JP7101129B2 - 移動体用装着装置および圧力容器検査システム - Google Patents
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Description
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、検査装置等の移動体を効率的に運用できる移動体用装着装置および圧力容器検査システムを提供することを目的とする。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態による圧力容器検査システムS(移動体用装着装置)の構成を示す模式図である。
圧力容器検査システムSは、原子炉圧力容器27を検査するものである。原子炉圧力容器27は、複数の金属筒等を溶接して構成されているため、複数の溶接線を有する。図1においては、そのうちの一本である溶接線28(溶接個所)を破線によって示す。この溶接線28は、原子炉圧力容器27の周回方向に沿って形成されている。また、溶接線28の下方には、作業員が通行する足場29が設けられている。足場29から溶接線28までの高さは、例えば2m~4m程度である。
図2は、切れ目42の周辺における固定軌道1の要部の模式的な背面図である。切れ目42の左右方向において、固定軌道1の上面には、正面視が略台形状である一対の凹部24が形成されている。詳細は後述するが、これらの凹部24は、昇降装置100(図1参照)を固定軌道1に装着するために形成されている。また、固定軌道1の前面には、凹部24の形成位置から鉛直方向にマーカー線50が描画されている。図2においては、このマーカー線50を破線で示す。このマーカー線50によって、作業員等のユーザは、凹部24の位置を認識しやすくなる。
凹部24は、切欠部24bと、嵌合凹部24cとを有する。図2に示したように、凹部24の正面形状は台形状であるが、この正面形状は、切欠部24bの形状である。嵌合凹部24cは、切欠部24bの底面からテーパー状に凹むように形成されている。
図4は、昇降装置100の模式的な三面図である。図4左下の側面視の図において、昇降装置100は、主ガイド部材120(第1のガイド部材)と、吊持機構150と、を備えている。昇降装置100は、さらに副ガイド部材130(第2のガイド部材、図6参照)も備えているが、その詳細については後述する。上述したように、昇降装置100は、検査装置4およびショート軌道5を吊り上げ、または吊り降ろす装置である。主ガイド部材120は、吊り上げ、または吊り降ろしに際してショート軌道5(図1参照)の縦方向の動きを可能にしつつショート軌道5の横方向の動きを規制するものである。また、吊持機構150は、主ガイド部材120に装着され、作業員等のユーザに操作されることによって、ショート軌道5等に対して上方向に吊り上げる力を発生させるものである。また、主ガイド部材120は、固定軌道1(図2参照)に対して着脱可能に構成されている。
図6は、運搬台車6、輸送用ケース18およびその収納物の模式的な側面図である。
図示のように、運搬台車6は略板状の底板6aを有し、底板6aの下面には車輪20が装着され、底板6aの上面には輸送用ケース18が設置されている。また、底板6aの上面には、上方向に突出する運搬用台車ハンドル21が装着されている。
図6において、ショート軌道5には、縦ガイドキャリッジ13が固定されている。縦ガイドキャリッジ13は、副ガイド部材130に対して、縦方向の動きを可能にしつつ横方向の動きを規制するように装着されている。縦ガイドキャリッジ13の上端部には、吊り金具40が装着されている。この吊り金具40は、巻上ワイヤ23に装着されたフック44(図4参照)に引っ掛けるものである。
また、図6において、検査装置4は、検査装置ガイドローラ8(ガイドローラ)と、検査装置ガイドローラ支持部9と、モータ10と、探触子25と、探傷アーム26と、ピニオン45と、を備えている。探触子25は、原子炉圧力容器27(図1参照)の溶接線28の近傍に接触し、探傷等のために超音波を送受信する。探傷アーム26は、ボールネジ(図示略)と、押し付け機構(図示略)と、を備えている。
上述のように、副ガイド部材130は略C字状の断面形状を有している。すなわち、副ガイド部材130には、略矩形状に切り欠いたガイド溝30と、ガイド溝30から後方に開口する開口部130aと、が形成されている。なお、主ガイド部材120の縦桿部122(図4参照)の断面形状も、副ガイド部材130のものと同様である。
(昇降装置100の装着)
次に、本実施形態の動作を説明する。
図8は、ユーザ22が昇降装置100を固定軌道1に装着する前の、これらの模式的な側面図である。ユーザ22は、昇降装置100を把持して固定軌道1の前面に立ち、凹部24および取付爪126(図5参照)の位置合わせを行う。そして、ユーザ22が凹部24および取付爪126(図5参照)を嵌合させると、固定軌道1と昇降装置100とが一体化する。なお、昇降装置100は、図示のようにユーザ22が持ち歩くものであるため、例えばアルミニウム合金等、鉄の半分以下の比重を有する材質を主材料として適用すると好ましい。
図12は、ユーザ22が昇降装置100の直下に運搬台車6を移動させた状態における圧力容器検査システムSの模式的な側面図である。
ユーザ22は、主ガイド部材120の縦桿部122と、輸送用ケース18に収納されている副ガイド部材130とが鉛直方向に揃うように、運搬台車6の位置を微調節する。この微調整が終了すると、ユーザ22は、輸送用ケース側面窓19を開く。
図13は、輸送用ケース側面窓19(図12参照)を開けた状態における圧力容器検査システムSの模式的な側面図である。輸送用ケース側面窓19を開けることによって、副ガイド部材130の側面が露出し、ユーザ22は、副ガイド部材130の随所を把持できるようになる。そして、ショート軌道5および縦ガイドキャリッジ13に対して、副ガイド部材130は縦方向に沿って自在に変位するため、ユーザ22は軽い力で副ガイド部材130を上下動させることができる。
図14は、主ガイド部材120と副ガイド部材130とを連結した状態における圧力容器検査システムSの模式的な側面図である。
図示のように、主ガイド部材120と副ガイド部材130とは一体化し、一本の縦長部材状になる。
主ガイド部材120と副ガイド部材130との連結が完了すると、ユーザ22は、巻上ワイヤ23の先端のフック44(図4参照)を縦ガイドキャリッジ13の吊り金具40(図7参照)に引っ掛ける。これにより、縦ガイドキャリッジ13と巻上ワイヤ23とが連結する。
図16は、検査装置4およびショート軌道5の吊り上げ途中における圧力容器検査システムSの模式的な側面図である。
図示のように、検査装置4、ショート軌道5および縦ガイドキャリッジ13は、副ガイド部材130および主ガイド部材120を順次介して上方向にスライドしてゆく。
検査装置4およびショート軌道5をさらに吊り上げてゆくと、ショート軌道5に形成された凸部60(図5参照)と、主ガイド部材120の横桿部124に形成された凸部128とが衝合し、検査装置4およびショート軌道5の吊り上げが終了する。
図18は、ショート軌道5等の吊り上げ終了状態における圧力容器検査システムSの模式的な側面図である。図19は同模式的な背面図である。図20は同模式的な平面図である。
図21は、検査処理中における圧力容器検査システムSの模式的な背面図である。図22は、同模式的な平面図である。
先に図18~図20において説明したように、固定軌道1の高さとショート軌道5の高さとが同一になると、ラック11,12が連続的になるように接続される。この状態で検査装置4に搭載されたモータ10を回転駆動すると、ピニオン45の回転に伴って、検査装置4が軌道1,5に沿って移動する。
溶接線28の検査が完了すると、検査装置4は、再び図19に示す位置に戻る。ユーザ22は、検査装置4が図19に示す位置に戻ったことを確認すると、巻上ハンドル16に装着されているメカニカルブレーキを解除し、副ガイド部材130および検査装置4を吊り降ろす。その後は、装着時とは逆の操作を行うことにより、検査装置4等を撤収することができる。
以上のように本実施形態の移動体用装着装置(S)は、横方向に延設されて移動体(4)を案内する固定軌道(1)に連結される可動軌道(5)と、固定軌道(1)に対して着脱可能に構成され、可動軌道(5)を、移動体(4)とを結合した状態で縦方向に昇降させる昇降装置(100)と、を備える。
これにより、昇降装置(100)を固定軌道(1)に装着して移動体(4)とともに可動軌道(5)を昇降できるため、移動体(4)を効率的に運用できる。さらに、移動体(4)および可動軌道(5)を固定軌道(1)から取り外した後、昇降装置(100)を固定軌道(1)から取り外せるため、固定軌道(1)の周辺環境によって昇降装置(100)が劣化することを防止できる。
これにより、第1のガイド部材(120)によって可動軌道(5)の動きをガイドできるため、移動体(4)を一層効率的に運用することができる。
これにより、第2のガイド部材(130)によって、可動軌道(5)を第1のガイド部材(120)の高さまで、容易に上昇させることができ、移動体(4)を一層効率的に運用することができる。
これにより、第1のガイド部材(120)を容易に固定軌道(1)に装着でき、かつ第1のガイド部材(120)が移動体(4)の移動を阻害することを防止できる。
これにより、ユーザは、移動体(4)および可動軌道(5)を効率的に昇降させることができる。
これにより、移動体(4)は固定軌道(1)および可動軌道(5)を確実に保持し、ラック(11,12)およびピニオン(45)によって、固定軌道(1)および可動軌道(5)の延設方向に移動することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記実施形態の構成に他の構成を追加してもよく、構成の一部について他の構成に置換をすることも可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
1a 上面(接触面)
4 検査装置(移動体)
5 ショート軌道(可動軌道)
6 運搬台車
8 検査装置ガイドローラ(ガイドローラ)
10 モータ
11,12 ラック
14 プーリー
15 巻上ドラム
22 ユーザ
23 巻上ワイヤ(ワイヤ)
24 凹部
27 原子炉圧力容器
28 溶接線(溶接個所)
44 フック
45 ピニオン
100 昇降装置
120 主ガイド部材(第1のガイド部材)
126 取付爪(挿入部)
126a 上面
130 副ガイド部材(第2のガイド部材)
150 吊持機構
S 圧力容器検査システム(移動体用装着装置)
Claims (6)
- 横方向に延設されて移動体を案内する固定軌道に連結される可動軌道と、
前記固定軌道に対して着脱可能に構成され、前記可動軌道を、前記移動体とを結合した状態で縦方向に昇降させる昇降装置と、
を備え、
前記昇降装置は、
前記固定軌道に対して着脱可能に構成され、前記可動軌道の縦方向の動きを可能にしつつ前記可動軌道の横方向の動きを規制する第1のガイド部材と、
前記第1のガイド部材に装着され、前記可動軌道を吊持する吊持機構と、を備える
ことを特徴とする移動体用装着装置。 - 前記第1のガイド部材の下端に連結され、前記可動軌道の縦方向の動きを可能にしつつ前記可動軌道の横方向の動きを規制する第2のガイド部材と、
前記可動軌道と前記第2のガイド部材とを運搬する運搬台車と、
をさらに備え、前記第2のガイド部材は、前記運搬台車に積載された状態で前記第1のガイド部材の下端に連結される
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体用装着装置。 - 前記固定軌道は、前記移動体に接触する接触面と、前記接触面から下方向に凹んだ凹部と、を有するものであり、
前記第1のガイド部材は上方向から前記凹部に挿入される挿入部を有し、
前記固定軌道に対して前記第1のガイド部材を装着した際、前記接触面の高さと前記挿入部の上面の高さとが同一になる
ことを特徴とする請求項2に記載の移動体用装着装置。 - 前記吊持機構は、
ワイヤと、
前記第1のガイド部材の上端部に装着され前記ワイヤが掛けられるプーリーと、
前記第1のガイド部材に装着され、前記ワイヤの一端が結合され、ユーザによって回転操作されると前記ワイヤを巻き取る巻上ドラムと、
前記ワイヤの他端に装着されるフックと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動体用装着装置。 - 前記固定軌道および可動軌道は、平板状の縦長の断面形状を有し側面にラックを形成したものであり、
前記移動体は、
前記ラックに噛合するピニオンと、
前記ピニオンを回転駆動するモータと、
回転可能に構成され前記固定軌道および可動軌道を上下から挟むガイドローラと、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の移動体用装着装置。 - 横方向に延設されて移動体を案内する固定軌道に連結される可動軌道と、
前記固定軌道に対して着脱可能に構成され、前記可動軌道を、前記移動体とを結合した状態で縦方向に昇降させる昇降装置と、
前記固定軌道と、
前記移動体と、を備え、
前記固定軌道は、水平方向に沿って溶接個所を有する原子炉圧力容器の、前記溶接個所に沿って延設されたものであり、
前記移動体は、前記溶接個所を検査する検査装置である
ことを特徴とする圧力容器検査システム。
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JP2019006567A JP7101129B2 (ja) | 2019-01-18 | 2019-01-18 | 移動体用装着装置および圧力容器検査システム |
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JP2019006567A JP7101129B2 (ja) | 2019-01-18 | 2019-01-18 | 移動体用装着装置および圧力容器検査システム |
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