JP7157793B2 - 移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体に関する。
特許文献1には、ステアリングホイールの操舵角に応じた操舵力伝達機構の作動で前輪を転舵する手動操舵機構と、該手動操舵機構による操舵を検出する手動検出手段と、前記操舵力伝達機構に抵抗力を付与する断続可能な抵抗力付与手段と、前記操舵力伝達機構をアクチュエータにより駆動して前輪を操舵する自動操舵機構と、自動操舵機構の異常を検出する異常検出手段と、自動操舵を要求する情報入力により走行環境情報に基づき前記アクチュエータを駆動する制御手段とを備え、該制御手段は、前記異常検出手段の異常検出により前記アクチュエータの駆動を遮断すると共に、前記抵抗力付与手段を作用させ、該作用させた抵抗力付与手段を前記手動検出手段による操舵検出により遮断する操舵制御装置が記載されている。
特開平10-167101号公報
特許文献1に記載の装置では、自動操舵機構の異常時に、アクチュエータの駆動が停止され、操舵力伝達機構に抵抗力が付与される。しかし、操舵力伝達機構に既定の抵抗力が付与されるだけでは、例えば、移動体が弧状の進路を進行中に、自動操舵機構の異常が発生したときに、移動体を進路に沿って進めることができない。
本発明の目的は、移動体の操向制御の実行に関連する障害が発生した場合でも移動体の進行方向を維持することにある。
本発明の一態様の移動体は、操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、前記移動体の移動状況に基づいて前記操向制御装置を制御する制御装置と、を有する移動体であって、前記操向制御装置は、前記制御装置からの指示に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御とを選択的に行い、前記第一操向制御を行っている状態にて、前記第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には、前記第二操向制御を行い、前記制御装置は、前記第二操向制御が行われていない状態にて、前記第二操向制御の継続時間を導出して前記操向制御装置に送信し、前記操向制御装置は、前記継続時間に基づいて、前記第二操向制御を継続させる時間を決めるものである。
本発明によれば、移動体の操向制御の実行に関連する障害が発生した場合でも移動体の進行方向を維持することができる。
本発明の一実施形態である自動車10の概略構成を示す模式図である。 走行支援ECU128、EPS-ECU36、及び操向装置100の接続関係を示す模式図である。 走行支援システム14の作動時におけるEPS-ECU36の動作を説明するためのフローとチャートである。 舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。 舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。 トルク維持制御が行われる場合のモータ28のトルクの変化を示す模式図である。 走行支援ECU128による時間Tの導出処理の一例を説明するためのフローチャートである。 舵角制御が行われているときの走行支援ECU128の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。 走行支援システム14の作動時のEPS-ECU36の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態である自動車10の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、自動車10は、走行支援システム14と、前輪86に接続された電動パワーステアリング(EPS)装置12と、を備える。自動車10は、走行支援システム14の作動時には、乗員がステアリングホイール20に手を触れずとも、自動で自動車10の操向を制御して、自動車10をレーンに沿って移動させることができるようになっている。
EPS装置12は、ステアリングホイール20と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、モータ28と、インバータ30と、車速センサ32と、電動パワーステアリング電子制御装置36(以下「EPS-ECU36」と記載)と、低電圧バッテリ38と、を備える。ステアリングホイール20、ステアリングコラム22、中間ジョイント24、ステアリングギアボックス26、インバータ30、及びモータ28は、自動車10の操向を制御するための操向装置(後述の図2に示す操向装置100)を構成する。EPS-ECU36は、操向装置100を制御する操向制御装置を構成する。
ステアリングコラム22は、筐体40と、筐体40内部において軸受44、46、48に支持されたステアリング軸42と、トルクセンサ50と、舵角センサ52とを有する。本明細書における“舵角”は、ステアリングホイール20の操舵量(いわゆるハンドルの切れ角、操舵角)を示す。この舵角と、前輪86の切れ角である操向角とは、厳密には一致しないものの、高い相関を持つ。したがって、“舵角”を任意の値に維持するということは、“操向角”をその任意の値に応じた値に維持することと同義である。
中間ジョイント24は、2つのユニバーサルジョイント60a、60bと、その間に配置された軸部62と、を有する。
ステアリングギアボックス26は、筐体70と、ラック&ピニオン機構のピニオン74が設けられ軸受76、78により支持されたピニオン軸72と、ラック&ピニオン機構のラック歯82が設けられたラック軸80と、タイロッド84とを有する。
ステアリング軸42は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント60aに連結されている。ユニバーサルジョイント60aは、ステアリング軸42の一端と軸部62の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント60bは、軸部62の他端とピニオン軸72の一端とを連結する。ピニオン軸72のピニオン74と、車幅方向に往復動可能なラック軸80のラック歯82とが噛合する。ラック軸80の両端はそれぞれタイロッド84を介して左右の前輪86(操舵輪)に連結されている。
運転者がステアリングホイール20を操作することによって生じた操舵トルクTstr(回転力)は、ステアリング軸42及び中間ジョイント24を介してピニオン軸72に伝達される。そして、ピニオン軸72のピニオン74及びラック軸80のラック歯82により操舵トルクTstrが推力に変換され、ラック軸80が車幅方向に変位する。ラック軸80の変位に伴ってタイロッド84が前輪86を転舵させることで、前輪86の操向角を変えることができる。このように、自動車10の操向装置100は、乗員の手動操作に応じて、自動車10の操向を変更可能に構成されている。
ステアリング軸42、中間ジョイント24、ピニオン軸72、ラック軸80及びタイロッド84は、ステアリングホイール20に対する運転者の操舵動作(手動操作)を前輪86に直接伝えるマニュアル操舵系を構成する。
モータ28は、ウォームギア90及びウォームホイールギア92を介してステアリング軸42に連結されている。モータ28の出力軸は、ウォームギア90に連結されている。ウォームギア90と噛合するウォームホイールギア92は、ステアリング軸42自体に一体的に又は弾性的に形成されている。
モータ28は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。モータ28は、EPS-ECU36により制御されるインバータ30を介して、低電圧バッテリ38から電力が供給される。そして、当該電力に応じたモータ駆動力Fmを生成する。モータ駆動力Fmは、モータ28の出力軸、ウォームギア90、ステアリング軸42(ウォームホイールギア92)、中間ジョイント24及びピニオン軸72を介してラック軸80に伝達される。
トルクセンサ50は、ステアリング軸42にかかるトルクTstrを検出してEPS-ECU36に出力する。車速センサ32は、自動車10の車速V[km/h]を検出し、EPS-ECU36に出力する。舵角センサ52は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr[度]を検出し、EPS-ECU36に出力する。トルクTstr、車速V、及び舵角θstrは、EPS-ECU36においてフィードフォワード制御等に用いられる。
インバータ30は、例えば3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ38からの直流を3相の交流に変換してモータ28に供給する。
EPS-ECU36は、走行支援システム14の非作動時には、運転者の操舵をアシストするために、操向装置100のインバータ30及びモータ28を制御する。EPS-ECU36は、走行支援システム14の作動時には、自動車10の走行状況に基づいて操向装置100のインバータ30及びモータ28を制御することで、運転者の操舵を受けることなく、自動車10の操向制御を行う。
EPS-ECU36は、メインECU36mと、サブECU36sとの2つのECUを備える。メインECU36mとサブECU36sは、それぞれ、プロセッサと、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、を少なくとも備える。プロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。メインECU36mとサブECU36sのそれぞれの機能については後述する。
走行支援システム14は、カメラ120と、アンテナ122と、地図情報提供装置124と、走行支援スイッチ126と、走行支援電子制御装置128(以下「走行支援ECU128」と記載)と、を備える。
カメラ120は、自動車10のバックミラーの前のフロントウィンドシールドの内側に取り付けられている。カメラ120は、走行支援スイッチ126がオン状態とされているとき、自動車10の前方の道路にあるレーンを画像として捉える。カメラ120は、この画像に関する画像情報を走行支援ECU128に出力する。
アンテナ122は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する複数の衛星からの信号(GNSS信号)を受信し、地図情報提供装置124に出力する。
地図情報提供装置124は、アンテナ122からの出力に基づき自動車10の現在位置を特定すると共に、現在位置及びその周辺に関する地図情報(以下「地図情報Imap」と記載)を走行支援ECU128に提供する。地図情報Imapは、自動車10の現在位置に加え、自動車10が走行中の道路の曲率情報を含む。曲率情報は、例えば道路の曲率又は曲率半径である。曲率情報を含む地図情報は、地図情報データベース130に予め記憶される。
走行支援ECU128は、プロセッサと、RAM及びROM等の記憶装置と、を少なくとも備える。走行支援ECU128のプロセッサは、カメラ120が取得した画像から、自動車10の両側の車線を検出する。走行支援ECU128のプロセッサは、検出した両側の車線で挟まれる走行経路の例えば中央を自動車10が移動するように、ステアリングホイール20の目標舵角を導出する。走行支援ECU128のプロセッサは、ステアリングホイール20の舵角がこの目標舵角となるように、EPS-ECU36に対し目標舵角を指示する。走行支援ECU128は、操向制御装置としてのEPS-ECU36を制御する制御装置を構成する。
図2は、走行支援ECU128、EPS-ECU36、及び操向装置100の接続関係を示す模式図である。走行支援ECU128とメインECU36mは図示省略の通信ドライバによって通信可能に構成されている。メインECU36mとサブECU26sは図示省略の通信ドライバによって通信可能に構成されている。メインECU36mとサブECU36sは、それぞれ、制御ラインによってインバータ30と接続されている。
メインECU36mは、走行支援システム14の作動時には、走行支援ECU128から指示された目標舵角と、舵角センサ52の検出値(舵角θstr)と、車速センサ32の検出値(車速V)とに基づいて、舵角が目標舵角となるように、モータ28のトルクを制御する。このように、自動車10の走行状況(現在位置、走行中の道路の情報、走行速度等)に応じて走行支援ECU128にて決められる目標舵角に舵角を収束させるためのモータ28の制御のことを、以下では“舵角制御”と記載する。舵角制御は第一操向制御を構成する。
舵角制御が行われている状態にて、舵角制御の実行に関する障害が発生した場合には、メインECU36mとサブECU36sのいずれかが、その障害の発生前の舵角制御による自動車10の操向状態に基づいて自動車10の操向を制限する操向制限制御を行う。操向制限制御は第二操向制御を構成する。
メインECU36mが行う操向制限制御は、舵角を障害発生直前の値に維持する制御である。具体的には、メインECU36mは、障害発生直前の舵角センサ52の検出値(舵角θstr)を目標値に設定し、舵角がこの目標値に収束するよう、モータ28のトルクを制御する。メインECU36mは、障害発生直前に走行支援ECU128から指示されていた目標舵角を目標値に設定し、舵角がこの目標値に収束するよう、モータ28のトルクを制御することで操向制限制御を行ってもよい。メインECU36mが行う操向制限制御のことを、以下では舵角維持制御と記載する。舵角維持制御が行われている間は、障害発生直前に指示されていた目標舵角に近い舵角が維持されることとなる。
サブECU36sが行う操向制限制御は、モータ28のトルクを、障害発生直前のトルク(モータ28に入力されている駆動電流値)に維持する制御である。サブECU36sは、モータ28のトルクが、障害発生直前に走行支援ECU128から指示されていた目標舵角と車速Vに基づいて決まる値となるよう、モータ28の制御を行ってもよい。外乱の影響を考慮しない場合、目標舵角と車速が決まれば、その目標舵角を実現するために必要なモータ28のトルクも決まる。したがって、障害発生直前に指示されていた目標舵角に応じたトルクを維持すれば、この操向制限制御が行われている間は、目標舵角に近い舵角が維持されることとなる。サブECU36sが行う操向制限制御のことを、以下ではトルク維持制御と記載する。
舵角維持制御は、舵角が一定となるようにモータ28のトルクを可変制御するものである。このため、トルク維持制御のようにモータ28のトルクを一定にする制御に比べると、より複雑な処理が必要になる。したがって、メインECU36mは、サブECU36sよりも演算処理能力の高い構成としておくことが好ましい。
上述した“舵角制御の実行に関する障害”とは、舵角制御の実行が不可となる障害であり、例えば、走行支援ECU128自体の障害、又は、走行支援ECU128とメインECU36m間の通信に関する障害等が該当する。これらの例の障害が発生していると、メインECU36mが目標舵角の情報を取得できなくなる。このため、舵角制御の実行が不可となる。また、メインECU36mとインバータ30の間の制御ラインの障害も“舵角制御の実行に関する障害”に該当する。
図3は、走行支援システム14の作動時におけるEPS-ECU36の動作を説明するためのフローとチャートである。以下では、メインECU36mとサブECU36sの少なくとも一方が行う動作については、その主語をEPS-ECU36として記載する。
走行支援システム14が作動すると、メインECU36mは、走行支援ECU128から目標舵角を取得し(ステップS1)、舵角がこの目標舵角となるようにモータ28を制御する(ステップS2)。
EPS-ECU36は、走行支援システム14の作動時には、走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害(ただし、インバータ30及びモータ28の障害は除く)が発生しているか否かを逐次モニタする。走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害が発生していないと判定された場合(ステップS3:NO)には、ステップS1及びステップS2の処理が繰り返される。EPS-ECU36は、ステップS3において、走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害が発生していると判定した場合(ステップS3:YES)には、発生中の障害が舵角制御の実行に関する障害であるか否かを判定する(ステップS4)。
発生中の障害が舵角制御の実行に関する障害ではない、換言すると、発生中の障害が舵角制御を継続できる障害であると判定された場合(ステップS4:NO)には、ステップS1に処理が戻り、舵角制御が継続される。舵角制御を継続できる障害とは、例えば、トルクセンサ50の障害、サブECU36sの障害、メインECU36mとサブECU36s間の通信の障害、及びサブECU36sとインバータ30間の制御ラインの障害等である。
EPS-ECU36は、舵角制御の実行に関する障害(舵角制御を継続できない障害)が発生していると判定した場合(ステップS4:YES)には、発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害であるか否かを判定する(ステップS5)。舵角制御を継続できず且つ舵角維持制御を実行できる障害とは、例えば、走行支援ECU128の障害、走行支援ECU128とメインECU36m間の通信の障害、サブECU36sの障害、メインECU36mとサブECU36s間の通信の障害、及びサブECU36sとインバータ30間の制御ラインの障害等である。
発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害であると判定された場合(ステップS5:YES)には、メインECU36mにより舵角維持制御が行われる(ステップS6)。
図4は、舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。図4に示す時刻t1にて、舵角制御を実行できず且つ舵角維持制御を実行できる障害が発生すると、舵角維持制御が開始されて、時刻t1の直前の時点での舵角θ1が維持される。メインECU36mは、ステップS6にて舵角維持制御を行う場合には、この舵角維持制御を継続する時間を、図4に示す時間Tとする。この時間Tは、例えば、運転者が舵角維持制御の開始を認知してからステアリングホイール20の操作を開始するまでに要すると想定される時間に基づいて設定された既定値である。なお、図5に示すように、メインECU36mは、舵角維持制御を開始してから時間Tが経過する前であっても、ステアリングホイール20の手動操作を検知した場合には、その手動操作を契機として舵角維持制御を終了する。図5の例では、メインECU36mは、時刻t1aにて手動操作を検知すると、舵角維持制御を終了させる。つまり、時間Tは舵角維持制御を最大限継続させる時間である。メインECU36mは、舵角維持制御を終了させるタイミング(図4の例では時刻t2、図5の例では時刻t1a)になると、舵角が漸減して0になるように、モータ28のトルクを漸減させる。図4の例では、時刻t2から少し経過した時刻t3において、モータ28のトルクと舵角は0となる。
EPS-ECU36は、発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害ではないと判定した場合(ステップS5:NO)には、発生中の障害がトルク維持制御を実行できる障害であるか否かを判定する(ステップS7)。舵角制御を継続できず且つ舵角維持制御を実行できず且つトルク維持制御を実行できる障害とは、例えば、メインECU36mの障害、及び、メインECU36mとインバータ30間の制御ラインの障害等である。
発生中の障害がトルク維持制御を実行できる障害であると判定された場合(ステップS7:YES)には、サブECU36sによりトルク維持制御が行われる(ステップS8)。
図6は、トルク維持制御が行われる場合のモータ28のトルクの変化を示す模式図である。図6に示す時刻t1にて、舵角制御及び舵角維持制御を実行できず且つトルク維持制御を実行できる障害が発生すると、トルク維持制御が開始されて、時刻t1の直前の時点でのモータ28のトルクTstr1が維持される。サブECU36sは、ステップS8にてトルク維持制御を行う場合には、このトルク維持制御を最大限継続する時間を前述した時間Tとする。舵角維持制御のときと同様に、サブECU36sは、トルク維持制御を開始してから時間Tが経過する前であっても、ステアリングホイール20の手動操作を検知した場合には、その手動操作を契機としてトルク維持制御を終了する。サブECU36sは、トルク維持制御を終了させるタイミング(図6の例では時刻t2)になると、モータ28のトルクを漸減させてゼロにする。図6の例では、時刻t2から少し経過した時刻t3において、モータ28のトルクはゼロとなる。
EPS-ECU36は、発生中の障害がトルク維持制御を実行できない障害と判定した場合(ステップS7:NO、例えばメインECU36mのみ正常に作動している状態)には、走行支援システム14の作動を終了させ、自動車10の統括制御部に対し自動車10の制動を行うよう指示する(ステップS9)。これにより、自動車10は安全に停止される。
(実施形態の効果)
以上のように、自動車10によれば、舵角制御を行っている状態にて、舵角制御の実行に関する障害が発生した場合には、その障害の発生前の操向状態(舵角又はモータ28のトルク)に基づいて舵角維持制御又はトルク維持制御が行われる。例えば、舵角制御によって自動車10が弧状の道路(いわゆるカーブ)を走行しているときに障害が発生した場合には、舵角維持制御又はトルク維持制御が行われることで、ステアリングホイール20を操作しなくとも、上記の時間Tの間は、自動車10がそのカーブに沿って移動できるようになる。したがって、運転者がステアリングホイール20の手動操作を開始するまでの間、自動車10を安全に移動させることができる。
また、自動車10によれば、舵角維持制御又はトルク維持制御が開始されてから時間Tが経過すると、操向装置による自動車10の操向の制限(舵角の維持又はモータ28のトルクの維持)が行われない状態となる。これにより、運転者の手動操作によって自動車10の操向操作が可能となる。したがって、障害が発生した場合でも、運転者の意思によって自動車10を安全に進行させることが可能となる。また、時間Tの経過前であっても、運転者がステアリングホイール20の操作を行うことで、舵角維持制御又はトルク維持制御は終了される。このため、すぐに運転者が操舵を行う場合でも、その操舵を反映して自動車10の操向を制御でき、運転者の意思に応じた自動車10の運転を実現できる。
(舵角維持制御又はトルク維持制御の変形例)
メインECU36mは、障害発生直前の舵角を舵角維持制御時に用いる目標舵角とする代わりに、障害の発生したタイミングから所定期間の間における舵角センサ52により検出された舵角の代表値を、舵角維持制御時に用いる目標舵角としてもよい。所定期間の舵角の代表値とは、例えば、この所定期間に検出された全ての舵角の平均値、又は、この所定期間に検出された全ての舵角の中央値等である。
サブECU36sは、障害発生直前のモータ28のトルクを維持する代わりに、障害の発生したタイミングから所定期間の間におけるモータ28のトルクの代表値を、トルク維持制御時に用いるトルクとしてもよい。所定期間のトルクの代表値とは、例えば、この所定期間における全てのトルクの平均値、又は、この所定期間における全てのトルクの中央値等である。
このように、障害発生後に維持する舵角又はトルクを、障害発生直前の所定期間における舵角の代表値又はトルクの代表値とすることで、障害発生直前に舵角の瞬間的な変動があった場合でも、その変動の影響を排除することができる。これにより、障害発生の前後で、舵角又はトルクが大きく変化するのを高い確度で防ぐことができ、自動車10を道路に沿って安全に移動させることができる。
(自動車の第一変形例)
上記実施形態では、舵角維持制御又はトルク維持制御を最大限継続させる時間Tを固定の値として説明した。しかし、この時間Tは、自動車10の移動状況に応じて決められる可変値としてもよい。具体的には、走行支援ECU128が、自動車10の位置と、自動車10の車速Vと、自動車10が走行中の道路の道路情報(曲率情報)と、カメラ120の撮像画像から求まる走行中の道路の曲率情報と、に基づいて時間Tを導出し、導出した時間TをEPS-ECU36に送信する処理、を逐次実行する構成としてもよい。なお、曲率情報については、地図情報に含まれるものと、カメラ120の撮像画像から求まるものとのいずれかのみを、時間Tの導出に使用する構成としてもよい。
図7は、走行支援ECU128による時間Tの導出処理の一例を説明するためのフローチャートである。図7に示す処理は、図3のステップS1及びステップS2が行われている間(つまり舵角制御が行われている期間)、繰り返し実行される。また、図7に示す処理は、走行支援スイッチ126がオン状態であり、舵角制御、舵角維持制御、及びトルク維持制御のいずれかが行われ得る状態にて、繰り返し実行される。換言すると、舵角制御、舵角維持制御、及びトルク維持制御以外によって自動車10の操向が制御されている状態(具体的には、ステアリングホイール20の手動操作によって自動車10の操向が制御される状態)では、図7に示す処理は実行されない。
まず、走行支援ECU128は、地図情報提供装置123から取得した地図情報Imapと、カメラ120の撮像画像とに基づいて、自動車10の現在の走行位置における道路の曲率半径R(t0)を取得する(ステップS11)。
次に、走行支援ECU128は、車速センサ32等から取得した自動車10の車速Vと、地図情報提供装置123から取得した地図情報Imap及びカメラ120の撮像画像とに基づいて、現時点からt秒後(tは、例えば時間Tの設定可能な最大値と同じ値)の自動車の走行位置における道路の曲率半径R(t)を取得する(ステップS12)。
次に、走行支援ECU128は、自動車10が走行している道路の曲率半径の変化率を算出する(ステップS13)。この変化率は、例えば、曲率半径R(t)を曲率半径R(t0)で除算することで求められる。自動車10がカーブを走行している場合、t秒後の走行位置がカーブの入り口付近であれば、上記の変化率は小さな値となり、t秒後の走行位置がカーブの出口付近であれば、上記の変化率は大きな値となる。また、自動車10が直線状の道路(直線路)を走行している場合には、上記の変化率は1に近い値となる。
次に、走行支援ECU128は、算出した変化率に基づいて時間Tを導出する(ステップS14)。走行支援ECU128のROMには、曲率半径の変化率と時間Tとを対応付けたデータテーブルが予め記憶されている。走行支援ECU128は、このデータテーブルから、算出した変化率に対応する時間Tを読み出して取得する。
このデータテーブルは、例えば、変化率が第一閾値(例えば10)以上のときに時間Tが最小(例えば1秒)となり、変化率が第一閾値よりも小さい第二閾値(例えば1)以下のときに時間Tが最大(例えば2秒)となり、変化率が第二閾値より大きく第一閾値未満のときには、変化率が大きいほど、時間Tが小さい値となるようなテーブルである。つまり、自動車10の走行位置がカーブの出口に近い状況であれば、変化率が第一閾値以上となるため、時間Tは相対的に小さい値となる。自動車10が直進している状況や、カーブの出口から遠い状況であれば、変化率は第二閾値以下となるため、時間Tは相対的に大きい値となる。
ステップS14の後、走行支援ECU128は、導出した時間TをEPS-ECU36に送信する。EPS-ECU36では、この時間Tが、メインECU36mのROMとサブECU36sのROMのそれぞれに記憶される。メインECU36mのROMとサブECU36sのROMの各々には、走行支援ECU128によって導出された最新の時間Tが逐次上書き更新される。
EPS-ECU36のメインECU36mは、図3のステップS6において舵角維持制御を行う場合には、この舵角維持制御の継続時間の最大値を、内蔵のROMに記憶している最新の時間T(走行支援ECU128によって導出された値)に設定する。
同様に、EPS-ECU36のサブECU36sは、図3のステップS8のトルク維持制御を行う場合には、このトルク維持制御の継続時間の最大値を、内蔵のROMに記憶している最新の時間T(走行支援ECU128によって導出された値)に設定する。
以上のように、本変形例によれば、自動車10の走行状況に応じて、舵角維持制御の最大継続時間と、トルク維持制御の最大継続時間とが決められる。このため、時間Tを固定にする場合と比べると、操向装置の手動操作がなされない場合であっても、より適切なタイミングで舵角維持制御又はトルク維持制御を終了させることができる。例えば、カーブの出口付近を自動車10が走行しているときに障害が発生し、舵角維持制御又はトルク維持制御が開始された場合を想定する。この場合には、カーブの出口までの距離が短い、すなわち上記の変化率が大きいほど、舵角維持制御又はトルク維持制御が早く終了される。これにより、自動車10がカーブの出口を通過して直線路を走行している状態で舵角維持制御又はトルク維持制御が継続されるのを防ぐことが可能となり、自動車10を安全に移動させることができる。
また、本変形例では、舵角制御の実行に関する障害が発生していない場合でも、そのときの走行状況に応じた適切な時間Tを走行支援ECU128が定期的に導出し、導出した時間TがEPS-ECU36に送信される。このため、例えば、舵角制御の実行に関する障害が、走行支援ECU128とEPS-ECU36との通信に関する障害であった場合でも、その障害の発生前のタイミングにて導出された時間Tに基づいて、EPS-ECU36が舵角維持制御又はトルク維持制御の最大継続時間を決めることができる。このため、障害発生時に、自動車10の操向制限を、走行状況に応じて適切な時間だけ実行することができる。
図7の説明では、走行支援ECU128は、自動車10の走行している道路の曲率半径の変化率に基づいて、時間Tを導出するものとした。しかし、これに限らず、走行支援ECU128は、自動車10の走行している道路の曲率(曲率半径の逆数)の変化率に基づいて、時間Tを導出するものとしてもよい。
(自動車の第二変形例)
図8は、舵角制御が行われているときの走行支援ECU128の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。図8において、図7と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。図8に示すフローチャートは、ステップS21とステップS22とステップS23が追加された点を除いては、図7と同じである。
ステップS12の後、走行支援ECU128は、ステップS12で取得した曲率半径R(t)が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS21)。このステップS21は、自動車10がt秒後に直線路に到達しているか否かを判定する処理に等しい。ステップS21の判定がYESの場合(自動車10がt秒後に直線路に到達していると判定される場合)には、走行支援ECU128は、操向制限制御(舵角維持制御又はトルク維持制御)の実行を禁止する指示をEPS-ECU36に対して行い(ステップS22)、ステップS11に処理を戻す。ステップS21の判定がNOの場合には、走行支援ECU128は、操向制限制御の禁止をEPS-ECU36に対して指示している場合にはこれを解除し(ステップS23)、ステップS13以降の処理を行う。
図9は、走行支援システム14の作動時のEPS-ECU36の動作の変形例を説明するためのフローチャートである。図9において、図3と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。図9に示すフローチャートは、ステップS31とステップS32が追加された点を除いては、図3と同じである。
ステップS5の判定がYESとなった場合に、メインECU36mは、走行支援ECU128から操向制限制御の禁止が指示されているか否かを判定する(ステップS31)。メインECU36mは、操向制限制御の禁止が指示されていない場合(ステップS31:NO)には、ステップS6にて舵角維持制御を行い、操向制限制御の禁止が指示されている場合(ステップS31:YES)には、舵角維持制御を行わない。
ステップS7の判定がYESとなった場合に、サブECU36sは、走行支援ECU128から操向制限制御の禁止が指示されているか否かを判定する(ステップS32)。サブECU36sは、操向制限制御の禁止が指示されていない場合(ステップS32:NO)には、ステップS8にてトルク維持制御を行い、操向制限制御の禁止が指示されている場合(ステップS32:YES)には、トルク維持制御を行わない。
本変形例によれば、時間t経過後に自動車10が例えば直線路を移動している状況であると判定される場合には、走行支援ECU128による時間Tの導出が停止される。このため、走行支援ECU128の処理負荷を軽減できる。また、このような状況では、舵角制御の実行に関する障害が発生した場合でも、舵角維持制御とトルク維持制御は実行されない。この状況では、自動車10が直進しているため、障害発生時に舵角維持制御とトルク維持制御を行わずとも、自動車10の直進を維持することができる。この状況では、舵角維持制御とトルク維持制御が行われないようにすることで、障害発生時において、運転者の意思で自動車10の操向を行うことが可能になり、運転者の思い通りの運転を継続できる。
なお、図8において、曲率半径の代わりに曲率を用いてもよい。この場合のステップS21は、t秒後の走行位置の曲率が閾値以下か否かを判定する処理となり、曲率が閾値以下であればステップS22の処理が行われ、曲率が閾値を超えていればステップS23の処理が行われる。
(自動車の第三変形例)
図8において、ステップS22及びステップS23の処理を省略し、ステップS21の判定がYESのときはステップS11の処理が行われ、ステップS21の判定がNOときはステップS13の処理が行われるようにしてもよい。つまり、自動車10が直進路を走行中であれば時間Tの導出を停止し、自動車10が直進路を走行中であっても舵角維持制御又はトルク維持制御を禁止しないようにしてもよい、このようにした場合のEPS-ECU36の動作は、図3に示したものと同じになる。ただし、時間Tは走行支援ECU128によって導出された値に設定される。
本変形例では、自動車10が直進路を走行中に舵角制御を実行できない障害が発生した場合には、時間Tが、直近で自動車10がカーブの出口付近に存在していたときに走行支援ECU128により導出された時間Tに設定される。この時間Tは、上述した変化率が十分に大きいときに導出されたものであることから、上記のデータテーブルに従えば、最小の値となる。したがって、自動車10が直進中に舵角維持制御又はトルク維持制御が行われる場合でも、その継続時間は最短とすることができる。したがって、運転者の意思で自動車10の操向操作を行うことがすぐに可能になり、運転者の思い通りの移動を継続できる。
(自動車の第四変形例)
EPS-ECU36は、サブECU36sが削除された構成であってもよい。この場合、メインECU36mが舵角制御を行っている状態で、走行支援ECU128から目標舵角が取得できなくなり、舵角制御が継続できなくなった場合には、メインECU36mが舵角維持制御を行う。この構成であっても、障害発生後は、ステアリングホイール20の操作を行うことなく、自動車10を一定期間、道路に沿って移動させることは可能である。
(自動車の第五変形例)
EPS-ECU36からメインECU36mが削除され、走行支援ECU128とサブECU36sが通信可能に接続された構成であってもよい。この場合には、サブECU36sが、舵角制御の代わりに、モータ28のトルクを制御するトルク制御を行う。トルク制御とは、走行支援ECU128から指示された目標舵角と自動車10の車速Vに基づいて、この目標舵角の実現に必要なトルク指示値(駆動電流値)を求め、この駆動電流値をモータ28に供給する制御である。このトルク制御は、第一操向制御を構成する。サブECU36sは、走行支援ECU128から目標舵角が取得できなくなり、トルク制御が継続できなくなった場合には、前述したトルク維持制御を行う。この構成であっても、障害発生後は、ステアリングホイール20の操作を行うことなく、自動車10を一定期間、道路に沿って移動させることは可能である。
ここまでの説明では、移動体として自動車を例示した。しかし、本発明の移動体の実施形態は、自動車に限らず、駆動輪を持たない船舶又は航空機等であってもよい。航空機の場合には、動翼を操作するための装置が操向装置を構成する。船舶の場合には、舵を操作するための装置が操向装置を構成する。
以上説明してきたように、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 操向装置(ステアリングホイール20、ステアリングコラム22、中間ジョイント24、ステアリングギアボックス26、インバータ30、及びモータ28)と、前記操向装置を制御して移動体(自動車10)の操向を制御する操向制御装置(EPS-ECU36)と、前記移動体の移動状況に基づいて前記操向制御装置を制御する制御装置(走行支援ECU128)と、を有する移動体であって、
前記操向制御装置は、前記制御装置からの指示に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御(舵角制御)と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御(舵角維持制御、トルク維持制御)とを選択的に行い、前記第一操向制御を行っている状態にて、前記第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には、前記第二操向制御を行い、
前記制御装置は、前記第二操向制御が行われていない状態にて、前記第二操向制御の継続時間(時間T)を導出して前記操向制御装置に送信し、
前記操向制御装置は、前記継続時間に基づいて、前記第二操向制御を継続させる時間を決める移動体。
(1)によれば、第一操向制御を行っている状態にて、第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には第二操向制御が行われる。このため、第一操向制御が継続できないような障害が発生しても第二操向制御によって移動体の進行方向を維持することができる。また、例えば、第一操向制御の実行に関する障害が、制御装置と操向制御装置の通信に関する障害であった場合でも、その障害の発生前のタイミングにて制御装置から送信された継続時間に基づいて、第二操向制御を継続させる時間を決めることができる。このため、障害発生時に、移動体の操向制限を適切な時間だけ実行することができる。
(2) (1)記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記第一操向制御が行われている状態において前記継続時間の導出を行う移動体。
(2)によれば、第一操向制御の実行に関連する障害の発生前に導出された継続時間を操向制御装置に送信しておくことが可能となる。このため、制御装置と操向制御装置の通信に関する障害が発生して第二操向制御が行われる場合でも、第二操向制御を適切な時間だけ実行することができる。
(3) (1)又は(2)記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記移動体の操向が前記第一操向制御及び前記第二操向制御以外によって制御されている状態においては、前記継続時間の導出を停止する移動体。
(3)によれば、第一操向制御と第二操向制御が実行されていない状況においては継続時間の導出が停止される。このため、制御装置の処理負荷を軽減できる。
(4) (1)から(3)のいずれか記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記移動体の移動状況に基づいて前記継続時間を導出する移動体。
(4)によれば、移動体の移動状況に合わせた適切な時間で第二操向制御を終了させることができる。
(5) (4)記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記移動体の移動する経路の曲率情報と前記移動体の速度に基づき、所定時間経過後の前記曲率情報の変化率を導出し、前記変化率に基づいて前記継続時間を導出する移動体。
(5)によれば、例えば、曲率情報の一例である曲率半径の変化率が小さく、移動体が曲線状の経路を通過するのに時間がかかると判断できる場合には、継続時間を長くし、曲率半径の変化率が大きく、移動体が曲線状の経路を早期に通過できると判断できる場合には、継続時間を短くするといったことが可能になる。これにより、移動体の移動状況に合わせた適切な時間で第二操向制御を終了させることができ、移動体を経路に沿って安全に移動させることができる。
(6) (5)記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率が閾値以下、又は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率半径が閾値以上の場合には、前記継続時間の導出を停止する移動体。
(6)によれば、所定時間後に移動体が例えば直線状の経路を移動している状況であると判定される場合には、継続時間が導出されない。このため、制御装置の処理負荷を軽減できる。また、この状況で第二操向制御が行われる場合でも、例えば、直近に制御装置で導出された継続時間を利用して第二操向制御を継続させることで、第二操向制御を適切なタイミングで終了させることができる。
(7) (5)又は(6)記載の移動体であって、
前記制御装置は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率が閾値以下、又は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率半径が閾値以上の場合には、前記操向制御装置による前記第二操向制御の実行を禁止する制御を行う移動体。
(7)によれば、所定時間後に移動体が例えば直線状の経路を移動している状況であると判定される場合には、障害が発生した場合でも、第二操向制御が実行されない。このため。乗員の意思で移動体の操向を行うことが可能になり、乗員の思い通りの移動を継続できる。
(8) (1)から(7)のいずれか記載の移動体であって、
前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
前記操向制御装置は、前記第二操向制御を開始した後、前記手動操作が行われない場合でも、前記継続時間の経過後に前記第二操向制御を終了する移動体。
(8)によれば、乗員の手動操作が行われない場合でも、制御装置にて導出された継続時間で移動体の操向の制限が終了される。このため、必要以上に操向の制限がなされるのを防いで、障害が発生した場合でも移動体を安全に進行させることが可能となる。
(9) (1)から(8)のいずれか記載の移動体であって、
前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
前記操向制御装置は、前記第二操向制御を行っている状態で前記手動操作がなされた場合には、前記第二操向制御を終了する移動体。
(9)によれば、乗員の手動操作が行われた場合には移動体の操向の制限が終了される。このため、乗員の意思に応じた移動体の操向操作が可能となる。
(10) (1)から(9)のいずれか記載の移動体であって、
前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
前記第二操向制御は、前記移動体の車輪(前輪86)の操向角を前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持する操向角維持制御(舵角維持制御)と、前記操向装置に含まれるアクチュエータ(モータ28)の制御トルクを前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持するトルク維持制御と、を含み、
前記操向制御装置は、前記障害が発生し且つ前記操向角維持制御が不可の場合には、前記トルク維持制御を行う移動体。
(10)によれば、操向角の維持ができない場合には、制御トルクの維持が行われる。このように2段階で操向の制限を実施することで、冗長性を向上させることができ、障害発生時の安全性を高めることができる。
10 自動車(移動体)
36 EPS-ECU(操向制御装置)
128 走行支援ECU(制御装置)
T 時間(継続時間)

Claims (10)

  1. 操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、前記移動体の移動状況に基づいて前記操向制御装置を制御する制御装置と、を有する移動体であって、
    前記操向制御装置は、前記制御装置からの指示に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御とを選択的に行い、前記第一操向制御を行っている状態にて、前記第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には、前記第二操向制御を行い、
    前記制御装置は、前記第二操向制御が行われていない状態にて、前記第二操向制御の継続時間を導出して前記操向制御装置に送信し、
    前記操向制御装置は、前記継続時間に基づいて、前記第二操向制御を継続させる時間を決める移動体。
  2. 請求項1記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記第一操向制御が行われている状態において前記継続時間の導出を行う移動体。
  3. 請求項1又は2記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記移動体の操向が前記第一操向制御及び前記第二操向制御以外によって制御されている状態においては、前記継続時間の導出を停止する移動体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記移動体の移動状況に基づいて前記継続時間を導出する移動体。
  5. 請求項4記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記移動体の移動する経路の曲率情報と前記移動体の速度に基づき、所定時間経過後の前記曲率情報の変化率を導出し、前記変化率に基づいて前記継続時間を導出する移動体。
  6. 請求項5記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率が閾値以下、又は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率半径が閾値以上の場合には、前記継続時間の導出を停止する移動体。
  7. 請求項5又は6記載の移動体であって、
    前記制御装置は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率が閾値以下、又は、前記所定時間経過後の前記経路の曲率半径が閾値以上の場合には、前記操向制御装置による前記第二操向制御の実行を禁止する制御を行う移動体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の移動体であって、
    前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
    前記操向制御装置は、前記第二操向制御を開始した後、前記手動操作が行われない場合でも、前記継続時間の経過後に前記第二操向制御を終了する移動体。
  9. 請求項1から8のいずれか1項記載の移動体であって、
    前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
    前記操向制御装置は、前記第二操向制御を行っている状態で前記手動操作がなされた場合には、前記第二操向制御を終了する移動体。
  10. 請求項1から9のいずれか1項記載の移動体であって、
    前記操向装置は、手動操作に応じて前記移動体の操向を変更可能であり、
    前記第二操向制御は、前記移動体の車輪の操向角を前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持する操向角維持制御と、前記操向装置に含まれるアクチュエータの制御トルクを前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持するトルク維持制御と、を含み、
    前記操向制御装置は、前記障害が発生し且つ前記操向角維持制御が不可の場合には、前記トルク維持制御を行う移動体。
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