JP7093513B2 - 複合容器及びその製造方法、並びに複合プリフォーム - Google Patents

複合容器及びその製造方法、並びに複合プリフォーム Download PDF

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Description

本発明は、容器本体及び熱収縮プラスチック製部材を備える複合容器、その製造方法、並びに該複合容器の製造に用いられる複合プリフォームに関する。
近時、内容液を収容する容器として、プラスチック製の容器が一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチック製容器は、金型内においてプリフォームを、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
本出願人は、先の出願(特開2015-128858号公報)において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な、容器本体及びプラスチック製部材を備えてなる複合容器を提案している。
上記した複合容器には、リサイクル性が要求され、容器本体と、プラスチック製部材とを容易に分離できることが求められる。
また、このような複合容器には、その表面に画像等の印字部が形成されることがあるが、充填する内容物等によっては、その視認性を損なってしまうという問題があった。
特開2015-128858号公報
本発明が解決しようとする課題は、リサイクル適性が高く、かつ視認性の高い印字部を有する複合容器、その製造方法、並びに該容器の作製に用いられる複合プリフォームを提供することである。
本発明の複合容器は、容器本体と、
容器本体の外側に密着して設けられた熱収縮プラスチック製部材とを備え、
熱収縮プラスチック製部材が、その表面に熱転写印字部を有し、
熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
熱転写印字部を有する箇所における熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする。
一実施形態において、インキ層は、遮光性着色剤を含む第1のインキ層と、第2のインキ層とから構成される。
一実施形態において、熱転写印字部は、ヒートシール層、アンカーコート層、上記インキ層及び剥離層からなる転写層により構成される。
一実施形態において、ヒートシール層は、変性ポリオレフィン及びビニル樹脂の少なくとも一方を含む。
一実施形態において、アンカーコート層は、(メタ)アクリル樹脂及びポリアミドの少なくとも一方を含む。
一実施形態において、インキ層は、セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂の少なくとも一方を含む。
一実施形態において、剥離層は、(メタ)アクリル樹脂を含む。
本発明の複合プリフォームは、上記複合容器の製造に用いられ、
プリフォームと、
プリフォームの外側を取り囲むように設けられた熱収縮プラスチック製部材とを備え、
熱収縮プラスチック製部材が、その表面に熱転写印字部を有し、
熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
熱転写印字部を有する箇所における熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする。
本発明の複合容器の製造方法は、
プリフォーム、及び熱収縮プラスチック製部材を準備する工程と、
プリフォームを熱収縮プラスチック製部材の一端から嵌め込む工程と、
プリフォーム及び熱収縮プラスチック製部材を加熱する工程と、
プリフォーム及び熱収縮プラスチック製部材をブロー成形する工程と、
ブロー成形後の熱収縮プラスチック製部材表面に、熱転写印字部を形成する工程と、
を含み、
熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
熱転写印字部を有する箇所における熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする。
本発明によれば、リサイクル適性が高く、かつ視認性の高い複合容器及び該容器の作製に用いられる複合プリフォームを提供することができる。
図1は、本発明の複合容器10Aの部分垂直断面図である。 図2は、本発明の複合容器10Aの断面図であり、熱転写印字部44の構成を説明するための図である。 図3は、本発明の複合プリフォーム70の部分垂直断面図である。 図4は、熱収縮プラスチック製部材40aの製造方法の一実施形態を示す概略図である。 図5は、本発明の複合容器10Aの製造方法に含まれるブロー成形工程について説明するための概略図である。 図6は、熱転写印字部44(44a)の製造に用いる中間転写媒体200の一実施形態を示す断面概略図である。
複合容器10A
図1に示すように、複合容器10Aは、内側に位置する容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられ、その表面に熱転写印字部44を有する熱収縮プラスチック製部材40とを備えている。
容器本体10
容器本体10は、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた肩部12と、肩部12の下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。なお、本明細書中、「上」及び「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方及び下方のことをいう。
口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置しており、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
さらに、胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
本発明の複合容器10Aが備える容器本体は、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば容器本体10の内容量が500mLであって、容器本体10の重量が20gである場合は50μm~250μm程度にすることができる。また、容器本体10の内容量が500mLであって、容器本体10の重量が35gである場合、50μm~350μm程度にすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
容器本体10は、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネートやこれらをブレンドしたもの等の樹脂材料を含んでなることができる。上記した樹脂材料の中でも、耐熱性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
また、容器本体10が多層構造を有する場合、例えば、中心にガスバリア性の高い樹脂を含む層(以下、単にガスバリア層という。)を配置することができる。具体的には、PET/MXD-6/PET、PET/MXD-6+酸化促進剤/PETや、PEN/MXD-6/PEN、PEN/MXD-6+酸化促進剤/PENからなる構成が挙げられる。
酸化促進剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、メトキシベンゾフェノン、メトキシアセトフェノン、モルホリノベンゾフェノン等が挙げられる。
また、容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の着色剤を含んでいても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、これら着色剤を含まず、無色透明であることが好ましい。
また、容器本体10は、添加剤を含んでいてもよく、例えば、可塑剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤及びイオン交換剤等を挙げることができる。
一実施形態において、容器本体10は、後記するプリフォーム10aを二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。
容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10の比重は、1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。これにより、後記する熱水中分離をより容易に行うことができ、複合容器10Aのリサイクル性を向上できる。
容器本体10の満注容量は、特に限定されるものではなく、例えば、100mL~2000mLであってもよく、満注容量が例えば10L~60Lの大型のボトルであっても良い。
熱収縮プラスチック製部材40
熱収縮プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。また、図1に示すように、熱収縮プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
熱収縮プラスチック製部材40は、熱収縮プラスチック製部材40aを、後述するように、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設け、プリフォーム10aの外側に密着させた後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形することにより得ることができる。
熱収縮プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。
例えば、図1に示すように、熱収縮プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、首部13及び底部30の一部を除き設けることができる。
本発明の複合容器10Aが備える熱収縮プラスチック製部材40は、単層構造を有するものであっても、多層構造を有するものであってもよい。また、熱収縮プラスチック製部材40が多層構造を有する場合、例えば、中心にガスバリア性の高い樹脂を含む層(以下、単にガスバリア層という。)を配置することができる。具体的には、PE/接着層/EVOH/接着層/PE、PE/接着層/ポリアミド樹脂/接着層/PEや、PP/接着層/EVOH/接着層/PP、PP/接着層/ポリアミド樹脂/接着層/PPからなる構成が挙げられる。
熱収縮プラスチック製部材40の着色層における着色剤の含有量は、0.5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。これにより、熱収縮プラスチック製部材40の成形安定性をより向上できると共に、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
熱収縮プラスチック製部材40は、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール及びポリビニルブチラール等のビニル樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、MXD6及びポリアクリルアミド等のポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸メチル及びポリ(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリブテン-1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等の樹脂材料を含むことが出来る。
なお、本発明において、上記した樹脂材料、例えば、ポリオレフィンには、該ポリオレフィンのアイオノマーも含まれる。
これらの中でも、透明性が高く安価であり、かつ熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができるという理由から、ポリオレフィンが好ましい。
熱収縮プラスチック製部材40における樹脂材料の含有量は、70質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。これにより、成形性を維持しつつ添加剤の濃度を上げることが可能となる。また、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
また、熱収縮プラスチック製部材40は、その特性が損なわれない範囲において、各種の添加剤を含んでなることができる。添加剤としては、例えば、可塑剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、着色剤(顔料、染料)および紫外線吸収剤等を添加することができる。また、熱収縮プラスチック製部材40は、後記する遮光性着色剤を含んでいてもよい。
本発明の複合容器10Aが備える熱収縮プラスチック製部材40は、その表面に熱転写印字部44を有することを特徴とする(図1参照)。該熱転写印字部44は、熱収縮プラスチック製部材40の一部にのみ設けられていてもよく、その全体に設けられていてもよい。
熱収縮プラスチック製部材40表面が有する熱転写印字部44には、各種キャラクタ、花柄、動物柄ような模様、筋状、点状、幾何学的形状、図形等の模様、点字を含む文字情報等の画像が形成されている。
また、本発明は、熱収縮プラスチック製部材40の熱転写印字部44が設けられた箇所の比重が1未満であることを特徴とする。これにより、後記する熱水中分離をより容易に行うことができ、複合容器10Aのリサイクル性を向上できる。
より好ましくは比重は、0.97以下であり、さらに好ましくは0.95以下である。
なお、本発明において、比重の測定は、密度勾配管法により行う。
熱転写印字部44は、後記するように、中間転写媒体200から転写された転写層100により構成されるものである。一実施形態において、転写層100は、図2に示すように、ヒートシール層101、アンカーコート層102、インキ層103及び剥離層104から構成される。インキ層および剥離層は1層であってもよく、2層であっても良い。
ヒートシール層101は、加熱することにより軟化し、密着性を発揮する熱可塑性樹脂を少なくとも1種含んでなる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル及びエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレン樹脂、並びにこれらの変性物等が挙げられる。
これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重及び熱転写印字部44の熱収縮プラスチック製部材40に対する密着性という観点からは、変性ポリオレフィン及びEVA等のビニル樹脂が好ましい。
ヒートシール層101は、本発明の特性を損なわない範囲において、充填材、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機微粒子、有機微粒子、離型剤、分散剤等の添加材を含んでいてもよい。
ヒートシール層101の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、5μm以下であることがより好ましい。これにより、ヒートシール層のヒートシール性を維持しつつ、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる
アンカーコート層102は、ヒートシール層101と、インキ層103との間の密着性を向上させるために設けられた層であり、少なくとも1種の樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、セルロース樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重及びヒートシール層101と、インキ層103との間の密着性という観点からは、(メタ)アクリル樹脂及びポリアミドが好ましい。
アンカーコート層102は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含んでいてもよい。
アンカーコート層102の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがより好ましい。これにより、ヒートシール層101と、インキ層103との間の密着性を維持しつつ、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる
インキ層103は、着色剤により画像が形成されており、例えば、各種キャラクタ、花柄、動物柄ような模様、筋状、点状、幾何学的形状、図形等の模様、点字を含む文字情報等が挙げられる。
インキ層103の画像形成は、特に限定されず、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の従来公知の印刷方法を利用してもよい。
本発明において、インキ層103は、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えることを特徴とする。このような構成とすることにより、充填される内容物によらず、視認性の高い熱転写印字部44を形成することができる。
遮光性着色剤は、染料であっても、顔料であってもよい。また、色についても特に限定されず、白色、黒色、灰色などのモノクロ色以外に、赤色、青色、黄色、緑色、茶色等であってもよいが、隠蔽性が高いことからモノクロ色であることが好ましい。具体的には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、アニリンブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛及び亜鉛華等が挙げられる。
インキ層103における遮光性着色剤の含有量は、0.1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。これにより、熱転写印字部44の視認性をより向上することができる。
インキ層103は、1種以上の樹脂材料を含むことができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、並びにポリカーボネート等が挙げられる。
これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重、着色剤の分散性という観点からは、ニトロセルロース等のセルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
インキ層103は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含んでいてもよい。
インキ層103の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、5μm以下であることがより好ましい。これにより、熱転写印字部44の視認性をより向上することができる。また、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
一実施形態において、インキ層103は、遮光性着色剤を含む第1のインキ層と、第2のインキ層とを備える。
第1のインキ層は、熱転写印字部44において、容器本体10側に設けられ、第2のインキ層は、視認される表面側に設けられる。
このような構成とすることにより、熱転写印字部44の視認性を向上することができる。
第1のインキ層に含まれる遮光性着色剤は、染料であっても、顔料であってもよい。また、色についても特に限定されず、白色、黒色、灰色などのモノクロ色以外に、赤色、青色、黄色、緑色、茶色等であってもよいが、隠蔽性が高いことからモノクロ色であることが好ましい。例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、アニリンブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛及び亜鉛華等が挙げられる。
第1のインキ層における遮光性着色剤の含有量は、0.1質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。これにより、熱転写印字部44の視認性をより向上することができる。
第1のインキ層は、1種以上の樹脂材料を含むことができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、並びにポリカーボネート等が挙げられる。
これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重、着色剤の分散性という観点からは、ニトロセルロース等のセルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
第1のインキ層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含んでいてもよい。
第1のインキ層の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、5μm以下であることがより好ましい。これにより、熱転写印字部44の視認性をより向上することができる。また、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
第2のインキ層は、少なくとも1種の着色剤を含み、例えば、黒、白、イエロー、シアン、マゼンダ等の色相の有機又は無機の顔料又は染料等が挙げられる。より具体的には、カーボンブラック、グラファイト、ニグロシン染料、ランプ黒、酸化マンガン、酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、酸化アルミ、アルカリブルー、イオゾールレッド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。耐候性の観点からは顔料が好ましい。
第2のインキ層は、1種以上の樹脂材料を含むことができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、並びにポリカーボネート等が挙げられる。
これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重、着色剤の分散性という観点からは、ニトロセルロース等のセルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
第2のインキ層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含んでいてもよい。
第2のインキ層の厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、20μm以下であることがより好ましい。これにより、熱転写印字部44の視認性をより向上することができる。また、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
剥離層104は、中間転写媒体200からの転写層100の転写性を向上させるために設けられる層である。
一実施形態において、剥離層104は、少なくとも1種の樹脂材料を含み、例えば、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重及び転写層の転写性という観点からは、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
剥離層104は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加剤を含んでいてもよい。
剥離層104は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい、また、その厚さは、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、5μm以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性を維持しつつ、熱収縮プラスチック製部材40の比重を良好なものとすることができる。
熱収縮プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば10μm以上、100μm以下とすることができる。
また、熱転写印字部44を有する箇所の厚みは、例えば、12μm以上、140μm以下とすることができる。
熱収縮プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から分離(剥離)して除去することができる。
本発明においては、熱収縮プラスチック製部材40が熱収縮性を有すると共に、熱転写印字部を有する箇所であってもその比重が1未満であるため、複合容器10Aを粉砕した後、熱水に浸けることにより、熱収縮性プラスチック製部材40と、容器本体10とを容易に分離することができる(水中分離)。
また、該方法以外にも、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離することにより、分離できる。
上記のような方法により、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去することができるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルすることができる。
複合プリフォーム70
図3に示すように、複合プリフォーム70は、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、その表面に熱転写印字部44aを有する熱収縮プラスチック製部材40aとを備える。
プリフォーム10a
複合プリフォーム70が備えるプリフォーム10aは、図3に示すように、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12及び胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
熱収縮プラスチック製部材40a
図3に示すように、熱収縮プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。熱収縮プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
熱収縮プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、熱収縮プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの口部11a及び底部30aの一部を除き設けられていても良い。
本発明の複合プリフォーム70が備える熱収縮プラスチック製部材40aは、その表面に熱転写印字部44aを有することを特徴とする。
また、本発明は、熱収縮プラスチック製部材40aの熱転写印字部44aが設けられた箇所の比重が1未満であることを特徴とする。より好ましくは比重は、0.97以下であり、さらに好ましくは0.95以下である。
ブロー成形前の熱収縮プラスチック製部材40aの厚さは、100μm以上、600μm以下であることが好ましい。
複合容器10Aの製造方法
一実施形態において、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを熱収縮プラスチック製部材40aの一端から嵌め込む工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱する工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aをブロー成形する工程と、
ブロー成形後の熱収縮プラスチック製部材40表面に、熱転写印字部44を形成する工程と、
を含む。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程
プリフォーム10aは、上記した樹脂材料等を従来公知の射出成形装置を使用して射出成形することにより製造することができる。
また、市販されるプリフォーム10aを使用してもよい。
一実施形態において、熱収縮プラスチック製部材40aは、以下のような方法により作製することができる。
まず、上記した樹脂材料等を、押出装置内で加熱溶融し、溶融した樹脂材料等をリングダイより連続的に押し出しを行い、冷却することにより、未延伸の押出チューブ1に成形する(図4(a)参照)。
次いで、この未延伸の押出チューブの一端を溶着又は接着することによって、押出チューブの一端を閉鎖する。
さらに、この一端が閉鎖された押出チューブ1を、押出チューブ1の外径よりも大きい内径を有する金型2内に配置する(図4(b)参照)。
次いで、押出チューブ1の他端にブロー装置3を配置(装着)する(図4(c)参照)。このとき、ブロー装置3は、押出チューブ1と、これらの間からエアが漏れないよう密着させることが好ましい。
続いて、押出チューブ1、金型2及びブロー装置3を、この配置のまま加熱炉4に送り込み、加熱炉4の内部で70~150℃に加熱する(図4(d)参照)。加熱炉4としては、その内部を均一な温度にするために、熱風循環式加熱炉を用いても良い。あるいは押出チューブ1、金型2及びブロー装置3を、加熱した液体中を通過させることにより、これらを加熱しても良い。
次に、押出チューブ1、金型2及びブロー装置3を、加熱炉4から取り出し、ブロー装置3から押出チューブ1内にエアを噴出することにより、押出チューブ1の内面を加圧延伸する。これにより、押出チューブ1は、膨張し、金型2の内面形状に沿って拡径される(図4(e)参照)。
その後、ブロー装置3からエアを噴出した状態のまま、押出チューブ1を冷水中で冷却し、押出チューブを金型2から取り出す(図4(f)参照)。これを所望の大きさにカットすることにより熱収縮性のプラスチック製部材40aを得ることができる(図4(g)参照)。
なお、上記方法により製造された熱収縮プラスチック製部材40aに限定されず、市販されるものを使用してもよい。
嵌め込み工程
本発明の方法は、熱収縮プラスチック製部材40aの一端から、プリフォーム10aを嵌め込む工程を含んでなる。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aの加熱工程
本発明の方法は、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱する工程を含む。該工程において、熱収縮プラスチック製部材40aは、熱収縮し、プリフォーム10aに対し密着する(複合プリフォーム70)。
加熱方法は、特に限定されず、例えば、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱されたプリフォームの温度は、90℃以上、130℃以下であることが好ましく、95℃以上、125℃以下であることがより好ましい。加熱された熱収縮プラスチック製部材40aの温度は、80℃以上、180℃以下であることが好ましく、90℃以上、150℃以下であることがより好ましい。
ブロー成形工程
加熱後、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40a(複合プリフォーム70)は、ブロー成形金型50に送られる(図5(a)参照)。
一実施形態において、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図5(a)参照)。
図5(a)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40a(複合プリフォーム70)が挿入される。
次に、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40a(複合プリフォーム70)に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
これにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる(図5(b)参照)。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられた熱収縮プラスチック製部材40とを備えた複合容器10Aが得られる。
次に、図5(c)に示すように、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から複合容器10Aが取出される。
熱転写印字部44形成工程
熱転写印字部44は、図6に示すような、基材105と、剥離層104、インキ層103、アンカーコート層102及びヒートシール層101を備える転写層100とを、少なくとも備える中間転写媒体200を用いて形成することができる。
また、中間転写媒体200は、背面層106を備えていてもよい。
具体的には、中間転写媒体200のヒートシール層101を、プラスチック製部材40と重ね合わせ、次いで、中間転写媒体200を基材105側から、加熱部材(例えば、ウレタンローラーやサーマルヘッド)を用いて加熱し、転写層100を熱収縮プラスチック製部材40上へ転写させることにより熱転写印字部44を形成することができる。
熱転写時における加熱部材の温度は、120℃以上、280℃以下であることが好ましく、150℃以上、250℃以下であることがより好ましい。
中間転写媒体200が備える剥離層104、インキ層103、アンカーコート層102及びヒートシール層101については上記した通りである。
また、基材105としては、熱転写の際に加えられる熱に耐えることのできる程度の耐熱性とインキ層等を保持することができる程度の機械的強度を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム及びポリイミドフィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
また、一実施形態において、中間転写媒体200は、背面層106を備え、該層は、熱転写時におけるスティッキングやシワの発生を防ぐために設けられる層であり、少なくとも1種の樹脂材料を含む。樹脂材料としては、例えば、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン変性ウレタン系樹脂、フッ素変性ウレタン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
また、一実施形態において、背面層106は、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等の無機微粒子や、(メタ)アクリル系樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン系樹脂、ラウロイル系樹脂、フェノール系樹脂、アセタール系樹脂、スチレン系樹脂及びポリアミド系樹脂等からなる有機樹脂微粒子を含む。
他の実施形態においては、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを加熱する工程と、
プリフォーム10aを熱収縮プラスチック製部材40aの一端から嵌め込む工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱する工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aをブロー成形する工程と、
ブロー成形後の熱収縮プラスチック製部材40表面に、熱転写印字部44を形成する工程と、
を含む。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
プリフォーム10aの加熱工程
本実施形態において複合容器10Aの製造方法は、嵌め込み工程前に、プリフォーム10aを加熱する工程を含む。これにより、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aの加熱工程における加熱温度を下げることができ、熱収縮プラスチック製部材40aの過度の加熱を避けることができ、ダメージを低減させることができる。
加熱方法は、特に限定されず、例えば、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱されたプリフォームの温度は、70℃以上、120℃以下であることが好ましく、80℃以上、110℃以下であることがより好ましい。
嵌め込み工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aの加熱工程
本実施形態においては、該工程における加熱されたプリフォームの温度は、90℃以上、130℃以下であることが好ましく、95℃以上、125℃以下であることがより好ましい。加熱された熱収縮プラスチック製部材40aの温度は、80℃以上、180℃以下であることが好ましく、90℃以上、150℃以下であることがより好ましい。
本実施形態においては、上記温度とするために、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱するために使用する熱源の温度及び時間を短縮でき、熱収縮プラスチック製部材40aへのダメージを低減させることができる。
ブロー成形工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
熱転写印字部44形成工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
さらに他の実施形態においては、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
一実施形態において、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを熱収縮プラスチック製部材40aの一端から嵌め込む工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱する工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aをブロー成形する工程と、
熱収縮プラスチック製部材40a表面に、熱転写印字部44aを形成する工程と、
を含む。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
嵌め込み工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aの加熱工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
ブロー成形工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
熱転写印字部44a形成工程
本実施形態においては、複合容器10Aの製造方法は、熱収縮プラスチック製部材40a表面に、熱転写印字部44aを形成する工程を含む。該熱転写印字部44aは、上記した熱転写シートを用いて形成することができる。
熱転写印字部44aの形成は、嵌め込み前の熱収縮プラスチック製部材40aに対して行ってもよく、嵌め込み後であって、加熱収縮前の熱収縮プラスチック製部材40aに対して行ってもよく、加熱収縮後の熱収縮プラスチック製部材40aに対して行ってもよい。
さらに他の実施形態においては、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備する工程と、
プリフォーム10aを加熱する工程と、
プリフォーム10aを熱収縮プラスチック製部材40aの一端から嵌め込む工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを加熱する工程と、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aをブロー成形する工程と、
熱収縮プラスチック製部材40a表面に、熱転写印字部44aを形成する工程と、
を含む。
本実施形態においては、含まれる工程全て上記同様であるため、記載を省略する。
さらに、他の実施形態においては、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを備える複合プリフォーム70を準備する工程と、
複合プリフォーム70を加熱する工程と、
複合プリフォーム70をブロー成形する工程と、
ブロー成形後の熱収縮プラスチック製部材40に対し、熱転写印字部44を形成する工程と、
を含む。
複合プリフォーム70を準備する工程
複合プリフォーム70は、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを準備し、プリフォーム10aを熱収縮プラスチック製部材40aの一端から嵌め込み、次いで、熱収縮プラスチック製部材40aを加熱し、熱収縮させ、プリフォーム10aに密着させることにより製造することができる。
この時の加熱方法及び温度は、特に限定されるものではなく、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができ、加熱された熱収縮プラスチック製部材の温度は、例えば、80℃以上、160℃以下とすることができる。
複合プリフォーム70の加熱工程
本発明の方法は、複合プリフォーム70を加熱する工程を含む。
加熱方法は、特に限定されず、例えば、赤外線や、温風等を用いて適宜行うことができる。加熱温度は、60℃以上、250℃以下であることが好ましく、80℃以上、150℃以下であることがより好ましい。
ブロー成形工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
熱転写印字部44形成工程
上記と同様であるため、ここでは記載を省略する。
さらに、他の実施形態においては、本発明の複合容器10Aの製造方法は、
プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aを備える複合プリフォーム70を準備する工程と、
複合プリフォーム70を加熱する工程と、
複合プリフォーム70をブロー成形する工程と、
複合プリフォーム70が備える熱収縮プラスチック製部材40a表面に、熱転写印字部44aを形成する工程と、
を含む。
本実施形態においては、含まれる工程全て上記同様であるため、記載を省略する。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
基材105として、厚さ16μmのPETフィルムを準備した。
この一方の面に、後記組成の剥離層形成用塗工液をグラビア印刷法により塗布、乾燥し、厚さ1.5μmの剥離層104を形成した。
<剥離層形成用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂 30質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
・トルエン 35質量部
剥離層104上に、後記組成の第2のインキ層形成用塗工液をグラビア印刷法により塗布、乾燥し、厚さ1μmの第2のインキ層を形成すると共に、該第2のインキ層上に、後記組成の第1のインキ層形成用塗工液をグラビア印刷法により塗布、乾燥し、厚さ1μmの第1のインキ層を形成した。
<第2のインキ層形成用塗工液>
・黒色着色剤 20質量部
・ニトロセルロース 30質量部
・(メタ)アクリル樹脂 10質量部
・メチルエチルケトン 20質量部
・トルエン 20質量部
<第1のインキ層形成用塗工液>
・遮光性着色剤(酸化チタン) 20質量部
・ニトロセルロース 30質量部
・(メタ)アクリル樹脂 10質量部
・メチルエチルケトン 20質量部
・トルエン 20質量部
第1のインキ層上に、後記組成のアンカーコート層形成用塗工液をグラビア印刷法により塗布、乾燥し、厚さ1.5μmのアンカーコート層102を形成した。
<アンカーコート層形成用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂 40質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
・トルエン 30質量部
アンカーコート層102上に、後記組成のヒートシール層形成用塗工液をグラビア印刷法により塗布、乾燥し、厚さ2μmのヒートシール層101を形成し、中間転写媒体200を得た。
<ヒートシール層形成用塗工液>
・変性ポリオレフィン 35質量部
・メチルエチルケトン 13質量部
・トルエン 52質量部
射出成形機を使用して、単層構造を有するPET製プリフォーム10aを作製した。
ポリオレフィン及び茶色着色剤を含む混合物を、リング状のダイから溶融押出した。次いで、押出されたチューブ内面を加圧、またはチューブ外面を内面より陰圧とした後、拡径を行い、単層構造を有する熱収縮プラスチック製部材40aを作製した。なお、熱収縮プラスチック製部材40aにおける茶色着色剤の含有量は、10質量%とした。
次いで、赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10aを95℃まで加熱した。
加熱後、手作業により、プリフォーム10aを、熱収縮プラスチック製部材40a一端から嵌め込みを行った。
嵌め込み後、赤外線ヒーターを用いて、プリフォーム10a及び熱収縮プラスチック製部材40aをそれぞれ110℃まで加熱し、熱収縮プラスチック製部材40aを熱収縮させると共に、図4に表されるブロー成形金型に搬送した。
このブロー成形金型内において、複合プリフォーム70を二軸延伸ブロー成形し、満注容量が500mLの複合容器10Aを得た。
得られた複合容器10Aが備える熱収縮プラスチック製部材40の表面に、上記のようにして製造した中間転写媒体200及び加熱されたウレタンロールを用いて、中間転写媒体200が備えるヒートシール層101、アンカーコート層102、インキ層103(第1のインキ層及び第2のインキ層)及び剥離層104からなる転写層100を転写し、熱転写印字部44を形成し、本発明に係る複合容器10Aを製造した。
熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重を密度勾配管法により測定したところ、0.98であった。
比較例1
中間転写媒体200の製造において、第1のインキ層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aを製造した。
熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重を測定したところ、0.95であった。
比較例2
熱収縮プラスチック製部材40aの製造において、茶色着色剤を35質量%含有させた以外は、実施例1と同様にして、複合容器10Aを製造した。
熱転写印字部44が形成された箇所の熱収縮プラスチック製部材40の比重を測定したところ、1.06であった。
<<視認性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた複合容器10Aに、300mlの日本酒を充填し、キャッピングした後、無作為に抽出した評価者4名に、熱転写印字部の視認性について優劣をつけてもらった。評価者4名の平均値を表1にまとめた。
○:顔から30cm離し、黒色着色剤で印字された5ptサイズの文字まで判別可能
△:顔から10cm離し、黒色着色剤で印字された5ptサイズの文字まで判別可能
×:顔から10cm離しても、黒色着色剤で印字された5ptサイズの文字が判別不可
<<リサイクル性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた複合容器10Aを粉砕し、8mm×8mmの試験片とした。該試験片を、85℃の熱水に浸け、容器本体10と、熱収縮プラスチック製部材40とが分離するか否かを目視により観察し、評価した。分離した場合を○、分離しなかった場合を×とし、評価結果を表1にまとめた。
Figure 0007093513000001

Claims (8)

  1. 容器本体と、
    前記容器本体の外側に密着して設けられた熱収縮プラスチック製部材とを備え、
    前記熱収縮プラスチック製部材が、その表面に熱転写印字部を有し、
    前記熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
    前記インキ層が、遮光性着色剤を含む第1のインキ層と、第2のインキ層とから構成され、
    前記熱転写印字部を有する箇所における前記熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする、複合容器。
  2. 前記熱転写印字部が、ヒートシール層、アンカーコート層、前記インキ層及び剥離層からなる転写層により構成される、請求項に記載の複合容器。
  3. 前記ヒートシール層が、変性ポリオレフィン及びビニル樹脂の少なくとも一方を含む、請求項に記載の複合容器。
  4. 前記アンカーコート層が、(メタ)アクリル樹脂及びポリアミドの少なくとも一方を含む、請求項又はに記載の複合容器。
  5. 前記インキ層が、セルロース樹脂及び(メタ)アクリル樹脂の少なくとも一方を含む、請求項のいずれか一項に記載の複合容器。
  6. 前記剥離層が、(メタ)アクリル樹脂を含む、請求項のいずれか一項に記載の複合容器。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の複合容器の製造に用いられる複合プリフォームであって、
    プリフォームと、
    前記プリフォームの外側を取り囲むように設けられた熱収縮プラスチック製部材とを備え、
    前記熱収縮プラスチック製部材が、その表面に熱転写印字部を有し、
    前記熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
    前記インキ層が、遮光性着色剤を含む第1のインキ層と、第2のインキ層とから構成され、
    前記熱転写印字部を有する箇所における前記熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする、複合プリフォーム。
  8. プリフォーム、及び熱収縮プラスチック製部材を準備する工程と、
    前記プリフォームを前記熱収縮プラスチック製部材の一端から嵌め込む工程と、
    前記プリフォーム及び前記熱収縮プラスチック製部材を加熱する工程と、
    前記プリフォーム及び前記熱収縮プラスチック製部材をブロー成形する工程と、
    ブロー成形後の前記熱収縮プラスチック製部材表面に、熱転写印字部を形成する工程と、
    を含み、
    前記熱転写印字部が、遮光性着色剤を含む層を少なくとも備えるインキ層を備え、
    前記インキ層が、遮光性着色剤を含む第1のインキ層と、第2のインキ層とから構成され、
    前記熱転写印字部を有する箇所における前記熱収縮プラスチック製部材の比重が1未満であることを特徴とする、複合容器の製造方法。
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