JP7478290B2 - 移動体 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体に関する。
特許文献1には、自車走行レーンに先行他車がいない場合は目標車速に従って定速走行を行い、先行他車がいる場合は所定車間距離を維持して追従走行を行うACC機能と、目標経路への追従制御により自車走行レーン内の走行を維持するLKA機能と、運転者の操作介入によってACC機能を停止させるオーバーライド機能と、LKA機能の失陥時に、ACC機能の停止と操作引継を運転者に通知し、ACC機能の縮退制御を行う機能と、を有する車両が記載されている。この車両は、LKA機能の失陥時に、ACC機能を停止させる操作介入の判定基準となるACCオーバーライド閾値を、LKA機能の正常動作時よりも大きい値に変更する機能を有している。この車両では、運転者が進路変更や障害物回避の意図をもって操舵を行ったと判断される操舵トルクをハンドル操作によって与えた場合に、LKA制御を中止し、運転者の手動操舵による走行に移行することが可能になっている。
特開2019-127136号公報
特許文献1では、LKA機能の失陥時にLKA機能が即時停止される。しかし、例えば、車両が弧状の道路を進行中に、LKA機能の失陥によってLKA機能が即時停止されると、車両を道路に沿って安全に移動させることができなくなる。
本発明の目的は、移動体の操向制御の実行に関連する障害が発生した場合でも移動体の進行方向を維持しつつ、手動による操向制御に安全に移行できるようにすることにある。
本発明の一態様の移動体は、操作部材の操作に応じて移動体の操向を変更可能な操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、を有する移動体であって、前記操向制御装置は、前記移動体の移動状況に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御と、を選択的に行い、前記第二操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が所定閾値を超える場合には前記第二操向制御を終了するものである。
本発明の一態様の移動体は、操作部材の操作に応じて移動体の操向を変更可能な操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、を有する移動体であって、前記操向制御装置は、前記移動体の移動状況に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御と、を選択的に行い、前記第二操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が所定閾値を超えない場合には前記第二操向制御を継続するものである。
本発明によれば、移動体の操向制御の実行に関連する障害が発生した場合でも移動体の進行方向を維持しつつ、手動による操向制御に安全に移行できる。
本発明の一実施形態である自動車10の概略構成を示す模式図である。 走行支援ECU128、EPS-ECU36、及び操向装置100の接続関係を示す模式図である。 走行支援システム14の作動時における自動車10の動作を説明するためのフローとチャートである。 舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。 舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。 トルク維持制御が行われる場合のモータ28のトルクの変化を示す模式図である。
図1は、本発明の一実施形態である自動車10の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、自動車10は、走行支援システム14と、前輪86に接続された電動パワーステアリング(EPS)装置12と、を備える。自動車10は、走行支援システム14の作動時には、乗員がステアリングホイール20に手を触れずとも、自動で自動車10の操向を制御して、自動車10をレーンに沿って移動させることができるようになっている。
EPS装置12は、ステアリングホイール20と、ステアリングコラム22と、中間ジョイント24と、ステアリングギアボックス26と、モータ28と、インバータ30と、車速センサ32と、電動パワーステアリング電子制御装置36(以下「EPS-ECU36」と記載)と、低電圧バッテリ38と、を備える。ステアリングホイール20には、ステアリングホイール20が把持されていることを検知するための把持センサ20sが設けられており、把持センサ20sの検出情報はEPS-ECU36に送られる。ステアリングホイール20、ステアリングコラム22、中間ジョイント24、ステアリングギアボックス26、インバータ30、及びモータ28は、自動車10の操向を制御するための操向装置(後述の図2に示す操向装置100)を構成する。EPS-ECU36は、操向装置100を制御する操向制御装置を構成する。
ステアリングコラム22は、筐体40と、筐体40内部において軸受44、46、48に支持されたステアリング軸42と、トルクセンサ50と、舵角センサ52とを有する。本明細書における“舵角”は、ステアリングホイール20の操舵量(いわゆるハンドルの切れ角、操舵角)を示す。この舵角と、前輪86の切れ角である操向角とは、厳密には一致しないものの、高い相関を持つ。したがって、“舵角”を任意の値に維持するということは、“操向角”をその任意の値に応じた値に維持することと同義である。
中間ジョイント24は、2つのユニバーサルジョイント60a、60bと、その間に配置された軸部62と、を有する。
ステアリングギアボックス26は、筐体70と、ラック&ピニオン機構のピニオン74が設けられ軸受76、78により支持されたピニオン軸72と、ラック&ピニオン機構のラック歯82が設けられたラック軸80と、タイロッド84とを有する。
ステアリング軸42は、その一端がステアリングホイール20に固定され、他端がユニバーサルジョイント60aに連結されている。ユニバーサルジョイント60aは、ステアリング軸42の一端と軸部62の一端とを連結する。ユニバーサルジョイント60bは、軸部62の他端とピニオン軸72の一端とを連結する。ピニオン軸72のピニオン74と、車幅方向に往復動可能なラック軸80のラック歯82とが噛合する。ラック軸80の両端はそれぞれタイロッド84を介して左右の前輪86(操舵輪)に連結されている。
運転者がステアリングホイール20を操作することによって生じた操舵トルクTstr(回転力)は、ステアリング軸42及び中間ジョイント24を介してピニオン軸72に伝達される。そして、ピニオン軸72のピニオン74及びラック軸80のラック歯82により操舵トルクTstrが推力に変換され、ラック軸80が車幅方向に変位する。ラック軸80の変位に伴ってタイロッド84が前輪86を転舵させることで、前輪86の操向角を変えることができる。このように、自動車10の操向装置100は、乗員の手動操作に応じて、自動車10の操向を変更可能に構成されている。
ステアリング軸42、中間ジョイント24、ピニオン軸72、ラック軸80及びタイロッド84は、ステアリングホイール20に対する運転者の操舵動作(手動操作)を前輪86に直接伝えるマニュアル操舵系を構成する。
モータ28は、ウォームギア90及びウォームホイールギア92を介してステアリング軸42に連結されている。モータ28の出力軸は、ウォームギア90に連結されている。ウォームギア90と噛合するウォームホイールギア92は、ステアリング軸42自体に一体的に又は弾性的に形成されている。
モータ28は、例えば、3相交流ブラシレス式であるが、3相交流ブラシ式、単相交流式、直流式等のその他のモータであってもよい。モータ28は、EPS-ECU36により制御されるインバータ30を介して、低電圧バッテリ38から電力が供給される。そして、当該電力に応じたモータ駆動力Fmを生成する。モータ駆動力Fmは、モータ28の出力軸、ウォームギア90、ステアリング軸42(ウォームホイールギア92)、中間ジョイント24及びピニオン軸72を介してラック軸80に伝達される。
トルクセンサ50は、ステアリング軸42にかかるトルクTstrを検出してEPS-ECU36に出力する。車速センサ32は、自動車10の車速V[km/h]を検出し、EPS-ECU36に出力する。舵角センサ52は、ステアリングホイール20の操舵量を示す舵角θstr[度]を検出し、EPS-ECU36に出力する。トルクTstr、車速V、及び舵角θstrは、EPS-ECU36においてフィードフォワード制御等に用いられる。
インバータ30は、例えば3相ブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行い、低電圧バッテリ38からの直流を3相の交流に変換してモータ28に供給する。
EPS-ECU36は、走行支援システム14の非作動時には、運転者の操舵をアシストするために、操向装置100のインバータ30及びモータ28を制御する。EPS-ECU36は、走行支援システム14の作動時には、自動車10の走行状況に基づいて操向装置100のインバータ30及びモータ28を制御することで、運転者の操舵を受けることなく、自動車10の操向制御を行う。
EPS-ECU36は、メインECU36mと、サブECU36sとの2つのECUを備える。メインECU36mとサブECU36sは、それぞれ、プロセッサと、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、を少なくとも備える。プロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。メインECU36mとサブECU36sのそれぞれの機能については後述する。
走行支援システム14は、カメラ120と、アンテナ122と、地図情報提供装置124と、走行支援スイッチ126と、走行支援電子制御装置128(以下「走行支援ECU128」と記載)と、を備える。
カメラ120は、自動車10のバックミラーの前のフロントウィンドシールドの内側に取り付けられている。カメラ120は、走行支援スイッチ126がオン状態とされているとき、自動車10の前方の道路にあるレーンを画像として捉える。カメラ120は、この画像に関する画像情報を走行支援ECU128に出力する。
アンテナ122は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する複数のGPS衛星からの信号(GNSS信号)を受信し、地図情報提供装置124に出力する。
地図情報提供装置124は、アンテナ122からの出力に基づき自動車10の現在位置を特定すると共に、現在位置及びその周辺に関する地図情報(以下「地図情報Imap」と記載)を走行支援ECU128に提供する。地図情報Imapは、自動車10の現在位置に加え、自動車10が走行中の道路の曲率情報を含む。曲率情報は、例えば道路の曲率又は曲率半径である。曲率情報を含む地図情報は、地図情報データベース130に予め記憶される。
走行支援ECU128は、プロセッサと、RAM及びROM等の記憶装置と、を少なくとも備える。走行支援ECU128のプロセッサは、カメラ120が取得した画像から、自動車10の両側の車線を検出する。走行支援ECU128のプロセッサは、検出した両側の車線で挟まれる走行経路の例えば中央を自動車10が移動するように、ステアリングホイール20の目標舵角を導出する。走行支援ECU128のプロセッサは、ステアリングホイール20の舵角がこの目標舵角となるように、EPS-ECU36に対し目標舵角を指示する。
図2は、走行支援ECU128、EPS-ECU36、及び操向装置100の接続関係を示す模式図である。走行支援ECU128とメインECU36mは図示省略の通信ドライバによって通信可能に構成されている。メインECU36mとサブECU36sは図示省略の通信ドライバによって通信可能に構成されている。メインECU36mとサブECU36sは、それぞれ、制御ラインによってインバータ30と接続されている。
メインECU36mは、走行支援システム14の作動時には、走行支援ECU128から指示された目標舵角と、舵角センサ52の検出値(舵角θstr)と、車速センサ32の検出値(車速V)とに基づいて、舵角が目標舵角となるように、モータ28のトルクを制御する。このように、自動車10の走行状況(現在位置、走行中の道路の情報、走行速度等)に応じて走行支援ECU128にて決められる目標舵角に舵角を収束させるためのモータ28の制御のことを、以下では“舵角制御”と記載する。舵角制御は第一操向制御を構成する。
舵角制御が行われている状態にて、舵角制御の実行に関する障害が発生した場合には、メインECU36mとサブECU36sのいずれかが、その障害の発生前の舵角制御による自動車10の操向状態に基づいて自動車10の操向を制限する操向制限制御を行う。操向制限制御は第二操向制御を構成する。
メインECU36mが行う操向制限制御は、舵角を障害発生直前の値に維持する制御である。具体的には、メインECU36mは、障害発生直前の舵角センサ52の検出値(舵角θstr)を目標値に設定し、舵角がこの目標値に収束するよう、モータ28のトルクを制御する。メインECU36mは、障害発生直前に走行支援ECU128から指示されていた目標舵角を目標値に設定し、舵角がこの目標値に収束するよう、モータ28のトルクを制御することで操向制限制御を行ってもよい。メインECU36mが行う操向制限制御のことを、以下では舵角維持制御と記載する。舵角維持制御が行われている間は、障害発生直前に指示されていた目標舵角に近い舵角が維持されることとなる。
サブECU36sが行う操向制限制御は、モータ28のトルクを、障害発生直前のトルク(モータ28に入力されている駆動電流値)に維持する制御である。サブECU36sは、モータ28のトルクが、障害発生直前に走行支援ECU128から指示されていた目標舵角と車速Vに基づいて決まる値となるよう、モータ28の制御を行ってもよい。外乱の影響を考慮しない場合、目標舵角と車速が決まれば、その目標舵角を実現するために必要なモータ28のトルクも決まる。したがって、障害発生直前に指示されていた目標舵角に応じたトルクを維持すれば、この操向制限制御が行われている間は、目標舵角に近い舵角が維持されることとなる。サブECU36sが行う操向制限制御のことを、以下ではトルク維持制御と記載する。
舵角維持制御は、舵角が一定となるようにモータ28のトルクを可変制御するものである。このため、トルク維持制御のようにモータ28のトルクを一定にする制御に比べると、より複雑な処理が必要になる。したがって、メインECU36mは、サブECU36sよりも演算処理能力の高い構成としておくことが好ましい。
上述した“舵角制御の実行に関する障害”とは、舵角制御の実行が不可となる障害であり、例えば、走行支援ECU128自体の障害、又は、走行支援ECU128とメインECU36m間の通信に関する障害等が該当する。これらの例の障害が発生していると、メインECU36mが目標舵角の情報を取得できなくなる。このため、舵角制御の実行が不可となる。また、メインECU36mとインバータ30の間の制御ラインの障害も“舵角制御の実行に関する障害”に該当する。
図3は、走行支援システム14の作動時における自動車10の動作を説明するためのフローとチャートである。以下では、メインECU36mとサブECU36sの少なくとも一方が行う動作については、その主語をEPS-ECU36として記載する。
走行支援システム14が作動すると、メインECU36mは、走行支援ECU128から目標舵角を取得し(ステップS1)、舵角がこの目標舵角となるようにモータ28を制御する(ステップS2)。
EPS-ECU36は、走行支援システム14の作動時には、走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害(ただし、インバータ30及びモータ28の障害は除く)が発生しているか否かを逐次モニタする。走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害が発生していないと判定された場合(ステップS3:NO)には、EPS-ECU36は、トルクセンサ50によって検出される操舵トルクが閾値TH1を超えているか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4の判定がNOの場合には、ステップS1に処理が戻り、舵角制御が継続される。ステップS4の判定がYESの場合には、EPS-ECU36は、舵角制御を終了する(ステップS5)。舵角制御が終了されると、マニュアル操舵系による操向制御が可能な状態となる。つまり、舵角制御が行われている状態では、操舵トルクが閾値TH1を超えるように、運転者がステアリングホイール20を操作することで、自動の操向制御から手動の操向制御へと切り替えられるようになっている。
EPS-ECU36は、ステップS3において、走行支援システム14及びEPS装置12に関連する障害が発生していると判定した場合(ステップS3:YES)には、発生中の障害が舵角制御の実行に関する障害であるか否かを判定する(ステップS6)。
発生中の障害が舵角制御の実行に関する障害ではない、換言すると、発生中の障害が舵角制御を継続できる障害であると判定された場合(ステップS6:NO)には、走行支援ECU128により、運転操作要求が運転者に対して行われる(ステップS7)。舵角制御を継続できる障害とは、例えば、サブECU36sの障害、メインECU36mとサブECU36s間の通信の障害、及びサブECU36sとインバータ30間の制御ラインの障害等である。運転操作要求は、例えば、自動車10に搭載されるモニタとスピーカの少なくとも一方を利用して行われる。
運転操作要求がなされた後、EPS-ECU36は、把持センサ21の出力に基づき、ステアリングホイール20が把持されたか否かを判定する(ステップS8)。ステアリングホイール20が把持されていない場合(ステップS8:NO)にはステップS7の処理が継続され、ステアリングホイール20が把持された場合(ステップS8:YES)にはステップS5に処理が移行される。このように、舵角制御は継続できるものの、何らかの障害が発生している場合には、運転者に手動操舵を要求し、運転者がステアリングホイール20を把持すると、舵角制御が終了されて、手動の操向制御へと移行される。
EPS-ECU36は、舵角制御の実行に関する障害(舵角制御を継続できない障害)が発生していると判定した場合(ステップS6:YES)には、発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害であるか否かを判定する(ステップS9)。舵角制御を継続できず且つ舵角維持制御を実行できる障害とは、例えば、走行支援ECU128の障害、走行支援ECU128とメインECU36m間の通信の障害、サブECU36sの障害、メインECU36mとサブECU36s間の通信の障害、及びサブECU36sとインバータ30間の制御ラインの障害等である。
発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害であると判定された場合(ステップS9:YES)には、メインECU36mにより舵角維持制御が行われる(ステップS10)。
図4は、舵角維持制御が行われる場合の舵角の変化を示す模式図である。図4に示す時刻t1にて、舵角制御を実行できず且つ舵角維持制御を実行できる障害が発生すると、舵角維持制御が開始されて、時刻t1の直前の時点での舵角θ1が維持される。メインECU36mは、ステップS10にて舵角維持制御を行う場合には、この舵角維持制御を継続する時間を、図4に示す時間Tとする。この時間Tは、例えば、運転者が舵角維持制御の開始を認知してからステアリングホイール20の操作を開始するまでに要すると想定される時間に基づいて設定された既定値である。なお、後述するが、図5に示すように、メインECU36mは、舵角維持制御を開始してから時間Tが経過する前であっても、ステアリングホイール20の手動操作(操舵トルクが閾値TH2以上となる操作)を検知した場合には、その手動操作を契機として舵角維持制御を終了する。図5の例では、メインECU36mは、時刻t1aにて手動操作を検知すると、舵角維持制御を終了させる。メインECU36mは、舵角維持制御を終了させるタイミング(図4の例では時刻t2、図5の例では時刻t1a)になると、舵角が漸減して0になるように、モータ28のトルクを漸減させる。図4の例では、時刻t2から少し経過した時刻t3において、モータ28のトルクと舵角は0となる。
EPS-ECU36は、発生中の障害が舵角維持制御を実行できる障害ではないと判定した場合(ステップS9:NO)には、発生中の障害がトルク維持制御を実行できる障害であるか否かを判定する(ステップS11)。舵角制御を継続できず且つ舵角維持制御を実行できず且つトルク維持制御を実行できる障害とは、例えば、メインECU36mの障害、及び、メインECU36mとインバータ30間の制御ラインの障害等である。
発生中の障害がトルク維持制御を実行できる障害であると判定された場合(ステップS11:YES)には、サブECU36sによりトルク維持制御が行われる(ステップS12)。
図6は、トルク維持制御が行われる場合のモータ28のトルクの変化を示す模式図である。図6に示す時刻t1にて、舵角制御及び舵角維持制御を実行できず且つトルク維持制御を実行できる障害が発生すると、トルク維持制御が開始されて、時刻t1の直前の時点でのモータ28のトルクTstr1が維持される。サブECU36sは、ステップS12にてトルク維持制御を行う場合には、このトルク維持制御を最大限継続する時間を前述した時間Tとする。舵角維持制御のときと同様に、サブECU36sは、トルク維持制御を開始してから時間Tが経過する前であっても、ステアリングホイール20の手動操作を検知した場合には、その手動操作を契機としてトルク維持制御を終了する。サブECU36sは、トルク維持制御を終了させるタイミング(図6の例では時刻t2)になると、モータ28のトルクを漸減させてゼロにする。図6の例では、時刻t2から少し経過した時刻t3において、モータ28のトルクはゼロとなる。
EPS-ECU36は、発生中の障害がトルク維持制御を実行できない障害と判定した場合(ステップS11:NO、例えばメインECU36mのみ正常に作動している状態)には、走行支援システム14の作動を終了させ、自動車10の統括制御部に対し自動車10の制動を行うよう指示する(ステップS13)。これにより、自動車10は安全に停止される。
ステップS10又はステップS12の処理が開始された後には、走行支援ECU128により、運転操作要求が運転者に対して行われる(ステップS14)。運転操作要求がなされた後、EPS-ECU36は、トルクセンサ50によって検出される操舵トルクが閾値TH2を超えているか否かを判定する(ステップS15)。閾値TH2は、閾値TH1よりも小さい値である。ステップS15の判定がNOの場合には、ステップS14の処理が継続される。ステップS15の判定がYESの場合には、EPS-ECU36は、実行中の舵角維持制御又はトルク維持制御を終了する。このように、舵角維持制御又はトルク維持制御が行われている状態では、舵角制御が行われているときと比べると、ステアリングホイール20の僅かな操作によって、手動の操向制御へと切り替えられるようになっている。
(実施形態の効果)
以上のように、自動車10によれば、舵角制御を行っている状態にて、舵角制御の実行に関する障害が発生した場合には、その障害の発生前の操向状態(舵角又はモータ28のトルク)に基づいて舵角維持制御又はトルク維持制御が行われる。例えば、舵角制御によって自動車10が弧状の道路(いわゆるカーブ)を走行しているときに障害が発生した場合には、舵角維持制御又はトルク維持制御が行われることで、ステアリングホイール20を操作しなくとも、上記の時間Tの間は、自動車10がそのカーブに沿って移動できるようになる。したがって、運転者がステアリングホイール20の手動操作を開始するまでの間、自動車10を安全に移動させることができる。
また、自動車10によれば、舵角維持制御又はトルク維持制御が開始されてから時間Tが経過すると、操向装置による自動車10の操向の制限(舵角の維持又はモータ28のトルクの維持)が行われない状態となる。これにより、運転者の手動操作によって自動車10の操向操作が可能となる。したがって、障害が発生した場合でも、運転者の意思によって自動車10を安全に進行させることが可能となる。また、時間Tの経過前であっても、運転者がステアリングホイール20の操作を行うことで、舵角維持制御又はトルク維持制御は終了される。このため、すぐに運転者が操舵を行う場合でも、その操舵を反映して自動車10の操向を制御でき、運転者の意思に応じた自動車10の運転を実現できる。
また、自動車10によれば、舵角制御、舵角維持制御、及びトルク維持制御のどれが行われている場合でも、ステアリングホイール20の操作を行うことでこれらを終了させて、手動による操向制御へと移行させることが可能になる。舵角維持制御又はトルク維持制御を終了させるために必要なステアリングホイール20の操作量は、舵角制御を終了させるために必要な操作量よりも小さくて済む。このため、舵角制御の実行に関する障害の発生を運転者が認知し、運転者が手動による操向制御に移行したい場合に、微小な操作でその移行が可能になる。これにより、舵角維持制御又はトルク維持制御が行われている状態でステアリングホイール20が強く操作されることによる自動車10の挙動の乱れを防止でき、自動車10を安定して移動させることができる。図3の動作では、運転操作要求が行われるケースが2つある(ステップS7とステップS14)。ステップS7とステップS14は、いずれも、何らかの障害が発生している場合に行われる。ステップS15の判定で用いる閾値TH2が小さい値となっていることで、ステップS7の要求に応じて手動操舵に移行するための操作感と、ステップS14の要求に応じて手動操舵に移行するための操作感を近いものとすることができる。これにより、障害発生時においては、ステアリングホイール20を僅かに操作すれば手動操舵に移行できることを、運転者に意識付けすることができ、ステップS14の運転操作要求に応じてステアリングホイール20の大きな操作が行われるのを防いで、自動車10の挙動の乱れを防止できる。
なお、舵角制御から手動による操向制御への切り替えと、舵角維持制御又はトルク維持制御から手動による操向制御への切り替えは、ステアリングホイール20を操作することで可能としているが、これに限らない。例えば、自動車10のアクセルペダルやブレーキペダルを操作することで、この切り替えができるようにしてもよい。
また、EPS-ECU36は、図3のステップS6の判定がYESの場合には、舵角維持制御又はトルク維持制御の代わりに、ステアリング軸42に既定の負荷を入力する制御を行ってもよい。障害発生時には、舵角制御からこの制御に切り替わることで、自動車の操向をある程度は維持でき、障害発生時の安全な移動を実現できる。
また、EPS-ECU36は、図3のステップS15において、操舵トルクが閾値TH2を超えるという条件に加えて、次の条件C1~C6の少なくとも1つを満たす場合に、ステップS16の処理を行うようにしてもよい。
条件C1:舵角制御の実行に関する障害が発生してから所定時間が経過していること
条件C2:運転者による操舵方向と、舵角維持制御又はトルク維持制御による操向方向が一致していること
条件C3:運転者が自動車10の進行方向を注視していること
条件C4:運転者がステアリングホイール20を把持していること
条件C5:運転者の意識が運転に適したものあること
条件C6:運転者の姿勢が運転に適したものであること
条件C3、C5、C6については、自動車10に設けられた運転者を監視するためのカメラの情報を利用することで判定可能である。条件C4については、把持センサ20sの検出情報に基づいて判定可能である。条件C3~C6は既定条件を構成する。
または、EPS-ECU36は、図3のステップS15の判定がYESの場合に、上記条件C2を満たすか否かを判定し、条件C2を満たしている場合にはステップS16の処理を行う。一方、EPS-ECU36は、条件C2を満たしていない場合(運転者による操舵方向と、舵角維持制御又はトルク維持制御による操向方向が異なる場合)には、操舵トルクが閾値TH1よりも大きい閾値TH3を超えるか否かを更に判定し、操舵トルクが閾値TH3を超える場合にステップS16の処理を行い、操舵トルクが閾値TH3以下の場合にはステップS14に処理を戻すようにしてもよい。
なお、自動車10は、図3のステップS6の判定がNOとなった場合には、ステップS7とステップS8を行わずに、ステップS1に処理を戻して舵角制御を継続させるようにしてもよい。
(舵角維持制御又はトルク維持制御の第一変形例)
メインECU36mは、障害発生直前の舵角を舵角維持制御時に用いる目標舵角とする代わりに、障害の発生したタイミングから所定期間の間における舵角センサ52により検出された舵角の代表値を、舵角維持制御時に用いる目標舵角としてもよい。所定期間の舵角の代表値とは、例えば、この所定期間に検出された全ての舵角の平均値、又は、この所定期間に検出された全ての舵角の中央値等である。
サブECU36sは、障害発生直前のモータ28のトルクを維持する代わりに、障害の発生したタイミングから所定期間の間におけるモータ28のトルクの代表値を、トルク維持制御時に用いるトルクとしてもよい。所定期間のトルクの代表値とは、例えば、この所定期間における全てのトルクの平均値、又は、この所定期間における全てのトルクの中央値等である。
このように、障害発生後に維持する舵角又はトルクを、障害発生直前の所定期間における舵角の代表値又はトルクの代表値とすることで、障害発生直前に舵角の瞬間的な変動があった場合でも、その変動の影響を排除することができる。これにより、障害発生の前後で、舵角又はトルクが大きく変化するのを高い確度で防ぐことができ、自動車10を道路に沿って安全に移動させることができる。
(自動車の第一変形例)
EPS-ECU36は、サブECU36sが削除された構成であってもよい。この場合、メインECU36mが舵角制御を行っている状態で、走行支援ECU128から目標舵角が取得できなくなり、舵角制御が継続できなくなった場合には、メインECU36mが舵角維持制御を行う。この構成であっても、障害発生後は、ステアリングホイール20の操作を行うことなく、自動車10を一定期間、道路に沿って移動させることは可能である。
(自動車の第二変形例)
EPS-ECU36からメインECU36mが削除され、走行支援ECU128とサブECU36sが通信可能に接続された構成であってもよい。この場合には、サブECU36sが、舵角制御の代わりに、モータ28のトルクを制御するトルク制御を行う。トルク制御とは、走行支援ECU128から指示された目標舵角と自動車10の車速Vに基づいて、この目標舵角の実現に必要なトルク指示値(駆動電流値)を求め、この駆動電流値をモータ28に供給する制御である。このトルク制御は、第一操向制御を構成する。サブECU36sは、走行支援ECU128から目標舵角が取得できなくなり、トルク制御が継続できなくなった場合には、前述したトルク維持制御を行う。この構成であっても、障害発生後は、ステアリングホイール20の操作を行うことなく、自動車10を一定期間、道路に沿って移動させることは可能である。
(自動車の第三変形例)
EPS-ECU36と走行支援ECU128は別々のプロセッサとしたが、同一のプロセッサで構成されていてもよい。
(自動車の第四変形例)
EPS-ECU36は、舵角制御時にステアリングホイール20の手動操作を検出した場合と、舵角維持制御又はトルク維持制御時にステアリングホイール20の手動操作を検出した場合とで、操舵トルクに対する前輪86の操向角の値を変化させるとよい。例えば、舵角制御時にステアリングホイール20の手動操作を検出した場合には、操舵トルクと操向角の関係を1:1とし、舵角維持制御又はトルク維持制御時にステアリングホイール20の手動操作を検出した場合には、操舵トルクと操向角の関係を1:0.5となるよう制御すればよい。また、舵角維持制御又はトルク維持制御時における該制御は、手動操舵に移行してから既定時間のみ行い、その後は、舵角制御時と同様の制御(操舵トルクと操向角の関係を1:1とする制御)を行うことが好ましい。
ここまでの説明では、移動体として自動車を例示した。しかし、本発明の移動体の実施形態は、自動車に限らず、駆動輪を持たない船舶又は航空機等であってもよい。航空機の場合には、動翼を操作するための装置が操向装置を構成する。船舶の場合には、舵を操作するための装置が操向装置を構成する。
以上説明してきたように、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1) 操作部材の操作に応じて移動体の操向を変更可能な操向装置(ステアリングホイール20、ステアリングコラム22、中間ジョイント24、ステアリングギアボックス26、インバータ30、及びモータ28)と、前記操向装置を制御して移動体(自動車10)の操向を制御する操向制御装置(EPS-ECU36)と、を有する移動体であって、
前記操向制御装置は、
前記移動体の移動状況に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御(舵角制御)と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御(舵角維持制御、トルク維持制御)と、を選択的に行い、
前記第一操向制御を行っている状態にて、前記第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には前記第二操向制御を行い、
前記第一操向制御を行っている状態にて、前記操作部材(ステアリングホイール20、アクセルペダル、ブレーキペダル)の操作量が第一閾値(閾値TH1)を超える場合には前記第一操向制御を終了し、
前記第二操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が前記第一閾値よりも小さい第二閾値(閾値TH2)を超える場合には前記第二操向制御を終了する移動体。
(1)によれば、第一操向制御を行っている状態にて、第一操向制御の実行に関する障害が発生した場合には第二操向制御が行われる。例えば、第二操向制御によって障害発生前の操向状態を維持することが可能となり、第一操向制御が継続できないような障害が発生しても、移動体の進行方向を維持することが可能になる。また、第一操向制御と第二操向制御のどちらが行われている場合でも、操作部材の操作を行うことでこれらを終了させて、例えば手動による操向制御へと移行させることが可能になる。第二操向制御を終了させるために必要な操作量は、第一操向制御を終了させるために必要な操作量よりも小さくて済む。このため、第一操向制御の実行に関する障害の発生を乗員が認知し、乗員が手動による操向制御に移行したい場合に、微小な操作でその移行が可能になる。これにより、第二操向制御が行われている状態で操作部材が強く操作されることによる移動体の挙動の乱れを防止でき、移動体を安定して移動させることができる。
(2) (1)記載の移動体であって、
前記操向制御装置は、前記第二操向制御を開始してから所定時間が経過し且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
(2)によれば、操作部材の操作量が第二閾値を超える場合でも、障害が発生してから所定時間は第二操向制御が継続される。そして、所定時間の経過後は、操作部材の操作によって第二操向制御を終了させて手動操作による操向制御に移行することが可能となる。このため、障害発生後の所定時間は第二操向制御による安全な移動を実現でき、その後は、乗員の操作に応じた安全な移動を実現できる。
(3) (1)又は(2)記載の移動体であって、
前記操向制御装置は、乗員の状態が既定条件を満たすか否かを判定し、前記既定条件を満たしており且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
(3)によれば、操作部材の操作量が第二閾値を超える場合でも、乗員が既定条件を満たす状態になければ、第二操向制御は継続される。例えば、乗員が操向装置の操作に適した状態にない状態で第二操向制御が終了されるのを防ぐことができ、障害発生時の安全な移動を実現できる。
(4) (1)から(3)のいずれか記載の移動体であって、
前記操作部材は、前記操向装置に設けられた操作子(ステアリングホイール20)である移動体。
(4)によれば、操向装置の手動操作に応じて第二操向制御を終了させることができる。このため、第二操向制御を終了させる動作と、手動で操向の制御を開始する動作とを一致させることができ、第二操向制御による移動から手動操作による移動へと円滑に移行できる。
(5) (1)から(4)のいずれか記載の移動体であって、
前記操向制御装置は、前記操作部材の操作に基づく操向方向と前記第二操向制御に基づく操向方向とが同じであり且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
(5)によれば、障害の発生を認知した乗員が、意図せず、移動体の操向方向と反対方向に操作部材を操作してしまっても、第二操向制御を継続することができる。このため、障害発生時の安全な移動を実現できる。
(6) (1)から(5)のいずれか記載の移動体であって、
前記操向制御装置は、前記操作部材の操作に基づく操向方向と前記第二操向制御に基づく操向方向とが異なる状態にて、前記操作量が前記第一閾値よりも大きい第三閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
(6)によれば、障害の発生を認知した乗員が、意図せず、移動体の操向方向と反対方向に操作部材を操作してしまっても、その操作量が十分に大きくない限り、第二操向制御を継続することができる。このため、障害発生時の安全な移動を実現できる。
(7) (1)から(6)のいずれか記載の移動体であって、
前記第二操向制御は、前記移動体の車輪(前輪86)の操向角を前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持する操向角維持制御(舵角維持制御)と、前記操向装置に含まれるアクチュエータのトルクを前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持するトルク維持制御との少なくとも一方、を含む移動体。
(7)によれば、第二操向制御によって、障害発生前の操向角又はトルクを維持できるため、障害発生時には、障害発生前の移動状況に応じた操向状態を維持でき、移動中の経路に応じた安全な移動を実現できる。
10 自動車(移動体)
36 EPS-ECU
128 走行支援ECU
20 ステアリングホイール(操作部材)

Claims (10)

  1. 操作部材の操作に応じて移動体の操向を変更可能な操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、を有する移動体であって、
    前記操向制御装置は、
    前記移動体の移動状況に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御と、を選択的に行い、
    前記第二操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が所定閾値を超える場合には前記第二操向制御を終了し、
    前記第一操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が第一閾値を超える場合には前記第一操向制御を終了し、
    前記所定閾値は、前記第一閾値とは異なる第二閾値である移動体。
  2. 請求項に記載の移動体であって、
    前記第二閾値は、前記第一閾値よりも小さい移動体。
  3. 請求項1又は2に記載の移動体であって、
    前記操向制御装置は、前記第二操向制御を開始してから所定時間が経過し且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の移動体であって、
    前記操向制御装置は、乗員の状態が既定条件を満たすか否かを判定し、前記既定条件を満たしており且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の移動体であって、
    前記操作部材は、前記操向装置に設けられた操作子である移動体。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体であって、
    前記操向制御装置は、前記操作部材の操作に基づく操向方向と前記第二操向制御に基づく操向方向とが同じであり且つ前記操作量が前記第二閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体であって、
    前記操向制御装置は、前記操作部材の操作に基づく操向方向と前記第二操向制御に基づく操向方向とが異なる状態にて、前記操作量が前記第一閾値及び前記第二閾値よりも大きい第三閾値を超える場合に、前記第二操向制御を終了する移動体。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の移動体であって、
    前記第二操向制御は、前記移動体の車輪の操向角を前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持する操向角維持制御と、前記操向装置に含まれるアクチュエータのトルクを前記第一操向制御による前記移動体の操向状態に基づく値に維持するトルク維持制御との少なくとも一方、を含む移動体。
  9. 操作部材の操作に応じて移動体の操向を変更可能な操向装置と、前記操向装置を制御して移動体の操向を制御する操向制御装置と、を有する移動体であって、
    前記操向制御装置は、
    前記移動体の移動状況に基づいて前記移動体の操向を制御する第一操向制御と、前記移動体の操向を制限する第二操向制御と、を選択的に行い、
    前記第二操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が所定閾値以下の場合には前記第二操向制御を継続し、
    前記第一操向制御を行っている状態にて、前記操作部材の操作量が第一閾値以下の場合には前記第一操向制御を継続し、
    前記所定閾値は、前記第一閾値とは異なる第二閾値である移動体。
  10. 請求項に記載の移動体であって、
    前記第二閾値は、前記第一閾値よりも小さい移動体。
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