径Rが小さい場合には、目標減少率ΔRtar1(単位時間当たりのレシオRraの減少量)を小さくする(図8のS33)。
手前側の第1カーブ区間210dの方が奥側の第2カーブ区間210eよりも半径Rが小さい場合(換言すると、屈曲度合いが大きい場合)、目標減少率ΔRtar1を小さくすることで、より急な第1カーブ区間210dの走行安定性を向上することが可能となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
<B−1.搭載対象>
上記実施形態では、EPS装置16(操舵アシスト装置)を車両10に搭載した(図1)。しかしながら、例えば、ステアリング20の操舵を支援する観点からすれば、これに限らない。例えば、ステアリング20(又は操作子)を備える移動物体又は可動装置に本発明を適用してもよい。
<B−2.GPSアンテナ12及び地図情報提供装置14(進路情報取得手段)>
上記実施形態では、GPSアンテナ12及び地図情報提供装置14を車両10に搭載することを念頭に説明した(図1)。しかしながら、例えば、GPSアンテナ12及び地図情報提供装置14の一部又は全部を携帯端末に設け、当該携帯端末を車両10のネットワークに接続してもよい。
上記実施形態では、EPS ECU38は、地図情報Imap又はカーブ区間情報Icvを地図情報提供装置14から取得した(図1)。しかしながら、例えば、地図情報Imap又はカーブ区間情報Icvを取得する観点からすれば、これに限らない。例えば、EPS ECU38は、車両10の前方を撮像する前方カメラからの前方画像に基づいてカーブ区間210を判定してもよい。或いは、前方画像に基づくカーブ区間210の判定は、別の電子制御装置が行ってもよい。或いは、地図情報提供装置14からの地図情報Imapを前方画像に基づいて補正して用いることも可能である。
<B−3.EPS装置16>
[B−3−1.EPS装置16の全体構成]
上記実施形態のEPS装置16は、EPSモータ28がステアリング軸52にモータトルクTmを伝達する構成(いわゆるコラムアシスト式EPS装置)であった。しかしながら、モータトルクTmを発生するものであれば、EPS装置16の構成はこれに限らない。例えば、ピニオンアシスト式EPS装置、デュアルピニオンアシスト式EPS装置、ラックアシスト式EPS装置及び電動油圧パワーステアリング装置のいずれかであってもよい。なお、電動油圧パワーステアリング装置では、電動ポンプで油圧をつくり、その油圧でモータトルクTmを生成する。
上記実施形態では、運転者による操舵トルクをそのまま前輪96に伝達する構成(以下、「直接伝達方式」ともいう。)であったが、ステアバイワイヤ式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
[B−3−2.EPSモータ28]
上記実施形態では、EPSモータ28を3相交流ブラシレス式としたが、これに限らない。例えば、モータ28を3相交流ブラシ式、単相交流式又は直流式としてもよい。
上記実施形態では、モータ28は、低電圧バッテリ40から電力が供給された(図1)。これに加えて又はこれに代えて、オルタネータ、燃料電池又は高電圧バッテリからモータ28に電力を供給してもよい。
[B−3−3.EPS ECU38]
上記実施形態では、ECU38を車両10に搭載することを念頭に説明した(図1)。しかしながら、例えば、ECU38の一部を携帯端末に設け、当該携帯端末を車両10のネットワークに接続することでECU38を構成してもよい。
<B−4.操舵アシスト制御>
[B−4−1.旋回アシストトルクTra(操舵アシストトルク)]
上記実施形態の操舵アシスト制御では、操舵アシストトルクTasiとして、運転者の操舵トルクTstrと同じ方向の駆動力(トルク)を生成した。しかしながら、例えば、ステアリングホイール20を用いての操舵を補助する観点からすれば、これに限らず、操舵トルクTstrと反対方向に働くもの(例えば、反力)であってもよい。
ここにいう「ステアリングホイール20を用いての操舵を補助する」とは、EPS装置16が操舵トルクTstrをそのまま操舵輪(前輪96)に伝達する構成(直接伝達方式)であれば、運転者が意図する方向にステアリングホイール20を回し易くすること(例えば、上記実施形態のような構成)及び運転者が意図する方向にステアリングホイール20を回し難くすることの両方を含む。
[B−4−2.旋回アシストレシオ制御(図6〜図8)]
(B−4−2−1.旋回アシストレシオRra(操作アシスト量))
上記実施形態では、屈曲方向が異なる連続するカーブ区間210d、210eでは、横加速度Glatにかかわらず、第2カーブ区間210eの手前で旋回アシストレシオRraを低下させた(図5のt35〜t36、図7のS12、S13、図8のS31〜S33)。しかしながら、例えば、第2カーブ区間210eの旋回アシストに備える観点からすれば、これに限らない。例えば、第1カーブ区間210dのうち第2カーブ区間210eの手前以外の領域と比較して、第2カーブ区間210eの手前の領域では、横加速度Glatの減少度に対する旋回アシストレシオRra(操舵アシスト量)の減少度を大きくしてもよい。
上記実施形態では、屈曲方向が異なる連続するカーブ区間210d、210eでは、旋回アシストレシオRraを低下させた(図5のt36、図7のS13)。しかしながら、例えば、旋回アシストトルクTraを低下させる観点からすれば、これに限らない。例えば、横加速度対応トルクTgを直接的に低下させること(例えばマップ170を切り替えること)も可能である。
上記実施形態では、屈曲方向が異なる連続するカーブ区間210d、210eでは、旋回アシストレシオRraをゼロまで低下させた(図5のt36、図7のS13)。しかしながら、例えば、第1カーブ区間210dでは、第2カーブ区間210eよりも旋回アシストレシオRraの減少を早く終える観点からすれば、これに限らず、ゼロまで低下させないことも可能である。
(B−4−2−2.第1余裕度Dt1及び第2余裕度Dt2)
上記実施形態では、連続するカーブ区間210b〜210eを判定するための第1時間的余裕度Dt1として、自車10の基準位置Prefv(例えば自車10の現在位置Pc)から次のカーブ区間210(第2カーブ区間210c、210e)の基準位置Prefn(例えば入り口P13、P15)までの距離L1を車速Vsで割った値L1/Vsとした(図7のS7)。代わりに、現在のカーブ区間210(第1カーブ区間210b、210d)の基準位置Prefc(例えば出口P22、P24)から次のカーブ区間210(第2カーブ区間210c、210e)の基準位置Prefn(例えば入り口P13、P15)までの距離L3を車速Vsで割った値L3/Vsとしてもよい。第2余裕度Dt2についても同様である。
上記実施形態では、連続するカーブ区間210b〜210eを判定するための余裕度として時間的余裕度Dt1を用いた(図7のS8)。しかしながら、例えば、連続するカーブ区間210b〜210eを判定する観点からすれば、これに限らず、距離的余裕度を用いることも可能である。距離的余裕度としては、例えば、第1カーブ区間210b、210dの出口P22、P24から第2カーブ区間210c、210eの入り口P13、P15までの距離を用いることができる。
(B−4−2−3.カーブ半径R(屈曲度合い))
上記実施形態の操舵アシスト制御では、カーブ半径R(Rc、Rh)を用いた。しかしながら、カーブ区間210の曲がり度合いを反映させる観点からすれば、例えば、カーブ区間210の曲率半径を用いることも可能である。
10…車両(自車)
14…地図情報提供装置(環境情報取得手段)
16…EPS装置(操舵アシスト装置) 18…地図DB(進路情報取得手段)
38…EPS ECU(操舵アシスト手段、操舵アシスト回路)
200…進路 210b、210d…第1カーブ区間
210c、210e…第2カーブ区間 212d、212g…直線区間
Dt1…第1時間的余裕度 Dt2…第2時間的余裕度
Glat…横加速度 Icv…カーブ区間情報(進路情報)
Imap…地図情報(環境情報)
Prefc…現在のカーブ区間の基準位置(第1基準位置、第3基準位置)
Prefn…次のカーブ区間の基準位置(第2基準位置、第4基準位置)
Prefv…車両基準位置(第1基準位置、第3基準位置)
R…カーブ半径(屈曲度合い)
Rc…現在のカーブ区間の半径(屈曲度合い)
Rn…次のカーブ区間の半径(屈曲度合い)
Rra…旋回アシストレシオ(操舵アシスト量)
THdt1…第1余裕度閾値 THdt2…第2余裕度閾値
Tra…旋回アシストトルク(操舵アシスト量)
ΔRtar1…目標減少率(単位時間当たりの操舵アシスト量の減少量)

Claims (7)

  1. 自車の進行方向の環境情報を取得する環境情報取得手段と、
    前記環境情報取得手段が取得した前記環境情報に基づき、前記自車の操舵アシストを行う操舵アシスト手段と
    を備える操舵アシスト装置であって、
    前記環境情報取得手段は、前記自車の進路の位置及び形状を示す進路情報を取得する進路情報取得手段を備え、
    手前側の第1カーブ区間及び奥側の第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト手段は、前記第2カーブ区間を通過する際と比較して、前記第1カーブ区間を通過する際は操舵アシスト量の減少を早く終える
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  2. 請求項1に記載の操舵アシスト装置において、
    前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在する場合、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が同じであるか又は異なるかにかかわらず、前記自車の横加速度が増加するほど前記操舵アシスト量を大きくする
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  3. 請求項2に記載の操舵アシスト装置において、
    手前側の前記第1カーブ区間及び奥側の前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間の出口手前領域において、前記横加速度が発生していても前記操舵アシスト量をゼロにする
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の操舵アシスト装置において、
    前記第1カーブ区間と前記第2カーブ区間の間に直線区間が存在することを前記進路情報が示す場合、前記第1カーブ区間又は前記自車を基準とする第1基準位置から、前記第2カーブ区間を基準とする第2基準位置に至るまでの時間的又は距離的な第1余裕度が第1余裕度閾値を下回れば、前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続すると判定する
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の操舵アシスト装置において、
    前記操舵アシスト手段は、前記第1カーブ区間又は前記自車を基準とする第3基準位置から、前記第2カーブ区間を基準とする第4基準位置に至るまでの時間的又は距離的な第2余裕度が大きくなるほど、単位時間当たりの前記操舵アシスト量の減少量を小さくする
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の操舵アシスト装置において、
    前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示すとき、前記操舵アシスト手段は、前記第2カーブ区間が前記第1カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合と比較して、前記第1カーブ区間が前記第2カーブ区間よりも屈曲度合いが大きい場合には、単位時間当たりの前記操舵アシスト量の減少量を小さくする
    ことを特徴とする操舵アシスト装置。
  7. 自車の進路の位置及び形状を示す進路情報に基づき、前記自車の操舵アシストを行う操舵アシスト回路であって、
    前記操舵アシスト回路は、前記自車の横加速度の増減に応じて操舵アシスト量を増減させ、
    手前側の第1カーブ区間及び奥側の第2カーブ区間が連続して前記進路に存在すること及び前記第1カーブ区間及び前記第2カーブ区間の屈曲方向が異なることを前記進路情報が示す場合、前記操舵アシスト回路は、前記第1カーブ区間の出口手前領域を走行する際、前記横加速度の減少度にかかわらず前記操舵アシスト量を減少させる、又は前記第2カーブ区間の出口手前領域を走行する際と比較して前記横加速度の減少度に対する前記操舵アシスト量の減少度を大きくする
    ことを特徴とする操舵アシスト回路。
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