JP2015150897A - 操舵制御装置 - Google Patents

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光弘 小峰
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Abstract

【課題】簡易な構成で直進走行時における車両のふらつきを抑制する操舵制御装置を提供する。
【解決手段】車両の進行方向前方の車線情報に基づいて将来の車両の目標位置を算出する目標位置算出部52と、車両の運動情報に基づいて将来の車両の推定位置を算出する推定位置算出部53と、ステアリングシャフト22を回転駆動して、電力供給が停止されると回転自在状態となる回転駆動装置24と、目標位置算出部52が算出した目標位置と推定位置算出部53が算出した推定位置との差分が小さくなるように、回転駆動装置24の回転角度を制御する回転角度制御部54と、を備え、回転角度制御部54は、目標位置と推定位置との差分が所定の閾値以下の場合に、回転駆動装置24への電力供給を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の操舵制御を行う操舵制御装置に関する。
従来から、モータによりステアリングシャフトを回転駆動することで、車両の操舵制御を行う操舵制御装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。そして、ステアリングシャフトを回転駆動するモータとしては、トラックのような中大型車の車両挙動を安定させるために、回転角度を制御する回転角度制御型のモータが用いられている。
このような操舵制御装置は、車両の運動情報から算出される推定位置が車線情報から算出される目標位置に近づくようにモータの回転角度を制御することで、車両を目標位置に向けて走行させている。
特開平10−035516号公報 特開平10−100919号公報
しかしながら、車両を直進させる場合にも、推定位置が目標位置に一致しない場合が生じる。このような場合、操舵制御装置は、推定位置が目標位置に一致するようにモータを小刻みに駆動制御するため、車両のふらつき感を車両の乗員に与える恐れがある。
このような問題を解決する手段として、特許文献1及び2に記載されたように、ステアリングシャフトとモータとの間の機械的な連結を切るクラッチ機構を取り付けることが考えられる。これにより、操舵制御を行う必要がない場合に、当該クラッチ機構によりステアリングシャフトとモータとの間の機械的な連結を切ることで、車両のふらつき感を車両の乗員に与えるのを抑制することができる。
しかしながら、クラッチ機構を用いた場合、コストが高くなるという問題があり、また、クラッチ機構の信頼性確保やクラッチ機構を搭載するスペースの確保が難しいという問題もある。
そこで、本発明は、簡易な構成で直進走行時における車両のふらつきを抑制する操舵制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る操舵制御装置は、車両の操舵制御を行う操舵制御装置であって、車両の進行方向前方の車線情報に基づいて将来の車両の目標位置を算出する目標位置算出部と、車両の運動情報に基づいて将来の車両の推定位置を算出する推定位置算出部と、電力供給を受けている間は、回転角度が制御されてステアリングシャフトを回転駆動し、電力供給を受けていない間は、回転自在状態となる回転駆動装置と、目標位置算出部が算出した目標位置と推定位置算出部が算出した推定位置との差分が小さくなるように、回転駆動装置の回転角度を制御する回転角度制御部と、を備え、回転駆動装置は、電力供給が停止されると回転自在状態となり、回転角度制御部は、目標位置と推定位置との差分が所定の閾値以下の場合に、回転駆動装置への電力供給を停止する。
本発明に係る車両制御装置によれば、回転角度制御部が、目標位置と推定位置との差分が小さくなるように回転駆動装置の回転角度を制御することにより、車両を目標位置に向けて走行させることができる。しかも、目標位置と推定位置との差分が所定の閾値以下の場合は、回転角度制御部が、回転駆動装置への電力供給を停止するため、回転駆動装置が回転自在状態となる。回転駆動装置が回転自在状態になると、車両はセルフアライニングトルクにより直進を維持することができ、特に、トラックのような中大型車両では、セルフアライニングトルクによる直進性が高いため直進を長時間維持することができる。このため、簡易な構成で直進走行時における車両のふらつきを抑制することができる。
また、回転駆動装置は、ステアリングシャフトに回転出力を伝達する出力軸と、出力を回転駆動するモータ部と、を備え、モータ部は、回転駆動装置への電力供給が停止されると、出力軸を回転自在状態とすることができる。このように構成することで、回転駆動装置を容易に回転自在状態とすることができる。
本発明によれば、簡易な構成で直進走行時における車両のふらつきを抑制することができる。
実施形態に係る操舵制御装置の概略構成を示すブロック図である。 目標位置と推定位置との関係を説明するための図である。 車両の操舵制御を行うための制御ロジックを示す図である。 操舵制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
以下、本実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る操舵制御装置は、車両に搭載されて、運転者が急病等により運転できなくなった場合等に、運転者に代わって又は運転者の運転支援として車両の操舵制御(自動操舵)を行うものである。操舵制御の態様としては、例えば、現在走行している車線から外れないように車両を当該車線に保持するレーンキープや、現在走行している車線から路肩側の車線への車線変更が挙げられる。なお、以下の説明では、操舵制御としてレーンキープを行う場合について説明する。
図1は、実施形態に係る操舵制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施形態に係る操舵制御装置1は、ステアリングシステム2の回転駆動制御を行うことで車両の操舵制御を行う装置であり、車線情報取得部3と、運動情報取得部4と、制御部5と、を備えている。
ステアリングシステム2は、操舵輪に連結されたギアボックス21に連結されたステアリングシャフト22に、運転者が操舵操作を行うステアリングホイール23が接続されている。そして、ステアリングシャフト22には、ステアリングシャフト22を回転駆動する回転駆動装置24が機械的に連結されている。
回転駆動装置24は、電力供給を受けている間は、回転角度が制御されてステアリングシャフト22を回転駆動し、電力供給を受けていない間は、回転自在状態となる装置である。回転駆動装置24には、回転駆動装置24に電力を供給する駆動電源25が電気的に接続されており、回転駆動装置24は、駆動電源25からの電力供給を受けることで、ステアリングシャフト22を回転駆動することが可能となっている。回転駆動装置24は、回転駆動力を出力する電動モータ等の電動機により構成することができる。回転駆動装置24は、回転角度が制御される回転角度制御型であって、指令された回転角度だけステアリングシャフト22を回転駆動することが可能となっている。
具体的に説明すると、回転駆動装置24は、出力軸24aと、出力軸24aを回転させるモータ部24bと、を備えており、駆動電源25は、モータ部24bに接続されている。出力軸24aは、回転駆動装置24から回転駆動力が出力される軸である。モータ部24bは、駆動電源25からの電力供給を受けている間は、出力軸24aの回転角度を規制して、制御部5から指令された回転角度だけ出力軸24aを回転させる。なお、モータ部24bは、駆動電源25からの電力供給を受けているものの、制御部5から回転角度が指令されていない場合は、回転角度が0°であると判断して、出力軸24aを回転させないロック状態となる。一方、モータ部24bは、駆動電源25からの電力供給を受けていない間は、出力軸24aの回転角度の規制を解除して、出力軸24aを回転自在状態とする。回転自在状態とは、回転角度が規制されない(拘束されない)状態、つまり、出力軸24aが自由に回転することができる状態をいう。これにより、出力軸24aは、モータ部24bに対して回転自在に支持された状態となる。
回転駆動装置24を構成する電動モータとしては、例えば、パルス信号に同期して動作する(パルスが送られて来るたびに所定角度だけ回転する)ステッピングモータを用いることができる。
回転駆動装置24の出力軸24aとステアリングシャフト22とは、遊星歯車等の歯車機構により接続されており、出力軸24aは、ステアリングシャフト22に回転出力を伝達することが可能となっている。つまり、モータ部24bが出力軸24aを回転させると、出力軸24aからステアリングシャフト22に回転出力が伝達され、ステアリングシャフト22が回転する。なお、図1では、ステアリングホイール23直下に回転駆動装置24を配置しているが、スペース等の関係でギアボックス21近傍に回転駆動装置24を配置してもよい。
車線情報取得部3は、車両の進行方向前方の車線情報を取得するものである。車線とは、車両が走行する線(走行ライン)であって、例えば、左右の白線などの区画線により区画される線である。車線情報とは、車線の位置を示す情報であり、例えば、自車両を中心とした座標軸における区画線の座標情報で表すことができる。車線情報取得部3としては、例えば、カメラ等の撮像装置、ミリ波レーダ等の各種レーダ、GPS等を用いることができる。車線情報取得部3として撮像装置を用いる場合、車線情報取得部3は、例えば、当該撮像装置により撮像した画像データを画像解析して区画線を抽出し、この注出した区画線から座標情報(区画線の情報)を取得することができる。車線情報取得部3としてレーダを用いる場合、車線情報取得部3は、例えば、当該レーダにより区画線を検出し、この検出した区画線から座標情報を取得することができる。車線情報取得部3としてGPSを用いる場合、車線情報取得部3は、GPSで検出した現在位置と電子地図情報とを照らし合わし、当該電子地図情報から進行方向前方の区画線の座標情報を取得することができる。そして、車線情報取得部3は、車両の進行方向前方の車線情報を取得すると、取得した車線情報を制御部5に送信する。
運動情報取得部4は、車両の運動情報を取得するものである。運動情報取得部4は、運動情報として、速度及び車両に発生しているヨーレートを取得する。なお、運動情報取得部4は、運動情報として、速度及びヨーレート以外の情報を取得してもよい。車速は、例えば、各車輪の回転速度を検出し、各車輪の回転速度から車両の車速を算出することにより求めることができる。ヨーレートは、ヨーレートセンサにより車両に発生しているヨーレートを求めることができる。そして、運動情報取得部4は、取得した運動情報を制御部5に送信する。
制御部5は、車線情報取得部3及び運動情報取得部4から送信された情報に基づいて、回転駆動装置24の回転角度を制御するものである。制御部5は、自動操舵要否判断部51と、目標位置算出部52と、推定位置算出部53と、回転角度制御部54と、の機能を備えている。なお、制御部5は、主にCPU等の演算装置とメモリ等の記憶装置とにより構成されており、予め記憶された様々なプログラムに従って各種制御を行うものである。
自動操舵要否判断部51は、運転者に代わって、又は、運転者の運転支援として、車両の操舵制御を行うか否かを判断する機能を有する。例えば、運転者が急病等により運転できなくなった場合は、車両の操舵制御を行うものと判断する。運転者が急病等により運転できなくなっているか否かは、例えば、運転席や助手席などに設置した非常ボタンの操作に基づいて判断してもよく、車室内に設置したカメラにより撮像した運転者の顔画像の分析結果に基づいて判断してもよい。
目標位置算出部52は、車線情報取得部3が取得した車線情報に基づいて将来の車両の目標位置を算出する機能を有する。将来の車両の目標位置とは、所定時間後(τ時間後)の車両の目標位置であって、例えば、5秒後の車両の目標位置とすることができる。目標位置算出部52は、レーンキープの操舵制御を行う場合は、現在走行している車線の幅方向中央部を目標位置とする。車線変更の操舵制御を行う場合は、現在走行している車線の路肩側に隣接する車線の幅方向中央部を目標位置とする。なお、目標位置は、必ずしも車線の幅方向中央部である必要はなく、左側の区画線側に寄った位置であってもよく、右側の区画線側に寄った位置であってもよい。
推定位置算出部53は、運動情報取得部4が取得した現在の車両の運動情報に基づいて将来の車両の推定位置を算出する機能を有する。将来の車両の推定位置とは、将来の車両の目標位置と同様に、所定時間後(τ時間後)の車両の推定位置であって、例えば、5秒後の車両の推定位置とすることができる。
図2は、目標位置と推定位置との関係を説明するための図である。図2に示すように、車両前後方向をx軸とし、x軸に直交する方向(車両横方向)をy軸とした座標軸を考える。また、車速をV、ヨーレートをγ、y軸方向におけるτ秒後の車両の推定位置をy、x軸方向におけるτ秒後の車両の推定位置lとする。そして、推定位置算出部53は、運動情報取得部4から車両の運動情報として車速及びヨーレートを取得すると、次の式(1)及び式(2)を演算することにより、τ秒後の車両の推定位置y及び推定位置lを算出する。なお、この算出した推定位置y及び推定位置lが、τ秒後の車両の推定位置となる。
=τ・V・γ(τ)/2 …(1)
=τ・V …(2)
回転角度制御部54は、目標位置と推定位置とのズレ量(差分)が小さくなるように、回転駆動装置24の回転角度を制御する機能を有する。つまり、回転角度制御部54は、目標位置算出部52が算出した目標位置と推定位置算出部53が算出した推定位置とのズレ量ε(図2参照)が小さくなるように、回転駆動装置24の回転角度を制御する。回転駆動装置24の回転角度の制御は、回転駆動装置24に対して回転角度の指令値を出力することにより行う。回転駆動装置24として、パルス信号に同期して動作するステッピングモータを用いる場合は、このパルス信号の数が、回転駆動装置24に回転させる回転角度の指令値となる。
図3は、車両の操舵制御を行うための制御ロジックを示す図である。図3に示すように、回転角度制御部54は、PID(Proportional Integral Derivative)制御を行うPID制御部56と、回転駆動装置24に対して回転駆動させる回転角度を指令する回転角度指令部57と、を備えている。
PID制御部56は、比例制御(P制御)を行うP項56aと、積分制御(I制御)を行うI項56bと、微分制御(D制御)を行うD項56cと、を備えている。PID制御部56は、目標位置と推定位置とのズレ量に基づくPID制御により目標とするべき操舵角である目標操舵角を算出し、現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量を算出する。なお、PID制御部56としては、PID制御を行う公知の制御装置を用いることができる。
そして、回転角度指令部57は、PID制御部56が算出した現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量が小さくなるように(ズレ量がゼロに近づくように)、回転駆動装置24に対して、回転駆動させる回転角度を指令する。
但し、目標位置算出部52が算出した目標位置と推定位置算出部53が算出した推定位置とのズレ量ε所定の閾値以下の場合は、回転角度指令部57は、回転駆動装置24に対して回転角度指令を出力せずに、駆動電源25から回転駆動装置24への電力供給を停止する。目標位置と推定位置とのズレ量の所定の閾値としては、例えば、±100mmとすることができる。駆動電源25から回転駆動装置24への電力供給を停止する手段としては、例えば、駆動電源25をOFFにする手段や、駆動電源25と回転駆動装置24との間の電力供給路を電気的又は機械的に切断する手段などが挙げられる。
なお、目標位置算出部52が算出した目標位置と推定位置算出部53が算出した推定位置とのズレ量εとPID制御部56が算出した現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量とは比例関係にあるため、目標位置算出部52が算出した目標位置と推定位置算出部53が算出した推定位置とのズレ量εを小さくすることと、PID制御部56が算出した現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量を小さくすることとは、同義となる。
そして、回転角度指令部57から回転駆動装置24に対して回転角度が指令されると、回転駆動装置24は、指令された回転角度だけ回転駆動する。つまり、指令された回転角度だけモータ部24bが出力軸24aを回転させる。これにより、ステアリングシャフト22が回転する。そして、再度、推定位置算出部53によりτ秒後の推定位置が算出される。
次に、図4を参照して、操舵制御装置1の処理動作について説明する。図4は、操舵制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
図4に示す処理動作は、制御部5により行われる。そして、この処理動作は、自動操舵要否判断部51が車両の操舵制御を行うと判断することにより開始され、車両の操舵制御を終了するための終了条件が満たされるまでの間、所定時間間隔で繰り返し行われる。終了条件が満たされる場合としては、例えば、自動操舵要否判断部51が車両の操舵制御を終了すると判断した場合や、車両のエンジンスイッチがOFFにされた場合等がある。
図4に示すように、制御部5は、まず、車線情報取得部3が取得した車両の進行方向前方の車線情報を取得するとともに(ステップS1)、運動情報取得部4が取得した車両の運動情報を取得する(ステップS2)。ステップS2の処理は、目標位置算出部52により行われ、ステップS3の処理は、推定位置算出部53により行われる。
次に、制御部5は、ステップS1において取得した車線情報に基づいて将来の車両の目標位置を算出するとともに(ステップS3)、ステップS2において取得した車両の運動情報に基づいて将来の車両の推定位置を算出する(ステップS4)。ステップS3の処理は、目標位置算出部52により行われ、ステップS4の処理は、推定位置算出部53により行われる。
次に、制御部5は、ステップS3で算出した目標位置とステップS4で算出した推定位置とのズレ量を算出する(ステップS5)。ステップS5の処理は、回転角度制御部54により行われる。そして、ステップS3で算出した目標位置とステップS4で算出した推定位置とに基づいて目標操舵角を算出し、現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量を算出する。
次に、制御部5は、ステップS5で算出した目標位置と推定位置とのズレ量が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS6)。ステップS6の処理は、回転角度制御部54により行われる。なお、目標位置と推定位置とのズレ量と現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量とは比例関係にあるため、目標位置と推定位置とのズレ量が所定の閾値以下であるか否かの判断を、現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量が、上記所定の閾値に対応する対応閾値以下であるか否かの判断により行ってもよい。つまり、現在の操舵角と目標操舵角とのズレ量が対応閾値以下であるか否かを判断することで、実質的に、目標位置と推定位置とのズレ量が所定の閾値以下であるか否かを判断することになる。
ズレ量が所定の閾値よりも大きいと判断した場合(ステップS6:NO)、制御部5は、ズレ量が小さくなるように、回転駆動装置24に対して、回転駆動装置24を回転駆動させる回転角度を指令する(ステップS7)。ステップS7の処理は、回転角度制御部54により行われる。これにより、回転駆動装置24は、モータ部24bが指令された回転角度だけ出力軸24aを回転駆動することで、ステアリングシャフト22を回転駆動する。そして、操舵制御装置1の処理動作を一旦終了し、再度ステップS1から繰り返す。
一方、ズレ量が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS6:YES)、制御部5は、回転駆動装置24に対して回転角度を指令せずに、駆動電源25から回転駆動装置24への電力供給を停止する(ステップS8)。ステップS7の処理は、回転角度制御部54により行われる。そして、操舵制御装置1の処理動作を一旦終了し、再度ステップS1から繰り返す。
このように、本実施形態によれば、回転角度制御部54が、目標位置と推定位置との差分が小さくなるように回転駆動装置24の回転角度を制御することにより、車両を目標位置に向けて走行させることができる。しかも、目標位置と推定位置との差分が所定の閾値以下の場合は、回転角度制御部54が、回転駆動装置24への電力供給を停止するため、回転駆動装置24が回転自在状態となる。回転駆動装置24が回転自在状態になると、車両はセルフアライニングトルクにより直進を維持することができ、特に、トラックのような中大型車両では、セルフアライニングトルクによる直進性が高いため直進を長時間維持することができる。このため、簡易な構成で直進走行時における車両のふらつきを抑制することができる。
また、回転駆動装置24が、出力軸24aとモータ部24bとを備えるものとし、回転駆動装置24への電力供給が停止されると、モータ部24bが出力軸24aを回転自在状態とすることで、回転駆動装置24を容易に回転自在状態とすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、一つの制御装置で全ての機能を実現するものとして説明したが、これらの機能を複数の制御装置で実現してもよく、一つの機能を複数の制御装置で実現してもよい。
また、上記実施形態では、操舵制御装置の処理動作を具体的に説明したが、各ステップの処理順序は適宜変更することができ、例えば、各ステップの処理順序を適宜入れ替えてもよく、2以上のステップを並行して行ってもよい。
1…操舵制御装置、2…ステアリングシステム、3…車線情報取得部、4…運動情報取得部、5…制御部、21…ギアボックス、22…ステアリングシャフト、23…ステアリングホイール、24…回転駆動装置、24a…出力軸、24b…モータ部、25…駆動電源、51…自動操舵要否判断部、52…目標位置算出部、53…推定位置算出部、54…回転角度制御部、56…PID制御部、56a…P項、56b…I項、56c…D項、57…回転角度指令部。

Claims (2)

  1. 車両の操舵制御を行う操舵制御装置であって、
    前記車両の進行方向前方の車線情報に基づいて将来の前記車両の目標位置を算出する目標位置算出部と、
    前記車両の運動情報に基づいて将来の前記車両の推定位置を算出する推定位置算出部と、
    電力供給を受けている間は、回転角度が制御されてステアリングシャフトを回転駆動し、電力供給を受けていない間は、回転自在状態となる回転駆動装置と、
    前記目標位置算出部が算出した前記目標位置と前記推定位置算出部が算出した前記推定位置との差分が小さくなるように、前記回転駆動装置の回転角度を制御する回転角度制御部と、
    を備え、
    前記回転角度制御部は、前記目標位置と前記推定位置との差分が所定の閾値以下の場合に、前記回転駆動装置への電力供給を停止する、
    操舵制御装置。
  2. 前記回転駆動装置は、前記ステアリングシャフトに回転出力を伝達する出力軸と、前記出力を回転駆動するモータ部と、を備え、
    前記モータ部は、前記回転駆動装置への電力供給が停止されると、前記出力軸を回転自在状態とする、
    請求項1に記載の操舵制御装置。
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