JP7106994B2 - 転舵システム - Google Patents
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Description
ギヤボックス22は、図2に示すように、ラックアンドピニオン機構を備えたものである。ステアリングホイール10は、ステアリングシャフト、トーションバー23等を介してピニオンギヤ28に連結され、ピニオンギヤ28がラックバー20の歯部に噛み合わされる。それにより、ステアリングホイール10の回転がラックバー20の車両の幅方向(左右方向)の移動に変換されて、左右前輪12,14が転舵される。なお、トーションバー23は、一端部においてピニオンギヤ28に一体的に回転可能に連結され、他端部においてステアリングホイール10(ステアリングシャフト)に一体的に回転可能に連結される。
また、図1に示すように、本実施例において、電動アシスト機構26は、トーションバー23のギヤボックス22よりステアリングホイール側(上流側と称することができる)の部分に設けられるのであり、電動アシスト機構26と液圧アシスト機構24とは直列に設けられる。そのため、電動モータ38によってトーションバー23にトルクが加えられ、その電動モータ38によってトーションバー23に加えられたトルクに応じた液圧による移動力が液圧アシスト機構24によってラックバー20に加えられる。また、電動モータ38によってトーションバー23に加えられたトルクはギヤボックス22を介して直接ラックバー20に移動力として加えられる。以上のように、ラックバー20には、少なくとも電動アシスト機構26と液圧アシスト機構24とによって移動力が加えられ、左右前輪12,14が転舵されることになる。
液圧センサ112は、前述のように、液圧アシスト機構24のコントロールバルブ34の制御液圧を検出するものであるが、コントロールバルブ34の制御液圧はパワーシリンダ30の右室46または左室48に供給されるため、右室46または左室48の液圧を検出するものであると考えることもできる。
目標横加速度と電動モータ38の出力トルクである目標トルクとの関係を表すトルク決定マップが予め記憶され、そのトルク決定マップとLTA制御において決定された目標横加速度とに基づいて、電動モータ38によって出力される目標トルクが決定されるのであるが、トルク決定マップとして、図5の破線で表す、液圧アシスト機構24が正常である場合の正常時マップと、実線で表す、液圧アシスト機構24が異常である場合の異常時マップとが記憶部100mに予め記憶されている。異常時マップは、正常時マップより、目標横加速度Gy*が同じである場合の電動モータ38の目標トルクが大きくなるように設定されている(Tg1>Tg2)。
そして、LTA制御において、液圧アシスト機構24が正常である場合には、電動モータ38の目標トルクが正常時マップに従って決定され、液圧アシスト機構24が異常である場合には、異常時マップに従って決定される。
そこで、液圧アシスト機構24が異常である場合には正常である場合により運転者によって加えられた操舵トルクが同じであっても、電動モータ38によって加えられる助勢トルクの目標値である目標トルクが大きくされる。
ステップ1(以下、S1と略称する)において、電動アシスト機構26が正常であるか否かが判定される。例えば、電動モータ38において断線が生じた場合等には異常であると検出される。電動アシスト機構26が異常である場合には、S2以降が実行されることはないが、電動アシスト機構26が正常である場合には、S2以降が実行される。
(1)車両の左側車輪と右側車輪とを連結し、トーションバーがステアリングギヤボックスを介して係合させられた転舵軸を移動させることにより、前記左側車輪と前記右側車輪とを転舵する転舵システムであって、
前記トーションバーの前記ステアリングギヤボックスより上流側の部分を回転させる電動モータを備えた電動転舵装置と、
前記トーションバーに加えられるトルクに応じた液圧による移動力を前記転舵軸に付与する液圧転舵装置と、
前記電動モータを制御する電動モータ制御装置と
を含み、前記電動モータ制御装置が、
前記液圧転舵装置の液圧が、前記トーションバーに加えられるトルクに対して低い場合に、前記液圧転舵装置が異常であると検出する異常検出部と、
その異常検出部によって前記液圧転舵装置が異常であると検出された場合には、異常であると検出されない場合より、前記電動モータの出力トルクが大きくなるように前記電動モータを制御する異常時モータ制御部と
を含む転舵システム。
本項において検出される液圧転舵装置の異常には、液圧転舵装置において、トルクに応じた適正な高さの液圧を発生することができない異常と、液圧転舵装置において、液圧を発生させることができない異常とが含まれる。
前記横加速度依拠制御部が、前記液圧転舵装置が正常である場合の前記目標横加速度と前記出力トルクとの関係である正常時マップと、前記液圧転舵装置が異常である場合の前記目標横加速度と前記出力トルクとの関係である異常時マップとを記憶する記憶部と、前記異常検出部による検出結果に基づいて前記記憶部に記憶された前記正常時マップと前記異常時マップとのいずれかを選択するマップ選択部とを含む(1)項または(2)項に記載の転舵システム。
操舵ECU100のS4~7,23,24を記憶する部分、実行する部分、記憶部100mの正常時マップと異常時マップとを記憶する部分等により横加速度依拠制御部(LTA制御を行う部分)が構成され、そのうちの操舵ECU100のS23,24を記憶する部分、実行する部分等によりマップ選択部が構成される。
前記電動モータ制御装置が、前記ステアリングホイールの操作によって前記トーションバーに加えられるトルクである操舵トルクに応じたトルクである助勢トルクが出力されるように、前記電動モータを制御するパワーステアリング制御部を出力するものであり、
前記パワーステアリング制御部が、前記液圧転舵装置が正常である場合の前記操舵トルクと前記出力トルクとの関係である正常時マップと、前記液圧転舵装置が異常である場合の前記操舵トルクと前記出力トルクとの関係である異常時マップとを記憶する記憶部と、前記異常検出装置による検出結果に基づいて前記正常時マップと前記異常時マップとのいずれかを選択するマップ選択部とを含む(1)または(2)項に記載の転舵システム。
操舵ECU100のS7~9、23,24を記憶する部分、実行する部分、記憶部100mの正常時マップと異常時マップとを記憶する部分等によりパワーステアリング制御部が構成される。
前記トーションバーが、前記ピニオンギヤに一体的に回転可能に連結され、前記ギヤボックスにおいて、前記ピニオンギヤが前記転舵軸であるラックバーの歯部に噛み合わされた(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の転舵システム。
トーションバーは、例えば、一端部においてピニオンギヤに一体的に回転可能に連結され、他端部において、運転者によって操作可能なステアリングホイール(ステアリングシャフト)に一体的に回転可能に連結され、ピニオンギヤとの連結部より上流側の部分において電動モータと係合させられたものとすることができる。トーションバーにおいて、電動モータとの係合部はステアリングシャフトとの連結部より下流側(ギヤボックス側)に位置すると考えられる。
前記トーションバーの前記ステアリングギヤボックスより上流側の部分を回転させる電動モータを備えた電動転舵装置と、
前記トーションバーに加えられるトルクに応じた液圧による移動力を前記転舵軸に付与する液圧転舵装置と、
その液圧転舵装置の液圧が、予め定められた異常判定しきい値より低い場合に、前記液圧転舵装置が異常であると検出する異常検出装置と
を含む転舵システム。
本項に記載の転舵システムには、(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
異常判定しきい値は、例えば、0近傍の値とすることができる。
Claims (1)
- 車両の左側車輪と右側車輪とを連結する転舵軸を移動させることにより、前記左側車輪と前記右側車輪とを転舵する転舵システムであって、
トーションバーと、
前記トーションバーの下流側の回転を前記転舵軸の移動に変換するギヤボックスと、
前記トーションバーの捩れ量に 応じた液圧により前記転舵軸を移動させる液圧転舵装置と、
電動モータの回転力で前記トーションバーの上流側を回転させる電動転舵装置と、
前記電動モータを制御する電動モータ制御装置と、
前記トーションバーの捩れ量をトルクとして検出するトルクセンサと
を含み、
前記電動モータ制御装置が、
前記車両に作用する横加速度が前記車両の走行状態に基づいて決まる目標横加速度に近づくように、前記電動モータの出力トルクを制御する横加速度依拠制御部と、
前記液圧転舵装置の液圧が、前記トルクセンサによって検出されたトルクに応じて生じるはずの液圧より低い場合に、前記液圧転舵装置が異常であると検出する異常検出部と、
前記 異常検出部によって前記液圧転舵装置が異常であると検出された場合には、異常であると検出されない場合より、前記目標横加速度が同じ時の前記電動モータの出力トルクが大きくなるように、前記電動モータを制御する異常時モータ制御部と
を含む転舵システム。
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