JP7108446B2 - 調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、調理器に関する。
誘導加熱(IH)方式の炊飯器は、加熱ムラを抑制し、均一な炊き上がりを図り得る。
特許文献1,2は、複数の誘導加熱のためのコイルを備えるIH炊飯器、つまりマルチコイル型のIH炊飯器を開示している。この種の炊飯器では、個々のコイルが配置された領域で鍋が局部的に加熱される結果、鍋内に局部的な対流が発生する。これらの局部的な対流は、鍋内の飯米の撹拌を促進するため、より均一な炊き上がりが図られる。
特開平5-317172号公報 特開平5-253058号公報
マルチコイル型のIH方式の炊飯器では、コイルの形状や配置に応じて加熱態様が大きく変化する。しかし、特許文献1,2のマルチコイル型の炊飯器では、コイルの形状や配置について詳細に検討されておらず、加熱ムラを抑制する観点でコイルの形状や配置に改善の余地がある。
マルチコイル型のIH方式の調理器において、加熱ムラを抑制することを課題とする。
本発明は、鍋底部、鍋側部、およびそれらを接続する湾曲部を有する有底円筒状の鍋と、前記鍋の記鍋底部前記湾曲部、および前記鍋側部の外側にて、前記鍋の周方向に沿って配置された複数のコイルと、前記複数のコイルのうちの1つを通電して残りを遮断し、通電する前記コイルを順次切り換える電力供給部とを備え、前記コイルの面積は、前記電力供給部から所定の最大電力が供給されたとき、単位面積当たり12.5(W/cm)以上通電されるように12cm 以下の面積であり、前記コイルの形状は、平面視楕円形状であり、前記鍋の周方向に前記楕円形状の長軸が沿うように前記コイルは配置されている、調理器を提供する。
この構成によれば、複数のコイルが鍋の少なくとも鍋底部および湾曲部の外側に配置されているため、コイルが平面的ではなく立体的に配置されている。このようにして立体的な加熱を行うことによって加熱ムラを抑制できる。特に炊飯器や煮込み料理を行う調理器においては、鍋内に対流を発生させ、被調理物をよくかきまぜることが加熱ムラの抑制に有効である。対流を発生させるためには、単位面積当たりにコイルに供給される電力(以降、W密度ともいう)が一定以上であることが必要である。W密度が大きいほど対流を発生させることができるが、一般家庭で供給可能な最大電力は規定されているため、コイルに供給する電力を増やすことには限界がある。そこで、コイルの面積を上記のように所定以下にすることで、W密度を増加させ、対流を発生させることができる。また、マルチコイル型のIH方式の調理器では、複数のコイルのうちの1つが通電されて残りが遮断されるようにすることで、W密度を増加できる。通電するコイルは順次切り替えられるため、鍋内の全体にて対流を効率的に発生させることができる。なお、鍋の「有底円筒状」とは、厳密な円筒だけに限らず、鍋側部に勾配を有するようなテーパ状のものも含む。また、鍋底部、鍋側部、および湾曲部は曲率によって区分される部分であり、各部は平坦とは限らない。さらに、湾曲部は、鍋底部と鍋側部を繋ぐR部(フィレット部)等の角部であってもよい。また、複数のコイルが鍋の鍋底部、湾曲部、および鍋側部の外側に配置されているため、より立体的な加熱を行うことによって加熱ムラを抑制できる。また、コイルの楕円形状の長軸が鍋の周方向に沿って配置されているので、鍋の周方向におけるコイル同士の間隔を狭めることができる。これにより、コイルの面積が前述のように規定されている中で、コイル同士の間隔を狭め、鍋を周方向にわたって加熱する面積を確保できる。
前記楕円形状の短軸方向の幅が92mm以上かつ110mm以下であってもよい。
この構成によれば、コイルの面積が前述のように規定されている中で、短軸方向の幅の上下限を規定しているため、コイルの形状を具体的に設計できる。特に、短軸方向の幅が上記範囲にあるとき、炊飯器や煮込み料理を行う調理器においては、鍋内に対流を発生させ、被調理物をよくかきまぜることができることを本願発明者らは実験的に確認した。
隣接する前記コイル間には、隙間が設けられてもよい。
この構成によれば、コイル同士が接触していないため、コイル同士で伝熱しない。よって、各コイルによって各部を加熱できる。また、コイル同士が重複していないため、各コイルからの誘導加熱量を一定にできる。換言すれば、コイル同士が重なった部分が存在すると、重なった部分では保護枠までの距離がコイルによって異なることになり、誘導加熱量が一定にならないおそれがあるが、この問題を防止できる。
前記隙間は、10mm以上かつ50mm以下であってもよい。
この構成によれば、コイル間の隙間が10mm以上であることで、各コイルが配置される領域が当該隙間によって区画される。よって、各コイルによって各部を加熱できる。また、コイル間の隙間が50mm以下であることで、非加熱領域を少なくして均一に加熱できる。
前記調理器は、前記鍋を収容する鍋収容部であって、前記鍋底部の外側に配置される底部、前記鍋側部の外側に配置される側部、および、前記湾曲部の外側に配置され、前記底部と前記側部を接続する曲部を有する有底円筒状の前記鍋収容部をさらに備え、前記鍋収容部の前記曲部には、前記コイルの内形に沿った円弧状のコイル取付部が設けられてもよい。
この構成によれば、保護枠の曲部にコイルを取り付けることによって鍋の湾曲部を積極的に加熱できるため、立体的な加熱を実現できる。特にコイル取付部がコイルの内形に対応する円弧状であるため、コイルを正確に位置決めして取り付けることができる。なお、鍋収容部の「有底円筒状」とは、厳密な円筒だけに限らず、側部に勾配を有するようなテーパ状のものも含む。また、底部、側部、および曲部は曲率によって区分される部分であり、各部は平坦とは限らない。さらに、曲部は、底部と側部を繋ぐR部(フィレット部)等の角部であってもよい。
本発明によれば、マルチコイル型のIH方式の調理器において、コイルの面積を所定以下にすることで、W密度を増加させ、対流を発生させるため、加熱ムラを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る炊飯器の上方からの斜視図。 蓋体を開いた状態の炊飯器の上方からの斜視図。 図2の状態から鍋を取り出した状態の炊飯器の上方からの斜視図。 炊飯器の分解斜視図。 鍋収容部材の斜視図。 炊飯器本体の一部の内部部品の分解斜視図。 鍋と鍋収容部とコイルの位置関係を示す断面図。 コイルの配置を示す鍋の底面図。 コイルの配置を示す鍋収容部の底面図。 電気配線を示すブロック図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る炊飯器(調理器)1の上方からの斜視図である。図2は、蓋体200を開いた状態の炊飯器1の上方からの斜視図である。図3は、図2の状態から鍋10を取り出した状態の炊飯器1の上方からの斜視図である。
図1~3を参照して、炊飯器1は、飯米を加熱する有底筒状の鍋10を着脱可能に収容する炊飯器本体100と、炊飯器本体100に対して回動可能に配設された蓋体200とを備える。
鍋10は、円板状の鍋底部10a、円筒状の鍋側部10b、およびそれらを接続する湾曲部10cを有する。詳細には、鍋底部10aは、左右方向に略平坦に延在する円形状をしている。鍋側部10bは、上下方向に且つ外方に延在する略円筒形状をしている。湾曲部10cは、鍋底部10aの径方向外端と鍋側部10bの下端とをつなぐ曲面形状をしている。
蓋体200は、炊飯器本体100のヒンジ接続部121に回動可能に取り付けられ、炊飯器本体100に対して閉じられたとき、炊飯器本体100の開口部を閉塞する。蓋体200は、その前方側において、炊飯器1を操作するための操作部210と、操作状況や動作状況を表示する表示部220とを有し、その後方側において、排気通路の出口である蒸気排出口230を有する。操作部210は、複数の操作ボタン211と、開放ボタン212とを有する。操作ボタン211は、炊飯器1の動作状態を切り替えるためのボタンであり、例えば炊飯を開始するボタン、動作を取り消すボタン、および電源ボタン等である。開放ボタン212は、ロック機構によって閉鎖状態が維持されている蓋体200を開放するためのボタンである。
炊飯器本体100の側面には、U字型のハンドル20が取り付けられている。ハンドル20は、取付部を支点として回動するようになっている。
図2,3に示すように、蓋体200の内側には、閉塞状態で鍋10の上端開口11を閉塞する内蓋240が取り付けられている。内蓋240は、鍋10の上端開口11の内周部に密着して上端開口11を閉塞するシール部材241を有する。内蓋240は、蓋体200に対して着脱可能に取り付けられている。
図4は、炊飯器1の分解斜視図である。
炊飯器本体100は、外装として、側方に配置される2枚の対向する側面パネル111,112と、前方に配置される前面パネル113と、上端に開口部114aを有する箱状の本体ケーシング114とを備える。側面パネル111,112と、前面パネル113とは、本体ケーシング114の両側面および前面にそれぞれ取り付けられる。
本体ケーシング114には、開口部114aを覆うように肩体120が上方から取り付けられる。肩体120の後方側には、蓋体200を回動可能に装着するためのヒンジ接続部121が設けられている。肩体120の前方側には、蓋体200の前部に設けられたロック爪250(図3参照)と係合する係合穴122(図3参照)が設けられている。肩体120の下方には、鍋10を収容する内胴125および鍋収容部材130が配設されている。内胴125は、鍋10よりわずかに大きな径を有する円筒状であり、金属材料からなる。
図5は、鍋収容部材130の斜視図である。
鍋収容部材130は、鍋10を収容する有底円筒状の鍋収容部131と、制御基板140,141を支持する基板支持部132,133とを備える。鍋収容部材130(より直接的には鍋収容部131)は、保護枠とも呼ばれており、非導電性材料(例えば合成樹脂材料)からなる。
図4,5を併せて参照して、鍋収容部131は、鍋底部10aの外側に配置される円板状の底部131a、鍋側部10bの外側に配置される円筒状の側部131b、および、湾曲部10cの外側に配置され、底部131aと側部131bを接続する曲部を有する。詳細には、底部131aは、左右方向に略平坦に延在する円形状をしている。側部131bは、上下方向に且つ外方に延在する略円筒形状をしている。曲部131cは、底部131aと側部131bとをつなぐ曲面形状をしている。曲部131cには、ねじ孔が設けられ、鉛直方向に延びる円柱状のボス131dが設けられている。
基板支持部132,133は、鍋収容部131の前方側および後方側にそれぞれ設けられている。基板支持部132,133に収容された制御基板140,141は、後述する誘導加熱等を制御している。特に、制御基板141は、隣接配置されるファン142(図4参照)によって冷却される。
鍋収容部材130の上側周縁部には、複数のブラケット部134が設けられている。ブラケット部134は、肩体120に対してねじ締結するために使用される。鍋収容部材130の底面中央には、中央支持部135(図6に明瞭に示す)が設けられている。中央支持部135は、略円筒状をなして下方に突出して、対向する本体ケーシング114の底板に当接して支持する。
図6は、炊飯器本体100の一部の内部部品の分解斜視図である。図6は、図1~5に対して上下を逆にして示されている。このように炊飯器本体100を下方から見ると、鍋収容部材130と、コイル150a~150cと、フェライトホルダ160a~160cと、反射板170a~170cとが、この順に重なるように配置されている。図6では、3組のコイル150a~150cとフェライトホルダ160a~160cと反射板170a~170cとが示されているが、そのうち1組のコイル150aとフェライトホルダ160aと反射板170aとが分解して示されている。以降、これらを区別する必要がないときはそれぞれ単にコイル150とフェライトホルダ160と反射板170ともいう。なお、図4,6では、図示を明瞭かつ簡易にするためにコイル150の形状が模式的に示されている。実際には、コイル150は、複数の巻線が巻回されてなる渦巻き形状である。
鍋収容部131の外周面には、平面視において楕円形状(詳細には外形楕円型のドーナツ形状)のコイル150が配設されている。本実施形態では、3つのコイル150a~150cが、鍋収容部131の外周面に沿って周方向に等間隔に配置されている。コイル150は、高周波電流が通電されることによって電磁波を発生させ、それによって鍋収容部材130を介して鍋10を誘導加熱する。
コイル150の直下(図6では上方)には、コイル150からの磁束を収束させるためのフェライトコア165を収容するフェライトホルダ160が配置されている。
図5,6を併せて参照して、フェライトホルダ160は、基部161と、基部161から放射状に延出する4つの延出部162とを有する。即ち、フェライトホルダ160は、平面視において概ね十字型である。詳細には、4つの延出部162のうち3つは鍋収容部131の底部131aに沿って配置され、残りの1つは側部131bに沿って配置される。2つの延出部162は鍋収容部131の周方向に沿って延びており、コイル150の楕円形状の長径部を押さえるように配置される。2つの延出部162は鍋収容部131の径方向に沿って延びており、コイル150の短径部を押さえるように配置される。特に鍋収容部131の底部131aに沿って配置される延出部162は、鍋収容部材130の上部の係着部136に係着される。4つの延出部162は、スロット形状をそれぞれ有し、当該スロットにフェライトコア165が収容されている。基部161には、ねじ締結用の貫通孔163が形成されたボス受け164が設けられている。フェライトホルダ160には、鍋収容部131の底部131aに沿って延びる延出部162に隣接して同方向に延びるヒューズ収容部166が設けられている。ヒューズ収容部166は凹形状を有し、ヒューズ収容部166には円柱状の温度ヒューズ167が収容されている。なお、図6では、ヒューズ収容部166から温度ヒューズ167が取り外されている。
フェライトホルダ160の直下(図6では上方)には、コイル150から発生する高周波磁界が周辺機器に悪影響を及ぼすことを抑制するための反射板170が配置されている。反射板170は、1枚の板金を屈曲加工してなる一体構造をしている。反射板170の材質は、鍋10よりも電気抵抗値が低い銅またはアルミニウム等である。
反射板170は、鍋収容部131の底部131aに対向して配置される底板171と、側部131bに対向して配置される側板172と、これらを接続する連続部173とを有している。底板171および側板172は、それぞれ概ね半楕円状の平板である。当該楕円形状の曲率は、対応するコイル150の楕円形状の曲率と概ね同じである。連続部173の中央には、コイル150の内形に対応した形状の開口部173aが設けられている。開口部173aは、底板171と側板172を打ち抜いて形成されており、その中央にはねじ締結部173cが架け渡されている。従って、開口部173aは、ねじ締結部173cによって区切られた2つの開口を有している。ねじ締結部173cは、底板171が連続部173まで延出した部分である。ねじ締結部173cには、ねじ締結用のねじ孔173dが設けられている。また、連続部173には開口部173aを挟むように2つの段差部173bが設けられている。段差部173bは、組み立てられた際にコイル150に近づくように形成されており、即ちコイル150に向かって凸の段差形状を有する。
炊飯器本体100が組み立てられた状態では、フェライトホルダ160と鍋収容部131との間にコイル150が挟持されることによって、コイル150の位置が固定される。本実施形態では、フェライトホルダ160のボス受け164に鍋収容部131のボス131dが受け入れられた状態で、ボス131dと、反射板170のねじ孔173dと、フェライトホルダ160の貫通孔163とが共締めされ、それぞれが固定される。
図7は、鍋10と鍋収容部131とコイル150との位置関係を示す断面図である。
コイル150は、鍋10の鍋底部10a、鍋側部10b、および湾曲部10cの外側に配置されている。また、コイル150は、鍋収容部131の底部131a、側部131b、および曲部131cの外面に当接している。炊飯の際の対流を促す観点からは、コイル150は、少なくとも鍋底部10aおよび湾曲部10cの外側に配置されていることが好ましく、即ち少なくとも鍋収容部131の底部131aおよび曲部131cに当接していることが好ましい。
図8は、コイル150の配置を示す鍋10の底面図である。図8では、コイル150と鍋10との位置関係を示すために鍋収容部材130が図示されていないが、本来は図7に示すようにコイル150と鍋10との間には鍋収容部材130が介在している。コイル150は、鍋10の周方向にコイル150の楕円形状の長軸が沿うように配置されている。
本実施形態では、コイル150の短軸方向の幅(短径w1)は例えば、97mmであり、長軸方向の幅(長径w2)は例えば120mmである。コイル150の楕円形状は、当該数値に限定されるものではないが、好ましくは以下に示すように短軸方向の幅は92mm以上かつ110mm以下である。
本願発明者らは、コイル150の短軸方向の幅を92mm以上かつ110mm以下に規定することで、Brix値と称される米飯の旨み成分が大きくなることを実験的に確認した。実験では、5.5合炊きと10合炊きの2つの容量の炊飯器を使用し、本実施形態のコイル150の配置の下、コイル150の短軸方向の幅のみを変更してBrix値を測定した。短軸方向の幅の変更においては、コイル150を配置した鍋10の径方向における最内点は一致させた状態で径方向外側へコイル150を大きくする条件で実験を行った。実験では、コイル150の素線数を45本とし、巻数を23回としている。なお、コイル150の素線数については25本とし、巻数については24回として別の実験を行ったが、大きな変化が見られず、影響する要因として大きいのはコイル150の面積であることも同時に確認している。また、コイル150の内形は、短径34mm、長径62mmとしている。実験結果を以下の表1,2に示す。
Figure 0007108446000001
Figure 0007108446000002
表1を参照すると、コイル150の短軸方向の幅が92~102mmで良好なBrix値が得られている。表2を参照すると、コイル150の短軸方向の幅が100~110mmで良好なBrix値が得られている。従って、好ましくは、コイル150の短軸方向の幅は92~110mmであり、さらに好ましくは100~102mmである。
図8に示すコイル150a~150cの配置において、各コイル150a~150cは互いに接触しておらず、隙間Dを空けて配置されている。好ましくは、当該隙間Dは、10mm以上かつ50mm以下である。本実施形態では、当該隙間Dは、例えば26mmである。
図9は、コイル150の配置を示す鍋収容部131の底面図である。
鍋収容部131の曲部131cには、コイル150の内形に沿った円弧状のコイル取付部131eが設けられている。本実施形態では、コイル取付部131eは、鍋収容部131の周方向に沿って複数設けられており、各コイル150a~150cに対して2つずつ、計6つ設けられている。各コイル150a~150cにそれぞれ対応する2つずつのコイル取付部131eは、互いに対向し、各コイル150a~150cの長軸方向の内端に接している。
コイル150a~150cは、通電および制御のために不図示の電線を介して制御基板140,141(図5参照)にそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態では、コイル150a~150cは全て同じものである。コイル150a~150cには上記電線を介してそれぞれ独立に通電できるようになっている。
図10は、炊飯器1の電気配線を示すブロック図である。
炊飯器1の制御基板140,141は、制御装置として機能する。制御基板140,141には、IH回路143と、切換部144とを備える電力供給部145が設けられている。IH回路143は、コイル150に所定の電力(高周波電流)を供給する部分である。切換部144は、以下に詳細を説明するように各コイル150a~150cへの通電を切り換える部分であり、例えばマイコンであってもよい。また、切換部144は、表示部を有する基板に設けられてもよい。本実施形態では、切換部144は、例えば3つのコイル150のうちの1つが通電されて残りが遮断されるように切り換えることができる。IH回路143から切換部144へと延びる電気配線には、3個の温度ヒューズ167と電源部146とが直列接続の態様で介設されている。従って、3個の温度ヒューズ167のうち1個でも遮断されると、全てのコイル150a~150cへの通電が遮断される。
コイル150のそれぞれは、電力供給部145から所定の最大電力が供給されたとき、単位面積当たり12.5(W/cm)以上通電される面積であることが好ましく、即ち、W密度を一定以上にすることが好ましい。これにより、炊飯の際に鍋10内に対流を発生させることができる。本実施形態では、例えば、コイル150の単位面積当たり12.5(W)通電される。
一般家電では配電盤やコンセントの関係上、供給電力に制限があり、即ち供給可能な最大電力が規定されている。例えば日本では、コンセントから供給される電力は通常1500W以下に規定されている。また、1500Wの電力は、全てコイル150に供給されるわけではなく、表示部220やその他の電子部品にも分散して供給される。従って、コイル150に供給される電力は、例えば最大で1200W程度となる。1つのコイル150に供給される最大電力が例えば1200Wのとき、前述のようにW密度を所定以上にするためには、1つのコイル150の面積を12cm以下にすることが好ましい。本実施形態では、1つのコイル150の面積は、例えば9.6cmである。
本実施形態では、制御基板140,141からコイル150に対して以下のように適切なタイミングで高周波電流を通電するように制御している。
図6を参照して、例えば、コイル150aだけに高周波電流を通電すると、コイル150aに対応する、鍋10(図4参照)の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱される。当該加熱領域が集中的に加熱されることにより、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。上下方向の大きな対流によって大きな撹拌効果が得られ、炊飯中において、飯米に含まれる旨み成分(溶出糖分など)を引き出すことができる。なお、当該加熱領域を集中的に加熱するためには、コイル150の加熱出力に依存するが、少なくとも0.5秒程度通電することが好ましい。例えば、0.5秒から30秒にわたって、コイル150aだけに通電される。
同様に、コイル150bだけに高周波電流を上記時間にわたって通電すると、コイル150bに対応する、鍋10の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱されて、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。また、コイル150cだけに高周波電流を上記時間にわたって通電すると、コイル150cに対応する、鍋10の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱されて、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。
このように、例えばコイル150aだけに通電して他のコイル150b,150cを非通電にすると、通電されたコイル150aに対応する、鍋10の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱されて、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。すなわち、通電による部分的な加熱領域と、非通電による非加熱領域との間での温度差が大きくなり、大きな対流が起こるので、大きな撹拌効果が得られる。
次に、コイル150aの隣に位置するコイル150bだけに通電して他のコイル150a,150cを非通電にすると、通電されたコイル150bに対応する、鍋10の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱されて、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。さらに、コイル150bの隣に位置するコイル150cだけに通電して他のコイル150a,150bを非通電にすると、通電されたコイル150cに対応する、鍋10の底面部から側面部にかけての上下方向(縦方向)の広い領域が部分的に誘導加熱されて、鍋10内の当該加熱領域において上下方向の大きな対流が起こる。
従って、複数のコイル150のうち、或るコイルに通電したあと、或るコイルの隣りに位置する他のコイルに通電するとともに他のコイル以外を非通電にすることを順次行うように制御できる。当該制御によれば、部分的な加熱による上下方向の大きな対流が、鍋10の周方向において順次移動して、上下方向の対流及び周方向の対流が複合化した対流を鍋10内で生じさせることができる。複合化した対流により、炊飯中において、飯米に含まれる旨み成分(溶出糖分など)をさらに引き出すことができる。
本実施形態の炊飯器1によれば、以下のメリットがある。
複数のコイル150が鍋10の少なくとも鍋底部10aおよび湾曲部10cの外側に配置されているため、コイル150が平面的ではなく立体的に配置されている。このようにして立体的な加熱を行うことによって加熱ムラを抑制できる。炊飯器1においては、鍋10内に対流を発生させ、飯米をよくかきまぜることが加熱ムラの抑制に有効である。対流を発生させるためには、単位面積当たりにコイル150に供給される電力(以降、W密度ともいう)が一定以上であることが必要である。W密度が大きいほど対流を発生させることができるが、一般家庭で供給可能な最大電力は規定されているため、コイル150に供給する電力を増やすことには限界がある。そこで、コイル150の面積を前述のように所定以下にすることで、W密度を増加させ、対流を発生させることができる。また、本実施形態では、切換部144によって、複数のコイル150のうちの1つが通電されて残りが遮断されるようにしているので、W密度を増加している。通電するコイル150は順次切り替えればよく、これにより鍋10内の全体にて対流を効率的に発生させることができる。
3つのコイル150が鍋10の鍋底部10a、湾曲部10c、および鍋側部10bの外側に配置されているため、より立体的な加熱を行うことによって加熱ムラを抑制できる。
コイル150の楕円形状の長軸が鍋10の周方向に沿って配置されているので、鍋10の周方向におけるコイル150同士の間隔を狭めることができる。これにより、コイル150の面積が前述のように規定されている中で、コイル150同士の間隔を狭め、鍋10を周方向にわたって加熱する面積を確保できる。
コイル150同士が接触していないため、コイル150同士で伝熱しない。よって、各コイル150によって鍋10の対応部分を加熱できる。また、コイル150同士が重複していないため、各コイル150からの誘導加熱量を一定にできる。換言すると、コイル150同士が重なった部分が存在するとでは鍋10までの距離がコイル150によって異なることになり、誘導加熱量が一定にならないおそれがあるが、この問題を防止している。
コイル150間の隙間が10mm以上であることで、各コイル150が配置される領域が当該隙間によって区画される。よって、各コイル150によって鍋10の対応部分を加熱できる。また、コイル150間の隙間が50mm以下であることで、非加熱領域を少なくして均一に加熱できる。
鍋収容部131の曲部131cにコイル150を取り付けることによって曲部131cを積極的に加熱できるため、立体的な加熱を実現できる。特にコイル取付部131eがコイル150の内形に沿った円弧状であるため、コイル150を正確に位置決めして取り付けることができる。
以上より、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
また、上記実施形態では、調理器の一例として飯米を炊飯する炊飯器1を挙げて説明しているが、本発明は、炊飯器1に限定されず、例えば他の被調理物(例えば、ビーフシチューやクリームシチューのような煮込み物)を加熱して調理する調理器にも適用可能であり、同様の作用及び効果を奏することができる。
1 炊飯器(調理器)
10 鍋
10a 鍋底部
10b 鍋側部
10c 湾曲部
11 上端開口
20 ハンドル
100 炊飯器本体
111,112 側面パネル
113 前面パネル
114 本体ケーシング
114a 開口部
120 肩体
121 ヒンジ接続部
122 係合穴
125 内胴
130 鍋収容部材
131 鍋収容部(保護枠)
131a 底部
131b 側部
131c 曲部
131d ボス
131e コイル取付部
132,133 基板支持部
134 ブラケット部
135 中央支持部
136 係着部
140,141 制御基板
142 ファン
143 IH回路
144 切換部
145 電力供給部
146 電源部
150,150a,150b,150c コイル
160,160a,160b,160c フェライトホルダ
161 基部
162 延出部
163 貫通孔
164 ボス受け
165 フェライトコア
166 ヒューズ収容部
167 温度ヒューズ
170,170a,170b,170c 反射板
171 底板
172 側板
173 連続部
173a 開口部
173b 段差部
173c ねじ締結部
173d ねじ孔
200 蓋体
210 操作部
211 操作ボタン
212 開放ボタン
220 表示部
230 蒸気排出口
240 内蓋
241 シール部材
250 ロック爪

Claims (5)

  1. 鍋底部、鍋側部、およびそれらを接続する湾曲部を有する有底円筒状の鍋と、
    前記鍋の記鍋底部前記湾曲部、および前記鍋側部の外側にて、前記鍋の周方向に沿って配置された複数のコイルと、
    前記複数のコイルのうちの1つを通電して残りを遮断し、通電する前記コイルを順次切り換える電力供給部と
    を備え、
    前記コイルの面積は、前記電力供給部から所定の最大電力が供給されたとき、単位面積当たり12.5(W/cm)以上通電されるように12cm 以下の面積であり、
    前記コイルの形状は、平面視楕円形状であり、
    前記鍋の周方向に前記楕円形状の長軸が沿うように前記コイルは配置されている、調理器。
  2. 前記楕円形状の短軸方向の幅が92mm以上かつ110mm以下である、請求項に記載の調理器。
  3. 隣接する前記コイル間には、隙間が設けられている、請求項1または請求項2に記載の調理器。
  4. 前記隙間は、10mm以上かつ50mm以下である、請求項に記載の調理器。
  5. 前記鍋を収容する鍋収容部であって、前記鍋底部の外側に配置される底部、前記鍋側部の外側に配置される側部、および、前記湾曲部の外側に配置され、前記底部と前記側部を接続する曲部を有する有底円筒状の前記鍋収容部をさらに備え、
    前記鍋収容部の前記曲部には、前記コイルの内形に沿った円弧状のコイル取付部が設けられている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の調理器。
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