JP7098468B2 - 電子写真感光体の検査方法及び検査装置 - Google Patents
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Description
そこで、このような欠陥は電子写真感光体製造時の検査工程において検出して選別する必要があるが、従来その検査方法としては、画像評価により検出する方法や、自動的に被検査体の欠陥検査装置により検出する方法が行なわれていた。
特許文献2には、内部層欠陥を偏光特性を利用して顕在化させる投光手段が記載されている。
したがって、本発明の目的は黒ポチなどの画像欠陥の発生原因となる導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)を精度よく検出できる検査方法を提供することにある。
第一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程と、を有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、ことを特徴とする。
本発明者らは、感光層中の導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)を検出できる検査方法を検討した。導電性の高い物質を検出する方法として、その代表例である金属に着目しその反射特性に着目した。そこで、一般的に知られている偏光観察法を試した。偏光観察法は観察対象を互いに直交する方向の2枚の偏光板の間に入れて観察する方法である。この方法を用いると、反射特性の高い金属は2枚の偏光板を通ることで、光が遮断されて黒く観察されるのに対して、感光層は散乱するため、光は遮断されず、偏光板を通しても、変化がみられない。したがって、この方法で観察すると、感光層中の金属はその部分だけ黒くなる。しかしながら、導電性の低い黒い物質との識別が困難となってしまった。次に、金属が黒くなるところを、他の色(感光層中に存在しない色)として観察させることができれば、感光層中に存在しうる導電性の高い物質のみを識別できると考え、通過した光に特定の光路差を生じさせることのできる波長板を間に挟むことを試みた。その結果、たとえば、青色であるフタロシアニン顔料を用いた感光層であれば、感光層中に存在しない色として、導電性高い物質のみを赤系の色として観察できることができた。
以上のように、直交する方向の2枚の偏光板と波長板を組み合わせることによって、本発明の効果を達成することが可能となった。
波長板を光が通過する位置は2枚の偏光板の間であれば被観察物に照射される前でも後でも本発明の効果は発揮される。被観察物に照射された後に通過する方が、好ましい。
該検査方法が、
該電子写真感光体に対して光を照射する照射工程と、
第一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程と、を有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、ことを特徴とする検査方法、が提供される。
該受光工程で取得された該撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と、を有することを特徴とする検査方法、が提供される。
該検査方法が、
該円筒体に対して光を照射する照射工程と、
第一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該円筒体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で偏光させる第二偏光工程と、を有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、ことを特徴とする検査方法、が提供される。
該受光工程から取得された該撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と、を有することを特徴とする検査方法、が提供される。
該検査装置が、
該電子写真感光体に対して検査光を照射するための光源と、
該電子写真感光体からの反射光を受光するための受光部と、
該光源と該電子写真感光体との間の、第一の偏光板と、
該電子写真感光体と該受光部との間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板との間の、波長板と、を有する、ことを特徴とする検査装置、が提供される。
該検査装置が、
該円筒体に対して検査光を照射するための光源と、
該円筒体からの反射光を受光するための受光部と、
該光源と該円筒体との間の、第一の偏光板と、
該円筒体と該受光部との間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板との間の、波長板と、を有する、ことを特徴とする検査装置、が提供される。
11は電子写真感光体または樹脂層を有する円筒体(以下、円筒体11とする)であり、断面を示している。円筒体11に対して、光源12は照射された光が入射角θに照射されるように配置される。円筒体11と光源12の間に第一の偏光板13が配置される。受光部14は該円筒体11に照射された光が反射した光軸上に配置される。円筒体11と受光部14の間に波長板15と第二の偏光板16が配置される。第二の偏光板16は第一の偏光板13に対して偏光軸を90°回転させた状態に配置される。
図1に示す通り、光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、入射角θで円筒体11に照射される。円筒体11から反射した光は波長板15を通過し、次いで第二の偏光板16を通過し、受光部14に到達する。
例えば、波長板が530nmの1波長板であった場合、530nmの波長の光は入射時の振動方向に戻り、それ以外の波長の光は入射時の振動方向とは異なる振動方向となる。これらの波長の異なる光は、振動方向が異なった状態で第二の偏光板16に入射される。第二の偏光板16と第一の偏光板13の偏光軸は90°ずれており、2枚の偏光板の間に介在するものがなければ、光は遮断される特性をもつ。したがって、530nmの波長の光は波長板15を通過しても入射時の振動方向に戻っているため、第二の偏光板16によって遮断されるのに対して、その他の波長は入射時の振動方向とは異なっているため、第二の偏光板16を通過することができる。その結果、直線偏光の光が導電性の高い物質で反射した光は受光部14に到達するまでに530nmである緑色の光が遮断されることになり、受光部14に到達するのは赤紫の色となる。
光源12はハーフミラー17で反射された光が対物レンズ18を通過し、円筒体11に垂直入射されるように配置される。ハーフミラー17は光軸に対して45°に配置される。第一の偏光板13は光源12とハーフミラー17の間に配置され、対物レンズ18はハーフミラー17と円筒体11の間に配置される。受光部14は円筒体11に対して垂直上に配置される。第二の偏光板16はハーフミラー17と受光部14との間に配置され、波長板15はハーフミラー17と第二の偏光板16の間に配置する。
図2に示す通り、光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、ハーフミラー17で反射され、その光が対物レンズ18に像側から入射後、物体側から出射され、円筒体11に垂直に照射される。円筒体11から反射した光は対物レンズ18の物体側から入射後、像側に出射され、ハーフミラー17を通過し、波長板15、次いで第二の偏光板16をこの順で通過し、受光部14に到達する。
該受光部14から取得された撮像情報から、バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理部を設けてもよい。
色抽出とは、取込画像の特定エリア内の色を抽出して登録し、その基準色の色相、彩度、輝度の上下限範囲内の色と、範囲外の色を選別し、範囲内を黒、範囲外を白と変換する(2値化する)。例えばアドビシステムズ社製フォトショップ(登録商標)などの一般的なソフトを用いることにより行うことができる。その後、2値画像上の黒画素を検出して判定する。
本発明の検査対象である電子写真感光体は、下引き層と、感光層と、場合によって導電層、保護層とを有する。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
本発明において、検査対象である電子写真感光体は、支持体を有する。支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
電子写真感光体は、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
本発明において、検査対象である電子写真感光体は、支持体又は導電層の上に、下引き層を設ける。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
電子写真感光体は、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、電子写真感光体の耐久性を向上することができる。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)が被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(個数平均一次粒子径200nm)214部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ-325)132部、及び、
メタノール40部、1-メトキシ-2-プロパノール58部を、
直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(東レダウコーニング社製、SH28PA)及び15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、トスパール120)を分散液に添加した。この分散液を撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間160℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30.2μmの導電層を形成した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する。)10部、
ポリアセタール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)5部及び
シクロヘキサノン250部を、
直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質として下記式(1)で示されるアミン化合物7部と、
式(2)と式(3)で示される構造単位を有し、式(2)と(3)のモル比率が5/5である重量平均分子量が120,000であるポリエステル樹脂10部を、
ジメトキシメタン50部とO-キシレン50部の混合溶剤に溶解させ、さらに、シリカ微粒子(信越化学(株)製KMPX-100:平均一次粒径0.1μm )を固形分に対して、2質量%添加し、撹拌することによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、感光体Aを作製した。
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を切削処理したものを支持体(導電性支持体)とした。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が3μmの下引き層を形成した。
電荷発生層、電荷輸送層は感光体Aと同様に作製し、感光体Bを作製した。
感光体Aの電荷輸送層を形成せずに、感光体Aと同様にして、支持体上に導電層と下引き層と電荷発生層を形成し、樹脂層を有する円筒体Cを作製した。
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-1を作製した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、Fe粒子(平均粒径30μm)0.05部を塗布直前に添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ0eVのAl粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-2を作製した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、Al粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ0.8eVの導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-3を作製した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ1.2eVの導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-4を作製した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
感光体Aの電荷輸送層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体2を作製した。
電荷輸送物質として上記式(1)で示されるアミン化合物7部と、
式(2)と式(3)で示される構造単位を有し、式(2)と(3)のモル比率が5/5である重量平均分子量が120,000であるポリエステル樹脂10部を、
ジメトキシメタン50部とO-キシレン50部の混合溶剤に溶解させ、さらに、シリカ微粒子(信越化学(株)製KMPX-100:平均一次粒径0.1μm )を固形分に対して、2質量%、バンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.05部添加し、撹拌することによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
感光体Bの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Bと同様にして、欠陥感光体3を作製した。
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、バンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.05部を塗布直前に添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
円筒体Cの電荷発生層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、樹脂層を有する円筒体Cと同様にして、欠陥円筒体4を作製した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する。)10部、
ポリアセタール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)5部及び
シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これにバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.01部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.01部、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
欠陥感光体1-1の恣意的欠陥部をランダムに20ヶ所選択し、各々の欠陥部に対して、検査をおこなった。
照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図1に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に法線に対し70°の角度、CCDセンサを同法線に対し70°の角度に配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像について画像処理を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行った。識別の精度を示すために、各欠陥の分析をおこない、正しく識別されていたかを確認した。20個中正しく識別できていた数を結果として表1に示す。
欠陥感光体1-1、2、3、および欠陥円筒体4について、照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、集光部として対物レンズ(倍率20 開口数0.5)、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図2に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に垂直に入射するように配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像について画像処理を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
欠陥感光体1-1~1-4について、照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、集光部として対物レンズ(倍率20 開口数0.5)、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図2に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に垂直に入射するように配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像をモニタに写し目視検査を行った。目視検査を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行った。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3の波長板を鋭敏色板を1/2波長板に偏光した以外は実施例3と同様に欠陥感光体1-1について識別と評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において、波長板および第二の偏光板を用いなかった以外は実施例3と同様に識別と評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3において、波長板を用いなかった以外は実施例3と同様に識別と評価を行った。結果を表1に示す。
2 導電層
3 下引き層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 欠陥
11 電子写真感光体または樹脂層を有する円筒体
12 光源
13 第一の偏光板
14 受光部
15 波長板
16 第二の偏光板
17 ハーフミラー
18 対物レンズ
Claims (10)
- 円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
該検査方法が、
該電子写真感光体に対して光を照射する照射工程と、
第一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程と、
を有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、
ことを特徴とする検査方法。 - 前記検査方法が、
前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
該受光工程で取得された該撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と、
を有する請求項1に記載の検査方法。 - 前記照射工程で照射される該光が、白色光源から照射された偏光されていない光である、請求項1または2に記載の検査方法。
- 前記波長板が、鋭敏色板である、請求項1~3のいずれか1項に記載の検査方法。
- 前記検査方法が、前記第一偏光工程を通過した後に前記電子写真感光体で反射した前記光が、対物レンズで集光される集光工程を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の検査方法。
- 前記第一偏光工程を通過した後に前記電子写真感光体で反射した前記光が、前記波長板を通過し、前記第二偏光工程で偏光される、請求項1~5のいずれか1項に記載の検査方法。
- 円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
該検査方法が、
該円筒体に対して光を照射する照射工程と、
第一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該円筒体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で偏光させる第二偏光工程と、
を有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、
ことを特徴とする検査方法。 - 前記検査方法が、
前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
該受光工程から取得された該撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と、
を有する請求項7に記載の検査方法。 - 円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
該検査装置が、
該電子写真感光体に対して検査光を照射するための光源と、
該電子写真感光体からの反射光を受光するための受光部と、
該光源と該電子写真感光体との間の、第一の偏光板と、
該電子写真感光体と該受光部との間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板との間の、波長板と、
を有する、
ことを特徴とする検査装置。 - 円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
該検査装置が、
該円筒体に対して検査光を照射するための光源と、
該円筒体からの反射光を受光するための受光部と、
該光源と該円筒体との間の、第一の偏光板と、
該円筒体と該受光部との間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板との間の、波長板と、
を有する、
ことを特徴とする検査装置。
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