JP7098293B2 - スロットマシン - Google Patents

Description

本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。

この種のスロットマシンとして、特定出目（例えば、ＲＴ開始出目）が揃う操作態様が互いに異なる複数の抽選対象役について、操作態様が正解したときに停止する特定出目の態様が抽選対象役の種類によって異なるものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２００６－３４６４７３号公報

特許文献１に記載のスロットマシンでは、特定出目が揃う操作態様が互いに異なる複数の抽選対象役が当選し、正解の操作態様で操作されたときのみ特定出目が揃う構成であるが、例えば、操作態様を不問として特定出目が導出可能となる抽選対象役を備える構成が考えられる。

本発明は、複数の決定結果に応じて特定の表示結果を導出させる操作態様が異なり、かつ特定の表示結果の態様も異なる構成において、操作態様を不問として特定の表示結果を導出させることが可能な決定結果を設けた場合でも違和感を与えることのないスロットマシンを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の請求項１のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果組合せを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
を備え、
前記事前決定手段の決定結果が第１特定結果となる確率及び第２特定結果となる確率は、前記設定値に関わらず共通であり、
前記事前決定手段の決定結果が第３特定結果となる確率は、特定の設定値と他の設定値とで異なる確率を含み、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記第１特定結果となり、第１操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに特定入賞が発生する特定表示結果組合せのうち第１態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第１操作態様以外の操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せを導出する制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が前記第２特定結果となり、前記第１操作態様とは異なる第２操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち第２態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第２操作態様以外の操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せを導出する制御を行い、
前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果となり、前記第１操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第１態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第２操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第２態様の特定表示結果組合せを導出する制御を行う
ことを特徴としている。
本発明の手段１のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部（リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ）を複数備え、
前記可変表示部（リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ）の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン（スロットマシン１）において、
表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果の組合せを決定する事前決定手段（内部抽選）と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段（ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ）と、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段（メイン制御部４１）と、
を備え、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が第１特定結果（左ベル１～４）となり、第１操作態様（左第１停止操作）で前記導出操作手段（ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ）が操作されたときに特定入賞が発生する特定表示結果組合せのうち第１態様の特定表示結果組合せ（右下がりベルの図柄組合せ）を導出し、前記第１操作態様以外の操作態様（中・右第１停止操作）で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せ（所定の上段ベルまたははずれの図柄組合せ）を導出する制御を行い、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となり、前記第１操作態様とは異なる第２操作態様（中ベル１～４当選時の中第１停止操作、右ベル１～４当選時の右第１停止操作）で前記導出操作手段（ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ）が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち第２態様の特定表示結果組合せ（中段ベルの図柄組合せ）を導出し、前記第２操作態様以外の操作態様（中ベル１～４当選時の左・右第１停止操作、右ベル１～４当選時の左・中第１停止操作）で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せ（所定の上段ベルまたははずれの図柄組合せ）を導出する制御を行い、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が第３特定結果（共通ベル）となり、前記第１操作態様（左第１停止操作）で前記導出操作手段（ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ）が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第１態様の特定表示結果組合せ（右下がりベルの図柄組合せ）を導出し、前記第２操作態様（中・右第１停止操作）で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第２態様の特定表示結果組合せ（中段ベルの図柄組合せ）を導出する制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第１特定結果であるか、第２特定結果であるか、によって特定入賞が発生する特定表示結果組合せが導出される操作態様が異なり、かつ第１操作態様で特定表示結果組合せが導出される場合と、第２操作態様で特定表示結果組合せが導出される場合と、で導出される特定表示結果組合せの態様が異なる構成において、第１操作態様で操作されても第２操作態様で操作されても特定表示結果組合せの導出が許容される第３特定結果となった場合に、第１操作態様で操作された場合には、第１操作態様で操作されることで特定表示結果組合せが導出される第１特定結果となり第１操作態様で操作された場合と同様に第１態様の特定表示結果組合せが導出され、第２操作態様で操作された場合には、第２操作態様で操作されることで特定表示結果組合せが導出される第２特定結果となり第２操作態様で操作された場合と同様に第２態様の特定表示結果組合せが導出されるので、第３特定結果となった場合に、第１操作態様で操作されても第２操作態様で操作されても特定表示結果組合せの態様の違いによって違和感を与えてしまうことがない。

尚、手段１において導出操作手段の操作態様とは、導出操作手段を操作するタイミング、導出操作手段を操作する順番、これらの組合せを含む。
また、特定表示結果組合せが異なるとは、対応する識別情報の組合せが導出されるラインが異なるもの、特定のラインに揃う識別情報の組合せが異なるものなどが該当する。

本発明の手段２のスロットマシンは、手段１に記載のスロットマシンであって、
前記第１態様の特定表示結果組合せ（右下がりベルの図柄組合せ）は、前記複数の可変表示部（リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ）を跨がる複数のライン（入賞ラインＬＮ、無効ラインＬＭ１～４）のうち第１ライン（無効ラインＬＭ３）に特定の識別情報組合せ（「ベル‐ベル‐ベル」）が導出される表示結果組合せであり、
前記第２態様の特定表示結果組合せ（中段ベルの図柄組合せ）は、前記複数のラインのうち前記第１ラインとは異なる第２ライン（入賞ラインＬＮ）に特定の識別情報組合せ（「ベル‐ベル‐ベル」）が導出される表示結果組合せである
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第１特定結果となり特定表示結果組合せが導出されるときと、第２特定結果となり特定表示結果組合せが導出されるときと、で特定の識別情報組合せが導出されるラインが異なるため、操作態様に応じて出目を多様化することができる。

本発明の手段３のスロットマシンは、手段１または２に記載のスロットマシンであって、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第１特定結果（左ベル１～４）となり、前記第１操作態様（左第１停止操作）で前記導出操作手段（ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ）が操作されたときと、前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果（共通ベル）となり、前記第１操作態様で前記導出操作手段が操作されたときと、で共通のデータ（右下がりベルの図柄組み合わせを導出可能なインデックスデータ）を用いて表示結果を導出する制御（リールの停止制御）を行い、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となり、前記第２操作態様（中ベル１～４当選時の中第１停止操作、右ベル１～４当選時の右第１停止操作）で前記導出操作手段が操作されたときと、前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果（共通ベル）となり、前記第２操作態様で前記導出操作手段が操作されたときと、で共通のデータ（中段ベルの図柄組み合わせを導出可能なインデックスデータ）を用いて表示結果を導出する制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第３特定結果となった場合に特定表示結果組合せを導出する際に用いるデータを別個に準備せずに済むため、表示結果の導出に係るデータ容量を削減することができる。

本発明の手段４のスロットマシンは、手段１～３のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値（設定値１～６）のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段を備え、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第１特定結果（左ベル１～４）及び前記第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となる確率は、前記設定値に関わらず共通であり、
前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果（共通ベル）となる確率は、特定の設定値と他の設定値とで異なる確率を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第３特定結果となる確率に設定差が設けられているが、特定表示結果組合せの態様から第１特定結果、第２特定結果であるか、第３特定結果であるか、を特定できないことから、設定値の推測を困難にできる。

本発明の手段５のスロットマシンは、手段１～４のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第１特定結果（左ベル１～４）となった場合に前記第１操作態様（左第１位停止操作）を特定可能に報知し、前記事前決定手段の決定結果が前記第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となった場合に前記第２操作態様（中ベル１～４当選時の中第１停止操作、右ベル１～４当選時の右第１停止操作）を特定可能に報知することが可能な報知制御手段（ナビ報知）を備え、
前記報知制御手段は、前記第３特定結果（共通ベル）となった場合に前記第１操作態様または前記第２操作態様を特定可能に報知することが可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第３特定結果となった場合に前記第１操作態様が報知され、報知された第１操作態様に従って操作されて特定表示結果組合せが導出された場合でも、前記第２操作態様が報知され、報知された第２操作態様に従って操作されて特定表示結果組合せが導出された場合でも、第１特定結果または第２特定結果となった場合に第１操作態様または第２操作態様が報知され、報知された操作態様に従って操作されて特定表示結果組合せが導出された場合と共通の態様の特定表示結果組合せが導出されるので、第３特定結果となった場合に、第１操作態様または第２操作態様のいずれが報知され、報知された操作態様に従って操作された場合でも特定表示結果組合せの態様の違いによって違和感を与えてしまうことがない。

本発明の手段６のスロットマシンは、手段１～５のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第１特定結果（左ベル１～４）及び前記第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となったときに遊技者にとって有利に制御される特定状態（ＣＺ）に制御する特定状態制御手段（メイン制御部４１）を備え、
前記報知制御手段（ナビ報知）は、前記特定状態（ＣＺ）において前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第１特定結果（左ベル１～４）及び前記第２特定結果（中ベル１～４、右ベル１～４）となった場合に前記特定表示結果組合せ（右下がりベルの図柄組合せ、中段ベルの図柄組合せ）が導出される操作態様を報知するとともに、前記特定状態（ＣＺ）において前記事前決定手段（内部抽選）の決定結果が前記第３特定結果（共通ベル）となった場合に前記特定状態（ＣＺ）とは異なる所定状態（非ＡＴ、ＡＴ）において前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果となった場合よりも高い割合で前記第１操作態様（左第１停止操作）または前記第２操作態様（中第１停止操作、右第１停止操作）を報知する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定状態において操作態様が報知され、報知された操作態様に従って操作されて特定表示結果組合せが導出された場合に、第１特定結果または第２特定結果であったか、第３特定結果であったか、を特定することが困難となるため、特定表示結果組合せが導出されることで、その際、第３特定結果であっても有利に制御されることを期待させることができる。

尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。

本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 小役の一部の例について、小役の種類、小役の図柄組合せ、及び小役に関連する技術事項について説明するための図である。 内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の例、及び当該抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。 ＡＴ対象役等当選時のリール制御について説明するための図である。 ＡＴに関する制御状態について説明するための図である。 メイン制御部が行うナビ報知の実行態様について説明するための図である。 リールの停止態様の例について説明するための図である。

本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。

本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明する。本実施例のスロットマシン１は、図１に示すように、前面が開口する筐体１ａと、この筐体１ａの側端に回動自在に枢支された前面扉１ｂと、から構成されている。スロットマシン１の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ（以下、左リール、中リール、右リール）が水平方向に並設されており、図１に示すように、これらリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに配列された図柄のうち連続する３つの図柄が、スロットマシン１の正面の略中央に設けられた透視窓３において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。また、図２に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄（「黒７」、「白７」、「網７」、「黒ＢＡＲ」、「白ＢＡＲ」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「プラム」）が所定の順序で配列されている。

尚、本実施例では、３つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを１つのみ用いた構成、２つのリールを用いた構成、４つ以上のリールを用いた構成としても良い。また、本実施例では、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒにより図柄を可変表示させる可変表示部を構成しているが、可変表示部は、リール以外であっても良く、例えば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成も良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成しても良い。

スロットマシン１の正面には、図１に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部４、メダルが払い出されるメダル払出口９、クレジット（遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数）を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数（本実施例では、３）の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるＭＡＸＢＥＴスイッチ６、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する（クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる）際に操作される精算スイッチ１０、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ７、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。

また、スロットマシン１の正面には、図１に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器１１、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器１２、賭数が１設定されている旨を点灯により報知する１ＢＥＴＬＥＤ１４、賭数が２設定されている旨を点灯により報知する２ＢＥＴＬＥＤ１５、賭数が３設定されている旨を点灯により報知する３ＢＥＴＬＥＤ１６、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求ＬＥＤ１７、スタートスイッチ７の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効ＬＥＤ１８、ウェイト（前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態）中である旨を点灯により報知するウェイト中ＬＥＤ１９、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中ＬＥＤ２０、ＡＴ中である旨を点灯により報知するＡＴ中ＬＥＤ２５が設けられた遊技用表示部１３が設けられている。

ＭＡＸＢＥＴスイッチ６の内部には、ＭＡＸＢＥＴスイッチ６の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するＢＥＴスイッチ有効ＬＥＤ２１（図３参照）が設けられており、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの内部には、該当するストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒによるリールを停止させる操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効ＬＥＤ２２Ｌ、２２Ｃ、２２Ｒ（図３参照）がそれぞれ設けられている。

スロットマシン１の内部には、所定のキー操作によりスロットマシン１の外部からエラー状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ２３、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器２４、メダル投入部４から投入されたメダルの流路を、スロットマシン１の内部に設けられた後述のホッパータンク（図示略）側またはメダル払出口９側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド３０、メダル投入部４から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ３１ａ～３１ｃを有するメダルセレクタが設けられている。

スロットマシン１の内部には、前述したリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ、リールモータ３２Ｌ、３２Ｃ、３２Ｒ、各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ３３Ｌ、３３Ｃ、３３Ｒ（図３参照）からなるリールユニット、メダル投入部４から投入されたメダルを貯留するホッパータンク（図示略）、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口９より払い出すためのホッパーモータ３４ｂ（図３参照）、ホッパーモータ３４ｂの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ３４ｃ（図３参照）からなるホッパーユニットが設けられている。

ホッパーユニット３４の側部には、ホッパータンクからあふれたメダルが貯留されるオーバーフロータンク３５が設けられている。オーバーフロータンク３５の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ３５ａが設けられている。

また、スロットマシン１の内部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ３７、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率（出玉率）の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット／設定スイッチ３８が設けられている。

尚、設定キースイッチ３７、リセット／設定スイッチ３８は、スロットマシン１の内部に設けられており、所定のキー操作により開放可能な前面扉１ｂを開放しない限り操作不可能とされており、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。特に、設定キースイッチ３７は、さらにキー操作を要することから、遊技店の店員の中でも、設定キースイッチ３７の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、リセットスイッチ２３は、前面扉１ｂを開放する必要はないが、所定のキーを用いたキー操作を必要とするため、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。

図３に示すように、スロットマシン１には、遊技制御基板４０、演出制御基板９０が設けられており、遊技制御基板４０によって遊技の制御が行われ、演出制御基板９０によって遊技状態に応じた演出の制御が行われる。

遊技制御基板４０には、前述したＭＡＸＢＥＴスイッチ６、スタートスイッチ７、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ、精算スイッチ１０、リセットスイッチ２３、投入メダルセンサ３１ａ～３１ｃ、リールセンサ３３Ｌ、３３Ｃ、３３Ｒ、払出センサ３４ｃ、満タンセンサ３５ａ、設定キースイッチ３７、リセット／設定スイッチ３８が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板４０には、前述したクレジット表示器１１、遊技補助表示器１２、１～３ＢＥＴＬＥＤ１４～１６、投入要求ＬＥＤ１７、スタート有効ＬＥＤ１８、ウェイト中ＬＥＤ１９、リプレイ中ＬＥＤ２０、ＢＥＴスイッチ有効ＬＥＤ２１、左、中、右停止有効ＬＥＤ２２Ｌ、２２Ｃ、２２Ｒ、設定値表示器２４、ＡＴ中ＬＥＤ２５、流路切替ソレノイド３０、リールモータ３２Ｌ、３２Ｃ、３２Ｒ、ホッパーモータ３４ｂが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板４０に搭載されたメイン制御部４１の制御に基づいて駆動されるようになっている。

遊技制御基板４０には、メインＣＰＵ４１ａ、ＲＯＭ４１ｂ、ＲＡＭ４１ｃ、Ｉ／Ｏポート４１ｄを備えたマイクロコンピュータにより構成され、遊技の制御を行うメイン制御部４１が搭載されている。

メイン制御部４１は、遊技の進行に伴う操作が検出されることに応じて遊技を進行させるための各種の制御を行うとともに、サブ制御部９１に各種のコマンドを送信する。メイン制御部４１からサブ制御部９１へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部９１からメイン制御部４１へ向けてコマンドが送られることはない。

演出制御基板９０には、画像等を表示可能な液晶表示器５１（図１参照）、音声を出力可能なスピーカ５３、５４（図１参照）、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの所定位置を背面側から照射可能なリールＬＥＤ（図示略）等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板９０に搭載されたサブ制御部９１による制御に基づいて駆動されるようになっている。サブ制御部９１は、メイン制御部４１から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御等を行うことが可能である。

本実施例のスロットマシン１は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる構成である。詳しくは、内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は１～６の６段階からなり、６が最も払出率が高く、５、４、３、２、１の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として６が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、５、４、３、２、１の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。

設定値を変更するためには、設定キースイッチ３７をｏｎ状態としてからスロットマシン１の電源をｏｎする必要がある。設定キースイッチ３７をｏｎ状態として電源をｏｎすると、設定値表示器２４にＲＡＭ４１ｃから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット／設定スイッチ３８の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット／設定スイッチ３８が操作されると、設定値表示器２４に表示された表示値が１ずつ更新されていく（設定値６からさらに操作されたときは、設定値１に戻る）。そして、スタートスイッチ７が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ３７がｏｆｆされると、確定した表示値（設定値）がメイン制御部４１のＲＡＭ４１ｃに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。

本実施例のスロットマシン１は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインＬＮが有効化される。

入賞ラインとは、各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの透視窓３に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図１に示すように、リール２Ｌの中段、リール２Ｃの中段、リール２Ｒの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨がって設定された入賞ラインＬＮのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、１本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。

そして、本実施例では、全てのリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが停止した際に、有効化された入賞ライン（本実施例の場合、常に入賞ラインＬＮが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインＬＮを単に入賞ラインと呼ぶ）上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。

本実施例のスロットマシン１においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部４から投入するか、あるいはＭＡＸＢＥＴスイッチ６を操作してクレジットを使用して賭数を設定する。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインＬＮ（図１参照）が有効となり、スタートスイッチ７の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。

ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ７を操作すると、各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが回転され、各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの図柄が連続的に変動される。リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが回転されている状態で、いずれかのストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作すると、対応するリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転が停止され、当該リールの図柄が透視窓３に表示結果として導出表示される。

そして全てのリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが停止されることで１ゲームが終了し、入賞ラインＬＮ上に予め定められた図柄の組合せ（以下、役とも呼ぶ）が各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数（本実施例では５０）に達した場合には、メダルが直接メダル払出口９（図１参照）から払い出されるようになっている。また、入賞ラインＬＮ上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。

尚、本実施例では、スタートスイッチ７の操作が有効な状態でスタートスイッチ７の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための１単位の制御（ゲーム制御）は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。

本実施例のスロットマシン１において、入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められ、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態（特別状態）への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部４１が、上述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの表示結果が導出される以前（具体的には、スタートスイッチ７の検出時）に乱数を用いて決定するものである。

尚、各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されるようになっている。

また、内部抽選において、予め定められた所定の操作態様（例えば、停止操作順、操作タイミング）で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役、再遊技役（以下、ＡＴ対象役と呼ぶ場合がある。）が当選し得るようになっている。ＡＴ対象役には、例えば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役等を含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。

メイン制御部４１は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様を遊技補助表示器１２の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム（ＡＴ）に制御可能である。メイン制御部４１は、ＡＴに制御される権利が遊技者に対して付与されることで、ＡＴの制御を開始して、ＡＴに制御する。そして、ＡＴに制御している場合には、ＡＴ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、遊技者にとって有利となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様（例えば、押し順、操作タイミング等）を遊技補助表示器１２を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部９１に対して送信することで、当該操作態様を液晶表示器５１等を用いて報知するナビ演出を実行させる。ナビ報知及びナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作することで、内部抽選にて当選した押し順役を確実に入賞させることができるようになっている。また、ＡＴに制御している期間では、当該期間中にわたりＡＴ中ＬＥＤ２５を点灯状態として、ＡＴの制御を行っている旨を報知するようになっている。

次に、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御について説明する。停止制御では、各ストップスイッチについて操作が行われたときから最大停止遅延時間（本実施例では、１９０ｍｓ（ミリ秒））以内に、操作に対応するリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を停止させる制御が行われる。リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒを１分間に８０回転させ、８０（回転）×２１（１リール当たりの図柄コマ数、例えば、２１コマ）＝１６８０コマ分の図柄を変動させるので、予め定められた最大停止遅延時間（１９０ｍｓ）が経過するまでの間では、最大で４コマ分の図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止制御では、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに表示されている図柄と、そこから４コマ先までにある図柄、合計５コマ分（引込範囲）の図柄から一の図柄を選択して、リール２Ｌ、２Ｒ、２Ｒに導出させることが可能である。

メイン制御部４１は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ＲＯＭ４１ｂに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照して、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒに対応するリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を停止させるように制御を行う。

テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態（以下、内部当選状態という）別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。また、テーブルインデックスには、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、同一の停止制御テーブルが作成されることとなる。

本実施例では、例えば、後述するように、内部抽選にて共通ベルが当選し、左リールを第１停止とする停止制御を行う場合と、内部抽選にてＡＴ対象役のうち左ベル１～４が当選し、左リールを第１停止とする停止制御を行う場合に同一の制御が適用されるようになっており、内部抽選にて共通ベルが当選し、左リールを第１停止する操作順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒによる停止操作（左第１停止操作）が行われる場合、及び左ベル１～４が当選し、左第１停止操作が行われる場合に、テーブルインデックスに基づいてテーブル作成用データ中の同一のアドレスのデータが参照されて、同一の停止制御テーブルが作成されることとなる。

また、内部抽選にて共通ベルが当選し、中リールを第１停止とする停止制御を行う場合と、内部抽選にてＡＴ対象役のうち中ベルが当選し、中リールを第１停止とする停止制御を行う場合に同一の制御が適用されるようになっており、内部抽選にて共通ベルが当選した場合における中リールと、中ベルが当選した場合における中リールについて、テーブルインデックスに基づいてテーブル作成用データ中の同一のアドレスのデータが参照されて、同一の停止制御テーブルが作成されることとなる。

また、内部抽選にて共通ベルが当選し、右リールを第１停止とする停止制御を行う場合と、内部抽選にてＡＴ対象役のうち右ベルが当選して、右リールを第１停止とする停止制御を行う場合に同一の制御が適用されるようになっており、内部抽選にて共通ベルが当選した場合における右リールと、右ベルが当選した場合における右リールについて、テーブルインデックスに基づいてテーブル作成用データ中の同一のアドレスのデータが参照されて、同一の停止制御テーブルが作成されることとなる。

テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。

リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。

停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例のスロットマシン１では、リールモータ３２Ｌ、３２Ｃ、３２Ｒに、３３６ステップ（０～３３５）の周期で１周するステッピングモータが用いられる。すなわちリールモータ３２Ｌ、３２Ｃ、３２Ｒを３３６ステップ駆動させることでリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが１周することとなる。そして、リール１周に対して１６ステップ（１図柄が移動するステップ数）毎に分割した２１の領域（コマ）が定められており、これらの領域には、リール基準位置から０～２０の領域番号が割り当てられている。一方、１リールに配列された図柄数も２１であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から０～２０の図柄番号が割り当てられているので、０番図柄から２０番図柄に対して、それぞれ０～２０の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。

前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置（本実施例では、透視窓３の下段図柄の領域）に位置するタイミング（リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。

次に、停止制御テーブルの作成手順について説明する。まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、テーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。

また、いずれか１つのリールが停止したとき、またはいずれか２つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。

次に、メイン制御部４１がストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールを停止させて表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置（本実施例では、透視窓３の下段図柄の領域）に停止することとなる。

本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして１つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況（及び停止済みのリールの停止位置）に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして１つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況（及び停止済みのリールの停止位置）に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況（及び停止済みのリールの停止位置）に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況（及び停止済みのリールの停止位置）の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。

また、本実施例では、滑りコマ数として０～４の値が定められており、停止操作を検出してから最大４図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大５コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、１図柄分リールを移動させるのに１コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大４図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大５図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。

本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大４コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大４コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。

また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大４コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大４コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大４コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、４コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。

また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大４コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒのいずれについても５図柄以内、すなわち４コマ以内の間隔で配置されており、４コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。

尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。

［入賞役、抽選対象役について］
次に、本実施例のスロットマシン１における入賞役の一部の例と抽選対象役の一部の例について、図４及び図５に基づいて説明する。

図４に示すように、入賞役のうち小役には、例えば、８枚のメダルの払出しを伴う中段ベル、右下がりベル、上段ベル１、上段ベル２、上段ベル３、上段ベル４、上段ベル５、上段ベル６、上段ベル７、上段ベル８等が、含まれる。各小役には、それぞれ異なる図柄組合せが設定されている。以下、上段ベル１～８をまとめて上段ベルと呼ぶ場合がある。尚、特に説明、図示等しないが、入賞役には、これら中段ベル等以外の種々の小役や、種々の再遊技役、特別役が含まれる。

中段ベルは、「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。中段ベルが入賞すると８枚のメダルが払い出される。中段ベルを構成するリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの「ベル」は、各リールにおいて５図柄以内に配置されているため（図２参照）、各リールについてストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作するタイミングによらず、中段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮ上に停止させることができる。すなわち中段ベルが当選した場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず、中段ベルを入賞させて８枚のメダルを払出すことが可能になっている。

右下がりベルは、「リプレイ‐ベル‐リプレイ」、「リプレイ‐ベル‐プラム」、「プラム‐ベル‐リプレイ」、「プラム‐ベル‐プラム」の図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。右下がりベルが入賞すると８枚のメダルが払い出される。また、右下がりベルを構成する左リール２Ｌの「リプレイ」及び「プラム」は、「ベル」の１つ下の位置に配置されており、右下がりベルを構成する右リール２Ｒの「リプレイ」及び「プラム」は、「ベル」の１つ上の位置に配置されているので、「リプレイ－ベル－リプレイ」、「リプレイ－ベル－プラム」、「プラム－ベル－リプレイ」、「プラム－ベル－プラム」のいずれかの組合せが停止すると、「ベル－ベル－ベル」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインＬＭ３に停止することとなる。

また、右下がりベルを構成する中リールの「ベル」は、各リールにおいて５図柄以内に配置されおり、右下がりベルを構成する左リール、右リールの「リプレイ」、「プラム」の１つは、各リールにおいて５図柄以内に配置されているため（図２参照）、各リールについてストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作するタイミングによらず、右下がりベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮ上に停止させることができる。すなわち右下がりベルが当選した場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず、右下がりベルを入賞させて８枚のメダルを払出すことが可能になっている。

上段ベル１は、「リプレイ－白ＢＡＲ－白ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル２は、「リプレイ－白ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル３は、「リプレイ－黒ＢＡＲ－白ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル４は、「リプレイ－黒ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル５は、「プラム－白ＢＡＲ－白ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル６は、「プラム－白ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル７は、「プラム－黒ＢＡＲ－白ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。上段ベル８は、「プラム－黒ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」の組合せが入賞ラインＬＮに停止したときに入賞となる。これら上段ベル１～８が入賞すると８枚のメダルが払い出される。

また、上段ベル１～８を構成する左リール２Ｌの「リプレイ」及び「プラム」、中リールの「黒ＢＡＲ」及び「白ＢＡＲ」、右リール２Ｒの「黒ＢＡＲ」及び「白ＢＡＲ」は、「ベル」の１つ下の位置に配置されているので、「リプレイ－白ＢＡＲ－白ＢＡＲ」、「リプレイ－白ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」、「リプレイ－黒ＢＡＲ－白ＢＡＲ」、「リプレイ－黒ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」、「プラム－白ＢＡＲ－白ＢＡＲ」、「プラム－白ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」、「プラム－黒ＢＡＲ－白ＢＡＲ」、「プラム－黒ＢＡＲ－黒ＢＡＲ」のいずれかの組合せが停止すると、「ベル－ベル－ベル」の組合せが上段、すなわち無効ラインＬＭ１に停止することとなる。

また、上段ベル１～８を構成する左リールの「リプレイ」及び「プラム」、中右リールの「黒ＢＡＲ」及び「白ＢＡＲ」は、各リールにおいて５図柄以内に配置されていない箇所があるため（図２参照）、各リールについて適切なタイミング（各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒについて、当選している上段ベル１～８を構成する図柄を入賞ラインＬＮ上に引き込むことが可能なタイミング）で停止操作を行うことで、上段ベル１～８を構成する図柄を入賞ラインＬＮ上に停止させることができる。すなわち、上段ベル１～８が当選した場合には、各リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒについて適切なタイミングで停止操作が行われなければ、上段ベル１～８が入賞することがないようになっている。

図５に示すように、内部抽選において抽選の対象となる抽選対象役には、例えば、共通ベル、左ベル１、左ベル２、左ベル３、左ベル４、中ベル１、中ベル２、中ベル３、中ベル４、右ベル１、右ベル２、右ベル３、右ベル４が含まれる。各抽選対象役には、予め定められた１または複数の入賞役が含まれており、内部抽選において一の抽選対象役が当選することで、当該抽選対象役に含まれる入賞役が同時に当選することとなり、各入賞役の構成図柄が入賞ラインＬＮ上に停止することが許容される。尚、特に説明、図示等しないが、抽選対象役には、これら共通ベル等以外の役も含まれる。

共通ベルは、入賞役のうち中段ベル及び右下がりベルを含み、左ベル１は、入賞役のうち右下がりベル、上段ベル５、上段ベル６を含み、左ベル２は、入賞役のうち右下がりベル、上段ベル６、上段ベル７を含み、左ベル３は、入賞役のうち右下がりベル、上段ベル２、上段ベル３を含み、左ベル４は、入賞役のうち右下がりベル、上段ベル２、上段ベル４を含み、中ベル１は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル２、上段ベル５を含み、中ベル２は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル１、上段ベル６を含み、中ベル３は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル４、上段ベル７を含み、中ベル４は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル３、上段ベル８を含み、右ベル１は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル３、上段ベル５を含み、左ベル２は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル１、上段ベル７を含み、左ベル３は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル４、上段ベル６を含み、左ベル４は、入賞役のうち中段ベル、上段ベル２、上段ベル８を含む。

抽選対象役のうち共通ベルが内部抽選にて当選し得る当選確率は、上述の設定値に応じて設定されており、少なくともいずれかの設定値における共通ベルの当選確率と、他の設定値における共通ベルの当選確率とが異なるように設定されている。一方、抽選対象役のうち左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４が内部抽選にて当選し得る当選確率は、設定値によらず同一の当選確率になるように設定されている。

抽選対象役のうち左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４は、後述するＡＴに関する制御状態がＣＺであるときに、ＡＴに制御される権利を付与するか否かを決定するＡＴ抽選を行うＡＴ抽選対象役である。ＣＺであるときに、これらの左ベル１～４等のいずれかの抽選対象役が内部抽選にて当選した場合には、メイン制御部４１は、ＡＴ抽選を行い、当該ＡＴ抽選にて当選することで、ＡＴに制御される権利を遊技者に対して付与するようになっている。

また、抽選対象役のうち内部抽選にて当選し得る確率が設定値に応じて異なる共通ベルは、ＡＴ抽選対象役となっておらず、内部抽選にて当選し得る確率が設定値によらず同一である左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４は、ＡＴ抽選対象役となっているため、設定値にかかわらず同一の確率でＡＴ抽選が行われることとなる。

抽選対象役のうち左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４は、ＡＴ中及びＣＺ中におけるナビ報知の対象（ナビ対象）であり、メイン制御部４１は、ＡＴの制御中及びＣＺの制御中において、これらの左ベル１～４等が内部抽選にて当選した場合には、ナビ報知を行って、遊技者にとって有利となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様（本実施例では、操作順）を報知するようになっている。

また、抽選対象役のうち共通ベルは、ＣＺ中のみナビ対象であり、メイン制御部４１は、ＣＺの制御中において、共通ベルが内部抽選にて当選した場合には、ナビ報知を行って、左第１停止操作、中第１停止操作、右第１停止操作の各操作態様を均等な割合で報知するようになっている。

また、メイン制御部４１は、ナビ報知の制御において、当該ナビ報知により報知されるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部９１に対して送信するようになっており、サブ制御部９１は、コマンドに基づいてナビ報知により報知される操作態様を液晶表示器５１やスピーカ５３、５４等を用いて報知するナビ演出を行うことが可能になっている。

［リール制御について］
次に、内部抽選にて抽選対象役のうち上述の共通ベル、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４が当選したときに、メイン制御部４１が行うリール制御について、図６に基づいて説明する。

メイン制御部４１は、内部抽選にて共通ベル、ＡＴ対象役（左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４）のいずれかが当選したときのリールの停止制御において、共通ベル及びＡＴ対象役に応じて予め定められた操作態様（本実施例では、操作順）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、該当する操作態様に対応する入賞役の図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように制御を行う。

図６に示すように、例えば、内部抽選にて共通ベルが当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左リールを第１に停止させる操作順（左中右、左右中の操作順、以下左第１停止操作と呼ぶ場合がある）で操作される場合には、共通ベルに含まれる入賞役のうち右下がりベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させる。一方、共通ベルに当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左第１停止操作以外の操作順（中リールを第１に停止させる中第１停止操作、右リールを第１に停止させる右第１停止操作）で操作される場合には、共通ベルに含まれる入賞役のうち中段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させる。

また、左ベル１～４のうちのいずれかに当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左第１停止操作で操作される場合には、左ベル１～４に含まれる入賞役のうち右下がりベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させる。一方、左ベル１～４のうちのいずれかに当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが中第１停止操作または右第１停止操作で操作される場合には、左ベル１～４に含まれる入賞役のうち当選している上段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、当選している上段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させるか、当選している上段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに停止させることができない場合には、いずれの入賞役を構成しない、いわゆるはずれの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させるように、リールの停止制御を行う。

また、中ベル１～４または右ベル１～４のうちのいずれかに当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左第１停止操作で操作される場合には、中ベル１～４、右ベル１～４に含まれる入賞役のうち中段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させる。一方、中ベル１～４または右ベル１～４のうちのいずれかに当選し、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが中第１停止操作または右第１停止操作で操作される場合には、中ベル１～４、右ベル１～４に含まれる入賞役のうち当選している上段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに引き込んで停止させるように、リールの停止制御を行って、当選している上段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させるか、当選している上段ベルを構成する図柄を入賞ラインＬＮに停止させることができない場合には、いずれの入賞役を構成しない、いわゆるはずれの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させるように、リールの停止制御を行う。

このように本実施例では、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた操作順で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた操作順以外の操作順で停止操作を行うことで、上段ベルが入賞することもあるが、上段ベルが入賞しないこともある。このため、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時には、当選役の種類に応じた操作順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。以下では、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時に、確実に右下がりベルまたは中段ベルの入賞を発生させることが可能となる操作態様（左ベル１～４当選時は、左第１停止操作、中ベル１～４当選時は、中第１停止操作、右ベル１～４当選時は、右第１停止操作）を、正解押し順と呼ぶ場合がある。また、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時に、対応する正解押し順によりストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで発生する入賞（右下がりベルの入賞、中段ベルの入賞）を、特定入賞と呼ぶ場合がある。

内部抽選にて左ベル１～４のいずれかが当選し、正解押し順（左第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときには、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せがリールに停止され、内部抽選にて共通ベルが当選し、左ベル１～４の正解押し順である左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときにも、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せがリールに停止されるようになっており、内部抽選にて左ベル１～４、共通ベルが当選した場合には、共通の左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の右下がりベルが入賞するようになっている。

また、内部抽選にて中ベル１～４のいずれかが当選し、正解押し順（中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときには、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せがリールに停止され、内部抽選にて共通ベルが当選し、中ベル１～４の正解押し順である中第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときにも、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せがリールに停止されるようになっており、内部抽選にて中ベル１～４、共通ベルが当選した場合には、共通の中第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の中段ベルが入賞するようになっている。

また、内部抽選にて右ベル１～４のいずれかが当選し、正解押し順（右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときには、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せがリールに停止され、内部抽選にて共通ベルが当選し、右ベル１～４の正解押し順である右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときにも、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せがリールに停止されるようになっており、内部抽選にて右ベル１～４、共通ベルが当選した場合には、共通の右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の中段ベルが入賞するようになっている。

すなわち、内部抽選にて共通ベルが当選し、左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作された場合には、内部抽選にて左ベル１～４が当選して、正解押し順である左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときにリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止される図柄組合せと共通の右下がりベルの図柄組合せが停止し、特定入賞としての右下がりベルが入賞する一方で、内部抽選にて共通ベルが当選し、中第１停止操作または右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作された場合には、内部抽選にて中ベル１～４または右ベル１～４が当選して、正解押し順である中第１停止操作または右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときにリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止される図柄組合せと共通の中段ベルの図柄組合せが停止し、特定入賞としての中段ベルが入賞するようになっている。

［ＡＴに関する制御状態について］
メイン制御部４１が制御するＡＴに関する制御状態について、図７及び図８に基づいて説明する。

図７に示すように、メイン制御部４１は、ＡＴに関する制御状態として非ＡＴ、ＡＴ、ＣＺ（チャンスゾーン）に制御可能であり、予め定められた移行条件（ＣＺ抽選に当選すること、残りＣＺゲーム数が０となること、ＡＴ抽選に当選すること、残りのＡＴゲーム数が０となること等）が成立することで、該当する制御状態に移行させる制御を実行して、いずれか一の制御状態に制御する。

非ＡＴは、上述のＡＴに制御されていない状態であり、内部抽選にて上述のＡＴ対象役（左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４）等が当選した場合でもナビ報知が行われることがない（図８参照）。また、非ＡＴに制御されているときには、予め定められた抽選条件（内部抽選にて当選し得る確率が他の一般役よりも低く設定されている特定役の一部であって、内部抽選にて当選し得る確率に設定値に応じた差が設けられていない特定役が当選すること等）が成立した場合に、ＣＺに制御される権利を付与するか否かを決定するＣＺ抽選が行われて、当該ＣＺ抽選に当選することで、ＣＺに制御される権利が付与される。

そして、当該非ＡＴに移行してからのゲーム数にかかわらず、ＣＺに制御される権利が１以上となることで、当該権利が１消費されてＣＺに移行される。ＣＺに移行されることで、非ＡＴは終了されることとなる。

ＣＺは、予め定められた抽選条件（左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれかが当選すること）が成立した場合に、ＡＴに制御される権利を付与するか否かを決定するＡＴ抽選が行われ、当該ＡＴ抽選に当選することで、ＡＴに制御される権利が付与され得る状態である。

ＣＺの制御の開始時には、付与されたＣＺに制御される権利が消費されて、当該権利１セット分の所定ゲーム数（本実施例では、１０ゲーム）が、ＲＡＭ４１ｃの所定領域に設けられており残りのＣＺゲーム数を計数するＣＺカウンタに加算される。そして、当該ＣＺカウンタが１以上である限りＣＺの制御が継続され、ＣＺカウンタの値が０となることで、ＣＺの制御は終了される。ＣＺ中は、予め定められた第１の所定役が内部抽選にて当選した場合には、ＣＺカウンタの値が１減算される一方、予め定められた第２の所定役が内部抽選にて当選した場合には、ＣＺカウンタの値が１減算されずに維持されるようになっている。

ＣＺカウンタの値が０となった際に、ＣＺ中にＡＴ抽選に当選してＡＴに制御される権利が少なくとも１以上付与されている場合には、当該権利を１消費してＡＴの制御が開始されてＡＴに移行される。一方、ＣＺ中にＡＴ抽選に当選せずＡＴに制御される権利が１つも付与されていない場合には、上述の非ＡＴに移行される。

また、図８に示すように、ＣＺ中は、内部抽選にて左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４が当選した場合に、ナビ報知が行われて、当選している左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順が、遊技補助表示器１２を用いて報知されるようになっている。左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時にナビ報知が行われることより、当該ナビ報知により報知されている正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、内部抽選にて当選した左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４に含まれる右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることができ、必ず所定枚数のメダルの払出しを受けることが可能であるとともに、これらの役の当選に基づいてＡＴ抽選が行われた可能性がナビ報知により示唆されるようになっている。

また、図８に示すように、ＣＺ中は、内部抽選にて共通ベルが当選した場合に、ナビ報知が行われて、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順が報知される場合と同じ態様でいずれかの押し順が、遊技補助表示器１２を用いて報知されるようになっている。

共通ベルの当選時におけるナビ報知の制御では、まず、当該ナビ報知の実行態様を決定する報知抽選が行われる。報知抽選では、特定入賞としての右下がりベル及び特定入賞としての中段ベルのいずれかの入賞が発生する図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させることが可能なストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作順（左第１停止操作、中第１停止操作、右第１停止操作）のうち、当該ナビ報知にて報知を行う操作順を、それぞれ均等な割合でランダムに決定する。そして当該報知抽選により決定された操作順、すなわち左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順が報知される場合と同様に遊技補助表示器１２を用いて押し順を報知するように制御する。これにより、共通ベルの当選時におけるナビ報知では、右下がりベル図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させることが可能な操作順すなわち左第１停止操作を示す報知と、中段ベル図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させることが可能な操作順すなわち中・右第１停止操作を示す報知と、が均等な割合でランダムに行われることとなる。

そして、共通ベルの当選時に、ナビ報知により左第１停止操作、すなわち左ベル１～４の正解押し順が報知され、当該ナビ報知に従った操作態様でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、左ベル１～４の当選時に正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作される場合と同様に、右下がりベルの図柄組合せがリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止して、右下がりベルが入賞することとなる。また、共通ベルの当選時に、ナビ報知により中第１停止操作すなわち中ベル１～４の正解押し順が報知され、当該ナビ報知に従った操作態様でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、中ベル１～４の当選時に正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作される場合と同様に、中段ベルの図柄組合せがリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止して、中段ベルが入賞することとなる。また、共通ベルの当選時に、ナビ報知により右第１停止操作すなわち右ベル１～４の正解押し順が報知され、当該ナビ報知に従った操作態様でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、右ベル１～４の当選時に正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作される場合と同様に、中段ベルの図柄組合せがリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止して、中段ベルが入賞することとなる。

すなわち、共通ベルの当選時には、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれかの当選時と共通の態様でナビ報知が行われ、当該ナビ報知により報知される左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順に従ってストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、これらの左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時に該当する正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作される場合と同様の図柄組合せがリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止するので、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止態様やナビ報知の報知態様に基づいて、内部抽選にて共通ベルが当選していたか、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４が当選していたかを推測することが困難になっている。

また、共通ベルの当選時におけるナビ報知では、左第１停止操作を示す報知と、中第１停止操作を示す報知と、右第１停止操作を示す報知とが均等な割合で行われることで、左・中・右第１停止操作の各報知が実行される割合に基づいて内部抽選にて共通ベルが当選したか否かを推測することが困難になっている。

ＡＴは、上述のＡＴの制御が行われる状態である。図８に示すように、内部抽選にて上述のＡＴ対象役である左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれかが当選した場合に、ナビ報知が行われて、当選している左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順が特定可能に遊技補助表示器１２を用いて報知されるようになっている。

ＡＴの制御の開始時には、ＡＴ抽選に当選したことで付与されたＡＴに制御される権利が消費されて、当該権利１セット分の所定ゲーム数（本実施例では、５０ゲーム）が、ＲＡＭ４１ｃの所定領域に設けられており残りのＡＴゲーム数を計数するＡＴカウンタに加算される。そして、ＡＴ中では、１ゲームが行われる毎にＡＴカウンタが１減算されることとなる。その後、ＡＴカウンタが０となる際に、ＡＴに制御される権利が１セット以上残っている場合には、当該権利のうち１セットが消費されて、所定ゲーム数（本実施例では、５０ゲーム）が、ＡＴカウンタに加算される制御が繰り返し行われる。

ＡＴカウンタが１以上である限り、ＡＴの制御が継続され、ＡＴカウンタの値が０となることで、ＡＴは終了されてＣＺに移行される。ＡＴの制御では、ＡＴ対象役の当選時に、遊技者にとって有利となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様（操作順、操作タイミング等）が遊技補助表示器１２を用いて報知されることで、内部抽選にて当選したＡＴ対象役を確実に入賞させることができ、例えば、左ベル、中ベル、右ベルが当選した場合には、報知された操作順で停止操作がされることで、確実にメダルの払出しを受けることが可能である。

そして、ＡＴカウンタの値が０となり、ＡＴが終了されてＣＺに移行された際には、当該ＣＺにてＡＴ抽選に当選することで、再びＡＴ移行されることとなる一方で、ＣＺにてＡＴ抽選に当選しなかった場合には、非ＡＴに移行されることとなる。

また、図８に示すように、ＡＴ中においては、内部抽選にて共通ベルが当選した場合に、ナビ報知が行われないようになっている。これにより、ＡＴ中にナビ報知が行われないゲームにおいて、共通ベルに入賞役として含まれる右下がりベルの図柄組合せ、中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止することで、当該ゲームにおいて共通ベルが当選したことを推測可能となっており、ＡＴ中における共通ベルの当選回数を計数して当選確率を算出することが可能となっている。そして、上述のように共通ベルが内部抽選にて当選する確率は、設定値に応じて異なる確率が含まれるようになっているので、ＡＴ中における共通ベルの当選回数に基づいて算出された共通ベルの当選確率に基づいてスロットマシン１に設定されている設定値を推測し得るようになっている。

尚、本実施例では、ＣＺにおいてＡＴ抽選に当選することでＡＴに制御される構成であるが、非ＡＴにおいて所定の抽選条件が成立することでＡＴ抽選を行い、当該ＡＴ抽選にて当選することでＡＴに制御される構成としても良く、このような構成において、非ＡＴにおいてＡＴ抽選に当選することで、ＡＴに制御される場合にＣＺが経由される構成でも良いし、非ＡＴにおいてＡＴ抽選に当選することで、ＣＺが経由されずに直接ＡＴに制御される構成でも良い。

［リールの停止態様について］
次に、内部抽選にて左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４、共通ベルが当選した場合におけるリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止態様について、図９（ａ）（ｂ）に基づいて説明する。

図９（ａ）に示すように、メイン制御部４１は、ＣＺ中におけるゲームの開始時に、内部抽選にて左ベル１～４が当選した場合、または共通ベルが当選し、報知抽選にて左第１停止操作が決定された場合に、共通の操作態様として左ベル１～４の正解押し順（左第１停止操作）を特定可能なナビ報知を行う。例えば、左第１停止操作を報知するナビ報知では、遊技補助表示器１２のうちの右側の表示器に第１停止である旨を示唆する「１」を表示するとともに、遊技補助表示器１２のうちの左側の表示器に操作すべきストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左ストップスイッチ８Ｌである旨を示唆する「Ｌ」を表示することで、左第１停止操作を示唆する。また、遊技補助表示器１２の各表示器に「．」を点灯表示させてナビ報知を実行中である旨を報知する。

そして、ナビ報知により報知されている左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の右下がりベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御を行う。特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止されることで、左リールの上段、中リールの中段、右リールの下段に「ベル」の図柄がそれぞれ停止して、「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが無効ラインＬＭ３に停止することとなる。これにより、内部抽選にて共通ベルが当選した場合にも、左ベル１～４が当選した場合にも、共通の左第１停止操作が行われることで、共通の右下がりベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止され、共通の「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが無効ラインＬＭ３に停止する。

また、内部抽選にて共通ベルが当選した場合にも、左ベル１～４が当選した場合にも、右下がりベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止されることで、特定入賞としての右下がりベルが入賞することとなり、当該入賞に伴って共通の所定枚数（本実施例では、８枚）のメダルが払出されるとともに、当該メダルの払出枚数を示す数字（本実施例では、８）が遊技補助表示器１２に表示されて、メダルの払出が報知される。

一方、ナビ報知により報知されている左第１停止操作以外の操作態様（中第１停止操作、右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させないように、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御を行う。例えば、内部抽選にて共通ベルが当選している場合には、中段ベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させ、内部抽選にて左ベル１～４が当選している場合には、当選している上段ベルの図柄組合せまたははずれの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように制御する。

図９（ｂ）に示すように、メイン制御部４１は、ＣＺ中におけるゲームの開始時に、内部抽選にて中ベル１～４が当選した場合、または共通ベルが当選し、報知抽選にて中第１停止操作が決定された場合に、共通の操作態様として中ベル１～４の正解押し順（中第１停止操作）を特定可能なナビ報知を行う。例えば、中第１停止操作を報知するナビ報知では、遊技補助表示器１２のうちの右側の表示器に第１停止である旨を示唆する「１」を表示するとともに、遊技補助表示器１２のうちの左側の表示器に操作すべきストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左ストップスイッチ８Ｌである旨を示唆する「ｃ」を表示することで、中第１停止操作を示唆する。また、遊技補助表示器１２の各表示器に「．」を点灯表示させてナビ報知を実行中である旨を報知する。

そして、ナビ報知により報知されている中第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の中段ベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御を行う。これにより、内部抽選にて共通ベルが当選した場合にも、中ベル１～４が当選した場合にも、共通の中第１停止操作が行われることで、共通の中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止され、共通の「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止する。

また、図９（ｂ）に示すように、メイン制御部４１は、ＣＺ中におけるゲームの開始時に、内部抽選にて右ベル１～４が当選した場合、または共通ベルが当選し、報知抽選にて右第１停止操作が決定された場合に、共通の操作態様として右ベル１～４の正解押し順（右第１停止操作）を特定可能なナビ報知を行う。例えば、右第１停止操作を報知するナビ報知では、遊技補助表示器１２のうちの右側の表示器に第１停止である旨を示唆する「１」を表示するとともに、遊技補助表示器１２のうちの左側の表示器に操作すべきストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが左ストップスイッチ８Ｌである旨を示唆する「ｒ」を表示することで、中第１停止操作を示唆する。また、遊技補助表示器１２の各表示器に「．」を点灯表示させてナビ報知を実行中である旨を報知する。

そして、ナビ報知により報知されている右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の中段ベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御を行う。これにより、内部抽選にて共通ベルが当選した場合にも、右ベル１～４が当選した場合にも、共通の右第１停止操作が行われることで、共通の中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止され、共通の「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止する。

一方、ナビ報知により報知されている正解押し順以外の操作態様（中ベル１～４当選時の左・右第１停止操作、右ベル１～４当選時の左・中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、当選している上段ベルの図柄組合せまたははずれの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させるように制御して、正解押し順でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで停止させることが可能な特定入賞としての中段ベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させないように、リール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの停止制御を行う。

このように、メイン制御部４１は、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４となった場合に、当選している左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の正解押し順を報知するナビ報知を行い、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果が共通左ベルとなった場合に、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれかの正解押し順と同様に押し順を報知するナビ報知を行うようになっており、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に、抽選結果が左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４となった場合と共通の態様のナビ報知が行われるようになっている。

メイン制御部４１は、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４となり、かつ当該左ベル１～４の正解押し順（左第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させ、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４となり、かつ当該左ベル１～４の正解押し順以外の操作態様（中第１停止操作、右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させないようになっている。

また、メイン制御部４１は、内部抽選の抽選結果が中ベル１～４となり、かつ当該中ベル１～４の正解押し順（中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させ、内部抽選の抽選結果が中ベル１～４となり、かつ当該中ベル１～４の正解押し順以外の操作態様（左第１停止操作、右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させないようになっている。

また、メイン制御部４１は、内部抽選の抽選結果が右ベル１～４となり、かつ当該右ベル１～４の正解押し順（右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させ、内部抽選の抽選結果が右ベル１～４となり、かつ当該右ベル１～４の正解押し順以外の操作態様（左第１停止操作、中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させないようになっている。

そして、メイン制御部４１は、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなり、かつ左ベル１～４の正解押し順（中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させ、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなり、かつ中ベル１～４の正解押し順（中第１停止操作）または右ベル１～４の正解押し順（右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞を発生させる中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出させるようになっている。

すなわち、メイン制御部４１は、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合にも、左ベル１～４となった場合にも、左第１停止操作を示す共通の報知が行われ、共通の左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の特定入賞としての右下がりベルを入賞させるように制御する。また、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合にも、中ベル１～４となった場合にも、中第１停止操作を示す共通の報知が行われ、共通の中第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の特定入賞としての中段ベルを入賞させるように制御する。また、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合にも、右ベル１～４となった場合にも、右第１停止操作を示す共通の報知が行われ、共通の右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されることで、共通の特定入賞としての中段ベルを入賞させるように制御するようになっている。

［作用効果について］
従来のスロットマシンとして、特定出目（例えば、ＲＴ開始出目）が揃う操作態様が互いに異なる複数の抽選対象役について、操作態様が正解したときに停止する特定出目の態様が抽選対象役の種類によって異なる構成のものがある。

このような構成のスロットマシンでは、特定出目が揃う操作態様が互いに異なる複数の抽選対象役が当選し、正解の操作態様で操作されたときのみ特定出目が揃う構成であるが、例えば、操作態様を不問として特定出目が導出可能となる抽選対象役を備える構成が考えられる。複数の決定結果に応じて特定の表示結果を導出させる操作態様が異なり、かつ特定の表示結果の態様も異なる構成において、操作態様を不問として特定の表示結果を導出させることが可能な決定結果を設ける場合には、操作態様と当該操作態様に応じて導出される表示結果との関係について遊技者に対して違和感を与えてしまう虞がある。

これに対して、本実施例のスロットマシン１は、ゲームにおいてリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒが停止されて表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果の組合せを決定する内部抽選を行うことが可能であり、遊技者が表示結果を導出させるために操作するストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを備え、内部抽選の抽選結果に応じてリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を停止させて表示結果を導出する制御を行うリールの回転制御を行うことが可能な構成であり、リールの回転制御では、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４となり、かつ第１操作態様として左リール２Ｌを第１停止とする停止態様（左第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出し、左第１停止操作以外の操作態様（中リールを第１停止操作とする中第１停止操作、右リールを第１停止操作とする右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに右下がりベルの図柄組合せ以外の所定の上段ベルの図柄組合せまたははずれの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出する制御を行う。また、リールの回転制御では、内部抽選の抽選結果が中ベル１～４、右ベル１～４となり、かつ第１操作態様とは異なる第２操作態様（中ベル１～４当選時には中第１停止操作、右ベル１～４当選時には右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに特定入賞としての中段ベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出し、第２操作態様以外の操作態様（中ベル１～４当選時には左・右第１停止操作、右ベル１～４当選時には左・中第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに中段ベルの図柄組合せ以外の所定の上段ベル図柄組合せまたははずれの図柄組合せを導出する制御を行い、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなり、かつ第１操作態様（左第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出し、第２操作態様（中・右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに特定入賞としての中段ベルの図柄組合せを導出する制御を行う構成である。

この構成によれば、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４であるか、中ベル１～４、右ベル１～４であるか、によって特定入賞を発生させるための操作態様が異なり、かつ第１操作態様で特定入賞が発生する場合と、第２操作態様で特定入賞が発生する場合と、で導出される図柄組合せの態様が異なる構成において、第１操作態様で操作されても第２操作態様で操作されても特定入賞の発生が許容される共通ベルとなった場合に、第１操作態様で操作された場合には、第１操作態様で操作されることで特定入賞が発生する左ベル１～４となり第１操作態様で操作された場合と同様に特定入賞としての右下がりベルの図柄組み合わせが導出され、第２操作態様で操作された場合には、第２操作態様で操作されることで特定入賞が発生する中ベル１～４、右ベル１～４となり第２操作態様で操作された場合と同様に特定入賞としての中段ベルの図柄組合せが導出されるので、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に、第１操作態様で操作されても第２操作態様で操作されても特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様の違いによって違和感を与えてしまうことがない。

尚、本実施例では、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時に、特定入賞が発生する条件となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様は、左第１停止操作または中・右第１停止操作であり、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作順であるが、特定入賞が発生する条件となるストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様として、当該ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作するタイミングや、当該ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒを操作するタイミングと操作する順番の組合せを適用する構成でも良い。

また、本実施例では、内部抽選にて第１特定結果として左ベル１～４が当選し、かつ第１操作態様として左第１停止操作が行われることで特定入賞としての右下がりベルの図柄組合が導出され、内部抽選にて第２特定結果として中ベル１～４、右ベル１～４が当選し、かつ第２操作態様として中・右第１停止操作が行われることで特定入賞としての中段ベルの図柄組合せが導出される構成であり、右下がりベルの図柄組合と中段ベルの図柄組合とは、特定の図柄組合せ（「ベル‐ベル‐ベル」）が入賞ラインＬＮ及び無効ラインＬＮ１～４のうちの各々異なるラインに停止する構成であるが、内部抽選にて第１特定結果となった場合の特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様と、内部抽選にて第２特定結果となった場合の特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様と、は入賞ラインＬＮ及び無効ラインＬＭ１～４のうちのいずれのラインにも異なる図柄組合せが停止する構成でも良いし、入賞ラインＬＮに共通の図柄組合せ（例えば、「ベル‐ベル‐ベル」等）が停止し、無効ラインＬＮ１～４のうちの少なくとも１の特定のラインに異なる図柄組合せ（例えば、一方が「リプレイ‐ベル‐リプレイ」、他方が「リプレイ以外－ベル－リプレイ以外」等）が停止する構成でも良い。また、内部抽選にて第１特定結果となった場合の特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様と、内部抽選にて第２特定結果となった場合の特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様と、は入賞ラインＬＮ及び無効ラインＬＭ１～４のうちのいずれかの共通のラインに停止する図柄組合せであり、かつ少なくとも１のリールに停止する構成図柄が異なる構成（例えば、一方は入賞ラインＬＮに「ベル‐ベル‐ベル」が停止し、他方は入賞ラインＬＮに「ベル－ベル－リプレイ」が停止する構成）でも良い。

本実施例のスロットマシン１は、内部抽選にて左ベル１～４が当選し、かつ左第１停止操作が行われることで、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させること、共通ベル、中ベル１～４、右ベル１～４が当選し、かつ中・右第１停止操作が行われることで、特定入賞としての中段ベルの図柄組合せを入賞ラインＬＮに停止させることが可能な構成であり、右下がりベルの図柄組合せは、複数のリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒを跨がる入賞ラインＬＮ、無効ラインＬＭ１～４のうちの無効ラインＬＭ３に「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが導出される図柄組合せであり、中段ベルの図柄組合せは、入賞ラインＬＮ、無効ラインＬＭ１～４のうち入賞ラインＬＮに「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが導出される図柄結果組合せである構成ある。

この構成によれば、内部抽選にて左ベル１～４が当選して、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せが導出されるときと、内部抽選にて中ベル１～４、右ベル１～４が当選して、特定入賞としての中段ベルの図柄組合せが導出されるときと、で特定の図柄組合せが導出されるラインが異なるため、ストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒの操作態様に応じてリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに停止される出目を多様化することができる。

本実施例のスロットマシン１は、リールの停止制御において、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４となり、左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときと、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなり、左第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときと、で共通のテーブル作成用データを用いてリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を停止させて表示結果を導出する制御を行い、内部抽選の抽選結果が中ベル１～４となり、中第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたとき、及び内部抽選の抽選結果が右ベル１～４となり、右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときと、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなり、中・右第１停止操作でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときと、で共通のテーブル作成用データを用いてリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒの回転を停止させて表示結果を導出する制御を行う構成である。

この構成によれば、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に右下がりベルの図柄組合せや中段ベルの図柄組合せを導出する際に用いるデータを、別個に準備せずに済むため、表示結果の導出に係るデータ容量を削減することができる。

尚、本実施例では、メイン制御部４１は、リールの停止制御において、テーブル作成用データに基づいて停止制御テーブルを作成する構成であり、同一の制御を行う場合に共通のテーブル作成用データを用いて表示結果の導出する制御を行うことで表示結果の導出に係るデータ容量を削減する構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成において、同一の制御を行う場合に共通の停止位置テーブルを用いて表示結果の導出する制御を行うことで表示結果の導出に係るデータ容量を削減するようにしても良いし、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成において、同一の制御を行う場合に、検索の優先順位を規定する優先順データとして共通のデータを用いることにより表示結果の導出に係るデータ容量を削減するようにしても良い。

本実施例のスロットマシン１は、内部抽選の抽選結果が共通ベル、左ベル１～４となり、かつ第１操作態様（左第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せをリール２Ｌ、２Ｃ、２Ｒに導出し、内部抽選の抽選結果が共通ベル、中ベル１～４、右ベル１～４となり、かつ第２操作態様（共通ベル、中ベル１～４当選時の中第１停止操作、共通ベル、右ベル１～４当選時の右第１停止操作）でストップスイッチ８Ｌ、８Ｃ、８Ｒが操作されたときに、特定入賞としての中段ベルの図柄組合せを導出する制御を行う構成であり、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値１～６のうちから、いずれかの設定値を選択して設定することが可能であり、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４及び中ベル１～４、右ベル１～４となる確率は、設定されている設定値に関わらず共通であり、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなる確率は、特定の設定値と他の設定値とで異なる確率を含む構成である。

この構成によれば、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなる確率に設定値に基づく差が設けられているが、特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様から内部抽選の抽選結果が左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４であるか、共通ベルであるか、を特定できないことから、表示結果に基づく設定値の推測を困難にできる。

特に、スロットマシン１では、ＡＴに関する制御状態のうち非ＡＴに制御される割合が最も高く、当該非ＡＴ中においては、内部抽選の抽選結果が共通ベル、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４となってもナビ報知が行われることがなく、右下がりベルの図柄組合せ、中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止しても、内部抽選の抽選結果が共通ベル、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４のいずれであるかを特定することができないので、表示結果として右下がりベルの図柄組合せや中段ベルの図柄組合せが導出されたことに基づいて設定値を推測することを困難にできる。一方で、ＡＴ中においては、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４となることでナビ報知が行われ、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなることでナビ報知が行われないようになっており、ＡＴ中においては、ナビ報知がなく、表示結果として右下がりベルの図柄組合せや中段ベルの図柄組合せが導出されたときに、内部抽選の抽選結果が共通ベルであることを特定でき、共通ベルの当選状況に基づいて設定値の推測が可能となるため、ＡＴに制御されるまで遊技を継続する意欲を高めることができる。

尚、共通ベルは、少なくともいずれかの設定値における共通ベルの当選確率と、他の設定値における共通ベルの当選確率とが異なるように設定されているが、全ての設定値における共通ベルの当選確率が異なるように設定されるものでも良いし、一部の設定値における共通ベルの当選確率が他の設定値における共通ベルの当選確率と同一に設定されるものでも良い。

本実施例のスロットマシン１は、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４となった場合に第１操作態様（左第１位停止操作）を特定可能に報知し、内部抽選の抽選結果が中ベル１～４、右ベル１～４となった場合に第２操作態様（中ベル１～４当選時の中第１停止操作、右ベル１～４当選時の右第１停止操作）を特定可能に報知することが可能なナビ報知を実行可能であり、ナビ報知では、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様または第２操作態様を特定可能に報知することが可能な構成である。

この構成によれば、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様が報知され、報知された第１操作態様に従って操作されて特定入賞が発生した場合でも、第２操作態様が報知され、報知された第２操作態様に従って操作されて特定入賞が発生した場合でも、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４または中ベル１～４、右ベル１～４となった場合に第１操作態様または第２操作態様が報知され、報知された操作態様に従って操作されて特定入賞が発生した場合と図柄組合せの態様が共通となるので、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に、第１操作態様または第２操作態様のいずれが報知され、報知された操作態様に従って操作された場合でも特定入賞が発生した際の図柄組合せの態様の違いによって遊技者に違和感を与えてしまうことがない。

本実施例のスロットマシン１は、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４及び中ベル１～４、右ベル１～４となったときにＡＴ抽選が行われることで遊技者にとって有利に制御されるＣＺに制御することが可能であり、ナビ報知では、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４及び中ベル１～４、右ベル１～４となった場合に特定入賞が発生する操作態様をナビ報知により報知するとともに、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に、非ＡＴやＡＴにおいて内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合よりも高い割合で、第１操作態様（左第１停止操作）または第２操作態様（中第１停止操作、右第１停止操作）を報知する構成である。

この構成によれば、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果がＡＴ抽選が行われない共通ベルとなったときに、ＡＴ抽選が行われる左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４となったときと異なり、ナビ報知により操作態様が報知されずに、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せや中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止した場合には、内部抽選の抽選結果が共通ベルであることが特定され、ＡＴ抽選の結果を期待させることができないが、ＣＺ中においてナビ報知により操作態様が報知され、報知された操作態様に従って操作されて、左ベル１～４、中ベル１～４、右ベル１～４の当選時に該当する正解押し順で操作した場合と同様に、特定入賞としての右下がりベルの図柄組合せや中段ベルの図柄組合せが入賞ラインＬＮに停止した場合には、内部抽選の抽選結果が左ベル１～４または中ベル１～４、右ベル１～４であったか、共通ベルであったか、を特定することが困難となるため、特定入賞が発生することで、その際、ＣＺ中にＡＴ抽選が行われない共通ベルが当選した場合であっても、左ベル１～４や中ベル１～４、右ベル１～４が当選した場合と同様に、ＡＴ抽選が行われて有利に制御されることを期待させることができる。

尚、本実施例では、ＣＺ中において内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様または第２操作態様を報知する一方で、非ＡＴ中及びＡＴ中において内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様または第２操作態様を報知しない構成であるが、ＣＺ中において内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様または第２操作態様を所定の割合で報知することが可能であるとともに、非ＡＴ中やＡＴ中において内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に第１操作態様または第２操作態様を所定の割合で報知することが可能な構成でも良い。このような構成でも、本実施例の構成と同様に、ＣＺ中において、内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合に、非ＡＴやＡＴにおいて内部抽選の抽選結果が共通ベルとなった場合よりも高い割合で、第１操作態様または第２操作態様を報知する構成とすることで、本実施例の構成と同様の効果を奏する。

以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。

前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル１枚分を遊技球５個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として３を設定する場合は、１５個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。

さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか１種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。

１ スロットマシン
２Ｌ、２Ｃ、２Ｒ リール
６ ＭＡＸＢＥＴスイッチ
７ スタートスイッチ
８Ｌ、８Ｃ、８Ｒ ストップスイッチ
４１ メイン制御部
９１ サブ制御部

Claims (1)

1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
   前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
   遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定する設定値設定手段と、
   表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果組合せを決定する事前決定手段と、
   遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
   前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
   を備え、
   前記事前決定手段の決定結果が第１特定結果となる確率及び第２特定結果となる確率は、前記設定値に関わらず共通であり、
   前記事前決定手段の決定結果が第３特定結果となる確率は、特定の設定値と他の設定値とで異なる確率を含み、
   前記導出制御手段は、
   前記事前決定手段の決定結果が前記第１特定結果となり、第１操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに特定入賞が発生する特定表示結果組合せのうち第１態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第１操作態様以外の操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せを導出する制御を行い、
   前記事前決定手段の決定結果が前記第２特定結果となり、前記第１操作態様とは異なる第２操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち第２態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第２操作態様以外の操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定入賞が発生しない表示結果組合せを導出する制御を行い、
   前記事前決定手段の決定結果が前記第３特定結果となり、前記第１操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第１態様の特定表示結果組合せを導出し、前記第２操作態様で前記導出操作手段が操作されたときに前記特定表示結果組合せのうち前記第２態様の特定表示結果組合せを導出する制御を行う、スロットマシン。

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