(実施形態1)
以下、添付図面を参照して、実施形態1について説明する。図1は、この実施形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。すなわち、透視窓3は、各リールに配列された図柄のうち連続する3つの図柄を、上段、中段、及び下段各々の位置において視認可能に構成されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(例えば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「バナナ(例えば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「白7(例えば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「黒BAR(例えば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「星(例えば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「ブドウ(例えば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「黒7(例えば、左リール2Lの領域番号10の図柄)」、「白BAR(例えば、左リール2Lの領域番号6の図柄)」、「イチゴ(例えば、左リール2Lの領域番号5の図柄)」、「星7(例えば、左リール2Lの領域番号1の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナス及びレギュラーボーナス(以下、ボーナスともいう)であることに応じて「2」が定められて、遊技状態がビッグボーナス及びレギュラーボーナス以外の遊技状態(以下、一般遊技あるいは一般遊技状態ともいう)であることに応じて「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側又はメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス1
00が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)の対応するラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施形態では、図1に示すように、入賞ラインL1〜L4の4種類が入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL2は、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL3は、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL4は、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、例えば各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るライン等を含むものであってもよい。
ビッグボーナス及びレギュラーボーナス以外の一般遊技状態であるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。ビッグボーナス及びレギュラーボーナスであるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL2〜L4が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施形態では、12枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化された入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接又は電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時又はメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、日時を計時するためのリアルタイムクロック50(以下、RTC50という)、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込等の割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的又は間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
また、RTC50は、現在の「年(西暦)」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」を示すために計時を行う装置である。例えば、水晶発振子を内蔵したシリアルインタフェース方式のリアルタイムクロックモジュールとして実現されるが、これに限るものではない。メイン制御部41は、例えば、RTC50が計時した日時を特定するための日時情報を取得(抽出)し、当該取得した日時情報に基づきリール制御パターンを決定して、該決定したリール制御パターンでリール2L〜2Rのリール制御を行う。
RTC50は、通常、スロットマシン1に電源が供給されているときには当該電源によって動作し、電源が切られているときには、停電時においても供給されるバックアップ電源によって動作する。従って、RTC50は、スロットマシンの電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC50は、スロットマシンに電源が供給されているときであってもバックアップ電源によって動作するようにしてもよい。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、例えば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90又は他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノ等を演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時又はサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的又は間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。メイン制御部41からのコマンドを取得したときに、当該コマンドをバッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、及び設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作等、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、例えば、入力ポートの状態等を全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過等を全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、RT1又はRT2のいずれであるか等の遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知等)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)及び入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時及び設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納されるワークである。なお、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御され得る場合には、特別ワークにおいて、残りゲーム数、あるいは当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行われた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、例えば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。例えば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行う初期化、又はRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域及び次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、及び停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行う例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行うようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、通常遊技状態、再遊技役の当選確率が通常遊技状態よりも向上されるRT1、RT2、内部中RT、及び所定枚数払出されるまで小役の当選確率が向上されるビッグボーナスやレギュラーボーナスのうち、いずれかに制御される。また、本実施形態におけるスロットマシンは、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBBとも称する)と、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBとも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1又はBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、361枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、241枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−星7」あるいは「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの入賞役に4回入賞することを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB3及びRBのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、BB1〜BB3やRBが終了した後は、RT1に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3及びRBのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3及びRBを構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3及びRBのうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、1枚役、ブドウ、メロン1〜メロン4、イチゴが含まれる。
小役のうち1枚役は、入賞ラインのいずれかに「星−黒BAR−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。1枚役は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。1枚役を構成する図柄(「星」、「黒BAR」、「黒7」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちブドウは、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。ブドウを構成する図柄(「ブドウ」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロン1は、入賞ラインのいずれかに「any−メロン−any」あるいは「メロン−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、メロン1は、中リール2Cの「メロン」の図柄が有効な入賞ラインに停止表示されることにより、左リール2L及び右リール2Rの図柄との組合せに関わらず、入賞が発生し得る入賞役といえる。
メロン1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。メロン1を構成する図柄(例えば、「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、メロン2〜4について説明する。メロン2は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−白7−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン3は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン4は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、メロン2〜4各々を構成する図柄は、少なくとも、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてメロン2〜4のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているメロン2〜4のうち当選しているメロンに入賞することはない。
しかしながら、メロン2〜4は、後述するように、ビッグボーナス中を除いて、常にメロン1と同時に抽選対象役として読み出されて当選する。このため、メロン2〜4に当選しているときには、ビッグボーナス中を除いて、メロン1を入賞させることができる。
メロン1の図柄組合せが入賞ラインL2上に停止した出目を転落出目ともいう。すなわち、転落出目とは、中リール2Cの「メロン」が上段に停止、あるいは「メロン−黒BAR−メロン」が入賞ラインL2上に停止することにより、メロン1入賞を発生させる出目をいう。
図6に示すように、RT1又はRT2のいずれかにおいて転落出目となった後は、通常遊技状態に制御される。内部中RTにおいて転落出目となっても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において転落出目となっても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
また、中リール2Cの「メロン」が中段に停止することにより入賞ラインL1にメロン1の図柄組合せが停止してメロン1に入賞しかつ12枚払出となる出目を、チャンス出目ともいう。
小役のうちイチゴは、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−白7−バナナ」、「イチゴ−黒7−バナナ」、「イチゴ−星7−バナナ」、及び「イチゴ−ブドウ−バナナ」のうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴは、当選していてもストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。イチゴを構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
遊技者は、一般遊技状態中であってATに制御されていないときには、当該イチゴ入賞させるための操作手順で停止操作することにより、イチゴの取りこぼしを防止できる。
次に、ブドウ、メロン1〜4、及びイチゴのいずれかに入賞したときに払出されるメダルの枚数について説明する。ブドウ、メロン1〜4、及びイチゴのいずれかに入賞すると、当該入賞したゲームが開始されたときの遊技状態及び入賞ライン数に応じた枚数分のメダルが払い出される。
一般遊技状態においてブドウ、メロン1〜4、及びイチゴのいずれかに入賞したときには、4枚メダルが払い出される。一方、一般遊技状態と異なるボーナスにおいてブドウ、メロン1〜4、及びイチゴのいずれかに入賞したときには、8枚メダルが払い出される。
なお、入賞ラインL1、L3、L4は、中リール2Cの中段において交差している。また、メロン1の「any−メロン−any」は、中リール2Cの停止図柄のみより入賞が発生し得る。このため、メロン1は、複数の入賞ラインにおいて発生し得る入賞役といえる。このため、メロン1の「any−メロン−any」が停止されることによりメロン1に入賞したときには、入賞ライン数に応じた枚数のメダルが払い出される。例えば、中リール2Cの「メロン」が中段に停止されたときには、一般遊技状態において入賞ラインL1、L3、L4において入賞することになるため4×3=12枚メダルが払い出され、ボーナスにおいて入賞ラインL3、L4において入賞することになるため8×2=16となり払出上限の12枚メダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜リプレイ9が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態においてリプレイ2に入賞した後は、通常遊技状態よりもリプレイ当選確率が向上したRT2に制御される。このため、リプレイ2は、以下では昇格リプともいう。後述するように、リプレイ2は、RT1における内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、RT1においてはリプレイ2に入賞しない。
その結果、RT1から直接RT2に制御されないように構成されており、通常遊技状態に制御された後、リプレイ2に入賞することにより、RT2に制御されるように構成されている。
なお、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、RT1)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ2について抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からもRT2に制御されるように構成してもよい。
RT2へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか転落出目となるまでの間、当該RT2への制御が維持される。
リプレイ3は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−白7」あるいは「黒BAR−黒BAR−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ5は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−バナナ−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ7は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ8は、入賞ラインのいずれかに「白7−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ9は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。
なお、リプレイ3は、黒BARの3つ揃いであるため、リプレイ3をBARリプともいう。また、リプレイ4〜9は、各々、黒BARが2つ揃い、すなわち黒BARがテンパイ状態となるため、テンパイリプa〜テンパイリプfともいう。
リプレイ3〜9各々を構成する図柄は、少なくとも1以上のリールにおいて、5コマ以内に配置されていない図柄を含む。このため、内部抽選においてリプレイ3〜9のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L〜8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞しない。
しかし、リプレイ3〜9は、各々、他のリプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているいずれかのリプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、リプレイ3〜9は、原則として、当選しても入賞させることができない場合も生じるが、いずれかのリプレイを入賞させることができる役といえる。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7及び図8を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せ及び判定値数について説明する。図7及び図8においては、各々、左2列により、“抽選対象役の名称”及びその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、及び当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図7及び図8では、判定値数として、例えば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「413」が設定されている抽選対象役(図7の通常遊技状態等における弱イチゴ1)の当選確率は、413/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役及び判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態、RT1、及びRT2のうちいずれかであるときには、弱イチゴ1、弱イチゴ2、弱イチゴ3、弱イチゴ4、強イチゴ1、強イチゴ2、強イチゴ3、強イチゴ4、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、12枚メロン2、12枚メロン3、12枚メロン4、弱ブドウ1、弱ブドウ2、弱ブドウ3、弱ブドウ4、強ブドウ1、強ブドウ2、強ブドウ3、強ブドウ4、1枚役1、1枚役2、1枚役3、1枚役4、RB、BB3、BB2、BB1が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
弱イチゴ1とは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ2とは、イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ3とは、イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ4とは、イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ1とは、イチゴ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ2とは、イチゴ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ3とは、イチゴ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ4とは、イチゴ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
押し順メロン1とは、メロン1+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン2とは、メロン1+メロン3を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン3とは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン4とは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン5とは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。
12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン2とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン3とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン4とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
弱ブドウ1とは、ブドウを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ2とは、ブドウ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ3とは、ブドウ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ4とは、ブドウ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ1とは、ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ2とは、ブドウ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ3とは、ブドウ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ4とは、ブドウ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
1枚役1とは、1枚役を読み出す抽選対象役をいう。1枚役2とは、1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。1枚役3とは、1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役4とは、1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が内部中RTであるときには、弱イチゴ1、強イチゴ1、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、弱ブドウ1、強ブドウ1、1枚役1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図8は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役及び判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態であるときには、通常リプレイ、押し順昇格リプレイ1、押し順昇格リプレイ2、押し順昇格リプレイ3、押し順昇格リプレイ4、押し順昇格リプレイ5、押し順昇格リプレイ6、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
通常リプレイとは、通常リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ1とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ3とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプf+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ4とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプa+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ5とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプb+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
押し順昇格リプレイ6とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプc+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
BARテンパイリプレイ1とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ2とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+RBを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ3とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB3を読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ4とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB2を読み出す抽選対象役をいう。BARリプレイとは、通常リプ+BARリプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+テンパイリプfを読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が、RT1、RT2、及び内部中RTのいずれかであるときには、通常リプレイ、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
また、図示を省略するが、BB中におけるRBであるときには、イチゴ、BB強イチゴ、12枚メロン1、BBメロン、8枚メロンが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。ここで、イチゴとは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BB強イチゴとは、イチゴ+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BBメロンとは、メロン3+メロン4+ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。8枚メロンとは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。
また、遊技状態が非BB中におけるRBであるときには、イチゴ、左メロン、中右メロン、12枚メロン1、強ブドウ1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。左メロンとは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。中右メロンとは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行うことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行われる。
本実施形態においては、各役及び役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役等の一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役又は役の組合せ及び現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役又は役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなるように設定されている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、RB、BB2、及びBB3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。例えば、イチゴに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4及び強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴ1〜4当選時と強イチゴ1〜4当選時とで異なるリール制御が行われるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4及び強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱ブドウ1〜4当選時と強ブドウ1〜4当選時とで異なるリール制御が行われるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
一般遊技状態においては、図7に示すように、押し順メロン1〜押し順メロン5各々が「2305」に設定されており、押し順メロン1〜押し順メロン5のいずれかが2305×5/65536=11525/65536の確率で当選するように、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
次に、図8の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役の当選確率を比較する。通常遊技状態においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「2734」が、押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかが読み出されるときの判定値数として「1020」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、通常遊技状態においていずれかのリプレイに当選する確率は、8980/65536となる。また、通常遊技状態からRT2に昇格させる可能性のある押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選する確率は、1020×6/65536=6120/65536となる。
RT1においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8856」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT1においていずれかのリプレイに当選する確率は、8982/65536となる。なお、RT1においては、RT2に移行させるための昇格リプに当選しないように設定されている。
RT2においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「47836」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、47962/65536となる。
内部中RTにおいては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「17000」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、内部中RTにおいていずれかのリプレイに当選する確率は、17126/65536となる。
これらより、本実施形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、RT2及び内部中RTであるときに、通常遊技状態、RT1であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT2及び内部中RTは、通常遊技状態、RT1であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT2への制御は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか、転落出目となるまで維持される。転落出目は、メロン1に当選していることを条件として導出し得る。メロン1は、RT2において比較的高確率で当選する。このため、後述するATに制御されていないときには、当該RT2において高確率で転落出目が導出し得るため、当該RT2を維持させることが困難となるように構成されている。
また、内部中RTであるときには、RT2であるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、RT2であるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
BB中におけるRBであるときには、メロン1入賞することとなる12枚メロン1の判定値数が高確率で当選するように判定値数が設定されている。また、いずれの入賞役にも当選しないはずれについても、「12」に設定されており、極めて低い確率で生じる。また、非BB中におけるRBであるときには、メロン1を含む左メロン及び中右メロンの判定値数が各々高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役又は役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役又は役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施形態では、例えば、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。すなわち、停止制御テーブルにより、リールの領域番号に対応する図柄毎に、当該図柄が停止基準位置(下段)を通過しているときにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数を特定することができる。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、又はいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号(例えば下段の図柄)を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴ等)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合等では、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行われる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合等では、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(例えば、押し順昇格リプレイ1等)には、図9及び図10に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
なお、本実施形態では、回転を開始した3つの左リール2L〜右リール2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図9は、押し順昇格リプレイ1〜6のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
例えば、押し順昇格リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、順押し以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
押し順昇格リプレイ2〜6のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順昇格リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行い、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行う。
このように、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している押し順昇格リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、通常遊技状態において押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したとしても、当選している押し順昇格リプレイの種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができ、5/6の確率で通常リプを入賞させて通常遊技状態が維持されるように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるように制御することができる。
また、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときには、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、入賞ラインL1〜L4及びリール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨る下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行う。
また、BARリプレイに当選したときには、引込可能コマ数の範囲内で、「黒BAR」を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させてBARリプを入賞させるリール制御を行うとともに、BARリプを入賞させることができない場合には、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときと同様に、入賞ラインL1〜L4及び下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行う。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ+1枚役等)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行われる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、例えば押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合には、図10に示すように、当選している押し順メロンの種類及び操作手順に応じて、異なるリール制御が行われる。
図10は、押し順メロン1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
例えば、押し順メロン1が当選したときには、順押しとなる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行う。すなわち、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止してチャンス出目となるため、メダルが12枚払い出されるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止して転落出目となるため、メダルが4枚払い出されるに留まり、さらにRT1あるいはRT2のいずれかであったときには通常遊技状態に制御されてしまう。また、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、左リール2L及び右リール2Rの「メロン」を上・中・下段のいずれかに停止させるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行われる。
押し順メロン2〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順メロンの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させてチャンス出目となる制御を行いメダルを12枚払い出し、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止させて転落出目となる制御を行いメダルを4枚払い出しかつRT1あるいはRT2のいずれかであるときには通常遊技状態に制御させる。
このように、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順、及び有利なRT2への制御を維持するための操作手順として、当選している押し順メロンの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときには、当選している押し順メロンの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、4/5の確率で中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL2にのみ停止させてメダルが4枚しか払い出され、かつ有利なRT2への制御を維持できないように構成されている。これにより、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときに、後述するATに制御されていないときには極力4枚しかメダルが払い出されずかつ有利なRT2への制御を維持させないようにし、ATに制御されているときには意図的に入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させることを可能にし、12枚メダルが払い出されかつ有利なRT2への制御を維持させるように制御することができる。
また、12枚メロン1〜4のうちいずれかに当選したときには、操作手順に関わらず、中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止させるとともに、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、メダルを12枚払い出させるリール制御を行う。
なお、図10において、メダルを12枚払い出させる押し順以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cについて「メロン」を上段に停止させるリール制御を行うものであればよく、例えば、左リール2L及び右リール2Rの「メロン」については、上・中・下段のいずれかに停止させるものであってもよい。これにより、左リール2L及び右リール2Rの「メロン」の停止位置から、押し順が正解しているか否か、メダルを12枚払い出させるか否かを特定不能にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、及び強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。図11は、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、及び強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
例えば、弱イチゴ1〜4あるいは弱ブドウ1〜4のうちいずれかが当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL1よりも入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止させる制御を行う。この結果、弱イチゴ1〜4あるいは弱ブドウ1〜4のうちいずれかが当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、イチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せが入賞ラインL1ではなく入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止されることとなる。
これに対し、強イチゴ1〜4あるいは強ブドウ1〜4が当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL2〜L4よりも入賞ラインL1に停止させる制御を行う。この結果、強イチゴ1〜4あるいは強ブドウ1〜4が当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、イチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを入賞ラインL1に停止可能な場合には、当該イチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを入賞ラインL1に停止され、イチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを入賞ラインL1に停止不可能な場合には、当該イチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止されることとなる。
図7を用いて説明したように、イチゴに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4及び強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されており、また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4及び強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。
このため、イチゴあるいはブドウに入賞したときの左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が、上段又は下段に停止しているときよりも、中段に停止しているときの方が、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、図7を用いて説明したように、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
このため、左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が中段に停止してイチゴやブドウに入賞したときであっても、イチゴに入賞しているときの方がRB、BB2、及びBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、後述するように、イチゴに関して、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときには、所定割合で遊技者にとって有利なATへの制御契機となるナビストックが付与されるのに対し、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときには、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも高い割合でナビストックが付与される。このため、イチゴが、入賞ラインL2〜L4のいずれかに停止して入賞したときよりも入賞ラインL1上に停止して入賞したときの方が、ナビストックを獲得している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、非BB中のRBにおいて左メロン及び中右メロンのうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。
例えば、左メロンが当選しているときにおいて、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行う。すなわち、左メロンが当選したときに、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
また、中右メロンが当選しているときにおいて、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行う。すなわち、中右メロンが当選したときに、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
このように、非BB中のRBにおいて、入賞ラインL1、L3及びL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順として、左メロンに当選しているときと中右メロンに当選しているときとで、異なる操作手順が設定されている。このため、左メロンに当選しているのか中右メロンに当選しているのかを特定することができない限り、1/2の確率でしか入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、1/2の確率で入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルが8枚しか払い出されないように構成されている。一方、非BB中のRBは、4回入賞することにより終了する。このため、非BB中のRBにおける操作手順によって、当該RBにおける純増枚数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
BB中におけるRBにおいて、抽選対象役のいずれかに当選したときには、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを入賞ライン上に引込可能コマ数の範囲内で引き込み停止させるリール制御が行われる。その際、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3又はL4上に優先して停止させるリール制御が行われる。このため、入賞役の図柄組合せは、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3又はL4上に優先して停止され、当該図柄組合せのうち中リール2Cの図柄については上段よりも中段に停止されることになる。
また、BB中におけるRBにおいては、いずれの入賞役にも当選しない、はずれとなる場合が低確率で生じる。図12は、BB中におけるRBにおいてはずれとなったときのリール制御を説明するための図である。BB中におけるRBにおいてはずれとなった場合には、図12に示すように、引込可能コマ数の範囲で各リールにおいてBB1の図柄組合せを構成する「白7」を入賞ラインL1〜L4のうちいずれかに停止させるリール制御が行われる。これにより、BB中におけるRBにおいて、はずれとなったときには、入賞ラインL1〜L4のうちいずれかに「白7−白7−白7」が停止し得るようにリール制御が行われる。
また、BB中においてはずれとなったときには、所定割合でフリーズを発生させる処理が行われる。フリーズとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち少なくともいずれかの操作を有効化するタイミングを遅延させるものであればよく、その対象が1のストップスイッチであってもよく、また2以上のストップスイッチであってもよい。本実施形態では、ゲーム開始時において、ストップスイッチ8L、8C、8Rすべての操作を有効化するタイミングを所定期間に亘り遅延させることにより、フリーズを発生させる。
図13は、BB中においてはずれとなったときにフリーズを発生させるか否かの抽選に用いるフリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。フリーズ抽選は、ゲーム開始時に抽出した乱数を用いて図13に示す振分率に従って行われる。10%の割合でフリーズ実行に決定され、90%の割合でフリーズ不実行に決定される。
本実施形態におけるBB中においては、図12及び図13で示したように、入賞ラインL1〜L4のうちいずれかに「白7−白7−白7」が停止するか、これらの図柄が停止せずともフリーズが発生することにより、内部抽選状況がはずれとなったことを特定することができる。後述するように、BB中において内部抽選状況がはずれとなったときには、ATへの制御契機となるナビストックが付与される。よって、BB中において、「白7−白7−白7」が停止して白7の3つ揃いとなるか、これらの図柄が停止せずともフリーズが発生することにより、ナビストックが付与されたことを報知することができる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、例えば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、又はリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行う内部抽選処理を行う。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3及びRBのいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定等)が行われる。
内部抽選処理において、BB中においてはずれと判定されたときには、前述したフリーズ抽選を行い、フリーズ実行に決定されたときには、所定期間経過するまで当該内部抽選処理を終了させないことにより、リール回転処理が行われるタイミングを遅延させる。内部抽選処理におけるフリーズ抽選において、フリーズ実行に決定されたときには、フリーズが発生する情報を含む内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。通常時においては、リールモータ32L、32C、32Rを通常態様で回転駆動させる。本実施形態では、通常態様として、リールモータ32L、32C、32R各々を、同時にかつ所定速度に到達するまで所定の加速度で回転駆動させる。これにより、通常態様で回転駆動されたときには、左、中、右すべてを同時にかつ所定の加速度で回転開始することができる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、例えば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチが操作されたか否かに関わらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行われた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3及びRBのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定等)が行われる。
また、通常遊技状態における入賞判定処理において、昇格リプに入賞したと判断されたときには、RT2に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定等)が行われる。また、入賞判定処理において、RT1又はRT2のいずれかにおいて、メロン1が転落出目の態様で入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定等)が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出し又はクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行われる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(例えば、遊技状態フラグの値にRT1フラグの値を設定等)が行われる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT1又はRT2のいずれであるか、通常遊技状態であるか、内部中RTであるか、BBであるか、非BB中のRBであるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去等も行われ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT1、RT2、内部中RT、通常遊技状態、ボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行う。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(例えば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行われる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させる等による各種の遊技演出が行われる。ROM91bには、サブ制御部91が各種処理を行うための各種プログラム、判定値等を記憶した各種テーブル、遊技演出を行うための画像の要素データや動画像データ等が記憶されている。
遊技演出を行うために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、及び内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況及び遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果として停止した図柄を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブル、すなわち図3の各リールにおける図柄配列を特定するための配列特定テーブルが予め記憶されており、この配列特定テーブルを参照して、リール停止コマンドに含まれる情報から対応するリールに停止した図柄を特定するための停止図柄特定処理を行い、特定された図柄が停止図柄テーブルに登録される。これにより、リール2L〜2R各々について、表示結果として停止された図柄を特定することができる。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行う。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATにするための制御に関連するAT関連処理や、AT中においてナビ演出を実行するためのナビ演出実行処理が行われる。
[AT関連処理]
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選、及びAT抽選結果に基づくATへの制御を行う。図14は、AT関連処理を説明するためのフローチャートである。AT関連処理は、1ゲーム中の予め定められた一のタイミングで実行される処理であり、本実施形態では例えば1ゲームが終了したときに実行される。
ステップS01においては、AT抽選を行うためのAT抽選条件が成立したか否かが判定される。AT抽選条件について図15を参照して説明する。図15は、AT抽選条件を示すとともに、各AT抽選条件に応じてナビストックが付与される確率を説明するための図である。
AT抽選条件は、図15に示すように、一般遊技状態において弱イチゴ当選、一般遊技状態において強イチゴ当選、及びBB中においてはずれとなることが設定されている。一般遊技状態において弱イチゴ当選したときには、50%の割合でナビストックが付与される。一方、一般遊技状態において強イチゴ当選したとき、及びBB中においてはずれとなったときには、100%の割合でナビストックが付与される。さらに、本実施形態では、後述するバトル演出の実行中にナビストックの残りゲーム数が1ゲームとなったとき(後述するATゲームカウンタが1となったとき)には、10%の割合でナビストックが付与される。
ナビストックとは、その数の多さによって、ATに制御可能となる量(本実施形態においては期間)を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(例えば30)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。なお、ナビストック数を1消費することにより制御されるATを1回分のATという。
ステップS01においてAT抽選条件が成立したか否かは、例えばメイン制御部41からの内部当選コマンド、リール停止コマンド、及び、遊技状態コマンドに基づいて判定される。
ステップS01においてAT抽選条件が成立していると判定されたときには、ステップS02においてAT抽選を実行するためのAT抽選処理を行い、ステップS03へ移行する。AT抽選処理については、図16を用いて後述する。一方、ステップS01においてAT抽選条件が成立していないと判定されたときにはステップS03へ移行する。
ステップS03においては、非AT中にAT開始条件が成立したか否かが判定される。非AT中であるか否かは、後述するATフラグに基づき特定される。また、AT開始条件とは、付与されたナビストックを消費してATへの制御を開始する契機をいい、本実施形態では、ナビストックが付与されてから所定ゲーム数消化したときに成立する。この場合、当該所定ゲーム数消化する間にナビストックが付与されたか否かを煽る連続演出を実行するようにしてもよい。なお、AT開始条件は、これに限らず、例えば、通常遊技状態においてRT2への制御契機となる押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したときに成立し、RT2においてはAT当選したゲームにおいて成立するようにしてもよい。
ステップS03において非AT中にAT開始条件が成立していると判定されたときには、ステップS04においてATへの制御を開始するためのAT開始処理を実行し、AT関連処理を終了する。一方、ステップS03において非AT中にAT開始条件が成立していないと判定されたときには、ステップS05に移行する。
ステップS05においては、一般遊技状態においてAT中であるか否かが判定される。一般遊技状態においてAT中であるか否かは、遊技状態コマンド、及び後述するATフラグに基づき特定される。ステップS05において一般遊技状態においてAT中であると判定されたときには、ステップS06においてAT中処理が実行され、AT関連処理を終了する。一方、ステップS05において一般遊技状態でないかあるいはAT中でないと判定されたときには、ステップS07に移行する。
ステップS07においては、ナビストックが残っているにも関わらずATが終了してから所定ゲーム数消化した後にATを再開させるまでの潜伏中であるか否かが判定される。ステップS07において潜伏中であると判定されたときには、ステップS08において潜伏中処理が実行され、AT関連処理を終了する。一方、ステップS07において潜伏中でないと判定されたときには、そのままAT関連処理を終了する。
次に、AT関連処理のステップS02において行われるAT抽選処理について説明する。図16は、AT抽選処理のフローチャートである。AT抽選処理は、AT抽選条件が成立したときに実行される。ステップS11においては、当該AT抽選条件が弱イチゴ当選により成立したか否かが判定される。ステップS11において弱イチゴ当選により成立したと判定されたときには、ステップS12においてナビストックを付与するか否かの当否抽選を行う。当否抽選は、例えば乱数等を用いて、図15で示したナビストック付与確率にしたがってランダムに決定される。
ステップS13においては、当否抽選において当選したか否かが判定される。ステップS13において当選したと判定されたときには、ステップS14へ移行する一方、ステップS13において当選していないと判定されたときにはAT抽選処理を終了する。
一方、ステップS11において成立したAT抽選条件が弱イチゴ当選によるものではないと判定されたとき、すなわち、強イチゴ当選かBB中において内部当選状況がはずれとなることによりAT抽選条件が成立したときには、図15で示したように必ずナビストックが付与されるため、そのままステップS14へ移行される。
ステップS14においては、付与するナビストック数を抽選するためのナビストック数抽選を行う。図17は、ナビストック数抽選で参照するナビストック数抽選用テーブルを説明するための図である。ナビストック数抽選用テーブルとしては、成立したAT抽選条件毎に異なる振分率が定められたテーブルが設けられている。なお、バトル演出の実行中にナビストックの残りゲーム数が1ゲームとなったときには、100%の振分率で1ナビストックが付与されるため図示を省略する。
一般遊技状態において弱イチゴ当選し、かつ図16のステップS12における当否抽選で当選したときには、図17(a)に示すナビストック数抽選用テーブルを参照してナビストック数抽選が行われる。図17(a)に示すナビストック数抽選用テーブルが参照された場合、50%の割合でナビストック数が1に決定され、30%の割合でナビストック数が2に決定され、20%の割合でナビストック数が3に決定されるように、ナビストック数抽選が行われる。すなわち、ナビストック数が1〜3のいずれかに決定される。
また、図17(a)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、1.7(=1×50%+2×30%+3×20%)となるように構成されている。
一般遊技状態において強イチゴ当選したときには、図17(b)に示すナビストック数抽選用テーブルを参照してナビストック数抽選が行われる。図17(b)に示すナビストック数抽選用テーブルが参照された場合、50%の割合でナビストック数が1に決定され、50%の割合でナビストック数が3に決定されるように、ナビストック数抽選が行われる。すなわち、ナビストック数が1又は3に決定される。このため、入賞ラインL1においてイチゴ入賞が発生してATに制御されたときには、1回目のATが終了した後、2回目のATが開始されることによって、3回目のATに制御されることが遊技者に対して示唆される。
また、図17(b)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、2.0(=1×50%+2×0%+3×50%)となるように構成されている。
BB中において内部当選状況がはずれとなったときには、図17(c)に示すナビストック数抽選用テーブルを参照してナビストック数抽選が行われる。図17(c)に示すナビストック数抽選用テーブルが参照された場合、50%の割合でナビストック数が2に決定され、50%の割合でナビストック数が3に決定されるように、ナビストック数抽選が行われる。すなわち、ナビストック数が2又は3に決定される。このため、BB中において内部当選状況がはずれとなったときには、少なくとも2回のATに制御されることが示唆される。
また、図17(c)のテーブルは、1回のAT抽選で獲得することが期待され得る期待ナビストック数が、ナビストック数×当選率の和から、2.5(=1×0%+2×50%+3×50%)となるように構成されている。
ステップS15においては、既にAT中か否かが判定される。すなわち、ATフラグがセットされているか否かが判定される。これにより、AT中においてさらにナビストックが付与されて、ナビストック数が上乗せされたか否かが判定される。なお、ステップS15におけるAT中とは、一般遊技状態におけるAT中のみならず、AT中において発生したBB中をも含む。
ステップS15においてAT中であると判定されなかったときには、ステップS16においてAT抽選条件成立によって示唆されたナビストック数に応じて、決定されたナビストック数をRAM91cの所定の記憶領域に格納し、AT抽選処理を終了する。
ここで、ナビストック数を格納するための記憶領域について説明する。図18は、RAM91cに設けられたナビストック数格納用の記憶領域を説明するための図である。
図18(a)は、ナビストック数格納用の記憶領域の概念を説明するための図である。ナビストック数格納用の記憶領域には、第1記憶領域と第2記憶領域とが設けられている。第1記憶領域には、示唆されたナビストック数であってAT制御に用いられていない残余数を特定するための情報が記憶される。第2記憶領域には、付与されたナビストック数のうち未だ示唆されていない残余数を特定するための情報が記憶される。
示唆されたナビストック数とは、付与されたナビストック数のうち、AT抽選条件成立や後述する示唆演出等によって遊技者に対して付与されていることが報知されたナビストック数をいう。例えば、強イチゴ当選しかつ入賞ラインL1においてイチゴ入賞したことにより、図17(b)に示すように、ナビストック数として少なくとも1が付与されたことが示唆されたといえる。また、BB中において白7揃い又はフリーズ発生したことにより、図17(c)に示すように、ナビストック数として少なくとも2が付与されたことが示唆されたといえる。
以下、図18(b)〜(e)を参照し、ナビストック数格納用の記憶領域への格納状態の一例を説明する。
図18(b)は、弱イチゴ又は強イチゴ当選によりナビストック数として3が付与されたときであって、かつイチゴを取りこぼしたときの記憶領域への格納状態を示している。
イチゴを取りこぼしたときには、遊技者に対してナビストックが付与されたことが何ら示唆されない。このため、第1記憶領域には、ナビストック数として0を特定するための情報が記憶され、第2記憶領域には、ナビストック数として3を特定するための情報が記憶される。
図18(c)は、弱イチゴ又は強イチゴ当選によりナビストック数として3が付与されたときであって、かつイチゴが入賞ラインL2〜L4のうちいずれかで入賞したときの記憶領域への格納状態を示している。
イチゴが入賞ラインL2〜L4のうちいずれかで入賞したときであっても、弱イチゴに当選していたのか、強イチゴに当選していたのか不明であるため、遊技者に対してナビストックが付与されたことが示唆されたことにならない。このため、第1記憶領域には、ナビストック数として0を特定するための情報が記憶され、第2記憶領域には、ナビストック数として3を特定するための情報が記憶される。
図18(d)は、強イチゴ当選によりナビストック数として3が付与されたときであって、かつイチゴが入賞ラインL1で入賞したときの記憶領域への格納状態を示している。
イチゴが入賞ラインL1で入賞したときには、図11で強イチゴ当選時のリール制御を説明したように、強イチゴに当選していたこととなるため、遊技者に対してナビストックが少なくとも1が付与されたことが示唆されたことになる。一方、残りのナビストック2については、付与されているか不明であるため、示唆されたこととならない。このため、第1記憶領域には、ナビストック数として1を特定するための情報が記憶され、第2記憶領域には、ナビストック数として2を特定するための情報が記憶される。
図18(e)はBB中において白7揃い又はフリーズ発生によりナビストック数として3が付与されたときの記憶領域への格納状態を示している。
BB中において白7揃い又はフリーズ発生したときには、図17(c)で示したように、遊技者に対してナビストックが少なくとも2付与されたことが示唆されたことになる。一方、残りのナビストック1については、付与されているか不明であるため、示唆されたこととならない。このため、第1記憶領域には、ナビストック数として2を特定するための情報が記憶され、第2記憶領域には、ナビストック数として1を特定するための情報が記憶される。
なお、BB中における内部当選状況がはずれとなったが、白7揃い又はフリーズ発生しなかったときにナビストック数として3が付与されたときには、遊技者に対してナビストック数が付与されたことが示唆されないため、第2記憶領域に、ナビストック数として3を特定するための情報が記憶される。
以上、図18(b)〜(e)を参照して、ナビストック数格納用の記憶領域への格納状態の一例を説明したように、図16のステップS16においては、示唆されたナビストック数であってAT制御に用いられていない残りのナビストック数を特定するための情報が第1記憶領域に記憶され、未だ示唆されていない残りのナビストック数を特定するための情報が第2記憶領域に記憶される。第1記憶領域及び第2記憶領域各々に記憶されているナビストック数は、ATへの制御に応じて、1つずつ減算される。減算後の残りナビストック数がそのタイミングにおける残余数に相当する。
図16に戻り、ステップS15においてAT中であると判定されたときには、ステップS17において、ナビストック数が増加した旨を示唆する上乗せ演出を実行するための上乗せ演出処理を実行し、AT抽選処理を終了する。なお、上乗せ演出処理については後述する。
次に、AT関連処理のステップS04において行われるAT開始処理について説明する。図19は、AT開始処理のフローチャートである。AT開始処理は、非AT中にAT開始条件が成立したときに実行される。
ステップS31においては、ナビストック数格納用の記憶領域のうち第1記憶領域にナビストック数が記憶されているか否か、すなわち示唆済のナビストック数であってAT制御に用いられていない残りのナビストック数が1以上記憶されているか否かが判定される。第1記憶領域にナビストック数が記憶されていると判定されたときには、ステップS32において第1記憶領域のナビストック数を1減算し、ステップS33へ移行する。
一方、ステップS31において第1記憶領域にナビストック数が記憶されていると判定されなかったときには、示唆済のナビストック数が記憶されていないときであり、ステップS34において第2記憶領域に記憶されている示唆されていない残りのナビストック数を1減算し、ステップS33へ移行する。
ステップS33においては、ATへの制御が開始される旨を示すAT開始演出を開始する。AT開始演出としては、例えば、液晶表示器51に「AT開始!!」といったメッセージを表示した後に、AT中の背景画面を表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。このようにAT中においては、ナビストックが付与されていないときには行われることのない態様で、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を制御して、AT中である旨を報知するAT中演出が実行される。これにより、AT中である旨を遊技者に報知することができる。
ステップS35においては、AT中である旨を示すATフラグ、及び、ナビストック1に対応して制御される1回分のATの残りゲーム数を特定するためのATゲームカウンタに、ナビストック1に対応するゲーム数である30を設定する。なお、ATフラグ、及びATゲームカウンタの値は、RAM91cの所定領域に格納され、遊技の進行に応じて更新される。
ステップS36においては、ATゲームカウンタの値に応じてATの残りゲーム数を報知するATゲーム数報知演出を開始して、AT開始処理を終了する。以降、ゲームを消化する毎に1ずつ減算表示される。本実施形態では、ステップS33において開始されるAT開始演出、ステップS36において開始されるATゲーム数報知演出、及びAT中演出等により、少なくとも1回分、すなわち30ゲームに亘りATに制御されることが遊技者に対して示唆される。遊技者は、ATゲーム数報知演出により報知される残りゲーム数により、当該ATの残りゲーム数を特定することができる。
ここで、所定タイミングにおける、有利演出残余量に相当するATゲーム数報知演出により報知される残りゲーム数、示唆条件残余量に相当するAT抽選条件成立時にイチゴが入賞ラインL1に入賞することやBB中に白7揃いやフリーズ発生によって付与されたことが示唆される所定数以上のナビストック数に基づく残りゲーム数について具体例を用いて説明する。
例えば、AT抽選条件成立時に図18の(e)で示す記憶状態となった後、所定タイミングとして、1回目のATが開始されてから15ゲーム消化したときを第1の例として説明する。まず、有利演出残余量に相当するATゲーム数報知演出により報知される残りゲーム数は、30から15を差し引いた15ゲームとなる。また、示唆条件残余量に相当する残りゲーム数は、図18(e)で示すように、既にAT抽選条件成立時にナビストック数が2付与されていることが示唆されているため、30×2から15を差し引いた45ゲームとなる。
次に、AT抽選条件成立時に図18の(e)で示す記憶状態となった後、所定タイミングとして、2回目のATが開始されてから10ゲーム消化したときを第2の例として説明する。有利演出残余量に相当するATゲーム数報知演出により報知される残りゲーム数は、30から10を差し引いた20ゲームとなる。また、示唆条件残余量に相当する残りゲーム数は、図18(e)で示すように、既にAT抽選条件成立時にナビストック数が2付与されていることが示唆されているため、30×2から30+10を差し引いた20ゲームとなる。
本実施形態では、後述するように、示唆条件残余量に相当するAT抽選条件成立時にイチゴが入賞ラインL1に入賞することやBB中に白7揃いやフリーズ発生によって付与されたことが示唆される所定数以上のナビストック数に基づく残りゲーム数から、有利演出残余量に相当するATゲーム数報知演出により報知される残りゲーム数を差し引いた差引ゲーム数については、すでに付与されていることを遊技者が把握済であるため、当該差引ゲーム数以下のゲーム数を示唆する示唆演出の実行を規制するように構成されている。例えば、上記第1の例における所定タイミングにおいては、45から15を差し引いた30ゲーム数以下のゲーム数、すなわち残りナビストック数が1多いことを示唆する示唆演出の実行が規制される。
次に、AT関連処理のステップS06において行われるAT中処理について説明する。図20は、AT中処理のフローチャートである。AT中処理は、AT中のゲームが終了する毎に実行される。
ステップS41においては、ATゲームカウンタの値を1減算する。これにより、ATゲーム数報知演出により報知されるATの残りゲーム数が1減算される。ステップS42においては、ATゲームカウンタの値が0に到達したか否かが判定される。すなわち、1のナビストックに応じて制御される1回分のATが終了したか否かが判定される。
ATゲームカウンタの値が0に到達していると判定されたとき、すなわち1回分のATが終了したと判定されたときには、ステップS43においてAT終了処理を実行し、AT中処理を終了する。一方、ATゲームカウンタの値が0に到達していると判定されなかったとき、すなわち1回分のATが終了していないと判定されたときには、ステップS44において遊技状態がART状態であるか否かが判定される。ART状態とは、AT中であるRT1、RT2のいずれかの状態をいう。
ART状態であると判定されなかったとき、すなわち、AT中の通常遊技状態であると判定されたときには、ステップS48においてナビ演出を実行する。一方、ART状態であると判定されたときには、ステップS45においてATゲームカウンタの値が10に到達したか否かが判定される。
ATゲームカウンタの値が10に到達していないと判定されたときには、ステップS46において弱イチゴ又は強イチゴに内部当選してナビストックが付与されたか否かが判定される。ナビストックが付与されていないときには、ステップS48においてナビ演出を実行する。一方、ナビストックが付与されたときには、ステップS47において事前に示唆条件が成立しているか否かが判定される。本実施形態では、第1記憶領域にナビストック数が記憶されているか否か、すなわち、遊技者に対して示唆済の残りナビストック数が存在するか否かが判定される。第1記憶領域に残りナビストック数が存在していないときには、ステップS49においてナビ演出とナビ継続確定演出を実行し、AT中処理を終了する。ナビ継続確定演出とは、次回もATに制御されてナビ演出が実行されることを遊技者に報知する継続確定演出の一例である。本実施形態では、ナビ継続確定演出として、次回ATが確定した旨の音声をスピーカー53、54から出力する。
一方、第1記憶領域に残りナビストック数が存在しているときには、次回ATに制御されることを遊技者が把握済であるため、ステップS48においてナビ演出のみを実行し、ナビ継続確定演出を実行することなくAT中処理を終了する。これにより、AT制御に関し、遊技者が把握済の情報が改めて示唆されてしまうことを防止できる。
また、ATゲームカウンタの値が10に到達していると判定されたときには、ステップS50において今回のAT中にナビ継続確定演出が実行されたか否かが判定される。今回のAT中にナビ継続確定演出が実行されていないときには、ステップS51において弱イチゴ又は強イチゴに内部当選してナビストックが付与されたか否かが判定される。弱イチゴ又は強イチゴに内部当選してナビストックが付与されていないと判定されたときには、ステップS52において事前に示唆条件が成立しているか否かが判定される。すなわち、第1記憶領域に残りナビストック数が存在しているか否かが判定される。第1記憶領域に残りナビストック数が存在していないときには、ステップS53においてバトル演出を実行し、AT中処理を終了する。バトル演出とは、ATが継続するか否かを煽る継続煽り演出の一例である。本実施形態では、最後の1ゲームでAT抽選処理が実行され(図14のステップS01、図15参照)、バトル演出は、最後の1ゲームのAT抽選処理でナビストックが付与されたときにはバトルに勝利する演出が実行され、ナビストックが付与されなかったときにはバトルに敗北する演出が実行される。
一方、今回のAT中にナビ継続確定演出が実行されたとき、弱イチゴ又は強イチゴに内部当選してナビストックが付与されているとき、第1記憶領域に残りナビストック数が存在しているとき、のいずれかの条件が成立するときには、ステップS54において上乗せ用3択ゲーム演出が実行される。上乗せ用3択ゲーム演出とは、次回ATのゲーム数が上乗せされるか否かを煽る特殊演出の一例である。本実施形態では、上乗せ用3択ゲーム演出は、3択ゲームと、3択ゲームに解答するための遊技者のボタン操作の説明(例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの第1停止操作が解答決定操作となること)をするメッセージと、3択ゲームに正解すれば所定ゲーム数を次回ATのゲームカウンタに加算する旨のメッセージとを示す画像を液晶表示器51に表示する演出である。また、上乗せ用3択ゲーム演出は、3択ゲームに正解したときに上乗せされたゲーム数の合計値を液晶表示器51に表示して報知する。なお、本実施形態では、上乗せ用3択ゲーム演出が実行されている期間を上乗せチャンスゾーンという。
上乗せ用3択ゲーム演出の実行後、ステップS55において遊技者のボタン操作が3択ゲームの正解操作であったときに次回ATに加算されるゲーム数をカウントして記憶するゲームカウンタ上乗せ処理を実行し、AT中処理を終了する。これにより、遊技者は、上乗せ用3択ゲーム演出の実行中にボタン操作をすることで、次回ATのゲーム数の上乗せを期待することができ、ボタン操作に興味を抱くことができるため、遊技の興趣が向上する。
図21は、AT終了処理のフローチャートである。ステップS61においては、第1記憶領域にナビストック数が記憶されているか否かが判定される。すなわち、示唆済のナビストック数が存在するか否かが判定される。
ステップS61において第1記憶領域にナビストック数が記憶されていると判定されたときには、ステップS62において第1記憶領域のナビストック数を1減算する。ステップS63においては、AT継続演出を実行する。AT継続演出としては、例えば、液晶表示器51に「まだまだ〜!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。
ステップS64においては、ステップS62においてナビストック数を1減算させてATに制御させることに伴い、ATゲームカウンタの値を設定する。具体的には、ATゲームカウンタの値として、通常のゲーム数(30ゲーム)にゲームカウンタ上乗せ処理で上乗せされたゲーム数を加算した値を設定する。ステップS65においては、ATゲーム数報知演出を開始し、AT終了処理を終了する。
一方、ステップS61において第1記憶領域にナビストック数が記憶されていないと判定されたときには、ステップS66において第2記憶領域にナビストック数が記憶されているか否かが判定される。すなわち、示唆済のナビストック数は存在しない場合に、未だ示唆されていないナビストック数が存在するか否かが判定される。
ステップS66において第2記憶領域にナビストック数が記憶されていると判定されたときには、未だ示唆されていないナビストック数が存在するため、ステップS67において当該ナビストック数を用いてATを再開させるまでの潜伏ゲーム数を抽選するための潜伏ゲーム数抽選が行われる。
ここで、図22を参照して、潜伏ゲーム数抽選について説明する。図22は、潜伏ゲーム数抽選用テーブルを説明するための図である。潜伏ゲーム数抽選では、図22に示すように振分率に従って、例えば乱数等を用いてランダムに抽選が行われる。潜伏ゲーム数抽選では、20%の割合で「0G」が、30%の割合で「5G」が、50%の割合で「10G」が、潜伏ゲーム数に決定される。なお、「0G」に決定されたときには、実質的に潜伏が発生せず、ATに継続して制御されることになる。
図21に戻り、ステップS68では、決定された潜伏ゲーム数が「0G」であったか否かが判定される。ステップS68において「0G」であったと判定されたときには、第2記憶領域のナビストックを1減算させた上で、ステップS63へ移行させて、ATを継続させるための処理が行われる。一方、ステップS68で決定された潜伏ゲーム数が「0G」であったと判定されなかったときには、ステップS69へ移行する。
ステップS69では、ATフラグをクリアするとともに、潜伏ゲーム数抽選で決定された潜伏ゲーム数が潜伏ゲームカウンタの値に設定される。なお、潜伏ゲームカウンタの値は、RAM91cの所定領域に格納され、1ゲームが終了する毎に後述する潜伏中処理において1減算更新される。
ステップS70においては、AT終了演出を実行し、AT終了処理を終了する。AT終了演出としては、例えば、液晶表示器51に「AT終了! 残念!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。その後、ナビストック数が付与されていないときに実行される通常中演出と同じ態様の演出が実行される。これによって、潜伏ゲーム数消化することにより再びATに制御されることが確定しているときであっても、遊技者に対してATが終了したかのような印象を抱かせることができる。
一方、ステップS66において第2記憶領域にナビストック数が記憶されていないと判定されたときには、ナビストック数が全く存在しないときであるため、そのままステップS70においてAT終了演出を実行し、AT終了処理を終了する。
次に、AT関連処理のステップS08において行われる潜伏中処理について説明する。図23は、潜伏中処理のフローチャートである。ステップS71においては、潜伏ゲームカウンタの値を1減算する。ステップS72においては、減算後の潜伏ゲームカウンタの値が0に到達したか否かが判定される。すなわち、潜伏ゲーム数を消化したか否かが判定される。
ステップS72において潜伏ゲームカウンタの値が0に到達していないと判定されたときには、ATの潜伏を継続させるため、そのまま潜伏中処理を終了する。一方、ステップS72において潜伏ゲームカウンタの値が0に到達していると判定されたときには、ATの潜伏を終了させるため、ステップS73において第2記憶領域のナビストック数を1減算する。ステップS74においては、AT開始演出を開始する。なお、ステップS74におけるAT開始演出は、ステップS33におけるAT開始演出と同じ演出であってもよく、又は、ATへの制御が復活した旨を報知する演出であってもよい。例えば、液晶表示器51に「AT復活!!」といったメッセージを表示した後に、AT中の背景画面を表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。
ステップS75においては、AT中である旨を示すATフラグを設定し、ATゲームカウンタの値として、通常のゲーム数(30ゲーム)にゲームカウンタ上乗せ処理で上乗せされたゲーム数を加算した値を設定する。これにより、ATへの制御が再開される。ステップS76においては、ATゲーム数報知演出を開始し、潜伏中処理を終了する。
次に、AT抽選処理のステップS17において行われる上乗せ演出処理について説明する。図24は、上乗せ演出処理のフローチャートである。上乗せ演出処理は、図16で説明したように、AT中においてナビストックが付与されたときに実行される。
ステップS81においては、今回のAT抽選条件成立によってナビストック数が示唆されたか否かが判定される。すなわち、イチゴ入賞が入賞ラインL1において発生したか、あるいはBB中に白7揃いあるいはフリーズ発生したか否かが判定される。
ステップS81においてナビストック数が示唆されたと判定されたときには、示唆されたナビストック数に応じた上乗せ演出がステップS82において開始される。上乗せ演出としては、入賞ラインL1においてイチゴ入賞が発生したときに、例えば、液晶表示器51に「ナビストック1上乗せ!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。また、BB中に白7揃い又はフリーズ発生したときに、例えば、液晶表示器51に「ナビストック2上乗せ!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出をいう。
ステップS83においては、AT抽選条件成立によって示唆されたナビストック数に応じて、決定されたナビストック数をRAM91cの所定の記憶領域に格納して、上乗せ演出処理を終了する。すなわち、ステップS83では、AT抽選条件成立により示唆されたナビストック数を特定するための情報が第1記憶領域に記憶され、未だ示唆されていない残りのナビストック数を特定するための情報が第2記憶領域に記憶される。
一方、ステップS81においてナビストック数が示唆されたと判定されなかったときには、ステップS84において第1記憶領域にナビストック数が所定数(例えば3)以上記憶されているか否かが判定される。ステップS84においてナビストック数が3以上記憶されていると判定されたときには、ステップS85において第1抽選用テーブルを参照して上乗せ演出を実行するか否かの上乗せ演出抽選を行う。
一方、ステップS84においてナビストック数が3以上記憶されていると判定されなかったときには、ステップS86において第2抽選用テーブルを参照して上乗せ演出を実行するか否かの上乗せ演出抽選を行う。
図25は、上乗せ演出抽選で参照する上乗せ演出抽選用テーブルを説明するための図である。図25(a)は、ステップS85で参照される第1抽選用テーブルである。第1抽選用テーブルが参照されたときには、20%の割合で上乗せ演出実行に決定され、80%の割合で上乗せ演出不実行に決定される。
図25(b)は、ステップS86で参照される第2抽選用テーブルである。第2抽選用テーブルが参照されたときには、50%の割合で上乗せ演出実行に決定され、50%の割合で上乗せ演出不実行に決定される。このため、第2抽選用テーブルが参照されたときには、第1抽選用テーブルが参照されたときよりも、高い割合で上乗せ演出が実行されて、上乗せされたナビストック数が示唆される。
ステップS87においては、上乗せ演出抽選の抽選結果に応じて、上乗せ演出実行に決定されていた場合には、上乗せ演出が開始される。ステップS87においては、いずれのAT抽選条件が成立していた場合でも、共通の上乗せ演出が実行される。例えば、液晶表示器51に「ナビストック1上乗せ!」といったメッセージを表示するとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等についても所定の態様で制御される演出が上乗せ演出として実行される。
また、ステップS88においては、上乗せ演出の抽選結果に応じて、決定されたナビストック数をRAM91cの所定の記憶領域に格納して、上乗せ演出処理を終了する。すなわち、ステップS88では、上乗せ演出が実行された場合には、今回付与されたナビストック数のうち、1のナビストック数が第1記憶領域のナビストック数に加算され、残りのナビストック数が第2記憶領域のナビストック数に加算される。一方、上乗せ演出が実行されなかった場合には、今回付与されたナビストック数が第2記憶領域のナビストック数に加算される。
以上、ATに制御するための処理について説明したが、一般遊技状態におけるAT中において、ボーナス当選により内部中RTに制御されたときには、当該内部中RTにおいても当該ATへの制御が継続され、1ゲーム消化する毎にATゲームカウンタの値も1減算される。ボーナスが開始されてから当該ボーナス終了後のRT1が終了して通常遊技状態に制御されるまでは、ATへの制御が中断される。ボーナスが開始されるまでに、ATゲームカウンタの値が0に到達したときには、その時点においてATへの制御の中断を開始する。ボーナスが終了してRT1が終了し、通常遊技状態に制御されるときに、ATゲームカウンタの値が1以上であればATへの制御を開始し、ATゲームカウンタの値が0であれば、ナビストックを1消費してATへの制御を開始する。
[ナビ演出実行処理]
サブ制御部91は、ナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6をいい、RT2であるときには押し順メロン1〜5をいう。これにより、AT中においては、意図的に当選した昇格リプ入賞、及びメロン1入賞(12枚払出、かつ転落出目回避)させることができる。
押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させてRT2に制御させるための押し順(図9参照)が報知される。例えば、押し順昇格リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順昇格リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、RT2において押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメダルを12枚払いださせるための押し順(すなわちチャンス出目によりメロン1入賞させるための押し順、図10参照)が報知される。例えば、押し順メロン1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順メロン2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
[AT内部当選後の演出パターン]
次に、AT抽選処理でATに内部当選した後に実行される演出パターンについて説明する。
まず、図26に示す通常演出パターンについて説明する。本実施形態の通常演出パターンは、ART状態においてイチゴ内部当選に基づくナビストックを付与しないときに、ナビストックを消化する度にナビ演出とバトル演出を繰り返し実行する演出パターンである。
例えば、図26に示すように、通常遊技状態においてATに内部当選すると、サブ制御部91は、所定ゲーム数の経過後にATを開始し、AT中にはナビ演出が実行される。また、AT中にリプレイ2に入賞すると、メイン制御部41は、遊技状態をRT2に制御し、ART状態となる。このART状態において、サブ制御部91は、特定タイミングである「消化中のナビストックの残りゲーム数が10ゲーム」となるまでナビ演出を実行した後、残り10ゲームに亘ってバトル演出を実行する。また、サブ制御部91は、最後の1ゲームとなったときにAT抽選処理を実行し、ナビストックを付与したときにはバトルに勝利する演出を実行して次回ATを実行し(ART状態を継続し)、ナビストックを付与しなかったときにはバトルに敗北する演出を実行してATを終了する(RT2状態となる)。そして、次回ATを実行してART状態を継続したときには、サブ制御部91は、前回ATと同様に、ナビ演出を20ゲーム実行したときに残り10ゲームの特定タイミングとなり、その後バトル演出を10ゲーム実行して次々回ATを実行するか否かを抽選する。
次に、図27に示す特殊演出パターンについて説明する。図27に示す特殊演出パターンは、ART状態のナビ演出実行中においてイチゴ内部当選に基づくナビストックを付与したときに、ナビ演出と上乗せ用3択ゲーム演出を実行する演出パターンである。
図27に示す特殊演出パターンは、ART状態に制御されるまでの処理については図26に示す通常演出パターンと同様である。図27に示すように、例えば、サブ制御部91は、ART状態においてナビ演出を実行している間にイチゴに内部当選して1ナビストックを付与したときには残り10ゲームになるまで併せてナビ継続確定演出も実行する。また、サブ制御部91は、残り10ゲームに亘って上乗せ用3択ゲーム演出を実行して上乗せチャンスゾーンに制御する。そして、例えば、図27に示すように、上乗せゲーム数が合計10ゲームであったときには、サブ制御部91は、継続したART状態において、ナビ演出を通常の20ゲームに上乗せ分の10ゲームを加算した30ゲーム実行する。また、継続したART状態において、イチゴに内部当選してナビストックが付与されなければ、以降、図26に示す通常演出パターンと同様の処理が実行される。
次に、図28に示す特殊演出パターンについて説明する。図28に示す特殊演出パターンは、ART状態のバトル演出実行中においてイチゴ内部当選に基づくナビストックを付与したときに、バトル演出から上乗せ用3択ゲーム演出に切り替わる演出パターンである。
図27に示す特殊演出パターンでは、ART状態においてナビ演出の実行中にイチゴに内部当選して1ナビストックが付与されているのに対して、図28に示す特殊演出パターンでは、バトル演出の実行中にイチゴに内部当選して1ナビストックが付与されている。例えば、図28に示すように、バトル演出を3ゲーム実行したときに1ナビストックが付与されると、サブ制御部91は、残り7ゲームに亘って上乗せ用3択ゲーム演出を実行して上乗せチャンスゾーンに制御する。なお、例えば、図28に示すように、継続したART状態において、上乗せゲーム数が合計10ゲームであったときには、以降、図27に示す特殊演出パターンと同様の処理が実行される。
次に、図29に示す特殊演出パターンについて説明する。図29に示す特殊演出パターンは、BB状態おいて2ナビストックを付与して2ストック確定演出を実行したときに、ART状態においてナビ演出中にナビ継続確定演出を実行することなく上乗せ用3択ゲーム演出が実行される演出パターンである。
例えば、図29に示すように、BB状態においてハズレとなり2ナビストックを付与してフリーズを実行すると、サブ制御部91は、第1記憶領域に示唆されたナビストック数として2を記憶する。また、BBが終了してRT1に制御すると、サブ制御部91は、ATを開始してART状態となる。このART状態において、サブ制御部91は、消化中のナビストックの残りゲーム数が10ゲームとなるまでナビ演出を実行するが、第1記憶領域に1が記憶されているため、仮にイチゴに内部当選してナビストックが付与されてもナビ継続確定演出を実行しない。なお、イチゴに内部当選してナビストックを付与したときには、サブ制御部91は、上乗せ演出を実行するとともに、第1記憶領域に記憶した値に上乗せ演出で示唆したナビストック数を加算する可能性がある。
特定タイミングまでナビ演出を実行した後、サブ制御部91は、残り10ゲームに亘って上乗せ用3択ゲーム演出を実行して上乗せチャンスゾーンに制御する。また、サブ制御部91は、例えば、図29に示すように、上乗せゲーム数が合計10ゲームであったときには、次回ATにおいてナビ演出を30ゲーム実行した後で残り10ゲームに亘って上乗せ用3択ゲーム演出を実行して上乗せチャンスゾーンに再び制御する。なお、この継続されたART状態においては、サブ制御部91は、第1記憶領域に0が記憶されているため、仮にイチゴに内部当選してナビストックが付与されるとナビ継続確定演出を実行する。そして、例えば、図29に示すように、上乗せゲーム数が合計10ゲームであったときには、以降、図28に示す特殊演出パターンと同様の処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ART状態においてナビ継続確定演出を実行してART状態が継続することを報知した場合には、残りの10ゲームにおいてバトル演出ではなく上乗せ用3択ゲーム演出を実行する。
このようにすることで、ART状態の継続が報知されているにも関わらず、バトル演出(最終的にバトルに勝利する演出)が実行されてART状態が継続するか否かを煽ることを防止でき、バトル演出に対して面白みが感じられない状態が発生することを防止できる。また、上乗せ用3択ゲーム演出が実行されれば、遊技者は、上乗せチャンスゾーンに制御されて継続されるART状態のゲーム数が増加することを期待するようになり、特定タイミングの前にナビ継続確定演出が実行されるか否かに対して遊技者に興味を持たせることができるので、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ART状態においてナビ継続確定演出、すなわち、次回ATが確定した旨の音声を出力する場合、特定タイミングになるまでその音声出力を繰り返している。
このようにすることで、ナビ継続確定演出が実行されれば、遊技者は、特定タイミング以降において上乗せチャンスゾーンに制御されることを特定タイミングになるまでいつでも認識できるので、遊技の興趣がさらに向上する。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、上乗せチャンスゾーンに制御して次回ATのゲーム数を上乗せしたときに、上乗せ用3択ゲーム演出において上乗せしたゲーム数を報知する。そして、次回ATが実行されて継続されたART状態では、ゲーム数が上乗せされなかったときと同様に、消化中のナビストックが残り10ゲームとなったときに特定タイミングとなる。
このようにすることで、継続されたART状態では、上乗せチャンスゾーンで上乗せされたゲーム数が全て消化された後に特定タイミングとなる。言い換えると、上乗せされたゲーム数を消化する前に特定タイミングにはならない。このため、遊技者が継続されたART状態に残余量がある(10ゲームのバトル演出実行後に上乗せゲーム数のナビ演出がまだ残っている)と認識している状況でバトル演出が実行されることを防止でき、バトル演出に対して面白みが感じられない状態が発生することを防止できる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、ART状態においてバトル演出の実行中にイチゴに内部当選してナビストックを付与したときには、バトル演出から上乗せ用3択ゲーム演出に切り替えて、残りのゲームを消化するまで上乗せチャンスゾーンに制御する。
このようにすることで、ナビ演出中にナビストックが付与されずバトル演出が実行されたときであっても、遊技者は、上乗せチャンスゾーンに制御されて継続されるART状態のゲーム数が上乗せされる可能性があることも期待するようになる。この結果、本実施形態のスロットマシン1は、バトル演出に対してさらに興味を持たせることができるので、遊技の興趣がさらに向上する。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、サブ制御部91は、BB中にフリーズを発生したり、付与されたナビストック数を示唆する上乗せ演出を実行したりして遊技者に示唆されたナビストック数を第1記憶領域に記憶する。そして、サブ制御部91は、第1記憶領域に残りナビストック数が存在しているときには、ART状態のナビ演出中にイチゴに内部当選してナビストックが付与されてもナビ継続確定演出を実行しない。
このようにすることで、次回ATを実行することを遊技者が認識しているときには、ナビ演出中に次回ATを実行することを報知するナビ継続確定演出の実行が規制されるので、遊技者が演出を煩わしく感じることがない。このため、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に不満を抱かせることを防止できる。
なお、本実施形態のように、上乗せチャンスゾーン中には上乗せ用3択ゲーム演出を実行して遊技者に3択ゲームのためのボタン操作をさせているが、上乗せ用の演出は3択ゲームに限定されず、任意の特殊演出としてもよい。例えば、味方キャラが無敵状態で次々に敵キャラに勝利してゆく演出としてもよい。この場合、遊技者に何らかのボタン操作をさせて遊技の興趣を向上させることが好ましいが、ボタン操作をさせずに敵キャラに勝利するか勝利を次ゲームに持ち越すかを自動抽選するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、有利遊技状態をART状態としたが、これに限定されず、例えば、BB、RB、RT1、RT2、ATの各状態としてもよい。また、本実施形態では、今回ATから次回ATを実行してART状態を継続したが、これに限定されず、継続後の有利遊技状態は継続前の有利遊技状態と異なっていてもよい。例えば、BBからART状態(AT中のRT1)に制御することで有利遊技状態を継続してもよく、BB状態の残りゲーム数が少なくなったときや、メダル払出総数が最大値に近づいてきたときに、バトル演出や上乗せ用3択ゲーム演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、本実施形態とは異なり、BB状態を終了するとRT1ではなく通常遊技状態に移行する構成であれば、BBからRT1、RT2に制御することで有利遊技状態を継続してもよい。逆に、例えば、RT1、RT2からBBに移行することで有利遊技状態を継続してもよい。この場合、例えば、BBを取りこぼしのない役にして内部当選時に必ず入賞できるようにしたり、RT1、RT2中にBBに内部当選したときは内部中RTを省略してBBに移行できるようにしたりして、RT1、RT2から内部中RTを経ずに直接BBに移行できるようにする必要がある。
(実施形態2)
実施形態2では、所定の遊技領域に遊技媒体(例えばパチンコ球、遊技球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(例えば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(例えば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御するパチンコ遊技機に、本発明を適用して具現化させた場合の一例について説明する。
図30は、パチンコ遊技機201を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機201は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機201は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠202を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤206を除く)と、を含む構造体である。
図30に示すように、パチンコ遊技機201は、額縁状に形成されたガラス扉枠202を有する。ガラス扉枠202の下部表面には打球供給皿(上皿)203がある。打球供給皿203の前面には、チャンスボタン216が設けられている。
打球供給皿203の下部には、打球供給皿203に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿204、回転操作することにより遊技領域207に打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)205が設けられている。また、ガラス扉枠202の背面には、遊技盤206が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤206の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域207が形成されている。
遊技領域207の中央付近には、液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置209を備えている。可変表示装置209の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ225a〜225cと、役物226とが設けられている。遊技領域207の可変表示装置209よりも下側には、2つの始動入賞口214a、214bが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口214bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置215が設けられている。可変入賞装置215が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口214bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
始動入賞口214a、214bの下方には、大入賞口221が開放状態とされる特別可変入賞装置220が設けられている。特別可変入賞装置220は、大入賞口221に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口221に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口221が開放状態とされるものとなる。特別可変入賞装置220が閉鎖状態となっているときには、大入賞口221に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置220が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置209を見て遊技を進めている場合には、大入賞口221が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置220の両側には、7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器210a、210bが設けられている。特別図柄表示器210a、210bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行っている。
特別図柄表示器210aは、始動入賞口214aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示(特図ゲーム)を行い、特別図柄表示器210bは、始動入賞口214bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器210a、210bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器210a又は210bで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器210a、210bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器210bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
特別図柄表示器210a、210bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組合せにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器210a、210bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。特定表示結果には、「0」〜「9」の数字等の遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組合せも採用しており、特別図柄表示器210a、210bの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
特定表示結果は複数種類定められている。特定表示結果が特別図柄表示器210a、210bに表示した後には、後述する大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。また、大当たり遊技状態の終了後には、表示された特定表示結果の種類に応じて予め定められている遊技状態に制御される。
また、可変表示装置209では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域209a〜209cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行っている。可変表示装置209は、特別図柄表示器210a、210bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器210a、210bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。
さらに、可変表示装置209においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示等による演出(リーチ予告や大当たり予告等の各種演出)が行われるものとなる。可変表示装置209は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うことに加えて、後述する大当たり演出における画像を表示するためにも用いられる。
可変表示装置209における飾り図柄の変動表示の表示結果は、特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示の表示結果と関連する表示結果となる。例えば、特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果となったときには、可変表示装置209における変動表示の表示結果として当該特定表示結果の種類に応じた大当たり図柄の組合せ(同一図柄の3つ揃い)となるように停止される。なお、可変表示装置209において表示される大当たり図柄の組合せについては、図31を用いて後述する。また、特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果以外の表示結果(はずれ)となったときには、可変表示装置209における変動表示の表示結果として大当たり図柄の組合せ以外のはずれとなる組合せとなるように停止される。
可変表示装置209に大当たり図柄の組合せが停止表示されると、大当たり遊技状態に制御される。大当たり遊技状態においては、特別可変入賞装置220が制御されて、大入賞口221の開放から一定時間経過するまで、又は所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口221を開放状態に制御される。大入賞口221が開閉されてから一定期間(例えば、大当たり遊技状態においては30秒)経過するまで、又は所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口221に入賞するまでが1ラウンドである。
大当たり遊技状態は、このような大入賞口221の開放を行うラウンド数が異なるように複数種類(例えば、3回、6回、9回、12回、15回等)定められている。具体的には、ラウンド数が3回の3ラウンド大当たり、ラウンド数が6回の6ラウンド大当たり、ラウンド数が9回の9ラウンド大当たり、ラウンド数が12回の12ラウンド大当たり、ラウンド数が15回の15ラウンド大当たりが定められている。
また、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態は、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数種類の遊技状態が設けられている。例えば、次の大当たりが発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確率変動状態とならない時短状態)よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に制御される制御される確変時短状態、30回変動表示されるまで時短状態に制御される30回時短状態、60回変動表示されるまで時短状態に制御される60回時短状態、90回変動表示されるまで時短状態に制御される90回時短状態、及び、次の大当たりが発生するまで時短状態に制御される次回時短状態が定められている。
図31は、可変表示装置209において表示される飾り図柄の大当たり図柄の組合せと、当該大当たり図柄の組合せに応じて定められたラウンド数、及び大当たり終了後の遊技状態について説明するための図である。
大当たり図柄の組合せの種類としては、図31の左欄に示されるように、確変大当たり図柄の組合せと、通常大当たり図柄の組合せとが設けられている。確変大当たり図柄の組合せとは、「7」の3つ揃いとなる組合せをいう。確変大当たり図柄の組合せとなった場合には、15ラウンド大当たりに制御された後、次回大当たりとなるまで確変時短状態に制御される。
このため、可変表示装置209において確変大当たり図柄の組合せが停止されることにより、15ラウンド大当たりに制御されることが示唆されるとともに、大当たり終了後において次回大当たりとなるまで確変時短状態に制御されることが示唆される。
通常大当たり図柄の組合せとは、「7」以外の数字の3つ揃いとなる組合せをいう。また、通常大当たり図柄の組合せのうち「7」以外の奇数の3つ揃いとなる組合せ(以下、奇数通常大当たり図柄の組合せという)となった場合には、9ラウンド大当たり、12ラウンド大当たり、及び15ラウンド大当たりのうちいずれかに制御された後、60回時短状態、90回時短状態、及び次回時短状態のうちいずれかに制御される。
このため、可変表示装置209において奇数通常大当たり図柄の組合せが停止されることにより、少なくとも9ラウンド大当たりに制御されることが示唆されるとともに、大当たり終了後において少なくとも60回時短状態に制御されることが示唆される。
また、通常大当たり図柄の組合せのうち偶数の3つ揃いとなる組合せ(以下、偶数通常大当たり図柄の組合せという)となった場合には、3ラウンド大当たり、6ラウンド大当たり、9ラウンド大当たり、12ラウンド大当たり、及び15ラウンド大当たりのうちいずれかに制御された後、30回時短状態、60回時短状態、90回時短状態、及び次回時短状態のうちいずれかに制御される。
このため、可変表示装置209において偶数通常大当たり図柄の組合せが停止されることにより、少なくとも3ラウンド大当たりに制御されることが示唆されるとともに、大当たり終了後において少なくとも30回時短状態に制御されることが示唆される。
また、特別図柄表示器210a又は210bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置209にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ225a〜225cの点灯や役物226の駆動等による演出が実行されることがある。
可変表示装置209の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口214a、214bに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器210a、210bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板のRAM(図示省略)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部211a、211bが設定されている。
特別図柄保留記憶表示部211aは、4つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口214aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、特別図柄表示器210aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部211bについても、同様に、始動入賞口214bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器210bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
RAMには、特別図柄表示器210aにおける特別図柄の始動条件が成立(打球が始動入賞口214aへ入賞)したときに、遊技の進行を制御する主基板のCPU(図示省略)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部211aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部211bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
可変入賞装置215は、後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口214bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
また、遊技領域207の右側には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器212が設けられている。この普通図柄表示器212は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
ゲート228a、228bを遊技球が通過したことが検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板に搭載されるRAMの普通図柄バッファに格納される。この実施形態では、RAMの普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器212において普通図柄の表示状態が変化(「○」及び「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器212における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器212において普通図柄の変動表示が開始される。
普通図柄表示器212の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器213が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器213は、ゲート228a、228bを遊技球が通過したことが検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器212にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器212にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器212における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置215が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。
普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート228a、228bを遊技球が通過したときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)ものとなっている。時短状態は、このように可変入賞装置215が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
ゲート228aの左方及び下方、並びにゲート228bの下方及び右方には、それぞれ入賞口229a〜229dが設けられている。入賞口229a〜229dに遊技球が入賞したことが検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口214a、214b、大入賞口221への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート228a、228bを遊技球が通過しても行われない。
遊技盤206の遊技領域207の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口230が設けられている。また、遊技領域207の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ227が設けられている。遊技領域207の外周上部、外周左部及び外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ240、枠ランプ左241及び枠ランプ右242が設けられている。
また、図1には示していないが、パチンコ遊技機201には打球操作ハンドル205を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域207に発射する打球発射装置(図示省略)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技盤206に遊技領域207を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域207に入り、その後、遊技領域207を下りてくる。始動入賞口214a、214b、大入賞口221、入賞口229a〜229dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口230から排出されるものとなっている。
前述した主基板に搭載されたCPUは、特別図柄表示器210a、210bの表示制御、普通図柄表示器212の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器213の発光制御を行う。
また、主基板に搭載されたCPUは、表示制御基板(図示省略)に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示装置209の表示制御を行う。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置209の表示制御を行う。可変表示装置209の表示制御について具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置209の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置209に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形又は記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施形態では、可変表示装置209の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置209に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置209に出力する。なお、可変表示装置209の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当たり演出、保留記憶のアイコン表示等が含まれる。
また、表示制御基板には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン216が接続されており、チャンスボタン216の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置209において実行しているときには、チャンスボタン216の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置209における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施形態では、表示制御基板に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板(図示省略)にスピーカ227の駆動信号を出力することによりスピーカ227の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板(図示省略)に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機201に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板から送信される可変表示装置209の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置209、スピーカ227、パチンコ遊技機201に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
スピーカ227から出力される音声の再生の処理そのものは、音声出力基板に搭載された音声制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行い、ランプ・ LEDの点灯制御の処理そのものは、ランプドライバ回路に搭載されたランプ制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行うものとなっている。もっとも、これらのマイクロコンピュータは、表示制御基板の表示制御用CPUから指示されたままに音声の再生出力やランプ・LEDの点灯を単純に行うのみであり、どの様な音声を再生出力させるか、ランプ・LEDをどの様に点灯させるかは、表示制御基板の表示制御用CPUが制御しているとも言える。
次に、この実施形態にかかるパチンコ遊技機201における特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置209における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするかは、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示の始動条件が成立したときに決定される。
大当りにするか否かは、確変状態であるか否かに応じた確率に従って決定される。大当りにすると決定された際に、どの種別の大当たり(ラウンド数、大当たり終了後の遊技状態)にするかが決定される。主基板のCPUは、大当りにするか否か、及びどの種別の大当たりにするかの決定結果を特定するためのコマンドを表示制御基板の表示制御用CPUに送信する。表示制御基板の表示制御用CPUは、後述するように、主基板のCPUから送信されてきたコマンドに応じて、可変表示装置209における表示結果を決定する。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、非リーチハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3種類がある。大当たりとすることが決定された場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチの2種類がある。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。
一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現してリーチ演出表示が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動開始から終了までの変動表示時間等が決定される。
特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、特別図柄表示器210a、210bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置209において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器210a、210bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置209における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間(インターバル期間)を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
上記したように、特別図柄表示器210a、210bに特定表示結果が導出されると、大当たり遊技状態に制御される。大当たりを発生させることとなる始動入賞が発生しても、そのときには先の始動入賞に基づいて特別図柄の(飾り図柄も)変動表示が行われていることもある。この場合は、始動入賞に基づいて変動表示を行う権利(始動入賞時に抽出された各種乱数)が保留記憶されるが、保留記憶されている旨が特別図柄保留記憶表示部211a、211bに表示されて、遊技者に報知されるものとなる。
この特別図柄保留記憶表示部211a、211bへのアイコンの表示、可変表示装置209における飾り図柄の変動表示や大当たり演出は、表示制御基板の表示制御用CPUにより実行されるものとなっている。もっとも、これらのアイコンの表示や各種演出は、遊技の進行状況に沿って行われるものとなるため、上記各種の決定を含む主基板のCPUによる遊技の進行状況に応じて、CPUから表示制御基板の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
すなわち、始動入賞口214a又は214bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数により大当たりとなるか否か(さらに、大当たり種別乱数により決定される大当たりの種別を含んでいてもよい)、及び変動種別判定用乱数の値により選択される変動パターンの種別、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類と該始動入賞後の保留記憶数と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板のCPUから表示制御基板の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
また、特別図柄表示器210a又は210bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞と、この変動表示において大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターン(変動表示時間)とを示す開始時コマンドが、主基板のCPUから表示制御基板の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板のCPUから表示制御基板の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
以下、この実施形態にかかるパチンコ遊技機201において、表示制御基板の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板の表示制御用CPUは、開始時コマンドを受信すると、飾り図柄の種類を選択し、変動パターン(変動表示時間)に適合する飾り変動パターンを選択し、当該飾り変動パターンで飾り図柄を可変表示装置209において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置209に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。
まず、変動表示の結果として表示される飾り図柄の選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板のCPUによって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板の表示制御用CPUが決定するものとなっている。
表示制御基板の表示制御用CPUは、主基板のCPUから送信されてきた開始時コマンドに基づき、はずれにすることが特定されたときにははずれ図柄の組合せのうちから停止する図柄の組合せを決定し、大当たりにすること及び大当たりの種別が特定されたときに、大当たりの種別に合致する大当たり図柄の組合せを決定する。
例えば、コマンドから特定される大当たりの種別が、15ラウンド大当たりで大当たり終了後確変時短状態に制御する種別であったときには、確変大当たり図柄の組合せに決定される。また、9〜15ラウンド大当たりで大当たり終了後50〜次回時短状態であったときには、通常大当たり図柄の組合せのいずれかに決定される。また、3又は6ラウンド大当たりあるいは大当たり終了後30回時短状態であったときには、偶数通常大当たり図柄の組合せのいずれかに決定される。
次に、変動パターン(変動表示時間)に適合する飾り変動パターンの選択について説明する。表示制御基板の表示制御用CPUは、開始時コマンドから特定される変動パターン(変動表示時間)に応じて定められた複数種類の飾り変動パターンから、一の飾り変動パターンを選択する。飾り変動パターンは、開始時コマンドから特定される大当たり決定結果及び大当たり種別の決定結果に応じて異なる割合で選択される。このため、複数種類の飾り変動パターンには、大当たりとなる信頼度が異なる飾り変動パターンが含まれる。例えば、リーチに対応する飾り変動パターンとしては、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーC等が定められている。これらの飾り変動パターンは、リーチとなった後に出現するキャラクタ等、異なるリーチ演出が行われるように定められている。大当たりとなる信頼度は、ノーマルよりもスーパーAの方が高く、スーパーAよりもスーパーBの方が高く、スーパーBよりもスーパーCの方が高くなるように、飾り変動パターンが選択される。
表示制御基板の表示制御用CPUは、選択した飾り変動パターンにしたがって飾り図柄を変動表示させた後に、決定した飾り図柄の組合せを停止させる制御を行う。
また、表示制御基板のRAMには、大当たりラウンド数用の記憶領域と、時短回数用の記憶領域とが設けられている。図30は、大当たりラウンド数用の記憶領域と時短回数用の記憶領域とを説明するための図である。大当たりラウンド数用の記憶領域及び時短回数用の記憶領域には、各々、第1記憶領域と、第2記憶領域とが設けられている。
表示制御基板の表示制御用CPUは、可変表示装置209に大当たり図柄の組合せを停止させたときに、当該大当たり図柄の組合せの種類に応じたラウンド数を特定するための情報を大当たりラウンド数用の記憶領域に格納し、当該大当たり図柄の組合せの種類に応じた時短回数を特定するための情報を時短回数用の記憶領域に格納する。
図32(a)に示すように、大当たりラウンド数用の第1記憶領域には、大当たり図柄の組合せから示唆される最小のラウンド数を特定するための情報が格納され、第2記憶領域には、大当たり図柄の組合せからは示唆されていない残りのラウンド数を特定するための情報が格納される。ラウンド数を特定するための情報としては、本実施形態における大当たり遊技状態におけるラウンド数が、3の倍数に定められているため、3ラウンドを1として格納される。
例えば、図31に示した、確変大当たり図柄の組合せが停止されたときには、15ラウンドを特定するための情報として「5」が第1記憶領域に格納される。また、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止されたときには、9ラウンドを特定するための情報として「3」が第1記憶領域に格納され、残りのラウンド数が存在する場合には残りのラウンド数を特定するための情報(例えば残りラウンド数が3である場合には「1」)が第2記憶領域に格納される。また、偶数通常大当たり図柄の組合せが停止されたときには、3ラウンドを特定するための情報として「1」が第1記憶領域に格納され、残りのラウンド数が存在する場合には残りのラウンド数を特定するための情報(例えば残りラウンド数が6である場合には「2」)が第2記憶領域に格納される。
大当たりラウンド数用の記憶領域に格納されている値は、大当たり遊技状態において1ラウンドが開始されときに1減算され、以降、値が1以上であれば、3の倍数のラウンドが終了する毎に1減算される。減算は、第2記憶領域に記憶されている値よりも、第1記憶領域に記憶されている値から優先して減算される。
また、図32(b)に示すように、時短回数用の第1記憶領域には、大当たり図柄の組合せから示唆される最小の時短回数を特定するための情報が格納され、第2記憶領域には、大当たり図柄の組合せからは示唆されていない残りの時短回数を特定するための情報が格納される。時短回数を特定するための情報としては、本実施形態における時短回数が、30の倍数に定められているため、30回を1として格納される。なお、時短状態が次回時短状態となる場合には、時短回数を特定するための情報として、次回時短状態を特定するためのフラグを格納する。
例えば、図31に示した、確変大当たり図柄の組合せが停止されたときには、次回時短状態を特定するためのフラグが第1記憶領域に格納される。また、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止されたときには、60回時短状態を特定するための情報として「2」が第1記憶領域に格納され、残りの時短回数が存在する場合には残りの時短回数を特定するための情報(例えば残りの時短回数が30回の場合には「1」)が第2記憶領域に格納される。また、偶数通常大当たり図柄の組合せが停止されたときには、30回時短状態を特定するための情報として「1」が第1記憶領域に格納され、残りの時短回数が存在する場合には残りの時短回数を特定するための情報(例えば残りの時短回数が60回の場合には「2」)が第2記憶領域に格納される。
時短回数用の記憶領域に格納されている値は、大当たり終了後、飾り図柄の変動表示が開始されるときに1減算され、以降、値が1以上であれば、30の倍数の変動表示が終了する毎に1減算される。減算は、第2記憶領域に記憶されている値よりも、第1記憶領域に記憶されている値から優先して減算される。
表示制御基板の表示制御用CPUは、大当たりラウンド数用の記憶領域及び時短回数用の記憶領域各々に格納されている情報に基づいて、大当たりラウンド数に関連するラウンド数演出や、時短回数に関連する時短回数演出を実行する。以下、ラウンド数演出及び時短回数演出について説明する。
[ラウンド数演出及びラウンド数上乗せ示唆演出について]
表示制御基板の表示制御用CPUは、大当たり図柄の組合せが停止された後における大当たり遊技状態において、ラウンド数を報知する演出を実行する。以下、具体的に説明する。
確変大当たり図柄の組合せが停止された後においては、大当たり遊技状態が開始されたときに「15ラウンド大当たり!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する。これにより、遊技者に対し15ラウンド大当たりである旨が報知される。
これに対し、通常大当たり図柄の組合せが停止された後においては、大当たり遊技状態が開始されたときに「大当たり発生!まず3ラウンドだ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する。これにより、遊技者に対し少なくとも3ラウンド大当たりである旨が報知される。以降、ラウンド消化毎に残りラウンド数が更新表示される。このように3ラウンドまでの残りラウンド数を示唆する演出を、ラウンド数演出という。これにより、残りのラウンド数が示唆される。
ここで、所定タイミングにおける、有利演出残余量に相当するラウンド数演出により示唆される残りのラウンド数、示唆条件残余量に相当する通常大当たり図柄の組合せ停止時に示唆される所定数以上のラウンド数に基づく残りのラウンド数について具体例を用いて説明する。例えば、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止された後、所定タイミングとして、1ラウンド目が終了したときを例として説明する。まず、有利演出残余量に相当する残りのラウンド数は、3から1を差し引いた2ラウンドとなる。また、示唆条件残余量に相当する残りラウンド数は、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止することにより9ラウンド以上であることが示唆されているため、9から1を差し引いた8ラウンドとなる。本実施形態では、後述するように、示唆条件残余量に相当する残りのラウンド数から、有利演出残余量に相当する残りのラウンド数を差し引いた差引ラウンド数については、すでに付与されていることを遊技者が把握済であるため、当該差引ラウンド数以下のラウンド数を示唆する示唆演出の実行を規制するように構成されている。例えば、上記の例における所定タイミングにおいては、8から2を差し引いた6ラウンド数以下のラウンド数多いことを示唆する示唆演出の実行が規制される。
また、3ラウンド終了時、6ラウンド終了時、9ラウンド終了時、及び12ラウンド終了時各々において、その後においても大当たり遊技状態が継続する場合には、大当たり継続演出(「大当たり継続だ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示)を行う一方、大当たり遊技状態がその後継続せずに終了する場合には、大当たり終了演出(「大当たり終了!残念!」といったメッセージを可変表示装置209に表示)を行う。
さらに、本実施形態では、3ラウンド終了時、6ラウンド終了時、9ラウンド終了時、及び12ラウンド終了時各々において、大当たりラウンド数用の記憶領域の第1記憶領域及び第2記憶領域に残りラウンド数が存在するときには、ラウンド数上乗せ示唆演出を実行して、未だ示唆されていないラウンド数を示唆できるようになっている。ラウンド数上乗せ示唆演出とは、第2記憶領域の残りラウンド数を示唆するか否かの抽選を行い、示唆するときには「○ラウンド上乗せだ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示し、示唆しないときには「残念!上乗せなし!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する演出である。なお、ラウンド数の上乗せが示唆されたときには、示唆された上乗せラウンド数が第1記憶領域の残りラウンド数に加算される。
[大当たり継続煽り演出及びラウンド数上乗せ煽り演出について]
また、本実施形態では、大当たりラウンド数用の記憶領域において、第1記憶領域に残りラウンド数が存在しないときには、大当たり継続演出又は大当たり終了演出を実行する前の特定タイミング(例えば、10秒前)からいずれかの演出を実行するまで大当たり継続煽り演出を実行する。大当たり継続煽り演出は、「大当たりが継続するかも…」といったメッセージを可変表示装置209に表示し、大当たり遊技状態が継続するか否かを煽る継続煽り演出の一例である。
また、第1記憶領域に残りラウンド数が存在するときには、残りラウンド数が既に示唆されて特定条件が成立しており、ラウンド数上乗せ示唆演出を実行する前の特定タイミングからウンド数上乗せ示唆演出を実行するまでラウンド数上乗せ煽り演出を実行する。ラウンド数上乗せ煽り演出は、「ラウンド数の上乗せがあるかも…」といったメッセージを可変表示装置209に表示し、ラウンド数が上乗せされるか否かを煽る特殊演出の一例である。なお、本実施形態では、ラウンド数上乗せ煽り演出が実行されている期間をラウンド数上乗せチャンスゾーンという。
[時短回数演出及び時短回数上乗せ示唆演出について]
表示制御基板の表示制御用CPUは、大当たり遊技状態が終了した後において、時短回数を報知する演出を実行する。以下、具体的に説明する。
確変大当たり図柄の組合せが停止されて発生した大当たり遊技状態が終了した後においては、「次回大当たりまで確変時短状態!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する。これにより、遊技者に対し次回大当たりまで確変時短状態に制御される旨が報知される。
これに対し、通常大当たり図柄の組合せが停止されて発生した大当たり遊技状態が終了した後においては、「まず30回時短だ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する。これにより、遊技者に対し少なくとも30回時短状態に制御される旨が報知される。以降、変動表示消化する毎に残り変動表示回数が更新表示される。このように30回までの残り時短回数を示唆する演出を、時短回数演出という。これにより、残り時短回数が示唆される。
ここで、所定タイミングにおける、有利演出残余量に相当する時短回数演出により示唆される残りの時短回数、示唆条件残余量に相当する通常大当たり図柄の組合せ停止時に示唆される所定数以上の時短回数に基づく残りの時短回数について具体例を用いて説明する。例えば、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止された後、所定タイミングとして、10回変動表示が終了したときを例として説明する。まず、有利演出残余量に相当する残りの時短回数は、30から10を差し引いた20回となる。また、示唆条件残余量に相当する残り時短回数は、奇数通常大当たり図柄の組合せが停止することにより60回以上であることが示唆されているため、60から10を差し引いた50回となる。本実施形態では、後述するように、示唆条件残余量に相当する残りの時短回数から、有利演出残余量に相当する残りの時短回数を差し引いた差引時短回数については、すでに付与されていることを遊技者が把握済であるため、当該差引時短回数以下の時短回数を示唆する示唆演出の実行を規制するように構成されている。例えば、上記の例における所定タイミングにおいては、50から20を差し引いた30回以下の回数多いことを示唆する示唆演出の実行が規制される。
また、30回時短終了時、60回時短終了時、90回時短終了時各々において、その後においても時短状態が継続する場合には、時短継続演出(「時短継続だ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示)を行う一方、時短状態がその後継続せずに終了する場合には、時短終了演出(「時短終了!残念!」といったメッセージを可変表示装置209に表示)を行う。
さらに、本実施形態では、30回時短終了時、60回時短終了時、90回時短終了時各々において、時短回数用の記憶領域の第1記憶領域及び第2記憶領域に残り時短回数が存在するときには、時短回数上乗せ示唆演出を実行して、未だ示唆されていない時短回数を示唆できるようになっている。時短回数上乗せ示唆演出とは、第2記憶領域の残り時短回数を示唆するか否かの抽選を行い、示唆するときには「○回上乗せだ!」といったメッセージを可変表示装置209に表示し、示唆しないときには「残念!上乗せなし!」といったメッセージを可変表示装置209に表示する演出である。なお、時短回数の上乗せが示唆されたときには、示唆された上乗せ時短回数が第1記憶領域の残り時短回数に加算される。
[時短継続煽り演出及び時短回数上乗せ煽り演出について]
また、本実施形態では、時短回数用の記憶領域において、第1記憶領域に残り時短回数が存在しないときには、時短継続演出又は時短終了演出を実行する前の特定タイミングからいずれかの演出を実行するまで時短継続煽り演出を実行する。時短継続煽り演出は、「時短継続するかも…」時短状態が継続するか否かを煽る継続煽り演出の一例である。
また、第1記憶領域に残り時短回数が存在するときには、残り時短回数が既に示唆されて特定条件が成立しており、時短回数上乗せ示唆演出を実行する前の特定タイミング(例えば、10秒前)から時短回数上乗せ示唆演出を実行するまで時短回数上乗せ煽り演出を実行する。時短回数上乗せ煽り演出は、「時短回数の上乗せがあるかも…」といったメッセージを可変表示装置209に表示し、時短回数が上乗せされるか否かを煽る特殊演出の一例である。なお、本実施形態では、時短回数上乗せ煽り演出が実行されている期間を時短回数上乗せチャンスゾーンという。
前述した実施形態2のようなパチンコ遊技機201におけるラウンド数演出、ラウンド数上乗せ示唆演出、大当たり継続煽り演出、ラウンド数上乗せ煽り演出、時短回数演出、時短回数上乗せ示唆演出、時短継続煽り演出、時短回数上乗せ煽り演出等を実行することにより、実施形態1のスロットマシン1で説明したフリーズやナビ継続確定演出、バトル演出、上乗せ用3択ゲーム演出等を実行することにより奏される効果と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態では、ラウンド数上乗せチャンスゾーンにおいて、大当たりラウンド数用の記憶領域の第2記憶領域に残りラウンド数があるときにラウンド数上乗せ示唆演出を実行するか否かを制御して、示唆されるラウンド数(第1記憶領域に記憶されるラウンド数)を増加させるか否かを制御しているが、例えば、実施形態1と同様に、実際に大当たり遊技状態のラウンド数を上乗せするか否かを制御してもよい。この場合、大当たり遊技状態において予め設定されたラウンド数の上乗せ抽選処理を実行できるようにする必要がある。
また、時短回数上乗せチャンスゾーンについても、ラウンド数上乗せチャンスゾーンと同様に、時短回数用の記憶領域の第2記憶領域に残り時短回数があるときに時短回数上乗せ示唆演出を実行するか否かを制御して、示唆される時短回数(第1記憶領域に記憶される時短回数)を増加させるか否かを制御しているが、実際に時短状態の時短回数を上乗せするか否かを制御してもよい。この場合、時短状態において予め設定された時短回数の上乗せ抽選処理を実行できるようにする必要がある。
本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施形態の変形例について説明する。
[示唆条件について]
前述した実施形態においては、AT抽選条件成立時にイチゴを入賞ラインL1に停止させることや、通常大当たり図柄の組合せを停止させること等により成立したことが遊技機により報知される条件を示唆条件の一例として説明した。しかし、示唆条件は、遊技機により報知されるものに限らず、遊技機とは別の装置等によって成立したことが報知されるものであってもよい。例えば、前回ボーナス終了から所定ゲーム数消化(1000ゲーム消化)でナビストック数を所定数以上付与してATへの制御を開始するスロットマシンにおいて、当該スロットマシンにおいては消化したゲーム数を報知することなく、当該スロットマシンの上方に設置され当該スロットマシンの遊技履歴等を表示する情報表示装置(例えば、データカウンタ)により、当該スロットマシンにおいて前回ボーナス終了から消化したゲーム数を報知するようにしてもよい。この場合、情報表示装置に表示される遊技履歴から、示唆条件が成立しているか否か、及び成立しているときにはナビストック数が所定数以上付与されていることを遊技者は特定することができる。
[有利遊技状態、及び量について]
前述した実施形態においては、有利遊技状態として、ART状態、大当たり遊技状態、時短状態等を例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限らず、例えば、スロットマシンにおけるボーナスやRT等であってもよく、またパチンコ遊技機における確率変動状態等であってもよい。
また、実施形態1においては、有利遊技状態に制御される量として、ナビストック数を例示したが、これに限らず、有利遊技状態に制御されるゲーム数であってもよく、ナビ演出を実行し得るナビ演出実行回数であってもよく、有利遊技状態に制御可能となる制御時間であってもよい。また、実施形態2においては、有利遊技状態に制御される量として、ラウンド数や時短回数を例示したが、これに限らず、確率変動状態に制御される変動表示回数であってもよく、有利遊技状態に制御可能となる制御時間であってもよい。
[有利演出について]
前述した実施形態における有利演出としては、ATの残りゲーム数、残りラウンド数、残り時短回数等、有利遊技状態に制御される量を明確に示唆する演出を例示した。しかし、有利演出は、有利遊技状態に制御される量があることを示唆する演出であればよく、制御される量が不明確な演出であってもよい。有利演出は、例えば、残りゲーム数が不明となる演出のみ(図19のステップS33、図21のステップS63、「???」等)から構成されるものであってもよい。
また、有利演出は、ナビストック、ラウンド数、時短回数を特定するための1の値を消費することにより制御される量(ナビストック:30、ラウンド数:3、時短回数:30)以下の量を示唆する例について説明した。しかし、有利演出は、ナビストック、ラウンド数、時短回数を特定するための1の値を消費することにより制御される量より多い量を示唆するものであってもよく、また、示唆条件が成立することに示唆される所定量よりも多い量を示唆する場合が生じるようにしてもよい。
[上乗せ演出について]
前述した実施形態1では、図24のステップS84〜ステップS86で示したように、示唆済のナビストック数が多いほど、上乗せ演出の実行割合が低く、ナビストック数が上乗せされた旨が示唆され難くなる例について説明したが、これに限らず、ステップS84において3以上有りと判定されたときにステップS86に移行し、3以上有りと判定されなかったときにステップS85に移行するようにしてもよい。この場合、示唆済のナビストック数が多いほど、上乗せ演出の実行割合が高く、ナビストック数が上乗せされた旨が示唆されやすくすることができる。また、上乗せ演出を実行する割合は、第1記憶領域に記憶されている値に限らず、第2記憶領域に記憶されている値に応じて異ならせてもよい。
[潜伏について]
前述した実施形態2においては、実施形態1で示した潜伏に制御されない例について説明したが、これに限らず、第1記憶領域の値が0であるときには、例えば所定回数変動表示が行われる間、潜伏させるようにしてもよい。
また、実施形態2に関し、大当たり図柄の組合せとして、大当たり終了後に必ず確率変動状態に制御させる第1大当たり図柄の組合せと、大当たり終了後に確率変動状態に制御されるか否か特定不能な第2大当たり図柄の組合せとを含み、第1大当たり図柄の組合せが停止して制御された大当たり遊技状態が終了した後においては確率変動状態である旨を示唆する潜伏確定演出を実行し、第2大当たり図柄の組合せが停止して制御された大当たり遊技状態が終了した後においては確率変動状態である可能性を有する旨を示唆する潜伏可能性有演出を実行するようにしてもよい。
[一般遊技状態中のナビ演出について]
前述した実施形態におけるナビ対象役は、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6であり、RT2であるときには押し順メロン1〜5である例について説明したが、これに限るものではない。例えば、ナビ対象役に、イチゴやブドウを含め、当選したときにイチゴに当選した旨あるいはブドウに当選した旨を報知するようにしてもよい。
[メロンの入賞ラインについて]
前述した実施形態においては、押し順メロン1〜5のいずれかが当選したときには、図10で示したように、当選した押し順メロンの種類に応じた所定の押し順となる操作手順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したことを条件として、中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメロン1を3ラインで入賞させ、所定の押し順と異なる操作手順で操作したことを条件として、中リール2Cの「メロン」を上段に停止させてメロン1を1つの入賞ラインに入賞させる例について説明した。しかし、所定の押し順となる操作手順で操作された場合にメロン1が入賞する入賞ライン数は、3つの入賞ラインに限らず、複数であれば、例えば2つ、4つの入賞ラインであってもよい。また、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作された場合にメロン1が入賞する入賞ライン数は、1つの入賞ラインに限らず、所定の押し順となる操作手順で操作された場合に入賞する入賞ライン数よりも少ない入賞ライン数であれば、例えば、複数の入賞ラインであってもよい。
また、前述した実施形態において、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行われる手順として、左・中・右リールを所定の順番で停止させる手順を例に説明した。しかし、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行われる手順としては、これに限らず、左・中・右リールのうち所定のリールを第2に停止させる手順であってもよく、左・中・右リールのうち所定のリールを第1に停止させる手順であってもよい。これにより、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行われる手順のバリエーションが増えるため、興趣を向上させることができる。
[押し順メロン当選時のリール制御について]
前述した実施形態では、図10において、押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときにおいて、所定の押し順となる操作手順で操作されたときと、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作されたときとで異なるリール制御が行われる一例を説明した。しかし、異なるリール制御としては、図10に示すものに限らず、例えば、所定の押し順となる操作手順で操作されたときには、左リール2L及び右リール2R各々について、当選していない入賞役が入賞してしまう場合を除き、停止操作されたタイミングで停止させる制御(停止遅延させない制御)が行われ、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作されたときには、左リール2L及び右リール2R各々について、当選していない入賞役が入賞してしまう場合を除き、停止操作されたタイミングから停止遅延させて停止させる制御が行われるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合において、所定の押し順となる操作手順で操作されたときに、「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを入賞ラインL3又はL4に停止させ、所定の押し順以外の操作手順で操作されたときに、「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを入賞ラインL2に停止させるようにリール制御を行うように構成してもよい。このように構成する場合において、押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときであって、第1停止が行われて左リール2L又は右リール2Rを停止させるときには、当該第1停止が所定の押し順となる操作手順に合致するか否かに関わらず、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるようにリール制御を行い、当該第1停止及び第2停止以降における操作手順に応じて、所定の押し順となるときには「メロン」を入賞ラインL3又はL4上に停止させるリール制御を行い、所定の押し順とならないときには「メロン」を入賞ラインL2上に停止させるリール制御を行うように構成してもよい。これにより、第1停止によりメロン1の図柄組合せを構成しないリール(例えば、左リール2L、右リール2R)を停止させた場合であっても、入賞ラインL2〜L4のいずれにも「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させることができるように停止制御が行われる。その結果、第1停止により停止された出目からは、当該第1停止が所定の押し順に合致する停止操作であったか否かを把握できないように、特定不能にすることができ、第2停止以降にも期待感を持続させることができる。
[ATでない旨が特定される状態について]
前述した実施形態では、AT当選していない旨のATフラグが設定されているときには、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない例について説明した。しかし、AT当選していない旨のATフラグが設定されているときであっても、所定確率でナビ演出を実行するように構成してもよい。
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施形態においては、AT当選している旨(AT中である旨)のATフラグを、ボーナス当選したときであってもクリアすることなく、その後も維持し、再び通常遊技状態に制御されたときにATに制御し得るようにし、かつボーナス中の抽選(図17(d))によりナビストックを獲得した場合には、当該ナビストック数が上乗せされた数に対応するATフラグに更新し、ボーナス終了後においては更新後のATフラグに基づくナビストック数にしたがって行う例について説明した。しかし、AT当選している旨のATフラグは、ボーナス当選したときにクリアするものであってもよい。また、ボーナス当選毎に上乗せ可能かクリアかいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、AT当選している旨のATフラグが設定されている状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 上記の実施形態1では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31等、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34c等、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
また、実施形態2では、所定の遊技領域に遊技媒体を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域を通過することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機について説明した。しかし、これに限らず、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
具体的に、上記の実施形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行い表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行われ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行う遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(3) 前述した実施形態においては、図9及び図10で示したように、昇格リプの入賞手順及び中リール2Cの「メロン」を中段停止させる手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであってもよく、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであってもよい。
(4) 前述した実施形態においては、メロン1当選時において転落出目が導出されることにより、RT1及びRT2のいずれかから通常遊技状態に移行する例について説明したが、通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。例えば、メロン1当選時に限らず、特定の入賞役当選時において当該特定の入賞役(特定の小役、特定の再遊技役)の入賞を発生させることができないときに停止される出目(特定のはずれ出目を含む)であってもよく、また、特定の入賞役と同時に当選し得る他の特定の入賞役に入賞することであってもよい。
(5) 前述した実施形態においては、昇格リプ入賞することにより、通常遊技状態からRT2に昇格する例について説明したが、通常遊技状態からRT2への昇格契機はこれに限らず、例えば、所定の入賞役の取りこぼし時にのみ停止する図柄組合せが停止されることであってもよい。これにより、所定の入賞役を取りこぼす代わりに遊技状態が移行されるという面白みを付加することができる。
(6) 前述した実施形態2は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式のパチンコ遊技機を一例に説明したが、これに限らず、遊技球を封入し、入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式のパチンコ遊技機にも適用することができる。
(7) なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。