JP7100820B2 - 複合容器および該複合容器の作製に用いられる複合プリフォーム - Google Patents

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Description

本発明は、複合容器および該複合容器の作製に用いられる複合プリフォームに関する。
近時、内容液を収容する容器として、プラスチック製の容器が一般化してきており、このようなプラスチック製の容器には内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチック製の容器は、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
このような問題に鑑み、本出願人は、特許文献1(特開2015-128858号公報)において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な、容器本体およびプラスチック製部材を備えてなる複合容器を提案している。
例えば、同文献において、プラスチック製部材の作製にポリエチレン(PE)、PP、ナイロンMXD-6、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)等の樹脂を使用し、二酸化炭素バリア性や酸素バリア性等のガスバリア性を持たせることが開示されている。
しかしながら、特許文献1において開示される複合容器のガスバリア性には改善の余地があった。
また、本出願人は、特許文献2において、遮光性を付与するため、プラスチック製部材40に着色層を設けることを提案している。しかしながら、経時的に着色層に含まれるインキが脱落してしまい、長期的に遮光性を発揮することができなくなる恐れがあり、持続的に遮光性を発揮することができるプラスチック製部材40を備える複合容器10Aが求められていた。
特開2015-128858号公報 特開2016-120682号公報
今般、本発明者らは、樹脂材料およびファイバー材料を含有させたプラスチック製部材をプリフォームに嵌め込み、これらを共にブロー成形することにより得られる、プラスチック製部材が白濁し、優れたガスバリア性および遮光性を示すという驚くべき知見を得た。
したがって、本発明の目的は、優れたガスバリア性および遮光性を示すプラスチック製部材を備える複合容器を提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記の複合容器の作製に用いられる複合プリフォームを提供することである。
本発明の複合容器は、口部と、口部下方に設けられた首部と、首部下方に設けられた肩部と、肩部下方に設けられた胴部と、胴部下方に設けられた底部と、を備え、
容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材と、を備え、
プラスチック製部材が、ファイバー材料および樹脂材料を含み、ファイバー材料の周りに空隙が形成されていることを特徴とする。
一実施形態において、ファイバー材料の平均繊維長は、10μm以上、300μm以下である。
一実施形態において、ファイバー材料の平均繊維径は、100nm以上、12μm以下である。
一実施形態において、プラスチック製部材は単層構造を有し、ファイバー材料の含有量は、1質量%以上、10質量%以下である。
一実施形態において、プラスチック製部材は、ファイバー材料および樹脂材料を含む層を備える多層構造を有し、該層におけるファイバー材料の含有量は、1質量%以上、10質量%以下である。
一実施形態において、二軸延伸ブロー成形品である。
一実施形態において、上記複合容器は、全光透過率が55%以下である。
本発明の複合容器は、上記多層容器の作製に用いられる複合プリフォームであって、
口部と、口部に連結された胴部と、胴部に連結された底部を備えるプリフォームと、
プリフォームの外側を取り囲むように設けられた、ファイバー材料および樹脂材料を含むプラスチック製部材とを備えることを特徴とする。
一実施形態において、プラスチック製部材は、赤外線透過率が50%以上であることを特徴とする
本発明による複合容器は、優れたガスバリア性および遮光性を有する。
図1は、一実施形態における本発明の複合容器10Aの部分垂直断面図である。 図2は、一実施形態における本発明の複合容器10Aの部分垂直断面図である。 図3は、一実施形態における本発明の複合容器10Aの部分垂直断面図である。 図4は、容器における空隙の形成工程を示す概略図である。 図5は、複合容器10Aの作製方法の一実施形態を示す概略図である。 図6は、一実施形態における本発明の複合プリフォーム70の垂直断面図である。 図7は、一実施形態における本発明の複合プリフォーム70の垂直断面図である。 図8は、一実施形態における本発明の複合プリフォーム70の垂直断面図である。 図9(a)~(c)は、各種プラスチック製部材40aを示す斜視図。 図10は、一実施形態における本発明の複合プリフォーム70の斜視図である。 図11は、プラスチック製部材40aの作製方法の一実施形態を示す概略図である。 図12は、プラスチック製部材40aの作製方法の一実施形態を示す概略図である。 図13は、プラスチック製部材40aの正面図である。 図14は、プリフォーム10aの正面図である。
複合容器10A
本発明による複合容器10Aは、後記する複合プリフォーム70のブロー成形品であり、容器本体10と、その外側に密着して設けられた、ファイバー材料および樹脂材料を含むプラスチック製部材40とを備え、該ファイバー材料の周りに空隙が形成されていることを特徴とする。
次に、複合容器10Aの構造について説明する。
本発明の複合容器10Aは、図1乃至3に示すように、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30と、を備える容器本体10と、
容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40と、を備えることを特徴とする。
本発明による複合容器10Aは、一軸延伸ブロー成形品であっても、二軸延伸ブロー成形品であってもよいが、プラスチック製部材40において、空隙がより良好に形成され、その遮光性をより向上することができるため、二軸延伸ブロー成形品であることが好ましい。
プラスチック製部材40
図1および3に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、肩部12、胴部20および底部30を覆うように設けることができる。このような構成とすることにより、容器本体10の肩部12、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い(図2参照)。さらに、プラスチック製部材40は1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つのプラスチック製部材40を肩部12の外面および底部30の外面にそれぞれ設けても良い。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm~100μm程度とすることができる。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から分離(剥離)して除去することができる。
プラスチック製部材40の容器本体10からの分離(剥離)の方法としては、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりすることができる。上記のような方法により、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
本発明の複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40は、ファイバー材料および樹脂材料を含み、該ファイバー材料の周りに空隙が形成されていることを特徴とする。
プラスチック製部材40に含まれるファイバー材料の平均繊維長は、10μm以上、300μm以下であることが好ましく、平均繊維径は、100nm以上、12μm以下であることが好ましい。
ファイバー材料の平均繊維長および平均繊維径を上記の数値範囲とすることにより、ブロー成形前のプラスチック製部材40aの赤外線透過率を好適なものにすることができる。また、複合容器10Aのガスバリア性および遮光性をより高めることができる。
ファイバー材料の平均繊維長は、30μm以上、150μm以下であることがより好ましく、50μm以上、100μm以下であることがさらに好ましい。
ファイバー材料の平均繊維径は、300nm以上、10μm以下であることがより好ましく、1μm以上、5μm以下であることがさらに好ましい。
ファイバー材料の平均繊維径および平均繊維長の測定は、ファイバー材料を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像のスケールから測定した(n=10)。
なお、ファイバー材料において長径と短径が存在する場合、長径を繊維長とする。
ファイバー材料としては、グラスファイバー、セルロースファイバー、カーボンファイバー、金属酸化物ファイバー、合成樹脂ファイバーを挙げることができる。
これらの中でも、本発明による複合容器10Aのガスバリア性および遮光性をより向上させることができると共に、その耐熱性も改善することができることから、グラスファイバーおよびカーボンファイバーが好ましく、グラスファイバーが特に好ましい。
プラスチック製部材40は、2種以上のファイバー材料を含むことができる。
グラスファイバーとしては、従来公知のグラスファイバーを使用することができ、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラス等を使用することができる。
セルロースファイバーとしては、例えば、β-1,4-グルカン構造を有する多糖類で形成されている限り、特に制限されず、植物由来のセルロース繊維、動物由来のセルロース繊維、バクテリア由来のセルロース繊維、合成セルロース繊維のいずれを使用してもよい。
合成セルロース繊維としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
カーボンファイバーとしては、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カップ積層型カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、グラファイトファイバー材料等が挙げられる。
金属酸化物ファイバーとしては、SiO、ZnO、TiO、Al、ZrO等が挙げられる。
合成樹脂ファイバーとしては、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等からなる樹脂ファイバーが挙げられる。
プラスチック製部材40は後述するように単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよいが、単層構造を有する場合、ファイバー材料の含有量は、1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、7質量%以下であることがより好ましい。
また、プラスチック製部材40が、多層構造を有する場合、ファイバー材料および樹脂材料を含む層におけるファイバー材料の含有量は、1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、7質量%以下であることがより好ましい。
ファイバー材料の含有量を上記数値範囲とすることにより、本発明の複合容器10Aのガスバリア性および遮光性をより向上させることができる。また、その耐熱性も改善することができる。
なお、プラスチック製部材40が多層構造を有する場合、2以上の層がファイバー材料および樹脂材料を含んでいてもよく、これにより、本発明の複合容器10Aのガスバリア性および遮光性をさらに向上させることができる。
樹脂材料としては、メタキシレンアジパミド(MXD6)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体およびテレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)およびセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂等、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン共重合体(PVDC)等のビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、複合容器10Aのガスバリア性という観点からは、ポリアミド系樹脂が好ましい。また、耐熱性および耐久性という観点からは、PET、PPが好ましい。
プラスチック製部材40は、上記樹脂材料を2種以上含むことができる。
本発明によるプラスチック製部材40が、単層構造を有する場合、樹脂材料の含有量は、60質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上、87質量%以下であることがより好ましい。
また、本発明によるプラスチック製部材40が、多層構造を有する場合、ファイバー材料および樹脂材料を含む層における樹脂材料の含有量は、60質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以上、87質量%以下であることがより好ましい。
樹脂材料の含有量を上記数値範囲とすることにより、複合容器10Aのガスバリア性および遮光性をより向上させることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、プラスチック製部材40は、各種の添加剤を含んでいてもよく、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤および顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
一実施形態において、本発明によるプラスチック製部材40は、図1および2に示されるように単層構造を有する。
また、一実施形態において、本発明によるプラスチック製部材40は、図3に示されるように、多層構造を有する。
多層構造の具体例としては、
(1)ポリオレフィン系樹脂を含む層、ガスバリア性を有する樹脂およびファイバー材料を含む層、ポリオレフィン系樹脂を含む層からなる3層構造、
(2)ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層、ガスバリア性を有する樹脂を含む層、ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層からなる3層構造、
(3)ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層、ガスバリア性を有する樹脂およびファイバー材料を含む層、ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層からなる3層構造等が挙げられる。
上記した中でも、本発明による複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40の構成としては、ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層、ガスバリア性を有する樹脂およびファイバー材料を含む層、ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層からなる3層構造からなることが好ましい。
このとき、各層におけるファイバー材料の含有量は、1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、7質量%以下であることがより好ましい。これにより、プラスチック製部材40のガスバリア性および遮光性をより向上することができる。
また、ポリオレフィン系樹脂およびファイバー材料を含む層の厚さは、80μm以上、150μm以下であることが好ましく、100μm以上、130μm以下であることがより好ましい。これにより、プラスチック製部材40のガスバリア性および遮光性をより向上することができる。
また、ガスバリア性を有する樹脂およびファイバー材料を含む層の厚さは、25μm以上、80μm以下であることが好ましく、50μm以上、70μm以下であることがより好ましい。これにより、プラスチック製部材40のガスバリア性および遮光性をより向上することができる。
なお、図3においては、3層からなるプラスチック製部材40を示したが、多層構造を有するプラスチック製部材40が、これに限定されるものではなく、2層、4層、5層等の場合も含む。
プラスチック製部材40において形成されている空隙3は、ファイバー材料1および樹脂材料2を含むプラスチック製部材40aをプリフォーム10aと共にブロー成形することにより、プラスチック製部材40aに含まれるファイバー材料1の周りの樹脂材料2が、ファイバー材料1から剥離することにより形成される(図4参照)。
プラスチック製部材40は、該空隙により、白濁して見え、これにより、遮光性が改善されるものと考えられる。
プラスチック製部材40が単層構造を有する場合、その空隙率は、3%以上、20%以下であることが好ましく、5%以上、15%以下であることがより好ましい。
また、プラスチック製部材40が多層構造を有する場合、空隙が形成された層における空隙率は、3%以上、20%以下であることが好ましく、5%以上、15%以下であることがより好ましい。
また、白濁したプラスチック製部材40のヘーズ値は、85%以上、100%以下であることが好ましく、95%以上、100%以下であることがより好ましい。プラスチック製部材40のヘーズ値を上記数値範囲とすることにより、遮光性をより向上させることができる。
なお、本発明において、プラスチック製部材40のヘーズ値は、ヘーズメーターにより測定することができる。
プラスチック製部材40は、その全光透過率が55%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
プラスチック製部材40の全光透過率は、プラスチック製部材40aの作製に使用するファイバー材料の種類、平均繊維長、平均繊維径、含有量や樹脂材料の種類等による調整することができる。
本発明において、全光透過率は、JIS K-7361-1「プラスチック-透明材料の全光透過率の試験方法」に準拠して測定することができる。
容器本体10
一実施形態において、容器本体10は、図1乃至3に示すように、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12の下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm~250μm程度に薄くすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、例えば、容器本体10の内容量が500mLである場合は、10g~20gとすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
容器本体10は、例えば満注容量が100mL~2000mLのボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L~60Lの大型のボトルであっても良い。
容器本体10は、樹脂材料を含んでなり、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。
また、容器10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
また、容器本体10は、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。
例えば、中間層を、ナイロンMXD-6、ナイロンMXD-6+脂肪酸塩、ポリグリコール酸(PGA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)又はPEN等のガスバリア性及び遮光性を有する樹脂を含んでなる層として、3層以上からなる容器本体10とすることができる。
複合容器10Aの製造方法
本発明による複合容器10Aの製造方法は、
後記複合プリフォーム70を加熱する工程と、
ブロー成形金型内において、加熱後の複合プリフォーム70に対してブロー成形を施すことにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させる工程とを含んでなる。
以下、図5(a)~(d)に基づいて、本発明の複合容器10Aの製造方法についてより詳しく説明する。
まず、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図5(a)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
また、この加熱は、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図5(b)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。
一実施形態において、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図5(b)参照)。図5(b)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。これにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる(図5(c)参照)。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に、図5(d)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
複合プリフォーム70
本発明の複合プリフォーム70は、
図6乃至8に示すように、本発明の複合プリフォーム70は、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えるプラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられるプラスチック製部材40aとを備えてなる。
プリフォーム10a
複合プリフォーム70が備えるプリフォーム10aは、図6乃至8に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40a
図6乃至8に示すように、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
プラスチック製部材40aは、図6および8に示すように、プリフォーム10aの口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの口部11aを除く、胴部20aおよび底部30aの全体を覆うように設けられていても良い。さらに、プラスチック製部材40aは1つに限らず、複数設けても良い。例えば、2つのプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの胴部20aの外側2箇所にそれぞれ設けても良い。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、図6、8および図9(a)に示すように、有底円筒形状を有しており、円筒状の胴部41aと、胴部41aに連結された底部42aとからなる。
また、一実施形態において、プラスチック製部材40aは、図7および図9(b)に示すように、全体として無底円筒形状からなり、円筒状の胴部41からなる。
また、プラスチック製部材40aは、図9(c)に示すように、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製された、無底円筒形状のものであっても良い。
プラスチック製部材40aが図9(b)および(c)に示される形状を有する場合、後述するようにプラスチック製部材40aの一端を熱圧着し、図10に示すような底部42aを設けることができる。
また、プラスチック製部材40aは、ファイバー材料および樹脂材料を含み、赤外線透過率が50%以上であるが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましい。
プラスチック製部材40aの赤外線透過率が50%以上であることにより、複合プリフォーム70のブロー成形を良好に行うことができる。
プラスチック製部材40aの赤外線透過率は、プラスチック製部材40aの作製に使用するファイバー材料の種類、平均繊維長、平均繊維径、含有量や樹脂材料の種類等による調整することができる。
なお、本発明において、赤外線とは、波長が800nm~2500nmの光線をいう。また、例えば、赤外線透過率が50%以上であるとは、例えば公知の分光光度計を用いて、プラスチック製部材40aに対して吸光度の測定を行った際、赤外線の波長領域(800nm~2500nm)の全域でその透過率が50%以上となることをいう。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aに対して収縮する作用を有するものであっても良く、収縮する作用を有しないものであっても良い。
ブロー成形後において、容器本体10と、プラスチック製部材40との間に入り込む空気が少ない、即ち、密着性が高いという観点からは、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aに対して収縮する作用を有するものであることが好ましい。
プラスチック製部材40aが収縮する作用を有する場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40は、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
ブロー成形前のプラスチック製部材40aの厚さは、100μm以上、600μm以下であることが好ましい。
複合プリフォーム70の製造方法
本発明の複合プリフォーム70の製造方法は、
口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aを備えるプリフォーム10aを準備する工程と、
プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aをプラスチック製部材40aの一端から嵌め込む工程と、を含んでなる。
また、プラスチック製部材40aが熱収縮性を有する場合、本発明の複合プリフォーム70の製造方法は、プラスチック製部材40aを熱収縮させる工程を含んでいてもよい。またプラスチック製部材40aが無底円筒形状を有する場合、プラスチック製部材40aの一端を熱圧着する工程等といったその他の工程を含んでいてもよい。
以下、本発明による複合プリフォーム70の製造方法の各工程について詳述する。
プリフォーム10aを準備する工程
プリフォーム10aは、上記した樹脂材料等を従来公知の射出成形装置を使用して射出成形することにより製造することができる。
また、市販されるプリフォーム10aを使用してもよい。
また、樹脂材料の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5~100μmの発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
プラスチック製部材40aを準備する工程
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、上記した樹脂材料等を含んでなる樹脂シートを成形することにより製造することができる。
成形方法としては、例えば、深絞り成形、または樹脂シートをチューブ状に成形し、その端部を融着、または接着する方法等が挙げられる。
樹脂シートは、市販品を用いてもよいし、従来公知の方法により製造することができる。例えば、樹脂シートは、Tダイ法またはインフレーション法を利用した押出成形により製造することができる。
また、多層構造を有するプラスチック製部材40aを作製するための多層樹脂シートは、共押出成形または、2以上の樹脂シートを、接着剤を介して積層させることにより得ることができる。
一実施形態において、プラスチック製部材40aは、図11(a)に示すように、
(1)まず樹脂材料51等を加熱溶融し、ダイ52からチューブ状に押し出し、チューブ状パリソン53を形成させ、
(2)次いで、図11(b)に示すように、例えば2分割の金型54によりチューブ状パリソン53を挟み込み、
(3)次いで、図11(c)に示すように、吹き込みノズル55よりチューブ状パリソン53内に空気を吹き込み、チューブ状パリソン53を金型54に合わせて成形し、冷却、型開き、取り出しを順次行うことにより、作製することができる(ダイレクトブロー成形)。このようにして得られたプラスチック製部材40aは、図11(d)に示すような有底円筒形状を有する。
本方法によれば、金型の設計を変更することにより、得られるプラスチック製部材40aの設計を変更することができ、プリフォーム10aとの密着性の高いプラスチック製部材40aを作製することができる。
一実施形態において、熱収縮性を有するプラスチック製部材40aは、以下のような方法により作製することができる。
まず、上記した樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に共押し出しを行い、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図12(a)参照)。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着または接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ1を、押出チューブ1の外径よりも大きい内径を有する金型2内に配置する(図12(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置3を配置(装着)する(図12(c)参照)。このとき、ブロー装置3は、押出チューブ1と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、この配置のまま加熱炉4に送り込み、加熱炉4の内部で70~150℃に加熱する(図12(d)参照)。加熱炉4としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ1、金型2およびブロー装置3を、加熱炉4から取り出し、ブロー装置3から押出チューブ1内にエアを噴出することにより、押出チューブ1の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ1は、膨張し、金型2の内面形状に沿って拡径される(図12(e)参照)。
その後、ブロー装置3からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ1を冷水中で冷却し、押出チューブを金型2から取り出す(図12(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることにより熱収縮性のプラスチック製部材40aを得ることができる(図12(g)参照)。
また、一実施形態において、プラスチック製部材40aは、共射出成形法によっても得ることができる。具体的には、まず、上記した樹脂材料等を加熱溶融し、次いで、金型内に共射出する。これを冷却し、金型内から取り出すことによっても、プラスチック製部材40aを得ることができる。
なお、上記方法により製造されたプラスチック製部材40aに限定されず、市販されるものを使用してもよい。
嵌め込み工程
本発明の方法は、プラスチック製部材40aの一端から、プリフォーム10aを嵌め込む工程を含んでなる。
その他の工程
プラスチック製部材40aが熱収縮性を有する場合、本発明による複合プリフォーム70の製造方法は、プラスチック製部材40aを熱収縮させ、プリフォーム10aに密着させる工程を含んでなる。
熱収縮性プラスチック製部材40aの加熱方法は特に限定されず、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱温度は、60℃以上、250℃以下であることが好ましく、80℃以上、150℃以下であることがより好ましい。なお、加熱温度とは加熱時の熱収縮性プラスチック製部材40aの表面温度のことであり、赤外線や、温風等の照射温度のことではない。
プラスチック製部材40aが、図9(b)および(c)に示すような無底円筒形状を有する場合、本発明の方法は、プラスチック製部材40aの一端を熱圧着する工程を含んでいてもよい。かかる工程を含むことにより、プリフォーム10aの底部30a、ひいてはブロー成形後の容器本体10の底部30をプラスチック製部材40により完全に覆うことができる。
具体的には、プラスチック製部材40aの長さX(図13参照)を、プリフォーム10aの首部13aから底部30aまでの長さY(図14参照)より長く、すなわち、プラスチック製部材40aの一端に余白部80aが設けられるように作製し、この余白部80aを熱圧着することにより、底部を形成することができる。
余白部80aの長さは、3mm以上であることが好ましく、5mm以上、20mm以下であることがより好ましい。
熱圧着方法は、特に限定されず、赤外線や、温風等により加熱された余白部を挟み込む等して、圧着することができるものであれば特に限定されず、例えば、金属製や耐熱性の樹脂製の器具(以下、場合により「圧着器具」という)を利用することができ、それらを組み合わせても良い。この圧着器具の表面は、平坦なものであってもよく、一部または全体に凹凸形状を有するものであっても良い。
また、圧着器具は、その表面に加熱機構を有していてもよい。これにより、余白部80aの圧着強度をより高めることができる。圧着器具表面の加熱温度は、例えば、100℃以上、250℃以下とすることが好ましい。
圧着時の圧力は、50N/cm以上、1000N/cm以下が好ましく、100N/cm以上、500N/cm以下がより好ましい。
圧着時のプラスチック製部材40aの温度は、材質にもよるが80℃以上、200℃以下が好ましい。
本発明の方法は、プラスチック製部材40aの表面に、画像や文字などの印刷を施す工程を含んでいてもよい。
印刷は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、熱転写法、ホットスタンプ法等の印刷法により行うことができる。例えば、インクジェット法を用いる場合、プラスチック製部材40a(40)にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷層を形成させることができる。
この印刷は、プリフォーム10aに嵌め込む前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。さらに、後述するブロー成形後の複合容器10Aのプラスチック製部材40に印刷が施されても良い。
<実施例1>
射出成形機を使用して、図14に示す、首部13aから底部30aまでの長さYが90mmのPET製のプリフォーム10aを作製した。このプリフォーム10aの重量は、23.8gであった。
PETおよびグラスファイバーA(日東紡績(株)製、商品名:SS 05DE-413SP、繊維長:70μm、繊維径:7nm)を含む混合物を、リング状のダイから溶融押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とした後、拡径を行い、図13に示す、熱収縮性を有するプラスチック製部材40aを作製した。プラスチック製部材40aにおけるグラスファイバーAの含有量は3質量%とした。
また、プラスチック製部材40aの長さXは、100mmであり、その余白部80aは、10mmであった。
次いで、手作業により、プリフォーム10aを、プラスチック製部材40a一端から嵌め込みを行った。
嵌め込み後、赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを100℃まで加熱し、プラスチック製部材40aを熱収縮させた。次いで、100℃に加熱した金属板を用いて余白部80aを300N/cmの圧力で挟み込み熱圧着し、図10に示す、複合プリフォーム70を得た。
上記のようにして得られた複合プリフォーム70を赤外線ヒーターを用いて、100℃まで加熱し、図5(b)に表されるブロー成形金型に搬送した。このブロー成形金型内において、複合プリフォーム70を二軸延伸ブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーAの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
実施例1-2
グラスファイバーAの含有量を5質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーAの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
実施例1-3
グラスファイバーAを、グラスファイバーB(日東紡績(株)製、商品名:SS 10C-404、繊維長:300μm、繊維径:11nm)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーBの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
比較例1-1
グラスファイバーを使用しなかった以外は、実施例1-1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
実施例2-1
プラスチック製部材40aを以下の方法により作製した以外は、実施例1-1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
ポリエチレンと、EVOHおよびグラスファイバーAを含む混合物と、ポリエチレンと、をリング状のダイから溶融共押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とした後、拡径を行い、熱収縮性を有するプラスチック製部材40aを作製した。
EVOHおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層におけるグラスファイバーAの含有量は5質量%とした。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーAの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
なお、ポリエチレンからなる層の厚さは200μmであり、EVOHおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層の厚さは50μmであった。
実施例2-2
プラスチック製部材40aを以下の方法により作製した以外は、実施例1-1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物と、EVOHと、ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物と、をリング状のダイから溶融共押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とした後、拡径を行い、図5に示す、熱収縮性を有するプラスチック製部材40aを作製した。
ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層におけるグラスファイバーAの含有量は5質量%とした。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーAの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
なお、ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層の厚さは200μmであり、EVOHからなる層の厚さは50μmであった。
実施例2-3
プラスチック製部材40aを以下の方法により作製した以外は、実施例1-1と同様にして複合プリフォーム70および複合容器10Aを作製した。
ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物と、EVOHおよびグラスファイバーAを含む混合物と、ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物と、をリング状のダイから溶融共押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とした後、拡径を行い、図5に示す、熱収縮性を有するプラスチック製部材40aを作製した。
各層におけるグラスファイバーAの含有量は、いずれも5質量%とした。
また、得られた複合容器10Aが備えるプラスチック製部材40表面を光学顕微鏡により観察したところ、グラスファイバーAの周囲に空隙が観察され、プラスチック製部材40は白濁していた。
なお、ポリエチレンおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層の厚さは200μmであり、EVOHおよびグラスファイバーAを含む混合物からなる層の厚さは50μmであった。
比較例2-1
グラスファイバーAを使用しなかった以外は、実施例2-1と同様にして複合容器10Aを作製した。
<<遮光性試験>>
上記実施例および比較例において得られた複合容器10Aの遮光性を、JIS K-7361-1「プラスチック-透明材料の全光透過率の試験方法」に準拠して、分光光度計を使用して測定し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表1および2にまとめた。
○:全光透過率が50%以下であった。
×:全光透過率が51%以上であった。
<<二酸化炭素バリア試験>>
上記実施例および比較例にて得られた複合容器10Aに4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、22℃、湿度40%RHの環境下で3週間放置した。3週後の炭酸水のGVを(株)ビスクル社製のダイレクトGV-1(商品名)を用いて測定し、GVの減少率を求めた。結果は表1および2に示される通りであった。
Figure 0007100820000001
Figure 0007100820000002

Claims (8)

  1. 口部と、前記口部下方に設けられた首部と、前記首部下方に設けられた肩部と、前記肩部下方に設けられた胴部と、前記胴部下方に設けられた底部と、を備える容器本体と、
    前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材と、を備え、
    前記プラスチック製部材が、ファイバー材料および樹脂材料を含み、前記ファイバー材料の周りに空隙が形成されていることにより、前記プラスチック製部材のヘーズ値が、85%以上、100%以下になっており、
    前記プラスチック製部材は、ポリオレフィン系樹脂および前記ファイバー材料を含む層、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む層、ポリオレフィン系樹脂および前記ファイバー材料を含む層からなる3層構造を有していることを特徴とする、複合容器。
  2. 前記ファイバー材料の平均繊維長が、10μm以上、300μm以下である、請求項1に記載の複合容器。
  3. 前記ファイバー材料の平均繊維径が、100nm以上、12μm以下である、請求項1または2に記載の複合容器。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂および前記ファイバー材料を含む層における前記ファイバー材料の含有量が、1質量%以上、10質量%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合容器。
  5. 二軸延伸ブロー成形品である、請求項1~のいずれか一項に記載の複合容器。
  6. JIS-K-7361に準拠して測定した、前記プラスチック製部材の全光透過率が55%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の複合容器。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の複合容器の作製に用いられる複合プリフォームであって、
    口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部を備えるプリフォームと、
    前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられた、ファイバー材料および樹脂材料を含むプラスチック製部材とを備えることを特徴とする、複合プリフォーム。
  8. 前記プラスチック製部材の赤外線透過率が50%以上である、請求項に記載の複合プリフォーム。
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