JP2021081469A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フッ素樹脂微粒子を感光体の表面層に含有させた場合においても電荷輸送性にすぐれた電子写真感光体を提供する。【解決手段】 該電子写真感光体の表面層は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂を含有し、該ポリテトラフルオロエチレン粒子の表面におけるCH4N+フラグメントの強度/がCF+フラグメントの強度が0.01以下であることを特徴とする電子写真感光体を提供する。【選択図】 図1
Description
本発明は電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
近年、電子写真装置には高画質の印刷物を大量に生産することが求められている。
そこで、電子写真装置において繰り返し使用される電子写真感光体には、繰り返し使用時の電気特性に優れ、出力される画像の画質が一定であることが求められる。
特許文献1には、電子写真感光体の表面層にフッ素樹脂微粒子を含有し電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を硬化した架橋樹脂層を使用することが説明されている。そしてそれにより長期間にわたり高画質化を実現した技術が開示されている。
本発明者らが検討を行った結果、特許文献1の感光体表面層では、表面層中のフッ素樹脂微粒子表面の官能基により電荷輸送が阻害され、画質が悪化するケースがあることが判明した。
したがって、本発明の目的は、フッ素樹脂微粒子を感光体の表面層に含有させた場合においても電荷輸送性にすぐれた電子写真感光体を提供することにある。
よって本発明は、
導電性支持体と、該導電性支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面層は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂を含有し、
該ポリテトラフルオロエチレン粒子の表面におけるCH4N+フラグメントの強度/がCF+フラグメントの強度が0.01以下であることを特徴とする電子写真感光体を手依拠する。
導電性支持体と、該導電性支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面層は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂を含有し、
該ポリテトラフルオロエチレン粒子の表面におけるCH4N+フラグメントの強度/がCF+フラグメントの強度が0.01以下であることを特徴とする電子写真感光体を手依拠する。
本発明によれば、残留電位に優れた電子写真感光体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、該電子写真感光体の表面層は電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂とポリテトラフルオロエチレン粒子を含有し、該ポリテトラフルオロエチレン粒子の表面のCH4N+フラグメントとCF+フラグメントの強度比率が0.01以下である電子写真感光体である。
強度比率とは、CH4N+フラグメントの強度/CF+フラグメントの強度、である。
電荷輸送性基は、例えば後述する化合物Fが有する電荷輸送性部位、具体的にはトリアリールアミン骨格である。
本発明者らの検討によれば、特許文献1の構成では感光体表面層中に存在するフッ素樹脂微粒子の表面の極性官能基の影響により、電荷輸送性が悪化することが分かった。
そして本発明者らは、感光体表面層中に存在するポリテトラフルオロエチレン粒子の表面の極性官能基量を著しく減らすことをおこない、その効果を検討した。
そして表面層が電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂とポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する場合で、該粒子の表面のCH4N+フラグメントとCF+フラグメントの強度比率が0.01以下ある場合、電荷輸送性の妨げを抑制できることを見出した。0.01以下とは、0を含む。
さらに、電子写真感光体の表面層に含有しているポリテトラフルオロエチレン粒子の平均真円度が0.80以上であると電荷輸送性がさらに改善することがわかった。
本発明者らの検討によれば、真円度が低いポリテトラフルオロエチレン粒子を使用すると外観で軽微な凹凸が生じることがわかっており、ポリテトラフルオロエチレン粒子の凝集が起きているものと推察される。その結果、電荷輸送性に悪影響を及ぼすと推察される。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
本実施形態では、以降次の構成の電子写真感光体をあげて説明する。
すなわち導電性支持体/導電層/下引き層/感光層/保護層の構成要素を有する電子写真感光体である。
本発明は、それ以外に、電子写真感光体が感光体を保護する表面層を有さない構成も発明の範囲に含める。この場合、表面層は感光層であり、より具体的には電荷輸送層のことである。
また本発明は、後述するように感光層が単層型である電子写真感光体もその範囲に含む。具体的には単層型の感光層とそれを覆うように保護する保護層を有する形態でもよい。その場合、保護層が表面層である。さらに保護層を有さない単層型の感光層も発明の範囲に含まれ、その場合、表面層は単層型の感光層である。
感光層が表面層である場合、感光層は、表面層において後述するポリテトラフルオロエチレン粒子と電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂を含有する。
本発明において、(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂のことを意味する。
表面層が有する(メタ)アクリル樹脂は、電荷輸送性を有する。これは電荷輸送性基を有するからで、例えば(メタ)アクリルモノマーが電荷輸送性基を有し、重合することで(メタ)アクリル樹脂を得ることができる。これはたとえば塗布液を硬化させることで得ることができる。
電荷輸送性基は後述するトリアリールアミン骨格を有していることが好ましい。トリアリールアミン骨格が有する(メタ)アクリル部位は2つが好ましい。
3つだと重合した後の収縮が大きい。1つより2つのほうが、重合した際膜の削れが少ない。
後述する化合物Fは構造が同じメタクリル部位を2つ有しているといえる。本発明は、アリールアミン骨格が有する(メタ)アクリル部位は例えば一方がメタクリル部位、他方がアクリル部位というように異なっていてもよい。
後述する化合物Fは、トリアリールアミン骨格と重合性部位である(メタ)アクリル部位の間の炭素数が2か所において同じ2つである。本発明は、この炭素数は1や3すなわち1乃至3でもよく、トリアリールアミン骨格と重合性部位である(メタ)アクリル部位の間が複数ある場合、炭素数は互いに異なっていてもよい。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と導電性支持体の外側に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する。また、導電性支持体と電荷発生層の間に、導電層または下引き層、またはこの両方を設けてもよい。さらに電荷輸送層の外側に表面層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と導電性支持体の外側に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する。また、導電性支持体と電荷発生層の間に、導電層または下引き層、またはこの両方を設けてもよい。さらに電荷輸送層の外側に表面層を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、導電性支持体、導電層、下引き層、感光層、表面層(保護層)といった各構成要素について説明する。
そして感光層の説明において、(1)積層型感光層と(2)単層型感光層についても説明する。
<導電性支持体>
本発明において、電子写真感光体は、導電性支持体を有する。また、導電性支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状であることが好ましい。また、導電性支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
本発明において、電子写真感光体は、導電性支持体を有する。また、導電性支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状であることが好ましい。また、導電性支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
導電性支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与したものが好ましい。
<導電層>
本発明において、導電性支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、導電性支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、導電性支持体表面における光の反射を制御することができる。
本発明において、導電性支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、導電性支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、導電性支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、導電性支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
本発明において、導電性支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。
具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(1−2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
<表面層(保護層)>
本発明において、感光層の上に、表面層を設けてもよい。表面層を設けることで、感光層を覆うので感光層を削れから保護することができ、電子写真感光体の耐久性を向上することができる。
本発明において、感光層の上に、表面層を設けてもよい。表面層を設けることで、感光層を覆うので感光層を削れから保護することができ、電子写真感光体の耐久性を向上することができる。
表面層は、耐摩耗性向上剤と電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
耐摩耗性向上剤としてはポリテトラフルオロエチレン粒子があげられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
また、表面層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、(メタ)アクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。電荷輸送能は、電荷輸送性基を有することで得られる能力である。
さらに、表面層は、導電性粒子を含有してもよい。導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
表面層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
表面層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
表面層は、上述の各材料及び溶剤を含有する表面層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する。画像形成装置は例えば電子写真装置である。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。尚、図においては、ローラ型帯電部材によるローラ帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。
帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。
電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。
また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、所謂、クリーナーレスシステムを用いてもよい。
電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジを電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、及び、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<表面層用塗布液の製造例>
(塗布液1の製造例)
上記構造式(F)で示される化合物70部、1−プロパノール30部を混合後一晩放置し、孔径0.2μmのPTFEメンブランフィルターで濾過したものを調合液Aとした。
(塗布液1の製造例)
上記構造式(F)で示される化合物70部、1−プロパノール30部を混合後一晩放置し、孔径0.2μmのPTFEメンブランフィルターで濾過したものを調合液Aとした。
次に表面層の電荷輸送性を向上させるため、ポリテトラフルオロエチレン粒子を前処理工程として高温下に長時間さらした。
具体的には150℃で3時間加熱処理した。
そのポリテトラフルオロエチレン粒子(PTFE、1次粒子の平均球形度0.85、1次粒子の平均粒径205nm)20部、分散剤であるフッ素アクリルグラフト樹脂(東亜合成(株)製GF400の不揮発成分)1.4部、そのほか1−プロパノール30部、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(商品名:AE−3000、AGC(株)製)30部を液温20℃で撹拌した後、高圧ホモジナイザーで分散処理をすることによって調合液Bを得た。
得られた調合液Aと調合液Bを混合撹拌後、表面層用塗布液を得た。この表面層用塗布液を「塗布液1」とする。
(塗布液2の製造例)
塗布液1で使用した「150℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」を「120℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」にした以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用した「150℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」を「120℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」にした以外は塗布液1と同様に作成した。
(塗布液3の製造例)
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.80、1次粒子の平均粒径220nmのポリテトラフルオロエチレン粒子にした以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.80、1次粒子の平均粒径220nmのポリテトラフルオロエチレン粒子にした以外は塗布液1と同様に作成した。
(塗布液4の製造例)
塗布液1で使用した1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルを1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンに変更した以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用した1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルを1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンに変更した以外は塗布液1と同様に作成した。
(塗布液5の製造例)
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.75、1次粒子の平均粒径290nmのものにし、「150℃で3時間加熱処理」を「120℃で3時間加熱処理」に変更した以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.75、1次粒子の平均粒径290nmのものにし、「150℃で3時間加熱処理」を「120℃で3時間加熱処理」に変更した以外は塗布液1と同様に作成した。
(塗布液6の製造例)
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.75、1次粒子の平均粒径290nmのものにし、「150℃で3時間加熱処理」を行わなかった以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用したポリテトラフルオロエチレン粒子を平均球形度が0.75、1次粒子の平均粒径290nmのものにし、「150℃で3時間加熱処理」を行わなかった以外は塗布液1と同様に作成した。
(塗布液7の製造例)
塗布液1で使用した「150℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」を「未処理のポリテトラフルオロエチレン粒子」にした以外は塗布液1と同様に作成した。
塗布液1で使用した「150℃で3時間加熱処理したポリテトラフルオロエチレン粒子」を「未処理のポリテトラフルオロエチレン粒子」にした以外は塗布液1と同様に作成した。
表1は、塗布液1から6までの各液の処方に関する表である。
(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを導電性支持体とした。
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを導電性支持体とした。
次に、金属酸化物として酸化亜鉛粒子(比表面積:19m2/g、粉体抵抗:4.7×106Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、商品名:KBM602、信越化学工業(株)製)0.8部を添加し、6時間攪拌した。
その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
次に、ポリオール樹脂としてブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住友バイエルウレタン社製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。
この溶液に前記表面処理された酸化亜鉛粒子80.64部、構造式(A)で示される化合物0.8部(東京化成工業(株)製)を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。
分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニングシリコーン社製)0.01部、架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMER SSX−103、積水化成品工業(株)社製、平均一次粒径3.1μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、この塗膜を40分間145℃で加熱乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)11部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン130部を混合し、これに直径1mmのガラスビーズ500部を加えて、18℃の冷却水で冷却しつつ、1800rpmの条件で2時間分散処理した。
分散処理後、酢酸エチル300部およびシクロヘキサノン160部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間110℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
なお、調製した電荷発生層用塗布液中のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径(メジアン)を、液相沈降法を原理とした遠心式粒度測定装置(商品名:CAPA700、(株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、0.18μmであった。
次に、構造式(B)で示される電荷輸送性化合物2部、構造式(C)で示される電荷輸送性化合物7部、構造式(D)で示される電荷輸送性化合物1部、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学(株)製)10部、および構造式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.002部を、モノクロロベンゼン70部およびジメトキシメタン30部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を50℃で5分間加熱処理した。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、吸収線量50kGyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜が130℃になる条件で25秒間加熱処理した。なお、電子線の照射から25秒間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。次に、大気中において、塗膜が115℃になる条件で12分間加熱処理することによって、膜厚が5μmの表面層を形成した。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および表面層を有する電子写真感光体を製造した。
(実施例2)
実施例1の塗布液1を塗布液2に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液2に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(実施例3)
実施例1の塗布液1を塗布液3に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液3に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(実施例4)
実施例1の塗布液1を塗布液4に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液4に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(実施例5)
実施例1の塗布液1を塗布液5に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液5に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(比較例1)
実施例1の塗布液1を塗布液6に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液6に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(比較例2)
実施例1の塗布液1を塗布液7に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
実施例1の塗布液1を塗布液7に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
(評価方法)
<平均粒子径、平均真円度の測定方法>
真円度は、走査型電子顕微鏡による二次電子像から測定する。以下に具体的に説明する。
<平均粒子径、平均真円度の測定方法>
真円度は、走査型電子顕微鏡による二次電子像から測定する。以下に具体的に説明する。
PTFE粒子の平均粒子径と平均真円度の測定は電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて行った。PTFE粒子を市販のカーボン導電テープにつけ、圧縮エアで導電テープについていないPTFE粒子を取り除き、白金蒸着を行った。蒸着したPTFE粒子を日立ハイテクノロジー社製FE−SEM(S−4700)を使用して観察した。なお、FE−SEMの測定条件は以下のとおりである。
加速電圧:2kV
WD:5mm
倍率:2万倍
画素数:縦1280画素、横960画素(1画素あたりの大きさ:5nm)
加速電圧:2kV
WD:5mm
倍率:2万倍
画素数:縦1280画素、横960画素(1画素あたりの大きさ:5nm)
得られた画像からImageJ(アメリカ国立衛生研究所(NIH)製のオープンソースソフトウェア)を使用して100個分の粒子のフェレ径を求め、平均値を算出し平均粒子径とした。
また同様に面積と周長を求め、式(1)より真円度を求め平均値を算出し平均真円度とした。
真円度=4×π×(面積)÷(周長の2乗) 式(1)
真円度=4×π×(面積)÷(周長の2乗) 式(1)
塗布液1から6のそれぞれについて、使用したPTFEの平均粒子径と平均真円度を求め表1に示した。
<飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によるフラグメント強度の強度比の測定方法>
TOF−SIMSを用いたポリテトラフルオロエチレン樹脂表面に由来するフラグメント強度の強度比の測定には、ION−TOF社製、TOF−SIMSVを使用する。
TOF−SIMSを用いたポリテトラフルオロエチレン樹脂表面に由来するフラグメント強度の強度比の測定には、ION−TOF社製、TOF−SIMSVを使用する。
分析条件は以下の通りである。
サンプル前処理:なし
一次イオン:Bi3 +イオン(3量体のビスマスイオン)
1次イオンのパルス電流値:0.3pA
1次イオンのパルス周波数:10kHz
1次イオンのパルス幅:0.8ns
電荷中和モード:On
測定モード:Positive
ラスター:200nm
サンプル前処理:なし
一次イオン:Bi3 +イオン(3量体のビスマスイオン)
1次イオンのパルス電流値:0.3pA
1次イオンのパルス周波数:10kHz
1次イオンのパルス幅:0.8ns
電荷中和モード:On
測定モード:Positive
ラスター:200nm
感光体表面を測定し、ポリテトラフルオロエチレン粒子の領域から得られたスペクトルを解析した。
ピーク強度の算出:ION−TOF社標準ソフト(SurfaceLab6)に従い、質量数29.8〜30.2の範囲でのカウント数の最大値をCH4N+フラグメントのピーク強度(S30)とする。
質量数30.8〜31.2の範囲でのカウント数の最大値をCF+フラグメントのピーク強度(S31)とする。
強度比の算出:算出されたS30、S31を用い、強度比(S30/S31)を算出する。
実施例1から4および比較例1と2の評価結果を表2に示した。
<外観の評価方法>
電子写真感光体の外観を目視することにより膜欠陥の判定を行い、評価は以下の基準で行った。
A:凹凸,シワ等の外観不良が確認できない。
B:軽微な凹凸が生じているが使用上問題は無い。
C:感光体に凹凸、またはシワを生じており、画像に影響がでる可能性がある。
電子写真感光体の外観を目視することにより膜欠陥の判定を行い、評価は以下の基準で行った。
A:凹凸,シワ等の外観不良が確認できない。
B:軽微な凹凸が生じているが使用上問題は無い。
C:感光体に凹凸、またはシワを生じており、画像に影響がでる可能性がある。
実施例1から4および比較例1と2の評価結果を表2に示した。
<残留電位の評価方法>
評価用の電子写真装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNER ADVANCE C5255の改造機を使用した。
評価用の電子写真装置として、キヤノン(株)製の複写機imageRUNNER ADVANCE C5255の改造機を使用した。
評価装置は、温度15℃湿度5%RHの環境下に設置した。電子写真感光体の表面電位の測定は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入することで行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置することで構成されており、電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の母線方向の中央とした。
残留電位の評価の際、暗部電位Vdが−700Vになるように帯電部材(帯電ローラー)への印加電圧Vcを調整した。波長780nmのレーザー光を照射した際の明部電位Vlが−200Vになるようにレーザー光量を調整し、ベタ黒画像を10枚連続出力後の残留電位を評価した。結果を表2に示す。
残留電位について、評価とそれを示す記号を以下のように示す。
上記評価条件で測定された残留電位が、−50V以下であれば優れたレベルであり(◎)、−100V以下であれば実使用上は問題ないレベルであり(〇)、−100Vよりも大きい場合には実使用上問題となる可能性のあるレベル(△)である。
表2に示すように、本発明の電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置であれば電荷輸送性が改善し、残留電位が抑制され、外観も十分保たれる。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (6)
- 導電性支持体と、該導電性支持体上の感光層を有する電子写真感光体であって、
該電子写真感光体の表面層は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と電荷輸送性基を持つ(メタ)アクリル樹脂を含有し、
該ポリテトラフルオロエチレン粒子の表面におけるCH4N+フラグメントの強度/がCF+フラグメントの強度が0.01以下であることを特徴とする電子写真感光体。 - 該表面層は、該感光層を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 該電荷輸送性基は、トリアリールアミン骨格を有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリテトラフルオロエチレン粒子の平均真円度が0.80以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体と帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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JP2019206344A JP2021081469A (ja) | 2019-11-14 | 2019-11-14 | 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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