JP7098468B2 - 電子写真感光体の検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真感光体の検査方法及び電子写真感光体の検査装置に関する。
複写機やプリンタ等に用いられている電子写真感光体の感光層には、数μm~数mm程度の大きさの成膜欠陥、キズ、ピンホール等の欠陥が存在することがあり、そのような欠陥は、大きさが20μm程度の微小なものであっても、電子写真画像上の黒ポチや白ポチ等の画像欠陥となったりする。
そこで、このような欠陥は電子写真感光体製造時の検査工程において検出して選別する必要があるが、従来その検査方法としては、画像評価により検出する方法や、自動的に被検査体の欠陥検査装置により検出する方法が行なわれていた。
特許文献1には、作業者の目視等を要することなく自動的に被検査体の欠陥検査を行なうことができる欠陥検査方法が記載されている。
特許文献2には、内部層欠陥を偏光特性を利用して顕在化させる投光手段が記載されている。
特開平4-118545号公報 特開平4-194944号公報
本発明者らの検討によると、欠陥のなかでも、金属などの導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)が原因である欠陥は黒ポチの発生が顕著であることがわかってきた。しかしながら、特許文献1、2に記載の電子写真感光体では、導電性に関係なく、黒ポチを発生させない異物種に基づく欠陥も黒ポチを発生させる欠陥として認識してしまっていた。したがって、従来技術においては、黒ポチの発生原因となる金属などの導電性の高い物質に基づく欠陥を特異的に検出することは困難であった。
したがって、本発明の目的は黒ポチなどの画像欠陥の発生原因となる導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)を精度よく検出できる検査方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる電子写真感光体の検査方法は、該電子写真感光体に対して光を照射する照射工程と、
一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程とを有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過することを特徴とする。
本発明によれば、電子写真感光体の感光層中に存在する導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)を検出できる検査方法を提供することができる。
本発明に係る電子写真感光体の検査手法の一例を示す図である。 本発明に係る電子写真感光体の検査手法の一例を示す図である。 被検査物の電子写真感光体の断面の一例を示す図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、感光層中の導電性の高い物質(バンドギャップ1.2eV以下の物質)を検出できる検査方法を検討した。導電性の高い物質を検出する方法として、その代表例である金属に着目しその反射特性に着目した。そこで、一般的に知られている偏光観察法を試した。偏光観察法は観察対象を互いに直交する方向の2枚の偏光板の間に入れて観察する方法である。この方法を用いると、反射特性の高い金属は2枚の偏光板を通ることで、光が遮断されて黒く観察されるのに対して、感光層は散乱するため、光は遮断されず、偏光板を通しても、変化がみられない。したがって、この方法で観察すると、感光層中の金属はその部分だけ黒くなる。しかしながら、導電性の低い黒い物質との識別が困難となってしまった。次に、金属が黒くなるところを、他の色(感光層中に存在しない色)として観察させることができれば、感光層中に存在しうる導電性の高い物質のみを識別できると考え、通過した光に特定の光路差を生じさせることのできる波長板を間に挟むことを試みた。その結果、たとえば、青色であるフタロシアニン顔料を用いた感光層であれば、感光層中に存在しない色として、導電性高い物質のみを赤系の色として観察できることができた。
以上のように、直交する方向の2枚の偏光板と波長板を組み合わせることによって、本発明の効果を達成することが可能となった。
波長板は位相差の違いにより、1/8波長板、1/4波長板、1/2波長板、1波長板がある。中でも、鋭敏色板と呼ばれる波長530nmに対する1波長板は、導電性の高い物質を感光層に対して識別しやすい赤紫色として観察できるため、好ましい。
波長板を光が通過する位置は2枚の偏光板の間であれば被観察物に照射される前でも後でも本発明の効果は発揮される。被観察物に照射された後に通過する方が、好ましい。
本発明の一態様によれば、円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層おび該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
該検査方法が、
電子写真感光体に対して光を照射する照射工程と、
一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程とを有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過することを特徴とする検査方法、が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、前記検査方法において、前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
該受光工程取得された撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程とを有することを特徴とする検査方法、が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、前記検査方法において、前記第一偏光工程を通過した後に前記電子写真感光体で反射した前記光が対物レンズ集光される集光工程を有すことを特徴とする検査方法、が提供される。
さらに、本発明の別の態様によれば、円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
該検査方法が、
該円筒体に対して光を照射する照射工程と、
一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
該第一偏光工程を通過した該光が該円筒体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で偏光させる第二偏光工程とを有し、
該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する、ことを特徴とする検査方法、が提供される。
また、本発明の別の態様によれば、前記検査方法において、前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
該受光工程から取得された撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程とを有することを特徴とする検査方法、が提供される。
また、本発明のさらに別の態様によれば、円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層おび該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
該検査装置が、
該電子写真感光体に対して検査光を照射するための光源と、
電子写真感光体からの反射光を受光するための受光部と、
光源と該電子写真感光体との間の、第一の偏光板と、
電子写真感光体と該受光部の間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板の間の、波長板と、を有することを特徴とする検査装置、が提供される。
さらにまた、本発明の別の態様によれば、円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
該検査装置が、
該円筒体対して検査光を照射するための光源と、
該円筒体からの反射光を受光するための受光部と、
光源と該円筒体との間の、第一の偏光板と、
該円筒体と該受光部の間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
該第一の偏光板と該第二の偏光板の間の、波長板と、を有することを特徴とする検査装置、が提供される。
図1は本発明に係る検査手法の一例を示す図である。
11は電子写真感光体または樹脂層を有する円筒体(以下、円筒体11とする)であり、断面を示している。円筒体11に対して、光源12は照射された光が入射角θに照射されるように配置される。円筒体11と光源12の間に第一の偏光板13が配置される。受光部14は該円筒体11に照射された光が反射した光軸上に配置される。円筒体11と受光部14の間に波長板15と第二の偏光板16が配置される。第二の偏光板16は第一の偏光板13に対して偏光軸を90°回転させた状態に配置される。
次に光路について説明する。
図1に示す通り、光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、入射角θで円筒体11に照射される。円筒体11から反射した光は波長板15を通過し、次いで第二の偏光板16を通過し、受光部14に到達する。
光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、第一の偏光板13の偏光軸に沿った直線偏光となり、円筒体11に照射される。下引き層、感光層または樹脂層中に導電性の高い物質がない場合、該光は、下引き層、感光層または樹脂層で散乱されることにより直線偏光が維持できなくなり、散乱光となる。一方、導電性の高い物質がある場合、該光は、導電性の高い物質の表面で散乱することなく反射するため、直線偏光は維持される。波長板15は、入射した直線偏光を回転させて出射させることができるため、波長板15に入射した導電性の高い物質から反射した光は、それぞれの波長に応じて円偏光となり、第二の偏光板16に入射する。第二の偏光板16は第一の偏光板13とは偏光軸を90°回転させた状態に配置されているため、入射した波長に応じて、通過する波長と、遮断される波長に分れる。一方、下引き層、感光層または樹脂層で反射した散乱光は波長板15を通過しても偏光特性をもたない散乱光であり、第二の偏光板16に入射しても完全に遮断されずに偏光板を通過できる。
下引き層、感光層または樹脂層中に存在する導電性の高い物質が識別できる理由を説明する。
例えば、波長板が530nmの1波長板であった場合、530nmの波長の光は入射時の振動方向に戻り、それ以外の波長の光は入射時の振動方向とは異なる振動方向となる。これらの波長の異なる光は、振動方向が異なった状態で第二の偏光板16に入射される。第二の偏光板16と第一の偏光板13の偏光軸は90°ずれており、2枚の偏光板の間に介在するものがなければ、光は遮断される特性をもつ。したがって、530nmの波長の光は波長板15を通過しても入射時の振動方向に戻っているため、第二の偏光板16によって遮断されるのに対して、その他の波長は入射時の振動方向とは異なっているため、第二の偏光板16を通過することができる。その結果、直線偏光の光が導電性の高い物質で反射した光は受光部14に到達するまでに530nmである緑色の光が遮断されることになり、受光部14に到達するのは赤紫の色となる。
図2は本発明に係る検査手法の別例を示す図である。
光源12はハーフミラー17で反射された光が対物レンズ18を通過し、円筒体11に垂直入射されるように配置される。ハーフミラー17は光軸に対して45°に配置される。第一の偏光板13は光源12とハーフミラー17の間に配置され、対物レンズ18はハーフミラー17と円筒体11の間に配置される。受光部14は円筒体11に対して垂直上に配置される。第二の偏光板16はハーフミラー17と受光部14との間に配置され、波長板15はハーフミラー17と第二の偏光板16の間に配置する。
光源12の位置は任意であり、円筒体11に垂直入射されるように、いくつかのハーフミラーを用いてもよく、その場合、第一の偏光板13は光源と円筒体11に最も近いハーフミラーとの間の位置に配置されていればよい。
次に光路について説明する。
図2に示す通り、光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、ハーフミラー17で反射され、その光が対物レンズ18に像側から入射後、物体側から出射され、円筒体11に垂直に照射される。円筒体11から反射した光は対物レンズ18の物体側から入射後、像側に出射され、ハーフミラー17を通過し、波長板15、次いで第二の偏光板16をこの順で通過し、受光部14に到達する。
光源12から照射された光は第一の偏光板13を通過し、第一の偏光板13の偏光軸に沿った直線偏光となり、円筒体11に照射される。下引き層、感光層または樹脂層中に導電性の高い物質がない場合、該光は、下引き層、感光層及び樹脂層で散乱されることにより直線偏光が維持できなくなり、散乱光となる。一方、導電性の高い物質がある場合、該光は、導電性の高い物質の表面で散乱することなく反射するため、直線偏光は維持される。波長板15は、入射した直線偏光を回転させて出射させる事ができるため、波長板15に入射した導電性の高い物質から反射した光は、それぞれの波長に応じて円偏光となり、第二の偏光板16に入射する。第二の偏光板16は第一の偏光板13とは偏光軸を90°回転させた状態に配置されているため、入射した光の波長に応じて、通過する波長と、遮断される波長に分れる。一方、下引き層、感光層及び樹脂層で反射した散乱光は波長板15を通過しても偏光特性をもたない散乱光であり、第二の偏光板16に入射しても完全に遮断されずに偏光板を通過できる。
光源12は第一の偏光板13で偏光軸に沿った直線偏光となる光を照射するものであればよく、ハロゲンランプ、白熱球、LED、蛍光灯が挙げられる。
対物レンズ18を介することで、焦点深度のコントロールができることになり、導電性の高い物質に対して適切な焦点深度の設定が可能となる。基体が金属の場合、焦点深度が深いと基体に焦点が合うことにより識別の精度が劣るため、倍率と開口数が適切な対物レンズを選択するのが良い。例えば、下引き層の膜厚が5μmであり、識別したい導電性の高い物質の粒径が20μmであった場合、倍率20倍~50倍、開口数が0.3~1.5の対物レンズが好ましい。
受光部14はCCDカメラまたはCMOSカメラが設置され、欠陥が撮像される。
該受光部14から取得された撮像情報から、バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理部を設けてもよい。
撮像された画像はAD変換した画像信号として画像処理工程に送信してもよいし、撮像された画像をアナログ信号として取り込み、画像処理工程でAD変換してもよい。
本発明はバンドギャップ1.2eV以下の物質を色の差によって識別しやすくすることを特徴としているため、画像処理工程においても、RGBへの色変換を行い色抽出することが好ましい。
色抽出とは、取込画像の特定エリア内の色を抽出して登録し、その基準色の色相、彩度、輝度の上下限範囲内の色と、範囲外の色を選別し、範囲内を黒、範囲外を白と変換する(2値化する)。例えばアドビシステムズ社製フォトショップ(登録商標)などの一般的なソフトを用いることにより行うことができる。その後、2値画像上の黒画素を検出して判定する。
図3は本発明において検査対象とする被検査物の一例を示す。本発明において検査対象とする被検査物の一例として、支持体1上に、導電層2、下引き層3、電荷発生層4、電荷輸送層5の順で積層された円筒体11の下引き層3に欠陥6がある場合の断面を図示したものである。
[電子写真感光体]
本発明の検査対象である電子写真感光体は、下引き層と、感光層と、場合によって導電層、保護層とを有する。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
<支持体>
本発明において、検査対象である電子写真感光体は、支持体を有する。支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
<導電層>
電子写真感光体は、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、検査対象である電子写真感光体は、支持体又は導電層の上に、下引き層を設ける。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<保護層>
電子写真感光体は、感光層の上に、保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、電子写真感光体の耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(感光体A)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
導電層:
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子(個数平均一次粒子径200nm)214部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ-325)132部、及び、
メタノール40部、1-メトキシ-2-プロパノール58部を、
直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(東レダウコーニング社製、SH28PA)及び15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、トスパール120)を分散液に添加した。この分散液を撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間160℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30.2μmの導電層を形成した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
電荷発生層:
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する。)10部、
ポリアセタール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)5部及び
シクロヘキサノン250部を、
直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層:
電荷輸送物質として下記式(1)で示されるアミン化合物7部と、
式(2)と式(3)で示される構造単位を有し、式(2)と(3)のモル比率が5/5である重量平均分子量が120,000であるポリエステル樹脂10部を、
ジメトキシメタン50部とO-キシレン50部の混合溶剤に溶解させ、さらに、シリカ微粒子(信越化学(株)製KMPX-100:平均一次粒径0.1μm )を固形分に対して、2質量%添加し、撹拌することによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
以上のようにして、感光体Aを作製した。
Figure 0007098468000001
Figure 0007098468000002
Figure 0007098468000003
(感光体B)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を切削処理したものを支持体(導電性支持体)とした。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が3μmの下引き層を形成した。
電荷発生層、電荷輸送層は感光体Aと同様に作製し、感光体Bを作製した。
(樹脂層を有する円筒体C)
感光体Aの電荷輸送層を形成せずに、感光体Aと同様にして、支持体上に導電層と下引き層と電荷発生層を形成し、樹脂層を有する円筒体Cを作製した。
(欠陥感光体1-1)
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-1を作製した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、Fe粒子(平均粒径30μm)0.05部を塗布直前に添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
(欠陥感光体1-2)
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ0eVのAl粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-2を作製した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、Al粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
(欠陥感光体1-3)
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ0.8eVの導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-3を作製した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
(欠陥感光体1-4)
感光体Aの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)およびバンドギャップ1.2eVの導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体1-4を作製した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、導電性カーボン粒子(平均粒径30μm)0.05部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
(欠陥感光体2)
感光体Aの電荷輸送層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Aと同様にして、欠陥感光体2を作製した。
電荷輸送層:
電荷輸送物質として上記式(1)で示されるアミン化合物7部と、
式(2)と式(3)で示される構造単位を有し、式(2)と(3)のモル比率が5/5である重量平均分子量が120,000であるポリエステル樹脂10部を、
ジメトキシメタン50部とO-キシレン50部の混合溶剤に溶解させ、さらに、シリカ微粒子(信越化学(株)製KMPX-100:平均一次粒径0.1μm )を固形分に対して、2質量%、バンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.05部添加し、撹拌することによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
(欠陥感光体3)
感光体Bの下引き層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、感光体Bと同様にして、欠陥感光体3を作製した。
下引き層:
N-メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF-30T、ナガセケムテックス(株)(旧・帝国化学産業(株))製)4.5部および
重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、
メタノール65部/n-ブタノール30部の混合溶剤に溶解させた後、バンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.05部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.05部を塗布直前に添加し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを6分間70℃で乾燥させることによって、膜厚が0.4μmの下引き層を形成した。
(欠陥円筒体4)
円筒体Cの電荷発生層を以下のように恣意的にバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)および、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)を混入させた以外は、樹脂層を有する円筒体Cと同様にして、欠陥円筒体4を作製した。
電荷発生層:
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する。)10部、
ポリアセタール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)5部及び
シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これにバンドギャップ3eV以上の樹脂粒子(平均粒径30μm)0.01部、バンドギャップ0eVのFe粒子(平均粒径30μm)0.01部、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
(実施例1)
欠陥感光体1-1の恣意的欠陥部をランダムに20ヶ所選択し、各々の欠陥部に対して、検査をおこなった。
照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図1に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に法線に対し70°の角度、CCDセンサを同法線に対し70°の角度に配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像について画像処理を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行った。識別の精度を示すために、各欠陥の分析をおこない、正しく識別されていたかを確認した。20個中正しく識別できていた数を結果として表1に示す。
(実施例2)
欠陥感光体1-1、2、3、および欠陥円筒体4について、照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、集光部として対物レンズ(倍率20 開口数0.5)、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図2に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に垂直に入射するように配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像について画像処理を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
欠陥感光体1-1~1-4について、照射部として白色光源、第一の偏光部として偏光板、集光部として対物レンズ(倍率20 開口数0.5)、波長板として鋭敏色板、第二の偏光部として偏光板、受光部として、2048画素のCCDセンサを使用した。図2に示す配置で、白色光源から照射された光が感光体の欠陥部位に垂直に入射するように配置し、反射光を撮像し、2048pixel×4096pixelの撮像を得た。
得られた観察画像をモニタに写し目視検査を行った。目視検査を行い、バンドギャップ1.2eV以下の物質か、否かの識別を行った。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3の波長板を鋭敏色板を1/2波長板に偏光した以外は実施例3と同様に欠陥感光体1-1について識別と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例3において、波長板および第二の偏光板を用いなかった以外は実施例3と同様に識別と評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例3において、波長板を用いなかった以外は実施例3と同様に識別と評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007098468000004
1 支持体
2 導電層
3 下引き層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 欠陥
11 電子写真感光体または樹脂層を有する円筒体
12 光源
13 第一の偏光板
14 受光部
15 波長板
16 第二の偏光板
17 ハーフミラー
18 対物レンズ

Claims (10)

  1. 円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
    該検査方法が、
    電子写真感光体に対して光を照射する照射工程と、
    一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
    該第一偏光工程を通過した該光が該電子写真感光体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で該光を偏光させる第二偏光工程と
    を有し、
    該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する
    ことを特徴とする検査方法。
  2. 前記検査方法が、
    前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
    該受光工程取得された撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と
    を有する請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記照射工程で照射される該光が白色光源から照射された偏光されていない光である請求項1または2に記載の検査方法。
  4. 前記波長板が鋭敏色板である請求項1~3のいずれか項に記載の検査方法。
  5. 前記検査方法が、前記第一偏光工程を通過した後に前記電子写真感光体で反射した前記光が対物レンズ集光される集光工程を有す請求項1~4のいずれか1項に記載の検査方法。
  6. 前記第一偏光工程を通過した後に前記電子写真感光体反射前記光が前記波長板を通過し、前記第二偏光工程で偏光される請求項1~5のいずれか1項に記載の検査方法。
  7. 円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する検査方法であって、
    該検査方法が、
    該円筒体に対して光を照射する照射工程と、
    一の偏光板で該光を偏光させる第一偏光工程と、
    該第一偏光工程を通過した該光が該円筒体で反射した後に、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板で偏光させる第二偏光工程と
    を有し、
    該第一偏光工程を通過した該光が、該第二偏光工程で偏光される前に波長板を通過する
    ことを特徴とする検査方法。
  8. 前記検査方法が、
    前記第二偏光工程を通過した該光を受光し、撮像情報を取得する受光工程と、
    該受光工程から取得された撮像情報から、前記バンドギャップ1.2eV以下の物質を識別する画像処理工程と
    を有する請求項7に記載の検査方法。
  9. 円筒形の支持体、該支持体上に形成された下引き層おび該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体の該下引き層または該感光層中存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
    該検査装置が、
    該電子写真感光体に対して検査光を照射するための光源と、
    電子写真感光体からの反射光を受光するための受光部と、
    光源と該電子写真感光体との間の、第一の偏光板と、
    電子写真感光体と該受光部の間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と
    該第一の偏光板と該第二の偏光板の間の、波長板と、
    を有する
    ことを特徴とする検査装置。
  10. 円筒形の支持体および該支持体上に形成された樹脂層を有する円筒体の該樹脂層中に存在するバンドギャップ1.2eV以下の物質を識別するための検査装置であって、
    該検査装置が、
    該円筒体対して検査光を照射するための光源と、
    該円筒体からの反射光を受光するための受光部と、
    光源と該円筒体との間の、第一の偏光板と、
    該円筒体と該受光部の間の、該第一の偏光板に対して偏光軸を90°回転させた第二の偏光板と、
    該第一の偏光板と該第二の偏光板の間の、波長板と、
    を有する
    ことを特徴とする検査装置。
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