JP7096117B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
そこで、室外熱交換器の除霜時間を短縮できる空気調和機を提供する。
以下、第1実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1に示すように、空気調和機1は、圧縮機2、四方弁3、室内熱交換器4、電子膨張弁5及び室外熱交換器6を冷媒配管7で環状に接続したヒートポンプ式の冷凍サイクル8を備えている。本実施形態の室外熱交換器6は、例えば上下方向に連設された上側熱交換器6aと下側熱交換器6bで構成されるものとし、「室外熱交換器6a,6b」とも称する。
室内熱交換器4では、冷媒の流れる方向に応じて放熱又は吸熱作用が行われ、室内ファン13の運転によって、室内熱交換器4を通過する空気との熱交換が促される。
詳細には、室外熱交換器6a,6bたる上側熱交換器6aと下側熱交換機6bは、一体として室外熱交換器6を構成するが、図1では便宜上、上側熱交換器6aを「上側」、下側熱交換機6bを「下側」として別個に表している。また、図2では、上側熱交換器6aと下側熱交換機6bを収納した室外機12の外観を斜視図で表している。
この室外機12の筐体20内において、上側熱交換器6aと下側熱交換機6bは、相互に上下方向に連なる配置とされており、上側熱交換器6aのプレートフィンPfと下側熱交換機6bのプレートフィンPfとが、長手方向を上下方向として連ねられている。このように、図2に例示する上側熱交換器6aと下側熱交換機6bは、所定間隔を有して多数並設されたプレートフィンPfを図示しない伝熱管が貫通してなるプレートフィンチューブ型のものである。
本実施形態の室外ファン14aは、上側熱交換器6aと対向するように室外機12の筐体20上部に配置された上側ファンであり、又、上側熱交換器6aとしての上流側熱交換器に対応する上流側ファンでもある。室外ファン14bは、下側熱交換器6bと対向するように室外機12の筐体20下部に配置された下側ファンであり、又、下側熱交換機6bとしての下流側熱交換器に対応する下流側ファンでもある。
室外ファン14aは、その運転により上側熱交換器6aに外気を送る。室外ファン14bは、その運転により下側熱交換器6bに外気を送る。これら室外ファン14a,14bの運転の制御は、制御装置10により各別に行われるようになっている。なお、通常の冷・暖房運転時には、この2つの室外ファン14a,14bは、ほぼ同じ回転数で運転される。
室外温度センサ15は、室外機12内において外気と接触する箇所、通常は室外熱交換器6aまたは6bの空気吸い込み側(前記筐体20の背面の開放面側)、に設けられ、室外の温度つまり外気温度を検出する。室外熱交換器温度センサ16は、室外熱交換器6a,6bの何れかの伝熱管等に取り付けられることで、室外熱交換器6a,6bの温度を検出する。吸込温度センサ17は、圧縮機2の吸込口2a側の冷媒配管7に設けられ、圧縮機2に吸い込まれる冷媒の温度を検出する。なお、図1に示す、室内機11に配設された温度センサ18について、詳しくは後述する。
室外熱交換器6bから流出した冷媒は、電子膨張弁5を通過する際に減圧され、その後、室内熱交換器4に流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。こうして、室内熱交換器4から流出する冷媒は、ガス状態の冷媒となって圧縮機2に戻される。
また、室外熱交換器6a,6bにあっては、上側熱交換器6aよりも冷媒流の下流側に位置する下側熱交換器6bの方で着霜量が多くなる傾向にある。更に、霜が溶けた水つまり除霜水が上側熱交換器6aから下側熱交換器6bへと流下し、下側熱交換器6bで滞留する(プレートフィンPfの隙間を狭める)等して熱交換性能を低下させる虞がある。また、室外熱交換器6a,6bにおける冷媒温度は、冷媒入口側の上側熱交換器6aよりも下側熱交換器6bの方が低くなり、上下の熱交換器6a,6b間で除霜の進行にズレが生じる虞がある。
図3は、除霜運転における四方弁3の切替え状態、圧縮機2の運転周波数F、室外ファン14aの回転数Na及び室外ファン14bの回転数Nb、並びに吸込温度センサ17で検知される冷媒温度Tcを示すタイムチャートである。
上記のように、制御装置10は、暖房運転において室外熱交換器6の温度低下に伴い除霜開始条件が成立したとき、その時点t1で、暖房運転を中断する。このとき、室内ファン13を停止させるとともに、圧縮機2を一旦停止させてその運転周波数Fを0とする(図3参照)。
除霜運転において、制御装置10は、室外熱交換器温度センサ16により検出される温度に基づいて除霜終了条件が成立したか否かを判断する。図3に示すように、制御装置10は、除霜終了条件が成立したとき、その時点t4で圧縮機2を停止させて除霜運転を終了する。除霜終了条件についても、室外熱交換器6の温度だけでなく、その温度変化等を組み合わせて判定してもよい。
図4は、上記した除霜運転開始から除霜運転終了までの間における、室外ファン14a,14bの運転制御に係る処理の流れを示している。
制御装置10は、外気温度TOUTが所定温度T0以下の場合(TOUT≦T0、ステップS1:NO)、外気によっては室外熱交換器6a,6bの霜を溶かすための吸熱ができないという判断により、室外ファン14aと室外ファン14bの双方について運転を停止させて、回転数Na,Nbを0とする(ステップS8)。この場合、制御装置10は、除霜開始時点t2から除霜終了時点t4まで、つまり除霜運転中は室外ファン14a,14bの運転を停止させたままとする。
これによれば例えば、室外熱交換器6a,6bにおける、複数の室外ファン14a,14b各々の送風対象となる各部位で、除霜の進行状況に差が生じるような場合でも、時間差αをもった室外ファン14a,14bの停止制御により、除霜の進行をバランスさせて除霜時間を短縮することが可能となる。また、室外ファン14a,14bの停止制御以降の、言わばファン停止除霜において、室外熱交換器6a,6bの温度を送風により低下させずに除霜を行うことができる。
この場合、除霜運転中の冷媒は、上流側熱交換器6aと下流側熱交換器6bを順に経由するため、冷媒温度Tcは、上流側熱交換器6aよりも下側熱交換器6bの方で低くなるが、下流側の室外ファン14bの運転停止につき、時間差αをもたせることで、下側熱交換器6bで除霜が遅れないように送風し或いは吸熱量を補完し、除霜の進行をバランスさせて除霜時間を短縮することができる。
本第2実施形態の空気調和機1は、室外機12において一の室外熱交換器6aと一の室外ファン14aが収納され、その余の室外熱交換器6bと室外ファン14bが削除されたいわゆる1ファンタイプの室外機としてシンプルな構造を備える。そこで説明の便宜上、本第2実施形態では一の室外熱交換器6aを「室外熱交換器6o」、一の室外ファン14aを「室外ファン14o」と称し、第1実施形態の如く上側と下側あるいは上流側と下流側といった関係にある他の室外熱交換器6bや室外ファン14bがある室外機12とは区別する。
即ち、制御装置10は、除霜開始条件が成立すると、除霜開始時点t2(図3参照)までに室外温度センサ15により検出される外気温度TOUTを取得し、その外気温度TOUTが所定温度T0よりも高いか否かを判断する(図5のステップS11)。
これに対し、制御装置10は、外気温度TOUTが所定温度T0よりも高い場合(TOUT>T0、ステップS11:YES)、室外ファン14oの回転数を最大回転数に設定する(ステップS12)。このため、図3に示したように室外ファン14oは、暖房運転時の最大回転数で継続駆動される。
こうして、制御装置10は、冷媒温度Tcの温度低下量ΔTcが所定値THRに達したとき(ステップS14:YES)、或いは室外ファン14oの運転時間tが上限時間tMAXに達したとき(ステップS13:YES)、室外ファン14oの運転を停止して、この処理を終了する。
これによれば、冷媒温度Tcの温度低下量ΔTcが所定値THRに達するまでは室外ファン14oを運転させ、その強制対流により、室外熱交換器6oで外気から吸熱することで除霜時間を短縮することができる。
続いて、第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を説明する。第1実施形態においては、除霜運転中の室外ファン14a,14bの停止条件として、冷凍サイクル8中の冷媒温度としての圧縮機2の吸込み側の冷媒温度Tcを用いたが、本実施形態では、冷媒温度として、室内熱交換器4の温度を用いる点が異なっている。他の構成及び制御動作は、第1実施形態と同様であり、詳細説明を省略する。
以上のように、冷媒温度Tcを検出する吸込温度センサ17に代えて、室内熱交換器4の冷媒温度を検出する室内熱交換器温度センサ18を用いた場合でも、第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。さらに、圧縮機2の吸込み側の冷媒温度Tcや室内熱交換器4の冷媒温度以外の位置では冷媒の温度変化量が小さくなるため、温度変化度合いの検出が難しくなるが、これ以外の冷凍サイクル8の他の位置における冷媒温度を用いて室外ファン14a,14bの停止を決定してもよい。
この他、上記した除霜開始条件等の各条件ないし具体数値は、要旨を逸脱しない範囲で適宜設定すればよい。
Claims (9)
- 圧縮機、四方弁、室内熱交換器、減圧器及び室外熱交換器を冷媒配管で環状に接続した冷凍サイクルと、
前記室外熱交換器に外気を送る室外ファンと、
前記冷凍サイクル中の冷媒温度を検出する温度センサと、
暖房運転において、前記冷媒配管を流れる冷媒の循環方向を前記四方弁により逆に切替えた冷房サイクルで前記室外熱交換器の除霜を行う除霜運転を実行する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記四方弁により前記冷房サイクルに切替えて前記除霜運転を開始してから、その除霜運転中に前記温度センサにより検出される前記冷媒温度の所定時間あたりの温度低下量が予め定められた所定値に達するまでは前記室外ファンを運転させる空気調和機。 - 前記温度センサは、前記圧縮機の吸込側の冷媒温度を検出する温度センサである請求項1記載の空気調和機。
- 前記温度センサは、前記室内熱交換器の冷媒温度を検出する温度センサである請求項1記載の空気調和機。
- 前記室外熱交換器に外気を送る複数の前記室外ファンを備え、
前記制御装置は、前記冷媒温度の前記温度低下量が前記所定値に達したとき、前記複数の室外ファンの運転を、相互に時間差をもって停止させるように停止制御する請求項1から3の何れか一項記載の空気調和機。 - 前記室外熱交換器は、上下方向に並ぶ上側熱交換器と下側熱交換器とを含む複数のものであり、
前記複数の室外ファンは、前記上側熱交換器に対応するように配置された上側ファンと、前記下側熱交換器に対応するように配置された下側ファンとを含み、
前記制御装置は、前記冷媒温度の温度低下量が前記所定値に達したとき、前記上側ファンの運転を停止させ、その後に前記時間差をもたせて前記下側ファンの運転を停止させる請求項4記載の空気調和機。 - 前記室外熱交換器は、前記冷房サイクルで凝縮器として機能するとき冷凍サイクル上流側となる上流側熱交換器と、冷凍サイクル下流側となる下流側熱交換器とを含む複数のものであり、
前記複数の室外ファンは、前記上流側熱交換器に対応するように配置された上流側ファンと、前記下流側熱交換器に対応するように配置された下流側ファンとを含み、
前記制御装置は、前記冷媒温度の温度低下量が前記所定値に達したとき、前記上流側ファンの運転を停止させ、その後に前記時間差をもたせて前記下流側ファンの運転を停止させる請求項4記載の空気調和機。 - 室外の外気温度を検出するための室外温度センサを備え、
前記制御装置は、前記除霜運転を開始する際に前記室外温度センサで検出された外気温度が予め定められた所定温度よりも高いことを条件として、その除霜運転時に前記室外ファンの運転を行う請求項1から6の何れか一項記載の空気調和機。 - 前記制御装置は、前記除霜運転における前記室外ファンの運転時間に予め上限が定められており、前記除霜運転における前記室外ファンの運転時間が上限に達した場合に、前記冷媒温度の前記温度低下量とは無関係に前記室外ファンの運転を停止させる請求項1から7の何れか一項記載の空気調和機。
- 前記制御装置は、前記除霜運転において前記室外ファンを運転するときの回転数を、通常の暖房運転時よりも高い回転数あるいは最大回転数に設定する請求項1から8の何れか一項記載の空気調和機。
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